説明

複合ケーブル及びこの製造方法

【課題】分離し易くするとともに分離の際の被覆破れを防止することも可能な複合ケーブル及びこの製造方法を提供する。
【解決手段】隣り合うシール7、10のうち、一方のシース10の被覆温度を他方のシース7の被覆温度よりも低くする。一方のシール10の側は低温体であり、また、冷却体となる。これに対し、他方のシース7の側は高温体であり、また、融着体となる。熱融着部4は、低温体(冷却体)を高温体(融着体)に接触させることにより形成され、温度差のある二つの被覆によって瞬間的に融着状態が形成される。このため、強い融着状態での一体化になることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣り合う被覆同士を熱融着により結合してなる複合ケーブルに関する。また、この複合ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1、2に開示された平型のケーブルは、隣り合う被覆線材の被覆同士を熱融着して一体化することにより製造されている。熱融着の方法としては、下記特許文献1の場合、押出機から押し出された直後の高温状態の被覆同士を押し付けるようにして融着し、これにより一体化するような製造方法になっている。一方、下記特許文献2の場合は、被覆同士の接触面にレーザー光線を照射して融着し、これにより一体化するような製造方法になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−345021号公報
【特許文献2】特開2001−310391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術における各熱融着の方法にあっては、強い融着状態で一体化してしまうという虞を有している。強い融着状態で一体化した場合には、分離し難いのは勿論のこと、分離する際に被覆が破れてしまうという虞を有している。破れは、例えば隣り合う一方の被覆が厚く、他方が薄い場合に、薄い側の被覆が厚い側の被覆に付いてしまうような状態になってしまう。
【0005】
尚、特許文献2には、接着剤にて一体化する方法も開示されている。接着剤は溶剤を用いることから、環境に優しい方法でないと言える。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、分離し易くするとともに分離の際の被覆破れを防止することも可能な複合ケーブル及びこの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の複合ケーブルは、熱融着により形成される熱融着部にて隣り合う被覆同士を結合してなる複合ケーブルにおいて、一方の被覆温度を他方の被覆温度よりも低い状態で接触させつつ前記熱融着部を形成することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するためになされた請求項2記載の本発明の複合ケーブルの製造方法は、隣り合う被覆同士を熱融着により結合してなる複合ケーブルの製造方法において、一方の被覆温度を低くし、該一方の被覆を低温体にする工程と、他方の被覆温度を前記一方の被覆よりも高くし、前記他方の被覆を高温体にする工程と、前記低温体及び前記高温体の状態でこれらを接触させて一体化する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の本発明の複合ケーブルの製造方法は、請求項2に記載の複合ケーブルの製造方法において、前記一方の被覆温度を90℃〜10℃とするとともに、前記他方の被覆温度を230℃〜160℃とすることを特徴とする。
【0010】
以上のような特徴を有する本発明によれば、隣り合う被覆同士のうち、一方の被覆温度を他方の被覆温度よりも低くする。一方の被覆の側は低温体であり、また、冷却体となる。これに対し、他方の被覆の側は高温体であり、また、融着体となる。熱融着部は、低温体(冷却体)を高温体(融着体)に接触させることにより形成され、温度差のある二つの被覆によって瞬間的に融着状態が形成される。このため、強い融着状態での一体化になることはない。
【0011】
本発明によれば、一方が低温体であることから、この低温体に押し付けの力を掛けても、力に起因した不具合は低温体に生じることはない。従って、低温体を高温体へ接触させて一体化するのは良好であり且つ容易になる。本発明によれば、一般的なロール等の押し当て用の設備(道具)で容易に製造することが可能になる。
【0012】
本発明において、低温体となる一方の被覆温度を90℃〜10℃とするのは、10℃を下回ると所定の密着力を確保することができなくなる可能性があるからである。また、90℃を上回ると分離の際に被覆の破れが生じる可能性があるからである。一方、高温体となる他方の被覆温度を230℃〜160℃とするのは、160℃を下回ると所定の密着力を確保することができなくなる可能性があるからである。また、230℃を上回ると分離の際に被覆の破れが生じる可能性があるからである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された本発明によれば、被覆同士の分離をし易くすることが可能であるとともに、分離の際の被覆破れを防止することも可能な複合ケーブルを提供することができるという効果を奏する。
【0014】
請求項2に記載された本発明によれば、被覆同士の分離をし易くすることが可能であるとともに、分離の際の被覆破れを防止することも可能な複合ケーブルの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0015】
請求項3に記載された本発明によれば、所定の密着力を確保することが可能な温度範囲と、分離の際の被覆破れを防止する温度範囲とを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の複合ケーブルを示す斜視図である。
【図2】本発明の複合ケーブルの製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら一実施形態を説明する。図1は本発明の複合ケーブルを示す斜視図である。また、図2は本発明の複合ケーブルの製造方法を示す説明図である。
【0018】
図1において、引用符号1は本発明の複合ケーブルを示している。複合ケーブル1は、本形態において、種類の異なる第一ケーブル2及び第二ケーブル3を熱融着により結合してなるものであって、端末処理に際しては第一ケーブル2及び第二ケーブル3の各端末を離間するように引っ張ることで、熱融着による結合部分から分離することができるようになっている。端末における分離は、特別な工具等を用いることなく迅速に行うことができるように、また、被覆破れが生じることなく行うことができるようになっている。熱融着による結合部分は、熱融着部4として形成されている。
【0019】
第一ケーブル2は、融着体として位置づけられており、この第一ケーブル2に対し第二ケーブル3を押し付けるようにして接触させると熱融着部4が形成されるようになっている。また、第一ケーブル2は、高温体として位置づけられており、少なくとも熱融着部4の形成対象部分が第二ケーブル3の同部分よりも高温になるようになっている。具体的には、後述するシース7(特許請求の範囲に記載した他方の被覆に相当)の被覆温度が230℃〜160℃となるような高温になっている。第一ケーブル2は、被覆温度が230℃〜160℃の範囲を取る高温の状態で第二ケーブル3が押し付けられるようになっている。そして、この第二ケーブル3を融着するようになっている。
【0020】
第一ケーブル2は、本形態において、既知のCVケーブルが用いられている(一例であるものとする。他の例に関しては後述する)。第一ケーブル2は、導体5と、この導体5の外側を覆う絶縁体6と、絶縁体6の外側を覆うシース7(特許請求の範囲に記載した他方の被覆に相当)とを備えて構成されている。シース7は、最外層の被覆であって、CVシースを押出機8から押し出すことにより形成されている。シース7は、押出機8からの押し出し直後の230℃〜160℃となる被覆温度の状態において、第二ケーブル3の押し付けを受けるようになっている。
【0021】
第二ケーブル3は、冷却体として位置づけられており、第一ケーブル2に対して押し付けられるように接触すると熱融着部4が形成されるようになっている。また、第二ケーブル3は、低温体として位置づけられており、熱融着部4の形成対象部分が第一ケーブル2の同部分よりも低温になるようになっている。具体的には、後述するシース10(特許請求の範囲に記載した一方の被覆に相当)の被覆温度が90℃〜10℃となるような低温になっている。第二ケーブル3は、被覆温度が90℃〜10℃の範囲を取る低温の状態で第一ケーブル2に対して押し付けられるようになっている。そして、押し付けられるようにして接触すると、第一ケーブル2に融着されるようになっている。
【0022】
第二ケーブル3は、本形態において、既知のLANケーブルが用いられている(一例であるものとする。他の例に関しては後述する)。第二ケーブル3は、導体及び絶縁体からなる絶縁線心を2本撚り合わせて形成される複数の対撚り線心9と、この複数の対撚り線心9の外側を覆うシース10(特許請求の範囲に記載した一方の被覆に相当)とを備えて構成されている。シース10は、最外層の被覆となっている。第二ケーブル3は、第一ケーブル2よりも前に製造されたものがここでは使用されており、90℃〜10℃となる被覆温度の状態で第一ケーブル2における熱融着部4の形成対象部分に押し付けられるようになっている。
【0023】
被覆温度を上記の如く230℃〜160℃、90℃〜10℃としているのは、所定の密着力を確保するためと、分離の際の被覆破れを防止するためである。
【0024】
図2において、引用符号8は既知の押出機を示している。この押出機8には、ヘッド11が設けられている。押出機8の下流側には、冷却槽(図示省略)が配設されている。引用符号12、13は既知のロールを示している。ロール12、13はヘッド11の近傍に配設されている。
【0025】
上記の設備構成において、押出機8の上流側から導体5(図1参照)及び絶縁体6の状態の線材をヘッド11へ送り(矢印Pの方向に送る)、この後に絶縁体6の外側にCVシースを押し出すと、第一ケーブル2が製造される。第一ケーブル2は、図示しない冷却槽に入る前に、すなわちシース7が高温となる高温体の状態において第二ケーブル3と一体化する。第二ケーブル3は、予め別工程で製造されたものが用いられ、第一ケーブル2の送り方向(矢印Pの方向)と同じ方向へ送られた後、ロール12で方向を変えられ、そして、ロール13にて第一ケーブル2に押し付けられる(矢印Qの方向に押し付けられる)。第一ケーブル2及び第二ケーブル3は、上記の押し付けにより融着して一体化する。
【0026】
熱融着により形成される熱融着部4は、温度差のある二つの被覆により瞬間的に形成される。このような熱融着部4にあっては、強い融着状態での一体化になることはない。強い融着状態での一体化にならないのであれば、端末処理に際して、第一ケーブル2及び第二ケーブル3の分離をし易くすることができる。また、分離の際の被覆破れを防止することができる。
【0027】
第一ケーブル2及び第二ケーブル3が一体化すると、複合ケーブル1の製造が完了する。複合ケーブル1は、図示しない冷却槽に入って冷却され、この後に図示しない巻取り機により巻き取られる。
【0028】
複合ケーブル1は、第一ケーブル2及び第二ケーブル3のうち、第一ケーブル1が高温体(具体的にはシース7が高温体)、第二ケーブル3が低温体(具体的にはシース10が低温体)であることから、この低温体である第二ケーブル3に押し付けの力を掛けても、力に起因した不具合は第二ケーブル3へは勿論のこと、第一ケーブル2へも生じることはない。従って、複合ケーブル1の製造は良好であり且つ容易であることが分かる。複合ケーブル1は、図2からも分かるように、一般的なロール13等の押し当て用の設備(道具)で容易に製造することができる。
【0029】
尚、上記の複合ケーブル1を用い、この複合ケーブル1を低温体として位置づければ、図示しない新たな高温体と一体化することが可能であるのは言うまでもない。
【0030】
上記説明において、高温体としての第一ケーブル2と、低温体としての第二ケーブル3は、CVケーブルとLANケーブルであったが、これらの組み合わせに限らず、次のような高温体と低温体との組み合わせであってもよいものとする。すなわち、(1)高温体:VVFと低温体:IVとの組み合わせ、(2)高温体:VVFと低温体:VVFとの組み合わせ、(3)高温体:CVと低温体:IVとの組み合わせ、(4)高温体:ハロゲンフリー難燃ケーブルと低温体:ハロゲンフリー難燃ケーブルとの組み合わせ、(5)高温体:ポリエチレンケーブルと低温体:ポリエチレンケーブルとの組み合わせ、(6)高温体:VVFと低温体:EM−EEFとの組み合わせ、(7)高温体:EM−EEFと低温体:IVとの組み合わせ、等であってもよいものとする。組み合わせは自由であるものとする。
【0031】
次に、図1及び図2を参照しながら説明してきた複合ケーブル1の特性値に関して説明をする。表1には、複合ケーブル1に係る実施例1〜実施例4と、比較用としての複合ケーブルに係る比較例1〜比較例8とについてが示されている。実施例1〜実施例4に係る複合ケーブル1と、比較例1〜比較例8に係る複合ケーブルは、第一ケーブル2がCVケーブル、第二ケーブル3がLANケーブルの組み合わせであるものとする。以下の説明は、図1及び表1を参照するものとする。
【0032】
実施例1は、第一ケーブル2におけるシース7の被覆温度を230℃とし、これに対して90℃の被覆温度となるシース10を有する第二ケーブル3を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブル1である。
【0033】
実施例2は、第一ケーブル2におけるシース7の被覆温度を160℃とし、これに対して90℃の被覆温度となるシース10を有する第二ケーブル3を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブル1である。
【0034】
実施例3は、第一ケーブル2におけるシース7の被覆温度を230℃とし、これに対して10℃の被覆温度となるシース10を有する第二ケーブル3を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブル1である。
【0035】
実施例4は、第一ケーブル2におけるシース7の被覆温度を160℃とし、これに対して10℃の被覆温度となるシース10を有する第二ケーブル3を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブル1である。
【0036】
比較例1は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を230℃とし、これに対して9℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0037】
比較例2は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を160℃とし、これに対して9℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0038】
比較例3は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を230℃とし、これに対して91℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0039】
比較例4は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を160℃とし、これに対して91℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0040】
比較例5は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を231℃とし、これに対して90℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0041】
比較例6は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を159℃とし、これに対して90℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0042】
比較例7は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を231℃とし、これに対して10℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0043】
比較例8は、第一ケーブル(高温体)におけるシースの被覆温度を159℃とし、これに対して10℃の被覆温度となるシースを有する第二ケーブル(低温体)を押し付け、熱融着により一体化させてなる複合ケーブルである。
【0044】
【表1】

【0045】
評価としては、第一ケーブル2及び第二ケーブル3の熱融着による密着力(表中の※1参照)が5N以上であれば、良い評価としての「○」をつけるものとする。これに対し、熱融着による密着力が5N未満である場合には、悪い評価としての「×」をつけるものとする。また、端末処理に際しての評価(表中の※2参照)として、第一ケーブル2及び第二ケーブル3の分離時に被覆破れが生じないのであれば、良い評価としての「○」をつけるものとする。これに対し、被覆破れが生じる場合には、悪い評価としての「×」をつけるものとする。
【0046】
実施例1〜実施例4の複合ケーブル1には、良い評価としての「○」が二つつけられている。第一ケーブル2及び第二ケーブル3の熱融着による密着力は5N以上であり、この密着力は良好であることが分かる。また、第一ケーブル2及び第二ケーブル3の分離時に被覆破れが生じないことから、分離に関しての密着力も良好であることが分かる。
【0047】
一方、比較例1、比較例2の複合ケーブルは、第一ケーブル及び第二ケーブルの熱融着による密着力に関し、悪い評価としての「×」がついている。この原因は、第二ケーブル(低温体)の被覆温度が10℃を下回る9℃であるからである。結果から、弱い融着になっていることが分かる。比較例1、比較例2の複合ケーブルの場合、分離に関しての密着力は良い評価としての「○」がついている。
【0048】
比較例3、比較例4の複合ケーブルは、第一ケーブル及び第二ケーブルの分離時に被覆破れが生じてしまい、悪い評価としての「×」がついている。この原因は、第二ケーブル(低温体)の被覆温度が90℃を上回る91℃であるからである。結果から、強い融着になっていることが分かる。比較例3、比較例4の複合ケーブルの場合、熱融着による密着力は良い評価としての「○」がついている。
【0049】
比較例5、比較例7の複合ケーブルは、第一ケーブル及び第二ケーブルの分離時に被覆破れが生じてしまい、悪い評価としての「×」がついている。この原因は、第一ケーブル(高温体)の被覆温度が230℃を上回る231℃であるからである。結果から、強い融着になっていることが分かる。比較例5、比較例7の複合ケーブルの場合、熱融着による密着力は良い評価としての「○」がついている。
【0050】
比較例6、比較例8の複合ケーブルは、第一ケーブル及び第二ケーブルの熱融着による密着力に関し、悪い評価としての「×」がついている。この原因は、第一ケーブル(高温体)の被覆温度が160℃を下回る159℃であるからである。結果から、弱い融着になっていることが分かる。比較例6、比較例8の複合ケーブルの場合、分離に関しての密着力は良い評価としての「○」がついている。
【0051】
以上、本発明をまとめると、本発明は隣り合うシール7、10のうち、一方のシース10の被覆温度を他方のシース7の被覆温度よりも低くする。一方のシール10の側は低温体であり、また、冷却体となる。これに対し、他方のシース7の側は高温体であり、また、融着体となる。熱融着部4は、低温体(冷却体)を高温体(融着体)に接触させることにより形成され、温度差のある二つの被覆によって瞬間的に融着状態が形成される。このため、強い融着状態での一体化になることはない。
【0052】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1…複合ケーブル
2…第一ケーブル
3…第二ケーブル
4…熱融着部
5…導体
6…絶縁体
7…シース(他方の被覆)
8…押出機
9…対撚り線心
10…シース(一方の被覆)
11…ヘッド
12、13…ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱融着により形成される熱融着部にて隣り合う被覆同士を結合してなる複合ケーブルにおいて、
一方の被覆温度を他方の被覆温度よりも低い状態で接触させつつ前記熱融着部を形成する
ことを特徴とする複合ケーブル。
【請求項2】
隣り合う被覆同士を熱融着により結合してなる複合ケーブルの製造方法において、
一方の被覆温度を低くし、該一方の被覆を低温体にする工程と、
他方の被覆温度を前記一方の被覆よりも高くし、前記他方の被覆を高温体にする工程と、
前記低温体及び前記高温体の状態でこれらを接触させて一体化する工程と、
を含む
ことを特徴とする複合ケーブルの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の複合ケーブルの製造方法において、
前記一方の被覆温度を90℃〜10℃とするとともに、前記他方の被覆温度を230℃〜160℃とする
ことを特徴とする複合ケーブルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−181231(P2011−181231A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42096(P2010−42096)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】