説明

複数の光源を有するランプユニット及び同ユニットに対する駆動設定を選択するためのトグル方式による遠隔制御の方法

本発明は、ランプユニットへと供給される切替え信号Sinに基づいて複数の光源に対する一連の駆動設定Sa乃至Seを制御するよう適応された制御ユニット110を用いて、複数の光源120a乃至120eが制御されるランプユニット100に関する。切替え信号の停止と、続く再起動との間に経過した時間に応じて、制御ユニットは予め決められた態様で現時点の駆動設定をセットするよう当該制御ユニットが構成されている。第1の所定の時間間隔内では、光源に対する次の駆動設定が用いられ、第2の所定の時間間隔の後は、光源に対するこれまでの駆動設定が用いられ、第1の所定の時間間隔の終わりと第2の所定の時間間隔の終わりとの間にある中間の時間間隔内では、予め決められた駆動設定が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を備えたランプユニットと、当該ランプユニットへと供給される切替え信号に基づいて光源に対する一連の駆動設定を制御するよう適応された制御ユニットとに関する。本発明はまた、前記切替え信号に基づいて複数の光源を制御する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
特定の態様で電源スイッチをオン/オフさせて現時点の駆動設定を選択することにより、複数の光源の駆動設定を操作することが知られている。米国特許公開公報US 2007/0064419 Alは、種々異なる色の状態を出力するために、制御ユニットと時間感応性のあるオン/オフ切替え法とを用いて一つ以上のLED照明の駆動設定を制御する方法を開示している。LED照明の一連の駆動設定によって色の状態が支配される。所定の制限時間、即ち予め決められた切替え時間の範囲内に断続的に電源スイッチをオン/オフすることによって、一連の駆動設定の中から次の駆動設定がセットされる。このように、切替え時間内に断続的に電源を繰り返し切替えることによって、ユーザが、ある色状態から別の色状態へと切り替えることができる。第2の所定の制限時間、即ち同期時間の範囲内では、ユーザによって最後に選択された状態がセットされる。したがって所望の色状態を選択するためには、ユーザは単に同期時間の終わりまでシステムを放置しておく。更にスイッチが切られたときに、本方法は現時点での操作状態、色、及び色の組合せを保存する特徴を備えており、次に照明がスイッチオンされた時に駆動設定を復元する特徴も備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロータリースイッチによって照明を制御するための、時間感応性があるオン/オフの切替え方法は、便利な態様でユーザが室内の種々異なる照明の設定を選択するための柔軟性を提供する。しかしながら、照明システムが斯様な方法により支配される複数のロータリースイッチを有する場合、過剰な数の色状態が考えられるというリスクがあり、更に、例えば照明システムが点灯されたときに、ロータリースイッチの現時点の色状態が互いにずれてしまうかも知れないというリスクがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、オン/オフ切替えに基づいて複数の照明を制御するための改善された方法を提供することである。本方法が発光デバイス、対応する照明器具、及び対応するシステムにおいて用いられる。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、この目的及び他の目的が、複数の光源を有するランプユニットと、当該ランプユニットへと供給される切替え信号に基づいて複数の光源に対する一連の駆動設定を制御するよう適応された制御ユニットとを用いて達成される。当該制御ユニットは以下のように構成される。切替え信号が停止され且つ第1の所定の時間間隔内で続いて再起動された場合、光源に対する次の駆動設定が使用される。又はそうではなく、切替え信号が停止され且つ第2の所定の時間間隔の後に続いて再起動された場合、光源に対するこれまでの駆動設定が使用される。又はそうではなく、切替え信号が停止され且つ第1の所定の時間間隔の終わりと第2の所定の時間間隔の終わりとの間に設定された第1の所定の中間の時間間隔内で続いて再起動された場合、予め決められた駆動設定が使用される。このように、オン/オフが交番する切替え換信号を発生させることによって、ユーザが所望する光源の駆動設定を都合よく選択できるよう切替え信号に応答するランプユニットが提供される。駆動設定の変更が、次の駆動設定又はこれまでに選択された駆動設定であるよう選択されてもよい。即ち、ユーザが異なる選択へと進んでもよいし、又はこれまでに選択した駆動設定へと戻ってもよい。切替え信号のオン/オフ状態が変化する間の時間間隔が駆動設定を決定し、したがって照明の光出力を決定することだろう。更に、第1の中間の時間間隔を提供することによって、所定の色又は所定の照明状態に対する光源の再設定が実現され、このことはランプユニットの一連の駆動設定中に多数の状態がある場合に好都合である。更に、例えば照明器具中で又は室内のスポット光として複数のランプユニットが使用されて、共通の切替え信号に反応する場合、電源のスイッチが入れられたときに、個々のランプユニットが意図せずに異なる状態、例えば異なる色又は異なる方向をもつ出力光になる可能性がある。本発明の概念では、ランプユニットを所定の状態、例えば同じ色をもつようリセットする可能性が、ランプユニットのスイッチを切った後、第1の中間の時間間隔内にランプユニットをスイッチオンにすることにより実現される。これ故、特定の予め決められた態様で、ランプユニットがこうして互いに同期をとられる。
【0006】
ランプユニットの一実施例によれば、切替え信号が停止され、且つ前記第1の所定の時間間隔の終わりと前記第1の中間の時間間隔の終わりとの間に設定された所定の第2の中間の時間間隔内で続いて再起動された場合、第2の所定の駆動設定が使用されるよう制御ユニットが更に構成される。このように、ランプユニットが切替え信号の操作により決められた複数の所定の駆動設定へとリセットされることができ、これは、種々異なるタイプの光学的な効果/照明効果が所望される場合に好都合である。例えばランプユニットが、単に機能の一つをリセットすることが所望されることができるのに比べて複数の主要な機能、例えば一つは光のパターンを壁に投射するための機能、及び一つは雰囲気を提供するための機能を有することができる。
【0007】
ランプユニットの一実施例によれば、光源は種々異なる色の光を発するよう適応されており、これによって本発明の概念がランプユニットに対する現時点の全体の色の状態を変更するための態様を好都合にも提供する。所望する種々異なる色の組合せが実現されるよう種々異なって着色された光源を駆動するために、一連の駆動設定が選ばれてもよい。この態様で、空間の照明が所望の雰囲気を提供するよう変更され、例えば作業用照明からロマンチックな照明へとユーザフレンドリな態様で変更されることができる。
【0008】
本ランプユニットの一実施例によれば、切替え信号が電源スイッチを用いて、又はリモコンと、当該ランプユニット内に配置された対応する受信器とを用いて供給される。したがって切替え信号を出力するために、ランプユニットが取り付けられている照明器具の電源スイッチ又はリモコンが使用される。後者の場合、ランプユニット又は当該ランプユニットが載置された照明器具は更に、斯様なリモコンの信号を受信するための手段と共に構成される。
【0009】
本ランプユニットの一実施例によれば、光源の少なくとも一つの駆動設定は、複数の駆動設定のうちの予め決められたシーケンスを有する。このように、所定の駆動設定に対して予め決められた光のパターンの変化、例えば点滅パターン、一連の色などが実現されるよう、特定の駆動設定自身が一連の駆動設定を含むことができる。
【0010】
ランプユニットの一実施例によれば、光源は発光ダイオード、即ちLEDを有し、これは好都合である。
【0011】
ランプユニットの一実施例によれば、当該LEDは多色LED、例えばRGB(赤-緑-青)又はRGBW(赤-緑-青-白)のダイオードである。
【0012】
ランプユニットの実施例によれば、ランプユニットは更にランプソケットに嵌合するよう構成されたランプの口金を有する。ランプユニットが、斯様なランプソケットをもつ既存の照明部品又は既存の照明器具へと例えば改造されてもよい。このように、本発明によるランプユニットがフィラメント電球、ハロゲンランプなどの白熱光源を置き換えるために使用されるか、又は当該白熱光源に通常使われる照明取付け具に嵌合させるために都合よく使われることができる。ユーザは、高価で非効率的な既存の照明器具中の白熱光源を本発明の概念によるランプユニットと好都合にも置き換えることができるので、これは長所である。一体化された制御ユニットに起因して、ランプユニットの機能は当該ランプユニットが嵌合するよう適応されたランプソケットを備えたどのような照明器具にも都合よく適用できる。標準タイプのランプソケットは、例えば従来からあるねじ込みソケットか、又は差込みソケットである。前者の場合ランプの口金は、適切なネジを有する従来からあるねじ込みタイプのランプの口金である。
【0013】
本発明の別の態様によれば、本発明の概念による少なくとも一つのランプユニットを有する照明器具が提供される。本発明の概念による複数のランプユニットを使用する場合、全てのランプユニットを所定の駆動設定へとリセットすることが出来るのは非常に重要であり、これは本発明の概念によって好都合に実現される。
【0014】
照明器具の一実施例によれば、照明器具内に有る単一の電源スイッチが、切替え信号を少なくとも一つのランプユニットへと提供する。
【0015】
一実施例によれば当該照明器具は更に、切替え信号に基づいて少なくとも一つのランプユニットに対する一連の駆動設定を制御するよう構成された共通の制御ユニットを有する。したがって個々のランプユニットに対する切替えが、共通の制御ユニットによって更に制御されることができる。
【0016】
本発明の別の態様によれば、複数のランプユニット又は複数の照明器具を有する照明システムが提供される。切替え信号が電源スイッチを用いて供給されるか、又はリモコンと、ランプユニット若しくは照明器具に配置された少なくとも一つの対応する受信器とを用いて供給される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、切替え信号に基づいて複数の光源を制御する方法が提供され、当該方法は、
− 駆動設定であって、当該駆動設定のうちの一つが光源に対する現時点の駆動設定としてセットされている、一連の駆動設定を光源に対して提供するステップと、
− 切替え信号の停止を検出するステップと、
− 切替え信号の停止と、後続する起動との間に経過した時間を測定するステップと、
を含み、経過時間が第1の所定の時間間隔よりも短い場合は、
- 次の駆動設定を現時点の駆動設定としてセットするステップ、
を含み、又は経過時間が第2の所定の時間間隔よりも長い場合は、
- 現時点の駆動設定を維持するステップ、
を含み、又は経過時間が第1の所定の時間間隔の終わりと第2の所定の時間間隔の終わりとの間に設定された第1の中間の時間間隔内にある場合は、
- 現時点に駆動設定を予め決められた駆動設定へとセットするステップ、を含む。
【0018】
実施例によれば本方法は更に、経過時間が第1の所定の時間間隔の終わりと第1の中間の時間間隔との間に設定された第2の中間の時間間隔内にある場合は、現時点の駆動設定を第2の駆動設定へとセットするステップ、を含む。本方法が、特定のアプリケーションに応じてそれぞれの所定の駆動設定を有する更なる中間の時間間隔を有してもよい。
【0019】
本発明が、請求項において詳述されている特徴の全ての考え得る組合せに関することを留意されたい。
【0020】
本発明の実施例を示している添付の図面を引用して、本発明の上記の態様及び他の態様がここで更に詳細に説明されることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の概念によるランプユニットの実施例を例示している基本ブロック図である。
【図2a】本発明の概念による切替え挙動のスケジュールが一つの中間の時間間隔を含む例を例示する。
【図2b】本発明の概念による切替え挙動のスケジュールが複数の中間の時間間隔を含む例を例示する。
【図3】本発明の概念によるランプユニットの実施例の断面の側面図である。
【図4】本発明の概念による照明器具の実施例を例示している概観的なブロック線図である。
【図5】図4にて図示した本発明の概念による照明器具の実施例に対する駆動設定の例証的なシーケンスを例示している表である。
【図6】本発明の概念による方法の例証的な実施例を例示しているフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで本発明の概念による実施例が、本発明の特定の実施例が示されている添付の図を参照してこれ以降より詳細に説明されることであろう。しかしながら、本発明は多くの異なる形で実施されることができ、本発明が本願明細書において記載された実施例に限定されると解釈されてはならない。むしろ、本開示が完全で且つ完璧であるよう、及び本発明の範囲を当業者に詳細に伝えるよう、これらの実施例は例の態様にて提供されている。同じ数値は全体を通して同じエレメントを表している。
【0023】
本発明によるランプユニット100の実施例の基本的な構成を例示しているブロック線図が図1に例示されている。ランプユニット100は複数の光源120a乃至120eを有し、これらは光を電気から作り出すよう構成されている。本願明細書では光源は種々異なる色又は白色光の光を発する発光ダイオード、即ちLEDである。これは、幾つかの実施例において幾つかの光源が同じ色の光を生成するよう適応されることを禁止するわけではない。本発明においては、白色光は白色又は白っぽい光として視覚的に認知可能な光であり、一方、着色光はより狭い波長スペクトルをもつ白色以外の光であり、当該光は例えば赤色、緑色、青色、黄色等として人間に視覚的に認知可能である。白色光を出力するLEDが青色LEDの光の部分的な蛍光体変換によって例えば提供されてもよいし、又は白色光の色温度へと調整するために種々異なる色のLEDチップの組合せによって、若しくは蛍光体変換された青色LEDと他の色のLEDとの組合せにより提供されてもよく、一方、当業者により理解されるように、着色LEDにより発される光の色は、使用された半導体材料の構成及び条件に依存する。更に本発明によるランプユニットの着色LEDは、RGBのLEDチップ、RGB及び白色、又はRGB及び琥珀色などの種々異なる色を発する複数のLEDチップを含んだパッケージでもよい。本発明のランプユニットの実施例の色光源は固定色光源でもよいし、又は様々な(マルチチップの)色光源でもよい。また、本発明のランプユニットの白色光源は固定色温度の光源でもよいし、又は可変色温度の光源でもよい。更に、光源が指向性をもってもよく、結果としてLEDの頂部発光機能及び側部発光機能が、LEDの適切な一次光学系を使用するか、又はLEDの本質的な物理的形状によるかの何れかで実現される。主にLEDが本願明細書において説明されているものの、他のタイプの適切な光源が制御されシーケンス化された駆動設定をもつ本発明の概念に適用できることに言及せねばならない。
【0024】
光源120a乃至120eは、当該光源120a乃至120eの駆動設定Sa乃至Seを制御する制御ユニット110と連通している。制御ユニット110は更に、本願明細書では電源スイッチ105を介して供給される切替え信号Sinを受信するよう構成されている。電源スイッチはユーザにより操作される手動の電源スイッチでもよいし、又は、ユーザにより操作されて、ランプユニットに配置された受信器(図示されず)により受信された切替え信号を送信するリモコンでもよい。更に、部屋、建物、又はエリアの照明を制御するように設計された照明システムから、切替え信号が電気的に出力されてもよい。
【0025】
駆動設定Sa乃至Seとは、制御された態様で電力をそれぞれの光源120a乃至120eへと供給する設定である。駆動設定は静的でもよいし、又は動的(時間と共に変化する)でもよく、電圧レベル、電流レベル、又は駆動信号の周波数に通常関与している。制御ユニット110は更に、一連の駆動設定を光源へと出力するよう構成されており、結果として、複数の状態の駆動設定が光源へと出力されることができる。例えば電力を与えられた光源と電力を与えられてはいない光源とによる種々異なる静的若しくは動的なパターンを出力するために、光源が指向性のある光を生成するのに利用される場合は種々異なる光の方向を出力するために、ランプユニットからの種々異なる色を出力するために、又はこれらの状態の組合せを出力するために、駆動設定が選択される。ランプユニット100の駆動設定の状態を切替えるために切替え信号が利用される。
【0026】
切替え信号に基づいて、制御ユニット110が一連の駆動設定のうちの現時点の状態を制御するよう構成される。図2a及び図2bはランプユニット100の切替え挙動のためのスケジュールの二つの例を示しており、これらの図は駆動設定のシーケンスにおいて、どのように切替え信号が操作されるかによって如何に種々異なる状態が実現されるかを例示している。x-軸は切替え信号を停止させた後の時間を表し、本願明細書ではこれ以降ランプユニットのスイッチを切った時間と呼ぶ。切替え信号が別個の切替えデバイスを具備してもよく、同デバイスが必ずしも電源スイッチであるというわけではないことに留意されたい。ランプユニットがスイッチを切られた後に、どの時間tpoで切替え信号が再起動されるかに応じて種々異なる状態が実現される。ここで図2aを参照すると、切替え信号が第1の所定の時間間隔t1秒、この図示例では5秒以内に再起動された場合、駆動設定は次の駆動設定へとセットされる。第1の所定の時間間隔以内に切替え信号を断続的にオン/オフすることによって各々の新たなオフ信号で再初期化されることになり、種々異なる状態においてランプユニットから得られる種々異なる光出力を比較するために、ユーザは一連の駆動設定を次々にトグルすることができる。
【0027】
更に続けると、切替え信号が第2の所定の時間間隔t2、この図示例では12秒が経過した後に再起動された場合、駆動設定はこれまでの状態にセットされる。即ち、ランプユニットが充分な時間停止され、この後に再度起動された場合、最後に用いられた駆動設定が使用される。
【0028】
中間の時間間隔t3が第1の時間間隔t1の終わりと第2の間隔t2の終わりとの間に設定されている。切替え信号がこの中間の時間間隔内で再起動された場合、即ち本願明細書ではランプユニットがスイッチを切られた7秒から12秒の間に再起動された場合、駆動設定は予め決められた駆動設定へとセットされ、本願明細書ではこれ以降リセット状態と呼ぶ。
【0029】
図2bは、切替え挙動のスケジュールが如何に複数の中間の時間間隔、即ち第1の時間間隔t1の終わりと第2の間隔t2の終わりとの間に配置された複数の時間間隔を含むかを例示している。図では第2の中間の時間間隔t4が配置されているが、中間の時間間隔の数は、特定のランプユニット及び対応する照明アプリケーションに応じて好ましくはセットされる。アプリケーションによっては時間間隔が重複してもよい。
【0030】
図3は、本発明の概念の一実施例による例証的なランプユニット200を例示する。四つの光源120a乃至120dが基板280の両側に2個ずつ取り付けられている。制御ユニット110が同基板上に配置され、光源120a乃至120dへの導電線(図示せず)が同基板に配置される。当該基板が、ランプユニット200を既存の照明器具へと(旧来の方法にて)取り付けるためのネジタイプのソケットに嵌め合わせるよう構成された従来のランプ口金290に取り付けられる。しかしながら他の標準のランプソケット又は専用のランプソケットも用いられることが可能である。更に、基板上にある光源120a乃至120dがガラス球250に封入される。このタイプのランプユニットが既存の照明器具において好都合にも利用され、既存の照明器具に何らかの構造変更をすることも無く、本発明の概念がもつ機能を提供することであろう。
【0031】
ランプユニット(図示せず)の一実施例によれば、複数の光源のうちの少なくとも一つは指向性をもつ光源である。指向性をもつ光源は、概して特定の方向に光を発するよう、又は限られた出射角をもつ光を発するよう適応された、例えば全方向発光器とは対照的に上方向の発光器をもつ光源である。ランプユニットは例えば、全方向光源を用いて全ての方向に白色光を発するように構成され、一方で、上方向の発光源を用いて上方向には青色光を発する。斯様な例証的な実施例の照明を制御するための駆動設定のシーケンスは、白色光源オン−青色光源オフ、白色光源オフ−青色光源オン、及び白色光源オン−青色光源オン、を含む。
【0032】
図4は、電源スイッチ405をもつ照明器具300内に配置された三つのランプユニット200、同200'、同200"の概観的な例示である。ランプユニット200、同200'、同200"は、異なる数の光源120a乃至120c、120a'乃至120d'、120a"乃至120c"を有し、
これらのそれぞれの制御ユニット110、同110'、同110"は、図5に例示するような異なる駆動設定のシーケンスでそれぞれの光源を制御するよう構成される。ランプユニット200は七つの選択可能な駆動設定の状態をもち、状態[1 1 1]がリセット状態であるよう選択される。ランプユニット200'は五つの選択可能な状態をもち、状態[1 1 1 1]がランプユニット200'のリセット状態であるよう選択される。ランプユニット200"は各々の状態が次の三つの状態を次々にトグルする六つの選択可能な状態をもち、状態[0 1 0、1 0 1、〔1 1 1〕]がランプユニット200"に対するリセット状態として選択される。図2を参照して上で説明したように、ランプユニットの切替え挙動のためのスケジュールを考慮して電源スイッチ405が操作されると共に、個々のランプユニット200、同200'、同200"の状態と、これらの複合状態に対して実現可能な多くの状態とに起因して、及びランプユニットの駆動設定が同期していないことに起因して、照明器具300からの多種多様な光出力が実現可能であることが容易に理解される。リセット状態は次に、所望する駆動状態の初期選択へのランプユニットの同期を提供する。
【0033】
図2に例示したような切替え挙動のスケジュールが、例えば種々異なる時間間隔を示すためのLEDを備えたリモコンの電源スイッチを提供することによってユーザに示されてもよい。第1の所定の時間間隔が例えば緑色光によって示されてもよいし、駆動設定をリセットするための第3の所定の時間間隔が青色光によって示されてもよい。この態様で、ユーザは直観的な方法で次々にトグルして、緑色光が光っている間に所望の駆動設定を選択することができ、又は青色光まで待って駆動設定をリセットすることができる。ユーザが緑色光まで待ち、青色光がオフである場合、ランプユニットがスイッチを入れられたときに、これまでに選択された駆動設定が再び用いられることであろう。
【0034】
図6は、本発明の概念による方法を例示しているフロー図である。複数の光源を制御する本方法は、上で説明されたランプユニット又は照明器具において利用されることができ、本方法は更に、ランプユニット又は照明器具の電源スイッチから出力される切替え信号に基づいている。本方法は、駆動設定であって、当該駆動設定のうちの一つが光源に対する現時点の駆動設定としてセットされている、一連の駆動設定を光源に対して提供するステップを含む。電源がスイッチを切られた場合、この事実が検出される。即ち切替え信号の停止の検出が実行される。次に、前記切替え信号の停止と次の起動との間の経過時間tpoの測定が実行される。経過時間tpoが、図6で5秒にセットされた第1の所定の時間間隔よりも短い場合、次の駆動設定、本願明細書では次の色/状態が、光源に対する現時点の駆動設定としてセットされる。本願明細書では状態とは、色又は光のパターン/機能、例えば減光を表す。経過時間tpoが第2の所定の時間間隔よりも長い場合、現時点の駆動設定(これまでの色/状態)が維持される。しかしながら経過時間tpoが、第1の所定の時間間隔5秒の終わりと第2の所定の時間間隔12秒の終わりとの間に設定された中間の時間間隔、7秒乃至12秒以内にある場合、現時点の駆動設定が、予め決められた駆動設定(白色/状態)へと設定される。第3の時間間隔は本願明細書では7秒と12秒との間にセットされている。第1の時間間隔、第2の時間間隔、及び中間の時間間隔が、さまざまな態様で選択されてもよく、好ましくは現用の照明アプリケーションにフィットするよう調整される。
【0035】
ランプユニットの一実施例によれば、複数の光源のうちの少なくとも一つは残りの複数の光源の光を発する方向とは別の方向に光を発する。幾つかの実施例では、種々異なる色の光も発するランプユニットからの光の複数の発光方向と、一連の駆動設定に従ってセットされる光源とが、本ランプユニットにより実現される照明の高度な柔軟性を可能にする。これは色の選択に適用するばかりでなく、更に例えばスポット照明機能若しくは背景照明機能、又は両方の組合せの間で光の機能が容易に変更される。
【0036】
本発明の概念によるランプユニットの例証的な実施例において、ランプユニットがベッドの読書灯で使用されるよう設計される。当該ランプユニット(図示せず)は、作業光(色は例えば琥珀色)か若しくは雰囲気光(色は白)、又は作業光と雰囲気光とを同時に提供できるよう構成される。当該ベッドの読書灯は更に、ランプユニットが応答するよう構成された共通の電源スイッチを備える。当該ベッドの読書灯がスイッチを切られ、続いて再び点灯された場合、切替え信号の停止と起動との間に経過した時間tpoは、以下に従って読書灯のもつ異なる機能を提供することであろう。
tpo<5秒 → 照明は次の色/状態へと切り替えられる。
5秒<tpo<7秒 → ベッドの読書灯の機能が選択される。
この状態で、照明出力は100%の光出力から0%の光出力へと減光される。
7秒<tpo<13秒 → ランプユニットが白色光にリセットされる。
tpo>13秒 → 照明がこれまでの色/状態に切り替えられる。
【0037】
このように、必要な機能に応じて追加の時間間隔がランプユニットに対して導入されることができる。更に、複数のランプユニットが共通の照明器具又は共通の照明システムに配置される場合、有効な時間間隔の数が個々のランプユニットに対する時間間隔の数よりも多いとユーザが感知できるように、ランプユニットに対する個々の時間間隔を違えることができる。
【0038】
当業者は、本発明が上で説明された好ましい実施例に決して限定されることはないと理解している。見方を変えれば、多くの修正及び変更が添付の請求項の範囲内で可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプユニットであって、
複数の光源と、
当該ランプユニットへ供給される切替え信号に基づいて前記複数の光源に対する一連の駆動設定を制御する制御ユニットと、
を有し、当該制御ユニットが、
前記切替え信号が停止され、且つ第1の所定の時間内に再開された場合には、前記光源の次の駆動設定が用いられ、
前記切替え信号が停止され、且つ第2の所定の時間後に再開された場合には、前記光源の前の駆動設定が用いられ、
前記切替え信号が停止され、且つ前記第1の所定の時間の終わりと前記第2の所定の時間の終わりとの間に設定された所定の第1の中間時間内に再起動された場合には、予め決められた駆動設定が用いられる、ランプユニット。
【請求項2】
前記制御ユニットが更に、前記切替え信号が停止され、且つ前記第1の所定の時間の終わりと前記第1の中間の時間の終わりとの間に設定された所定の第2の中間時間内に再開された場合には、予め決められた駆動設定が用いられる請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記光源が種々異なる色の光を発するよう適応されている、請求項1又は2に記載のランプユニット。
【請求項4】
前記切替え信号が電源スイッチか、又はリモコンと前記ランプユニットに配置された受信器とか、を用いて供給される、請求項1乃至3の何れか一項に記載のランプユニット。
【請求項5】
前記光源に対する少なくとも一つの駆動設定が、予め決められた駆動設定のシーケンスを含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のランプユニット。
【請求項6】
前記光源が発光ダイオードを有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のランプユニット。
【請求項7】
前記光源が複数のLEDダイオードである、請求項6に記載のランプユニット。
【請求項8】
ランプソケットに適合するように構成されたランプの口金を更に有する、請求項1乃至7の何れか一項に記載のランプユニット。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のランプユニットを少なくとも一つ有する照明器具。
【請求項10】
前記照明器具中に含まれる単一の電源スイッチが、前記切替え信号を前記少なくとも一つのランプユニットへ出力する、請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記少なくとも一つのランプユニットに対する駆動設定のシーケンスを前記切替え信号に基づいて制御するよう構成された共通の制御ユニットを更に有する、請求項9又は10に記載の照明器具。
【請求項12】
前記切替え信号が前記電源スイッチか、又は前記リモコンと前記ランプユニットに配置された少なくとも一つの前記受信器とか、を用いて供給される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の複数のランプユニットを有する照明システム。
【請求項13】
前記切替え信号が前記電源スイッチか、又は前記リモコンと前記ランプユニットに配置された少なくとも一つの前記受信器とか、を用いて供給される、請求項10に記載の複数の照明器具を有する照明システム。
【請求項14】
切替え信号に基づいて複数の光源を制御する方法であって、
前記光源の駆動設定シーケンスを提供するステップであって、ここで前記光源のある時点の駆動設定は該駆動設定シーケンスから設定されるものであり、
前記切替え信号の停止を検出するステップと、
前記切替え信号の停止と再開との間の経過時間を測定するステップと、を含み、
前記経過時間が第1の所定の時間よりも短い場合は、次の駆動設定をその時点の駆動設定として設定し、
前記経過時間が第2の所定の時間間隔よりも長い場合は、前記その時点の駆動設定を維持し、
前記経過時間が前記第1の所定の時間の終わりと前記第2の所定の時間の終わりとの間に設定された第1の中間の時間内にある場合は、前記その時点の駆動設定を予め決められた駆動設定に設定する、
方法。
【請求項15】
前記方法が更に、前記経過時間が前記第1の所定の時間の終わりと前記第1の中間の時間の終わりとの間に設定された第2の中間の時間内にある場合は、
前記その時点の駆動設定を予め決められた駆動設定に設定するステップ、
を含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−505550(P2013−505550A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530380(P2012−530380)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054071
【国際公開番号】WO2011/036595
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】