説明

複数の未分類の製品を後続装置に送出するための送出要素

本発明は、回転可能に駆動可能な回転円板(11)を備える、その下流に位置する装置に、特に製品を選別するための装置に多数の未分類の製品を搬送するための搬送要素に関する。装置は、回転円板(11)に対し偏心して配置された誘導要素(15)が回転円板(11)に位置している点で特徴づけられる。この誘導要素(15)は好ましくは円形の側壁(14)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導要素を偏心させて取り付けられ、回転するように駆動可能な回転台を含む、後続装置、特に製品を選別するための装置に複数の未分類の製品を送出するための送出要素に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は多くの分野で、特に包装産業や食品産業において使用されている。正確にはこれらの分野では、大型の貯蔵器から、特に複数の不揃いな製品からなる製品流れから、個々の製品または製品の群を選別することが必要である。製品は不揃いな入ってくる流れから手作業で受け取られ、選別されてから、後続の処理または包装のために送出されることが知られている。自動化の過程で、製品を自動的に選別する取扱いシステムがますます頻繁に使用されつつある。選別のための装置への送出を単純にし改善するために、上述の回転台または保管台がますます増大する範囲で使用されており、それらは例えば魚の切り身などの製品の不揃いな入ってくる流れが供給され、それらを選別のための取扱い要素の領域に連続的または間欠的に回転によって移動させる。
【0003】
しかし、そのような回転台は、回転台上の製品が回転台の表面全体にしばしば不均等に分散されるという欠点を有する。その結果、個々の製品が、いわゆる無効区域すなわち取扱い要素のいずれによっても届かない区域に留まるということが度々起きる。これは、そのような製品が取扱い要素の把持または吸引要素のうちの1個によって拾得されずに際限なく回転することにつながる。さらに、取扱い要素が大きな区域、すなわち台表面の全体にわたり製品を探さなければならないことは、取扱い要素の大きな作業半径を必要とし長い搬送距離につながるので、不利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、不揃いな製品をならしそれらを集中させて送出するための単純で信頼できる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、回転台上に回転台に対し偏心して配置された誘導要素を配置し、誘導要素は好ましくは円形の側壁を備えるという事実により前述の特徴を備える装置によって達成される。その結果、製品は回転台で線形配列に強制され、それは製品の受取りと選別を本質的に単純にする。同時に誘導要素の外壁でもあるその側壁により、製品は、製品取出し領域の領域に外向きに安全かつ確実に強制される。円形形状は製品が誘導要素に引っかかるのを防ぐ。
【0006】
本発明の好ましい発展において、誘導要素は支持体に調整可能に取り付けられる。それゆえ、所要の製品幅が容易に設定できる。言い換えれば、製品取出し領域の幅は種々の製品幅に適応され得る。
【0007】
さらなる有利な特徴および好ましい実施形態は、付属の特許請求の範囲と説明から明らかである。特に好ましい実施形態を添付図面に関してさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図示された装置は、複数の未分類の製品、特に魚の切り身をならし、それらを処理および/または包装するための後続装置へ送出する働きをする。
【0009】
図1に従った送出要素10は回転シャフト12の周りを回転可能な回転台11を含む。回転台11は円形の円板13として設計されており、径方向全周で、円板13から垂直に張り出す側壁14が設けられている。回転シャフト12は通常円板13に垂直に向けられており、円板13は好ましくは水平に向けられている。代替として、円板13と回転シャフトから構成されるユニットは傾けることもできる。回転シャフト12は円板13に対し中心に延びている。
【0010】
回転台11の領域に誘導要素15が配置されている。誘導要素15は、回転台11に対し偏心して配置されており、回転シャフト16の周りを回転可能である。誘導要素15は、製品を受け取る回転台11の側に配置されており、任意選択で回転台11の上に載せるかあるいはそれから僅かに離して上方に配置される。誘導要素15は、例えばかどばった支持アームといった支持体17に回転可能に取り付けられており、支持体17はフレーム(図示せず)または床に固定して取り付けられる。誘導要素15の回転シャフト16は、回転台11の回転シャフト12から偏って配置されている。しかし回転シャフト12、16は互いに本質的に平行に延びている。回転シャフト12、16の偏りは、図示された実施形態においてX方向とY方向にある量だけ偏っている。
【0011】
好ましくは、偏心シャフトとも呼べる誘導要素15の回転シャフト16は、調整可能である。偏心シャフトの調整可能性は種々の方式でもたらされる。例えば、回転シャフト16は、支持体17のアーム18の長円形の穴(図示せず)内で摺動可能とし、ねじ等によって所要の位置に固定させるようにすることができる。別の可能性は、アーム18自体が例えば伸縮式であるということに存する。他の一般的な調整機構もまた使用することができる。
【0012】
図示された実施形態における誘導要素15は、回転台11の側壁14とほぼ平行に走る好ましくは円形の側壁19を有する。例えば楕円形または多角形の設計といった他の形態や形状の側壁19もまた使用することができる。誘導要素15の直径は回転台11の直径よりも小さい。したがって、誘導要素15は回転台11の一部だけを被っている。誘導要素15によって被われるかまたは包囲された回転台11の領域は常に製品がない。誘導要素11の外側、すなわち側壁19の、回転シャフト16から離れる方向の側には、製品のための表面が形成される。回転台11に対する誘導要素15の偏心のために、誘導要素15は、回転台11すなわち製品のために設けられた表面を、製品送給領域20と製品取出し領域21とに分割する。これはまた、鎌形である製品送給領域20をもたらす。この鎌形の製品送給領域20は干渉する輪郭形状がなく、その結果、製品によってこの領域が容易に満たされる。
【0013】
誘導要素15の偏心の調整によって、それぞれの領域(製品送給領域20と製品取出し領域21)の大きさは変えることができ、製品送給領域20は通常、製品取出し領域21よりも大きい。さらに、製品取出し領域21は、回転シャフト12のまわりで同心に、回転台11の外縁に環状に広がる。製品送給領域20は、製品取出し領域21の内部にある面積から誘導要素15によって被われるかまたは包囲された面積を引いたものに対応し、鎌形である。
【0014】
図示された実施形態における送出要素11は、不揃いで未分類の製品の製品の流れを配送ベルト22によって供給される。配送ベルト22の代わりに、例えばシュートなどの他の運搬または搬送要素が使用できる。配送ベルト22は好ましくは、送出要素10内またはその上で製品送給領域20に到る。製品送給領域20の領域には、好ましくはその上方に、レベルセンサ23が配置されている。レベルセンサ23によって測定された情報または信号は、送出要素10が接続される制御システムによって処理される。好ましくは、配送ベルトやあらゆる後続装置もまた、この制御システムと接続される。加えて、さらなる監視要素が製品取出し領域21に対して設けることができ、制御システムと有効に接続され得る。
【0015】
図示された実施形態において、回転台11と誘導要素15の回転の方向は同一である。しかし、反対方向に駆動させる可能性もまた存在する。さらに、誘導要素15はまた、回転する回転台11に対して静止していてもよく、それにより一方で回転台1と他方で誘導要素15との間に相対速度が存在する。同様に、送出要素11との摩擦ロッキングによる誘導要素15の駆動が可能である。
【0016】
そのような装置10は種々のシステムと接続することができる。重量制御された製品の集りをロット化するための装置と組合わせた使用が好ましい。しかし装置10はまた他の装置とも接続できる。また、装置10によってすでに分類されたか、予め分類された製品または物体は、さらなる処理のために、または包装ユニットに送出される。誘導要素15の形状もまた、円形形状に制限されず、例えば楕円形、多角形などといった他のあらゆる形状を有することができる。
【0017】
以下に、送出要素10の方法の原理をさらに詳細に説明する。回転台11は間欠的または連続的に配送ベルト22によって製品の流れが供給される。製品は、製品送給領域20の領域で回転台11に落下する。回転台は回転シャフト12の周りを回転している。やはり回転している誘導要素15またはその側壁19によって、製品は、製品送給領域20から製品取出し領域21に外向きに強制され、その結果、製品はいわば一列にならされ、回転台11で回転し、その後、例えば吸引ノズルによる吸引によって確実に選別されるようになる。十分な製品が回転台11に配置されたという信号をレベルセンサ23が与えるまで、新しい製品が配送ベルト22によって回転台11上に供給される。その後、配送ベルト22による製品供給は停止する。レベルセンサ23または他の監視要素が製品送給領域20および/または製品取出し領域21の領域おいて回転台11上で隙間を再び検出するとただちに、配送ベルト22は再び運転状態に設定される。代替的または追加的に、例えばセンサなどの付加的な監視要素が、製品取出し領域21を監視し、またはそれが順序正しく占拠されているかどうかを監視して、隙間または製品のない領域がある場合、より多くの製品を、製品送給領域20に、最終的に製品取出し領域21に搬送させるためにその情報を渡すようにしている。
【0018】
製品の大きさが変化する場合には、誘導要素15が調整され、それにより誘導要素15の回転シャフト16を回転台11の回転シャフト12のより近くに移動させることによって、製品取出し領域21を拡大させる、すなわち広げられる。調整はまた、誘導要素15を、もっと小さいかまたは大きい直径を有するものと交換することによっても行うことができる。
【0019】
製品送給領域20だけに製品が確実に落下するようにすることが望ましい。これは、例えば、配送ベルト22が製品取出し領域21の上で止まるか、またはその中まで延出しており、製品が例えばシュートなどの誘導要素によって製品送給領域20に落下させられるということによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】偏心して配置された誘導要素を備える回転台の平面図を示す。
【図2】図1における装置の側面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するように駆動可能な回転台(11)を含む、後続装置、特に製品を選別するための装置に複数の未分類の製品を送出するための送出要素であって、回転台(11)上に回転台(11)に対し偏心して配置された誘導要素(15)が配置されており、誘導要素(15)は好ましくは円形の側壁(19)を備えていることを特徴とする、送出要素。
【請求項2】
側壁(19)は回転台(11)から垂直に張り出す側壁(14)とほぼ平行に走っていることを特徴とする請求項1に記載の送出要素。
【請求項3】
誘導要素(15)は固定した支持体(17)に回転するように駆動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の送出要素。
【請求項4】
誘導要素(15)は支持体(17)に調整可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の送出要素。
【請求項5】
誘導要素(15)は回転台(11)を製品送給領域(20)と製品取出し領域(21)とに分割していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の送出要素。
【請求項6】
製品送給領域(20)の領域にレベルセンサ(23)が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の送出要素。
【請求項7】
回転台(11)と誘導要素(15)は、任意選択で、同一方向または反対方向に駆動されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の送出要素。
【請求項8】
回転台(11)の回転シャフト(12)と誘導要素(15)の回転シャフト(16)は偏ってかつ互いに平行に延びていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の送出要素。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−528404(P2008−528404A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552598(P2007−552598)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000853
【国際公開番号】WO2006/079561
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(591042838)ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー (9)
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】