説明

複合樹脂組成物およびその成形体

【課題】ポリオレフィンに植物系充填材を配合して成る複合樹脂組成物であって、改良された機械強度および耐水性を有する複合樹脂組成物を提供する。
【解決手段】成分(A):植物系充填材、成分(B):ポリオレフィン、成分(C):180℃、21.2N荷重の条件で測定したMFRが4〜700g/10分の範囲にあり、酸基または酸無水基を有するモノマーのグラフト付加率が0.10〜5.0重量%の範囲にある変性ポリオレフィンを含有して成り、成分(A):(B)の比率が40〜90重量%:10〜60重量%(但し両成分の合計は100重量%)であり、成分(A)及び(B)の合計を100重量部とした際の成分(C)の比率が1〜15重量部の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合樹脂組成物およびその成形体に関し、詳しくは、ポリオレフィンに植物系充填材を配合して成る複合樹脂組成物および成形体に関し、さらに詳しくは機械強度と耐水性に優れ、かつ植物系充填材系の外観を有する成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業廃棄物を低減し環境汚染を抑制する資源循環型社会システムの重要性が認識される様になり、大量に発生する木粉や紙粉などの植物系産業廃棄物の再利用が重要課題となっている。一方、ポリオレフィンは優れた物性を有しており且つ各種成形が可能なため多くの用途に使用されているが、単独では剛性が不足するという欠点がある。そこで、斯かる欠点を解決するため、ポリオレフィンに植物系産業廃棄物を配合する試みがなされる様になった。しかしながら、木粉などの植物系充填材とポリオレフィンとは、親和性が十分でなく、単に配合しただけでは剛性も耐水性も低い複合樹脂組成物となる。
【0003】
上記の問題を改善するため、各種親和材の添加が提案されており、例えば、ロジン系物質や石油樹脂(特許文献1)、酸基または酸無水基を有するモノマーとオレフィンとの共重合体(特許文献2)、酸基または酸無水基を有するモノマーによるグラフト変性ポリオレフィン(特許文献3)、数平均分子量が3000〜18000である低分子の変性ポリオレフィン(特許文献4)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−56534号公報
【特許文献2】特開平11−140260号公報
【特許文献3】特開昭63−230750号公報
【特許文献4】特許第3032884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポリオレフィンに植物系充填材を配合して成る複合樹脂組成物は建築用各種部品および工業用各種部品などへの用途が期待されるが、従来の親和材を使用した複合樹脂組成物は、これらの用途に必要とされる機械強度および耐水性が必ずしも十分とは言えない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、改良された機械強度および耐水性を有する複合樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、酸基または酸無水基を有するモノマーによるグラフト変性ポリオレフィンであって、MFRと酸量(グラフト付加率)とが特定の範囲にあるものを使用することにより、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1の要旨は、成分(A):植物系充填材、成分(B):ポリオレフィン、成分(C):180℃、21.2N荷重の条件で測定したMFRが4〜700g/10分の範囲にあり、酸基または酸無水基を有するモノマーのグラフト付加率が0.10〜5.0重量%の範囲にある変性ポリオレフィンを含有して成り、成分(A):(B)の比率が40〜90重量%:10〜60重量%(但し両成分の合計は100重量%)であり、成分(A)及び(B)の合計を100重量部とした際の成分(C)の比率が1〜15重量部の範囲にあることを特徴とする複合樹脂組成物に存する。
【0009】
本発明の第2の要旨は、上記の複合樹脂組成物から成ることを特徴とする成形体に存する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、改良された機械強度および耐水性を有する複合樹脂組成物およびその成形体を提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の複合樹脂組成物について説明する。本発明の複合樹脂組成物は、以下の成分(A)〜(C)を必須成分として含有し、成分(D)を任意成分として含有する。
【0012】
成分(A)は植物系充填材であり、その具体例としては、例えば、パルプ、紙、合板、MDF(中質繊維板)、竹材などが挙げられる。切削屑、研磨屑、のこぎり屑、木粉の様な粉砕物、籾殻の様な穀物や果実などの殻やその粉砕物、ジュート、ケナフ等の植物繊維またはその粉砕物、廃木材、ダンボール、古紙などの粉砕物も挙げられる。これらの植物系充填材は2種類以上を併用してもよい。特に木粉が好適に使用される。植物系充填材の好ましい使用態様は、粉粒径1000μm以下の粉粒体の比率が80重量%以上である粉粒体である。斯かる粒径範囲の植物系充填材(特に木粉)は成分の混練時により均一に配合される。その結果、一層良好な機械物性と耐水性の複合樹脂組成物が得られる。
【0013】
成分(B)はポリオレフィンであり、その具体例は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレンとα-オレフィンの共重合体、プロピレンとα-オレフィンの共重合体、これらの2種類以上の混合物が挙げられる。これらの中では、コストと物性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。ポリオレフィンのMFRおよび密度は、特に制限されず、用途および成形法に応じて選択することが出来る。なお、ポリオレフィンは、家電、容器、自動車などから回収されたポリオレフィンでもよい。
【0014】
成分(C)は、特定のMFRを有し、酸基または酸無水基を有するモノマーのグラフト付加率が特定範囲にある変性ポリオレフィンであり、親和材として作用する。本発明において、変性ポリオレフィンについてMFRとグラフト付加率(酸量)を規定する理由は次の通りである。
【0015】
成分(C)のポリオレフィンに植物系充填材を配合して成る複合樹脂組成物への親和材作用機構に関しては次の様に考えられる。すなわち、グラフトされたモノマーの酸基または酸無水基が植物系充填材官能基と化学的親和性を形成し、また、グラフト幹であるポリオレフィン部がマトリクスであるポリオレフィンに絡み合うことにより、ポリオレフィンと植物系充填材間に高い相互作用を与え、植物性充填材がポリオレフィンマトリクス中に良好に分散する。従って、グラフトされたモノマー量は充填材官能基との作用に影響を与え、また、MFRによって示される変性ポリオレフィンの分子量はマトリクスであるポリオレフィンとの分子鎖との絡み合いに大きく影響し、これらは得られる複合樹脂組成物の機械物性と耐水性に影響をもたらす。
【0016】
要するに、酸量がいくら高くともMFRが特定範囲から外れる場合は、ポリオレフィンマトリクスへの絡み合いが不十分となり、MFRが特定範囲内であってもグラフト付加率が少ない場合は、植物系充填材の官能基への作用が低くなり、結果として親和性能が低くなる。
【0017】
すなわち、親和材として、MFRとグラフト付加率が本発明で特定範囲にある変性ポリオレフィンを使用することにより、ポリオレフィンに植物系充填材を配合して成る複合樹脂組成物の機械物性と耐水性を高めることが出来る。また、斯かる複合樹脂組成物の成形により、機械強度と耐水性に優れ且つ植物系充填材系の外観を有する成形体を得ることが出来る。
【0018】
本発明におけるグラフト付加率(酸量)の定義は、未反応モノマーを除いたグラフトされた酸基または酸無水基量を意味する。その理由は次の通りである。すなわち、酸基または酸無水基を有するモノマーをグラフトした変性ポリオレフィンは、通常、当該モノマーがポリオレフィン主鎖にグラフト反応で結合したグラフトポリオレフィン、未反応モノマー及び未反応ポリオレフィンの混合物から形成されており、結合したモノマーと未反応のモノマーの比率(モル比)は、反応方法や条件によって影響され、3:7〜9:1と広い範囲で異なってくる。この未反応モノマーは、ポリオレフィンに結合されていないことから、親油性と親水性のバランスが取れておらず、木粉などの植物系充填材とポリオレフィンとの配合物の親和材としての作用は低い。そこで、本発明においては実施例に示した方法で未反応モノマーを除去した後のグラフト付加率(酸量)を使用している。
【0019】
酸基または酸無水基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。これらは2種類以上の混合物で使用してもよい。これらの中では無水マレイン酸が好ましい。無水マレイン酸の使用により、一層優れた物性の複合樹脂組成物が得られる。
【0020】
変性ポリオレフィンとして、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン等が挙げられ、これらは2種類以上の混合物で使用してもよい。これらの中では無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましい。無水マレイン酸変性ポリプロピレンの使用により、安価で且つ物性がより優れた複合樹脂組成物が得られる。
【0021】
本発明における変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンに酸基または酸無水基を有するモノマー及び有機過酸化物を反応させることによって得ることが出来る。反応方法として、例えば、攪拌機を有するベッセル型大型反応装置を使用し且つ必要に応じて有機溶剤を使用する加熱混合方法、押出機を使用する溶融混練方法などがあるが、製造コストが低い変性ポリオレフィンを得ることが出来る観点から、溶融混練方法が好ましい。
【0022】
本発明における変性ポリオレフィンのMFRは、180℃、21.2N荷重の条件で測定した値として、4〜700g/10分の範囲でなければならず、好ましくは5〜500g/10分の範囲である。MFRが4g/10分未満の場合は変性ポリオレフィンと植物系充填剤の相互作用が低下し、700g/10分を超える場合は、変性ポリオレフィンとポリオレフィンとの絡み合いが不十分となり、結果として得られる複合樹脂組成物の耐水性や機械強度が低くなる。
【0023】
本発明における変性ポリオレフィンにおいて、酸基または酸無水基を有するモノマーのグラフト付加率は、0.10〜5.0重量%の範囲でなければならず、好ましくは0.15〜3.0重量%の範囲である。モノマーのグラフト付加率が0.10%未満の場合は、変性ポリオレフィンと植物系充填剤の相互作用が低下し、得られる複合樹脂組成物の耐水性や機械強度が低下することになり、グラフト付加率が5.0%を超える場合は、付加モノマーと幹ポリオレフィンとのバランスが崩れ、得られる複合樹脂組成物の機械強度が低下する他、変性ポリオレフィンの製造難易度が上がり、製造コストが大幅に増加する。なお、本発明における変性ポリオレフィンは、未反応モノマーを除去後のグラフト付加率が上記範囲を満足していればよく、未反応モノマーを含んでいても構わない。
【0024】
成分(D)は無機系充填材であり、その具体例としては、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、大理石粉や各種金属粉などが使用される。これらは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されていても良い。さらに、必要に応じて、ガラス繊維や炭素繊維も使用できる。
【0025】
本発明の複合樹脂組成物において、成分(A):(B)の比率は、40〜90重量%:10〜60重量%、好ましくは50〜90重量%:10〜50重量%(但し両成分の合計は100重量%)である。成分(A)の比率が40重量%未満の場合は、機械強度が低下する他、得られた成形品の外観から植物繊維系風合いが低下して製品価値が低くなり、しかも、植物系産業廃棄物の有効利用という本来の目的から遠のく。一方、成分(A)の比率が90%を超える場合は、成分(B)への分散が悪くなり、得られる複合樹脂組成物の耐水性や機械強度が低下する。
【0026】
本発明の複合樹脂組成物において、成分(A)及び(B)の合計を100重量部とした際の成分(C)の比率は、1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。成分(C)の比率が1重量部未満の場合は、成分(B)に対する成分(A)の分散が悪くなり、得られる複合樹脂組成物の耐水性や機械強度が低下する。成分(C)の比率が15重量部を超える場合は、成分(B)に対する成分(C)の比率が増え、熱安定性や機械強度が低下する他、製造コストの増加をもたらすことになる。
【0027】
本発明において、任意成分である成分(D)は、耐水性、寸法安定性、熱安定性の向上のために使用される。成分(D)の比率は、成形品の用途および要求性能に応じ決定されるが、成分(A)と(B)と(D)との合計量に対して通常30重量%以下である。成分(D)の比率が30重量%を超える場合は、得られた成形品の外観から植物繊維系風合いが低下して製品価値が低くなる他、分散が悪くなり耐水性や機械強度が低下することがある。なお、その下限は通常1重量%である。
【0028】
本発明の複合樹脂組成物には、前記の成分の他に、必要に応じ、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、核材、難燃剤、顔料、染料などの各種添加剤を適量加えることが出来る。
【0029】
本発明の複合樹脂組成物は、例えば、ニーダー、ニーダールーダー、ロール、バンバリーミキサー等の混合機や一軸または二軸押出機を使用し、前記の各成分を溶融混練する方法などで製造することが出来る。溶融混練により、成分が均一に混合され、より安定した機械物性の複合樹脂組成物が得られる。
【0030】
次に、本発明の成形体について説明する。本発明の成形体は前述の複合樹脂組成物から成ることを特徴とする。そして、本発明の成形体は、用途に応じて選択される、シート押出成形、異型押出成形、射出成形などの公知の成形法で製造される。また、成形に当り、前述の複合樹脂組成物のペレットを使用する他、前述の各成分を使用し、組成物化と共に成形する方法を採用してもよい。特に、押出成形によれば、良好な物性を有し且つ木質系外観を有する成形体が得られる利点がある。
【0031】
本発明の複合樹脂組成物(成形体)の用途は、特に制限されず、従来から熱可塑性樹脂が使用されてきた多くの分野で使用することが出来、中でも、建築用各種部材、各種工業部品、絶縁材料などの分野、特に、建築用各種部材に好適に使用できる。具体的には、巾木、ドア材、床材、天井材、該壁材、外壁材、ガーデンデック材、ベンチ材、洗面化粧台材、カウンター材、窓枠材、廻り縁木材、手すり材、取っ手材、構造材、土木角地材、型枠材、遮蔽板、遮音板、家具の箱天井、扉、棚板、幕板、甲板、背板、座板、厨房部材、防水材、防カビ材、防蟻材、雨戸板、腰板、側板、バスユニット床バン、テレビ、各種キャビネット、足場材、表面化粧板、ピアノ及びオルガンの親板、大屋根、巻き屋根、上下巻物などに使用できる。
【実施例】
【0032】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用した物性測定方法および材料は次の通りである。
【0033】
<物性測定方法>
(1)木粉の粒径:
(株)矢澤化学製ロータップ式振動篩い機にJIS試験用ふるい8種(JIS Z 8801-1準拠)をセットし、振動数150回/分、ハンマリング75回/分の条件で15分間処理し、十分分別して各粒度の重量比率を求め、表1に整理した。
【0034】
(2)MFR:
タカラ工業(株)製MFR試験機に試料をセットし、所定温度において、21.2Nの荷重を掛け、JIS K 6921−2の方法に従って測定した。
【0035】
(3)変性ポリプロピレンからの未反応モノマーの除去と除去後のグラフトモノマー量の測定:
攪拌機と還流冷却管を付けた1Lのセパラブルフラスコに試料(変性ポリプロピレン)2gとキシレン200ccを採り、マントルヒーターで加熱し、還流下で30分攪拌し、試料を完全に溶解させた。その後、冷却を開始し、キシレン温度が80℃以下となったところで、アセトン800ccを滴下する。析出した沈殿を濾過機で分別した後、アセトン2000ccで十分リンスした。その後、60℃に保った真空乾燥機を使用し、沈殿からアセトンを揮散させ、未反応モノマーを除去した変性ポリプロピレンを得た。乾燥後の沈殿をプレスし、IR法で無水マレイン酸グラフト付加率を定量した。変性ポリプロピレンAの未反応モノマー除去前の無水マレイン酸グラフト付加率は0.52重量%、除去後の無水マレイン酸グラフト付加率は0.35重量%であった。同様にして、変性ポリプロピレンB〜Hについて、未反応モノマー除去後の無水マレイン酸グラフト付加率を求め、表3に整理した。
【0036】
(4)シートの曲げ強度:
JIS K7171に準拠して測定した。
【0037】
(5)シートの引張強度:
JIS K7113に準拠して測定した。
【0038】
(6)シートの吸水率:
90mm×90mmの試料を使用し、50℃×24時間で真空乾燥後(10mmHg)の重量(W1)を測定した後、23℃で純水に24時間浸漬後の重量(W2)を測定し、以下に示す計算式で重量増加量の重量%を求めた。
【0039】
【数1】

【0040】
<材料>
(1)植物系充填材:
粒径1000μm以下の粉粒体の比率が90重量%である木粉を使用した。粒径分布は表1に示す通りである。
【0041】
【表1】

【0042】
(2)無機系充填材:
平均粒径0.5μmのタルクを使用した。
【0043】
(3)ポリオレフィン:
以下の表2に記載のポリプロピレン(PP)を使用した。
【0044】
【表2】

【0045】
(4)変性ポリオレフィン(親和材):
表3に示す無水マレイン酸変性PPを使用した。この中で、比較例に使用した変性PP(G)と(H)は、市販の低分子の無水マレイン酸変性PPであり、それぞれの数平均平均分子量は、15,000と4,000である。
【0046】
【表3】

【0047】
実施例1〜16及び比較例1〜10:
表4〜7記載の各成分の所定重量部を予備混合し、東洋精機(株)製ラボプラストミルを使用し、設定温度200℃、回転数80rpmの条件で2分間溶融混練し、複合樹脂組成物を得た。この複合樹脂組成物からプレスシート成形法で膜厚2mmのシートを作成し、物性測定に供した。なお、得られたシートは全て木質系の外観を有していた。
【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A):植物系充填材、成分(B):ポリオレフィン、成分(C):180℃、21.2N荷重の条件で測定したMFRが4〜700g/10分の範囲にあり、酸基または酸無水基を有するモノマーのグラフト付加率が0.10〜5.0重量%の範囲にある変性ポリオレフィンを含有して成り、成分(A):(B)の比率が40〜90重量%:10〜60重量%(但し両成分の合計は100重量%)であり、成分(A)及び(B)の合計を100重量部とした際の成分(C)の比率が1〜15重量部の範囲にあることを特徴とする複合樹脂組成物。
【請求項2】
更に、成分(D):無機系充填材を含有して成り、その比率が成分(A)と(B)と(D)との合計量に対して30重量%以下である請求項1に記載の複合樹脂組成物。
【請求項3】
各成分を溶融混練して得られる請求項1又は2に記載の複合樹脂組成物。
【請求項4】
成分(A)が木粉である請求項1〜3の何れかに記載の複合樹脂組成物。
【請求項5】
成分(A)が粉粒体であり、粒径1000μm以下の粉粒体の比率が80重量%以上である請求項1〜4の何れかに記載の複合樹脂組成物。
【請求項6】
成分(B)がポリプロピレンである請求項1〜5の何れかに記載の複合樹脂組成物。
【請求項7】
酸無水基を有するモノマーが無水マレイン酸である請求項1〜6の何れかに記載の複合樹脂組成物。
【請求項8】
成分(C)が無水マレイン酸変性ポリプロピレンである請求項1〜7の何れかに記載の複合樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の複合樹脂組成物から成ることを特徴とする成形体。

【公開番号】特開2006−2052(P2006−2052A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180474(P2004−180474)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】