説明

複合加圧二段油圧ジャッキ

【課題】重量物を持ち上げる時使用する、複合加圧二段ジャッキを提供する。
【解決手段】中心シリンダ3の外周壁に重ねて第二のシリンダ2を設け、この第二のシリンダと中心シリンダのピストン5を結合させ、油圧により持ち上げる力を合成して増加させるようにし、さらに第二のシリンダを持ち上げる第三のシリンダ1を設けて、持ち上げる高さを二段に上昇させると同時に、中心シリンダのピストン内に設けた第二のピストン4を、第三のシリンダに結合して上限のストッパーとし、上限時それ以上の油圧による過大な応力が本体に加わらないよう、圧油の逃し弁12を設けたことを特徴とする、複合加圧二段油圧ジャッキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量物を持ち上げるときに使用する、油圧ジャッキに関する物である。
【背景技術】
【0002】
従来、重量物を持ち上げるとき使用する油圧ジャッキは、シリンダとピストンが一対で使用していた、またジャッキが上限に達したときだけ、必要ない油圧を止める装置が無かった。
【発明の開始】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
(イ)シリンダとピストンが一対なので、持ち上げる力を大きくするときは、シリンダとピストンの直径を大きくしなければならず、従って外形も重量も大きくならざるを得なかった。
(ロ)持ち上げる高さの揚程が一つのピストンの動く長さで決まり、それ程大きく出来なかった。
(ハ)ピストンが上限に達してもそれ以上必要のない高い油圧を止める装置が無いため強度を高めるため重量も大きくなった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
中心のシリンダの外周壁に、密着摺動する第二のシリンダを設け、この第二のシリンダの内壁を中心シリンダが摺動出来るようにして更に、この中心シリンダ内で摺動するピストンと第二のシリンダを下端で結合して一体化させ、圧油の加圧により中心のシリンダが内部ピストンを押して持ち上がる力と、第二のシリンダが中心のシリンダを押して持ち上げる力を合成させるようにする、また第二のシリンダの外周壁に密着摺動する第三のシリンダを設け、この第三のシリンダ内周壁を第二のシリンダを摺動させるようにすると共に、第二のシリンダに結合した中心のシリンダのピストンを中空の円筒状にし、この中空の円筒内を摺動する第二のピストンを設け、この第二のピストンと第三のシリンダを下端で結合一体化して、圧油の加圧により第二のシリンダが第三のシリンダ内を摺動して持ち上がることにより、全体として持ち上げる高さを大きくする。
更に全体の持ち上げる高さが上限に達したとき、それ以上必要のない過度の油圧によるシリンダや。ピストなどの本体に過大な油圧力が掛からぬよう、油圧を逃がす弁と油道を設けて部材の合理化を計った、複合加圧二段油圧ジャッキである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、圧油の加圧により摺動するシリンダが三個あり、一段目は二個のシリンダと一個のピストンが相作用して、力を合成して増加させる、また一段目から二段までは油圧を強めることにより、残りの三個目のシリンダが前のシリンダ二個を持ち上げて持ち上げる高さを大きくすることが出来る、更にジャッキの持ち上げる高さが上限に達したとき、それ以上の過度な油圧が本体や部材に掛からぬよう上限位置に達している時だけ油圧を逃がすことができ、部材の軽量合理化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(イ)一番外側のシリンダ(1)をベース(16)に固定して設ける。
(ロ)シリンダ(1)の内壁に密着摺動する可動シリンダa(2)を設ける。
(ハ)可動シリンダa(2)の内壁に密着摺動する可動シリンダb(3)を設ける。
(ニ)可動シリンダb(3)の内部を摺動する、ピストンb(5)の内部を中空の円筒状にし、その円筒状内を摺動するピストンa(4)を設ける。
(ホ)可動シリンダa(2)と中空のピストンb(5)を下端で結合一体化させるる。
(ヘ)中空のピストンb(5)内で摺動するピストンa(4)を一番外側のシリン(1)に下端で結合一体化させる。
(ト)シリンダ(1)と可動シリンダa(2)の下部にそれぞれ加圧穴a(6)と加圧穴b(7)を設け、更に可動シリンダb(3)のシリンダ壁の内部に加圧穴c(8)を設ける。
(チ)ピストンb(5)とピストンa(4)に背圧調整用の油道としてそれぞれ排油穴b(10)排油穴c(11)を設け、更にこれらの排油穴を貯油槽に通じさせる排油穴a(9)をピストンa(4)の内部に設ける。
(ヌ)各シリンダが上限に達したとき、ピストンa(4)とピストンb(5)が接合密着する面の、ピストンb(5)側に加圧油を逃がす逃がし弁(12)と、ピストンa(4)側に逃がし溝(13)を設け、これらを排油穴b(10)と排油穴a(9)を通じて、貯油槽(15)に逃がすようにする。
本発明は以上の構成よりなっている。
本発明を使用するときは、加圧ポンプより加圧穴a(6))に圧油が送られると、加圧穴b(7)と加圧穴c(8)を通じて、シリンダa(2)とシリンダb(3)は共に加圧されることにより、可動シリンダb(3)はピストンb(5)を押して持ち上がり、可動シリンダa(2)は可動シリンダb(3)持ち上げるため、その力が合成増強され可動シリンダb(3)は上昇し、図2の一段目の高さになって止まるまで続けられる、更に油の加圧を続けることにより、下部のシリンダ(1)が既に上昇してる可動シリンダb(3)を乗せたまま可動シリンダa(2)をそのまま持ち上げ二段目の高さになる図1の状態になるまで上昇する、二段目が上限に達しピストンa(4)とピストンb(5)がそれぞれ端部で接合したときだけピストンb(5)の端部に設けた逃し弁(12)のボール弁体がピストンa(4)の端部に設けられた逃がし溝(13)に押され、作用している圧油を逃がし溝(13)排油穴b(10)排油穴a(9)を通じて貯油槽(15)に排油させて、ジャッキ本体と部材に過大な油圧力の掛かるのを防止する。
作用している圧油を抜いたときは、加圧穴a(6)が貯油槽側に通じ排油されることにより、各シリンダ内の油は貯油槽に戻り各シリンダは降下し復帰する、復帰するとき背圧となるシリンダb(5)の背面とピストンa(4)の背面は排油穴c(11)と、排油穴b(10)排油穴a(9)を通じて貯油槽(15)からの給油を受け復帰は無理なく行われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の全二段上昇したときの正面断面図
【図2】 本発明の一段上昇した複合加圧状態のときの正面断面図
【図3】 本発明の完全復帰したときの正面断面図
【図4】 図1内に示した範囲の本発明の過圧防止装置の詳細図
【符号の簡単な説明】
【0008】
1 シリンダ
2 可動シリンダa
3 可動シリンダb
4 ピストンa
5 ピストンb
6 加圧穴a
7 加圧穴b
8 加圧穴c
9 排油穴a
10 排油穴b
11 排油穴c
12 逃がし弁
13 逃がし溝
14 逃がし穴
15 貯油槽
16 ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心のシリンダの外周壁に密着摺動する第二のシリンダを設け、この第二のシリンダの内壁を中心のシリンダが摺動するようにして、さらにこの中心シリンダ内で摺動するピストンと、第二のシリンダを下端で結合一体化させ、油圧の加圧により中心シリンダがピストンを押して持ち上がる力と、第二のシリンダが中心シリンダを持ち上げる力を合成するようにした、複合加圧油圧ジャッキ。
【請求項2】
上記第二のシリンダ外周に密着してさらに第三のシリンダを設け、さらに第二のシリンダに結合した中心シリンダのピストンを中空の円筒状にし、この中空内を摺動する第二のピストンを設け、この第二のピストンと第三のシリンダを下端で結合一体化して、油圧の加圧により第三のシリンダが第二のシリンダの持ち上げる高さを制限すると共に、持ち上げる高さを大きくした、二段油圧ジャッキ。
【請求項3】
油圧の加圧により各シリンダが上限に達したときだけ、それ以上の加圧による過度な油圧力がピストンやシリンダなどの本体に掛からぬよう、逃し弁と逃し溝を設けて作用してる加圧油を貯油槽に逃すようにした、過圧防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−284249(P2007−284249A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140829(P2006−140829)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(599050619)