説明

製網方法及び製網機

【課題】従来の目合いの網地より小さい目合いの網地を特殊結節により良好に製網することができる製網方法と製網機を提供する。
【解決手段】回転し前後に揺動する上鈎16、たて糸Aをガイドして上下左右前後に動く糸振り17、よこ糸Bを挙上する挙上板19、及び上鈎16に形成したループからたて糸Aを引き出す下鈎21を備えた製網機を用いておこなう製網方法である。よこ糸Bとたて糸Aのループを上鈎16に形成し、上鈎16からたて糸Aとよこ糸Bのループを外した後、目送りロール5の目送り動作によりたて糸Aとよこ糸Bのループを締め付けて特殊結節の網地を製網する。目送りロール5が目送り動作を行う際、よこ糸Bのシャットル8を収納したシャットルボックス7を反結節形成部側に移動させ、よこ糸Bを反結節形成部側に引くように動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊結節により結節網を製網する製網方法と製網機に関し、特に従来の網地の目合いより小さい目合いの網地を良好に製網することができる製網方法と製網機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漁網などの網地を製網する製網機として、目ずれの少ない結節網を製網するために、よこ糸を持ち上げる挙上板を設け、たて糸を上鈎に巻き掛けた状態で、さらによこ糸を挙上板により持ち上げながら、その上鈎によこ糸を巻き掛けて、所謂特殊結節を行う製網機が、下記特許文献1などで知られている。
【特許文献1】特公昭57−42740号公報
【0003】
この種の製網機により特殊結節で製網される網地は、結節工程の最後で上鈎に形成されたたて糸とよこ糸のループを締め付けて結節が形成されるが、このときのループの締め付けは、たて糸とよこ糸の両方の糸を同時に締め付ける必要があるために、目送りロールにより網地を送り方向に引き込むことにより行なわれる。
【0004】
二重結節の網地を製網する場合、上鈎に形成されるループはたて糸のみであるため、ループを締め付ける際には、製網機に設けた目締め機構により強制的に目締めロールがたて糸に張力を付与し、ループが網地を送り出す方向とは逆方向のたて糸供給側へ引っ張られ、結節が形成される。
【0005】
一方、特殊結節を行なう製網機においては、たて糸に張力を付与する目締めロールはあるものの、よこ糸に強制的な張力を付与する機構はこれまで存在しなかった。上鈎にたて糸とよこ糸の両方がループを形成する特殊結節では、たて糸のみを引っ張ると、よこ糸により形成されたループのみが残存し、良好な結節を形成することが不可能であった。このために、特殊結節を行なう従来の製網機は、結節工程の最後で、目送りロールにより網地を送り方向に引き込み、たて糸とよこ糸の双方のループを目送りロールにより同時に送り方向に引いてループの締め付けを行なっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、目送りロールによって網地を送り方向に引き込み、ループの締め付けを行なうと、その締め付け代が網足となって比較的長くなり、そのような長い網足つまり目合いをもった網地が製網されることになる。
【0007】
このために、従来の特殊結節による網地の目合いの最少値は、1目が約60mmと比較的大きくなり、それ未満の比較的小さい目合いの特殊結節網を製網することが難しいという課題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、従来の目合いの網地より小さい目合いの網地を特殊結節により良好に製網することができる製網方法と製網機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の製網方法は、回転し前後に揺動する上鈎、たて糸をガイドして上下左右前後に動く糸振り、よこ糸を挙上する挙上板、及び該上鈎に形成したループからたて糸を引き出す下鈎を備えた製網機を用いて、よこ糸とたて糸のループを該上鈎に形成し、該上鈎からたて糸とよこ糸のループを外した後、目送りロールの目送り動作によりたて糸とよこ糸のループを締め付けて特殊結節の網地を製網する製網方法において、該目送りロールが目送り動作を行う際、該よこ糸のシャットルを収納したシャットルボックスを反結節形成部側に移動させ、該よこ糸を反結節形成部側に引くことを特徴とする。
【0010】
ここで、上記製網方法においては、上記挙上板がよこ糸を挙上し、上記上鈎がよこ糸を巻き掛ける直前に、シャットルボックスを反結節形成部側に移動させて、該シャットルからよこ糸を引き出し、該上鈎がよこ糸を巻き掛けつつあるとき、該シャットルボックスを結節形成部側に移動して元の位置に戻すようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
このような製網方法では、結節工程の最終段階で、上鈎からたて糸とよこ糸のループを外した後、目送りロールが目送り動作を行う際、よこ糸のシャットルを収納したシャットルボックスを反結節形成部側に移動させ、よこ糸を反結節形成部側に引くように動作する。したがって、よこ糸は結節形成部から反結節形成部側に適度な張力で引っ張られ、たて糸は目締めロールにより適度な張力で反結節形成部側に引かれているから、目送りロールによって網地が送り方向に引き込まれて、ループの締め付けが行なわれるとき、その締め付け代は効果的に短くなり、従来のものより締め付け代の短い網足つまり小さい目合いをもった網地を製網することができる。
【0012】
一方、結節工程中に、挙上板によりよこ糸を持ち上げて上鈎によこ糸を巻き掛ける際、よこ糸に過度な張力が生じると、よこ糸と上鈎の間にたて糸が挟まれ、上鈎からたて糸が一旦外される段階で、たて糸が外れずに上鈎に掛けられたままとなり、その後の工程に進む結果、たて糸が切断される不具合が生じる。しかしながら、挙上板がよこ糸を挙上し、上鈎がよこ糸を巻き掛ける直前に、シャットルボックスを反結節形成部側に移動させて、シャットルからよこ糸を引き出し、上鈎がよこ糸を巻き掛けつつあるとき、シャットルボックスを結節形成部側に移動して元の位置に戻すことにより、よこ糸の張力を軽減し、これによって、たて糸を確実に上鈎から外して、たて糸の切断事故を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は製網機の概略構成図を示している。この図1により先ず製網機の概略構成を説明すると、製網機1の結節形成部2には、そこに供給されるたて糸Aとよこ糸Bから網地Cを編網するために、上鈎16、糸振り17、櫛板18、挙上板19、及び下鈎21が、所定の動作を行いながら結節を作るように配設されている。
【0014】
結節形成部2の後部(図1の右側)には、シャットルボックス7が前後に移動可能に配設され、シャットルボックス7内に、よこ糸Bを巻装した文銭(円盤状ボビン)を収納した多数のシャットル8が、ボックスの端部に設けたシャットル受け7aに並べて保持され、収容されている。図5に示すように、シャットル8内の文銭8bに巻装されたよこ糸Bは、錘8aが掛けられてある程度の張力を付与した状態で、その先端部から引き出される。
【0015】
一方、たて糸Aは、製網機1の外部に設けた図示しないボビンから供給され、たて糸供給ロール3、目締めロール4などを経て、糸振り17を通して結節形成部2に供給される。また、結節形成部2にてたて糸Aとよこ糸Bを結節して編網された網地Cは、その下方の目送りロール5を通り、複数の補助ロールを通過して、製網機1の後部(図1の左側)に設けた吐出ロール6から送出される構造である。
【0016】
結節形成部2には、図2に示すように、上方に上鈎16が配設され、上鈎16は、その縦軸を中心に回動してたて糸A、よこ糸Bを巻き掛け可能とされ、且つ鈎部に形成したループを外すために傾動可能な構造となっている。また、糸振り17はたて糸Aをガイドして、上下左右前後に動きながらたて糸Aを供給するもので、主軸によりカムを介して従動する図示しない糸振り駆動機構により、上下左右前後に動くように構成される。櫛板18は、多数のよこ糸Bと同じ間隔の切れ込みを入れた櫛状の板から形成され、その先端を下方に曲げて形成された状態で結節形成部2の所定位置に固定され、たて糸Aとよこ糸Bの結節部及び網目を形成する網足部をその切れ込みつまり櫛歯の間の保持用凹部に入れて保持する構造である。
【0017】
挙上板19は、よこ糸Bを持ち上げるために、結節形成部2における櫛板18の背上に上下動可能に配設される。挙上板19の先端には多数のよこ糸Bを保持するための突出部が並設され、そこに係止凹部が形成され、さらによこ糸Bをガイドするガイド部19aがその背部に設けられている。この挙上板19は、図示しない主軸に設けたカムを介して従動する挙上駆動機構により、所定のタイミングで上下動し、よこ糸Bを持ち上げるように駆動される。
【0018】
下鈎21はシャットル8の上方を前後方向に移動して結節形成部2に進入可能に配設され、図示しない下鈎駆動機構により結節ループ内に進入し、たて糸Aをそのループ内から引出し、よこ糸Bを収容するシャットル8を潜らせるように、シャットル8の尾部の下側に進み、そこで下鈎21からたて糸Aをリリースするように構成される。
【0019】
よこ糸Bの張力を調整する機構は、よこ糸Bを収容したシャットル8を並べて保持するシャットルボックス7を、製網機の前後(図1の左右方向)に移動させる機構によって構成される。即ち、図3、図4に示すように、多数のシャットル8を並設して収容したシャットルボックス7は、製網機の前後に移動可能に保持され、その一部に設けた長孔7bに作動レバー14の先端のピン15が係合する。そして、作動レバー14の元部はよこ糸引出し軸13に軸着され、よこ糸引出し軸13の回動により、シャットルボックス7が前後に移動する構造である。よこ糸引出し軸13は、クランク12のスライドレバー12aとクランクレバー12b、及びカムフォロワ11とカム10を介して製網機の主軸9に連係されて回動する。
【0020】
すなわち、主軸9にカム10が固定され、そのカム10に接触して従動するカムフォロワ11を設けたクランク12のスライドレバー12aが配設される。スライドレバー12aの先端には、クランクピンを介してクランクレバー12bを連結しており、そのクランクレバー12bがよこ糸引出し軸13上に緩く外嵌されて、回動可能とされている。また、よこ糸引出し軸13には、よこ糸引出し調整器20の本体レバー20aが固定されている。
【0021】
よこ糸引出し調整器20は、本体レバー20aの先端に設けたねじ孔に調整ねじ棒20cを螺合させ、調整ねじ棒20cの末端に調整ハンドル20bを取り付けて構成され、調整ねじ棒20cの先端をクランクレバー12bに当接可能とし、調整ねじ棒20cの先端がクランクレバー12bに当接する角度位置を調整することにより、よこ糸の引出し量を調整するようにしている。
【0022】
すなわち、調整ねじ棒20cの先端をレバー12b側に突き出すように調整すると、クランク20のスライドレバー12aとの隙間が減少し、クランクレバー12bの回動と共に本体レバー20aが回動する角度範囲が増加し、よこ糸引出し軸13の回動角度範囲が増加して、よこ糸の引出し量が増大する。一方、調整ねじ棒20cの先端をレバー12b側から戻すように調整すると、クランク20のスライドレバー12aとの隙間が増大し、クランクレバー12bの回動と共に本体レバー20aが回動する角度範囲が減少し、よこ糸引出し軸13の回動角度範囲が減少して、よこ糸の引出し量が減少するように動作する。
【0023】
また、主軸9に取着されるカム10は、後述する所定のタイミング、例えば、結節工程の最終段階で、目送りロール5が作動して目送り動作を行なうタイミングで、シャットルボックス7を後方に移動させ、よこ糸Bに張力を付与するように、カム10が形成され調整されている。シャットルボックス7を後方に移動させるタイミング、速度、時間、或いはシャットルボックス7を元の位置に戻すタイミング、速度、時間は、主軸9に取着されるカム10の形状や取付角度を調整することにより、調整可能である。
【0024】
さらに、よこ糸Bの張力の調整は、結節工程中の他のタイミングにおいても実施し、例えば、挙上板19により持ち上がられたよこ糸Bを上鈎16に巻き掛けつつ、先に上鈎16に掛けられたたて糸Aを外す工程において、その直前にシャットルボックス7を反結節形成部側に予め移動しておき、上鈎16によこ糸Bを巻き掛けつつあるとき、シャットルボックス7を結節形成部側に戻すように移動し、これによって、よこ糸Bの張力を軽減し、たて糸Aが確実に上鈎16から外されるように動作する。
【0025】
次に、上記構成の製網機を使用して、特殊結節の網地を製網する製網方法を説明する。図2のように、結節の準備が完了した状態で、先ず糸振り17が上昇してたて糸Aを持ち上げ、この状態で、上鈎16が平面視で左に回転し、たて糸Aを上鈎16に引っ掛けてループを形成し、そしてよこ糸Bを上鈎16に掛けるために、図6のように、挙上板19を挙上させてよこ糸Bを持ち上げる。
【0026】
続いて、図6から図7に示すように、上鈎16が右に回転して上鈎16に掛けられたたて糸Aのループを解除すると共に、上鈎16によこ糸Bを掛けるように回転する。このとき、挙上板19がよこ糸Bを挙上し、上鈎16がよこ糸Bを巻き掛ける直前に、シャットルボックス7を反結節形成部側に移動させて、シャットル8からよこ糸Bを引き出す。そして、上鈎16がよこ糸Bを巻き掛けつつあるとき、図8のように、シャットルボックス7を結節形成部側に移動して元の位置に戻すように動作する。これにより、よこ糸Bの張力は軽減される。そして、糸振り17が上昇し、上鈎16が右に回転することにより、たて糸Aが上鈎16から外され、上鈎16にはよこ糸のループが形成される(図9)。
【0027】
このように、上鈎16がよこ糸Bを巻きかける際、よこ糸Bの張力が軽減されるため、たて糸Aがよこ糸Bと上鈎16との間に挟み付けられる不具合が解消され、これによって、たて糸Aが確実に上鈎16から外れる。このため、たて糸Aの切断事故を防止することができる。
【0028】
そして次に、もう一度、糸振り17が上昇して上鈎16が回転し、たて糸Aが上鈎16に掛けられ、上鈎16にはよこ糸とたて糸で作られたループが形成される。次に、下鈎21が結節形成部2に向って移動し、上鈎16の門部に形成されたループ内に下鈎21が進入して、結節形成部2の前方に位置するたて糸Aが糸振り17の動作により下鈎21に引っ掛けられ、たて糸Aがループ内から引き出される。そして、たて糸Aを引出した下鈎21が、たて糸Aのループにシャットル8をくぐらせるように、斜め下向きに前進してたて糸Aをリリースする。このとき、目締めロール4が下降してたて糸Aを引き込み、たて糸Aによこ糸Bをくぐらせる。その後、上鈎16が傾動して、図10のように、その下端部からたて糸Aとよこ糸Bのループが外され、この後、目送りロール5による目送りと、たて糸A及びよこ糸Bの反結節形成部側への引き込み動作とにより、結節の目締めが行われる。
【0029】
すなわち、結節工程の最終段階で、図10のように、上鈎16からたて糸Aとよこ糸Bのループを外した後、目送りロール5が網地Cを送って目送り動作を行う際、よこ糸Bのシャットル8を収納したシャットルボックス7が、上記カム10、カムフォロワ11、クランク12、及びよこ糸引出し軸13の動作により、反結節形成部側に移動し、よこ糸Bを反結節形成部側に引くように動作する。
【0030】
これにより、よこ糸Bが結節形成部から反結節形成部側に適度な張力で引かれ、たて糸Aは目締めロール4により適度な張力で反結節形成部側に引かれているため、目送りロール5によって網地Cを送り方向に引き込むことによって、ループの締め付けが良好に行なわれる。つまり、その締め付け代は、単純に網地を目送りする場合より格段に短くなり、締め付け代の短い網足つまり小さい目合いをもった網地を製網することができる。従来の製網機を使用して特殊結節の網地を製網した場合、網地の1目の最少目合いの大きさは約60mmと大きいものであったが、この製網方法と製網機によれば、1目の最少目合いが約40mmと小さい目合いの網地を製網することができる。
【0031】
このように、特殊結節を形成する工程において、結節の最終工程で、目送りを行なう際、シャットルボックス7を反結節形成部側に移動させて、よこ糸Bを同方向に引くことにより、従来より小さい目合いの網地を製網することができ、上鈎16がよこ糸Bを巻きかける際、よこ糸Bの張力が軽減されるため、たて糸Aがよこ糸Bと上鈎16との間に挟み付けられる不具合が解消され、これによって、たて糸Aが確実に上鈎16から外れ、たて糸Aの切断事故を防止することができる。
【0032】
以上説明したように、本発明の製網方法と製網機によれば、結節工程の最終段階で、上鈎からたて糸とよこ糸のループを外した後、目送りロールが目送り動作を行う際、よこ糸のシャットルを収納したシャットルボックスを反結節形成部側に移動させ、よこ糸を反結節形成部側に引くように動作するから、目送りロールによって網地が送り方向に引き込まれて、ループの締め付けが行なわれるとき、その締め付け代は従来の製網方法に比べて格段に小さくなり、締め付け代の短い網足つまり小さい目合いをもった網地を製網することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示す製網機の概略構成図である。
【図2】製網機の結節形成部2の拡大側面図である。
【図3】シャットルボックスの移動駆動機構の構成図である。
【図4】シャットルボックスを結節形成部の後方に移動させた状態の移動駆動機構の構成図である。
【図5】シャットルにおけるよこ糸の引き出し先端部の拡大断面図である。
【図6】結節工程中に、挙上板を挙上した状態の結節形成部の側面図である。
【図7】結節工程中に、挙上板によりよこ糸を挙上して上鈎に掛ける際の結節形成部の側面図である。
【図8】結節工程中に、よこ糸を上鈎に掛けてループを形成し、たて糸のループを解除する際の結節形成部の側面図である。
【図9】結節工程中に、たて糸のループの解除を終了し、よこ糸を上鈎に掛けてループを形成する際の結節形成部の側面図である。
【図10】結節工程の最終段階で、たて糸とよこ糸のループを上鈎から外した状態の結節形成部の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1−製網機
2−結節形成部
7−シャットルボックス
8−シャットル
9−主軸
10−カム
16−上鈎
17−糸振り
18−櫛板
19−挙上板
21−下鈎
A−たて糸
B−よこ糸
C−網地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転し前後に揺動する上鈎、たて糸をガイドして上下左右前後に動く糸振り、よこ糸を挙上する挙上板、及び該上鈎に形成したループからたて糸を引き出す下鈎を備えた製網機を用いて、よこ糸とたて糸のループを該上鈎に形成し、該上鈎からたて糸とよこ糸のループを外した後、目送りロールの目送り動作によりたて糸とよこ糸のループを締め付けて特殊結節の網地を製網する製網方法において、
該目送りロールが目送り動作を行う際、該よこ糸のシャットルを収納したシャットルボックスを反結節形成部側に移動させ、該よこ糸を反結節形成部側に引くことを特徴とする製網方法。
【請求項2】
たて糸をガイドしながら上下左右前後に動く糸振りと、結節形成部の上方に配置され該たて糸とよこ糸を引っ掛けて回転と前後揺動を行う上鈎と、該結節形成部の下方に設置され複数のよこ糸と等しい間隔の切れ込みを持つ櫛板と、該櫛板の背上でよこ糸を挙上するために上下動可能に配設された挙上板と、該たて糸と該よこ糸のループ内に進入して該ループ内からたて糸を引出す下鈎と、結節の最終工程にて網地を引いて目送りを行なう目送りロールと、を備えた製網機において、
前記よこ糸を収納した多数のシャットルを並設したシャットルボックスが該結節形成部に対して進退方向に移動可能に配設され、前記目送りロールが網地を引いて目送りを行なう際、該よこ糸を反結節側に引くように該シャットルボックスを移動させる移動駆動機構が設けられたことを特徴とする製網機。
【請求項3】
前記挙上板がよこ糸を挙上し、前記上鈎がよこ糸を巻き掛ける直前に、前記シャットルボックスを反結節形成部側に移動させて、該シャットルからよこ糸を引き出し、該上鈎がよこ糸を巻き掛けつつあるとき、該シャットルボックスを結節形成部側に移動して元の位置に戻すことを特徴とする請求項1記載の製網方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−57201(P2006−57201A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239446(P2004−239446)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(591001499)東洋工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】