補助電源装置
【課題】変調された光信号の所定の経路から漏れた光信号を、電力として活用することが可能な補助電源装置の提供を目的とする。
【解決手段】変調された光信号の所定の経路から漏れた光信号を、光信号の所定の経路の近傍に配置された、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、例えば、負荷に合わせて電圧を平滑化する、変換回路とを用いて、有用な電気エネルギーに変換して、補助電源とする。
【解決手段】変調された光信号の所定の経路から漏れた光信号を、光信号の所定の経路の近傍に配置された、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、例えば、負荷に合わせて電圧を平滑化する、変換回路とを用いて、有用な電気エネルギーに変換して、補助電源とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は補助電源装置に関し、特に光信号と光電変換素子を用いて補助電源をつくる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子を用いて光エネルギーを電力に変換して電源とする装置は、例えば太陽光発電システムなどで広く使用されている。特許文献1には、充放電の管理が可能な太陽光発電システムについて記載されている。また、特許文献2には、複数の太陽光パネルを組み合わせた太陽光発電システムについて記載されている。
【0003】
一方、従来テレビジョン受信機に使用する電気回路の電源は、商用電源を交流から直流に変換して作られていた。光映像信号を用いたテレビジョン受信機において、光光源や変調された光信号を用いる場合、光信号の伝達の過程において、所定の経路から漏れる漏れ光と呼ばれる光信号が存在する。本明細書において、漏れ光とは、意図せずに所定の経路から漏れた光信号、または、意図的に所定の経路から外した光信号の両方を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−86829号公報
【特許文献2】特開昭56−124062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、光光源や光信号を用いたテレビジョン受信機においては、漏れ光は熱に変わってエネルギーの損失となり、有効に電力活用がされないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、漏れ光のエネルギーを電力として有効に活用することを可能にした、補助電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる補助電源装置は、変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置であって、光信号の経路の近傍に配置され、光信号の経路から漏れた漏れ光を受けて電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に印加するための電気エネルギー(供給電源)に変換する変換回路とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、漏れ光を光電変換素子で受けることにより電気信号に変換し、さらに所定の負荷に印加するための電気エネルギーに変換する。このため、漏れ光を電力として有効に活用することができ、消費電力を削減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る光信号の経路を説明する図である。
【図2】地上での平均的な太陽光スペクトルを示す図である。
【図3】変調された光信号の波形を示す図である。
【図4】実施の形態1に係わる補助電源層装置の回路図である。
【図5】光電変換素子の出力特性を説明する図である。
【図6】本発明の変換回路から出力される電気信号を示す図である。
【図7】実施の形態2に係わる補助電源装置の回路図である。
【図8】実施の形態3に係わる補助電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
<構成>
本実施の形態では、例えば、補助電源装置が配設される所定の装置としてテレビジョン受信機を考える。
【0011】
図1は本発明の実施の形態1に係わる、テレビジョン受信機における光信号の伝達を模式化したものである。光信号120は映像情報を伝達するために変調されたデジタル信号またはアナログ信号であり、主に赤、青、緑の光線から構成される。図2に地上での平均的な太陽光のスペクトルの図を示す。光信号を構成する青、緑、赤の光線の波長は、太陽光に含まれる青色の光線の波長30、緑色の光線の波長40、赤色の光線の波長50とほぼ同じである。
【0012】
光信号120は、外光から遮断された空間130内に設けられた経路140を通過する。光映像信号は、外光による影響を受けないようにするために、外光から遮断された空間を伝達することが多い。
【0013】
この際、経路140外に漏れだす漏れ光110が数パーセント存在する。漏れ光110には、光信号120と同じく変調がかかっている。この漏れ光110を受け止める位置に、光信号を電気信号に変換する光電変換素子100が配置される。
【0014】
ここで、経路140として、例えば、背面投射型テレビジョンにおける、光源からの光を変調した光信号をスクリーンに投射する際に、光源を出てからスクリーンに至るまでの光信号が通過する経路などが考えられる。また、背面投射型テレビジョンのみならず、フロント投射型テレビジョンも含んだプロジェクションテレビジョン全般に適用できる。光電変換素子100としては、一般的なフォトダイオード等を用いればよい。
【0015】
図3に光信号120の例を示す。図3(a)はデジタル光信号10の時間変化であり、図3(b)はアナログ光信号20の時間変化である。漏れ光110の信号波形は光信号120の信号波形と同じ波形となる。
【0016】
図4に、本実施の形態における補助電源装置の回路図を示す。等価回路200は、光電変換素子100の等価回路である。等価回路200の出力(即ち、光電変換素子100の出力)が変換回路300に入力され、変換回路300の出力電圧が電気負荷部400に印加される。
【0017】
等価回路200は、電流源200dとダイオード200cを並列接続した回路に、並列抵抗200bを並列に、直列抵抗200aを直列にそれぞれ接続した回路で表現される。
【0018】
変換回路300は、第1端子部300cに並列に接続されたコンデンサ300aと、コンデンサ300aに並列に接続されたツェナーダイオード300bとで構成される。なお、ツェナーダイオード300bの代わりに、レギュレータICなどを用いてもよい。
【0019】
第2端子部300dは電気負荷部400に接続される。ここで、電気負荷部400は、例えば、テレビジョン受信機内部に存在する電気負荷である。
【0020】
<動作>
次に、本実施の形態に係わる補助電源装置の動作について説明する。まず、光電変換素子100の動作について説明する。漏れ光110が光電変換素子100に入射すると、図5の出力特性を持つ光電変換素子100は漏れ光110を電気信号に変換する。すなわち、等価回路200の電流源200dには、入力される光信号(即ち漏れ光110)の強度に応じて電流が流れるので、第1端子部300cには、漏れ光110の光信号波形と同様の波形の電圧が印加される。
【0021】
図3に示した光信号が光電変換素子100に入力された場合の、光電変換素子100の出力電圧(第1端子部300cに印加される電圧)を図6に示す。図6(a)において、第1電圧波形400aは、デジタル光信号10を受光した場合に第1端子部300cに印加される電圧である。図6(b)において、第4電圧波形500aはアナログ光信号20を受光した場合に第1端子部300cに印加される電圧である。
【0022】
次に、変換回路300の動作について、図4と図6を用いて説明する。第1端子部300cに、変調がかかった電圧信号が印加されると、コンデンサ300aによって電圧信号の波形が粗く平滑化される。
【0023】
図6にコンデンサ300aの出力電圧を示す。図6(a)において、第2電圧波形400bは、第1電圧波形400a(デジタル)が入力された場合のコンデンサ300aの出力電圧である。また、図6(b)において、第5電圧波形500bは、第4電圧波形500a(アナログ)が入力された場合のコンデンサ300aの出力電圧である。図6から、コンデンサ300aによって、光電変換素子100から出力される電気信号が粗く平滑化されていることがわかる。
【0024】
コンデンサ300aの出力を受けて、ツェナーダイオード300bは、電圧信号のさらなる平滑化を行う。この電圧が第2端子部300dから出力され、電気負荷部400に印加される。
【0025】
図6(a)において、第3電圧波形400cは、第2電圧波形400bがツェナーダイオード300bに入力された場合の第2端子部300dにおける電圧である。また、図6(b)において、第6電圧波形500cは、第5電圧波形500bがツェナーダイオード300bに入力された場合の第2端子部300dにおける電圧である。このように、ツェナーダイオード300bによって、コンデンサ300aの出力電圧がより平滑化されていることがわかる。
【0026】
そして、第2端子部300dの電圧が電気負荷部400に印加され、補助電源として所定の装置に供される。
【0027】
<効果>
本実施の形態の補助電源装置は、変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置である。そして、光信号の経路140の近傍に配置され、経路140から漏れた漏れ光110を受けて電気信号に変換する光電変換素子100と、光電変換素子100から出力される電気信号を電気負荷部400に印加するための電気エネルギーに変換する変換回路300とを備えて構成されている。従って、漏れ光110としてエネルギー損失になっていた光信号を、光電変換素子100で受けることにより電気信号に変換し、さらに変換回路300を用いて電気負荷部400を駆動するための電気エネルギーに変換することにより、電気負荷部400を駆動することが可能となるので、消費電力を削減する効果がある。
【0028】
また、本実施の形態の補助電源装置に備わる変換回路300は、入力される電気信号の電圧を平滑化する回路を備えることを特徴とする。従って、電気負荷部400には、一定の電圧が印加されることから、安定して電気負荷部400を駆動できるので、動作の信頼性が向上する効果がある。
【0029】
また、本実施の形態の補助電源装置に備わる変換回路300は、光電変換素子100と並列に接続されたコンデンサ300aと、コンデンサ300aの出力電圧を受けて一定の電圧を出力する定電圧素子とを備えて構成される。従って、比較的簡素な回路で変換回路300が構成されるので、小型化および製造コスト削減の効果が期待できる。
【0030】
また、本実施の形態の補助電源装置が配設される装置は、テレビジョン受信機であり、変調された光信号は映像信号である。テレビジョン受信機において伝播される光映像信号は、変調されているのが普通であるので、本実施の形態の補助電源装置は、テレビジョン受信機において高い汎用性が期待される。
【0031】
<実施の形態2>
実施の形態1において、粗く平滑化された電圧で動作可能である電気負荷部400であれば、変換回路300はコンデンサ300aのみによって構成されていてもよい。
【0032】
図7は本発明の実施の形態2に係わる補助電源装置の回路図である。図7において、変換回路300は、第1端子部300cに並列に接続されたコンデンサ300aのみで構成される。その他の構成は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0033】
本実施の形態において、コンデンサ300aの出力が電気負荷部400に直接印加される。よって、変換回路300の出力(即ち第2端子部300dの電圧)は、図6(a)における第2電圧波形400b、または、図6(b)における第5電圧波形500bとなる。
【0034】
本実施の形態の補助電源装置によれば、変換回路300は、光電変換素子100と並列に接続されたコンデンサ300aのみから構成される。従って、補助電源装置の小型化および製造コスト低減の効果が期待できる。
【0035】
<実施の形態3>
本発明の別の実施の形態として、変換回路300を備えない実施の形態を図8に示す。本実施の形態の構成は、変換回路300を備えないことを除いて実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0036】
本実施の形態では、光電変換素子100の出力電圧が、電気負荷部400に直接印加される。光電変換素子100の出力電圧の波形は変調された光信号の波形と同様であるので、電気負荷部400には、変調がかかった電圧が印加される。即ち、電気負荷部400に印加される電圧は、図6(a)における第1電圧波形400a、または、図6(b)における第4電圧波形500aとなる。
【0037】
従って、本実施の形態における電気負荷部400は、変調がかかった電圧で動作が可能な電気負荷に限定される。
【0038】
本実施の形態の補助電源装置は、変換回路300を備えず、光電変換素子100から出力される電気信号を電気負荷部400に直接印加することを特徴とする。従って、変換回路300を備えない分だけ、小型化および製造コストの削減が可能である。
【0039】
なお、本発明の補助電源装置が配設される所定の装置としてテレビジョン受信機について説明したが、本発明は上述したテレビジョン受信機以外の装置でも利用することができる。
【0040】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 デジタル光信号、20 アナログ光信号、30 青色の光線の波長、40 緑色の光線の波長、50 赤色の光線の波長、100 光電変換素子、110 漏れ光、120 光信号、130 外光から遮断された空間、140 経路、200 等価回路、200a 直列抵抗、200b 並列抵抗、200c ダイオード、200d 電流源、300 変換回路、300a コンデンサ、300b ツェナーダイオード、300c 第1端子部、300d 第2端子部、400 電気負荷部、400a 第1電圧波形、400b 第2電圧波形、400c 第3電圧波形、500a 第4電圧波形、500b 第5電圧波形、500c 第6電圧波形。
【技術分野】
【0001】
本発明は補助電源装置に関し、特に光信号と光電変換素子を用いて補助電源をつくる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子を用いて光エネルギーを電力に変換して電源とする装置は、例えば太陽光発電システムなどで広く使用されている。特許文献1には、充放電の管理が可能な太陽光発電システムについて記載されている。また、特許文献2には、複数の太陽光パネルを組み合わせた太陽光発電システムについて記載されている。
【0003】
一方、従来テレビジョン受信機に使用する電気回路の電源は、商用電源を交流から直流に変換して作られていた。光映像信号を用いたテレビジョン受信機において、光光源や変調された光信号を用いる場合、光信号の伝達の過程において、所定の経路から漏れる漏れ光と呼ばれる光信号が存在する。本明細書において、漏れ光とは、意図せずに所定の経路から漏れた光信号、または、意図的に所定の経路から外した光信号の両方を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−86829号公報
【特許文献2】特開昭56−124062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、光光源や光信号を用いたテレビジョン受信機においては、漏れ光は熱に変わってエネルギーの損失となり、有効に電力活用がされないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、漏れ光のエネルギーを電力として有効に活用することを可能にした、補助電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる補助電源装置は、変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置であって、光信号の経路の近傍に配置され、光信号の経路から漏れた漏れ光を受けて電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に印加するための電気エネルギー(供給電源)に変換する変換回路とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、漏れ光を光電変換素子で受けることにより電気信号に変換し、さらに所定の負荷に印加するための電気エネルギーに変換する。このため、漏れ光を電力として有効に活用することができ、消費電力を削減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る光信号の経路を説明する図である。
【図2】地上での平均的な太陽光スペクトルを示す図である。
【図3】変調された光信号の波形を示す図である。
【図4】実施の形態1に係わる補助電源層装置の回路図である。
【図5】光電変換素子の出力特性を説明する図である。
【図6】本発明の変換回路から出力される電気信号を示す図である。
【図7】実施の形態2に係わる補助電源装置の回路図である。
【図8】実施の形態3に係わる補助電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
<構成>
本実施の形態では、例えば、補助電源装置が配設される所定の装置としてテレビジョン受信機を考える。
【0011】
図1は本発明の実施の形態1に係わる、テレビジョン受信機における光信号の伝達を模式化したものである。光信号120は映像情報を伝達するために変調されたデジタル信号またはアナログ信号であり、主に赤、青、緑の光線から構成される。図2に地上での平均的な太陽光のスペクトルの図を示す。光信号を構成する青、緑、赤の光線の波長は、太陽光に含まれる青色の光線の波長30、緑色の光線の波長40、赤色の光線の波長50とほぼ同じである。
【0012】
光信号120は、外光から遮断された空間130内に設けられた経路140を通過する。光映像信号は、外光による影響を受けないようにするために、外光から遮断された空間を伝達することが多い。
【0013】
この際、経路140外に漏れだす漏れ光110が数パーセント存在する。漏れ光110には、光信号120と同じく変調がかかっている。この漏れ光110を受け止める位置に、光信号を電気信号に変換する光電変換素子100が配置される。
【0014】
ここで、経路140として、例えば、背面投射型テレビジョンにおける、光源からの光を変調した光信号をスクリーンに投射する際に、光源を出てからスクリーンに至るまでの光信号が通過する経路などが考えられる。また、背面投射型テレビジョンのみならず、フロント投射型テレビジョンも含んだプロジェクションテレビジョン全般に適用できる。光電変換素子100としては、一般的なフォトダイオード等を用いればよい。
【0015】
図3に光信号120の例を示す。図3(a)はデジタル光信号10の時間変化であり、図3(b)はアナログ光信号20の時間変化である。漏れ光110の信号波形は光信号120の信号波形と同じ波形となる。
【0016】
図4に、本実施の形態における補助電源装置の回路図を示す。等価回路200は、光電変換素子100の等価回路である。等価回路200の出力(即ち、光電変換素子100の出力)が変換回路300に入力され、変換回路300の出力電圧が電気負荷部400に印加される。
【0017】
等価回路200は、電流源200dとダイオード200cを並列接続した回路に、並列抵抗200bを並列に、直列抵抗200aを直列にそれぞれ接続した回路で表現される。
【0018】
変換回路300は、第1端子部300cに並列に接続されたコンデンサ300aと、コンデンサ300aに並列に接続されたツェナーダイオード300bとで構成される。なお、ツェナーダイオード300bの代わりに、レギュレータICなどを用いてもよい。
【0019】
第2端子部300dは電気負荷部400に接続される。ここで、電気負荷部400は、例えば、テレビジョン受信機内部に存在する電気負荷である。
【0020】
<動作>
次に、本実施の形態に係わる補助電源装置の動作について説明する。まず、光電変換素子100の動作について説明する。漏れ光110が光電変換素子100に入射すると、図5の出力特性を持つ光電変換素子100は漏れ光110を電気信号に変換する。すなわち、等価回路200の電流源200dには、入力される光信号(即ち漏れ光110)の強度に応じて電流が流れるので、第1端子部300cには、漏れ光110の光信号波形と同様の波形の電圧が印加される。
【0021】
図3に示した光信号が光電変換素子100に入力された場合の、光電変換素子100の出力電圧(第1端子部300cに印加される電圧)を図6に示す。図6(a)において、第1電圧波形400aは、デジタル光信号10を受光した場合に第1端子部300cに印加される電圧である。図6(b)において、第4電圧波形500aはアナログ光信号20を受光した場合に第1端子部300cに印加される電圧である。
【0022】
次に、変換回路300の動作について、図4と図6を用いて説明する。第1端子部300cに、変調がかかった電圧信号が印加されると、コンデンサ300aによって電圧信号の波形が粗く平滑化される。
【0023】
図6にコンデンサ300aの出力電圧を示す。図6(a)において、第2電圧波形400bは、第1電圧波形400a(デジタル)が入力された場合のコンデンサ300aの出力電圧である。また、図6(b)において、第5電圧波形500bは、第4電圧波形500a(アナログ)が入力された場合のコンデンサ300aの出力電圧である。図6から、コンデンサ300aによって、光電変換素子100から出力される電気信号が粗く平滑化されていることがわかる。
【0024】
コンデンサ300aの出力を受けて、ツェナーダイオード300bは、電圧信号のさらなる平滑化を行う。この電圧が第2端子部300dから出力され、電気負荷部400に印加される。
【0025】
図6(a)において、第3電圧波形400cは、第2電圧波形400bがツェナーダイオード300bに入力された場合の第2端子部300dにおける電圧である。また、図6(b)において、第6電圧波形500cは、第5電圧波形500bがツェナーダイオード300bに入力された場合の第2端子部300dにおける電圧である。このように、ツェナーダイオード300bによって、コンデンサ300aの出力電圧がより平滑化されていることがわかる。
【0026】
そして、第2端子部300dの電圧が電気負荷部400に印加され、補助電源として所定の装置に供される。
【0027】
<効果>
本実施の形態の補助電源装置は、変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置である。そして、光信号の経路140の近傍に配置され、経路140から漏れた漏れ光110を受けて電気信号に変換する光電変換素子100と、光電変換素子100から出力される電気信号を電気負荷部400に印加するための電気エネルギーに変換する変換回路300とを備えて構成されている。従って、漏れ光110としてエネルギー損失になっていた光信号を、光電変換素子100で受けることにより電気信号に変換し、さらに変換回路300を用いて電気負荷部400を駆動するための電気エネルギーに変換することにより、電気負荷部400を駆動することが可能となるので、消費電力を削減する効果がある。
【0028】
また、本実施の形態の補助電源装置に備わる変換回路300は、入力される電気信号の電圧を平滑化する回路を備えることを特徴とする。従って、電気負荷部400には、一定の電圧が印加されることから、安定して電気負荷部400を駆動できるので、動作の信頼性が向上する効果がある。
【0029】
また、本実施の形態の補助電源装置に備わる変換回路300は、光電変換素子100と並列に接続されたコンデンサ300aと、コンデンサ300aの出力電圧を受けて一定の電圧を出力する定電圧素子とを備えて構成される。従って、比較的簡素な回路で変換回路300が構成されるので、小型化および製造コスト削減の効果が期待できる。
【0030】
また、本実施の形態の補助電源装置が配設される装置は、テレビジョン受信機であり、変調された光信号は映像信号である。テレビジョン受信機において伝播される光映像信号は、変調されているのが普通であるので、本実施の形態の補助電源装置は、テレビジョン受信機において高い汎用性が期待される。
【0031】
<実施の形態2>
実施の形態1において、粗く平滑化された電圧で動作可能である電気負荷部400であれば、変換回路300はコンデンサ300aのみによって構成されていてもよい。
【0032】
図7は本発明の実施の形態2に係わる補助電源装置の回路図である。図7において、変換回路300は、第1端子部300cに並列に接続されたコンデンサ300aのみで構成される。その他の構成は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0033】
本実施の形態において、コンデンサ300aの出力が電気負荷部400に直接印加される。よって、変換回路300の出力(即ち第2端子部300dの電圧)は、図6(a)における第2電圧波形400b、または、図6(b)における第5電圧波形500bとなる。
【0034】
本実施の形態の補助電源装置によれば、変換回路300は、光電変換素子100と並列に接続されたコンデンサ300aのみから構成される。従って、補助電源装置の小型化および製造コスト低減の効果が期待できる。
【0035】
<実施の形態3>
本発明の別の実施の形態として、変換回路300を備えない実施の形態を図8に示す。本実施の形態の構成は、変換回路300を備えないことを除いて実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0036】
本実施の形態では、光電変換素子100の出力電圧が、電気負荷部400に直接印加される。光電変換素子100の出力電圧の波形は変調された光信号の波形と同様であるので、電気負荷部400には、変調がかかった電圧が印加される。即ち、電気負荷部400に印加される電圧は、図6(a)における第1電圧波形400a、または、図6(b)における第4電圧波形500aとなる。
【0037】
従って、本実施の形態における電気負荷部400は、変調がかかった電圧で動作が可能な電気負荷に限定される。
【0038】
本実施の形態の補助電源装置は、変換回路300を備えず、光電変換素子100から出力される電気信号を電気負荷部400に直接印加することを特徴とする。従って、変換回路300を備えない分だけ、小型化および製造コストの削減が可能である。
【0039】
なお、本発明の補助電源装置が配設される所定の装置としてテレビジョン受信機について説明したが、本発明は上述したテレビジョン受信機以外の装置でも利用することができる。
【0040】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 デジタル光信号、20 アナログ光信号、30 青色の光線の波長、40 緑色の光線の波長、50 赤色の光線の波長、100 光電変換素子、110 漏れ光、120 光信号、130 外光から遮断された空間、140 経路、200 等価回路、200a 直列抵抗、200b 並列抵抗、200c ダイオード、200d 電流源、300 変換回路、300a コンデンサ、300b ツェナーダイオード、300c 第1端子部、300d 第2端子部、400 電気負荷部、400a 第1電圧波形、400b 第2電圧波形、400c 第3電圧波形、500a 第4電圧波形、500b 第5電圧波形、500c 第6電圧波形。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置であって、
前記光信号の経路の近傍に配置され、前記光信号の経路から漏れた漏れ光を受けて電気信号に変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に印加するための電気エネルギーに変換する変換回路と、
を備える補助電源装置。
【請求項2】
前記変換回路は、
入力される電気信号の電圧を平滑化する回路を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項3】
前記変換回路は、
前記光電変換素子と並列に接続されたコンデンサと、
前記コンデンサの出力電圧を受けて一定の電圧を出力する定電圧素子と、
を備える請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項4】
前記変換回路は、
前記光電変換素子と並列に接続されたコンデンサのみ
からなる請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項5】
前記変換回路を備えず、
前記光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に直接印加することを特徴とする、
請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項6】
前記所定の装置は、テレビジョン受信機であり、
前記変調された光信号は、映像信号である、
請求項1〜5のいずれかに記載の補助電源装置。
【請求項1】
変調された光信号の経路を有する所定の装置内に配設される補助電源装置であって、
前記光信号の経路の近傍に配置され、前記光信号の経路から漏れた漏れ光を受けて電気信号に変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に印加するための電気エネルギーに変換する変換回路と、
を備える補助電源装置。
【請求項2】
前記変換回路は、
入力される電気信号の電圧を平滑化する回路を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項3】
前記変換回路は、
前記光電変換素子と並列に接続されたコンデンサと、
前記コンデンサの出力電圧を受けて一定の電圧を出力する定電圧素子と、
を備える請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項4】
前記変換回路は、
前記光電変換素子と並列に接続されたコンデンサのみ
からなる請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項5】
前記変換回路を備えず、
前記光電変換素子から出力される電気信号を所定の負荷に直接印加することを特徴とする、
請求項1に記載の補助電源装置。
【請求項6】
前記所定の装置は、テレビジョン受信機であり、
前記変調された光信号は、映像信号である、
請求項1〜5のいずれかに記載の補助電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−106290(P2013−106290A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250330(P2011−250330)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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