説明

複合シートの製造方法及び装置

【課題】複合シートを安定的に製造することができる製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明の複合シートの製造装置10は、シート2を移送する第1シート移送手段11と、シート2に凹凸形状を賦形する賦形手段12と、凹凸形状が賦形されたシート2に重ね合わせるようにシート3を供給する第2シート供給手段13と、両シートを部分的に接合する接合手段14とを備えている。賦形手段12が、周面部に凹凸部を有する一のロール121と、周面部に凹凸部を有しロール121との間で互いの凹部と凸部とが噛み合いながら回転するロール122、123とを具備し、両ロール間に供給されたシート2に凹凸形状を賦形するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合シートの製造方法及び装置に関わり、特に、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品用のシートに好適な、複合シートの製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二枚のシートが部分的に接合されて多数の接合部が形成されているとともに、一方のシートには接合部以外の部分に、凸部が形成されている複合シートの製造方法に関して、出願人は、下記特許文献1に記載の技術を提案している。
【0003】
この技術は、周面部に凹凸を有する一対のロールを互いの凹部と凸部とが噛み合うように回転させながら両ロールの間にシートを供給して凹凸形状を賦形し、一方のロールの周囲に該シートを吸引保持し、該シートに重ね合わせるように他のシートを供給して両シートを部分的に接合するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−174234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の技術では、得られる複合シートの長手方向に連続的に両シートが重ね合わされて部分的に接合されているが、複合シートの用途や、その用途のための後工程での取り扱い、材料コスト等を考慮すると、両シートを部分的に重ね合わせて凹凸形状を部分的に有する形態とするほうが好ましい場合もある。
【0006】
従って本発明は、毎葉の第1シートが第2シートの片面に間欠的に配され、且つ第1シートと第2シートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1シートの凹状部以外の部分に多数の凸状部が形成されている複合シートを安定的に製造することができる複合シートの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周面部に互いに対向する凹凸部を有して回転する二つの回転体の間に、毎葉の第1シートを供給して第1シートに凹凸形状を賦形した後に、第1シートに重ねるように、連続する第2シートを供給して所定間隔おきに両シートを接合する複合シートの製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、毎葉の第1シートが第2シートの片面に間欠的に配され、且つ第1シートと第2シートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1シートの凹状部以外の部分に多数の凸状部が形成されている複合シートの製造装置であって、毎葉の第1シートに凹凸形状を賦形する賦形手段と、前記賦形手段に第1シートを供給する第1シート供給手段と、凹凸形状が賦形された第1シートに重ね合わせるように第2シートを供給する第2シート供給手段と、両シートを部分的に接合する接合手段とを備えており、前記賦形手段が、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有する一の回転体と、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有し一の回転体との間で互いの凹部と凸部とが噛み合って回転する少なくとも一つ以上の他の回転体とを具備し、両回転体間に供給された第1シートに凹凸形状を賦形するように設けられている複合シートの製造装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の複合シートの製造方法及び装置によれば、上記構成の複合シートを、材料コストを抑えて安定的に精度良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に使用される複合シートの製造装置(以下、製造装置ともいう。)の第1実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の製造装置10は、毎葉の第1シート(以下、シートともいう。)2が第2シート(以下、シートともいう。)3の片面に間欠的に配され、且つシート2とシート3とが部分的に接合されて多数の凹状部1Bが形成されているとともに、シート2には凹状部1B以外の部分に凸状部1Aが形成されている複合シート1を製造するための装置である。
【0012】
製造装置10は、シート2を所定間隔おきに移送し後述の賦形手段12に第1シートを供給する第1シート移送手段11と、シート2に凹凸形状を賦形する賦形手段12と、凹凸形状が賦形されたシート2に重ね合わせるようにシート3を供給する第2シート供給手段13と、両シートを部分的に接合する第1接合手段14とを備えている。また、製造装置10は、シート2の連続体20を所定長さおきに切断する切断手段15と、切断手段15にシート2の連続体20を導く第1シート供給手段16と、第1接合手段14による両シートの接合後におけるシート2の周縁部の位置に対応させてシート3に接着剤を塗工する塗工手段17と、接合後におけるシート2の周縁部の位置に対応して両シートを接合する第2接合手段18とを備えている。
【0013】
第1シート移送手段11は、移送ドラム111を備えている。移送ドラム111は、切断手段15のカッターロール151の下方に配置されており、カッターロール151のアンビルとしても機能している。
【0014】
移送ドラム111は周面部に吸排気口(図示せず)を有し、該吸排気口に連通する吸排気路(図示せず)が移送ドラム111の内部に設けられている。移送ドラム111は、カッターロール151で切断されたシート2に前記吸排気路に接続した真空ポンプやブロワー等の吸気源(図示せず)による吸引力を作用させてその周面部にシート2を吸引保持した状態で回転し、後述する賦形手段12のロール121にシート2を受け渡すときには、前記吸排気路に接続したブロワーや圧縮空気源による排気によって周面部に吸引保持したシート2を離間させるように設けられている。後述するように、ロール121の空隙部1214からの吸引力により、シート2はロール121に受け渡される。なお、移送ドラム111から賦形手段12のロール121へのシート2の受け渡しの位置は、シート2全体が完全にロール121側に受け渡される前に、シート2の先端部がロール121と後述するロール122との噛み合い部分に到達していても、また到達しなくてもよく、更に直接ロール121とロール122の噛み合い部分に供給しても良い。
【0015】
賦形手段12は、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有するロール(一の回転体)121と、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有しロール121との間で互いの凹部と凸部とが噛み合って回転する二つのロール(他の回転体)122、123とを具備している。賦形手段12は、ロール121とロール122、123間に供給されたシート2に凹凸形状を賦形する。本実施形態の製造装置10では、図2及び図3に示すように、各ロールは、周面部の全周に凹凸部は有している。
【0016】
図2及び図3に示すように、ロール121は、平歯車からなる歯車1211と歯車状のスペーサー1212を複数枚組み合わせ、これらを回転軸1213に同心状に取り付けてロール状に形成したものである。歯車1211とスペーサー1211は何れも同じ歯幅を有している。歯車1211及びスペーサー1212はその中心が開口しており、その開口部に回転軸1213が挿入される。歯車1211及びスペーサー1212並びに回転軸1213にはそれぞれ切り欠き部(図示せず)が形成されており、該切り欠き部にキー(図示せず)が挿入される。これによって歯車1211、スペーサー1212の空回りが防止される。
【0017】
図3に示すように、スペーサー1212は、中心から放射状に延びる多数の突起であるビーム歯1212Aを有する形状となっている。スペーサー1212における各ビーム歯1212Aは、その長さが何れも同じになっている。各ビーム歯1212Aの先端を結ぶことで仮想的に形成される円の直径を便宜的に歯先円直径と定義すると、該歯先円直径は、歯車1211の歯先円直径よりも小さくなっている。また歯車1211の歯数はスペーサー1212におけるビーム歯1212Aの整数倍となっている。具体的には、本実施形態に用いられるスペーサー1212のビーム歯1212Aの数が7であるのに対して、歯車1212の歯数はその整数倍である21になっている。
【0018】
ロール121においては、1枚のスペーサー1212に対してその両側にそれぞれ1枚ずつ歯車1211が配されて、これらを一組とした歯車群1210が複数組配されている。各歯車群1210においては、歯車1211及びスペーサー1212は、それぞれの歯がロールの回転軸方向に並列するように配されている。これによって各歯車群1210においては、ロール121の回転方向に沿って凸部121Aと凹部121Bとが交互に形成される。凸部121Aは、2枚の歯車及びスペーサーのそれぞれの歯がロール121の回転軸方向に並列して形成されたものであるか、或いは2枚の歯車1211の歯がロールの回転軸方向に並列して形成されたものである。一方、凹部121Bは、2枚の歯車1211の歯間で形成されたものである。凸部121Aの幅は、複合シート1の凹状部1BにおけるY方向(Y方向は複合シート製造時の幅方向(CD方向)と同じ)の寸法を決定する。ロール121では、図4に示すように、各歯車1211の各歯6つ(図2及び4では便宜上表面に斜線を付している。)に囲まれて凹部121Bが形成されている。
【0019】
ロール121においては、歯車群1210が二組以上用いられる。各歯車群1210は、隣り合う歯車群1210、1210における凹凸部のピッチが互いに異なるように配される。本実施形態においては、隣り合う歯車群1210どうしは凹凸部が半ピッチずれている。
【0020】
各歯車群1210においては、2枚の歯車1211間に、ロール121の回転方向に沿って、一定の間隔をおいて空隙部1214が複数形成されている。各空隙部1214は、2枚の歯車1211と、これらの間に位置するスペーサー1212とで形成されている。更に詳細には、各空隙部1214は、2枚の歯車1211の相対向する側面と、スペーサー1212における隣り合う2つのビーム歯によって画定される。従って空隙部1214は、スペーサー1212の歯数と同数形成されることになる。空隙部1214は、先に述べた凹部121Bにおいて外部に向かって開口している。
【0021】
本実施形態では、ロール121周面部上でシート2を搬送している状態において、空隙部1214がシート2の下に配される以外に、シート2の幅方向両側よりも外側にも配されるように、歯車群1210が組み込まれている。これにより、後述するように空隙部1214から吸引力が作用し、ロール121周面部上でシート2の搬送保持及び凹凸形状が賦形された状態の保持の段階において、シート2の両側部の折れ曲がりが防止される。
【0022】
歯車1211には、回転軸1213が挿入される中心の開口部を取り囲むように複数の開口部1215が形成されている。各開口部1215は同径であり、歯車の中心からそれぞれ等距離の位置に形成されている。隣り合う開口部1215どうしと歯車の中心とがなす角度は何れも等しくなっている。各歯車1211における開口部1215の個数は、スペーサー1212のビーム歯1212Aの数と同数になっている。そして、各歯車群1210を組み付ける場合には、各開口部1215が、スペーサー1212における隣り合うビーム歯1212A間にそれぞれ位置するように、歯車1211及びスペーサー1212を配置する。つまり、開口部1215を、隣り合う2つのビーム歯1212Aとスペーサー1212の中心部1212Bとで画成される略V字形の領域内に位置させる。なお、図3では、前記の略V字形の領域内に開口部20の全域が包含されているが、これに代えて、略V字形の領域内に開口部20の一部のみが包含されてもよい。この部位は、歯車1215に設けられた各開口部20をそれぞれ独立に区画する区画部となる。そして、上述の略V字形の部位が凹部121Bに通じている。このように各歯車群1210を組み付け、更にそれぞれの歯車群1210を凹凸部のピッチが互いに異なるように配した状態においては、それぞれの歯車1211の開口1215が、ロール121の回転軸方向に連なって、該回転軸方向に延びる複数の吸引路1216がロール121の内部に形成される。そして各吸引路1216は、先に述べた空隙部1214と連通する。空隙部1214は、吸引路1216の一部を構成している。
【0023】
スペーサー1212は、ロール121内に個々独立した区画部を形成するために用いられる。この区画部は、上述した凹部121Bに通じている。また、上述した吸引路1216にも通じている。吸引路1216の少なくとも一端は、ブロワーや真空ポンプなどの吸気源(図示せず)に通じている。従って、吸気源を作動させて吸引操作を行うと、空隙部1214から吸引路1216を通じて吸気が行われる。
【0024】
またスペーサー1212は、区画部の形成の他に、歯車1211をその側面から支持してロール121自体に強度を付与する目的でも用いられる。特に、目的とする複合シート1に形成される凸部1Aのサイズを小さくしたい場合には、歯車1211の厚みを小さくする必要があるところ、このことは歯車1211の強度低下を招く。このような場合に、スペーサー1212のビーム歯1212Aが梁となり、歯車1211の歪み防止としての有用性が顕著となる。
【0025】
本実施形態のロール121は特に小ピッチで小凸部を多数形成する場合に有効であり、小ピッチで且つ歯の大きさが小さい歯車である低モジュールな平歯車を用いても、スペーサーの1212の歯幅を大きくしたり、また歯数を少なくしたりすることにより空隙部1214を大きくできる。その結果、吸引孔の面積を充分に確保することができる。更に、歯車の組み合わせや幅を変更するだけの簡単な操作で、凸部のピッチや大きさを自由に変更できるという利点もある。
【0026】
ロール122、123は、ロール121の周面部の凹凸部に対して噛み合うことができる凹凸部が形成されるように、ロール121と同様に複数の歯車群が組み合わされて形成されているが、各歯車及びスペーサーの歯先の円直径は、ロール121よりも小さく、その分歯の数が少なくなっている。ただし、ロール122、123においては、吸引路は、ロール121の周面部側に向けて気体を吹き付ける排気路とされて送風器や圧縮空気源(図示せず)が接続される。
【0027】
本実施形態においては、ロール121の凹部121Bへのロール122、123の凸部122A、123Aによるシート2の押し込み位置において、ロール122、123の凸部122A、123Aの先端部は、ロール121の凹部121Bに接触しないように隙間を有して配置される。また、ロール121とロール122、123は、これ以外の部分においても、非接触状態で回転するように配置されることが望ましいが、シート2へのダメージが許容できるものであれば、部分的に接触しながら回転させることもできる。
【0028】
また、本実施形態の製造装置10では、シート2が先にロール121とロール122の噛み合い部分に供給され、その後にロール121とロール123の噛み合い部分にシート2が供給されて凹凸形状が賦形されるように各ロールが配置されている。この際、先にシート2に凹凸形状を賦形するロール121とロール122の噛み合い深さが、その後に賦形するロール121とロール123による噛み合い深さよりも浅くなるように各ロールが配置されている。ここで、噛み合い深さとは、図5に示すように、ロールの凹部に対して凸部の入り込む深さ(=H)をいう。このような配置により、シート2への凹凸形状の賦形を段階的に少しずつ行うことができ、賦形時にシート2に与えるダメージを抑え且つ安定的な賦形が可能となる。
【0029】
また、本実施形態の製造装置10では、ロールどうしによるシート2への凹凸形状の賦形がシート2の長さ方向の途中から開始されるように各ロールに凹凸部が配されている。具体的には、各ロール間に供給されるシート2の搬送方向における先頭部において、ロールどうしの噛み合いが行われないように、ロール121、ロール122及のロール123の周面部には凸部121A、122A、123Aが全て又は部分的に設けられていない。各ロールの周面部の凸部をこのように設けることによって、ロールどうしによる凹凸形状の賦形の開始に伴って、シート2の先頭部がロール121の周面部から剥がれることを防ぐことができ、シート2をロール121側に安定して保持しておくことができる。
上述のように凸部を設けないことに代えて、ロール122、123の凸部122A、123Aの高さを低くしてロールどうしの噛み合いを浅くしてもよく、ロール121の121Aについても、後述する第1接合手段14との接合に影響を与えない範囲で高さを低くすることにより調整することもできる。
各ロールどうしの噛み合いを浅くする長さ、又は噛み合いを行わない先頭部の長さ(複合シート製造時の機械方向(MD方向)の長さ)は、毎葉のシート2の先頭部側を凹凸形状を賦形するロールの歯(凹部又は凸部)の少なくとも一つ分とすることが好ましい。
【0030】
上述のように、シート2に凹凸形状を賦形するときの各ロールの噛み合い条件を保つように、ロール121に対するロール122及びロール123のタイミング駆動化、ロール寸法及び歯数が設定されて各ロールが回転される。
【0031】
第2シート供給手段13は、シート3の繰り出し装置(図示せず)から繰り出されるシート3を凹凸形状が賦形されたシート2に重ね合わせるように供給するロール131を含むロール群を備えている。
【0032】
第1接合手段14は、ロール121の下方に配設された接圧ロール141を備えている。接圧ロール141は、加熱手段(図示せず)を具備しており、この加熱手段で加熱された状態の接圧ロール141の周面部と、ロール121の凸部121Aとの間でシート2、3を挟持したときに、両シートどうしが熱融着によって接合されて接合部1Cが形成される。
【0033】
切断手段15は、周面部に刃を有するカッターロール151を備えている。切断手段15は、カッターロール151と移送ドラム111との間に供給されたシート2の連続体20を所定長さに切断する。切断手段15によるシート2の切断は、いわゆるスリップカットによって行われ、切断されたシート2は、移送ドラム111の周面部に吸引保持された状態で、所定間隔をおいて順次ロール121との受け渡し位置に移送される。
【0034】
第1シート供給手段16は、シート2の連続体20の繰り出し装置(図示せず)から繰り出されるシート2の連続体20を切断手段15による切断位置に供給するロール161を含むロール群を備えている。
【0035】
塗工手段17は、ホットメルト接着剤等のシートの接合用の接着剤を塗工する接着剤塗工装置171を備えている。塗工手段17は、第1接合手段14によってシート2、3が接合される前に、後述する第2接合手段18による第2接合工程に対応させてシート3に予め接着剤を塗工する。
【0036】
第2接合手段18は、第1接合手段14によって接合されたシート2、3に対して更に接合を行うための一対のロール181、182を備えている。接合されたシート2、3は、ロール181、182の間に供給され、前述したシート3に予め接合用の接着剤を塗工した部分においてシート2とシート3の接合が行われる。ロール181、182に加熱ヒーター等を内部に装着させることによって、所定温度に加熱しておくこともできる。また、図6(a)〜(d)に示すように、ロール181、182の形態は、両方ともフラット(図6(a))、パターン形状に対応したアンビルロール(図6(b)、(c))、ドット状の接合パターン(図6(d))等の所望の接合状態に即した形態とすることができる。図6(b)、(c)、及び(d)の場合、上記形態のロールの組み合わせは、一方にフラットタイプ、他方に各パターン形状のタイプを選定することができる。また、ロール181、182を所定温度に加熱して接合を行う場合は、接合する部分において、予め接着剤が塗工されていない部分があってもよい。
【0037】
図には示していないが、製造装置10は、前記各手段11〜18を所定のシーケンスに従って動作させ、後述するような工程で複合シート1を製造するシーケンサーを搭載した制御部を備えている。
【0038】
次に、本発明の複合シートの製造方法(以下、製造方法ともいう。)を、前記製造装置10を使用した一実施形態に基づいて説明する。
【0039】
図1及び図7に示すように、本実施形態の製造方法によって製造される複合シート1は、シート2とシート3とが部分的に接合されて多数の凹状部1Bが形成されているとともに、シート2には凹状部1B以外の部分に凸状部1Aが形成されている。
【0040】
凸状部1Aは、全体として稜線が丸みを帯びた扁平な直方体又は截頭四角錐体となっている。凸状部1Aはその高さHが、0.3〜10mm、特に0.7〜5mmであることが好ましい。また、シート長さ方向(X方向)における凸状部1Aの底部寸法(L)は1.5〜30mm、特に2〜5mmであることが好ましく、シート幅方向(Y方向)における底部寸法(W)は1.5〜30mm、特に2〜10mmであることが好ましい。凸状部1Aの底面積は2.25〜900mm2、特に4〜50mm2であることが好ましい。
【0041】
接合部1Cの形状は、歯車1211の歯の頂部面に対応しており、平面視してほぼ矩形となっている。
【0042】
複合シート1においては、凸状部1Aと凹状部1Bとがシートの長さ方向(X方向)の列において交互に現れ、隣り合う列においては、凸状部1Aどうしは、半ピッチずつシートの長さ方向(X方向)にずれた千鳥配列となっている。凹状部1Bも、半ピッチずつシートの長さ方向にずれた千鳥配列となっている。このシートの長さ方向は、製造装置10による複合シート1の製造工程における流れ方向と一致している。
【0043】
複合シート1を構成するシート2、3の材質としては、典型的な材質としては、各種不織布やフィルム、不織布とフィルムのラミネートシート等が挙げられる。不織布としては、例えばカード法により製造された不織布、エアスルー方式による不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等が挙げられる。フィルムとしては、液透過性や通気性が必要な場合には、これを穿孔して多数の開孔を設けたもの等が挙げられる。
【0044】
本実施形態の製造方法は、シート2の連続体20を所定長さに切断して毎葉にする切断し(以下、切断工程ともいう。)、周面部に互いに対向する凹凸部を有して回転するロール121と122、121と123の間に、シート2を供給してシート2に凹凸形状を賦形し(以下、賦形工程ともいう。)、シート2に重ねるように、連続するシート3を供給して所定間隔おきに両シートを接合する(以下、接合工程ともいう。)。
【0045】
両シートの接合は、シート2をその凹凸形状の賦形領域においてシート3と接合した後に、シート2の周縁部若しくは周縁部の一部とシート3とを別の接合工程により接合する。具体的には、前記製造装置10を作動させて以下の工程を行う。
【0046】
本実施形態では、シート2の原反及びシート3の原反として別々の物を準備し、それぞれの原反を繰り出し装置(図示せず)から繰り出す。シート2とシート3の材質は、別々の材質とすることもできるし、同じ材質とすることもできる。
【0047】
前記切断工程では、前記繰り出し装置から繰り出されるシート2の連続体20を、第1シート供給手段16によって切断手段15による切断位置に供給し、カッターロール151と移送ドラム111との間で所定長さに切断する。
【0048】
毎葉のシート2の移送は、移送ドラム111を回転させながらカッターロール151で切断されたシート2に移送ドラム111の前記吸気排気路を通じた吸引力を作用させて行う。そして、移送ドラム111の周面部にシート2を吸引保持した状態で賦形手段12のロール121の受け渡し位置まで移送する。ロール121にシート2を受け渡すときには、前記吸排気路を通じた排気によって移送ドラム111の周面部に吸引保持したシート2を離間させるとともにシート2がロール121の周面部に沿うようにする。その一方で、ロール121を回転させながらロール121の吸引路1216を通じた吸引力をシート2に作用させ、当該シート2をロール121の周面部に吸引保持する。このときのロール121の周速度は、移送ドラム111の周速度とほぼ同等にすることが好ましい。
【0049】
前記賦形工程では、一の回転体であるロール121の周りに他の回転体である複数のロール122、123を互いの凹凸部が噛み合うように所定の回転速度で回転させながら、それらの間にシート2を所定間隔おきに供給し、シート2をロール121の周面部側に吸引しながら、凹凸形状の賦形を、シート2の搬送方向に向けて段階的に行う。ロール121と123の互いの凹凸部の噛み合い深さは複合シート1における所定の凹凸高さとなるように調整を行い、またロール121と122の噛み合い深さはロール121と123の噛み合い深さよりも浅く調整する。毎葉のシート2に凹凸形状を賦形する場合、ロールどうしの噛み合い部分にシート2が供給されると、その噛み合いによってシート2はロール121の周面部上で吸引保持を受け且つ擦りながら移動を行う。シート2への賦形は、ロール121と122による賦形に比して、ロール121と123による賦形の方が深く、段階的に行われる。ロール121の周面部上でのシート2の移動速度は、凹凸の噛み合いが深いほど大きくなる。しかしながらこのように、凹凸ロールによる噛み合いによる賦形を段階的に行うこと、つまり少しずつ変形させることは、一度の噛み合いで所望の凹凸形状を賦形する場合に比べて、それぞれの賦形時に受けるシート2のダメージを抑えることができる。特に材料として不織布を使用する場合においては、繊維の脱落や毛羽立ちの防止に有効となる。賦形の際には、ロール122、123において前記吸引路を排気路として使用し、シート2がロール12の周面部に沿うようにロール122、123からシート2に空気(気体)を吹き付けながら凹凸形状を賦形され。ロール122、123からは、ロール121の周面に向けて、ロール121周面上に保持されているシート2が捲れない/剥がれないといった程度に空気(気体)が吹き付けられ、ロール122、123側へのシート2の付着が防止される。
【0050】
また、シート2のロール121とロール122、123間での賦形においては、ロールどうしによるシート2への凹凸形状の賦形がシート2の長さ方向の途中から開始されるように各ロールに凹凸部が配されているので、ロールどうしによるシート2への凹凸形状の賦形を、シート2における搬送方向の途中から行うことができる。よって、シート2への凹凸形状の賦形開始時のロール121の周面部からの剥がれ、めくれ等を防止することもできる。また、シート2のシートの搬送方向の先頭部に賦形する凹凸形状の深さを、シート2の搬送方向の後方部に賦形する凹凸形状の深さよりも浅くしており、シート2の長さ方向の先頭部のロール121、122,123の凹凸部への挿入を浅くすることができるので、これによっても、賦形開始に伴うシート2のロール121の周面部からの剥がれ、めくれを防止することができる。賦形を終えたシート2は、ロール121の周面部で凹凸賦形形状を維持した状態で第1接合工程による接合位置まで移送する。
【0051】
前記第1接合工程では、賦形を終えロール121周面部上に凹凸形状を維持したまま吸引保持されたシート2に重ね合わせるようにシート3を供給し、ロール121と接合手段14の接圧ロール141との間でこれらのシート2、3を挟圧する。これによって、ロール121における凸部121A上、つまり各歯車の歯の上に位置するシート2がシート3と熱融着によって接合される。挟圧においては、接圧ロール141を所定温度に加熱しておく。必要に応じロール121と接圧ロール141の両方を加熱してもよい。一般には、接圧ロール141の加熱のみで十分である。ロール121も加熱すると、場合によっては凹凸形状の賦形されたシート2が熱によるダメージを受けたり、風合いが低下したりすることがある。第1接合工程後、以下に説明する第2接合工程において、シート2の周縁部をシート3に接合する。
【0052】
前記第2接合工程では、第1接合工程で連続体のシート3上に、多数の凹状部1Bと多数の凸状部1Aが形成された状態で間欠的に配置されているシート2の全周縁部若しくは周縁部の一部に対して、シート2とシート3を接合手段18ロール181、182間でシート2を狭圧する。ロール181及び/又はロール182の周面部に所望の接合パターンを設け、ロール181及び/又はロール182を所定の温度に加熱しておき、熱融着によって接合を行う。必要に応じ、第1接合工程前に、間欠的に配置する毎葉のシート2の全周縁部若しくは周縁部の一部の位置に合うように、塗工手段17でシート3に予め接着剤を塗工しておくことが好ましい。この場合、ロール181、182の周面はパターン形状でも、またフラットな面であってもよい。
間欠的に配置された多数の凸状部1Aを有するシート2の端部についてこのようにシート3と接合することは、この複合シート1を肌に当接するシートに用いた場合においてシート2の端縁部による肌当りによる違和感を低下させることできると共に、端部の凸部を低く、若しくは平滑化することや接合の強化による使用時における剥がれの防止する効果が得られる。
【0053】
このような製造方法によれば、毎葉のシート2が連続なシート3の片面に間欠的に配され、且つシート2とシート3とが部分的に接合されて多数の凹状部1Bが形成されているとともに、シート2の凹状部1B以外の部分に多数の凸状部1Aが形成されている複合シート1を、材料を抑えて安定的に精度良く製造することができる。
またシート2の凹凸形状の賦形については、賦形時のシートへのダメージやめくれが抑えられ、安定した賦形を行うことができる。
更に複合シートにおけるシート2の端縁部は、捲れなどがなく、接合状態が良好であるので、肌当り性の改善、製品使用時の剥がれ防止効果が得られる。
【0054】
図8〜10は、本発明の製造装置の第2〜4実施形態を示す模式図である。
これらの実施形態については、各図において、第1実施形態と共通する部分については、同一符号を付して、その説明は省略する。よって、特に説明のない部分については、第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0055】
図8に示す第2実施形態の製造装置10’は、毎葉のシート2に凹凸形状を賦形する賦形手段の備えるロールの形態が異なる以外は、第1実施形態の製造装置10と同様に構成されている。
【0056】
図8に示すように、本実施形態の製造装置10’は、賦形手段12’の備えるロール121’及びロール122’、123’の周面部の一部に(部分的に)凹凸部を有するものが採用されている。
本実施形態の製造装置10’によれば、前記製造装置10と同様の効果が奏されるほか、ロール121’に周面部の一部(回転方向の一部の領域)に凹凸部を有するロールが採用されているので、賦形後にシート2、3をロール121’と接圧ロール141とで接合するときに、シート3におけるシート2の間に位置する部分、つまりシート2が接合されていないシート3のみの部分にロール121’の凸部121Aと接圧ロール14の間での狭圧跡を残さずに済み、シート3の風合い等を損なうことがないほか、複合シート1の美観も良好となる。
【0057】
また、前記実施形態の製造装置10と同様に、毎葉のシート2のロール121’と、ロール122’、123’間での賦形において、シート2が搬送される先頭側の凹凸による噛み合い深さを浅くすることで、シート2への凹凸形状の賦形開始時のロール121’の周面部からの剥がれ、めくれ等を防止することができるし、或いは、ロール122’、123’の周面部の凹凸を部分的にして、シート2の長さ方向の途中から凹凸形状の賦形を開始するように各ロールを配置し、ロールどうしによるシート2への凹凸形状の賦形を、シート2における搬送方向の途中から行うようにすることができ、これによりシート2への凹凸形状の賦形開始時のロール121の周面部からの剥がれ、めくれ等を防止することもできる。
【0058】
図9に示す第3実施形態の製造装置10’は、移送手段11’として、吸排気装置112を備えたベルトコンベアユニット113が採用されている。また、切断手段15’は、カッターロール151及びアンビルロール152を備えており、移送手段11’とは独立している。ベルトコンベアユニット113は、メッシュベルトや穴開きベルト等の通気性のベルトからなる通気性のコンベアベルト114を備えている。
【0059】
移送手段11’の吸排気装置112は、内部が仕切られており、カッターロール151で切断されたシート2に通気性のコンベアベルト114を介して吸引力を作用させて当該コンベアベルト114の表面に保持する吸引路と、賦形手段12のロール121にシート2を受け渡すときには、吸引保持したシート2を排気によってコンベアベルト114から離間させる排気路を備えている。ただし、吸排気装置112による排気は、受け渡しに問題がなければ、離間用の排気は省略することもできる。
【0060】
本実施形態の製造装置10’によれば、移送手段11’にベルトコンベアユニット113が採用されているので、シート2の幅を変更する際に、移送手段に設ける吸引用の孔の大きさ/配置等の変更が必要である場合、一般的に移送ドラム111の形態では移送ドラム自体の交換が必要であるが、ベルトコンベアユニット113の形態であればコンベアベルト114の交換で対応といった、型替え時間の短縮化/省設備投資化とすることができる。
【0061】
図10に示す第4実施形態の製造装置10’は、シート2に凹凸形状を賦形する賦形手段12’の二つのロール121、122によって凹凸形状の賦形を行った後に、ロール121から当該ロール121と同様の構成のロール124にシート2を移行させ、ロール124と接圧ロール141との間で接合工程(第1接合工程)を行うようにしたものである。
【0062】
本実施形態の製造装置10’によれば、ロール121とロール122による凹凸形状の賦形時におけるロール121周面部上でのシート2の擦れによって、シート2の材料として不織布を用い故意に毛羽立ちを起こさせて、その毛羽立ちを複合シート1の凸状部1Aの内部に閉じ込めた複合シート1を形成することができる。またダメージを受け易い材料を使用する場合においても、複合シート1の凸状部1A内部の側に配置させることで使用が可能となり、製品仕様設計/使用材料への対応を行うことができる。
【0063】
本発明は、前記実施形態に制限されない。
例えば、毎葉のシートに凹凸形状を賦形する賦形手段は、前記第1、第2実施形態の製造装置のように、毎葉のシートへの凹凸形状の賦形を段階的に複数回繰り返して行うことが好ましく、ロール122、123と同様なロールを3個以上配して3回以上の賦形とすることもできる。また毎葉のシートの賦形工程段階で、めくれ、剥がれ及び損傷がなければロールは1個とし、1回の賦形であってもよい。
【0064】
また、毎葉のシートに凹凸形状を賦形の際に、ロール122、123側へのシート2の付着防止として、ロール122、123からはロール121の周面に向けて空気(気体)を吹き付けていたが、空気の吹き付けは必要に応じ省略することもできる。
【0065】
また、賦形手段のロール122、123は上述のようにロール121と同様な複数の歯車群による形成でなくともよく、彫刻ロールを用いることもできる。その場合ロールの周面部に排気孔を多数設け、その排気孔とロール内部に形成される排気路と連通させる。また複数の歯車を集積させてロール122、123を構成する場合には、ロール121において用いられている歯車1211と同様の歯車を用い、これを円盤状のスペーサーと組み合わせた構造を採用することができる。この場合円盤状のスペーサー周面又は/及び歯車の周面の排気孔を多数設け、その排気孔とロール内部の形成される排気路と連通させる。また円板状のスペーサーを用いずに歯車のみでロール122、123を構成することもできる。
【0066】
また、毎葉のシートを移送する手法に特に制限はなく、前記実施形態のようなスリップカットによる手法以外に、毎葉のシートを移送しながらそのピッチを所定の間隔に変更するいわゆるリピッチ装置を使用した手法を採用することもできる。このリピッチ装置には、例えば、特開2004−148040号公報の段落〔0022〕〜〔0023〕及び図1に記載の装置を採用することができる。
【0067】
また、前記実施形態の説明では、シート2とシート3を別の原反から供給したが、同じ原反から供給することもできる。この場合、第1シート供給手段並びに第2シート供給手段に供給するに先立ってシートを所定幅で裁断して、シート2の連続体20及びにシート3を形成する。一つの原反から供給することによって、原反の繰り出し装置が1つで対応でき、省設備化/原反の継ぎ足し作業等の効率化を図ることができる。一つの原反から両シートを供給する場合においては、シート2の第1シート供給手段のシート送り速度と第1シートの移送手段の送り速度は、ほぼ同じ速度の設定となり、移送手段においては毎葉のシート2は間隔をおかずに移送される。シート2は後工程の賦形手段における賦形に伴うシート2の凹凸変形によって間隔が生じ、第1接合手段によりシート3に対して間欠的に凹凸に賦形されたシート2が接合される。
【0068】
また、本発明の複合シートの製造方法は、前記実施形態におけるような、第1接合工程におけるシート2とシート3の接合を、熱融着によって行うことに代えて、接着剤による接着や超音波接合によってこれらのシートどうしを接合して接合部を形成してもよい。
【0069】
また、本発明の複合シートの製造方法は、前記実施形態のおけるような、第2接合工程におけるシート2とシート3の接合を、熱融着や接着剤によって行うことに代えて、超音波接合によってシート2の周縁部をシート3と接合してもよい。
【0070】
また、第2接合工程は設けず、第1接合工程において、第2接合工程で行ったシート2の周縁部の接合を行ってもよい。
【0071】
また、本発明の複合シートの製造方法は、毎葉のシート2がシート3の片面に間欠的に配されていたが、シート3のもう一方の面に対して更に他の毎葉のシートを準備して両面に毎葉のシートを配してもよい。
【0072】
本発明の製造方法においては、製造工程において、シート2に吹き付ける気体に熱風を使ってもよい。
【0073】
本発明の複合シートは、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の表面シート、吸収性物品の外装材、使い捨ての着衣用のシートとしても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の複合シートの製造装置の第1実施形態における要部を複合シートの製造工程とともに示す模式図である。
【図2】前記実施形態の複合シートの製造装置における一のロールの一形態を示す斜視図である。
【図3】前記実施形態の複合シートの製造装置における一のロールにおける歯車群の分解斜視図である。
【図4】本発明の複合シートの製造装置の一実施形態における、一のロールの凸部の配置を示すロール部分展開平面図である。
【図5】本発明の複合シートの製造装置における回転体どうしの噛み合い深さの関係を示す図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の複合シートの製造装置における第2接合手段を構成するロールの形態を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の複合シートの製造方法において製造される複合シートの一形態を示す図であり、(a)は長さ方向断面図、(b)は幅方向断面図である。
【図8】本発明の複合シートの製造装置の第2実施形態における要部を複合シートの製造工程とともに示す模式図である。
【図9】本発明の複合シートの製造装置の第3実施形態における要部を複合シートの製造工程とともに示す模式図である。
【図10】本発明の複合シートの製造装置の第4実施形態における要部を複合シートの製造工程とともに示す模式図である。
【符号の説明】
【0075】
1 複合シート
1A 凸状部
1B 凹状部
1C 接合部
2 第1シート
3 第2シート
10、10’ 複合シートの製造装置
11 第1シート移送手段
12 賦形手段
121 ロール(一の回転体)
122、123 ロール(他の回転体)
13 第2シート供給手段
14 第1接合手段
15 切断手段
16 第1シート供給手段
17 塗工手段
18 第2接合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面部に互いに対向する凹凸部を有して回転する二つの回転体の間に、毎葉の第1シートを供給して第1シートに凹凸形状を賦形した後に、第1シートに重ねるように、連続する第2シートを供給して所定間隔おきに両シートを接合する複合シートの製造方法。
【請求項2】
第1シートをその凹凸形状の賦形領域において第2シートと接合した後に、第1シートの周縁部若しくは周縁部の一部と第2シートとを接合する請求項1に記載の複合シートの製造方法。
【請求項3】
両シートの接合に際して予め接着剤を塗工しておく請求項2に記載の複合シートの製造方法。
【請求項4】
第1シートを一の前記回転体の周面部側に吸引しながら第1シートに凹凸形状を賦形する請求項1〜3の何れかに記載の複合シートの製造方法。
【請求項5】
第1シートが一の前記回転体の周面部に沿うように第1シートに気体を吹き付ける請求項1〜4に記載の複合シートの製造方法。
【請求項6】
他の前記回転体の周面部側から一の前記回転体の周面部側に向けて気体を吹き付けながら第1シートに凹凸形状を賦形する請求項1〜5に記載の複合シートの製造方法。
【請求項7】
一の前記回転体の周りに他の前記回転体を複数配しておき、前記回転体どうしによる第1シートへの賦形を、第1シートの搬送方向に向けて段階的に行う請求項1〜6の何れかに記載の複合シートの製造方法。
【請求項8】
前記回転体どうしによる第1シートへの凹凸形状の賦形を、第1シートにおける搬送方向の途中から行う請求項1〜7の何れかに記載の複合シートの製造方法。
【請求項9】
第1シートの搬送方向の先頭部に賦形する凹凸形状の深さを、第1シートの搬送方向の後方部に賦形する凹凸形状の深さよりも浅くする請求項1〜7の何れかに記載の複合シートの製造方法。
【請求項10】
毎葉の第1シートが第2シートの片面に間欠的に配され、且つ第1シートと第2シートとが部分的に接合されて多数の凹状部が形成されているとともに、第1シートの凹状部以外の部分に多数の凸状部が形成されている複合シートの製造装置であって、
毎葉の第1シートに凹凸形状を賦形する賦形手段と、
前記賦形手段に第1シートを供給する第1シート移送手段と、
凹凸形状が賦形された第1シートに重ね合わせるように第2シートを供給する第2シート供給手段と、
両シートを部分的に接合する接合手段とを備えており、
前記賦形手段が、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有する一の回転体と、周面部の少なくとも一部に凹凸部を有し一の回転体との間で互いの凹部と凸部とが噛み合って回転する少なくとも一つ以上の他の回転体とを具備し、両回転体間に供給された第1シートに凹凸形状を賦形するように設けられている複合シートの製造装置。
【請求項11】
前記他の回転体を二つ以上具備しており、
先に第1シートに凹凸形状を賦形する一の前記回転体と他の前記回転体による凹部と凸部の噛み合い深さが、その後に第1シートに凹凸形状を賦形する一の前記回転体と他の前記回転体の噛み合い深さより浅くなるように各回転体が配置されている請求項10に記載の複合シートの製造装置。
【請求項12】
前記回転体どうしによる第1シートへの凹凸形状の賦形が第1シートの長さ方向の途中から開始されるように各回転体に凹凸部が配されているか、又は第1シートの搬送方向先頭部に賦形する前記回転体どうしの凹部と凸部の噛み合い深さが該搬送方向後方部に賦形する前記回転体どうしの凹部と凸部の噛み合い深さよりも浅くなるように、各回転体に凹凸部が配されている請求項10又は11に記載の複合シートの製造装置。
【請求項13】
他の前記回転体は、一の前記回転体の周面部側に向けて気体を吹き付ける排気路を具備している請求項10〜12の何れかに記載の複合シートの製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−248500(P2009−248500A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101235(P2008−101235)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】