説明

複数の容器に充填するための機械、この種の機械を含んでいるシステム、および関連した製造方法

本発明は、ディスプレー(3)に配置される複数の容器(2)を満たすための機械に関する。前記機械(1)は、容器(2)に充填物質を移すように設計される回転可能な分配メンバー(4)を含んでいる。前記機械はまた、分配メンバー(4)およびディスプレー(3)の回転運動の組合せが、容器(2)を満たすために、分配メンバー(4)を各々の容器(2)に関連させることを可能にするように、ディスプレー(3)を回転させるための手段(10)を含むという点を特徴とする。本発明はまた、充填機械に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射の準備ができている例えばプレフィルド注射器のような、ひとまとまりのプレフィルド容器を得るために、例えば注射器のような小型の容器に自動的に充填する一般的な技術分野に関する。
【0002】
本発明は、特に、ラックに配置される複数の架けられた容器に充填するための機械に関し、前記機械は、容器に充填物質を移すように設計された回転可能な分配ユニットを有している。
【0003】
本発明はまた、
−ラックに配置された複数の容器に充填するための機械であって、容器に充填物質を移すように設計される回転可能な分配ユニットを備える機械、
−「ネスト」タイプのラック、および
−ラックに複数列に配置された例えば注射器のような複数の容器、を有するシステムに関する。
【0004】
最後に、本発明は、充填物質を収容する第1の容器を製造する方法に関し、前記方法は、前記第1の容器に充填するステップを有し、その第1の容器はラックに配置された複数の容器に属し、前記充填ステップは、分配ユニットによって第1の容器に充填物質を移送することを含んでいる。
【背景技術】
【0005】
二次元デカルト配列に複数の注射器を収容するためのラックに、後に薬剤製品が充填されることを意図した注射器を詰めることはよく知られている。そのようなラックは一般的にトレイの形をしており、表面に二次元のデカルト配列に配置されるチューブが備え付けられ、通常「ネスト」と呼ばれている。注射器にはチューブが装着されることが意図されている。従って、トレイのチューブに装着される複数の注射器は、互いに平行になって所定の位置に保持される。ラックはさらに通常「タブ」と呼ばれる容器を有しており、上部にネストを載置するように意図された内部リブと共にラックの自由上端部に向かって設けられている。ラックにかけられる注射器は、それ故に上部に向けられた(注入開口と向かい合う)充填開口を有し、二次元デカルト配列を形成し、平行な列に配置されている。
【0006】
新しく、空の注射器は、特にガラス製の場合に、通常、後に薬剤製品が充填されて栓がされるように、ネストとタブのユニットに予め詰められて輸送される。
【0007】
ネストに収容された注射器への充填は、オペレーターによって直接扱われる、おおよそ高機能のピペットによって手動で行われることができる。しかしながら、そのような手動による充填は、非常に定期的でない充填操作のために予定されており、注射器に多量に充填する場合には全く適していない。さらに、そのような手動による充填は、充填される注射器の近くおよび上方に人がいることを必要とし、それは大変かつ複雑な予防措置をとることを除いて、汚染のさらなるリスクを招く。最後に、注射器の充填開口は、場合によっては、極めて減少する横断面を有することができる。このため、作業者にとっては、注射器に充填するためにピペットのスタイレットを注射器の充填開口に迅速かつ正確に導くことが難しくなり得る。したがって、ユーザーには、注射器の開口を逃がしたり、および/または充填される注射器の外側に充填ピペットの内容の一部を移したりするというリスクが存在し、そこから結果として生じ得る全ての欠点をもたらす。
【0008】
これらの欠点を克服するために、ロボットによって実行されるセミオート充填を使用することが知られている。
【0009】
例えば、注射器に移送される薬物を収容するタンクに接続された充填スタイレットを持ち運ぶ多目的6軸ロボットを使用することは公知である。前記6軸ロボットは、注射器と共にネストを収容できるように適合された受け取り領域の近くに設置される。ロボットは、それから各々の注射器の充填開口に対応する位置に充填スタイレットを次々に位置付け、対応する注射器に移送される所定量の薬物を放出ないしリリースする。しかしながら、そのような多目的ロボットは高価であり、このため、ロボットの使用は、投下資本を取り戻すことができる重要な製造への使用に制限される。さらに、そのようなロボットは、重くてかさばり、その重量のために移動することができない機器である。そのようなロボットはまた、絶縁装置(アイソレーター)あるいはRABSのような汚染防止装置に組み込むのが困難である(「Restricted Access Barrier System」(制限されたアクセスバリアシステム)の頭字語)。特に、そのような6軸ロボットの寸法は、ネストの取り外しおよび交換動作を妨げやすい。さらに、ネストに取り付けた注射器に充填するために6軸ロボットを実施すれば、注射器より上方に移動パーツ(ロボットに属する)の存在を生じさせることになり、それによって汚染のリスクは増大する。
【0010】
SCARA(「Selective Compliance Articulated Robot Arm」(選択的適合性多関節ロボットアーム)の頭字語)の3または4軸のロボットもまた公知である。そのようなロボットは、医学−薬学分野で取り扱わない応用(半導体産業)において用いられる。したがって、医学−薬学分野に特に用いられ、この分野の特定の必要条件を考慮するSCARAタイプのロボットの提供は存在しない。これは、経済状態を満足し、特に、絶縁装置(アイソレーター)あるいはRABS(clinical batches(臨床バッチ))の範囲内に制限することを必要とする、高価および/または有毒な製品に適している少量生産を満足するSCARAタイプのロボットの提供が存在しないことを特に意味する。さらに、SCARAタイプのロボットは、一般に、きれいにすることがむしろ難しく、そのことは、薬学的応用のフレームワークの範囲内において大きな欠点である。そのようなロボットの重量はまた、比較的重いままである。
【0011】
最後に、3軸の直交座標ロボットもまた公知であり、そのようなロボットは、6軸およびSCARAロボットよりもはるかにコスト面で経済的である。
【0012】
しかしながら、そのような直交座標ロボットは、充填される注射器の近くおよび上方、すなわち極めて過酷に清潔さを必要とする高度に検知が可能な領域に移動部品を組み入れる限りにおいて、薬剤の状況に非常に適している。さらに、3軸直交座標ロボットは、特に、ネストを除去/置換するための形態にあるときに、かなりの嵩高さを有している。
【0013】
したがって、例えば臨床バッチのような、絶縁装置(アイソレーター)あるいはRABSの範囲内に制限することを必要とする、高価および/または有毒な製品に適した少量生産を取り扱うための、十分に満足する技術的な解決策は今日のところ存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、上述したさまざまな欠点を改善して、ネスト型のデカルト配列のラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムを提案することにある。それらは、費用効果があり、信頼性が高く、絶縁装置(アイソレーター)あるいはRABSに容易に一体化でき、軽量で、取り外しも可能で、清潔度に関して高い規則レベルを満足し、および簡単にラックを除去/交換することを可能にする。
【0015】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、極めて正確で信頼性が高い充填を許容するものを提案することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、特に、単純な構成で、嵩が大きくなならないように設計ないし作られたものを提案することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、極めて単純な設計であり、容器の汚染(コンタミネーション)または汚濁(ポリューション)のリスクを非常に制限するものを提案することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、極めて単純で、コンパクトで強く設計ないし作られたものを提案することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、移動パーツを最小限にでき、異なるタイプの動きのものを提案することにある。
【0020】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、特に単純で、効率的かつ清浄に容器に自動的に栓をするものを提案することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、ラックに配置される複数の容器を満たす新規な機械およびシステムであって、特に従来タイプのラックに適合させるのに適しているものを提案することにある。
【0022】
本発明の補完的な目的は、充填物質を含む容器を製造する新規な方法であって、費用効果があり、正確で、信頼性が高くて特に安全なものを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に与えられる目的は、以下の機械によって達成される。ラックに配置される複数の容器を満たすための機械であって、前記機械は、回転の第1の軸の周りに回転可能な分配ユニットであって、容器に充填物質を移すように作られ、充填スタイレットを有する分配ユニットを有し、前記機械は、分配ユニットおよびラックの回転運動の組合せが、容器を満たすために分配ユニットを各々の容器に関連させて配置することを可能にするように、回転の第2の軸の周りにラックを回転させる駆動手段を有し、分配ユニットの回転によって与えられる充填スタイレットの軌跡が、回転の前記第2の軸を実質的に横切ることを特徴とする機械である。
【0024】
本発明に与えられる目的はまた、以下のシステムにより達成される。
【0025】
−ラックに配置される複数の容器を満たすための機械であって、前記機械は、回転の第1の軸の周りに回転可能な分配ユニットであって、容器に充填物質を移すように作られ、充填スタイレッを有する分配ユニットを有し、前記機械は、分配ユニットおよびラックの回転運動の組合せが、容器を満たすために分配ユニットを各々の容器に関連させて配置することを可能にするように、回転の第2の軸の周りにラックを回転させる駆動手段を有し、分配ユニットの回転によって与えられる充填スタイレットの軌跡が、回転の前記第2の軸を実質的に横切ることを特徴とする機械と、
−ネスト型のラックと、
−前記ラックの列に配置される注射器ボディのような複数の容器と、を有するシステムである。
【0026】
本発明に与えられる目的はまた、以下の方法により達成される。充填物質を含む第1の容器を製造する方法であって、前記方法は、前記第1の容器を満たす充填ステップを含み、前記第1の容器はラックに配置される複数の容器に属し、前記充填ステップは、充填スタイレットを有する分配ユニットによって第1の容器に充填物質を移すことを有し、前記充填ステップは、第1の容器に充填物質を移すことの前に、回転の第1と第2の軸の周りにそれぞれ分配ユニットおよびラックを回転させることによって、分配ユニットおよび第1の容器を互いに関連させて配置させることを含み、分配ユニットの回転によって与えられる充填スタイレットの軌跡が、回転の前記第2の軸を実質的に横切ることを特徴とする方法である。
【0027】
本発明の他の目的、特徴および効果は、図示のためだけで非制限的である実施形態が与えられる添付の図面を参照して、以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明による機械の第1実施形態を示す概略全体斜視図である。
【図2】図2は、本発明の動作原理を示す概略上面図である。
【図3】図3は、本発明による機械の第2実施形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、ラック3に配置される複数の容器2を満たすための機械1に関する。換言すれば、機械1は、ラック3に群別に詰められた容器2を満たすための機械である。図1〜3に示すように、好ましくは、本発明の機械1は、蜂の巣のような種類(ネスト型)のラック3の列に配置された複数の容器2を満たすように設計されている。ネスト型のラックは、医学−薬学の分野においてはよく知られている。
【0030】
したがって、ラック3は、実質的に矩形あるいは正方形のトレイを有利に有し、形成された穿孔がトレイを貫通し、トレイの略全面にわたって規則正しく分布されている。各々の孔は、容器、好ましくは管状容器を収容できるように意図された保持チューブによって延長される。従って、機械1は、特に、好ましくは注射器の胴体によって形成される管状容器を満たすためのものである。注射器の胴体は、通常、一端に針が接続されるように意図された、断面積の減少する注入開口が設けられ、他端部に注射器ピストンが装着されるよう意図された、充填開口が設けられたチューブの形状をしている。注射器の胴体はさらに、充填開口に位置付けられたフランジが備えられている。それ故に、図に示されるラック3のようなネスト型のラックは、充填開口が上方に向けられるように、垂直に配置された複数の注射器の胴体を互いに平行に収容することを可能にする。各々の注射器の胴体が備えるフランジは、ネストの対応する保持チューブに対して隣接するように意図され、これによりネストに配置された注射器の胴体の全ての充填開口を単一の同じ高さに位置させることを可能にする。注射器の胴体は、その後有利なことに、全ての注射器の胴体の充填開口が略同一水平面になるように、ラック3において好ましくは互いに平行に列をなして配置される。
【0031】
本発明は、もちろん、注射器の胴体に充填するための機械に限定されない。容器2が注射器の胴体によって成るのではなく、他の好ましい実施形態においては、生物医学的分析の研究所または医薬、バイオ技術産業において診断目的のために使用される試験管のような、(大部分は例えば20、30ミリリットル程度の)小容量の他の容器であることは全くもって考えられる。
【0032】
本発明に係る機械1は、容器2に充填物質を輸送するために設計された、回転可能な分配ユニット4をさらに有し、これらのうちの容器はラック3に配置され、図面において上方に現れ、示されている。
【0033】
充填物質は、流れる機能を持った流体特性を有利にも有している。流体物質は好ましくは液体であり、本発明の範囲を逸脱しなければ、代替手段として、粉末状または糊状の特性を有することも全く考えられると理解される。充填物質は、有利なことに、患者の体内に注入することを意図した薬剤から構成される。しかし、本発明は上記特定の適用に限定されるものではなく、例えば充填物質は、分析され、取り込まれ、被覆され、または混合されるべき物質から構成することも全くもって考えられるものである。上述したように、分配ユニット4は、旋回することができ、その目的のために、好ましくは回転の第1の軸X−X’の周りに回転可能に取り付けられるように設計されている。それ故に機械1は、好ましくは、分配ユニット4が少なくとも1つの回転の自由度をもって取り付けられるフレーム5を有する。
【0034】
有利なことに、分配ユニット4は、充填の源に例えば柔軟なホース60によって接続された充填スタイレット6を有する。充填スタイレット6は、好ましくは一度にひとつの容器2に充填するように設計されている。言い換えれば、この好ましい実施形態において、充填スタイレット6は、充填スタイレット6が注射器の胴体の充填開口を通じて容器2に侵入し、充填物質の注入する時期を逃すことによるロスの危険性をなくし、最適な充填ができるように、円筒状のダクトの形をしており、断面が各容器2の充填開口断面よりも小さいかまたは等しいか、好ましくは厳密に小さい、例えば針によって構成される。しかし、分配ユニット4は、一度にひとつの容器2に充填するように設計された単一の充填スタイレット6でなく、同時に複数の容器2に充填するための一群の充填スタイレットであることは全くもって考えられるものである。本発明に係る機械1は、好ましくは容器2の順次的な充填の実施を意図している、即ち、分配ユニット4はラック3に配置された全ての容器2に同時に充填するように設計されてはおらず、対象となる容器2の充填を順次的に行うように設計されている。そのような順次的充填は、一度にひとつの容器2に順々に充填することによってなされてもよい。代替手段として、分配ユニット4は容器2のグループに次々に充填することも考えられ、その場合に各グループにおける容器2の数はラック3に配置される容器2の総合計のうちのほんの一部を表す。
【0035】
有利なことに、分配ユニット4は、好ましくはフレーム5に回転可能に取り付けられる第1端部7Aと、好ましくは充填スタイレット6が取り付けられる第2端部7Bとの間に伸びる充填アーム7を有する。充填アーム7は、充填開口がラック3に配置された際に、容器2の充填開口が位置する面に好ましくは略平行に旋回するように設計され、その場合に上記面は好ましくは水平面に平行になっている。この好ましい実施形態において、回転の第1の軸X−X’は、略垂直である。従って、少なくとも充填アーム7の一部は、後者が機械1の所定の位置を占有しながら、ラック3に配置された容器2の上に覆いかぶさっている。有利なことに、回転する分配ユニット4は、分配ユニット4が充填のために対応する位置に配置された各容器2から接近または離間移動ができるために、並進に移動できるようにも設計されている。
【0036】
有利なことに、分配ユニット4は、回転の第1の軸X−X’の周りに並進に移動するように設計されている。そのようにして、分配ユニット4は、以下の機能的シーケンスを実行する。
【0037】
−容器2の向かい側(即ち容器2の法線)かつ上方に充填スタイレット6を位置づけるための分配ユニット4の回転;
−充填スタイレット6を注射器の胴体の充填開口を通じて容器2に侵入させるための、充填ユニット4(簡易的には充填スタイレット6)の軸X−X’周りにおける、下向きの垂直並進移動;
−ホース60および充填スタイレット6を通じて容器2に所定量の充填物質の移動(充填スタイレット6は、容器2の底部まで十分に下がり、その後容器2において液面が上昇するにつれて、充填物質の移動の間に次第に上がることが好ましい。);
−容器2から充填スタイレット6を完全に引き抜くための分配ユニット4(または充填スタイレット6のみ)の上向きの垂直並進移動。
【0038】
有利なことに、フレーム5は、充填アーム7がX−X’軸のスライド移動するピボット接続部を通じて取り付けられる第1の柱を有する。
【0039】
第1の柱8は、好ましくはフレーム5から立ち上がり、より好ましくは回転の第1の軸X−X’と同軸に、第1の柱8は回転の第1の軸X−X’の周りに伸びる。したがって、図示されているように、充填アーム7が第1の柱8の自由端から略水平に大部分が延びている一方で、第1の柱8は好ましくは大部分が垂直に延びている。充填アーム7と第1の柱8との間のスライド移動するピボット接続部は、例えば、充填アーム7の第1端部7Aに取り付けられ、注射器の胴体に対して回転の第1の軸X−X’周りの並進と同じ回転の第1の軸回りに回転する2つの能力を有する一方で、第1の柱8を覆う第1スリーブ9によってなされる。回転の第1の軸X−X’周りの充填アーム7の回転および並進移動は、有利なことに、例えば電動または水力による適切なアクチュエーターによってコントロールされる。
【0040】
本発明に係る充填機械1は、分配ユニット4とラック3の回転移動の組み合わせが、注射器の胴体への充填のために、各容器2に対応する分配ユニット4の配置を許容するように、ラック3を回転駆動させるための手段10を有する。
【0041】
したがって、本発明は、ラック3に配置された各容器2に向かい合う探針6を次々に設置するために、ラック3と分配ユニット4の回転移動のみを組み合わせることによって、ラック3に配置された容器2を順次的に充填する操作という考えに特に基づいている。
【0042】
図示するように、ラック3を回転させる駆動手段10は、回転の第2の軸Y−Y’の周りにラック3を回転駆動し、回転の第1の軸X−X’と回転の第2の軸Y−Y’の回転は略同一直線上となるか、または平行となるように設計されている。
【0043】
このように、本発明は(それぞれ分配ユニット4およびラック3の)回転運動のみを組み合わせることによって、ラック3に配置された全ての容器2を連続的に満たすことができる。
【0044】
特に、フレーム5に対してラック3を回転させる発想は、分配ユニット4を著しく軽減かつ簡易にさせる。つまり、分配ユニット4の回転運動がラック3の回転運動と組み合わされる限りにおいて、分配ユニット4は全ての容器2を順次満たすのに、ただ1つの回転自由度が必要である。
【0045】
この一般概念によると、本発明は容器2の充填開口部2Aを覆うように相対運動する部品が不要となる。
【0046】
これに反して、本発明は、ラック3に対してオフセットされた回転の第1の軸X−X’の設置を可能にし、従来発明で使用されたロボットアームと異なり、ラック3は、好ましくは不変の長さを有しかつ関節が設けられていない充填アーム7によって覆われる。
【0047】
このように、本発明は、ラック3を直接作動することによって、極めて容易で完全な運動システムを得られる。このように当該運動システムは制限された環境(例えばRABS(Restricted Access Barrier System)やアイソレーター)において、好ましく使用される。
【0048】
ラック3を回転させる駆動手段10は、好ましくは、ラック3を載置するための第1の回転可能なテーブル11を有する。
【0049】
第1の回転可能なテーブル11は、図に示されるように、ラック3を受け取る実質的に平らな表面11Aを有し、ラック3は安定して配置される。
【0050】
ラック3を受け取る表面11Aは好ましくは、回転の第2の軸Y−Y’に対して実質的に直交して伸び、当該回転の第2の軸Y−Y’は好ましくは上述のように回転の第1の軸X−X’と平行である。
【0051】
充填アーム7は、好ましくは不変の長さである。
【0052】
ラック3(ラック3がネスト型であるときを含み、容器2は一様に分散され、好ましくは矩形上または正方形上で互いに平行である)に配置された全ての容器2を満たすことを許可するため、分配ユニット4の回転によって与えられる充填スタイレット6の軌跡は回転の前記第2の軸Y−Y’実質的に横切る。すなわち、図に示された実施形態において、充填アーム7の回転によって与えられる充填スタイレット6は回転の第2の軸Y−Y’を横切る。
【0053】
この特徴によると、充填スタイレット6は駆動手段10の回転中心の法線を通過する円形の軌道に沿って移動するため、前記駆動手段10と充填アーム7との回転運動の組み合わせは、充填スタイレット6が、ネスト型のラック3に配置された容器2のそれぞれに次々に到着することを可能にする。
【0054】
連続的に正確かつ迅速な充填を確実にするため、分配ユニット4およびラック3を回転させる駆動手段10の回転運動は、好ましくはデジタル式の制御手段によって協調して制御される。なお、デジタル式の制御手段は公知のものであってここでは詳細は省略する。
【0055】
本発明に係る機械1はさらに、トレイ14に配置される複数のプラグ13によって、満たされた容器2に栓をする装置12を有する。
【0056】
プラグ13は、容器2がラック3上に配置されるのと同様に、トレイ14上にマトリックス配列に配置されることが好ましい。
【0057】
トレイ14は、好ましくは、プラグ13に対応する開口部が設けられる。前記開口部はプラグ13がトレイ14上の対応する開口部から受け取られるときに、プラグ13を径方向の収縮によって維持するためにプラグ13のノミナルの径よりわずかに小さい径を有する。
【0058】
特に、ラック3が容器2の二次元デカルト座標上の配置を許可するネスト型のラックであるとき、トレイ14もまたネスト型であってプラグ13の二次元デカルト座標上の配置を許可し、この観点では、トレイ14およびプラグ13はラック3および容器2に対する「ミラー状の」ユニットを形成し、そして、それぞれのプラグ13は容器2に対応している。
【0059】
栓をする装置12は好ましくは、プラグ13を取り扱うための回転可能なハンドリングユニット15と、トレイ14を回転駆動するための手段16と、を有する。
【0060】
−このため、一方、ハンドリングユニット15とトレイ14の回転運動の組み合わせは、プラグ13がハンドリングユニット15によって把持されるために、ハンドリングユニット15を各々のプラグ13に関連させて配置することを許容する。
【0061】
−他方、ハンドリングユニット15およびラック3の回転運動の組合せは、プラグ13が栓をされるために、ハンドリングユニット15を各々の容器2に関連させて配置することを許容する。
【0062】
換言すれば、ハンドリングユニット15は、一方では、プラグ13を連続的に次々と把持するようにトレイ14を回転駆動するための手段16と共働して、他方では、ハンドリングユニット15によってトレイ14に一つずつ集められるプラグ13を用いて各々の容器2に連続的に栓をするようにラック3を回転させる駆動手段10と共働して、有利に設計できる。
【0063】
好ましくは、ハンドリングユニット15は、回転の第3の軸Z−Z’の周りに回転可能に設けられプラグ13を移すための移送アーム17を有している。第3の軸Z−Z’は、好ましくは、第1、および第2の軸X−X’、Y−Y’と区別され、それら後者の軸とは平行である。プラグ13を移すための移送アーム17は、フレーム5に回動可能に取り付けられたものに面するないし向かい合う第1端部と、プラグ13を移すための手段18を備えるものに面するないし向かい合う第2端部との間で伸びる。有利には、栓をする装置12は、第2の柱19を有し、第2の柱19には、プラグ13を移すための移送アーム17が、軸が第3の軸Z−Z’と一致するスライド移動するピボット接続部を通じて設けられている。
【0064】
特定のプラグ13との関連における移送手段18の配置は、トレイ14の回転移動および移送アーム17の回転移動の組合せによって作られる。これは、特定の容器2との関連における分配ユニット4の配置が、分配ユニット4の回転移動およびラック3の回転移動の組合せによって作られるのと同じである。
【0065】
好ましくは、プラグ13を移すための移送アーム17は、一方では、不変量の長さであり、他方では、プラグ13を移すための移送アーム17の回転によって与えられる移送手段18の軌跡が、回転の第2の軸Y−Y’、およびトレイ14が駆動手段16によって回転される軸となる回転の第4の軸W−W’の両方を横切る。これによって、充填アーム7および移送アーム17のそれぞれが、容器2およびプラグ13のそれぞれに届くことが可能となる。このために、ラック3を回転させる駆動手段10は、ラック3に対応するように優先的に設計され、第2の軸Y−Y’の中央に置かれ、前記第2の軸Y−Y’がラック3の中心を通過するようにしている。同様に、トレイ14を回転駆動する手段16は、トレイ14に対応するように優先的に設計され、第4の軸W−W’の中央に置かれ、前記第4の軸W−W’がトレイ14の中心を通過するようにしている。
【0066】
第1、第2、第3、および第4の軸X−X’、Y−Y’、Z−Z’およびW−W’は、有利には、すべてが互いに平行であり、垂直方向に平行である。
【0067】
有利には、移送手段18は、チューブ18Aを有し、その直径は容器2の上部開口部2Aの直径よりも僅かに小さい。移送手段18を形成するチューブ18Aの内径は、プラグ13の径よりも僅かに小さい。プラグ13は、好ましくは弾性材やゴムタイプの可撓性材料から形成され、放射状に圧縮されることができる。
【0068】
有利には、栓をする装置12は、フレーム5に第5の軸V−V’の周りに好ましくは回転可能に取り付けられたスラストアーム21を有する。図1の実施形態においては、第5の軸V−V’は、第3の軸Z−Z’にマージないし合併され、図3に対応する実施形態においては、第5の軸V−V’は、第1、第2、第3、および第4の軸X−X’、Y−Y’、Z−Z’およびW−W’と区別されるが、それら後者の軸とは平行である。
【0069】
スラストアーム21はまた、フレーム5に関して、好ましくは軸V−V’に関して、有利に並進的に取り付けられる。図1の実施形態において、このように、スラストアーム21は、軸が第3の軸Z−Z’と一致するスライド移動するピボット接続部を通じて第2の柱19に取り付けられる。
【0070】
より正確に、この場合、栓をする装置12は、移送アーム17が伸びる第2スリーブ17Aを有する。前記移送アーム17は、このように第2スリーブ17Aに固定され、第2スリーブ17Aは、第2の柱19をカバーし、第3の軸Z−Z’に関してスライドおよび回転できる。
【0071】
栓をする装置12はまた、第2スリーブ17Aをカバーする第3スリーブ21Aを有し、第3スリーブ21Aからスラストアーム21が伸び、後部が第3スリーブ21Aに固定される。第3スリーブ21Aはまた、第3の軸Z−Z’に関してスライドおよび回転できる。
【0072】
有利には、スラストアーム21は、その自由端の方に向けてプラグ駆動ロッド22を備え、その直径は、移送手段18を形成しているチューブ18Aの内径より小さい。
【0073】
図3に例示された好ましい実施形態において、スラストアーム21は、第2の柱19に摺動可能かつ回転可能に取り付けられているのではなく、図3に示されているように第2の柱19と実質的に平行をなしており、第2の柱19のごく近傍に配置されているが、第2の柱19とは異なる第3の柱23に取り付けられている。本例において、第3の柱23は、第3の軸Z−Z’とは異なる軸であり、第3の軸Z−Z’と平行をなしている第5の軸V−V’の周囲を延伸している。図3に例示された実施形態において、栓をする装置12は、スラストアーム21が固定される第3スリーブ21Bを備えていることが好ましい。この第3スリーブ21Bは、第3の柱23を覆っており、第5の軸V−V’の周囲を摺動可能かつ枢動可能に第3の柱23に取り付けられている。互いに異なる回転軸Z−Z’および回転軸V−V’の周囲に回転可能に取り付けられている移送アーム17およびスラストアーム21を使用する目的は、機械1の垂直方向のサイズを制限するためである。
事実、図1の実施形態では、移送アーム17およびスラストアーム21の垂直方向の移動ストロークが互いに合算されてしまうため、従来から使用されていた手段(例えば、ウォームねじ)を用いて、第2のコラム19の下方に、かなり大きな垂直方向の隙間空間を設ける必要があった
このことは機械1自体の高さがテーブルまたは他の機械への据え付けに概して適していない程度に大きくなってしまうことを意味している。そのため、上記実施形態において、機械1は自立式フレーム5による自立構造を有していなければならない。
【0074】
他方、図3の実施形態では、移送アーム17およびスラストアーム21が垂直方向に沿って互いに平行に移動するため、両アーム17、21の垂直方向のストロークが互いに合算されることはない。このような理由により機械1の垂直方向のサイズが小さくなるため、機械1をテーブルに設置したり他の機械に据え付けたりすることが容易になる。
【0075】
そのため、図3の機械1は、制限的な環境(例えば、アイソレーターまたはRABSが存在する環境)に組み込みことがはるかに容易であり、自立式のフレーム5を必要としない。
【0076】
各図に示されている通り、スラストアーム21は、プラグ駆動ロッド22が移送手段18としてのチューブ18Aに挿入されるとともに、スラストアーム21の軸V−V’の周囲で垂直方向に摺動されることによりチューブ18Aから引き出されるように、常に移送アーム17の上方に配置されていることが好ましい。
【0077】
移送アーム17およびスラストアーム21の移動は、少なくとも以下の工程を実行するために設計された、望ましくはデジタル式の制御システムにより制御されることが好ましい。
【0078】
−移送アーム17をトレイ14中のプラグ13よりも低い高度まで引き下げるための、移送アーム17の下向きの垂直運動;
−移送手段18としてのチューブ18Aを所定のプラグ13の下方かつ当該プラグ13の法線上に配置するための、移送アーム17の第3の軸Z−Z’周りの回転運動;
−チューブ18Aの高さをプラグ13と合わせるための、移送アーム17の上向きの垂直運動;
−プラグ駆動ロッド22を当該プラグ13の上方かつ当該プラグ13の法線上に配置するための、スラストアーム21の第5の軸V−V’周りの回転運動(これによりプラグ13は上方のプラグ駆動ロッド22と下方のチューブ18Aとの間に配置され、それらと一直線をなすように並べられる);
−プラグ駆動ロッド22により当該プラグ13をチューブ18A内に押し込むための、第5の軸V−V’の周囲におけるスラストアーム21の下向きの垂直運動(プラグ13は径方向の拡大(径方向の外側に向かう弾性回復)によりチューブ18A内に詰め込まれた状態である);
−移送アーム17を垂直運動させるとともに移送アーム17を第3の軸Z−Z’周りに回転運動させることによる、プラグが取り付けられる容器2の上方における移送アーム17の容器2に対する位置決め;
−プラグ13を格納するチューブ18Aの下端を、プラグが取り付けられる容器2の開口2A内に僅かに貫通させるための、移送アーム17の下方向の垂直運動;
−チューブ18Aに格納されているプラグ13に対するプラグ駆動ロッド22の位置決め;
−プラグ駆動ロッド22を固定しつつプラグ13をプラグ駆動ロッド2に当接させ、容器2へのプラグの取り付けを可能にするための、移送アーム17の上向きの垂直運動。
【0079】
スラストアーム21は、移送アーム17と同様に設計されることが好ましく、換言すると、プラグ駆動ロッド22、移送手段18としてのチューブ18A、トレイ14上に置かれた各々のプラグ13、およびラック3上に置かれた各々の容器2の垂直方向の位置合わせを可能にするために、スラストアーム21の回転運動に伴うプラグ駆動ニードル22の軌道が第2の回転軸Y−Y’および駆動手段16により回転されるトレイ1の回転軸である第4の軸W−W’の両方を横切るように設計されることが好ましい。
【0080】
さらに、本発明は以下を有するシステムに関連している:
−本発明による機械1、望ましくは上記の説明による機械1;
−ネスト状のラック3;
−二次元デカルト座標上の規則的分布に従って前記ラック3の各列に配置された複数の容器2(例えば注射器本体)。
【0081】
また、本発明は充填物質を格納する第1の容器2の製造方法に関連している。
【0082】
すなわち、上記の製造方法は、所定量の充填物質が予め充填された第1の容器2を得ることを目的としている。
【0083】
本発明による方法は、本発明による機械1、望ましくは上記説明による機械1を用いて実現されることが好ましい。
【0084】
当該第1の容器2は、充填済みの注射器を得るために液剤が充填されるよう意図された注射器本体であることが好ましい。
【0085】
本発明による方法は、上述のようにラック3に配置されており、好ましくは同様の構造を有する複数の容器2に属する第1の容器20を充填するステップを含んでいる。ラック3は、上述した第1の容器20が属する複数の容器2の二次元デカルト座標上の分布を可能にするようなネスト型のラックであることが好ましい。
【0086】
この充填ステップは、好ましくは上記の説明による分配ユニット4を用いて充填物質を第1の容器20に移送することを含んでいる。この充填ステップは、充填物質を第1の容器20に移送することに先立ち、分配ユニット4をラック3に合わせて配置することを含んでいる。
【0087】
換言すると、本発明に係る充填機械1に関連して上述したように、分配ユニット4およびラック3の回転運動の組み合わせにより分配ユニットが所定の容器2(この場合は第1の容器20)に合わせて配置される。
【0088】
このような配置が達成されると、例えば、充填スタイレット6を用いた上述の手法により第1の容器20への実際の充填が行われる。
【0089】
ラック3内に配置された全ての容器2の充填を実現するために(ラック3がネスト型ラックであるときを含むが、その場合は複数の容器2が列をなすように均等に分布させられ、好ましくは、長方形または正方形の表面上で互いに平行な列をなすように分布させられる)、分配ユニット4の回転運動に伴う充填スタイレット6の軌跡が前記第2の軸Y−Y’を横切るが、これにより(ラック3およびスタイレット6の)回転運動の組み合わせだけで、スタイレット6をラック3の全ての容器2に合わせて順次配置することができるようになる。
【0090】
このようにして充填された第1の容器2に、上記にて詳細に説明された方法によりプラグを取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の産業上の利用分野は、容器を充填するための機械の設計、製造、および使用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック(3)に配置される複数の容器(2)を満たすための機械(1)であって、
前記機械(1)は、回転の第1の軸(X−X’)の周りに回転可能な分配ユニット(4)であって、容器(2)に充填物質を移すように作られ、充填スタイレット(6)を有する分配ユニット(4)を有し、
前記機械(1)は、分配ユニット(4)およびラック(3)の回転運動の組合せが、容器(2)を満たすために分配ユニット(4)を各々の容器(2)に関連させて配置することを可能にするように、回転の第2の軸(Y−Y’)の周りにラック(3)を回転させる駆動手段(10)を有し、
分配ユニット(4)の回転によって与えられる充填スタイレット(6)の軌跡が、回転の前記第2の軸(Y−Y’)を実質的に横切ることを特徴とする機械。
【請求項2】
回転可能な分配ユニット(4)はまた、関連して位置する各々の容器(2)に近づくように移動したり離れるように移動したりできるために、充填物質を移すときにおいて移動可能であるように作られることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
充填スタイレット(6)が一度に1つの容器(2)を満たすように作られることを特徴とする請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記分配ユニット(4)およびラックを動かすための手段が取り付かれるフレーム(5)を有し、分配ユニット(4)は、充填アーム(7)を有し、充填アーム(7)は、充填アーム(7)がフレーム(5)に回動可能に取り付けられるところに向く第1の端(7A)と、充填アーム(7)に充填スタイレット(6)が取り付かれるところに向く第2の端(7B)との間で伸びることを特徴とする請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記フレームは、前記充填アーム(7)がスライド移動するピボット接続部を介して取り付けられる第1の柱(8)を有することを特徴とする請求項2または4に記載の機械。
【請求項6】
第1の柱(8)がほとんど垂直に伸び、充填アーム(7)がほとんど水平に伸びることを特徴とする請求項5に記載の機械。
【請求項7】
ラック(3)を回転させる駆動手段(10)は、ラック(3)を載置するための第1の回転可能なテーブル(11)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の機械。
【請求項8】
回転の前記第1と第2の軸(X−X’、Y−Y’)は、実質的に互いに共線にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の機械。
【請求項9】
前記第1の柱(8)が回転の前記第1の軸(X−X’)の周りに実質的に伸び、第1のテーブル(11)がラック(3)を受け取る実質的に平らな表面(11A)を有し、その平らな表面(11A)が回転の第2の軸(Y−Y’)に対して実質的に直交して伸びることを特徴とする請求項5、7、または8に記載の機械。
【請求項10】
充填アーム(7)は、不変の長さであることを特徴とする請求項4、または8に記載の機械。
【請求項11】
トレイ(14)に配置される複数のプラグ(13)によって、満たされた容器(2)に栓をする装置(12)を有し、前記栓をする装置(12)は、プラグ(13)を取り扱うための回転可能なハンドリングユニット(15)と、トレイ(14)を回転駆動するための手段(16)とを有し、
一方では、ハンドリングユニット(15)およびトレイ(14)の回転運動の組合せが、プラグ(13)がハンドリングユニット(15)によって把持されるために、ハンドリングユニット(15)を各々のプラグ(13)に関連させて配置することを許容し、
他方では、ハンドリングユニット(15)およびラック(3)の回転運動の組合せが、プラグ(13)が栓をされるために、ハンドリングユニット(15)を各々の容器(2)に関連させて配置することを許容することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の機械。
【請求項12】
ネスト型のラック(3)の列に配置される複数の容器(2)を満たすように作られたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の機械。
【請求項13】
前記容器(2)は、好ましくは注射器ボディによって形成された管状容器(2)であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の機械。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の機械と、
ネスト型のラック(3)と、
前記ラック(3)の列に配置される注射器ボディのような複数の容器(2)と、を有するシステム。
【請求項15】
充填物質を含む第1の容器(20)を製造する方法であって、
前記方法は、前記第1の容器(20)を満たす充填ステップを含み、前記第1の容器(20)はラック(3)に配置される複数の容器(2)に属し、
前記充填ステップは、充填スタイレット(6)を有する分配ユニット(4)によって第1の容器(20)に充填物質を移すことを有し、
前記充填ステップは、第1の容器に充填物質を移すことの前に、回転の第1と第2の軸(X−X’、Y−Y’)の周りにそれぞれ分配ユニット(4)およびラック(3)を回転させることによって、分配ユニット(4)および第1の容器(20)を互いに関連させて配置させることを含み、
分配ユニット(4)の回転によって与えられる充填スタイレット(6)の軌跡が、回転の前記第2の軸(Y−Y’)を実質的に横切ることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−518000(P2013−518000A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550499(P2012−550499)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050147
【国際公開番号】WO2011/092427
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(311017337)エス.ピー.シー.フランス (1)
【氏名又は名称原語表記】S.P.C.FRANCE
【Fターム(参考)】