説明

複合加圧二段切り替えジャッキ

【課題】 重量物を持ち上げるとき使用する、複合加圧二段切り替え油圧ジャッキを提供する。
【解決手段】 加圧操作用の径の異なる大小二つのピストン1,2とシリンダ3をそれぞれ一体として設け、主ピストンの持ち上げる荷重が軽いときは大小のピストンが合同して加圧油を送り出し、主ピストン14の荷重が大きいときは小ピストン2からのみ加圧油を送り出すように切り替えコック7を設け、又その切り替えコックやピストンとシリンダ間相互の油道を露出させないよう、油道油穴を本体内に設け互いに密着接合にて油道の結合をさせるようにし、さらに主ピストン内を中空にしてこの中に油道を設けた固定ピストン16を設け、主ピストンに送られた加圧油を主ピストンの下部底からの押し上げる力と主ピストン上部で膨張して押し上げる力を合成させるようにしたことを特徴とする、複合加圧二段切り替え油圧ジャッキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重量物を持ち上げるときに使用する、油圧ジャッキに関するものである。
【技術背景】
【0002】
従来、重量物を持ち上げるときに使用する油圧ジャッキは加圧操作用のピストンの直径が一個だけのものを使用していた、又荷重の掛かる主ピストンも単体で一カ所からの加圧だけで動くだけだった、それに応じた油槽の大きさも必要だった。
【発明の開始】

【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
ジャッキが持ち上げる重量が大となるにつれ、加圧ピストンの操作ハンドルの負担が増し、限られた空間での操作が不便だった。
【問題を解決するための手段】
【0004】
加圧用のピストンの直径の異なる二個を直結して設け、これに合う直径が異なる二個のシリンダ内で同時に動かし、ジャッキの荷重が小さいとき、従って主ピストンの荷重が軽いときは、大小二個のピストンから送り出す加圧油を合同して同時に送り出して主ピストンを速く動作させる、また主ピストンの荷重が増大したときは、三方切り替えコックで加圧ピストンから送り出す圧油を、小径の加圧ピストンからのみに切り替えて、操作ハンドルの負担を軽減するようにする、また重量物の荷重を受ける主ピストンの内部を中空にして油槽の役目を持たせると共に、この中空内に下端が主シリンダに固定された、内部固定ピストンを設けて、この内部固定ピストンに油道を設けて内部固定ピストン上部に加圧油を送りこの加圧油の膨張力による、主ピストンの上昇力と、主ピストンが下部底面よりの加圧油による上昇力とを合成させるようにした、複合加圧二段切り替え油圧ジャッキである。
【発明の効果】
【0005】
限られた空間で使用する小型油圧ジャッキの場合など、ジャッキの主ピストンに掛かる荷重が増した場合など、加圧ピストンを動かす操作ハンドルの長さを換える必要も無く、同じ操作力で主ピストンが強力な力を出すことが出来る、また中空の主ピストンが油槽を兼ねてるので、小型にすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(イ)直径の異なる加圧ピストンa(1)と加圧ピストンb(2)を連結して一体として設け、それに対応する直径が異なる加圧シリンダ(3)も一体となったものを設ける。
(ロ)加圧シリンダ(3)の下部に送油弁(8)と給油べん(9)を設け、これらの弁に直径の小さい加圧ピストンb(2)がある加圧シリンダ(3)に油道を接続する。
(ハ)加圧シリンダ(3)の内壁に三方切り替えコック(7)を設けて、この三方切り替えコック(7)に加圧ピストンa(1)のシリンダよりの送油穴(4)を接続して設け、また加圧ピストンb(2)のシリンダより送油穴b(5)を接続して設け、さらに油槽(17)に通じる通油穴(6)を接続して設ける。
(ニ)主ピストン(14)の内部を中空にして、その中空内に下端が主シリンダ(15)に固定した内部固定ピストン(16)を設ける。
(ホ)内部固定ピストン(16)の上面に圧油を送る加圧穴b(11)と固定ピストン(16)の背圧室を排油側に導く排油穴b(13)を固定ピストン(16)の軸内に設ける。
(ヘ)三方切り替えコック(7)、および主シリンダ(15)、ならび加圧シリンダ(3)の各個体相互の油道は外部に露出させないように、各個体の底面と側面で密着接続させる、そのため各個体が如何なる位置でねじ込み固定されても。油道が接続できるよう、個体ねじ込み中心を基準にして密着接続位置で円周に溝を設ける。
本発明は、以上の構成よりなっている。
本発明を使用するときは、主ピストン(14)の荷重が比較的軽くて三方切り替えコック(7)を(イ)と(ロ)を通に(ハ)を止めにしているときは、加圧ピストンa(1)と加圧ピストンb(2)の圧力油が合同されて加圧穴(10)に送り出される、主ピストン(14)の荷重が増大して大きくなった時は、三方切り替えコック(7)を(イ)と(ハ)を通に(ロ)を止めにすると、加圧ピストンb(2)の圧力油のみが加圧穴(10)に送り出される、このとき加圧ピストンa(1)の油は油槽を往復するだけである、また送り出された加圧油は主ピストン(14)を底面から押し上げると同時に、この加圧油は内部固定ピストン(16)に設けた加圧穴(11)を通り主ピストン(14)の上部を膨張して押し上げるため、底面からの押し上げる力と複合され強力な力を出すことができる、主ピストン(14)の上昇により内部固定ピストンの背圧室でもあり貯油槽でもある主ピストン(14)の内部中空室の油は加圧ピストン(1)(2)の補給油として再び戻り主ピストン(14)の上下加圧室に入り、常に主ピストン(14)と主シリンダ(15)の部屋は満油となり油槽の役目をする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の縦断面図
【図2】本発明の三方切り替えコック合同加圧時の油道接続状態の縦断面図
【図3】本発明の三方切り替えコック合同加圧時の油道接続状態の図2、a〜b横断面図
【図4】本発明の三方切り替えコック単独加圧時の油道接続状態の縦断面図
【図5】本発明の三方切り替えコック単独加圧時の油道接続状態の図4、c〜d横断面図
【図6】本発明の油道接続を底面で密着接続した場合の横断面図
【図7】図6で全周に溝を設けた場合のc〜d断面図
【図8】図6で部分的に円周に溝を設けた場合のc〜d断面図
【符号の説明】
【0008】
1 加圧ピストンa
2 加圧ピストンb
3 加圧シリンダ
4 送油穴a
5 送油穴b
6 通油穴
7 三方切り替えコック
8 送油弁
9 給油弁
10 加圧穴a
11 加圧穴b
12 排油穴a
13 排油穴b
14 主ピストン
15 主シリンダ
16 内部固定ピストン
17 貯油槽
18 リターンバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ジャッキで、圧油を送り出す操作用の径の異なる加圧ピストンとシリンダを二種類それぞれ連結して一体として設け、重量を持ち上げる主ピストンに掛かる荷重の大小に応じて、三方切り替えコックにより操作圧力油を送り出す加圧ピストンの種類を切り替えることの出来る、二段切り替え油圧ジャッキ。
【請求項2】
油圧ジャッキで、荷重の掛かる主ピストンの内部を中空にして、この中空内に油を満たし油槽の役目をさせ、さらにその中空内に主シリンダに固定された内部固定ピストンを設けて、その固定ピストン内に加圧穴と排油穴の油道を設け、この加圧穴に圧油を送り主ピストンの上部でこの圧油を膨張させて主ピストンを持ち上げ、主ピストンを底面よりの加圧力とこの上部の膨張力の両方で持ち上げるようにし、この持ち上げにより中空の主ピストンと内部固定ピストンとの内部の貯油でもある背圧油を固定ピストン内に設けた排油穴より加圧ピストンに戻し、中空の主ピストン内が常に油で満たされて油槽の役目をしながら強力な力を発揮する、複合加圧油圧ジャッキ。
【請求項3】
三方切り替えコック、および主ピストンのシリンダ、ならびに加圧ピストンのシリンダ各個体は共にジャッキベース本体にねじ込みセットし、それら個体間を結ぶ油管や油道は外部に露出させないよう、各個体の底面と側面で密着による接続を容易にするため、各個体が密着接合点がずれた位置で締め付け固定されても、油道の接続を可能にするため、個体ねじ込み中心で接続点位置で円周に溝を設けて、油道の接続を可能にした油圧ジャッキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−308300(P2007−308300A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164026(P2006−164026)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(599050619)