説明

補助寝具

【課題】 普通の人がうつ伏せ寝を簡易に安心して行うことができる補助寝具を提供すること。
【解決手段】 敷布団26又はベッドシーツの下側に敷く補助寝具。この補助寝具は、頭部、胸部、胴部及び股部にわたる身体上部を載置するためのうつ伏せ寝用主台4と、うつ伏せ寝用主台4と略平行に配設される傾斜寝用副台6とを備え、うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6とが所定の間隔をおいて連結される。うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6とは、連結部材8、例えば連結シーツ18を介して連結され、うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6の少なくともいずれか一方が連結シーツ18に位置調整自在に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ伏せ寝、横向き寝に適した補助寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
うつ伏せ寝は、聖路加国際病院の日野原先生等の医師によっても提唱されているように、健康によいとされている(例えば、非特許文献1参照)。この提唱されている説によれば、人間も元来は四つ足の動物と同じく、うつ伏せ寝状態にあるときに内臓が安定しており、睡眠時においても、この状態をとること、即ちうつ伏せ寝の状態になることが好ましいとされる。そして、このうつ伏せ寝を習慣付けることにより、舌根沈下が防止され、また誤嚥も防止される。舌根沈下は、無呼吸症候群の原因となり、また誤嚥は、糖尿病などで免疫力が低下した人にとって誤嚥性肺炎、気管支炎の原因となる。このうつ伏せ寝の就寝状態においては、唾液の分泌が促進され、睡眠時に雑菌を唾液とともに口外に排出することができ、また痰の排出を容易にする。
【0003】
また、この非特許文献1では、「安静の姿勢」と思われていた「仰向け寝」の弊害をなくすのは、人類の進化の過程に合った「うつ伏せ寝」であったと説明されている。医療現場から発見され、全国的に広まりつつある「腹臥位療法」の研究結果を元に、「うつ伏せ」姿勢の驚くべき効果が検証され、全く新しい健康法のための正しいやり方と安全のポイントについて述べられている。
【0004】
更に、この非特許文献1では、楽なうつ伏せ寝のポイントは、頭を横向きにし、マットと身体との間に隙間が生じないようにクッションで埋めることであると説明されている。
【0005】
従来の寝具などにおいて、うつ伏せ寝を目的としたものがいくつか提案されているが、これらはいずれも特殊な用途を目的するものが多く、普通の人が日常的に用いるには適してなく、楽な状態でうつ伏せ寝を実現させるものではなかった。
【0006】
うつ伏せ寝用寝具の第1の例として、比較的固い第1クッション材と、この第1クッション材の上面に重ねられた比較的柔らかい第2クッション材とから構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このうつ伏せ寝用寝具においては、第1クッション材には、上面が開放された多数の平行な溝が設けられ、第2クッション材には、その上面から第1クッション材の溝に至るように多数の空気孔が設けられている。
【0007】
また、うつ伏せ寝用寝具の第2の例として、枕本体の中央部に使用者の顔面の輪郭形状に対応した孔を設け、この孔の周縁部が弾性材料から形成されたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このうつ伏せ寝用寝具では、枕本体は、横方向には所定の範囲にわたってほぼ水平に変位可能であるが、縦方向には変位できないように支持体に装着される。
【0008】
また、うつ伏せ寝用寝具の第3の例として、コの字型の骨格部分と、クッション部分とから構成されたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このうつ伏せ用寝具では、骨格部分には空気の出入りが可能な穴(又は隙間)が設けられ、額を当てる部分の手前側に花を挿入するための穴(又は隙間)が設けられ、更に後頭部又は額・頬部を支えるための凹みが設けられている。
【0009】
また、うつ伏せ寝用寝具の第4の例として、傾斜支持面を有する傾斜マットと、この傾斜マットと間隔をおいて配設される移動抑制部材とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。このうつ伏せ寝用寝具では、傾斜マットの傾斜支持面が使用者の背中側に配置され、移動抑制部材が使用者の腹部側に配置され、使用状態において頭部が横向いた状態に保たれ、頭部をこのような状態に保つことによって、就寝中に無呼吸状態になるのを防止することができる。
【0010】
また、うつ伏せ寝用寝具の第5の例として、頭部を載置する枕部と、この枕部の下方に配設される一対のクッション性の棒部を備え、一対の棒部が枕部に連結されたものが提案されている(例えば、特許文献5参照)。このうつ伏せ寝用寝具では、枕部の使用時の対応定荷重高の値が棒部の使用時対応定荷重厚さの値よりも大きく設定され、使用時に使用者の肩部から胴部にわたる部分が一対の棒部間に位置するように用いられる。
【0011】
更に、うつ伏せ寝用寝具の第6の例として、クッション性を有する枕部と、クッション性を有する複数の円筒状体から構成される胴体部と、枕部から横方向に延びる補助枕部と、この補助枕部から延びる補助円筒状部とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献6参照)。このうつ伏せ寝用寝具では、使用者の頭部及び顔面部の一部が枕部に載置され、使用者の顔面部から股部にわたる部分が胴体部に密着して位置し、枕部の使用時の高さは、胴体部の使用時の高さよりも低く設定される。また、胴体部と枕部とが連結され、この胴体部と補助円筒体とが連結して使用される。
【0012】
【特許文献1】特開2003−61791号公報
【特許文献2】特開閉10−277102号公報
【特許文献3】特開平7−275098号公報
【特許文献4】特開2005−118528号公報
【特許文献5】特開2007−282691号公報
【特許文献6】特開2007−103931号公報
【非特許文献1】「うつ伏せ寝健康法」監修:日野原重明(聖路加国際病院理事長、同名誉院長)、著者:川島みどり)(日本赤十字看護大学教授)、丸山征四郎(兵庫医科大学教授)、発行:KKベストセラーズ、発行日:2005年12月8日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のこれらうつ伏せ寝要寝具においては、次の通りの問題がある。
例えば、特許文献1のものでは、幼児用のものであるために、大人用としては不適であり、また楽なうつ伏せ寝の就寝状態を実現させるものではない。
【0014】
また、例えば、特許文献2のものでは、医療用を目的とするのものであり、普通の人が日常的に継続使用するには不適である。
また、例えば、特許文献3のものでは、使用時に寝返りなどで枕から東部がずれた場合に、睡眠状態で元の使用状態に戻すことが難しく、また楽なうつ伏せ寝の就寝状態を実現させるものではない。
【0015】
また、例えば、特許文献4のものでは、移動抑制部材が大きなボールから構成されているので、寝具とのバランスが悪く、使用上扱い難いなどの問題がある。
また、例えば、特許文献5のものでは、一対の棒部が綿から形成されているので、使用するにつれてそれらの高さ及び幅が変形して低く平らになり、うつ伏せ寝用寝具としての機能を果たせなくなる。
【0016】
更に、例えば、特許文献6のものでは、枕部及び胴体部が綿から形成されるので、使用するにつれてそれらの高さ及び幅が変形して低く平らになり、うつ伏せ寝用寝具としての機能を果たせなくなる。また、枕部と胴体部とを分離して高低差がつくようにつくらなければならず、その製作が煩雑となる。
【0017】
本発明の目的は、普通の人がうつ伏せ寝を簡易に安心して行うことができる補助寝具を提供することである。
本発明の他の目的は、睡眠中においても自然に無意識にうつ伏せ寝又は横向き寝の状態になる補助寝具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の請求項1に記載の補助寝具は、敷き部材の下側に敷く補助寝具であって、頭部、胸部、胴部及び股部にわたる身体上部を載置するためのうつ伏せ寝用主台と、前記うつ伏せ寝用主台と略平行に配設される傾斜寝用副台とを備え、前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台とが所定の間隔をおいて連結されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載の補助寝具では、前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台とを連結するための連結部材を更に備え、前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台の少なくともいずれか一方が前記連結部材に位置調整自在に装着され、前記うつ伏せ寝用主台及び前記傾斜寝用副台が前記連結部材を介して間隔調整自在に連結されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の補助寝具では、前記連結部材には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、また前記うつ伏せ寝用主台には、前記第1スナップ手段の雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、更に前記傾斜寝用副台には、前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、前記うつ伏せ寝用主台の前記第1スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記連結部材の前記第1スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられ、また前記傾斜寝用副台の前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は前記雄形スナップが前記連結部材の前記第2スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載の補助寝具では、前記連結部材には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1収容部が設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2収容部が設けられ、前記うつ伏せ寝用主台は前記連結部材の前記第1収容部に収容され、また前記傾斜寝用副台は前記連結部材の前記第2収容部に収容されることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の補助寝具では、前記連結部材は、前記うつ伏せ寝用主台に設けられた第1連結部と、前記傾斜寝用副台に設けられた第2連結部とから構成され、前記第1連結部及び前記第2連結部が位置調整自在に連結されることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載の補助寝具では、前記連結部材は、前記敷き部材であり、前記うつ伏せ寝用主台及び前記傾斜寝用副台の上面が前記布団カバー又は前記ベッドシーツに着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項7に記載の補助寝具では、前記敷き部材の下面には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、また前記うつ伏せ寝用主台の上面には、前記第1スナップ手段の雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、更に前記傾斜寝用副台の上面には、前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、前記うつ伏せ寝用主台の前記第1スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記第1スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられ、前記傾斜寝用副台の前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記第2スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項8に記載の補助寝具では、前記うつ伏せ寝用主台は、主台本体と、袋状に形成された主台袋体とを備え、前記主台本体が前記主台袋体に収容され、また前記傾斜寝用副台は、副台本体と、袋状に形成された副台袋体とを備え、前記副台本体が前記副台袋体に収容されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項9に記載の補助寝具では、前記傾斜寝用副台には、前記うつ伏せ寝用主台側に身体を傾斜就寝状態に保つための傾斜部又は円弧状部が設けられていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項10に記載の補助寝具では、前記傾斜寝用副台に関連して、その上方に補助枕が配設されることを特徴とする。
更に、本発明の請求項11に記載の補助寝具では、前記傾斜寝用副台は、前記うつ伏せ寝用主台の両側に配設可能に構成され、前記連結部材の幅方向中央部に前記うつ伏せ寝用主台が取り付けられ、前記連結部材の幅方向一側部及び他側部に前記傾斜寝用副台が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載の補助寝具によれば、頭部、胸部、胴部、腰部及び股部にわたる身体上部がうつ伏せ寝用主台に載置されるように使用されるので、このうつ伏せ寝用主台によって身体の上部が所定の高さに支えられ、亀が甲羅から手足を出して休むときのような姿勢になり、かかる姿勢においては、両手足が左右両側に自由に開放され、身体と寝具との間に隙間はできす、長時間安定してうつ伏せ寝状態での就寝を保つことができる。また、このうつ伏せ寝の就寝状態において身体が僅かに重心移動しても、手足と身体とがヤジロベエにように微妙にバランスを取る働きをし、うつ伏せ寝用主台から落下することなく、長時間安定してうつ伏せ寝の就寝状態を保つことができる。
【0029】
また、うつ伏せ寝用主台と略平行に傾斜寝用副台が配設されるので、うつ伏せ寝状態のままうつ伏せ寝用主台から滑り落ちても、うつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台との間で就寝し、就寝中大きく動くようなことがない。また、滑り落ちたとしても、このうつ伏せ寝用主台に抱きつき又は半ば斜めのうつ伏せ寝で寄りかかった状態で就寝を続けることができるようになる。尚、敷き部材とは、就寝するときに下側に敷く敷布団、毛布、ベッドシーツなどである。
【0030】
また、本発明の請求項2に記載の補助寝具によれば、うつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台とが連結部材を介して連結され、うつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台の少なくともいずれか一方が連結部材に位置調整自在に装着されているので、うつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台との間隔を調整し、使用者の身体に適した間隔に調整することができる。
【0031】
また、本発明の請求項3に記載の補助寝具では、連結部材には第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、またうつ伏せ寝用主台には第1スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられているので、雄形スナップ(又は雌形スナップ)及び雌形スナップ(又は雄形スナップ)を相互に連結することによって、うつ伏せ寝用主台を連結部材に簡単に且つ容易に取り付けることができる。また、この連結部材には第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、また傾斜寝用副台には第2スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられているので、雄形スナップ(又は雌形スナップ)及び雌形スナップ(又は雄形スナップ)を相互に連結することによって、傾斜寝用副台を連結部材に簡単に且つ容易に取り付けることができる。尚、例えば、第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)を連結部材に間隔をおいて複数設けることによて、うつ伏せ寝用主台を位置調整可能に連結部材に取り付けることができ、例えば、第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)を連結部材に間隔をおいて複数設けることによて、傾斜寝用副台を位置調整可能に連結部材に取り付けることができる。
【0032】
また、本発明の請求項4に記載の補助寝具によれば、連結部材には第1及び第2収容部が設けられているので、うつ伏せ寝用主台を第1収容部に収容することによって、連結部材に連結することができ、また傾斜寝用副台を第2収容部に収容することによって、連結部材に連結することができる。
【0033】
また、本発明の請求項5に記載の補助寝具によれば、うつ伏せ寝用主台に連結部材の第1連結部が設けられ、傾斜寝用副台に連結部材の第2連結部が設けられているので、第1及び第2連結部を相互に連結することにって、つぶせ寝用主台及び傾斜寝用副台を連結部材を介して連結することができる。また、第1及び第2連結部が位置調整自在に連結されるので、うつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台との間隔を使用者の身体に適した間隔に設定することができる。
【0034】
また、本発明の請求項6に記載の補助寝具によれば、連結部材は敷き部材から構成されるので、専用の連結部材を必要とすることなく、うつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台とを敷き部材を介して連結することができる。
【0035】
また、本発明の請求項7に記載の補助寝具によれば、敷き部材の下面に第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、うつ伏せ寝用主台の上面に第1スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられているので、第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)及び雌形スナップ(又は雄形スナップ)を相互に連結することによって、うつ伏せ寝用主台を敷き部材に取り付けることができる。また、敷き部材の下面に第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、また傾斜寝用副台の上面に第2スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられているので、第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)及び雌形スナップ(又は雄形スナップ)を相互に連結することによって、傾斜寝用副台を敷き部材に取り付けることができる。尚、このときにも、第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)を敷き部材に間隔をおいて複数設けることによて、うつ伏せ寝用主台を位置調整可能に取り付けることができ、例えば、第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)を敷き部材に間隔をおいて複数設けることによって、傾斜寝用副台を位置調整可能に取り付けることができる。
【0036】
また、本発明の請求項8に記載の補助寝具によれば、うつ伏せ寝用主台は、主台本体と、この主台本体を収容する主台袋体とを備えているので、うつ伏せ寝用主台の取扱いが容易になるとともに、連結部材への取付けも容易となる。また傾斜寝用副台は、副台本体と、この副台本体を収容する副台袋体とを備えているので、傾斜寝用副台の取扱いが容易になるとともに、連結部材への取付けも容易となる。
【0037】
また、本発明の請求項9に記載の補助寝具によれば、傾斜寝用副台に傾斜部(又は円弧状部)が設けられているので、就寝中に仰向け寝の状態(この仰向け寝の状態においては、無呼吸症候群における無呼吸状態が誘発されやすくなる)に移行しようとしたときに、傾斜部(又は円弧状部)によってその動きが妨げられ、これによって、横向き寝又はうつ伏せ寝の状態に再び移行する確率が高くなる。
【0038】
また、本発明の請求項10に記載の補助寝具によれば、傾斜寝用副台の上方に補助枕が配設されるので、補助枕に載置した状態においては、傾斜寝用副台の傾斜部に身体の一部が載置された状態において頭部が無理な状態にならず、身体を安定した状態に保つことができる。尚、この補助枕に傾斜寝用副台と同様の傾斜部(傾斜寝用副台の傾斜部よりも傾斜が小さい傾斜部)を設けるようにしてもよい。
【0039】
更に、本発明の請求項11に記載の補助寝具によれば、傾斜寝用副台は、うつ伏せ寝用主台の両側に配設可能に構成されているので、連結部材の幅方向一側部に傾斜寝用副台を配設したときには、例えば右向きの横向き寝に適した配置となり、右向きの横向き寝状態が好きな人に適した使用形態とすることができ、また連結部材の幅方向他側部に傾斜寝用副台を配設したときには、例えば左向きの横向き寝に適した配置となり、左向きの横向き寝状態が好きな人に適した使用形態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う補助寝具の各種実施形態について説明する。
図1〜図11を参照して、補助寝具の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の補助寝具を示す斜視図であり、図2は、図1の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を底面側から見た斜視図であり、図3は、図1の補助寝具の連結部材を示す平面図であり、図4は、図1の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す斜視図であり、図5は、図1の補助寝具を用いてうつ伏せ寝で就寝した状態を示す簡略図であり、図6は、図1の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台の上でうつ伏せ寝で就寝した状態を示す簡略図であり、図7は、図6の就寝状態を示す縦断面図であり、図8(a)は、図1の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIII−VIII線による断面図であり、図9(a)は、図8の補助寝具を用いたときの横向き寝の状態を示す平面図であり,図9(b)は、図9(a)におけるIX−IX線による断面図であり、図10(a)は、図8の補助寝具を用いたときの仰向け寝に移行するときの状態を示す平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるX−X線による断面図であり、図11は、図1の補助寝具を用いて横向き寝の就寝状態を示す斜視図である。
【0041】
図1〜図3において、図示の補助寝具2は、うつ伏せ寝用主台4と、このうつ伏せ寝用主台4と所定間隔をおいて配設される傾斜寝用副台6と、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6とを連結する連結部材8と、から構成されている。うつ伏せ寝用主台4は細長い四角柱状に形成され、所定の高さと所定の幅を有している。このうつ伏せ寝用主台4には、使用者100の頭部乃至顔面部102、胸部104、胴部106、腰部107及び股部108にわたる部分が載置される。尚、このうつ伏せ寝用主台4の一端部(図1及び図2において左側の端部であって、使用者の股部108が載置される側の端部)には、一端に向けて幅が漸減する先細部10が設けられている。この先細部10は省略することもでき、この場合、うつ伏せ寝用主台4は全体として細長い直方体状となる。
【0042】
また、傾斜寝用副台6は、うつ伏せ寝用主台4と略平行に配置され、この傾斜用副台6とうつ伏せ寝用主台4との間に矩形状の第1空間12が設けられる。この傾斜寝用副台6の長さは、うつ伏せ寝用主台4よりも短く、図1に示すように、それらの一端側(図1及び図2において左端側)が幅方向(図1及び図2において上下方向)に揃うように配置され、このように配置することによって、うつ伏せ寝用主台4の他端部は傾斜寝用副台6よりも他端側に突出し、うつ伏せ寝用主台4の片側(傾斜寝用副台6側であって、その他端外方)に第2空間14が設けられる。この傾斜寝用副台6は、細長い略三角柱状に形成され、(使用時において三角形になるようにするのが好ましい)うつ伏せ寝用主台3に対向する部位に、うつ伏せ寝用主台4側に向けて下方に傾斜する傾斜部16が全長にわたって設けられ、この傾斜部16は、後述するように、身体を横向き乃至斜めうつ伏せに寝に維持するために設けられる。
【0043】
うつ伏せ寝用主台4は、例えば柔らかなウレタンフォームからなる低反発素材から形成される主台本体と、袋状に形成された主台袋体から構成され、主台本体が主台袋体に取り出し可能に収容される。このように主台本体を主台袋体に収容することによって、うつ伏せ寝用主台4の取り扱いが容易になるとともに、低反発素材製の主台本体の汚れを防止することができる。また、傾斜寝用副台6は、例えば低反発素材から形成される副台本体と、例えば布などから袋状に形成された副台袋体から構成され、副台本体が副台袋体に取り出し可能に収容される。このように副台本体を副台袋体に収容することによって、うつ伏せ寝用主台4と同様に、傾斜寝用副台6の取り扱いが容易になるとともに、低反発素材製の副台本体の汚れを防止することができる。
【0044】
うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6とは連結部材8を介して連結され、この実施形態では、連結部材8が布製の連結シーツ18から構成され、うつ伏せ寝用主台4(具体的には、主台本体を収容する主台袋体)及び傾斜寝用副台6(具体的には、副台本体を収容する副台袋体)が連結シーツ18に着脱自在に取り付けられるように構成されている。
【0045】
この実施形態では、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6を取り付けるのに面ファスナー20,22,24が利用されている。主として図3を参照して、連結シーツ18の表面側の大部分に凹状(雌型)の面ファスナー20が取り付けられている。またうつ伏せ寝用主台4(具体的には、主台袋体)の下面に凸状(雄型)の面ファスナー22が取り付けられているとともに、傾斜寝用副台6(具体的には、副台袋体)の下面に凸状(雄型)の面ファスナー24が取り付けられている。尚、これとは反対に、連結シーツ18に凸状の面ファスナーを設け、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6に凹状の面ファスナーを設けるようにしてもよい。
【0046】
連結シーツ18の凹状の面ファスナー20の大きさは、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6よりも充分に大きく、うつ伏せ寝用主台4の配設位置及び傾斜寝用副台6の配置位置を適宜に調整することができる。うつ伏せ寝用主台4の配置位置に対して傾斜寝用副台6の配置位置を幅方向(図1において上下方向)に近づける(又は遠ざける)ことによって、使用者の身体の大きさなどに対応するように、うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6との間隔を小さく(又は大きく)調整することができる。尚、連結シーツ18とうつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6との着脱自在な連結は、面ファスナー20,22,24に代えて、ボタン、スナップ、ファスナーなどの連結具を用いるようにしてもよい。
【0047】
この補助寝具2は、就寝の際に、次のようにして用いられる。室内の就寝する部分(例えば、室内の畳の表面)に、凹状の面ファスナー20が表側となるように連結シート18を敷く。そして、凹状の面ファスナー20の片側部位(図3及び図4において下側部位)にうつ伏せ寝用主台4を載せて押し付けてその凸状の面ファスナー22を着脱自在に取り付けるとともに、凹状の面ファスナー20の他側部位(図3及び図4において上側部位)に傾斜寝用副台6を載せて押し付けてその凸状の面ファスナー24を着脱自在に取り付ける。その後、連結シーツ18、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6を覆うように敷き部材としての敷布団26を敷き、この敷布団26の上に必要に応じて掛布団(図示せず)を載せる。このように敷布団26を敷くと、図4に示すように、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6が敷布団26の下に隠れるが、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6に対応して敷布団26が凸状に盛り上がるようになる。
【0048】
上述したようにして敷いた敷布団26の上に、使用者は、例えば図5及び図6に示すようにうつ伏せ寝して就寝するようになる。うつ伏せ寝用主台4の上側の敷布団26に使用者100がうつ伏せ状態で寝るようになり、このうつ伏せ寝の状態においては、うつ伏せ寝用主台4の他端部から一端部に向けて使用者100の頭部乃至顔面102、胸部104、胴部106、腰部107及び股部108が位置し、うつ伏せ寝用主台4の一端側の先細部10の両側に両足110が位置するようになる。
【0049】
図7をも参照して、うつ伏せ寝用主台4の幅は、使用者100の胴部106の幅と略等しく設定されるので、うつ伏せ寝状態の使用者100の重心が僅かに移動すると、この移動に対応して両足110及び両手112がヤジロベエのような働きをし、これによって、使用者100がうつ伏せ寝用主台4から落下するがなく、使用者100はうつ伏せ寝用主台4から簡単に落下することはない。規則性はないが、例えばうつ伏せ寝用主台4上で頭部乃至顔面102が左を向くと、例えばクロール泳法のように右手が前方になり、また例えば頭部乃至顔面102が右を向くと、例えば左手が前方となり、更に手が動かないときには、例えば両足のみの位置を変える動きでもってバランスを保つようになる。
【0050】
室内の例えば畳30の表面に連結シーツ18を敷き、この連結シーツ18の上にうつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6を取り付け、その後これらを被うように敷布団26を敷くと、図8(a)及び(b)に示す状態となる。うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6とは実質上平行となるように配置され、それらの間に第1空間12が生成され、うつ伏せ寝用主台4の片側であって傾斜寝用副台6の他端部外方に第2空間14が生成され、この第2空間14には、使用者100の好みに応じて、補助枕32が配設される(図9及び図10参照)。この補助枕32には、図示していないが、傾斜寝用副台6と同様に、うつ伏せ寝用主台4に向けて下方に傾斜する傾斜部を設けるようにしてもよく、この場合、この傾斜部の傾斜角度は、例えば傾斜寝用副台6の傾斜部16よりも小さくするのが好ましく、この傾斜部を省略することも可能である。この補助枕32は、面ファスナー、スナップなどを用いて連結シーツ18に着脱自在に且つ位置調整自在に取り付けるようにしてもよいが、敷布団26の上に置くようにしてもよい。
【0051】
この補助寝具2を用いた就寝状態においては、通常、就寝初期においては、図5〜図7に示すように、うつ伏せ寝の状態で就寝状態となる。そして、就寝が進むと、例えば、図9及び図11に示すように、半ば無意識的に又は意識的に横向き寝の状態となる。この横向き寝の状態においては、使用者100はうつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6との間に位置し、その肩部114、胸部104、胴部106および腰部107が第1空間12に位置し、図9(b)で示すように、うつ伏せ寝用主台4の側面及び傾斜寝用副台6の傾斜部16がこの横向き寝の状態を保つように作用する。
【0052】
このような横向き寝の状態から仰向き寝の状態に移行しようとすると、図10(a)及び(b)に示す状態となる。この状態においては、使用者100の胴部106から腰部107にわたる部分の背後、即ち背中側の腰部107付近が傾斜寝用副台6の傾斜部16に当たって、この状態から仰向け状態に移行しようとする動きが抑制され、これによって、再び横向き寝の状態又はうつ伏せ寝の状態に戻る確率が高くなる。仰向け寝の状態での就寝は、無呼吸症候群における無呼吸状態の誘発の原因の一つであり、この補助寝具2を用いて仰向け寝の状態への移行を抑えることによって、就寝中における無呼吸状態の誘発を防止することができる。
【0053】
この補助寝具2は、使用中において使用者100の下側に敷かれた状態となるので、柔らかくて型崩れをしなく、また加工し易く、軽くて扱い易い材料から形成するのが好ましく、このような材料として例えば柔らかなウレタンフォームからなる低反発素材を好都合に用いることができる。
【0054】
平均的な成人男性用のものとして用いる場合、例えば次の通りの大きさなどに形成される。うつ伏せ寝用主台4については、その高さが例えば7〜30cm、横幅が例えば20〜45cm、長さが例えば80〜150cmであることが好ましく、特にこのような長さにすることによって、うつ伏せ寝の状態で頭部乃至顔面102から股部108までの部分をうつ伏せ寝用主台4に載置した状態に保つことができる。尚、横幅については、うつ伏せ寝用主台4に敷布団26が載置されるので、この敷布団26の厚みが加わることを考慮して、うつ伏せ寝用主台4の横幅を少し狭く設定している。
【0055】
このうつ伏せ寝用主台4の横幅については、図8に示すように、胸部104及び胴部106に対して適切な幅となるが、股部108から膝部に対して幾分広くでやや不適切な大きさとなり、それ故に、四角柱状のうつ伏せ寝用主台4の一端部の両角部を三角状に切断して先細部10が設けられている。このように先細部10を設けることによって、使用者100の両足がこの先細部10に跨り易くなり、これによって、両膝が敷布団26上に自然に接地でき(図7参照)、うつ伏せ寝の状態が安定するようになる。うつ伏せ寝用主台4の先端部10を形成するために切断する三角部の角度は、例えば、90度、73度及び17度であり、この三角部の長さは、例えば、21cm、20cm及び5cmであり、この三角部の厚みは、うつ伏せ寝用主台4と同じ厚みとなる。
【0056】
また、傾斜寝用副台6は略三角柱状であり(使用時に断面形状が三角状となるのが望ましい。)、その横断面形状は略二等辺三角形状であり、この二等辺三角形の角度は、例えば、75〜85度、75〜85度及び10〜30度であり、その三辺の長さは、例えば、22〜33cm、22〜33cm及び7〜15cmである。この傾斜寝用副台6の長さは、上述したうつ伏せ寝用主台4の長さよりも短く、例えば、30〜110cmである。
【0057】
次に、図12〜15を参照して、本発明に従う補助寝具の第2の実施形態について説明する。図12は、本発明の第2の実施形態の補助寝具において連結部材からうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を取り外した状態を示す斜視図であり、図13(a)は、図2の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す平面図であり、図13(b)は、図13(a)におけるXIII−XIII線による断面図であり、図14(a)は、図12の補助寝具を用いたときの横向き寝の状態を示す平面図であり、図14(b)は、図14(a)におけるXIV−XIV線による断面図であり、図15(a)は、図12の補助寝具を用いたときの仰向け寝に移行するときの状態を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)におけるXV−XV線による断面図である。尚、以下の実施形態において、上述した第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0058】
この第2の実施形態においては,傾斜寝用副台6Aに修正が施され、細長い円筒状に構成されている。図12〜図15において、この傾斜用副台6Aも、細長い円筒状の副台本体と、この副台本体を収容する副台袋体から構成されるのが好ましく、副台本体は例えば柔らかなウレタンフォームからなる低反発素材などから形成され、副台袋体は例えば布などから形成される。この傾斜寝用副台6Aにおいては、全体が円筒状に形成されているので、うつ伏せ寝用主台4に対向する側部に全長にわたって円弧状部16Aが設けられ、この円弧状部16Aは、上述した実施形態における傾斜部16と同様に、身体を横向き乃至斜めうつ伏せに寝に維持するための働きをする。
【0059】
この傾斜用副台6Aを用いたときは、上述したと同様に、うつ伏せ寝用主台4との間に第1空間12が設けられ、また、傾斜寝用副台6Aの長さは、うつ伏せ寝用主台4よりも短く、それらの一端側が幅方向において幾分上方に補助枕32にずらして配置され、うつ伏せ寝用主台4の他端部は傾斜寝用副台A6よりも他端側に突出し、うつ伏せ寝用主台4の片側(傾斜寝用副台6A側であって、その他端外方)に第2空間14が設けられる。
【0060】
この傾斜寝用副台6A(具体的には、副台袋体)の下面部に凸状の面ファスナー24が取り付けられる。そして、うつ伏せ寝用主台4の凸状の面ファスナー22及び傾斜寝用副台の凸状の面ファスナー24が連結部材8、即ち連結シーツ18の凹状の面ファスナー22に着脱自在に取り付けられ、これら面ファスナー22,24の装着位置を変えることによって、うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6Aとの間隔を調整することができる。第2の実施形態におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0061】
この第2の実施形態においても、使用者100は、補助寝具2Aの上に敷かれた敷布団26の上にうつ伏せ寝して就寝するようになる。室内の例えば畳30の表面に連結シーツ18を敷き、この連結シーツ18の上にうつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6Aを取り付け、その後これらを被うように敷布団26を敷くと、図13(a)及び(b)に示す状態となり、上述したと同様に、うつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6Aとは実質上平行となるように配置され、それらの間に第1空間12が生成され、うつ伏せ寝用主台4の片側であって傾斜寝用副台6Aの他端部外方に第2空間14が生成され、この第2空間14には、使用者100の好みに応じて、補助枕32が配設される。
【0062】
この補助寝具2Aを用いた就寝状態においても、通常、就寝初期においては、うつ伏せ寝で就寝状態となる。そして、就寝が進むと、例えば、図14及び図15に示すように、半ば無意識的に又は意識的に横向き寝の状態となる。この横向き寝の状態においては、使用者100はうつ伏せ寝用主台4と傾斜寝用副台6Aとの間に位置し、その肩部114、胸部104、胴部106及び腰部107が第1空間12に位置し、図14(b)で示すように、うつ伏せ寝用主台4の側面及び傾斜寝用副台6Aの円弧状部16Aがこの横向き寝の状態を保つように作用する。
【0063】
このような横向き寝の状態から仰向き寝の状態に移行しようとすると、図15(a)及び(b)に示す状態となる。この状態においては、使用者100の胴部106から腰部107にわたる部分の背後、即ち背中側の腰部107付近が傾斜寝用副台6Aの円弧状部16Aに当たって、この状態から仰向け状態に移行しようとする動きが抑制され、このような傾斜寝用副台6Aと組み合わせて用いても、上述したと同様の作用効果が達成される。
【0064】
上述した実施形態では、連結シーツ18のほぼ全域に凹状の面ファスナー20を設け、うつ伏せ寝用主台4及び傾斜寝用副台6(6A)の下面全域に凸状の面ファスナー22,24を設けているが、これら面ファスナー20,22,24を全域に設ける必要はなく、必要個所に例えば帯状に設ける、或いは複数個所に点在するように設けるようにしてもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、平面(即ち、上方)から見て(図8及び図13において)右側にうつ伏せ寝用主台4を配置し、左側に傾斜寝用副台6(6A)を配置しているが、図16に示す第3の実施形態のように、左側にうつ伏せ寝用主台4を配置し、右側に傾斜寝用副台6(6A)を配置するようにしてもよく、この場合、使用者の右肩側が下側となるように横向き寝するようになる。
【0066】
また、上述した実施形態では、一つのうつ伏せ寝用主台4に一つの傾斜寝用副台6(6A)及び一つの補助枕32を組み合わせているが、このような構成に限定されず、一つのうつ伏せ寝用主台4に二つの傾斜寝用副台6(6A)及び二つの補助枕32を組み合わせるようにしてもよい。図17において、この第4の実施形態においては、連結シーツの中央部にうつ伏せ寝用主台4が取り付けられ、連結シーツの両側部に傾斜寝用副台6(6A)が取り付けられ、うつ伏せ寝用主台4と片側(例えば、図17において左側)の傾斜寝用副台6(6A)との間に片側の第1空間12が存在し、うつ伏せ寝用主台4と他側(例えば、図17において右側)の傾斜寝用副台6(6A)との間に他側の第1空間12が存在する。また、各傾斜寝用副台6(6A)の一端部は、うつ伏せ寝用主台4の一端部と整合するように配置され、その他端部外方(換言すると、うつ伏せ寝用主台4の他端部の両側)に第2空間14が存在し、この第2空間14に好みに応じて補助枕32が配置される。
【0067】
このような第4の実施形態では、うつ伏せ寝用主台4の上でのうつ伏せ寝の状態から図17において左側に落ちたときには、うつ伏せ寝用主台4と片側の傾斜寝用副台6(6A)との間の第1空間12にて横向き寝するようになり、また上述とは反対の右側に落ちたときには、うつ伏せ寝用主台4と他側の傾斜寝用副台6(6A)との間の第1空間12にて横向き寝するようになり、うつ伏せ寝用主台4のうつ伏せ寝の状態からどちら側に落ちたとしても対応することができるものである。
【0068】
次に、図18〜図22を参照して、本発明に従う第5の実施形態の補助寝具について説明する。図18は、第5の実施形態の補助寝具を敷布団に取り付けた状態を裏側から示す図であり、図19は、図18の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を示す図であり、図20は、図18の補助寝具における連結部材を示す図であり、図21は、図18の補助寝具の使用状態を示す図であり、図22は、図18の補助寝具を第2の使用状態で使用したときの状態を示す図である。
【0069】
図18〜図20において、この実施形態においても、補助寝具202は、うつ伏せ寝用主台204と、このうつ伏せ寝用主台204から所定の間隔をおいて配設される傾斜寝用副台206と、うつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206を所定の位置関係に連結するための連結部材208とを備えている。傾斜寝用副台206は、うつ伏せ寝用主台204と略平行に配置され、この傾斜用副台206とうつ伏せ寝用主台204との間に矩形状の第1空間212が設けられる。この傾斜寝用副台206の長さは、うつ伏せ寝用主台204よりも短く、図18に示すように、うつ伏せ寝用主台204の一端側(図18において左端側)が傾斜寝用副台206の一端よりも外方に幾分突出し、このうつ伏せ寝用主台204の他端部は傾斜寝用副台206の他端よりも大きく外方に突出し、うつ伏せ寝用主台204の片側(傾斜寝用副台6側であって、その他端外方)に第2空間214が設けられる。この傾斜寝用副台206は、細長い略三角柱状に形成され、うつ伏せ寝用主台204に対向する部位に、うつ伏せ寝用主台4側に向けて下方に傾斜する傾斜部216が全長にわたって設けられ、この傾斜部216は、身体を横向き乃至斜めうつ伏せに寝に維持する働きをする。
【0070】
この第5の実施形態においても、うつ伏せ寝用主台204は、柔らかい材料から形成される主台本体と、袋状に形成された主台袋体から構成され、主台本体が主台袋体に取り出し可能に収容される。また、傾斜寝用副台206は、主台本体と同様に、柔らかい材料から形成される副台本体と、袋状に形成された副台袋体から構成され、副台本体が副台袋体に取り出し可能に収容される。尚、主台本体及び副台本体は、例えば柔らかなウレタンフォームからなる低反発素材から形成され、主台袋体及び副台袋体は、例えば布などから形成される。
【0071】
この実施形態では、連結部材208が敷布団218から構成され、この敷布団128の下面にうつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206が取り付けられ、敷布団218を連結部材としても機能させている。このように構成することによって、上述した連結シーツを省略することができるが、敷布団218に取り付けることに代えて、上述したように連結シートに取り付けるように構成してもよい。
【0072】
この実施形態では、うつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206を取り付けるのに雄型スナップ220及び雌型スナップ222が利用されている。敷布団218(具体的には、その布団カバー)の下面の両側部には、傾斜寝用副台206の装着位置に対応してこれを取り付けるための第1及び第2雌型スナップ組222,224が設けられ、各第1及び第2雌型スナップ組222,224は、幅方向(図20において上下方向)に間隔をおいて配設された一対の雌型スナップ列226,228から構成され、雌型スナップ列226,228は長手方向(図20において左右方向)に間隔をおいて配設された4個の雌型スナップ230から構成されている。
【0073】
また、敷布団218(具体的には、その布団カバー)の下面の第1及び第2雌型スナップ組222,224の内側に、うつ伏せ寝用主台204の装着位置に対応してこれを取り付けるための第1及び第2雄型スナップ組232,234が設けられ、これら第1及び第2雄型スナップ組232,234は、敷布団218の一端側(図22において右端側)に設けられた6個の雄型スナップ236と、その他端側(図22において左端側)に設けられた6個の雄型スナップ236とから構成されている。
【0074】
上述した構成に対応して、うつ伏せ寝用主台204(具体的には、主台袋体)の上面には、その一端部に6個の雌型スナップ230が設けられ、その他端部に6個の雌型スナップ230が設けられ、合計12個の雌型スナップ230が主台側雌型スナップ組238を構成する。また、傾斜寝用副台206(具体的には、副台袋体)の一側部(傾斜上端部側)の上面には、長手方向(図19において左右方向)に間隔をおいて4個の雄型スナップ236が設けられ、これら雄型スナップ236が副台側雄型スナップ組240を構成する。
【0075】
この補助寝具202では、図18で示す第1の使用形態では、第1雄型スナップ組232及び第1雌型スナップ組222が用いられ、第1雄型スナップ組232及び主台側雌型スナップ組238が、うつ伏せ寝用主台204を取り付けるための第1スナップ手段を構成し、主台側雌型スナップ組238の雌型スナップ230が第1雄型スナップ組232の雄型スナップ236に着脱自在に連結される。また、第1雌型スナップ組222及び副台側雄型スナップ組240が、傾斜寝用副台206を取り付けるための第2スナップ手段を構成し、副台側雄型スナップ組240の雄型スナップ236が第1雌型スナップ組222の雌型スナップ230に着脱自在に連結される。このとき、副台側雄型スナップ組240の雄型スナップ236は、第1雌型スナップ組222の雌型スナップ列226、228の雌型スナップ230に連結可能であるので、外側の雌型スナップ列226に連結することによって、うつ伏せ寝用主台204と傾斜寝用副台206との間隔を大きくすることができ、また内側の雌型スナップ列228に連結することによって、うつ伏せ寝用主台204と傾斜寝用副台206との間隔を小さくすることができ、使用者に合うようにこの間隔を調整することができる。
【0076】
第1の使用形態では、敷布団218の上側に乗った状態においてうつ伏せ寝用主台204が右側に、傾斜寝用副台206が左側に位置するが、この形態では、図22に示すように、うつ伏せ寝用主台204が左側に、傾斜寝用副台206が右側に位置する第2の使用形態でもっても使用することができる。図22で示す第2の使用形態では、第2雄型スナップ組234及び第2雌型スナップ組224が用いられ、第2雄型スナップ組234及び主台側雌型スナップ組238が、うつ伏せ寝用主台204を取り付けるための第1スナップ手段を構成し、主台側雌型スナップ組238の雌型スナップ230が第2雄型スナップ組234の雄型スナップ236に着脱自在に連結される。また、第2雌型スナップ組224及び副台側雄型スナップ組240が、傾斜寝用副台206を取り付けるための第2スナップ手段を構成し、副台側雄型スナップ組240の雄型スナップ236が第2雌型スナップ組222の雌型スナップ230に着脱自在に連結される。このとき、副台側雄型スナップ組240の雄型スナップ236を外側の雌型スナップ列226に連結することによって、うつ伏せ寝用主台204と傾斜寝用副台206との間隔を大きくすることができ、また内側の雌型スナップ列228に連結することによって、うつ伏せ寝用主台204と傾斜寝用副台206との間隔を小さくすることができる。
【0077】
この実施形態では、第1及び第2雌型スナップ組222,224が幅方向に間隔をおいて配設された2列の雌型スナップ列226,228から構成しているが、1列のスナップ列から構成してもよく(この場合、傾斜寝用副台206の幅方向の位置調整ができなくなる)、或いは3列以上の雌型スナップ列から構成するようにしてもよい(この場合、傾斜寝用副台206の幅方向の位置調整が3段階以上に可能となる)。また、このような幅方向位置調整機能をうつ伏せ寝用主台204側に設けるようにしてもよい。尚、第1及び第2雌型スナップ組222,224の雌型スナップ組226,228の雌型スナップ230(また、これに対応する副台側雄型スナップ236)及び第1及び第2雄型スナップ組232,234の雄型スナップ236(また、これに対応する主台側雌型スナップ230)の個数については、適宜設定することができる。
【0078】
また、この実施形態では、うつ伏せ寝用主台204を取り付けるために、敷布団218側に、雄型スナップ236からなる第1及び第2雄型スナップ組232,234を設けているが、これに代えて、雌型スナップからなる第1及び第2雌型スナップ組を設けるようにしてもよく、この場合、うつ伏せ寝用主台204に主台側雄型スナップ組を設けるようになる。また、傾斜寝用副台206を取り付けるために、敷布団218側に、雌型スナップ230から構成される第1及び第2雌型スナップ組222,224を設けているが、これに代えて、雄型スナップからなる第1及び第2雄型スナップ組を設けるようにしてもよく、この場合、傾斜寝用副台206に副台側雌型スナップ組を設けるようになる。
【0079】
更に、上述した実施形態では、敷布団218側に第1及び第2雌型スナップ組222,224並びに第1及び第2雄型スナップ組232,234を設けて、補助寝具を第1及び第2の使用形態に選択的に使用可能に構成しているが、このような構成に限定されず、例えば、敷布団218に第1雌型スナップ組222及び雄型スナップ組232のみを設けて第1の使用形態で使用するようにしてもよく、或いは敷布団218に第2雌型スナップ組224及び雄型スナップ組234のみを設けて、補助寝具202を第2の使用形態で使用するようにしてもよい。
【0080】
上述した補助寝具202を使用するときには、図18に示すように、敷布団218を裏返し、この裏返した状態でうつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206を敷布団218に取り付ける。上述したように、第1の使用形態で使用するときには、敷布団218の第1雄型スナップ組232にうつ伏せ寝用主台204の主台側雌型スナップ組238が取り付けられるとともに、敷布団218の第1雌型スナップ組222に傾斜寝用副台206の副台側雄型スナップ組240が取り付けられる。また、第2の使用形態で使用するときには、敷布団218の第2雄型スナップ組234にうつ伏せ寝用主台204の主台側雌型スナップ組238が取り付けられるとともに、敷布団218の第2雌型スナップ組222に傾斜寝用副台206の副台側雄型スナップ組240が取り付けられる。
【0081】
このようにうつ伏せん寝用主台204及び傾斜寝用副台206を取り付けた後に、図21に示すように、敷布団218を反対に返して、うつ伏せ寝用主台04及び傾斜寝用副台206が敷布団218の下側になるようにすればよい。この使用状態においては、うつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206が敷布団2186の下に隠れるが、うつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206に対応して敷布団218が凸状に盛り上がるようになる。また、第2空間214に対応して、好みに応じて補助枕240を敷布団218の上に置いて使用するようになる。尚、この補助枕240は、上述した実施形態と同様のものでよい。
【0082】
この第5の実施形態の補助寝具202においても、うつ伏せ寝用主台204及び傾斜寝用副台206(更には、補助枕240)の構成が、上述した実施形態と実質上同様であるので、上述したと同様の作用効果が達成される。
【0083】
次に、図23及び図24を参照して、本発明に従う補助寝具の第6の実施形態について説明する。図23は、本発明に従う第6の実施形態の補助寝具にいてうつ伏せ寝用主台から傾斜寝用副台を取り外した状態で示す斜視図であり、図24は、図23の補助寝具においてうつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台とを連結した状態で示す斜視図である。
【0084】
図23及び図24において、この実施形態では、補助寝具202Aは、うつ伏せ寝用主台204Aと、このうつ伏せ寝用主台204Aから所定の間隔をおいて配設される傾斜寝用副台206Aと、うつ伏せ寝用主台204A及び傾斜寝用副台206Aを所定の位置関係に連結するための連結部材208Aとを備え、連結部材208Aが、相互に着脱自在に連結される第1及び第2連結部252,254から構成されている。更に説明すると、うつ伏せ寝用主台204Aは、例えば上述したと同様の低反発素材から形成される主台本体256と、例えば布により袋状に形成された主台袋体258から構成され、主台本体256が主台袋体258に取り出し可能に収容される。また、傾斜寝用副台206Aは、例えば上述したと同様の低反発素材から形成される副台本体260と、例えば布により袋状に形成された副台袋体262から構成され、副台本体260が副台袋体262に取り出し可能に収容される。
【0085】
この実施形態では、連結部材208Aの第1連結部252がうつ伏せ寝用主台204Aに設けられ、うつ伏せ寝用主台204A、具体的には主台袋体258に縫い付けられて一体的となるように構成されている。また、連結部材208Aの第2連結部254が傾斜寝用副台206Aに設けられ、傾斜寝用副台206A、具体的には副台袋体262に縫い付けられて一体的となるように構成されている。これら第1及び第2連結部252,254は主台袋体258及び副台袋体262と別体に構成し、これらを雄型及び雌型スナップなどを用いて主台袋体258及び副台袋体262に着脱自在に連結するようにしてもよい。
【0086】
この実施形態では、第1連結部252には雄型スナップ組261が設けられ、この雄型スナップ組261は、幅方向(図23及び図24において左右方向)に間隔をおいて設けられた3列の雄型スナップ列264,266,268を有し、これら雄型スナップ列264,266,268は、長手方向(図23及び図24において上下方向)に間隔をおいて配設された3個の雄型スナップ270から構成されている。また、第2連結部254には雌型スナップ組271が設けられ、この雌型スナップ組271は、幅方向に間隔をおいて配設された2列の雌型スナップ列272,274を有し、これら雌型スナップ列272,274は長手方向に間隔をおいて配設された2個の雌型スナップ276から構成されている。
【0087】
このように構成されているので、第1及び第2連結部252,254(換言すると、うつ伏せ寝用主台204A及び傾斜寝用副台206A)は、幅方向及び長手方向に位置調整可能に連結される。即ち、第1連結部252の雄型スナップ列264,266(主台本体256側の一対の雄型スナップ列)に第2連結部254の雌型スナップ列272,274を連結することによって、うつ伏せ寝用主台204Aと傾斜寝用副台206Aの間隔を小さくすることができ、また第1連結部252の雄型スナップ列266,268に第2連結部254の雌型スナップ列272,274を連結することによって、うつ伏せ寝用主台204Aと傾斜寝用副台206Aの間隔を大きくすることができ、このようにして両者の間隔を使用者に対応して調整することができる。また、第1連結部252の雄型スナップ列264,266(又は266,268)の上側の二つの雄型スナップ270に第2連結部254の雌型スナップ列272,274を連結することによって、うつ伏せ寝用主台204Aに対する傾斜寝用副台206Aの相対的位置を上側にすることができ、また第1連結部252の雄型スナップ列264,266(又は266,268)に第2連結部254の雌型スナップ列272,274を連結することによって、うつ伏せ寝用主台204Aに対する傾斜寝用副台206Aの相対的位置を下側にすることができ、このようにして両者の上下方向の位置関係を使用者に対応して調整することができる。
【0088】
この補助寝具202Aを使用するときには、第1及び第2連結部252,254を連結してうつ伏せ寝用主台204A及び傾斜寝用副台206Aを所要の位置関係に連結して畳の面などに配置し、これらうつ伏せ寝用主台204A及び傾斜寝用副台206Aを被うように敷布団(図示せず)を敷けばよく、このように用いることによって、上述したと同様の作用効果が達成される。
【0089】
次に、図25を参照して、本発明に従う補助寝具の第7の実施形態について説明する。図25は、本発明に従う第7の実施形態の補助寝具を示す平面図である。
図25において、この実施形態では、補助寝具302は、うつ伏せ寝用主台304と、このうつ伏せ寝用主台304から所定の間隔をおいて配設される傾斜寝用副台306と、傾斜寝用副台306の上側に配設される補助枕308とを備え、傾斜寝用副台306と補助枕308とが一体的に構成されている。傾斜寝用副台306は、上述した低反発素材から形成された副台本体310を備え、この副台本体310が袋状に形成された副台袋体312に収容されている。また、補助枕308は、傾斜寝用副台306と同様に、低反発素材から形成された枕本体314を備え、この枕本体314が袋状に形成された枕袋体316に収容されている。傾斜用副台306と補助枕308とは、例えば、副台袋体312と枕袋体314とを縫い合わせることによって一体的に構成される。尚、このように縫い合わせることに代えて、上述した面ファスナー、スナップなど用いて着脱自在に連結して一体的になるように構成することもできる。
【0090】
補助枕308は、図25に示すように、傾斜寝用副台306の上端部に一体的に連結され、この傾斜寝用副台36からうつぶせ寝用主台304に向けて延び、補助枕308の先端部とうつ伏せ寝用主台304の上部との間に間隙空間318が存在する。
【0091】
このような構成の補助寝具302においては、就寝初期ではうつ伏せ寝用主台304にてうつ伏せ寝するようになるが、このうつ伏せ寝用主台304から外れて横向き寝の状態になると、就寝者の頭部は補助枕308に載った状態に保持され、頭部が安定的に保持される。また、この横向き寝の状態においては、就寝者の肩から背中にわたる部位(片側は床面側に位置し、他側は上側に位置するが、この上側に位置する部位)が傾斜寝用副台306に乗り上げ、このような乗り上げた状態には就寝者は横向きに傾斜した状態に保持される。その結果、就寝者の舌根沈下は起こり難く、無呼吸状態を誘発することなく安眠することができる。
【0092】
この第7の実施形態では、うつ伏せ寝用主台304は、次のように構成するのが望ましい。即ち、うつ伏せ寝用主台304の上部(補助枕308側)にあっては、比較的硬く形成して就寝者の上半身を安定的に支持し、その下部にあっては、比較的柔らかく形成して就寝者の下半身を上半身よりもある程度沈む状態に支持するようにするのが望ましく、このようにすることによって、うつ伏せ寝主台304にてうつ伏せ寝したときに、就寝者の身体を安定的に保持することがなく、就寝者は無理な姿勢になることなく安眠することができる。
【0093】
このようなうつ伏せ寝用主台304の上部は、比較的硬い特性を有する主台上部320から構成され、この主台上部320は、比較的硬いウレタン材料などから形成される上部本体を備え、この上部本体が例えば上部袋体322に収容される。尚、上部本体としては、例えば、ビニール製のチューブチップなどを布製袋などに収容したものから構成することもできる。
【0094】
また、うつ伏せ寝用主台304の下部は、比較的柔らかい特性を有する主台下部324から構成され、この主台上部324は、比較的柔らかいウレタン材料などから形成される下部本体を備え、この下部本体が例えば下部袋体326に収容される。尚、下部本体としては、例えば、羽などを布製袋などに収容したものから構成することもできる。
【0095】
この第7の実施形態においても、うつ伏せ寝用主台304及び傾斜寝用副台306は、上述したと同様にして例えば紐部材328,330により相互に連結され、また使用に際しては上述したと同様にして敷き部材の下側に敷かれる。
【0096】
以上、本発明に従う補助寝具の各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0097】
例えば、上述した実施形態では、補助寝具を敷布団の下側に敷く形態に適用して説明したが、このような形態に限定されず、例えばベッドにも用いることができ、この場合、補助寝具は敷き部材としてのベッドシーツや毛布の下側に敷くようになる。
【0098】
また、第1〜第4の実施形態では、うつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を連結するのに凸状及び凹状の面ファスナーを利用しているが、このような面ファスナーに代えて、第5及び第6の実施形態で用いた雄型及び雌型スナップを用いるようにしてもよい。この場合、連結部材としての連結シーツには、うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)が設けられ、またうつ伏せ寝用主台には、第1スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられ、傾斜寝用副台には、第2スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が設けられる。そして、うつ伏せ寝用主台の第1スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が連結シーツの第1スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)に着脱自在に取り付けられ、また傾斜寝用副台の第2スナップ手段の雌形スナップ(又は雄形スナップ)が連結シーツの第2スナップ手段の雄形スナップ(又は雌形スナップ)に着脱自在に取り付けられる。
【0099】
また、第5及び第6の実施形態では、うつ伏せ寝用副台として傾斜部を備えたものを用いているが、傾斜部を備えたものに代えて、第2の実施形態のように、円弧状部を備えたものを用いるようにしてもよい。
【0100】
また、上述した実施形態では、うつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を連結するのに凸状及び凹状の面ファスナー、又は雄型及び雌型スナップを用いているが、このような構成に代えて、連結部材にうつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1収容部を設け、傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2収容部を設け、うつ伏せ寝用主台をこの第1収容8部に収容し、また傾斜寝用副台を第2収容部に収容し、このように装着して連結部材を介してうつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台とを連結部材を介して連結するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態の補助寝具を示す斜視図。
【図2】図1の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を底面側から見た斜視図。
【図3】図1の補助寝具の連結部材を示す平面図。
【図4】図1の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す斜視図。
【図5】図1の補助寝具を用いてうつ伏せ寝で就寝した状態を示す簡略図。
【図6】図1の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台の上でうつ伏せ寝で就寝した状態を示す簡略図。
【図7】図6の就寝状態を示す縦断面図。
【図8】図8(a)は、図1の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す平面図、図8(b)は、図8(a)におけるVIII−VIII線による断面図。
【図9】図9(a)は、図8の補助寝具を用いたときの横向き寝の状態を示す平面図、図9(b)は、図9(a)におけるIX−IX線による断面図。
【図10】図10(a)は、図8の補助寝具を用いたときの仰向け寝に移行するときの状態を示す平面図、図10(b)は、図10(a)におけるX−X線による断面図。
【図11】図11は、図1の補助寝具を用いて横向き寝の就寝状態を示す斜視図。
【図12】本発明の第2の実施形態の補助寝具において連結部材からうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を取り外した状態を示す斜視図。
【図13】図13(a)は、図2の補助寝具の上に敷布団を敷いた状態を示す平面図、図13(b)は、図13(a)におけるXIII−XIII線による断面図。
【図14】図14(a)は、図12の補助寝具を用いたときの横向き寝の状態を示す平面図、図14(b)は、図14(a)におけるXIV−XIV線による断面図。
【図15】図15(a)は、図12の補助寝具を用いたときの仰向け寝に移行するときの状態を示す平面図、図15(b)は、図15(a)におけるXV−XV線による断面図。
【図16】本発明の第3の実施形態の補助寝具を示す平面図。
【図17】本発明の第4の実施形態の補助寝具を示す平面図。
【図18】本発明の第5の実施形態の補助寝具を敷布団に取り付けた状態を裏側から示す図。
【図19】図18の補助寝具におけるうつ伏せ寝用主台及び傾斜寝用副台を示す図。
【図20】図18の補助寝具における連結部材を示す図。
【図21】図18の補助寝具の使用状態を示す図。
【図22】図18の補助寝具を第2の使用状態で使用したときの状態を示す図。
【図23】本発明の第6の実施形態の補助寝具にいてうつ伏せ寝用主台から傾斜寝用副台を取り外した状態で示す斜視図。
【図24】図23の補助寝具においてうつ伏せ寝用主台と傾斜寝用副台とを連結した状態で示す斜視図。
【図25】本発明に従う第7の実施形態の補助寝具を示す平面図。
【符号の説明】
【0102】
2,2A,202,202A 補助寝具
4,204,204A うつ伏せ寝用主台
6,6A,206,206A 傾斜寝用副台
8,208,208A 連結部材
16,16A,216 傾斜部
18 連結シーツ
26,218 敷布団
32、240 補助枕
100 使用者
222,224 雌型スナップ組
232,234 雄型スナップ組
238 主台側雌型スナップ組
240 副台側雄型スナップ組
252 第1連結部
254 第2連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷き部材の下側に敷く補助寝具であって、頭部、胸部、胴部及び股部にわたる身体上部を載置するためのうつ伏せ寝用主台と、前記うつ伏せ寝用主台と略平行に配設される傾斜寝用副台とを備え、前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台とが所定の間隔をおいて連結されていることを特徴とする補助寝具。
【請求項2】
前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台とを連結するための連結部材を更に備え、前記うつ伏せ寝用主台と前記傾斜寝用副台の少なくともいずれか一方が前記連結部材に位置調整自在に装着され、前記うつ伏せ寝用主台及び前記傾斜寝用副台が前記連結部材を介して間隔調整自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の補助寝具。
【請求項3】
前記連結部材には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、また前記うつ伏せ寝用主台には、前記第1スナップ手段の雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、更に前記傾斜寝用副台には、前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、前記うつ伏せ寝用主台の前記第1スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記連結部材の前記第1スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられ、また前記傾斜寝用副台の前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は前記雄形スナップが前記連結部材の前記第2スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の補助寝具。
【請求項4】
前記連結部材には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1収容部が設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2収容部が設けられ、前記うつ伏せ寝用主台は前記連結部材の前記第1収容部に収容され、また前記傾斜寝用副台は前記連結部材の前記第2収容部に収容されることを特徴とする請求項2に記載の補助寝具。
【請求項5】
前記連結部材は、前記うつ伏せ寝用主台に設けられた第1連結部と、前記傾斜寝用副台に設けられた第2連結部とから構成され、前記第1連結部及び前記第2連結部が位置調整自在に連結されることを特徴とする請求項2に記載の補助寝具。
【請求項6】
前記連結部材は、前記敷き部材であり、前記うつ伏せ寝用主台及び前記傾斜寝用副台の上面が前記布団カバー、前記敷き部材に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の補助寝具。
【請求項7】
前記敷き部材の下面には、前記うつ伏せ寝用主台の装着位置に対応して第1スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、前記傾斜寝用副台の装着位置に対応して第2スナップ手段の雄形スナップ又は雌形スナップが設けられ、また前記うつ伏せ寝用主台の上面には、前記第1スナップ手段の雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、更に前記傾斜寝用副台の上面には、前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが設けられ、前記うつ伏せ寝用主台の前記第1スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記第1スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられ、前記傾斜寝用副台の前記第2スナップ手段の前記雌形スナップ又は雄形スナップが前記第2スナップ手段の前記雄形スナップ又は雌形スナップに着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の補助寝具。
【請求項8】
前記うつ伏せ寝用主台は、主台本体と、袋状に形成された主台袋体とを備え、前記主台本体が前記主台袋体に収容され、また前記傾斜寝用副台は、副台本体と、袋状に形成された副台袋体とを備え、前記副台本体が前記副台袋体に収容されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の補助寝具。
【請求項9】
前記傾斜寝用副台には、前記うつ伏せ寝用主台側に身体を傾斜就寝状態に保つための傾斜部又は円弧状部が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の補助寝具。
【請求項10】
前記傾斜寝用副台に関連して、その上方に補助枕が配設されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の補助寝具。
【請求項11】
前記傾斜寝用副台は、前記うつ伏せ寝用主台の両側に配設可能に構成され、前記連結部材の幅方向中央部に前記うつ伏せ寝用主台が取り付けられ、前記連結部材の幅方向一側部及び他側部に前記傾斜寝用副台が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の補助寝具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−99443(P2010−99443A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309601(P2008−309601)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(302015465)
【Fターム(参考)】