説明

製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置

【課題】金属製ベローズによって、連結軸の両端部を外部に露出する対流部の壁部に形成された貫通孔を密閉するとともに、金属製ベローズを、非金属製カバーによって外部からの付着物から保護する。
【解決手段】非鉄金属製錬炉2から排出される製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管7が取り付けられた連結軸6の両端部を外部に露出する対流部5の貫通孔13を密閉するシールド装置8は、連結軸6を覆うように配置され、一端が対流部5の壁部9に取り付けられ、他端が連結軸6の外部に露出した箇所に取り付けられた金属製ベローズ22と、金属製ベローズ22を覆うように配置され、一端が対流部5の壁部9に取り付けられ、他端が連結軸6の外部に露出した箇所に取り付けられた非金属製カバー34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製錬炉から排出される製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管が取り付けられた連結軸の両端部を外部に露出する対流部の壁部に設けられた貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部とを遮断する製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬(以下、単に製錬炉ともいう。)において、製錬炉から排出される製錬排ガスには、高濃度の亜硫酸ガス及び煙灰が含まれている。更に、製錬排ガスは、高温であるため、集塵工程や硫酸製造工程の前に、非鉄金属製錬炉廃熱回収ボイラー(以下、単に廃熱回収ボイラーともいう。)によって製錬排ガスの廃熱を回収することが一般的に行われている。
【0003】
上述したような廃熱回収ボイラーとしては、特許文献1のようなものがある。特許文献1の廃熱回収ボイラーは、放射部と対流部とで構成されており、製錬炉から排出された製錬排ガスが煙道を介して放射部に流入され、次いで、対流部に流入される。そして、廃熱回収ボイラーは、対流部に流入された製錬排ガスが対流部の内部に設けられた連結軸と一体に取り付けられた廃熱回収管と接触され、この廃熱回収管の内部を流通する水と熱交換が行われることで、製錬排ガスの廃熱を回収する。
【0004】
一方、製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管は、廃熱回収ボイラーの内部にあるため、製錬排ガスに含まれる煙灰が付着しやすい。煙灰が廃熱回収管に付着すると、廃熱回収の効率が低下するとともに、製錬排ガスの通過を妨げ、対流部から排出される製錬排ガスの温度や圧力の上昇を招くおそれがある。このため、付着した煙灰の除去や煙灰の付着を抑制することが従来から行われている。
【0005】
付着した煙灰の除去及び抑制する装置としては、例えば、打撃により煙灰を廃熱回収管から払い落す打撃部を有する煙灰除去装置がある。煙灰除去装置は、両端部が対流部の壁部に設けられた貫通孔から外部に露出され、廃熱回収管が一体に取り付けられた連結軸の端部を打撃部によって外部より打撃することで、連結軸を介して廃熱回収管に振動を与えて、煙灰が廃熱回収管に付着成長する前に落すようにしている。
【0006】
しかしながら、連結軸は、対流部の壁部に設けられた貫通孔から外部に露出する構造のため、対流部の内部と外部との遮断が問題となる。廃熱回収ボイラーの内部は、負圧であり、遮断ができていない場合には、製錬排ガス中に含まれる亜硫酸ガスが外気で冷やされ、硫酸が生成される。これにより、廃熱回収管は、著しく腐食してしまう。したがって、貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部とを遮断することが重要である。
【0007】
そこで、図7に示すように、金属製の金属製ベローズ100を用いて、貫通孔101を密閉し、廃熱回収ボイラーの内部と外部とを遮断している。金属製ベローズ100は、金属材料からなり、凸部と凹部とが連続して軸方向に形成された断面略波形のベローズ本体100aの両端部に、ベローズフランジ100b,100cが一体に設けられてなる。このような金属製ベローズ100は、一端側のベローズフランジ100bが貫通孔101の周囲の対流部の壁部102の内壁102aに全周溶接され、他端側のベローズフランジ100cが連結軸103の外周に設けられた略円筒状の取付部材104の一端に設けられたフランジ状のベローズ押え105に全周溶接されている。これにより、廃熱回収ボイラーは、金属製ベローズ100によって、貫通孔101を密閉し、対流部の内部と外部との遮断している。
【0008】
しかしながら、金属製ベローズ100は、凸部と凹部とが連続して軸方向に形成された断面略波形に設けられているので、外部の凹部に煙灰や塵埃等(以下、付着物ともいう)が溜まりやすい。これにより、金属製ベローズ100が、腐食して破れるおそれがある。すると、貫通孔101を密閉し、廃熱回収ボイラーの内部と外部とを遮断しているのは、この金属製ベローズ100だけであるので、廃熱回収ボイラーの内部に外気が混入してしまうおそれがある。
【0009】
図7の例では、対流部の壁部102には、金属製ベローズ100を覆う金属製の外装体106が壁部102の外壁102bに取り付けられている。しかしながら、この金属製の外装体106は、金属製ベローズ100と外気とを完全に遮断するようなものではない。具体的に、図7中の矢印A1で示すように、金属製の外装体106と連結軸103との隙間から外気が流入するおそれがある。よって、金属製ベローズ100に外部から付着物が付着し、外部の凹部に付着物が溜まってしまい、腐食して破れるおそれがある。
【0010】
更に、このような金属製の外装体106は、通常、3〜4個の金属製ベローズ100をまとめて覆うように設けられている。このため、大掛かりなものとなっており、取り外し難く、取り扱い難い。
【0011】
以上のことから、非鉄金属製錬炉廃熱回収ボイラーにおいて、連結軸の両端部を外部に露出する対流部の壁部に形成された貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部とを遮断する金属製ベローズに、取り扱いやすいカバーによって、外部から付着物が付着することを防止し、金属製ベローズの長寿命化を図り、安定した運転を行うことが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−47378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、連結軸の両端部を外部に露出する対流部の壁部に形成された貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部を遮断する金属製ベローズに、取り扱いやすいカバーによって、外部から付着物が付着することを防止し、金属製ベローズの長寿命化を図った製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために本発明に係る製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置は、製錬炉から排出された製錬排ガスが流入される対流部と、対流部の内部に設けられるとともに、対流部の内部に設けられた製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管が取り付けられ、対流部の壁部に形成された貫通孔から両端部が外部に露出する連結軸と、貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部とを遮断するシールド装置とを備える製錬炉廃熱回収ボイラーに用いられる。
【0015】
そして、本発明に係る製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置は、連結軸を覆うように配置され、一端が対流部の壁部に取り付けられ、他端が連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられた金属製ベローズと、金属製ベローズを覆うように配置され、一端が対流部の壁部に取り付けられ、他端が連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられた非金属製カバーとを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置は、金属製ベローズが、連結軸を覆うように配置され、一端が対流部の壁部に取り付けられ、他端が連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられており、非金属製カバーが、金属製ベローズを覆うように配置され、一端が対流部の壁部に取り付けられ、他端が連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられている。したがって、本発明の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置によれば、金属製ベローズによって、廃熱回収管が取り付けられた連結軸の両端部を外部に露出する対流部の壁部に設けられた貫通孔を密閉し、対流部の内部と外部とを遮断することができるとともに、非金属製カバーによって、金属製ベローズに外部から付着物が付着することを防止し、金属製ベローズの高寿命化を図ることができる。これにより、製錬炉廃熱回収ボイラーは、安定した運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されたシールド装置を備える非鉄金属製錬炉廃熱回収ボイラーの概略を示した側面図である。
【図2】廃熱回収管の概略を示した正面図である。
【図3】貫通孔及び本発明が適用されたシールド装置の概略を示した断面図である。
【図4】煙灰除去機構及び連結軸の被打撃部を示し、打撃前の状態の概略を示した側面図である。
【図5】煙灰除去機構及び連結軸の被打撃部を示し、打撃したときの状態の概略を示した側面図である。
【図6】本発明が適用されたシールド装置を取り付けるときの状態の概略を示した断面図である。
【図7】従来のシールド装置の概略を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明が適用された製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明が適用されたシールド装置を備える製錬炉廃熱回収ボイラー1(以下、単に廃熱回収ボイラー1ともいう。)は、硫化精鉱を原料とする自熔炉や転炉等の非鉄金属製錬炉2(以下、単に製錬炉2ともいう。)から排出された高濃度の亜硫酸ガス及び煙灰が含まれた高温の製錬排ガスの廃熱を回収する。
【0020】
具体的に、廃熱回収ボイラー1は、図1乃至図3に示すように、製錬炉2から排出された製錬排ガスが煙道3を介して流入される放射部4と、放射部4から製錬排ガスが流入される対流部5と、対流部5の内部に設けられるとともに、対流部5の壁部9に形成された貫通孔13から両端部が外部に露出する連結軸6と、対流部5の内部に設けられるとともに、連結軸6に取り付けられ、対流部5に流入された製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管7と、対流部5の壁部9の貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断するシールド装置8とを備える。
【0021】
以上のような構成を有する廃熱回収ボイラー1は、図1に示すように、製錬炉2から排出された製錬排ガスが煙道3を介して放射部4に流入され、次いで、対流部5に流入される。そして、廃熱回収ボイラー1は、対流部5に流入された製錬排ガスが対流部5の内部に設けられた廃熱回収管7と接触し、この廃熱回収管7と熱交換が行われることで、製錬排ガスの廃熱を回収する。なお、廃熱回収ボイラー1は、硫化精鉱以外の非鉄金属を原料とする非鉄金属製錬炉や、金属製錬炉から排出された製錬排ガスの排熱を回収するようなものでもよい。
【0022】
図1に示すように、製錬排ガスが流入される放射部4及び対流部5は、それぞれ密閉した空間部を有し、内部で連続した空間部となっている。このような放射部4及び対流部5の壁部9は、それぞれ、製錬排ガスの流入方向の前面壁部9a及び背面壁部9b、製錬排ガスの流入方向と直交する水平方向の左側面壁部9c及び右側面壁部9d、鉛直方向の天井壁部9e及び底面壁部9fとからなる。更に、図3に示すように、壁部9は、それぞれ、内壁10aと、外壁10bと、内壁10a及び外壁10b間に設けられた保温材からなる保温材層10cと、内壁10a上に設けられ、製錬排ガスの廃熱を回収するメンブレンウォール11とで構成されている。メンブレンウォール11は、例えば、内部に水が流通する複数の水管が配列され、隣接する水管を溶接して一体に設けたパネル状の水管壁であり、内壁10a上全体に亘って設けられている。このようなメンブレンウォール11は、製錬排ガスと接触することで、内部を流通する水と製錬排ガスとの熱交換が行われ、製錬排ガスの廃熱を回収する。具体的に、メンブレンウォール11は、放射部4において、製錬炉2から排出された800℃〜850℃程度の製錬排ガスを、500℃〜600℃程度となるように冷却する。
【0023】
更に、図3に示すように、対流部5の壁部9には、貫通孔13に嵌合され、貫通孔13の周囲の外壁10bを覆う第1の取付部30が設けられている。第1の取付部30は、貫通孔13に嵌合される略円筒状に設けられたスリーブ30aの一端に、貫通孔13の周囲の外壁10bを覆う断面略円形状の第1の取付フランジ30bが一体に設けられてなる。貫通孔13に嵌合される略円筒状のスリーブ30aは、貫通孔13の内径と略同じ大きさの外径を有している。このような第1の取付部30は、スリーブ30aが貫通孔13に嵌合されると、第1の取付フランジ30bが、対流部5の外壁10b上に設けられて貫通孔13の周囲の外壁10bを覆う。そして、第1の取付部30は、貫通孔13に嵌合され、貫通孔13の周囲の外壁10bを覆った状態で、スリーブ30aの他端が貫通孔13に全周溶接され、第1の取付フランジ30bの外周が外壁10bに全周溶接されることで、壁部9に一体に設けられている。更に、第1の取付フランジ30bには、後述するシールド装置8が取り付けられる。
【0024】
更に、図2に示すように、対流部5の内部には、対流部5の天井壁部9eに設けられた吊り金具12によって、連結軸6が支持されている。吊り金具12によって支持された連結軸6は、図1に示すように、製錬排ガスの流入方向に直交し且つ水平となるように対流部5の内部に設けられており、製錬排ガスの流入方向に所定の間隔を有して複数個設けられている。具体的には、連結軸6は、対流部5の内部に20〜30個程度設けられている。更に、各連結軸6は、図3に示すように、対流部5の左側面壁部9c及び右側面壁部9dにそれぞれ形成された貫通孔13,13から両端部が対流部5の外部に露出されている。
【0025】
このように対流部5の内部に設けられた連結軸6は、図2及び図3に示すように、軸本体14と、軸本体14の両端部14a,14aに一体に設けられたロッド部15,15とで構成されている。
【0026】
軸本体14は、図3に示すように、断面略矩形状に設けられた中央部14bの両側に、断面略矩形状の中央部14bの対角線の長さと略同じ又はやや大きな外径を有する断面略円形状の軸フランジ14c,14cが一体に設けられてなる。このような軸本体14は、対流部5の左側面壁部9c及び右側面壁部9dにそれぞれ形成された貫通孔13,13から両端部14a,14aが対流部5の外部に露出する程度の長さを有している。なお、軸本体14は、断面略円形状又は断面多角形状に設けるようにしてもよい。
【0027】
更に、軸フランジ14cの外周には、後述するシールド装置8が取り付けられる第2の取付部31が設けられている。シールド装置8が取り付けられる第2の取付部31は、軸フランジ14cの外周に一体に設けられた略円筒状の取付部材32と、取付部材32の外周に一体に設けられた第2の取付フランジ33とを有する。略円筒状の取付部材32は、軸フランジ14cの外周に配置され、軸フランジ14cに全周溶接されることで、軸フランジ14cと一体に設けられている。取付部材32の外周に一体に設けられた第2の取付フランジ33は、例えば、第1の取付フランジ30bの外径と略同じ外径を有し、取付部材32の外周に配置され、取付部材32の外周で全周溶接されることで、取付部材32と一体に設けられている。このような第2の取付部31には、後述するシールド装置8が取り付けられる。
【0028】
軸本体14の端部14aに一体に設けられたロッド部15は、軸フランジ14cの外径よりもやや小さな外径を有する断面略円形状の軸である。断面略円形状のロッド部15は、軸本体14の端部14aに全周溶接されることで、軸本体14と一体に設けられる。
【0029】
更に、図2に示すように、軸本体14には、製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管7が懸垂して取り付けられている。
【0030】
軸本体14に懸垂して取り付けられた廃熱回収管7は、例えば、内部に水が流通する水管であり、図2に示すように、製錬排ガスの流入方向に直交するように、対流部5の左側面壁部9c及び右側面壁部9d間に亘り、上下方向にジグザグに蛇行したミアンダ状に設けられている。ミアンダ状に設けられた廃熱回収管7は、上部側が連結軸6に一体に取り付けられ、連結軸6にすだれ状に懸垂して設けられている。更に、ミアンダ状に設けられた廃熱回収管7は、一端7a及び他端7bが例えば当該廃熱回収ボイラーの上部に設けられた図示しないポンプ等の循環装置に接続されており、この循環装置により一端7aから内部に水が供給され他端7bから排出されて、内部に水が流通される。このような廃熱回収管7は、対流部5に流入された製錬排ガスと接触することで、内部を流通する水と製錬排ガスとの熱交換が行われ、製錬排ガスの廃熱を回収する。具体的に、廃熱回収管7は、対流部5において、対流部5の壁部9に設けられたメンブレンウォール11とともに、放射部4から流入された500℃〜600℃程度の製錬排ガスを、300℃程度となるように冷却する。
【0031】
ここで、図2に示すように、廃熱回収管7は、対流部5の内部にあるため、製錬排ガスに含まれる煙灰が付着しやすい。煙灰が廃熱回収管7に付着すると、廃熱回収の効率が低下するとともに、製錬排ガスの通過を妨げ、対流部5から排出される製錬排ガスの温度や圧力の上昇を招くおそれがある。このため、図4及び図5に示すように、廃熱回収ボイラー1は、打撃により煙灰を廃熱回収管7から除去する煙灰除去機構16を更に備えている。
【0032】
例えば、煙灰除去機構16は、図4に示すように、圧搾空気がシリンダー内に供給されると打撃治具17aを内部から外部に突出させて打撃を行う打撃装置17が、フレーム18に一体に取り付けられてなる。このような煙灰除去機構16は、打撃治具17aの軸心と連結軸6の軸心とを一致させて、連結軸6の両端部又は一方の端部に設置される。そして、煙灰除去機構16は、図5に示すように、図示しない制御部により制御されて所定の間隔又は時間に、更には作業者の操作によって、打撃装置17により連結軸6に打撃を行い、連結軸6を介して廃熱回収管7に振動を与え、廃熱回収管7に付着した煙灰を落として除去する。そして、煙灰除去機構16は、シリンダー内に設けられた図示しないバネ等の弾性体によって、図4に示すように、打撃治具17aが内部に収納される。
【0033】
更に、このような煙灰除去機構16に打撃される連結軸6には、図4及び図5に示すように、打撃治具17aと当接する被打撃部19が更に設けられている。具体的に、被打撃部19は、各ロッド部15の先端部15bに設けられている。ロッド部15の先端部15bに設けられた被打撃部19は、打撃治具17aと当接する被打撃部材20と、被打撃部材20とロッド部15の先端部15bとの接触を防止する緩衝部材21とを有する。
【0034】
被打撃部材20は、打撃治具17aと当接する断面略円形状の被打撃フランジ20aに、被打撃フランジ20aの外径より小さな外径を有する断面略円形状の被打撃本体20bが一体に設けられてなる。被打撃本体20bは、ロッド部15の先端部15bに形成されたガイド孔15dに挿入されており、被打撃部材20をロッド部15の先端部15bに対して近接又は離間するように移動可能とする。更に、被打撃本体20bには、図示しないストッパ部が設けられており、このストッパ部によってガイド孔15dから抜け止めされている。
【0035】
被打撃部材20とロッド部15の先端部15bとの接触を防止する緩衝部材21は、例えば皿バネであり、被打撃本体20bの外周に複数個設けられるとともに、被打撃フランジ20aとロッド部15の先端部15bとの間に設けられている。更に、緩衝部材21は、ロッド部15の外周の外径よりも大きく、軸本体14の軸フランジ14cの外周よりも小さな外径を有する。このような緩衝部材21は、打撃装置17により被打撃フランジ20aが打撃されると、被打撃部材20がロッド部15の先端部15bに近接するのを規制して、被打撃部材20とロッド部15の先端部15bとの接触を防止し、打撃力だけをロッド部15に伝達する。
【0036】
なお、ロッド部15の外周には、打撃装置17による打撃に対して、ロッド部15自体の機械的強度、ロッド部15と軸本体14の端部14aとの溶接強度の向上を図るために、リブ15eを設けるようにしてもよい。
【0037】
更に、図3に示すように、対流部5に形成された貫通孔13の周囲には、貫通孔13を密閉するシールド装置8が設けられている。貫通孔13を密閉するシールド装置8は、可撓性や伸縮性を有し、金属材料からなり、連結軸6を覆うように配置された金属製ベローズ22と、可撓性や伸縮性を有し、非金属材料からなり、金属製ベローズ22を覆うように配置された非金属製カバー34とを有する。
【0038】
連結軸6を覆うように配置された金属製ベローズ22は、機械的特性と製錬排ガスの防食性に優れた金属材料からなり、凸部と凹部とが連続して軸方向に形成された断面略波形のベローズ本体22aの両端部に、ベローズフランジ22b,22cが一体に設けられてなる。このような金属製ベローズ22は、例えば、作業者が容易に手で曲げることができるとともに、連結軸6の熱膨張による伸縮率を考慮した可撓性や伸縮性を有するように、凸部の数、板厚、凸部の高さ等が設けられている。更に、金属製ベローズ22の内径及びベローズフランジ22b,22cの内径は、軸フランジ14cの外周に設けられた取付部材32の外周の外径よりも大きく設けられている。
【0039】
更に、このような金属製ベローズ22のベローズフランジ22cの金属製ベローズ22が接続された一端面22dとは反対側の他端面22eには、ベローズフランジ22cを取付部材32に取り付けるベローズ押え35が設けられている。ベローズフランジ22cを取付部材32に取り付けるベローズ押え35は、リング状に設けられており、外径がベローズフランジ22cの内径よりも大きく、内径が取付部材32の外周と略同じ大きさに設けられている。すなわち、ベローズ押え35は、金属製ベローズ22の内径及びベローズフランジ22b,22cの内径が取付部材32の外周の外径よりも大きく設けられているので、金属製ベローズ22及びベローズフランジ22b,22cの内周から半径方向の内側に向けて突出するように設けられている。このようなベローズ押え35は、ベローズフランジ22cの他端面22eに全周溶接されて、ベローズフランジ22cに一体に設けられている。そして、ベローズ押え35は、取付部材32に全周溶接されることで、ベローズフランジ22cを取付部材32に取り付ける。
【0040】
また、金属製ベローズ22の外周には、断熱材からなる断熱材層36が設けられている。この断熱材層36は、例えば、グラスウールからなる。このような断熱材層36は、金属製ベローズ22の外周を断熱し、非金属製カバー34の熱影響を緩和させる。更に、金属製ベローズ22の内周と連結軸6の外周との間の空間部37に、断熱材層36と同じ断熱材からなる断熱材層38が設けられている。このような断熱材層38は、連結軸6の外周を断熱し、断熱材層36とともに、非金属製カバー34の熱影響を緩和させる。更に、断熱材層38は、金属製ベローズ22の内部の凹部に煙灰が付着することを防止する。なお、断熱材層36,38は、グラスウールからなることに限定されるものではなく、金属製ベローズ22の外周及び連結軸6の外周を断熱し、非金属製カバー34の熱影響を緩和させるようなものであれば如何なる断熱材でもよい。更に、断熱材層36,38は、それぞれ異なる断熱材からなるようなものでもよい。
【0041】
以上のような構成を有する金属製ベローズ22は、連結軸6を覆うように配置された後に、一端側のベローズフランジ22bが第1の取付フランジ30bに全周溶接され、他端側のベローズフランジ22cと一体に設けられたベローズ押え35が取付部材32の外周に全周溶接される。これにより、金属製ベローズ22は、貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断する。したがって、廃熱回収ボイラー1は、密閉構造となる。また、金属製ベローズ22は、可撓性や伸縮性を有するので、連結軸6の熱膨張による伸縮や煙灰除去機構16による振動等が発生しても、連結軸6に追従して変形することができ、確実に貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断することができる。更に、金属製ベローズ22の一端側のベローズフランジ22bは、対流部5の壁部9に直接取り付けられるのではなく、第1の取付フランジ30bを介して取り付けられているので、非金属製カバー34の熱影響を緩和させることができる。
【0042】
金属製ベローズ22を覆うように配置される非金属製カバー34は、可撓性や伸縮性を有し、例えば、可撓性、伸縮性、防食性に優れた非金属材料からなる。具体的に、非金属製カバー34は、フッ素樹脂、ガラス繊維、ステンレスワイヤー、又はこれらを組み合わせた非金属材料からなる。非金属材料からなる非金属製カバー34は、略円筒状のカバー本体34aの両端部に、カバー本体34aの半径方向の外側に略直角に折り曲げられたカバーフランジ34b,34cが一体に設けられてなる。
【0043】
略円筒状のカバー本体34aは、金属製ベローズ22を覆い、更に、金属製ベローズ22の外周上に設けられた断熱材層36との間に熱影響を緩和するための空間部39ができるように設けられている。なお、カバー本体34aは、ベローズであってもよい。
【0044】
このような非金属製カバー34は、一端側のカバーフランジ34bが第1の取付フランジ30bに着脱可能に取り付けられ、他端側のカバーフランジ34cが第2の取付フランジ33に着脱可能に取り付けられている。具体的に、非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bは、第1の押え板40と第1の取付フランジ30bとで挟持され、他端側のカバーフランジ34cは、第2の押え板41と第2の取付フランジ33とで挟持されている。
【0045】
一端側のカバーフランジ34bを挟持する第1の押え板40は、略円筒状の鍔部40aの一端に、断面略円形状の押えフランジ40bが一体に設けられてなる。このような第1の押え板40は、第1の取付フランジ30b上に一端側のカバーフランジ34bが配置された後に、カバーフランジ34b上に押えフランジ40bが位置するように配置されて、押えフランジ40bが第1の取付フランジ30bにネジ止めされることで、押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとで一端側のカバーフランジ34bを挟持する。
【0046】
他端側のカバーフランジ34cを挟持する第2の押え板41は、第1の押え板40と同様に、略円筒状の鍔部41aの一端に、断面略円形状の押えフランジ41bが設けられてなる。このような第2の押え板41は、一端のカバーフランジ34bが挟持され、第2の取付フランジ33上に他端側のカバーフランジ34cが配置された後に、カバーフランジ34c上に押えフランジ41bが位置するように配置されて、押えフランジ41bが第2の取付フランジ33にネジ止めされることで、押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とで他端側のカバーフランジ34cを挟持する。
【0047】
すなわち、非金属製カバー34は、一端側のカバーフランジ34bが、押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとで挟持され、他端側のカバーフランジ34cが、押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とで挟持されている。これにより、非金属製カバー34は、空間部39を密閉し、空間部39と外部とを遮断する。したがって、空間部39は、密閉構造となる。よって、非金属製カバー34は、金属製ベローズ22に外部から煙灰や塵埃等(以下、付着物ともいう。)が付着することを防止し、更に、傷、汚れ、衝撃等から保護することができる。また、非金属カバー34は、可撓性や伸縮性を有するので、連結軸6の熱膨張による伸縮や煙灰除去機構16による振動等が発生しても、連結軸6に追従して変形することができ、確実に空間部39を密閉し、空間部39と外部とを遮断することができる。
【0048】
更に、非金属製カバー34は、押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとがネジ止めされ、押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とがネジ止めされているので、第1の押え板40及び第2の押え板41を取り外すことで、容易に取り外すことができる。よって、廃熱回収ボイラー1の運転中であっても、非金属製カバー34を取り外して、金属製ベローズ22の様子を外部から視認して点検することができる。
【0049】
また、非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bは、対流部5の壁部9に直接取り付けられるのではなく、第1の取付フランジ30bを介して取り付けられるので、非金属製カバー34の熱影響を緩和させることができる。
【0050】
次に、上述したシールド装置8の取り付け方法を説明する。
【0051】
図6に示すように、先ず、外周に断熱材層38が設けられた連結軸6に、外周に断熱材層36が設けられた金属製ベローズ22を通して、連結軸6を金属製ベローズ22で覆うように配置する。次いで、連結軸6を覆うように配置された金属製ベローズ22の一端側のベローズフランジ22bを、第1の取付フランジ30bに密着させて、全周溶接する。次いで、金属製ベローズ22の他端側のベローズフランジ22cと一体に設けられたベローズ押え35を取付部材32の外周に全周溶接する。なお、断熱材層36は、ベローズ押え35が取付部材32の外周に全周溶接された後に、金属製ベローズ22の外周に設けるようにしてもよい。
【0052】
次いで、金属製ベローズ22に、非金属製カバー34を通して、金属製ベローズ22を非金属製カバー34で覆うように配置する。次いで、金属製ベローズ22を覆うように配置された非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bを、第1の取付フランジ30b上に配置する。次いで、カバーフランジ34b上に押えフランジ40bが位置するように第1の押え板40を配置する。次いで、押えフランジ40bを第1の取付フランジ30bにネジ止めし、押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとで一端側のカバーフランジ34bを挟持する。
【0053】
次いで、第2の取付フランジ33上に他端側のカバーフランジ34bを配置する。次いで、カバーフランジ34b上に押えフランジ41bが位置するように第2の押え板41を配置する。次いで、押えフランジ41bを第2の取付フランジ33にネジ止めし、押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とで他端側のカバーフランジ34bを挟持する。次いで、押えフランジ41bとで他端側のカバーフランジ34cを挟持した第2の取付フランジ33を、取付部材32の外周に配置し、取付部材32に全周溶接する。以上のようにして、シールド装置8は、取り付けられる。
【0054】
以上のように取り付けられたシールド装置8は、金属製ベローズ22の一端側のベローズフランジ22bが第1の取付フランジ30bに全周溶接され、金属製ベローズ22の他端側のベローズフランジ22cと一体に設けられたベローズ押え35が取付部材32の外周に全周溶接されている。これにより、シールド装置8は、金属製ベローズ22によって、貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断することができる。更に、シールド装置8は、非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bが、押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとで挟持され、他端側のカバーフランジ34bが、押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とで挟持されている。これにより、シールド装置8は、非金属製カバー34によって、金属製ベローズ22を外部からの付着物等が付着することを防止し、更に、傷、汚れ、衝撃等から保護することができる。
【0055】
次に、シールド装置8の取り外し方法を説明する。
【0056】
先ず、図3に示すような第1の押え板40を、第1の取付フランジ30bから取り外し、非金属製カバー34のカバーフランジ34bを取り外す。次いで、第2の取付フランジ33及び取付部材32の溶接箇所を、図3中の一点鎖線L1に示すような、取付部材32の外周に沿った位置で切断し、第2の取付フランジ33、非金属製カバー34、第1の押え板40及び第2の押え板41を連結軸6から取り外す。
【0057】
次いで、ベローズ押え35及び取付部材32の溶接箇所と、金属製ベローズ22の一端側のベローズフランジ22b及び第1の取付フランジ30bの溶接箇所を切断し、金属製ベローズ22を取り外す。以上のようにして、金属製ベローズ22を取り外すことができる。
【0058】
このとき、緩衝部材21の外径は、取付部材32の外周よりも小さいので、緩衝部材21があっても上記切断位置L1に切断器の刃を当てることができる。更に、第2の取付フランジ33及びベローズ押え35は、取付部材32の外周に溶接され、金属製ベローズ22及びベローズフランジ22cの内径は、取付部材32の外周よりも大きいので、取付部材32の外周に沿って切断することで、金属製ベローズ22、ベローズフランジ22c、ベローズ押え35及び第2の取付フランジ33を切断することなく、金属製ベローズ22を取り外すことができる。なお、次いで、上述したように、新たな金属製ベローズ22を取り付けることで、金属製ベローズ22の取り換えを行うことができる。
【0059】
以上のように本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8は、金属製ベローズ22が、連結軸6を覆うように配置され、非金属製カバー34が、金属製ベローズ22を覆うように配置されている。したがって、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、金属製ベローズ22によって、廃熱回収管7が取り付けられた連結軸6の両端部を外部に露出する対流部5の壁部9に設けられた貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断することができる。更に、非金属製カバー34によって、金属製ベローズ22を外気から遮断し、外部から金属製ベローズ22に付着物が付着することを防止し、更に、傷、汚れ、衝撃等から保護することができる。よって、金属製ベローズ22の長寿命化を図ることができ、廃熱回収ボイラー1は、安定した運転を行うことができる。
【0060】
また、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、金属製ベローズ22が、可撓性や伸縮性を有するので、連結軸6の熱膨張による伸縮や煙灰除去機構16による振動等が発生しても、連結軸6に追従して変形することができ、確実に貫通孔13を密閉し、対流部5の内部と外部とを遮断することができる。更に、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、非金属カバー34が、可撓性や伸縮性を有するので、連結軸6の熱膨張による伸縮や煙灰除去機構16による振動等が発生しても、連結軸6に追従して変形することができ、確実に金属製ベローズ22を外気から遮断し、外部から金属製ベローズ22に付着物が付着することを防止し、更に、傷、汚れ、衝撃等から保護することができる。
【0061】
また、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8は、金属製ベローズ22の外周に断熱材からなる断熱材層36が設けられ、更に、金属製ベローズ22と非金属製カバー34の間に空間部39が設けられている。したがって、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、断熱材層36及び空間部39によって、金属製ベローズ22の外周を断熱し、非金属製カバー34の熱影響を緩和させることができる。
【0062】
更に、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8は、非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bが、第1の押え板40の押えフランジ40bと第1の取付フランジ30bとで挟持され、他端側のカバーフランジ34bが、第2の押え板41の押えフランジ41bと第2の取付フランジ33とで挟持されている。したがって、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、非金属製カバー34を着脱可能に取り付けることができる。よって、廃熱回収ボイラー1が運転中であっても、非金属製カバー34を取り外して、外部から金属製ベローズ22を視認して点検することができる。更に、非金属製カバー34の一端側のカバーフランジ34bは、対流部5の壁部9に直接取り付けられるのではなく、第1の取付フランジ30bを介して取り付けられているので、非金属製カバー34の熱影響を緩和させることができる。
【0063】
更に、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8は、取付部材32の外周が緩衝部材21の外径より大きな外径を有し、金属製ベローズ22及びベローズフランジ22b,22cがこのような取付部材32の外周の外径よりもさらに大きな内径を有する。したがって、本発明に係る廃熱回収ボイラー1のシールド装置8によれば、図3中の一点鎖線L1に示すような、取付部材32の外周に沿った位置で、第2の取付フランジ33及び取付部材32の溶接箇所と、ベローズ押え35及び取付部材32の溶接箇所とを切断することで、金属製ベローズ22、ベローズフランジ22c、ベローズ押え35及び第2の取付フランジ33を切断することなく、金属製ベローズ22を取り外すことができ、容易に金属製ベローズ22の取り換えを行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 非鉄金属製錬炉廃熱回収ボイラー、2 非鉄金属製錬炉、3 煙道、4 放射部、5 対流部、6 連結軸、7 廃熱回収管、7a 一端、7b 他端、8 シールド装置、9 壁部、9a 前面壁部、9b 背面壁部、9c 左側面壁部、9d 右側面壁部、9e 天井壁部、9f 底面壁部、10a 内壁、10b 外壁、10c 断熱材層、11 メンブレンウォール、12 吊り金具、13 貫通孔、14 軸本体、14a 端部、14b 中央部、14c 軸フランジ、15 ロッド部、15a 基端部、15b 先端部、15c ロッドベース、15d ガイド孔、15e リブ、15f 基端面、16 煙灰除去機構、17 打撃装置、17a 打撃治具、18 フレーム、19 被打撃部、20 被打撃部材、20a 被打撃フランジ、20b 被打撃本体、21 緩衝部材、22 金属製ベローズ、22a ベローズ本体、22b ベローズフランジ、22c ベローズフランジ、23 ベローズ押え、23a 第1の分割体、23b 第2の分割体、23c 一端面、23d 他端面、24 外装板、30 第1の取付部、30a スリーブ、30b 第1の取付フランジ、31 第2の取付部、32 取付部材、33 第2の取付フランジ、34 非金属製カバー、34a カバー本体、34b カバーフランジ、34c カバーフランジ、35 ベローズ押え、36 断熱材層、37 空間部、38 断熱材層、39 空間部、40 第1の押え板、40a 鍔部、40b 押えフランジ、41 第2の押え板、41a 鍔部、41b 押えフランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製錬炉から排出された製錬排ガスが流入される対流部と、
上記対流部の内部に設けられるとともに、該対流部の内部に設けられた上記製錬排ガスの廃熱を回収する廃熱回収管が取り付けられ、該対流部の壁部に形成された貫通孔から両端部が外部に露出する連結軸と、
上記貫通孔を密閉し、上記対流部の内部と外部とを遮断するシールド装置とを備える製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置において、
上記シールド装置は、
上記連結軸を覆うように配置され、一端が上記対流部の壁部に取り付けられ、他端が該連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられた金属製ベローズと、
上記金属製ベローズを覆うように配置され、一端が上記対流部の壁部に取り付けられ、他端が上記連結軸の外部に露出した箇所に取り付けられた非金属製カバーとを備える製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項2】
上記金属製ベローズの外周には、断熱材からなる断熱材層が設けられ、
上記非金属製カバーは、上記断熱材層の外周との間に空間部を有するように設けられている請求項1記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項3】
上記対流部の壁部には、上記貫通孔に嵌合されるスリーブの一端に、該貫通孔の周囲の壁部を覆うとともに、上記金属製ベローズの一端が全周溶接され、上記非金属製カバーの一端が着脱可能に取り付けられる第1の取付フランジが一体に設けられてなる第1の取付部が設けられ、
上記連結軸は、軸本体と、該軸本体の端部に設けられ、該軸本体の外径よりも大きな外径を有する軸フランジと、該軸フランジの外周に設けられ、上記金属製ベローズの他端が全周溶接される取付部材と、該取付部材の外周に設けられ、上記非金属製カバーの他端が着脱可能に取り付けられる第2の取付フランジとを有する請求項1又は請求項2記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項4】
上記非金属製カバーは、一端が半径方向の外側に略直角に折り曲げられた状態で、第1の押え板と上記第1の取付フランジとで狭持され、他端が半径方向の外側に略直角に折り曲げられた状態で、第2の押え板と上記第2の取付フランジとで狭持されている請求項3記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項5】
上記第1及び第2の押え板は、略円筒状の鍔部の一端に、押えフランジが一体に設けられてなり、
上記第1の押え板の押えフランジは、上記非金属製カバーの一端を、上記第1の取付フランジとで狭持し、
上記第2の押え板の押えフランジは、上記非金属製カバーの他端を、上記第2の取付フランジとで狭持する請求項4記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項6】
更に、上記連結軸は、上記軸フランジの先端に、外部より打撃される被打撃部を有し、
上記被打撃部は、外部より打撃される被打撃部材と、該被打撃部材と上記軸フランジとの接触を防止する緩衝部材とを有し、
上記取付部材の外周は、上記緩衝部材の外径よりも大きな外径を有し、
上記金属製ベローズは、上記取付部材の外周の外径よりもさらに大きな内径を有する請求項3乃至5のうちのいずれか1記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。
【請求項7】
上記非金属製カバーは、フッ素樹脂、ガラス繊維、ステンレスワイヤー、又は、これらを組み合わせた非金属材料からなる請求項1乃至6のうちのいずれか1記載の製錬炉廃熱回収ボイラーのシールド装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−117726(P2012−117726A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266896(P2010−266896)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)