説明

複合材料に関する方法および装置

【課題】耐酸化性である一方で高温に耐える複合材料を提供すること。
【解決手段】上記複合材料は、表面を有し、かつ、界面材料、第一セラミック材料、セラミック混合物、および金属合金を用いて少なくとも部分的に含浸された繊維構造物;該繊維構造物の該表面上にすくなくとも部分的に配置されたコーティングを含む。一局面において、上記コーティングはガラスをさらに含む。別の局面において、上記第一セラミック材料は炭化ケイ素を含む。別の局面において、上記セラミック混合物は炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む。さらに別の局面において、上記金属合金はケイ素およびケイ素合金のうちの少なくとも1つを含む。さらに別の局面において、上記第一セラミックコーティングは炭化ホウ素または炭素を多く含む炭化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には耐熱複合材料に関しており、より詳細には、耐熱マトリクス/コーティングを有する繊維構造物のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックの産業上の適用は、過去50年間にわたってますます重要になってきている。しかし、モノリシックなセラミックおよびサーメットは、低耐衝撃性および低破壊靱性を示す。セラミックマトリクス複合材(CMC)は、いくつかの有用な熱的および物理的特性を示し、高温環境における使用に対して、および/またはヒートシンクへの適用において優れた材料であることの見込みがある。セラミックマトリクス複合材は、一般的に別の材料(例えば、繊維材料から構成される構造物の内部に配置されるセラミック材料)の上またはその内部に配置される1つ以上のセラミック材料を含む。繊維材料(例えば、炭素繊維)は、この目的に適した繊維構造物に形成され得る。
【0003】
熱防護システムを含めCMCは、多くの産業上の適用を有する。例えば、様々な航空機、ミサイル、および宇宙船の構成部品は、高温環境中で作動するため、および/またはヒートシンク特性を提供するための材料を必要とする。他の構成部品のうち、航空機のエンジンおよびタービンの構成部品は熱防護システムを含み、代表的には、2000°F(1093℃)より高い温度に耐え得る構成部品を必要とする。したがって、2000°F(1093℃)より高い温度に耐え得る材料は、航空機のアフターバーナーシステム、他の内部および外部エンジンへの適用、ならびに熱バリアへの適用において有用であり得る。
【0004】
しかし、多くの繊維材料は高温で酸化し、それゆえに、複合材料を含む繊維材料はそのような温度でのそのような酸化に耐えるように開発される必要がある。例えば、炭素繊維は高温(例えば、2000°F(1093℃)より高い温度)で酸化する。さらには、多くの従来の炭素繊維複合材料は、温度変化の間にそれに伴う材料の膨張および収縮に起因して、ひび割れを示す。酸素は、これらのひびを通って上記材料の構造物に入り得、上記材料の酸化を悪化させ得る。よって、酸化せずに高温に耐え得る複合材料に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐酸化性である一方で高温に耐える複合材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
表面を有し、かつ、界面材料、第一セラミック材料、セラミック混合物、および金属合金を用いて少なくとも部分的に含浸された繊維構造物;
該繊維構造物の該表面上にすくなくとも部分的に配置されたコーティング
を含む複合材料であって、該コーティングが第一セラミックコーティング材料および第二セラミックコーティングを含む、複合材料。
【0007】
(項目2)前記コーティングがガラスをさらに含む、上記項目に記載の材料。
【0008】
(項目3)前記第一セラミック材料が炭化ケイ素を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の材料。
【0009】
(項目4)前記セラミック混合物が炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の材料。
【0010】
(項目5)前記金属合金がケイ素およびケイ素合金のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の材料。
【0011】
(項目6)前記第一セラミックコーティングが炭化ホウ素または炭素を多く含む炭化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の材料。
【0012】
(項目7)前記繊維構造物が炭素繊維または炭化ケイ素繊維のうちの少なくとも1つから構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の材料。
【0013】
(項目8)
界面材料を繊維構造物の一部分に含浸させる工程;
第一セラミック材料を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
セラミック混合物を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程であって、該第二セラミック混合物が少なくとも2つのセラミックを含む、工程;
金属合金を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
第一セラミックコーティング材料で該繊維構造物の該一部分の表面をコーティングする工程;および
第二セラミックコーティングで該繊維構造物の該一部分の該表面をコーティングする工程
を包含する方法。
【0014】
(項目9)前記第一セラミック材料が炭化ケイ素を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0015】
(項目10)前記金属合金がケイ素合金を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0016】
(項目11)前記セラミック混合物が炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0017】
(項目12)第三セラミックコーティング材料で前記繊維構造物の前記表面をコーティングする工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0018】
(項目13)ガラスコーティングを用いて前記繊維構造物の前記一部分をつや出しする工程をさらに包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0019】
(項目14)前記繊維構造物が炭素繊維から構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0020】
(項目15)
界面材料を繊維構造物の一部分に含浸させる工程;
炭化ケイ素を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
セラミック混合物を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
該セラミック混合物を含浸させる工程後に、金属合金を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
炭化ホウ素で該繊維構造物の該一部分の表面をコーティングする工程;および
炭化ケイ素で該表面をコーティングする工程
を包含するプロセスによって生産される生成物。
【0021】
(項目16)前記界面材料が炭素界面材料または窒化ホウ素材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の生成物。
【0022】
(項目17)前記金属合金がケイ素合金を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の生成物。
【0023】
(項目18)前記セラミック混合物が炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭素を多く含む炭化ホウ素、炭素、炭化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化タンタル、窒化タンタルまたは窒化ケイ素のうちの少なくとも2つを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の生成物。
【0024】
(項目19)炭化ケイ素で前記表面をコーティングする工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の生成物。
【0025】
(項目20)ガラスコーティングで前記表面をつや出しする工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の生成物。
【0026】
(摘要)
繊維構造物およびコーティングを有する複合材料が開示される。より具体的には、複合材料は、表面を有し、かつ、界面材料、第一セラミック材料、セラミック混合物、および第三セラミック材料もしくは合金材料、またはこれらの組み合わせを含浸させた繊維構造物、上記繊維構造物の表面上に配置されるコーティング(ここで、上記コーティングは第一セラミックコーティング材料およびセラミックコーティング混合物を含む)から構成され得る。
(発明の要旨)
様々な実施形態において、耐酸化性である一方で1200°F(649℃)より高い温度に耐える複合材料が提供される。さらに、様々な実施形態に従う複合材料は、耐酸化性である一方で、代表的な大気温度(例えば、約マイナス30°F〜約130°F(約マイナス34℃〜約54℃))から高温(例えば、2000°F(1093℃)より上)への温度変化に耐え得る。
【0027】
例えば、様々な実施形態は、界面材料でコーティングされ、第一セラミック材料、セラミック混合物、および/または金属合金を含浸させた繊維構造物を含む複合材料を含む。コーティングは、含浸された繊維構造物の表面上に配置され、上記コーティングは第一セラミックコーティング材料、第二セラミック材料、および必要に応じて第三セラミック材料を含む。
【0028】
さらに、様々な実施形態は、界面材料で繊維構造物をコーティングする工程、第一セラミック材料を上記繊維構造物に含浸させる工程;セラミック混合物を上記繊維構造物に含浸させる工程(ここで、第二セラミック混合物は少なくとも2つのセラミックを含む)、金属または金属合金を上記繊維構造物に含浸させる工程;および、第一セラミックコーティング材料で上記繊維構造物をコーティングする工程、第二セラミックコーティングで上記繊維構造物をコーティングする工程;および、必要に応じて、第三セラミックコーティング材料で上記繊維構造物をコーティングする工程を包含する方法、およびそれにより生成される生成物を含む。
【0029】
その上さらに、様々な実施形態は、界面材料で繊維構造物をコーティングする工程、炭化ケイ素を上記繊維構造物に含浸させる工程、炭化ケイ素、炭化ホウ素、および炭素を含むセラミック混合物を上記繊維構造物に含浸させる工程、上記セラミック混合物を含浸後に金属または金属合金を上記繊維構造物に含浸させる工程、第一セラミックコーティングで上記繊維構造物の表面をコーティングする工程、第二セラミックコーティングで上記繊維構造物の表面をコーティングする工程、ならびに、第三セラミックコーティングで上記繊維構造物の表面をコーティングする工程を包含するプロセスによって生成される生成物を含む。
【発明の効果】
【0030】
耐酸化性である一方で高温に耐える複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、例示的実施形態において使用される角度インターロック(angle−interlock)予成形品の概略図である。
【図2】図2は、例示的実施形態の縦糸方向断面図である。
【図3】図3は、個々の繊維の一群を描いている、例示的実施形態の横断面図である。
【図4】図4は、個々の繊維の一群を描いている、例示的実施形態のさらなる横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(詳細な説明)
本明細書中の例示的実施形態の詳細な説明では、添付の図面に対して言及がなされ、その図面は、例示およびその最良の状態として例示的実施形態を示す。これらの例示的実施形態は、当業者が本発明を実施することが可能なほど十分に詳細に記載されるが、他の実施形態が実現され得ること、ならびに、論理的変更、化学的変更、および物理的変更が本発明の意図および範囲から逸脱すること無しになされ得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書中の詳細な説明は、限定ではなく、例示のみを目的として提示される。例えば、方法またはプロセスの説明のいずれかに列挙される工程は、任意の順番で実行され得、提示された順番に必ずしも制限されない。さらに、機能または工程のうちの多くが1つ以上のサードパーティーへ外部委託され得るか、または1つ以上のサードパーティーによって実施され得る。さらには、単数に対してのいずれの言及も、複数の実施形態を包含し、1つより多い構成部分または工程に対してのいずれの言及も、単数の実施形態または工程を包含し得る。また、取り付けられること、固定されること、または接続されることなどに対してのいずれの言及も、恒久的、取り外し可能、一時的、部分的、完全に、および/または任意の他の可能性のある付属のオプションを包含し得る。さらに、接触しないことに対してのいずれの言及(または同様の表現)もまた、低下した接触、または最小限の接触を包含し得る。
【0033】
上で言及されたように、様々な実施形態に従い、そして熱防護システムにおいて使用される複合材料は、1200°F(649℃)より高い温度に耐えるのに適する。「複合材料」は、本明細書中で使用される場合、構造的構成要素およびその構造の全体にわたって点在する別の構成要素を含む。そのような構造的構成要素の一つの実施形態は、繊維材料(例えば、特に、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、およびガラス繊維)を含む。繊維材料はしばしば軽量であり、他の材料での含浸および/またはコーティングの前に様々な方法で形作られ得、そして層状に重ねられ得、それゆえに、上記繊維構造物およびその中に含浸される材料の両方の物理的特性を実現する。セラミックは、さまざまな有益な物理的特性を提供する繊維構造物の内部にマトリクスを生成するために使用され得る。
【0034】
さらに、一般的には、様々な実施形態に従う複合材料は、温度変化に伴う膨張および収縮にもかかわらず、そのような複合材料は耐酸化性であるので、熱防護システムにおける使用に適する。様々な実施形態に従うさまざまなコーティングは、酸化を防止するためかまたは最小化するため、かつ、上記複合材料の中へ酸素が浸透するリスクを減らすために使用され得る。さらに、様々な実施形態に従うコーティングは、部分的または完全にひびをふさぐように移動し得、上記材料に酸素が入ることを防止または最小化し得る。この効果は、炭化ホウ素または炭素を多く含む(carbon−rich)BCおよび炭化ケイ素は上記複合材料および1つ以上の上記コーティング材料の両方において使用される場合、特に顕著であり得る。
【0035】
ここで、図1〜図4を参照し、複合材料は様々な実施形態に従って、様々な個々の繊維から構成される繊維構造物を含む。上で言及されたように、繊維の例としては、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、およびガラス繊維などが挙げられる。炭素繊維はピッチ系またはPAN系であり得、任意の直径が本明細書中に記載される材料と適合し得るが、約5ミクロン(μm)〜約10ミクロン(μm)の次数の直径を有する個々の炭素繊維から構成され得る。
【0036】
炭素繊維は、しばしばトウまたはフィラメントの群で製造され、販売され、トウごとに様々な多くのフィラメントで配置される。一般的に言うと、1トウあたり任意の数のフィラメントが存在し得るが、本発明の様々な実施形態は、1トウ炭素繊維あたり約1,000フィラメント、1トウ炭素繊維あたり約3,000フィラメント、1トウ炭素繊維あたり約6,000フィラメント、そして1トウ炭素繊維あたり約12,000フィラメントを含む。本明細書中に記載される様々な例示的実施形態において、1kトウ、3kトウ、および6kトウのCytec IndustriesのTHORNEL T300 炭素繊維が使用され得る。THORNEL T300はCytec Industries(5 Garret Mountain Plaza,West Paterson,New Jersey 07424)から購入され得る。しかし、航空宇宙品質(aerospace quality)の任意の炭素繊維が使用され得る。
【0037】
繊維構造物は、任意の適した様式で構築され得る。例えば、繊維構造物は、例えば、製織および編組のような従来の織物生産プロセスによって構築され得る。当業者が認識し得るように、織物生産の多様性は、複合材料に適した多くの構造物をもたらし得る。
【0038】
本明細書中で使用される場合、繊維構造物はまた「予成形品」として言及され得る。様々な実施形態において、3k−3k−309 ST構成において、1トウ炭素繊維あたり3,000フィラメント(3k)の角度インターロック予成形品構造織物が(図2に例示されるように)使用され得る。そのような実施形態において、3kトウの40%の横糸(fill)201、104と20°をなす約60%の縦糸200、103は、約40容量%の繊維を提供する。そのような実施形態において、上記角度インターロックは互い違いに配置されたピック列(staggered pick columns)(各ピック列は6ピックを含み、ピックの間隔は1インチあたり26ピックである)を有し得るが、浸透された予成形品への多くの適用では1インチあたり12ピック〜22ピックを使用し、繊維容量は約25%〜約45%の範囲であり得る。
【0039】
他の実施形態において、3k6k構成において1トウ炭素繊維あたり約3,000フィラメント(3k)および約6,000フィラメント(6k)の角度インターロック予成形品構造織物が使用され得る。そのような実施形態において、6kトウの40%の横糸と±15°をなす3kトウの60%の縦糸が存在し得る。3k6k構成が使用される実施形態において、全体の予成形品の構造は、3k3k構成と同様の目の詰んだ状態でなくともよい。よって、3k6k構成は、3k3k構成と比較して、より多く浸透させる能力があり得る。1k〜3kおよび6kの様々な混合物は予成形品を構築するために使用され得る。
【0040】
様々な実施形態において、縦糸トウは構造物全体の厚みを通り抜けるように構成される。そのような構成は、上記複合材の物理的特性および熱的特性のバランスを改良し得、それゆえに、改良された構造的完全さを提供し得る。
【0041】
当業者が認識するように、様々な製造方法が、適した予成形品を構築するために使用され得る。例えば、様々な実施形態において、適した予成形品の構成は、角度インターロック、布レイアップ法(fablic layup)、軽く縫われた(lightly needled)PAN繊維、フェルトのようなコアを覆う布を有するサンドイッチ型構造、編成、編成混成物(knit hybrid)、3D編組(3d braid)、および巻かれたフィラメントのような不織構造を包含する。
【0042】
炭素繊維は、より高い温度により良好に耐えるように熱処理され得る。例えば、炭素繊維トウは、繊維構造物へ加工される前に熱処理され得る。熱処理はまた、繊維構造物の製造後に実施され得る。例えば、上記構造物が使用中に直面する最高温度に等しいかまたはそれに近い温度で、繊維構造物または炭素繊維トウを熱処理することは有益であり得るが、熱処理はまた、上記構造物が使用中に直面する最高温度を超えるかまたはその最高温度未満の温度で実施される場合、有益であり得る。様々な実施形態において、炭素繊維トウは、繊維構造物の製造前に、2000°F(1093℃)〜4000°F(2204℃)の範囲の温度で熱処理される。本明細書中に記載される様々な実施形態において、繊維構造物は、2000°F(1093℃)〜4000°F(2204℃)の範囲の温度で熱処理される。
【0043】
繊維構造物に含浸させる様々な方法は、様々な実施形態に従って使用され得る。この点において、繊維構造物に含浸させる工程は、繊維構造物に別の材料を部分的または完全に浸透させるまたは浸潤させるための任意の方法によって実現され得る。例えば、(炭素材料および/またはセラミック材料へ変換するための)ポリマー樹脂、化学蒸着浸透(chemical vapor infiltration)(CVI)、溶融浸透(melt infiltration)(MI)、およびスラリーキャスティング(slurry casting)(SC)が、繊維構造物にマトリクスまたは酸化防止剤を部分的または完全に含浸させるために、単独または様々な組み合わせで使用され得る。
【0044】
CVI法は、代表的には、材料を含む蒸気へ繊維構造物を部分的または完全に曝露し、その結果、その蒸気が繊維構造物に部分的または完全に浸透するまたは浸潤する工程を含む。CVIは、様々な適した温度、圧力、または他の操作パラメーターの下、実現され得る。例えば、CVIは高温で、例えば、約1500°F(約816℃)より高く、しかし3000°F(1649℃)未満で実現され得る。
【0045】
繊維構造物を部分的または完全に浸透または浸潤させるためにCVIと併せて使用され得る様々な材料には、炭素材料(カーボンブラック、熱分解炭素、およびポリマー由来の炭素を含む)、炭化ケイ素(SiC)(ポリマー由来のSiCを含む)、炭化ホウ素(BC)、およびこれらの様々な混合物がある。一般的に、ホウ素、ケイ素、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、ハフニウム、チタン、およびタンタルの炭化物、ホウ素、ケイ素、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、ハフニウム、チタン、およびタンタルの酸化物、ならびにホウ素、ケイ素、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、ハフニウム、チタン、およびタンタルの窒化物を含む酸化防止添加剤が使用され得る。CVIと併せて使用される材料は、様々な添加剤(例えば、湿潤剤および分散剤)と混合され得る。例えば、BYK Additives and Instruments製のDISPERBYKは、添加剤として使用され得る。特に、BYK−156(DISPERBYK−156としても知られる)は、BYK USA(524 South Cherry Street,Wallingford,Conn.06492)から入手され得る。様々な実施形態に従ってCVIと併せて使用されるBCは、商標TETRABORの下、購入され得、TETRABORは、Elektroschmelzwerk Kempten GmbH(Kempten,Germany)により生産され、Wacker Chemicalにより米国内に分配される。
【0046】
様々な実施形態において、繊維構造物は、任意の適した様式で(例えば、CVIによって)界面材料を用いて部分的または完全に含浸またはコーティングされ得る。例えば、炭素界面材料が使用され得る。炭素界面材料は、グラファイト、熱分解炭素、および/または炭素の他の適した形態を含み得る。窒化ホウ素(BN)もまた界面材料として使用され得る。界面材料は、熱処理工程と同時に、またはその前に、またはその後に、部分的または完全に塗布され得る。繊維への界面材料の塗布は、界面材料が繊維表面に付着する場合、繊維を「コーティングする」として言及され得る。また、繊維構造物予成形品への界面材料の塗布は、界面材料が予成形品に塗布されるとき、界面材料が予成形品構造物に浸透および/または浸潤し、構成要素である繊維をコーティングする場合、含浸として言及され得る。予成形品の繊維をコーティングする界面材料は、図3に示される。しかし、繊維構造物をコーティングする工程は、代表的には、繊維構造物それ自体の表面のみに適用されるコーティング工程を意味し、必ずしも繊維構造物の構成要素である個々の繊維をコーティングする工程を意味しないことが注目されるべきである。含浸は、繊維構造物上で界面材料を様々な厚み(例えば、0.1ミクロン(μm)〜0.7ミクロン(μm))にし得る。例えば、様々な実施形態において、約0.2ミクロン(μm)〜0.5ミクロン(μm)の厚さの炭素界面材料400が含浸の間に生成される。
【0047】
例示的実施形態において、繊維構造物は、CVI工程によって炭化ケイ素(SiC)で部分的または完全に含浸され得る。前駆体としては、様々なクロロシラン(例えば、水素を有するメチルトリクロロシランまたはジメチルジクロロシラン)が挙げられる。処理は高温(例えば、約1600°F(約871℃)〜約2400°F(約1316℃))で行われ得る。処理は減圧下で行われ得、約0mmHg(約0kPa)〜約500mmHg(約66.7kPa)の範囲の圧力であり得る。
【0048】
様々な実施形態において、繊維構造物はスラリーキャスティング(SC)および溶融浸透(MI)によって、部分的または完全に含浸され得る。SCは一般的に、減圧下の石膏キャスティング(vacuum,plaster casting)、または繊維構造物の孔へのスラリーの含浸を助ける他の技術に供される予成形品繊維構造物へのスラリーの塗布を含む。一般的にMIは、代表的には、減圧下および高温で溶融し、繊維構造物へ溶融金属を流すことにより材料を繊維構造物に部分的または完全に含浸させるために使用されるプロセスを含む。例えば、減圧は約0mmHg(約0kPa)〜約50mmHg(約6.7kPa)の範囲であり、温度は使用される金属の融点より高い温度である。例えば、溶融浸透が純粋なケイ素を用いて実施される場合、そのような温度は2600°F(1427℃)より高い。
【0049】
例えば、SiC、BC、ならびに適切な湿潤剤および分散剤(例えば、DISPERBYK−156)を含む水性スラリーが、スラリーキャスティングのために調製され得る。様々な実施形態において、SC組成物は、重量比率で50%のSiC微粒子(例えば、Saint−Gobain Corporation(P.O.Box 860,750 E.Swedesford Road,Valley Forge,PA 19482−0101)から入手可能なもの)、TETRABOR 3000F(サブミクロンのBC)を含み、約4重量%の微細なカーボンブラックが加えられる。様々な実施形態において、上記混合物は水および約2.5重量%のDISPERBYK−156によって希釈され、全固体重量の約50%を有する混合物を得る。他の実施形態において、上記SC組成物は、SiCに対してより大きな比でBCを含む。例えば、SiCに対する重量比率で75%のBCが使用され得る。さらなる実施形態において、SiC微粒子は上記SC組成物中で使用されない。粉末粒子は、任意の適切な直径であり得る。例えば、粒子はサブミクロンの直径を有し得るが、1ミクロン(μm)以上の直径もまた使用され得る。例示的実施形態において、上記繊維構造物は石膏型上に配置され、スラリーを用いてスラリーキャスティングされ、周囲温度で部分的な真空か、または高圧で繊維構造物に含浸させる。SC後、上記予成形品は乾燥される。乾燥は、様々な温度および時間(約80℃で約1時間を含む)で行われ得る。
【0050】
MIは、ケイ素、および/または、ケイ素金属混合物もしくはケイ素合金を用いて実施され得る。上記MI混合物は、結合剤(例えば、フェノール性結合剤)を含み得る。例えば、ケイ素、炭素、およびホウ素からなるケイ素合金はMIで使用され得る。そのような例において、フェノール性結合剤は、硬化期間と同時に使用され得、結果として硬質構造を達成し得る。そのような例において、ケイ素合金は、約90重量%〜約96重量%のケイ素元素、3重量%〜8重量%のホウ素元素、および0.5重量%〜3.0重量%の炭素元素を含み得る。一般的には、MIと同時に使用される材料を溶融するのに十分な任意の融解温度が、MIプロセスの間に使用され得、一般的に約2000°F(約1093℃)〜約3000°F(約1649℃)の範囲である。ケイ素金属混合物を用いる様々な実施形態において、約2550°F(約1399℃)〜3000°F(1649℃)の溶融温度が使用される。
【0051】
十分な含浸を可能にするのに十分な保持時間は、様々な操作パラメーターに応じて変動する。例えば、ケイ素金属混合物を用いる様々な実施形態において、約1時間の保持時間が使用され得る。特に、ケイ素金属混合物、1時間の保持時間および約2550°F(約1399℃)〜3000°F(1649℃)の溶融温度を用いる様々な実施形態において、6ミクロン(μm)未満のCVIのSiCが、溶融ケイ素合金と反応する。様々な実施形態において、マトリクス102、300はSCおよびMI工程により形成される。
【0052】
繊維構造物を部分的または完全にコーティングする様々な方法もまた、様々な実施形態に従って使用され得る。繊維構造物をコーティングする工程は、一般的には、繊維構造物上を部分的または完全にコーティング、そして/または、コーティング材料を堆積させるための任意の方法によって実現され得る。例えば、化学蒸着(CVD)が、繊維構造物をコーティングするために使用され得る。一般的にCVDは、蒸気形態の材料へ基材を供するプロセスであり、その結果、基材上に材料の堆積をもたらす。CVDは、様々な温度および圧力で、ならびに様々な時間の間、実施され得る。様々な実施形態において、CVDのパラメーターは、CVIに関して上で記載されたものと同じであるが、温度は約1700°F(約927℃)〜約2800°F(約1538℃)の範囲であり得、圧力は0atm〜1atmの範囲であり得る。
【0053】
様々な実施形態において、様々なコーティングプロセスおよびコーティング材料が繊維構造物に適用される。コーティングされる実施形態において、上記組成物およびコーティングの塗布順序は、結果として生じる材料の全体の耐酸化性に寄与し得る。例えば、コーティング材料は、SiC単独、またはSiCおよびBCもしくは炭素を多く含むBCのコーティングを含み得る。様々な実施形態において、SiCのコーティングはCVDによって堆積され得、様々な厚さ(例えば、約0.1ミル(約2.54μm)〜約7ミル(約178μm))であり得る。様々な実施形態において、BCの0.5ミル(12.7μm)のコーティング101はCVDによって堆積される。
【0054】
様々な実施形態において、SiCおよびBCのコーティングが塗布され得る。SiCおよびBCのコーティングは様々な厚さ(例えば、約0.1ミル(約2.54μm)〜約1ミル(約25.4μm)のBCおよび約0.1ミル(約2.54μm)〜約7ミル(約178μm)のSiC)であり得る。例えば、様々な実施形態において、BCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティング100はCVDによって堆積される。様々な実施形態において、上記コーティングは続いて、炉中で冷却することなく、減圧下堆積される。厚さは、繊維構造物の重量、証拠である材料(witness material)の光学顕微鏡検査、繊維構造物の破壊評価、または繊維構造物の厚さの変化により決定され得る。様々な実施形態において、BCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティングがCVDによって堆積される。その実施形態の一部において、次いで、SiCの5ミル(127μm)のコーティングがCVDによって堆積される。
【0055】
様々な実施形態において、繊維構造物はまた、部分的または完全にガラスを用いてつや出しされ得る。つや出しすることは、様々なコーティングの密封、およびコーティングの劣化に対する保護を助け得る。一般的に、つや出しする工程は、繊維構造物上にガラスを堆積させる任意のプロセスであり、その繊維構造物の任意の表面上で行われ得る。つや出しする工程は、噴霧することまたは塗装することにより実現され得る。ガラスコーティング105は、図1に示される。様々な実施形態において、ガラス光滑剤(glass glaze)は約3ミルの厚さであるが、そのガラス光滑剤は0.1ミル(2.54μm)〜10ミル(254μm)の範囲であり得る。この繊維構造物は、空気の調節された流れを使用して約1400°F(約760℃)より高い温度でキルン中にて熱せられ得る。任意の適した光滑剤組成物が使用され得る。例えば、光滑剤は60重量%〜70重量%の不揮発性固体を有し得る。また例えば、光滑剤は、25℃で約18秒〜約25秒間の2番のZahnカップの排出時間によって測定される粘性/流れを有し得る。
【0056】
上記の記載が注目されながら、本発明の様々な実施形態に従う複合材料の実施例が以下に続く。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
例示的実施形態において、3k−3k−309 ST構成において1トウ炭素繊維あたり3,000フィラメントの角度インターロック繊維構造物予成形織物を使用した。全て3kトウの40%の横糸と20°をなす60%の縦糸を用いて構成した繊維構造物予成形品は、容量で40%の繊維を提供する。繊維構造物予成形品を、互い違いに配列されたピック列(各ピック列は6ピックを含み、ピックの間隔は1インチあたり26ピックである)を用いて構成した。予成形品を約2400°F(約1316℃)での熱処理に供し、熱処理後、0.2ミクロン(μm)と0.5ミクロン(μm)との間の厚さまで炭素界面材料を塗布した。上記予成形品をSiC CVIにより含浸させた。上記予成形品を、石膏型上で真空補助(vacuum assisted)SCによる含浸に供した。水性スラリーを、50%の比率のSiC微粒子およびTETRABOR BC、2.5重量%のDISPERBYK−156、ならびに約4重量%の微細なカーボンブラックで構成した。上記スラリーは、全固体の約50重量%を有した。上記予成形品を、1時間より長く、2550°F(1399℃)より高い温度でケイ素金属混合物を用いてMIによって含浸した。
【0058】
(実施例2)
別の例示的実施形態において、3k6k構成において1トウ炭素繊維あたり3,000フィラメント(3k)および6,000フィラメント(6k)の角度インターロック予成形品構造織物を使用した。その実施形態において、40%の6kトウの横糸と±15°をなす3kトウの60%の縦糸が存在した。この予形成体を約2400°F(1316℃)での熱処理に供し、熱処理後、0.2ミクロン(μm)と0.5ミクロン(μm)との間の厚さまで炭素界面材料を塗布した。上記予形成体をSiC CVIによって含浸した。上記予成形品を、石膏型上で真空補助SCによる含浸に供した。水性スラリーを、50%の比率のSiC微粒子およびTETRABOR BC、2.5重量%のDISPERBYK−156、ならびに約4重量%の微細なカーボンブラックで構成した。上記スラリーは、全固体の約50重量%を有した。上記予成形品を、1時間より長く、2550°F(1399℃)より高い温度でケイ素金属混合物を用いてMIによって含浸した。
【0059】
(実施例3)
実施例1の繊維構造物を、CVDによって堆積させたSiCの5ミル(127μm)のコーティングでコーティングした。
【0060】
(実施例4)
実施例1の繊維構造物を、CVDによって堆積させたBCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティングでコーティングした。
【0061】
(実施例5)
実施例1の繊維構造物を、CVDによって堆積させたBCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティングでコーティングした。上記繊維構造物を、CVDによって堆積させたSiCの5ミル(127μm)のコーティングでコーティングした。
【0062】
(実施例6)
実施例2の繊維構造物を、CVDによって堆積させたSiCの5ミル(127μm)のコーティングでコーティングした。
【0063】
(実施例7)
実施例2の繊維構造物を、CVDによって堆積させたBCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティングでコーティングした。
【0064】
(実施例8)
実施例2の繊維構造物を、CVDによって堆積させたBCの0.5ミル(12.7μm)のコーティングおよびSiCの2ミル(50.8μm)のコーティングでコーティングした。上記繊維構造物を、CVDによって堆積させたSiCの5ミル(127μm)のコーティングでコーティングした。
【0065】
(実施例9)
実施例4の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0066】
(実施例10)
実施例5の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0067】
(実施例11)
実施例7の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0068】
(実施例12)
実施例8の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0069】
(実施例13)
実施例3の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0070】
(実施例14)
実施例6の繊維構造物を、ガラスを用いてつや出しした。
【0071】
実施例1〜14の様々な生成物を研究に供した。表1は、両実施例の容量パーセントの特徴を示す。さらなる研究は、両実施例が約13Ksi(約90MPa)の層間抗張力(interlaminar tensile strength)を有することを明らかにした。実施例1〜14の様々な生成物における縦糸方向の最大抗張力は、35Ksi(241MPa)〜51Ksi(352MPa)である。開気孔率(open porosity)は、表面コーティングを塗布する前は8%未満であった。表2は、実施例1〜14の様々な生成物の様々な代表的な物理的特性を示す。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

当業者は、様々な実施形態は様々な産業上の適用における用途を有することを認識する。例えば、約2000°F(約1093℃)を超える温度に空気中で耐え得る材料を所望する産業上の適用は、上記実施形態から利益を獲得し得る。この点において、航空宇宙用の構成部分またはシステムにおける多くの構成部分は、上記実施形態から利益を獲得し得る。例えば、様々な実施形態に従って製造される生成物は航空機のアフターバーナーシール(afterburner seal)に利益を与え得る。アフターバーナーシールは様々な形状および様々なサイズで形成され得る。例えば、アフターバーナーシールは、長さが約1インチ(約2.54cm)〜約36インチ(約91.4cm)、幅が約1インチ(約2.54cm)〜約36インチ(約91.4cm)、そして厚さが約0.05インチ(約0.13cm)〜約2インチ(約5.08cm)の範囲であり得る。さらに、様々な実施形態において、材料は、様々な穴、溝、またはくぼみを含み得る。
【0074】
利益、他の利点、および課題に対する解決策は、特定の実施形態に関して本明細書中に記載されてきた。しかし、利益、利点、課題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせ得るかまたはさらに明確にし得るいずれの要素も、本発明の決定的な、必要な、または不可欠な特徴または要素として解釈されるべきではない。したがって、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲以外によって制限されるべきではない。この特許請求の範囲において、単数形での要素に対する言及は、明確にそう述べられない場合には「1つ、そして1つのみ」ではなく、「1つ以上」を意味することが意図される。さらに、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」と同様の表現が特許請求の範囲において使用される場合、上記表現は、Aのみが実施形態において存在し得る、Bのみが実施形態において存在し得る、Cのみが実施形態において存在し得る、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせが単一の実施形態において存在し得る(例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびC)ことを意味すると解釈されることが意図される。さらには、本開示における要素も、成分も、方法の工程も、上記要素、成分、または方法の工程が特許請求の範囲に明確に記載されるかどうかに関係なく、公開されることを意図していない。本明細書中の特許請求の要素は、上記要素が表現「ための手段」を用いて明確に記載されない限り、米国特許法 112 第6段落の但し書きの下、解釈されるべきではない。本明細書中で使用される場合、用語「含む(comprise)」,「含んでいる(comprising)」、またはこれの任意の他のバリエーションは、非排他的な包含を含むことが意図されており、その結果、要素のリストを構成するプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明確に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素も含み得る。
【符号の説明】
【0075】
100 BCおよびSiCのコーティング
101 BCのコーティング
102 マトリクス
103 縦糸
104 横糸
105 ガラスコーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有し、かつ、界面材料、第一セラミック材料、セラミック混合物、および金属合金を用いて少なくとも部分的に含浸された繊維構造物;
該繊維構造物の該表面上にすくなくとも部分的に配置されたコーティング
を含む複合材料であって、該コーティングが第一セラミックコーティング材料および第二セラミックコーティングを含む、複合材料。
【請求項2】
前記コーティングがガラスをさらに含む、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記第一セラミック材料が炭化ケイ素を含む、請求項1に記載の材料。
【請求項4】
前記セラミック混合物が炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む、請求項1に記載の材料。
【請求項5】
前記金属合金がケイ素およびケイ素合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の材料。
【請求項6】
前記第一セラミックコーティングが炭化ホウ素または炭素を多く含む炭化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の材料。
【請求項7】
前記繊維構造物が炭素繊維または炭化ケイ素繊維のうちの少なくとも1つから構成される、請求項1に記載の材料。
【請求項8】
界面材料を繊維構造物の一部分に含浸させる工程;
第一セラミック材料を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
セラミック混合物を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程であって、該第二セラミック混合物が少なくとも2つのセラミックを含む、工程;
金属合金を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
第一セラミックコーティング材料で該繊維構造物の該一部分の表面をコーティングする工程;および
第二セラミックコーティングで該繊維構造物の該一部分の該表面をコーティングする工程
を包含する方法。
【請求項9】
前記第一セラミック材料が炭化ケイ素を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属合金がケイ素合金を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記セラミック混合物が炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
第三セラミックコーティング材料で前記繊維構造物の前記表面をコーティングする工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
ガラスコーティングを用いて前記繊維構造物の前記一部分をつや出しする工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記繊維構造物が炭素繊維から構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
界面材料を繊維構造物の一部分に含浸させる工程;
炭化ケイ素を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
セラミック混合物を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
該セラミック混合物を含浸させる工程後に、金属合金を該繊維構造物の該一部分に含浸させる工程;
炭化ホウ素で該繊維構造物の該一部分の表面をコーティングする工程;および
炭化ケイ素で該表面をコーティングする工程
を包含するプロセスによって生産される生成物。
【請求項16】
前記界面材料が炭素界面材料または窒化ホウ素材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の生成物。
【請求項17】
前記金属合金がケイ素合金を含む、請求項15に記載の生成物。
【請求項18】
前記セラミック混合物が炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭素を多く含む炭化ホウ素、炭素、炭化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化タンタル、窒化タンタルまたは窒化ケイ素のうちの少なくとも2つを含む、請求項15に記載の生成物。
【請求項19】
炭化ケイ素で前記表面をコーティングする工程をさらに含む、請求項15に記載の生成物。
【請求項20】
ガラスコーティングで前記表面をつや出しする工程をさらに含む、請求項15に記載の生成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−159199(P2010−159199A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237791(P2009−237791)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(301079844)グッドリッチ・コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】