説明

複合化粉体

【課題】皮脂を吸収する、くすみを抑える等の有効素材である粉体や接着性の樹脂粉体を板状粉体の表面に複合化させた複合化粉体の滑りを一層良好にし、機能性と使用性に優れた複合化粉体を提供することを課題とする。
【解決手段】中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体において、前記非板状粉体の外側に被覆用の板状粉体が設けられることにより、該被覆用の板状粉体によって前記非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が挟持されていることを特徴とする複合化粉体を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合化粉体、さらに詳しくは、板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体であって、化粧料等に配合して使用される複合化粉体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料に配合される粉体として、タルク、マイカ、セリサイトなどの板状の粉体が用いられている。このような板状粉体は、滑りが良好であり、化粧膜にツヤ感や透明感を付与できるという特性を有する。
【0003】
また、最近では、上記のような板状粉体の表面に、微小な接着性の樹脂粒子や無機粉体等を複合化し、皮脂を吸収する、くすみを抑える等の有効素材の特性を生かした複合化粉体や、光拡散性によるボカシ効果を狙った複合化粉体、光の屈折率を高め、散乱性を向上させた複合化粉体等の開発も行われている。
【0004】
このような板状粉体の表面に接着性の樹脂粒子や無機粉体等を複合化した複合化粉体に関する技術として、たとえば下記特許文献1乃至7のような特許出願がなされている。
【0005】
しかしながら、接着性の樹脂粒子や無機粉体等を複合化させることで、板状粉体が本来有する滑りの良好な点がどうしても損なわれることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−92688号公報
【特許文献2】特開2001−10929号公報
【特許文献3】特開2002−173415号公報
【特許文献4】特開2003−12461号公報
【特許文献5】特開2004−2274号公報
【特許文献6】特開2005−154649号公報
【特許文献7】特開2005−154278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、皮脂を吸収する、くすみを抑える等の有効素材である粉体や接着性の樹脂粉体を板状粉体の表面に複合化させた複合化粉体の滑りを一層良好にし、機能性と使用性に優れた複合化粉体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体において、前記非板状粉体の外側に被覆用の板状粉体が設けられることにより、該被覆用の板状粉体によって前記非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が挟持されていることを特徴とする複合化粉体を提供するものである。
【0009】
中間層を構成する板状粉体と、非板状粉体との配合比は、50〜99:1〜50であることが望ましい。また、中間層を構成する板状粉体及び非板状粉体の総量と、被覆用の板状粉体との配合比は、5〜20:20〜50であることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上述のように、中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体において、これらの非板状粉体の外側に被覆用の板状粉体が設けられているので、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の粉体が被覆用の板状粉体に覆われることになり、接着性樹脂粉体を溶融する等によって、その接着性樹脂粉体が中間層を構成する板状粉体と被覆用の板状粉体との双方に接着されることとなり、被覆用の板状粉体によって非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が挟持された状態となる。この結果、非板状粉体により中間層を構成する板状粉体の滑らかな使用感が損なわれるのが、外側の被覆用の板状粉体によって防止されることとなり、滑らかな使用感の複合化粉体を得ることができる。
【0011】
また、皮脂を吸収する、くすみを抑える等の効能を有する有効素材である非板状粉体を、使用感のよい板状粉体ではさみこむことにより複合化粉体を構成したため、機能性と使用性に優れた複合化粉体を提供することが可能となる。
【0012】
さらに、被覆用の板状粉体を非板状粉体の外側に設けて、非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が、外側の被覆用の板状粉体に挟持された状態となるので、中間層を構成する板状粉体と外側の被覆用の板状粉体との間に空間が形成されることとなり、その結果、たとえば化粧料に配合する場合に、外側と中間層の板状粉体間の空間に、皮脂を貯留して化粧もちを良好にする等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態の複合化粉体の構造を概念的に示す断面図。
【図2】他実施形態の複合化粉体の構造を概念的に示す断面図。
【図3】一実施形態の複合化粉体の走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の複合化粉体は、上述のように、中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体において、前記非板状粉体の外側に被覆用の板状粉体が設けられることにより、該被覆用の板状粉体によって前記非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が挟持されているものである。また、中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体は、多層構造に構成されていてもよい。
【0015】
中間層を構成する板状粉体、及び被覆用の板状粉体としては、たとえば、タルク、セリサイト、マイカ、硫酸バリウム、チッ化ホウ素、雲母チタン、合成金雲母、カオリン、シリカ、アルミナ、ホウケイ酸化合物等を用いることができる。これらの板状粉体には、表面処理がなされていてもよい。また、中間層を構成する板状粉体と被覆用の板状粉体とは、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。尚、中間層を構成する板状粉体と被覆用の板状粉体は、2種以上を組み合わせて用いても構わない。
【0016】
中間層に使用する板状粉体の平均粒子径は特に限定されるものではないが、5〜50μmであることが好ましい。5μm未満になると、板状粉体に具備できる皮脂を吸収する、くすみを抑える等の有効素材である非板状粉体が付着し難くなるという問題が生じるので好ましくない。また50μmを超えると、複合化粉体の平均粒子径も50μm以上となり、ざらついた使用感が現れてしまうという問題が生じるので好ましくない。
【0017】
また、被覆用の板状粉体の平均粒子径も特に限定されるものではないが、5〜50μmであることが好ましい。5μm未満になると、板状粉体の有する滑らかさが得られ難くなるという問題が生じるので好ましくない。また50μmを超えると、中間層を構成する板状粉体同様、ざらついた使用感が現れてしまうという問題が生じるので好ましくない。
【0018】
さらに、接着性樹脂粉体としては、ポリメタクリル酸メチルのようなアクリル樹脂粉体、ポリアミド樹脂粉体、ポリエチレン樹脂粉体、ポリスチレン樹脂粉体、シリコーン樹脂粉体、ウレタン樹脂粉体、またはこれらの共重合樹脂等を使用することができる。特に好ましいのはアクリル樹脂であり、アクリル樹脂としてはポリメタクリル酸メチルが特に好ましい。たとえばMP−1600(綜研化学株式会社製)、M−201(松本油脂製薬株式会社製)のようなものを使用することができる。接着性樹脂粉体は、2種以上を組み合わせて用いても構わない。
【0019】
また、接着性樹脂粉体の平均粒子径は特に限定されるものではないが、0.2〜5μmであることが好ましい。0.2μm未満になると分散性に問題が生じるので好ましくない。また5μmを超えると、板状粉体に接着性の樹脂粉体が付着し難くなるという問題が生じるので好ましくない。
【0020】
さらに、接着性樹脂粉体以外の非板状粉体としては、種々の効能を有する有効素材として、たとえば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の無機粉体類を用いることができる。これらの無機粉体類には、表面処理がなされていてもよい。また有効素材として、赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類を用いることもできる。上記有機色素類には、レーキ化がなされていてもよい。さらに、上記無機粉体類や有機色素類等の2種以上を複合化したような非板状粉体等を使用することもできる。
これらの非板状粉体の平均粒子径は特に限定されるものではないが、0.02〜5.0μmであることが好ましい。0.02μm未満になると分散性に問題が生じるので好ましくない。また5.0μmを超えると、板状粉体に付着し難くなるという問題が生じるので好ましくない。接着性樹脂粉体の平均粒子径が、接着性樹脂粉体以外の非板状粉体の平均粒子径より大きいと、さらに好ましい。また、接着性樹脂粉体以外の非板状粉体は2種以上を組み合わせて用いても構わない。尚、本発明において「非板状粉体」とは、板状粉体以外の粉体を意味し、たとえば球状の粉体等が例示される。ただし、その形状は球状に限定されるものではない。
尚、上記のような板状粉体、接着性樹脂粉体、接着性樹脂粉体以外の非板状粉体の平均粒子径は、たとえばレーザー回折/散乱法等によって測定することができ、レーザー回折/散乱法で測定された体積基準粒度分布からメジアン径を算出して、そのメジアン径を平均粒子径とすることができる。
【0021】
中間層を構成する板状粉体と、接着性樹脂粉体を含む非板状粉体の配合比は特に限定されるものではないが、50〜99:1〜50であることが好ましい。かかる配合比とすることによって、中間層を構成する接着性樹脂粉体や有効素材である粉体等を含む非板状粉体の効果を最大限発揮することができる。また、中間層を構成する板状粉体及び非板状粉体の総量と、被覆用の板状粉体との配合比は特に限定されるものではないが、5〜20:20〜50であることが好ましい。かかる配合比とすることによって、効率良く中間層を被覆用板状粉体で挟み込むことができる。
【0022】
一例としての複合化粉体の調製方法について説明すると、先ず、中間層を構成する複合化粉体の部分を調製する。より具体的には、先ず、板状粉体と、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を、通常粉体混合に用いられる高速攪拌機等で高速混合する。この操作により、接着性樹脂粉体を含む非板状粉体が板状粉体表面に付着する。
【0023】
次に、上記のように混合した板状粉体、接着性樹脂粉体を含む非板状粉体の混合粉体を100〜300℃の温度下で1〜5時間静置し、接着性樹脂粉体を溶融させ、板状粉体表面に融着する。その後、冷却することによって、中間層を構成する複合化粉体の部分の調製が完了する。
【0024】
次に、上記のようにして調製した中間層を構成する複合化粉体の部分と、被覆用の板状粉体を所定比率で混合する。この混合粉体を100〜300℃の温度下で1〜5時間静置し、再度接着性樹脂粉体を溶融させ、中間層の複合化粉体の部分に、外層となる被覆用の板状粉体を融着する。その後、冷却することによって、複合化粉体の調製が完了する。
【0025】
本発明の一実施形態として、中間層を挟持する複合化粉体の構造を模式的に示すと、図1のとおりである。すなわち、中間層を構成する板状粉体1の表裏両面に、接着性樹脂粉体3と、接着性樹脂粉体以外の有効素材の粉体2とが具備され、さらに上記有効素材の粉体2及び接着性樹脂粉体3の外側に、被覆用の板状粉体4が設けられた構成からなるものである。尚、被覆用の板状粉体4によって挟持する中間層は一層だけでなく複数層存在していてもよい。
【0026】
また図2は、他の実施形態の複合化粉体の構造を模式的に示したものである。図2に示す複合化粉体は、中間層を構成する板状粉体1の表裏両面に、接着性樹脂粉体3が具備され、さらに、その接着性樹脂粉体3の外側に、被覆用の板状粉体4が設けられた構成からなる。この図2の実施形態の複合化粉体には、図1の実施形態の複合化粉体のような接着性樹脂粉体以外の有効素材の粉体2は具備されていない。
【0027】
さらに、一例としての複合化粉体の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。
【0028】
本発明の複合化粉体は、たとえば化粧料に配合して使用することができる。その場合の配合量は特に限定されるものではないが、0.1〜50.0質量%であることが望ましい。
【0029】
化粧料に配合する場合、その化粧料には、上記のような複合化粉体以外に、一般の化粧料に用いられる任意成分を含有することができる。このような任意成分としては、たとえば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0030】
また、本発明の複合化粉体は、化粧料以外に、たとえば医薬部外品、医薬品等に配合することもできる。医薬部外品、医薬品等の場合には、上記複合化粉体の他に、たとえば血行促進剤、抗炎症剤、活性酵素消去剤、角質溶解剤等を適宜配合することができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明について、さらに詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0032】
(実施例1)
本実施例は、テカリ防止用多層構造複合化粉体の実施例である。本実施例では、中間層を構成する板状粉体としてマイカを用い、接着性樹脂粉体としてポリメタクリル酸メチルを用い、有効素材の粉体として酸化亜鉛を用いた。マイカ、ポリメタクリル酸メチル、酸化亜鉛の配合比は、7:1:2とした。
【0033】
また被覆用の外層を構成する板状粉体としてはマイカを用いた。被覆用の外層を構成するマイカと上記中間層(中間層を構成するマイカ、ポリメタクリル酸メチルと酸化亜鉛の三者)との配合比は、2:1とした。
【0034】
本実施例において、中間層を構成する板状粉体としてはマイカ Y−2400(株式会社山口雲母工業所製)を用い、ポリメタクリル酸メチルとしてはMP−1600(綜研化学株式会社製)を用い、酸化亜鉛としては日本薬局方酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製)を用い、被覆用の外層を構成する板状粉体としてはマイカ SA−310(株式会社山口雲母工業所製)を用いた。
【0035】
(実施例2)
本実施例は、クスミ防止用多層構造複合化粉体の実施例である。本実施例では、中間層を構成する板状粉体としてマイカを用い、接着性樹脂粉体としてポリメタクリル酸メチルを用い、有効素材の粉体として酸化チタンを用いた。マイカ、ポリメタクリル酸メチル、酸化チタンの配合比は、6:1:3とした。
【0036】
また被覆用の外層を構成する板状粉体としてはマイカを用いた。被覆用の外層を構成するマイカと上記中間層との配合比は、2:1とした。
【0037】
本実施例において、中間層を構成する板状粉体としてはマイカ Y−2400(株式会社山口雲母工業所製)を用い、ポリメタクリル酸メチルとしてはMP−1600(綜研化学株式会社製)を用い、酸化チタンとしてはタイペーク CR−50(石原産業株式会社製)を用い、被覆用の外層を構成する板状粉体としてはマイカ SA−310(株式会社山口雲母工業所製)を用いた。
【0038】
(その他の実施例)
尚、上記実施例では、中間層部分に有効素材の粉体を含有させたが、有効素材の粉体を含有させることは本発明に必須のものではなく、たとえば板状粉体と接着性樹脂粉体のみで中間層を構成することも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 中間層を構成する板状粉体
2 接着性樹脂粉体以外の有効素材の粉体
3 接着性樹脂粉体
4 被覆用の板状粉体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間層を構成する板状粉体の表面に、少なくとも接着性樹脂粉体を含む1種又は2種以上の非板状粉体を具備させた複合化粉体において、前記非板状粉体の外側に被覆用の板状粉体が設けられることにより、該被覆用の板状粉体によって前記非板状粉体及び中間層を構成する板状粉体が挟持されていることを特徴とする複合化粉体。
【請求項2】
中間層を構成する板状粉体と、非板状粉体との配合比が、50〜99:1〜50である請求項1記載の複合化粉体。
【請求項3】
中間層を構成する板状粉体及び非板状粉体の総量と、被覆用の板状粉体との配合比が、5〜20:20〜50である請求項1又は2記載の複合化粉体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−111448(P2011−111448A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272451(P2009−272451)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000112266)ピアス株式会社 (49)
【Fターム(参考)】