説明

複数の容器の電気的処理のための方法及びデバイス

本発明は、電極が取り付けられた少なくとも2つの容器に対して、少なくとも1つの容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つの他方の容器を準備するか又は後処理にかけることによって、少なくとも1つの電圧パルスを印加する方法に関する。本発明によれば、前記方法は、電圧パルスが既に印加された容器とさらなる容器のそれぞれの位置を相互に交換する工程を含む。さらに、本発明は、電極が取り付けられた少なくとも1つの容器と電気接触を行うデバイス(1)に関し、前記デバイスは、少なくとも1つの容器を設置可能な少なくとも1つのレセプタクル(3、7)と、前記容器の前記電極と接触を行う少なくとも1つの接触装置(8)とを備える。本発明によれば、前記レセプタクル(3、7)が少なくとも2つ設けられ、一方の前記レセプタクル(7)は前記接触装置(8)に又はその内部に位置し、前記レセプタクル(3、7)の双方及び/又は前記接触装置(8)は、移動し終えた後に他方の前記レセプタクル(3)が前記接触装置(8)に又はその内部に位置するように移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極が取り付けられた少なくとも2つの容器(container)に対して、少なくとも1つの容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つの他方の容器を準備するか又は後処理にかけることによって、少なくとも1つの電圧パルスを印加する方法に関する。本発明は、さらに、電極が取り付けられた少なくとも1つの容器と電気接触を行うデバイスであって、少なくとも1つの前記容器を設置可能な少なくとも1つのレセプタクルと、前記容器の前記電極と接触を行う少なくとも1つの接触装置とを備えるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電極が取り付けられた容器は、例えば生細胞の電気穿孔、電気融合及び電気刺激等の、電圧パルスを反応バッチに印加しなければならない用途で特に用いられている。そのような容器は、複数の反応空間(reaction volume)を有することもでき、反応空間のそれぞれに電極を取り付けることができる。一般的に、これらの容器は、多孔プレート(多穴プレート)、マイクロタイタープレート又はマルチウェルと呼ばれている。それらは、複数の反応バッチを同時にテストしなければならない生化学用途及び製薬用途で主に用いられている。そのような状況では、特にHT分析(HT=ハイスループット)において可能な限り多くの、例えば384個の反応空間を利用可能にすることが求められることが分かる。何故なら、大量の試料を可能な限り短い時間でテストすることがここでの目的だからである。
【0003】
当該技術上公知な容器は、通常、複数の反応空間から成っており、反応空間のそれぞれは、反応空間内の例えば細胞懸濁液といった反応バッチと接触する2つの電極を有している。電圧が印加されると、反応空間の2つの電極は反応空間の内部で電界を生成するが、例えば直流では、それらの極性及び/又は電位が異なる。ここで、極性が同じ電極、すなわち、例えば別々の反応空間の陰極の全て及び/又は陽極の全ては一体的に設計されているか又は互いに電気的に連結されている。そのため、それらを共通の電気接点を介して電源に接続することができる。
【0004】
そのような容器の反応空間への電圧パルスの印加は、電荷を蓄える1つ又は2つの蓄電装置(storage appliance)を備える特定の回路装置によって行われる。それぞれの蓄電装置はコンデンサの形をとっており、所定の電圧まで充電され、規則的な放電によって、定められた電圧パルスを送り出すことができる。蓄電装置は、電気スイッチ、好ましくは電力半導体に接続されており、それを介して蓄電装置の規則的な放電が行われる。2つの蓄電装置を使用することにより、2つの電圧パルスを送り出すことが可能となり、この場合、一方の電圧パルスが他方の電圧パルスの後を素早く追うか、又は、一方の電圧パルスが他方の電圧パルスと一体化する。これは、特定の細胞型の電気穿孔に有利となり得る。一般的に、接触ピン(contact pin)は、容器の電極と電気接触を行う役割を果たし、そのピンは、アーム又はプレート上に配置され、手動で又は自動的に電極と接触させられる。
【0005】
欧州特許出願1577378号(EP-A-1 577 378)(特許文献1)から、複数の反応空間からなる容器、例えば96個の反応空間を有するマイクロタイタープレートと接触を行う方法及びデバイスが当該技術上知られている。このデバイスは筐体を有し、その筐体内には、ピンの形をした接触手段が取り付けられたプレート状の接触装置が配置されている。接触手段を備えた接触装置は、容器の電極との電気接触をもたらす役割を果たし、垂直に移動することができる。このデバイスには、容器を設置することができ、かつ、水平に移動可能なテーブル状のレセプタクルがさらに設けられている。容器をレセプタクルに設置すると、レセプタクルを筐体の開口部を介して筐体の内部へと横移動させることができる。その後すぐに、接触手段がレセプタクルに形成された孔を介して突出し、容器の電極と接触するまで、接触装置が容器の方向に向かって下から垂直に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願1577378号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
細胞は限られた処理時間だけしか生存することができないため、処理周期の総時間は、特にハイスループット法で決定的な役割を果たす。従って、総処理時間は可能な限り短くあるべきである。当該技術上公知なハイスループット法においては、反応空間が予め満たされた状態で容器がロボットによって供給され、電気的処理の後、このロボットによってさらに処理される。そのような状況では、ロボットは、1つの容器が処理されている間、その容器を次に処理される容器と後で交換するために待機しなければならならず、その上、この間、容器に電気的処理を施すことはできない。
【0008】
【表1】

【0009】
従って、1周期毎の処理時間(TP=V+B+N)は、処理(B)と処理(B)との間で容器を交換するのに要し、かつ、処理(B)と並行して実行することができない時間(V+N)に大きく左右される。
【0010】
本発明は、短縮された処理時間で少なくとも2つの容器と電気接触を行う方法及びデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、上記の目的は、導入部で引用した種類の方法によって達成され、その方法は、
a)少なくとも1つの容器を準備する工程と、
b)前記容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つのさらなる容器を準備する工程と、
c)電圧パルスが既に印加された前記容器と前記さらなる容器のそれぞれの位置を相互に交換する工程と、
d)前記さらなる容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つの電圧パルスが印加された前記容器を後処理にかけ、かつ、少なくとも1つの次の容器を準備する工程とを含む。
【0012】
少なくとも1つの容器を電気的処理にかけると同時に、少なくとも1つのさらなる容器を前処理又は後処理にかけることによって、総処理時間を大幅に短縮することができる。すなわち、容器が電気的処理にかけられている間、ロボットは既に処理された容器を取り外し、次に処理される容器を準備することができる。本発明に係る方法によれば、1周期毎の処理時間(TP)が待機時間及び作業時間によって短縮されるため、全体のスループットを大幅に増加させることができる。
【0013】
【表2】

【0014】
本発明によれば、BとV+Nのうちどちらの時間が長いかによって1周期毎の処理時間(TP)がB又はV+Nとなるように周期が互いに入れ子になっている。本発明に係る方法は、少なくとも2つの容器、特に3つを超える容器を備える場合に実行することができる。最も単純な場合では、本発明に係る方法を、例えば2つの位置を備えるターンテーブルによって実施することができる。
【0015】
本発明の文脈において、容器のそれぞれの位置を相互に交換することは、容器の位置がお互いに対して、又は本発明に係る方法を実行するデバイスの他の構成要素、例えば電圧パルスを送り出す装置に対して変更されること意味する。すなわち、容器がお互いに対して移動するか、及び/又は、容器に対して他の構成要素が移動するかのいずれかであり、後者の場合には容器を動かす必要がない。
【0016】
工程b)〜d)は複数回繰り返されるのが好ましく、処理すべき容器の全てに対して電圧パルス又は複数の電圧パルスが印加され次第、本方法が終了する。
【0017】
本発明に係る方法の有利な実施の形態においては、前記工程b)及びd)のそれぞれの間に前記容器に複数の電圧パルスが印加されるように構成される。これは、複数の反応空間、特に384個の反応空間を有する容器を処理しなければならない場合に特に必要となる。この場合、容器の処理にはより長い時間が必要となるため、次の容器の準備が並行して行われることが特に有利であり、そのため、非常に多くの試料を処理しなければならない用途であっても、処理時間を比較的短く抑えることができる。
【0018】
工程a)、b)及びd)の間の容器の準備には容器の供給が含まれるのが好ましく、及び/又は、工程d)の間の容器の後処理には容器の取り外しが含まれるのが好ましい。
【0019】
工程c)の間の容器の位置の交換は、例えば、容器が相互に交換されるように行うことができる。同時に又はあるいは、工程c)の間の容器の位置の交換は、電圧パルスを送り出す装置がそれぞれの位置に移動するように行うこともできる。ここで、位置の交換は、例えば回転動作によって行うことができる。特に、そのような状況では、容器の動作を合わせる、すなわち動作を同時に行わせることができる。あるいは、位置の交換を直線動作によって行うことができる。そのような状況では、容器の動作を合わせない、すなわち動作を少なくとも部分的に交互に行わせることができる。
【0020】
本発明に係る方法の特に有利な実施の形態においては、工程b)及びd)の間に少なくとも1つの接触装置によって容器の電極との接触が行われるように構成されている。接触装置は、それぞれの容器の上の接触平面とほぼ平行に、好ましくは水平に実質的に移動する。そのため、接触装置によって容器の電極を次から次に横断することができ、その場合、接触装置は容器の上を段階的に移動するのが好ましい。
【0021】
本発明に係る方法の特に有利な実施の形態においては、工程b)及びd)の間に少なくとも1つの接触素子が取り付けられた少なくとも1つの接触装置によって容器の電極との接触が行われるように構成されている。接触素子は、接触平面に対してほぼ直角に、好ましく垂直に実質的に移動して接触を行う。従って、接触装置は、例えば、容器の上を水平に移動し、接触手段が電極の方向に垂直に移動することにより、静止した状態の接触装置と電気接触が行われることになる。
【0022】
前記目的は、導入部で引用した種類のデバイスによってさらに達成される。そのデバイスには、少なくとも2つのレセプタクルが設けられ、一方の前記レセプタクルは、前記接触装置に又はその内部に位置し、前記レセプタクルの双方及び/又は前記接触装置は、移動し終えた後に他方の前記レセプタクルが前記接触装置に又はその内部に位置するように移動することが可能である。本発明によれば、容器を備えたレセプタクルを、それらの位置が交換され得るように接触装置に対して動かすことができる。これにより、例えば、電気接触が既に行われた容器、すなわち既に処理された容器を保持するレセプタクルを接触装置から遠ざけるのと同時に、電気接触がまだ行われていない容器、すなわち未処理の容器を保持するレセプタクルを接触装置の内部に移動させることが可能となる。レセプタクルの位置の交換は、処理時間の大部分の間で、容器との電気接触を行う、すなわち容器を処理すると同時に、少なくとも1つの他の容器を準備する及び/又は後処理するための非常に迅速な機能を表す。そのため、接触装置によって少なくとも1つの容器の電極と接触が行われている間に、少なくとも1つの他のレセプタクルは、一方の容器を取り外して、処理待ちの次の容器をレセプタクルに設置できるように自由にアクセスすることができる。従って、本発明に係るデバイスは、非常に迅速であり、かつ、高いスループット速度で多くの容器を処理することができる。
【0023】
前記レセプタクルを、例えば、可動プレート上に配置することができる。前記可動プレートは、回転動作が可能であるのが好ましく、例えば、ターンテーブルであり得る。あるいは、前記可動プレートは、直線動作が可能であってもよい。
【0024】
本発明に係るデバイスの特に有利な実施の形態においては、少なくとも1つのレセプタクルが接触装置の下に配置されるように構成されている。それにより、レセプタクルに配置された容器の電極との接触を上から行うことができる。あるいは、特に、容器との接触が下からしか行えないような状況では、レセプタクルを接触装置の上に配置することもできる。
【0025】
電圧パルスによって作業者が怪我をする危険性がないように、接触装置は筐体内に配置されているのが好ましい。ここでは、少なくとも1つのレセプタクルが筐体内に配置されているのが好ましく、また、少なくとも1つの他のレセプタクルが筐体の外に配置されているのが好ましい。それにより、他のレセプタクルは自由にアクセスできる状態のままとなる。レセプタクルが可動プレート上に配置されている場合、そのような状況では可動プレートの一部が筐体内に配置され、可動プレートの他の部分が筐体の外に配置されているべきである。
【0026】
本発明に係るデバイスの別の形式の実施の形態においては、接触装置がレセプタクルの間を行き来することができる。それにより、接触装置に対するレセプタクルの位置を、本発明の文脈において素早く相互に交換することができる。
【0027】
本発明は、少なくとも1つの電極がそれぞれに取り付けられた少なくとも2つの反応空間を備える少なくとも1つの容器と電気接触を行う方法にも関し、別々の前記反応空間の前記電極と接触が順次行われる。従って、本発明によれば、処理される反応空間の電極との電気接触が、同時にではなく順次に行われる。この有利な方法により、接触によって生じる容器への、また、レセプタクルや接触装置への機械負荷を有利な方法で大幅に低減することが可能となる。何故なら、1つの容器の電極のうちのごく僅かとしか接触が同時に行われないからである。接触すべき容器の電極全てとの接触が同時に行われると、容器にかかる全ての力の総和によって、機械負荷が実際に高くなってしまうことがある。電気接触を行うのに必要な接触手段の数が少ないと、失敗の危険性及び接触装置のコストが大幅に低減されるという利点もある。
【0028】
本発明に係る方法の有利な実施の形態においては、前記電極と電気接触を行う接触装置が、少なくとも1つの接触平面とほぼ平行に移動し、そして前記電極と電気接触を行うように構成されている。この有利な方法によれば、表面、すなわち容器の電極を素早く横断することが可能になると共に、例えば、容器の方向への可能な限り迅速で短い接触装置の動作又は接触装置の一部の動作によって電気接触を行うことが可能になる。
【0029】
本発明に係る方法のさらに有利な実施の形態においては、接触装置が容器の上を接触平面とほぼ平行に、好ましくは水平に実質的に移動するように構成されている。そして、接触装置の少なくとも一部が接触平面に対してほぼ直角に、好ましくは垂直に進む動作によって電気接触が行われるのが好ましい。
【0030】
本発明に係る方法の特に有利な実施の形態においては、電極との接触が行われる際の接触圧が制限されるように構成されている。これは、電気的に及び/又は接触点を削減することによって達成することができる。さらには、バネ式接触手段(sprung contact means)を用いることもできる。
【0031】
接触手段の許容誤差を一致させるために、バネ式接触手段、例えば、バネ式ヘッド(sprung head)を備えた接触ピンを用いる必要があり得る。しかし、接触すべき容器の電極全てと接触が行われる場合には、必要な接触手段の全てとそれらの個々のバネ力の総和によって、接触装置とは無関係に接触力が高くなってしまう。
【0032】
処理時間を最小限に留めるために、複数の電極との接触が同時に行われるのが好ましく、少なくとも2つの反応空間の電極との接触が同時に行われるのが特に好ましい。この場合には、特に非常に多くの電極との接触を同時に行わなければならない場合、例えば、ハイスループット法で96又は384ウェルプレートを使用する場合に、受端部(receiving unit)及び容器に対する機械負荷を低減すべきである。その上、必要な接触針の数が多いと、失敗の危険性の増加や微々たるものではない接触装置のコストにも影響を与える。これらの問題は、横移動可能(traversable)な接触装置によって、反応空間の個々のグループとの、すなわち容器の別々の電極との接触を順次に行うことにより、解消することができる。特に、1つ又は複数列の、好ましくは2列の反応空間の電極との接触を同時に行うことができ、また、反応空間の別々の列又は反応空間の列のグループとの接触を順次に行うことができる。従って、前記容器が、少なくとも1つの電極をそれぞれが備える複数の反応空間を有する場合、前記反応空間の個々のグループを決定し、同一グループの前記反応空間の前記電極との接触を同時に行い、異なるグループの前記反応空間の前記電極との接触を順次に行うことにより、前記デバイスに対する接触圧及び機械負荷を効果的に低減することができる。
【0033】
本発明はさらに、少なくとも1つの電極がそれぞれに取り付けられた少なくとも2つの反応空間を備える少なくとも1つの容器と電気接触を行うデバイスに関する。そのデバイスには、少なくとも1つの接触装置が設けられ、その接触装置は、前記電極との接触を行う接触手段を有する少なくとも1つの接触部を備える。前記接触部の数は、前記反応空間の数よりも少なく、1つの前記接触部は、少なくとも2つの前記反応空間の前記電極との接触を行う前記接触手段を有する。接触すべき容器の電極全てとの接触が行われる場合、電気接触を行うのに必要な接触手段の全ての接触力の総和によって、集合的に接触圧が非常に大きなものになることがある。従って、本発明によれば、接触部の数と共に接触手段の数も反応空間の数より小さいため、レセプタクル、接触装置、及び容器に対する機械負荷が低減される。接触手段の数が少ないと、失敗の危険性及び接触装置のコストが大幅に削減されるという利点もある。
【0034】
前記接触装置は、サポート型(a type of support)、特にブリッジ型(a type of bridge)及び/又はスライド型(a type of slide)に設計され、接触平面とほぼ平行に、好ましくは水平に移動することが実質的に可能であるのが好ましい。
【0035】
本発明の有利な実施の形態において、本発明に係るデバイスの前記接触装置の少なくとも一部は、前記接触平面に対してほぼ直角に、好ましくは垂直に移動することが実質的に可能であるように構成されている。前記接触装置のこの部分は、前記容器の前記電極との接触を行う前記接触部及び/又は前記接触手段を備えているのが好ましい。
【0036】
少なくとも2つの接触部が、少なくとも1つの共通の接触素子を備えるのが好ましい。これにより、少なくとも部分的に共通した電極及び/又は電気的に連結された電極を有する反応空間を備える容器と有利に接触を行うことができる。
【0037】
従って、接触装置は、好ましくは接触ピン又は接触針である接触手段を備えていてもよい。接触手段は、スプラング式に支持され得る。
【0038】
本発明の有利な実施の形態においては、接触装置に複数の接触部が少なくとも1列に配置されるようにも構成される。そのような状況では、少なくとも3列の接触手段が設けられる。そのため、少なくとも3列の接触手段を接触装置に配置できるように、接触部を接触装置に配置しなければならない。ここでは、接触手段をジグザグ状に配置することもできる。
【0039】
本発明のさらに有利な実施の形態においては、枠状で、好ましくは、接触平面に対してほぼ直角に、特に垂直に移動することが実質的に可能な取付装置の内側に接触装置が取り付けられるように構成されている。
【0040】
接触装置は、ガイド部材に支持されて、接触平面とほぼ平行に、好ましくは水平に移動することが実質的に可能である。
【0041】
本発明は、電極が取り付けられた少なくとも1つの容器と電気接触を行う方法にも関する。この方法においては、前記容器が冷却装置によって冷却され、前記容器が前記冷却装置にほぼ均一に押し付けられる。均一な圧力によって、前記電極及び/又は前記容器の表面からの熱を均一に、かつ、効果的に、そして素早く前記冷却装置に移すことが確実になる。
【0042】
前記容器が前記冷却装置に押し付けられる際の圧力は、少なくとも部分的に前記容器の縁部に対して加えられるのが好ましい。さらには、又はあるいは、前記容器が前記冷却装置に押し付けられる際の圧力は、例えば前記接触手段によって少なくとも部分的に前記容器の前記電極に対しても加えられる。ここで、前記容器は、前記容器と前記冷却装置との間に位置する空気の多くが押し退けられるように前記冷却装置に押し付けられるべきである。
【0043】
本発明に係る方法は、複数の反応空間、例えば384個の反応空間を有する容器の電気的処理に用いるのに特に適している。
【0044】
本発明は、電極が取り付けられた少なくとも1つの容器と電気接触を行うデバイスにも関し、そのデバイスは、少なくとも1つの前記容器を設置可能な少なくとも1つのレセプタクルを備え、前記レセプタクルに冷却装置が取り付けられている。
【0045】
ここで、前記冷却装置は、少なくとも1つのペルチェ素子を備えているのが好ましい。あるいは、又はさらには、前記冷却装置は、少なくとも1つの冷却体、及び/又は、冷蔵庫、及び/又は、少なくとも1つの換気装置も備え得る。
【0046】
本発明の有利な実施の形態においては、本発明に係るデバイスは、前記容器を前記レセプタクル及び/又は前記冷却装置に押し付ける少なくとも1つの加圧装置を備えることができる。前記加圧装置は、枠状に設計することができ、前記容器の縁部の少なくとも一部に設置することができる。
【0047】
本発明の特に有利な実施の形態においては、加圧装置が電気接触装置であるように構成されている。
【0048】
容器は、複数の反応空間、好ましくは96個又は384個の反応空間を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、筐体と容器とがある状態の本発明に係るデバイスの一形式の実施の形態の斜視図を示す。
【図2】図2は、筐体又は容器がない状態の図1に示す本発明に係るデバイスの斜視図を示す。
【図3】図3は、図2に示す本発明に係るデバイスの平面図を示す。
【図4】図4は、図2に示す本発明に係るデバイスの側面図を示す。
【図5】図5は、容器と接触装置とがある状態の本発明に係るデバイスの一形式の実施の形態の側面図を示す。
【図6】図6は、容器と冷却装置とがある状態の本発明に係るデバイスの一形式の実施の形態の概略側面図を示す。
【図7】図7は、2つのレセプタクルが直線動作の状態にある本発明に係るデバイスのさらなる形式の実施の形態の概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面を参照しながら、本発明をより詳細に例示的に説明する。
【0051】
図1は、本発明に係るデバイスの特に有利な形式の実施の形態の斜視図を示す。デバイス1は筐体2を有し、筐体2内には、ここでは図示しないレセプタクルが同じく図示しない接触装置の下に配置されている。デバイス1は、容器4が設置されるさらなるレセプタクル3も備えている。この実施の形態の例において、容器4は、384個の反応空間を有するマイクロタイタープレート、すなわち、いわゆる384ウェルプレートの形をとっている。あるいは、容器4は、384ウェルプレートよりも反応空間の数が少ないかもしくは多いマイクロタイタープレート、又は少なくとも1つの反応空間を有する他の容器の形をとり得る。レセプタクル3は、この形式の実施の形態においてはターンテーブル6の形に設計されている可動プレート5上に配置されている。図示しないレセプタクルもターンテーブル6上に配置されているので、ターンテーブル6を単に回転させることにより、本発明に係るデバイス1の2つのレセプタクルの位置を交換することができる。従って、筐体2内の図示しないレセプタクルに置かれた容器が、1つの又は複数の反応空間に少なくとも1つの電圧パルスを印加することによって電気的処理にかけられている場合、それと並行して、筐体の外に位置するレセプタクル3から既に処理された容器を取り外し、未処理のさらなる容器(ここでは容器4)をレセプタクル3に設置することができる。
【0052】
ターンテーブル6の回転動作によって、先に電気的に処理された容器を未処理の容器と交換することができる。
【0053】
図2は、筐体又は容器がない状態の図1に示す形式の実施の形態の斜視図を示す。デバイス1は、ターンテーブル6の形に設計された可動プレート5を備える。2つのレセプタクル3、7は、ターンテーブル6上に配置されている。レセプタクル7は、接触装置8の下に配置されている。ここで、接触装置8は、レセプタクル3、7に設置可能な容器の電極との接触が可能な図示しない接触手段を有している。接触装置8は、この実施の形態の例においてはカバープレート14と、カバープレート14の上に配置されたスイッチング素子、好ましくは継電器(図示せず)とを備える配電装置(distribution appliance)13の下に配置されている。スイッチング素子又は継電器を用いて、電圧パルスがそれぞれの接触手段に配電される。レセプタクル3、7の双方はターンテーブル6上に配置されているので、単純な回転動作、すなわちターンテーブル6の回転によって、2つのレセプタクル3、7の位置を相互に交換することができる。従って、レセプタクル7に置かれた容器が、この容器の反応空間に少なくとも1つの電圧パルスを印加することによって電気的処理にかけられている場合、それと並行して、筐体の外に位置するレセプタクル3から既に処理された容器を取り外し、未処理のさらなる容器をレセプタクル3に設置することができる。ターンテーブル6の回転により、先に電気的に処理された容器を未処理の容器と交換することができる。この実施の形態の例において、接触装置8は、スライド型及び/又はブリッジ型に設計されており、固定されたヨーク9、10に支持されて、レール11、12の上を水平に移動することができるようになっている。接触装置8は、容器の表面と平行に、すなわち接触平面と平行に移動することができる。従って、接触装置8は、レセプタクル7の上を、すなわちレセプタクル7の上に位置する容器の上を、好ましくは段階的に、例えば、水平に移動することができるため、少なくとも1つの接触部、すなわち接触手段及び/又は接触装置8全体が容器の電極の方向に垂直移動することにより、静止した状態の接触装置8との電気接触が可能となる。
【0054】
図3は、図2に示す本発明に係るデバイスの平面図を示す。この図においては、可動プレート5の単純な回転動作により、すなわちこの実施の形態の例においてはターンテーブル6の回転により、レセプタクル3、7の位置を相互に交換できることが分かる。可動プレート5の回転動作により、接触装置8に、又はその少し下に配置されたレセプタクル7を、接触装置8から、ここでは図示しない筐体の外のレセプタクル3の現在の位置の方向に向かって容易に素早く遠ざけることができる。2つのレセプタクル3、7の動きは連結されているので、この場合、レセプタクル3は接触装置8の方向に向かって筐体内に送られる。回転動作が終わった後、すなわち好ましくは180°回転した後、レセプタクル3が接触装置8に、又はその少し下に配置され得ると同時に、レセプタクル7が筐体の外に位置し得る。例えば、ハイスループット法におけるエレクトロトランスフェクション(ハイスループットスクリーニング)の場合、細胞は限られた処理時間だけしか生存することができず、トランスフェクション周期の総時間が決定的な役割を果たすため、本発明に係る方法及び/又はデバイスは特に有利である。本発明に係るデバイスを用いて本発明に係る方法を実施することにより、待機時間及び作業時間によって処理時間が実際に短くなるため、スループットが大幅に増加する。ハイスループットトランスフェクションにおいては、反応空間が予め満たされた状態でマイクロタイタープレートがロボットによって供給され、トランスフェクション後にこのロボットによってさらに処理される。すなわち、電気的処理は筐体内で実行されるが、本発明によれば、ロボットは筐体の外で既に処理された先の容器を取り外し、新たな容器を準備することができる。従って、電気的処理と電気的処理との間の容器の準備及び後処理で時間がロスされないため、処理時間全体を大幅に短縮することができる。電気的処理の間、配電装置13の下に配置された接触装置8は、ここでは、レセプタクル7の上に位置する容器の上を水平に、すなわち接触平面と平行に移動する。ここでは、容器が段階的に横断されるのが好ましく、その場合、ブリッジの形に設計された接触装置は、レール11、12に沿って導かれる。接触装置が、容器の上の、すなわち処理される反応空間の上の所望の位置に到達すると、接触手段と電極との間で電気接触を行うことができる。当該の反応空間に電圧パルスが印加された後、接触手段と電極との間の接触が解消され、その後、接触装置8は次の位置へと移動し、そこで次の反応空間が処理されることになる。容器の所望の反応空間全てが処理されるまで、これらの工程が繰り返され得る。その後、容器が上記のようにして別の容器に交換される。
【0055】
図4は、図2に示す形式の実施の形態の側面図を示す。ここで、可動プレート5は、軸16を中心に回転動作、すなわち周回動作を行うことができ、それにより、レセプタクル3、7の位置を相互に交換できることが分かる。さらに、2つの容器4、15はここでは可動プレート5上に配置されていることが分かる。容器4は、ここでは図示しない筐体の外のレセプタクル3に設置され、他方で容器15は筐体内のレセプタクル7に設置されている。従って、容器15は、容器15の上をレール12に沿って水平に移動することができる接触装置8に配置されている。この動作、及び、接触装置8の接触手段17と容器15の電極との間の電気接触を、図5を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0056】
図5は、容器と接触装置とがある状態の本発明に係るデバイスの一形式の実施の形態の側面図を示す。デバイス20は、容器22が配置されたレセプタクル21を備える。容器22は、複数の反応空間を備え、その反応空間のそれぞれには2つの電極が取り付けられており、電極との電気接触は、電極から上向きに突出した接触素子26を介して上から行うことができる。この接触は、接触装置25の下面に取り付けられ、この例ではピンの形に設計された接触手段24によって行われる。接触装置25は、容器22の上を水平に、すなわち接触平面と平行に移動する。ここで、容器は、段階的に横断されるのが好ましい。接触装置25が容器22の上の、すなわち処理される反応空間の上の所望の位置に到達すると、接触手段24とそれぞれの反応空間の電極の接触素子26との間で電気接触が行われ得る。ここで、接触は、接触装置25の垂直移動によって、すなわち接触装置25を容器22の方向に下げることによって行われる。接触手段の許容誤差を一致させるために、バネ式ヘッドを備えた接触手段を用いるのが有利である。しかし、接触すべき容器の電極全てとの接触が行われる場合には、必要な接触手段の全てとそれらの個々のバネ力の総和によって、接触装置とは無関係に接触力が高くなってしまうことがある。本発明によれば、容器の電極のうちのごく僅かとしか接触が同時に行われないため、レセプタクル及び容器に対する機械負荷が大幅に低減される。従って、接触装置25はブリッジの形に設計されており、その下面にはその総数が反応空間の数よりも少ない接触手段が3列(そのうちの最も先端の接触手段24しかここでは図示していない)設けられている。必要な接触手段の数が少ないと、失敗の危険性及び接触装置のコストが大幅に削減されるという利点もある。従って、本発明によれば、横移動可能な接触装置25によって、容器22のわずかな部分、好ましくは2列の反応空間のそれぞれとの接触が有利に行われる。この実施の形態の例においてはマイクロタイタープレートである容器22の形状から、接触手段24を列状に配置することがここでは有利である。当該の反応空間に電圧パルスを印加した後、接触手段24と電極の接触素子26との間の接触が解消され、その後、接触装置25は次の位置へと移動し、そこで次の反応空間が処理されることになる。容器22の所望の反応空間全てが処理されるまで、これらの工程が繰り返され得る。ここで、電圧パルスは、例えば個々の継電器を備え得る配電装置23によって個々の接触手段24に配電される。
【0057】
図6は、電極36が取り付けられた少なくとも1つの容器31と電気接触を行う本発明に係るデバイス30の一形式の実施の形態の概略側面図を示す。容器にはカバー37が取り付けられており、電極36に取り付けられた接触素子38がカバー37を通り上向きに突出している。デバイス30は、容器31を設置可能なレセプタクル32を少なくとも1つ備える。レセプタクル32には冷却装置33が取り付けられており、本実施の形態の例おいて冷却装置33はペルチェ素子である。ここで図示する形式の実施の形態においては、冷却装置が熱伝導体39と熱交換器40とに接続されている。熱交換器40によって、容器31内で生じ、そして熱伝導体39を介し冷却装置33を通じて周囲環境に搬送される熱が効率的に取り除かれる。図示の例においては、熱交換器40の本体には冷却フィン41が取り付けられている。処理中に生じる熱の除去を高めるために、換気装置(図示せず)をデバイス30に取り付けることもできる。電極36の接触素子38と接触を行う際、接触装置(図示せず)の接触手段は、容器31に垂直圧を加える。この一方的な圧力によって容器31が傾くことがないようにするために、本発明の有利な実施の形態においては、容器31をレセプタクル32及び冷却装置33に均一に押し付ける少なくとも1つのここでは図示しない加圧装置を本発明に係るデバイス30は備え得る。加圧装置は、枠の形に設計することができ、容器31の縁部の少なくとも一部に設置することができる。加圧装置は、接触装置の一部であってもよい。特に、加圧装置は、容器31の電極と冷却装置33との間の接触を強めるために、容器31とレセプタクル32の間の隙間35から空気を押し退ける役割を果たす。このように、容器31と電極の効果的な冷却を確かなものとすることができる。
【0058】
図7は、レセプタクルが直線動作の状態にある本発明に係るデバイス50のさらなる形式の実施の形態の概略側面図を示す。デバイス50は、容器54、55のそれぞれが設置される2つのレセプタクル51、52を備える。この図においては、レセプタクル52は筐体57の内部の中央位置53に位置し、接触装置58の下に配置されている。容器55の反応空間に1つの又は複数の電圧パルスを印加するために、接触装置58の垂直移動によって、接触装置58により容器55のここでは図示しない電極と電気接触を行うことができる。レセプタクル51は、筐体の外の左側位置56に配置されており、この位置56は、容器54の準備又は後処理を行うのに用いられる。それに加えて、さらなる位置59が筐体57の反対側に位置しており、接触装置55用のまた容器55の準備及び/又は後処理用の空間を提供している。本発明のこの例示的な形式の実施の形態においては、連結した又は分離した直線動作によって容器の位置を交換することができる。ここでは、容器の位置の交換は、容器自体の動き又はレセプタクルの動きによって達成され得る。従って、本発明に係るデバイス50は2つのレセプタクル51、52を備え、レセプタクル51、52はそれぞれが、2つの位置(53もしくは56、又は53もしくは59)につくことができる(合計で3つの位置(53、56、59)が設けられている)。そのため、レセプタクル51は、左側位置56と中央位置53との間を直線的に移動することができ、それに対してレセプタクル52は、中央位置53と右側位置59との間を直線的に移動することができる。この構成により、次に電気的処理にかけられるべき容器を、筐体57(位置53)内に搬送することが常時可能となる。そして、電気的処理の間、準備及び/又は後処理のために筐体57の外で他方の容器にアクセスすることができる(位置56及び59)。
【符号の説明】
【0059】
1 デバイス
2 筐体
3 レセプタクル
4 容器
5 可動プレート
6 ターンテーブル
7 レセプタクル
8 接触装置
9 ヨーク
10 ヨーク
11 レール
12 レール
13 配電装置
14 カバープレート
15 容器
16 軸
17 接触手段
20 デバイス
21 レセプタクル
22 容器
23 配電装置
24 接触手段
25 接触装置
26 接触素子
30 デバイス
31 容器
32 レセプタクル
33 冷却装置
34 矢印
35 隙間
36 電極
37 カバー
38 接触素子
39 熱伝導体
40 熱交換器
41 冷却フィン
50 デバイス
51 レセプタクル
52 レセプタクル
53 位置
54 容器
55 容器
56 位置
57 筐体
58 接触装置
59 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が取り付けられた少なくとも2つの容器に対して、少なくとも1つの容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つの他方の容器を準備するか又は後処理にかけることによって、少なくとも1つの電圧パルスを印加する方法であって、
a)少なくとも1つの容器を準備する工程と、
b)前記容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つのさらなる容器を準備する工程と、
c)電圧パルスが既に印加された前記容器と前記さらなる容器のそれぞれの位置を相互に交換する工程と、
d)前記さらなる容器に少なくとも1つの電圧パルスを印加すると同時に、少なくとも1つの電圧パルスが印加された前記容器を後処理にかけ、かつ、少なくとも1つの次の容器を準備する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記工程b)及びd)の間に前記容器に複数の電圧パルスを印加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電極が取り付けられた少なくとも1つの容器(4、15)と電気接触を行うデバイス(1)であって、前記デバイスは、少なくとも1つの前記容器(4、15)を設置可能な少なくとも1つのレセプタクル(3、7)と、前記容器(4、15)の前記電極と接触を行う少なくとも1つの接触装置(8)とを備え、前記レセプタクル(3、7)が少なくとも2つ設けられ、一方の前記レセプタクル(7)は、前記接触装置(8)に又はその内部に位置し、前記レセプタクル(3、7)の双方及び/又は前記接触装置(8)は、移動し終えた後に他方の前記レセプタクル(3)が前記接触装置(8)に又はその内部に位置するように移動することが可能であることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
前記レセプタクル(3、7)が可動プレート(5)上に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
少なくとも1つの電極がそれぞれに取り付けられた少なくとも2つの反応空間を備える少なくとも1つの容器と電気接触を行う方法であって、別々の前記反応空間の前記電極と電気接触を順次行うことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記電極と電気接触を行う接触装置が、少なくとも1つの接触平面とほぼ平行に移動し、そして前記電極と電気接触を行うことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記容器は、少なくとも1つの電極をそれぞれが備える複数の反応空間を有し、前記反応空間の個々のグループを決定し、同一グループの前記反応空間の前記電極との接触を同時に行い、異なるグループの前記反応空間の前記電極との接触を順次に行うことを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの電極がそれぞれに取り付けられた少なくとも2つの反応空間を備える少なくとも1つの容器(22)と電気接触を行うデバイス(20)であって、前記電極との接触を行う接触手段(24)を有する少なくとも1つの接触部を備える少なくとも1つの接触装置(25)が設けられ、前記接触部の数は、前記反応空間の数よりも少なく、1つの前記接触部は、少なくとも2つの前記反応空間の前記電極との接触を行う前記接触手段(24)を有することを特徴とするデバイス。
【請求項9】
前記接触装置(25)は、サポート型、好ましくはブリッジ型及び/又はスライド型に設計され、接触平面とほぼ平行に移動することが実質的に可能であることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記接触装置(25)の少なくとも一部は、前記接触平面に対してほぼ直角に移動することが実質的に可能であることを特徴とする、請求項8又は9に記載のデバイス。
【請求項11】
電極が取り付けられた少なくとも1つの容器と電気接触を行う方法であって、前記容器が冷却装置によって冷却され、前記容器が前記冷却装置にほぼ均一に押し付けられることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記容器が前記冷却装置に押し付けられる際の圧力は、少なくとも部分的に前記容器の前記電極及び/又は前記容器の縁部に対して加えられることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電極が取り付けられた少なくとも1つの容器(31)と電気接触を行うデバイス(30)であって、前記デバイスは、少なくとも1つの前記容器(31)を設置可能な少なくとも1つのレセプタクル(32)を備え、前記レセプタクル(32)に冷却装置(33)が取り付けられていることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
前記冷却装置(33)は、少なくとも1つのペルチェ素子を含むことを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの加圧装置が設けられ、前記加圧装置は、前記容器(31)を前記レセプタクル(32)及び/又は前記冷却装置(33)に押し付けることを特徴とする、請求項13又は14に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−515531(P2012−515531A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545703(P2011−545703)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000297
【国際公開番号】WO2010/083987
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(503147734)ロンザ ケルン ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】