説明

補聴器の形式上の分別から生まれた品目

【課題】軽度の難聴傾向にある人に対して、抵抗感なく受け入れられ、かつ役立つ物品を提供する。
【解決手段】ヘッドフォンに似た形状を用いて、この物品の機能を音を発生させたり増幅させるという解釈ではなく、現存する音を分かりやすく伝達するものと特定させる。耳内部に機器を入れ込むのではなく、耳の回りに音の反射板3を装着する。音の持つ特性を利用し、部屋の中など囲まれた場所での音声コミュニケーションにおいて、その際の音が伝わる方向性に注目し、前方以外からの発生音に対する大幅な軽減と、前方側発生音の明瞭化、そして飛躍的ではなくとも音量の増大化を実現する形式を提示する。これは回路を有する電気的特性に基づくものではなくて、機構的な特性に一切を終始するものであり、そのことはヒューマニズムの観点からも、必要に応じて使用者の身体器官を安心して委ねられる物品として、容易に受け入れられるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
根本的対象となる医療分野から、性質を異形解釈することによりエンタテイメント分野まで。
【背景技術】
【0002】
電気的回路を持ったイヤホンを、耳栓式に耳内部へと組み込ませるのが、一般的な補聴器となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
軽度の難聴傾向にある人へ対して、抵抗感なく受け入れられる商品の提供
【課題を解決するための手段】
【0004】
頭かけ式、もしくは首かけ式ヘッドホンと同じ装着法を用い、使用者の耳たぶからその上部までの、外見上に露出する人間の耳の形を拡大させた形状を、耳の後ろに固定できるようにする。それにより、前方側からの発生音に対して明瞭に聞き取ることが可能になる。
【発明の効果】
【0005】
会話などで伝達する音声は、必ずしもエコー感を必要するものでなく、この物品は原音に付随するそのエコー音を単純かつ明確に排除する。そのことで、原音の情報そのものを正確に聞き取ることが可能になる。
【0006】
エレクトロニカルな物品を使用者の感覚機能の一部として、平常的に利用するという概念にある種の抵抗感と不快意識が発生していると思われる。また、電気的な機構のもとで増幅させた音声、またはその音質傾向は、人間の感性に必ずしも好感を持って迎合されるとは限らず、あくまで自然の原則と要素から成り立っているこの物品は、本格的な補聴器を必要としない軽い難聴傾向のユーザーに対して、気軽に利用できる対象物になり得る。五感のひとつである聴覚を、機械に頼らずに日常において常用できる商品であるという意味で、これは眼鏡と同じレベルの性質を持つ。そこには罪悪感、ハンディーキャップ感というものが格段に少ない。
【0007】
外部から鼓膜への通路をふさぐ方式を取らない為、使用時のストレスは大幅に軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
聴覚を通して人間同志の、またAV機器からのコミュニケーション方向は前方からの場合が多く、その際、図面上▲3▼の形状によって、左右壁側と下方床側、後方壁側からの残響音をある程度遮断することが可能で、耳に入ってくる音性質をエコーを軽減した明瞭なものに変化させられる。また、中音域から高音域までの音は、音に方向性を持つためその音が発生した位置から、それが向いている方向に対して音が伝達する。低音域の音は方向性が低く、室内などの場合に位置方向関係なく伝達するために、後方、下方や左右の壁に残響する音の割合が多い。ゆえに、この物品を用いることによって、あらゆる方向から残響してくる低音主体の全帯域の残響音を分離させ、前方からダイレクトに伝達している音を聞き分けられる。このようにして抽出されることになる中高音の周波数帯域に、人間の発声が存在している。
【0009】
また、▲3▼の形状を、耳孔部へ残響感を持たさずに音を伝達するために、立体的弓状、弧状にすることで、▲3▼本体でもごく僅かに発生し得る残響音のレベルも下げることが出来る。その▲3▼の部材、素材によって若干であるが伝達する音質の味付けを、使用者の嗜好に合わせ提示することも出来る。そして、補聴器としての最大要素である音量感の増加が、その▲3▼の大きさに比例して、前方からの発生音に対しての聴感上レベルの増加という形で実現できることとなる。
【実施例】
【0010】
図面で表した首かけ式の場合、首の後ろ側部分に、形状可変素材を用いた▲1▼をCの字状にして両耳からぶら下げることを可能にする。▲2▼は、▲1▼と▲4▼の連結部分で、使用する際の位置調整、また使用時以外の持ち歩きの場合にコンパクトな形状に折りたためるように、その部分で▲3▼▲4▼の角度調整をおこなえるようにする。▲4▼は、本体の主要部である▲3▼を耳後部に安定して固定する目的のもので、耳の周囲を囲む形で顔の左右側から中央へ向けて押さえる力の働く部位になる。▲3▼がその▲4▼部と直結した、顔左右側へ飛び出した音の立体反射板になる。その形状として、人間の手のひらを広げた形を作り、それを微かに丸めた状態のものが一番機能上の効果を発生させる。▲3▼は常に耳の後部に、実際の耳の外形より大きな寸法で、メガホンと同じ概念で集音する機構のものである。
【この物品に合わせた別価値を持つ付加機構】
【0011】
▲1▼の首装着部の内部、または首密着側に磁気や遠赤外線といった血行を促進させるような健康素材を導入することで、使用者への別の効果、効能を訴えかけられる。
【利用する分野拡大の可能性】
【0012】
これは、いわゆる難聴者への利用に限定するものではなく、聴覚に関わる物品全般に拡大して展開することが出来る。音楽鑑賞、映画鑑賞の際や、鋭い聴覚を必要とする職場でもそのままの機構で活用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
非常に安価での生産が可能であり、また使用する状況を限定していない性質のため、一般の様々な状況に応じていくことも可能で、その場合の流通によって産業的価値があるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
首かけ式の場合の図面であり、(図1)が商品の全体図で、(図2)が装着した際の図である。▲1▼が形状可変の首後ろ側装着部で、▲3▼が左右の音の反射板である。その▲3▼の立体的形状は、ごく浅めのご飯茶碗の器部分を天面から底面へ縦に割った形になる。▲4▼が▲3▼を耳部分に固定させる部位であり、▲2▼は着脱時の位置、角度調整を行うロック機構を備えたコネクション部分である。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ここに提示した役割を示す物品における技術的概念を利用すること
【請求項2】
明細書(0011)項で示した健康価値を与える機能の組み入れ

【公開番号】特開2007−156373(P2007−156373A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380764(P2005−380764)
【出願日】平成17年12月4日(2005.12.4)
【出願人】(505475460)
【Fターム(参考)】