説明

複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置

【課題】メインアームユニット及び延長アームユニットを備える、複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を提供する。
【解決手段】メインアームユニット100は、二つの対向端を有するアームボディー130を備え、リファレンスシャフト300は、第1端110で枢動し、延長アームユニット200は、接続軸400を介して第2端120で枢動する。ドリルガイドホール271を有するドリルガイド部は270、第2の接続ヘッドの外端部分に配置される。リファレンスシャフトは、第1端の軸ホールを介して第1の歯科インプラントホールに挿入する。延長アームユニットの当該ドリルガイドホールの位置及び角度は、当該リファレンスシャフト及び接続軸で枢動することによって調整されて、その他の歯科インプラントホールに達し、ドリルを導いてドリルガイドホールを介して精確にその他の歯科インプラントホールをあける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリリングするための位置決め補助装置に関し、特に複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ひどい齲歯又はその他の原因による歯の破断、損傷又は抜歯の場合に、歯科インプラント物(又は人工歯)を歯の抜けた位置に充填して、歯の外観及び無欠性を復元させる。
【0003】
完全なる新しい歯科インプラント物を充填する「キャリング」方式は、従来の歯科復元方式の一つである。簡単に言うと、喪失歯に隣接する2歯のトップを部分的に研磨して、喪失歯及び側面歯ブリッジを備えるユニットを製造し、前記ユニットを、隣接歯の研磨したトップの上に側面歯ブリッジを粘着することによって、そこに置く。隣接歯は喪失歯の位置における歯科インプラント物をサポートしてキャリングする。
【0004】
「キャリング」方式は、かなり安価であるが、不良な粘着力で、隣接する健康な歯を損なってしまうため、良い歯科復元方式とはいえない。
【0005】
そのため、歯科インプラント手術は、歯科業及び歯科患者に広く用いられ、前記手術では、人工歯根をインプラントするが、隣接歯を損うことはない。
【0006】
前記歯科インプラント手術は、喪失歯の位置に対応する患者の歯肉にドリリングして、既製の人工歯根をホールに置いて固定する。そのため、歯科インプラントの品質は、ドリリング位置及びドリリング角度の精度によって決められる。
【0007】
従来の歯科インプラント手術において、人工歯根のドリリング位置及び角度は、歯医者の経験によって決められる。しかしながら、歯医者による精度制御は困難であるので、ドリリング位置、角度及びインプラント歯根には偏差が発生してしまう。そのため、転位した歯根は、精確に隣接歯に対応できなく、更に歯科インプラント手術の失敗にいたってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、更にドリリングするための位置決め補助装置が開発されており、リファレンスロッド(reference rod)、ガイドプレートセット(guiding plate set)及びその類似物がプレドリリング位置に置かれて、ドリリング位置の精度を保証する。しかしながら、複数の歯科インプラントホールをあける場合に、位置決め補助装置のリファレンスロッド、ガイドプレートセット及びその類似物をホールごとに対応して置く必要があり、数々の不便をもたらしてしまう。
【0009】
前記問題を解決するために、患者の歯肉によって歯型を予め作って、続いて前記歯型によって歯科インプラントホールをあける。しかしながら、歯型のコスト及び歯科インプラントの待ち時間が増加する。
【0010】
以上の原因で、複数の歯科インプラントホールをあけるのはやはり不便である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、本発明の一態様において、歯型構造の製造を代わりに、ホールをあけて歯科インプラント物を複数の位置に置いて、さらに、歯科インプラント物の精確な位置決めと角度を保証できる複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を提供する。
【0012】
本発明の他の態様において、好適に用いる複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を提供する。
【0013】
一実施例によれば、本発明の主な特徴は、複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置であり、前記位置決め補助装置は、お互いに対向に配置される第1端及び第2端を有し、前記第1端の上で枢動するリファレンスシャフト(reference shaft)を有するアームボディーを備えるメインアームユニットと、接続軸を介してメインアームユニットの第2端で枢動し、すべて順序に枢動する第1の接続ヘッド、一対の接続棒、第2の接続ヘッドを有し、第2の接続ヘッドの外端部分の上に配置されるドリルガイド部を有し、前記ドリルガイド部がドリルガイドホールを有する延長アームユニットを備える。リファレンスシャフトは第1の歯科インプラントホールの所要位置に挿入されて固定され、参照及びサポートを提供する。なお、延長アームユニットのドリルガイドホールの位置及び角度は、リファレンスロッド及び接続軸で枢動することによって調整されて、その他の歯科インプラントホールに達する。よって、ドリルガイドホールを介してドリルを導くことで、精確にその他の歯科インプラントホールをあける。
【0014】
一実施例において、メインアームユニットは、リファレンスシャフトに対応する第1の位置決め機構を有し、その内、少なくとも第1の位置決め溝が、リファレンスシャフトの高度において前記リファレンスシャフトを囲み、アームボディーは、軸ホールに通じる第1のスルーホールを有し、第1の位置決め機構は、第1のスルーホールに固定されるための第1の固定ねじボルトと、第1の固定ねじボルトの軸ホール向き側に配置される第1のスプリングと、第1のスプリングの軸ホール向き側に配置される第1の位置決めビードとを備え、第1の位置決めビードとリファレンスシャフトの第1の位置決め溝は、弾力的に噛合する。メインアームユニットの第1の位置決め溝は、異なる高度において、第1の位置決めビードと噛合するために、メインアームユニット及び延長アームユニットの高度は、相対的に調整して位置決めされる。
【0015】
一実施例において、延長アームユニットの第1の接続ヘッドは、その内に垂直に配置される第1の接続ホールを有し、メインアームユニットの第2端は、その内に垂直に配置される第2の接続ホールを有し、接続軸は、第1の接続ホール及び第2の接続ホールを貫通して接続し、メインアームユニットは、接続軸に対応する第2の位置決め機構を更に有し、その内、第2の位置決め溝は、前記接続軸を囲み、アームボディーは、第2の接続ホールに通じる第2のスルーホールを有し、第2の位置決め機構は、第2のスルーホールに固定されるための第2の固定ねじボルトと、第2の固定ねじボルトの第2の接続ホール向き側に配置される第2のスプリングと、第2のスプリングの第2の接続ホール向き側に配置される第2の位置決めビードとを備え、その内、第2の位置決めビードと接続軸の第2の位置決め溝は、弾力的に噛合する。そのため、接続軸、メインアームユニット、延長アームユニットは、それらにおいて枢動して位置決めされる。
【0016】
一実施例において、第1の接続ヘッドは、第1の接続トレンチを有し、第1の接続トレンチの両側に、一対の第1の接続アームがあり、前記一対の第1の接続アームは、それぞれ上部位置に第1のピンホールを有し、及び下部位置に第2のピンホールを有し、第2の接続ヘッドは、第2の接続トレンチを有し、第2の接続トレンチの両側に、一対の第2の接続アームがあり、前記一対の第2の接続アームは、それぞれ上部位置に第3のピンホールを有し、及び下部位置に第4のピンホールを有し、一対の接続棒は、第1の接続トレンチと第2の接続トレンチとの間にお互いに平行するように配置される第1の接続棒及び第2の接続棒を備え、第1のピン及び第3のピンは、それぞれ第1の接続棒の両端の第1のピボットホール及び第3のピボットホールを貫通することによって、それぞれ第1のピンホール及び第3のピンホールで枢動し、第2のピン及び第4のピンは、それぞれ第2の接続棒の両端の第2のピボットホール及び第4のピボットホールを貫通することによって、それぞれ第2のピンホール及び第4のピンホールで枢動する。第1の接続ヘッド、第2の接続ヘッド、第1の接続棒、第2の接続棒は、フォーバーリンケージ(four bar linkage)に形成されて、その位置を自由に調整する。
【0017】
一実施例において、第1の接続棒は、第1の長さ調整機構を有し、第1の接続棒の全長を調整し、ドリルガイド部及びドリルガイドホールの角度を調整する。
【0018】
一実施例において、第1の長さ調整機構は、お互いに重なり合う第1の調整棒と第3の調整棒を有する第1の接続棒を備え、第1のピボットホールは、第1の調整棒の外端に配置されて第1のピンで枢動し、第3のピボットホールは、第3の調整棒の外端に配置されて第3のピンで枢動する。第1の調整棒と第3の調整棒が重なる部分の長さを調整することによって、第1の接続棒の全長は相対的に調整される。
【0019】
一実施例において、第1の接続棒は、第1の調整棒及び第3の調整棒を固定するための第1の固定機構を有する。そのため、調整後の長さを有する第1の接続棒は固定される。
【0020】
一実施例において、第1の固定機構は、第1の調整棒及び第3の調整棒をカバーするための第1のカバーと、前記第1のカバーに配置され、力を加えて第3の調整棒と第1の調整棒を押さえて締め付け、固定機能を実現するための第1の固定装置と、を備える。
【0021】
一実施例において、第1の調整棒及び第3の調整棒は、それぞれにその隣接面に配置される第1のねじ山によって噛合し、第1の調整棒と第3の調整棒をより安定に重なり合わせる。
【0022】
一実施例において、第1の調整棒及び第3の調整棒の側面にそれぞれ目盛線を配置して、肉眼によって第1の接続棒の長さを推定する。
【0023】
一実施例において、アームボディーは、第2の長さ調整機構及び第2の固定機構を有し、アームボディーの全長を調整し、調整後の長さを有するアームボディーを固定する。
【0024】
以上の一般的な叙述及び以下の詳細な叙述の全部は、(実施)例であり、請求(項)で本発明の更なる説明を提供しようとすることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
実施例に対する以下の詳細な叙述によって、本発明をより充分に了解でき、下記の図面を参照する。
【0026】
【図1】本発明の一実施例による複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す立体図である。
【図2】図1による複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す分解図である。
【図2a】他の角度から見る図2の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置のメインアームユニットを示す図である。
【図2b】本発明の他の実施例によって、図2の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置の第1の固定機構を示す図である。
【図2c】本発明のさらに他の実施例によって、図2の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置の第1の固定機構を示す図である。
【図3】図1の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す平面図である。
【図4】図1の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す側面図である。
【図5】図1の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す組立図である。
【図6】図1の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す動作図である。
【図7】図1の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す他の動作図である。
【図8】図7の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置を示す更なる変形図であり、メインアームユニットのアームボディーの調整可能な長さを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例に関する前記及び他の技術内容、特性及び効果を、添付図面の例証で詳細に説明する。
【0028】
図1〜図7は、本発明の一実施例による複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置の構造を示すいくつかの図である。ドリリングするための位置決め補助装置は、メインアームユニット100、延長アームユニット200、リファレンスシャフト300、接続軸400を備えることができる。
【0029】
メインアームユニット100は、お互いに対向に配置される第1端110及び第2端120を有するアームボディー130を備える。メインアームユニットの第1端110は、その内に垂直に配置されて、リファレンスシャフト300を通させる軸ホール111を有し、メインアームユニット100は、リファレンスシャフト300に対応する第1の位置決め機構140を有する。
【0030】
第1の位置決め機構140とリファレンスシャフト300との関係について、三つの第1の位置決め溝310は、リファレンスシャフト300の様々な高度でリファレンスシャフト300を囲むことができ、メインアームユニット100のアームボディー130は、軸ホール111に通じる第1のスルーホール131を有し、第1の位置決め機構140は、第1の固定ねじボルト141、第1のスプリング142、第1の位置決めビード143を備える。第1の固定ねじボルト141は、第1のスルーホール131に固定され、第1のスプリング142は、第1の固定ねじボルト141の軸ホール111向き側に配置され、第1の位置決めビード143は、第1のスプリング142の軸ホール111向き側に配置され、その内、第1の位置決めビード143とリファレンスシャフト300の第1の位置決め溝310は、弾力的に噛合する。異なる高度におけるメインアームユニット100の第1の位置決め溝310は、第1の位置決めビード143と噛合するため、メインアームユニット100及び延長アームユニット200の高度は、相対的に調整して位置決めされることができる。
【0031】
リファレンスシャフト300は、外径が軸ホール111の直径より大きく、第1の位置決め溝310の下に配置されて、メインアームユニット100の低い位置を限定するための第1の止めカラー320を有する。リファレンスシャフト300は、位置決めとサポートのために、患者の歯肉600に予めあけた第1の歯科インプラントホール610に挿入して固定されることができる。
【0032】
延長アームユニットユニット200は、すべて順序に枢動する第1の接続ヘッド210、一対の接続棒230と接続棒240、及び第2の接続ヘッド220を有する。第1の接続ヘッド210は、その内に垂直に配置される第1の接続ホール211を有し、メインアームユニット100の第2端120も、その内に垂直に配置される第2の接続ホール121を有し、接続軸400は、第1の接続ホール211及び第2の接続ホール121を貫通して接続する。そのため、メインアームユニット100及び延長アームユニット200は、ベンドアーム構造を形成し、リファレンスシャフト300及び接続軸400を別々に枢動することによって、自由に伸ばしたり、曲がったりすることができる。
【0033】
メインアームユニット100は、接続軸400に対応して第1の位置決め機構140と同一な構造を有する第2の位置決め機構150を更に備える。第2の位置決め機構150と接続軸400との関係について、第2の位置決め溝410は、接続軸400を囲み、メインアームユニット100のアームボディー30は、第2の接続ホール121に通じる第2のスルーホール132を有し、第2の位置決め機構150は、第2の固定ねじボルト151、第2のスプリング152、第2の位置決めビード153を備える。第2の固定ねじボルト151は、第2のスルーホール132に固定され、第2のスプリング152は、第2の固定ねじボルト151の第2の接続ホール121向き側に配置され、第2の位置決めビード153は、第2のスプリング152の第2の接続ホール121向き側に配置され、その内、第2の位置決めビード153は接続軸400の第2の位置決め溝410と弾力的に噛合する。接続軸300が一旦延長アームユニット200の第1の接続ホール211及びメインアームユニット100の第2の接続ホール121を貫通すると、第2の位置決め機構150の第2の位置決めビード153が接続軸400の第2の位置決め溝410と自動で弾力的に噛合するようになり、それにより、接続軸400、メインアームユニット100及び延長アームユニット200は迅速に枢動して位置決めされる。
【0034】
接続軸400は、外径が第1の接続ホール211の直径より大きく、第1の接続ホール211の上に配置されて、延長アームユニット200の位置を離れさせないように限定するための第2の止めカラー420を有する。
【0035】
以下、実施された例を示し、延長アームユニット200の構造を説明する。延長アームユニット200の第1の接続ヘッド210は、第1の接続トレンチ212を有し、第1の接続トレンチ212の両側には、一対の第1の接続アーム213があり、当該一対の第1の接続アーム213は、それぞれ上部位置及び下部位置に第1のピンホール214及び第2のピンホール215有する。第2の接続ヘッド220も第2の接続トレンチ222を有し、第2の接続トレンチ222の両側には、一対の第2の接続アーム223があり、当該一対の第2の接続アーム223は、それぞれ上部位置及び下部位置に第3のピンホール224及び第4のピンホール225を有する。一対の接続棒は、第1の接続トレンチ212と第2の接続トレンチ222との間にお互いに平行するように設置される第1の接続棒230及び第2の接続棒240を含む。第1の接続棒230は、第1の接続棒230の長さを調整するための第1の長さ調整機構233を有する。第1のピン251及び第3のピン253は、それぞれに第1の接続棒230の両端に位置する第1のピボットホール231及び第3のピボットホール232を貫通することによって、それぞれに第1の接続ヘッド210の第1のピンホール214及び第2の接続ヘッド220の第3のピンホール244で枢動する。第2の接続棒240は、固定された長さを有し、第2のピン252及び第4のピン254は、それぞれに第2の接続棒240の両端に位置する第2のピボットホール241及び第4のピボットホール242を貫通することによって、それぞれに第1の接続ヘッド210の第2のピンホール215及び第2の接続ヘッド220の第4のピンホール225で枢動する。そのため、第1の接続ヘッド210、第2の接続ヘッド220、第1の接続棒230、第2の接続棒240は、フォーバーリンケージに形成されて、その位置を自由に調整する。
【0036】
以下、実施された例を示し、第1の接続棒230の第1の長さ調整機構233を説明する。第1の接続棒230は、お互いに重なり合う第1の調整棒234と第3の調整棒235を有し、第1のピボットホール231は、第1の調整棒234の外端に配置され、第3のピボットホール232は、第3の調整棒235の外端に設置される。そのため、第1の調整棒234と第3の調整棒235が重なる部分の長さを調整することよって、第1の接続棒230の全長が相対的に調整されて、更に第2の接続ヘッド220に接続されたドリルガイド部270の角度を調整する。
【0037】
第1の調整棒234及び第3の調整棒235の側面にそれぞれ目盛線237を配置して、目盛線237に重ね合わせて、肉眼によって第1の接続棒の長さを推定する。また、第1の調整棒234及び第3の調整棒235は、それぞれにその隣接面に配置される第1のねじ山236によって噛合して、第1の調整棒234と第3の調整棒235をより安定に重なり合わせる。
【0038】
第1の接続棒230の調整後の長さを安定させるために、第1の接続棒230は、第1の調整棒234及び第3の調整棒235を固定するための第1の固定機構260を有する。実施された例において、固定機構は、第1のカバー261及び第1の固定装置262を備える。第1のカバー261が、第1の調整棒234及び第3の調整棒235をカバーする。第1の固定装置262は、第1のカバー261に配置され、力を加えて第3の調整棒234と第1の調整棒235を押さえ、緊密に噛合させて、所要な位置でお互いに固定させる。
【0039】
応用として、第1の固定装置262は、ねじボルト263、及びねじボルト263の外部に配置され、それを堅く又はゆるやかに回転させる複数の滑り止めグルーブ264であってよい。又は、ノブ265は、ねじボルト263のトップに配置されることができ、以上のように回転させる。
【0040】
第1の固定装置262は、偏心トグル(eccentric toggle)266であってもよく、偏心カムを操作することによって、それを堅く又はゆるやかに回転させることが更に容易となる。
【0041】
延長アームユニット200の第2の接続ヘッド220の外端部分221は、その上に配置されて、ドリルガイドホール271を有するドリルガイド部270を有する。延長アームユニット200の位置及び第1の接続棒230の長さを調整した後で、ドリルガイドホール271の位置及び角度を調整できる。
【0042】
本発明の一実施例による複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置は、複数の歯科インプラントホールをあけることに適用する。図5〜図7を参照する。本発明の位置決め補助装置は複数の歯科インプラントホールをあけることに応用される場合、従来の方法でまず患者の歯肉600で第1の歯科インプラントホール610をドリルし、次に、本発明の位置決め補助装置のリファレンスシャフト300を第1の歯科インプラントホール610に挿入して固定して、位置決めしてサポートを提供し、続いて、リファレンスシャフト300及び接続軸400を枢動することによって、延長アームユニット200のドリルガイドホール271を第2の歯科インプラントホール620に調整し、続いて、第1の接続棒230の長さを調整し、それにより、ドリルガイド部270及びドリルガイドホール271の角度を調整する。そのため、第2の歯科インプラントホール620の位置及び角度を容易に調整でき、ドリル500を導いてドリルガイドホール271を介して精確に歯科インプラントホールをドリルする。前記に類似する方式で、第3の歯科インプラントホール、第4の歯科インプラントホールなどの位置及び角度を容易に調整できる。
【0043】
図8を参照する。位置決め補助装置の調整範囲を拡大するために、メインアームユニット100のアームボディー130は、第1の長さ調整機構233に類似する構造を有する第2の長さ調整機構133を更に有する。実施された例において、アームボディー130は、お互いに重なり合う第1の調整アーム134と第2の調整アーム135を有する。第1の調整アーム134の外端には、第1端110が形成され、第2の調整アーム135の外端には、第2端120が形成される。そのため、第1の調整アーム134と第2の調整アーム135が重なる部分の長さを調整することによって、アームボディー130の全長を相対的に調整でき、延長アームユニット200及びアームボディー130に接続されたドリルガイド部270の位置を更に調整する。また、第1の調整アーム134及び第2の調整アーム135は、それぞれにその隣接面に配置される第2のねじ山136によって噛合して、第1の調整アーム134と第2の調整アーム135をより安定に重なり合わせる。
【0044】
アームボディー130の調整後の長さを安定させるために、アームボディー130も、第1の調整アーム134及び第2の調整アーム135を固定するための第2の固定機構160を有する。第2の固定機構160は、構造上、第1の固定機構260に類似し、且つ第2のカバー161及び第2の固定装置162を備える。第2のカバー161は、第1の調整アーム134及び第2の調整アーム135をカバーする。第2の固定装置162は、第2のカバー161に配置され、力を加えて第2の調整アーム135と第1の調整アーム134を押さえ、緊密に噛合させて、所要な位置でお互いに固定させる。
【0045】
そのため、本発明の実施例の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置によれば、複数の歯科インプラントホールをあける応用において、第2の歯科インプラントホール及びその他のホールの位置と角度は、容易に調整されることができ、ドリルを導いて位置決められたドリルガイドホールを介して、それらの歯科インプラントホールを精確にあける。それによって、例えば、各歯科インプラントホールへの位置決め補助装置の複雑な設置及び既製歯型設置などの従来の技術における迷惑及び不便を克服した。
【0046】
本発明の範囲と精神から逸脱しない限り、本発明の構造に対して多様な修正や変動をくわえることができることは、当業者に明らかである。前記内容に鑑みて、本発明に対する修正や変動が以下の請求の範囲に属する場合に、これらの修正や変動は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100 メインアームユニット、111 軸ホール、121 第2の接続ホール、131 第1のスルーホール、133 第2の長さ調整機構、135 第2の調整アーム、141 第1の固定ねじボルト、143 第1の位置決めビード、151 第2の固定ねじボルト、153 第2の位置決めビード、161 第2のカバー、200 延長アームユニット、211 第1の接続ホール、213 第1の接続アーム、215 第2のピンホール、221 外端部分、223 第2の接続アーム、225 第4のピンホール、231 第1のピボットホール、233 第1の長さ調整機構、235 第3の調整棒、237 目盛線、241 第2のピボットホール、244 第3のピンホール、252 第2のピン、254 第4のピン、261 第1のカバー、263 ねじボルト、265 ノブ、270 ドリルガイド部、300 リファレンスシャフト、320 第1の止めカラー、410 第2の位置決め溝、500 ドリル、610 第1の歯科インプラントホール、110 第1端、120 第2端、130 アームボディー、132 第2のスルーホール、134 第1の調整アーム、140 第1の位置決め機構、142 第1のスプリング、150 第2の位置決め機構、
152 第2のスプリング、160 第2の固定機構、162 第2の固定装置、210 第1の接続ヘッド、212 第1の接続トレンチ、214 第1のピンホール、220 第2の接続ヘッド、222 第2の接続トレンチ、224 第3のピンホール、230 第1の接続棒、232 第3のピボットホール、234 第1の調整棒、236 第1のねじ山、240 第2の接続棒、242 第4のピボットホール、251 第1のピン、253 第3のピン、260 第1の固定機構、262 第1の固定装置、264 滑り止めグルーブ、266 偏心トグル、271 ドリルガイドホール、310 第1の位置決め溝、400 接続軸、420 第2の止めカラー、600 歯肉、620 第2の歯科インプラントホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
お互いに対向に配置される第1端及び第2端を有し、前記第1端の上で枢動するリファレンスシャフトを有するアームボディーを備えるメインアームユニットと、
接続軸を介して前記メインアームユニットの前記第2端で枢動し、すべて順序に枢動する第1の接続ヘッド、一対の接続棒、第2の接続ヘッドを有し、前記第2の接続ヘッドの外端部分の上に配置されるドリルガイド部を有し、前記ドリルガイド部がドリルガイドホールを有する延長アームユニットと、
を備える複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項2】
前記メインアームユニットの前記第1端は、その内に垂直に配置されて、前記リファレンスシャフトを通させる軸ホール有し、前記メインアームユニットは、前記リファレンスシャフトに対応する第1の位置決め機構を有する請求項1に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項3】
少なくとも第1の位置決め溝が、前記リファレンスシャフトの高度において前記リファレンスシャフトを囲み、前記アームボディーは、前記軸ホールに通じる第1のスルーホールを有し、前記第1の位置決め機構は、
前記第1のスルーホールに固定されるための第1の固定ねじボルトと、
前記第1の固定ねじボルトの前記軸ホール向き側に配置される第1のスプリングと、
前記第1のスプリングの前記軸ホール向き側に配置される第1の位置決めビードとを備え、その内、前記第1の位置決めビードと前記リファレンスシャフトの前記第1の位置決め溝は、弾力的に噛合する請求項2に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項4】
前記リファレンスシャフトは、外径が前記軸ホールの直径より大きく、前記第1の位置決め溝の下に配置される第1の止めカラーを有する請求項3に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項5】
前記延長アームユニットの前記第1の接続ヘッドは、その内に垂直に配置される第1の接続ホールを有し、前記メインアームユニットの前記第2端は、その内に垂直に配置される第2の接続ホールを有し、前記接続軸は、前記第1の接続ホール及び前記第2の接続ホールを貫通して接続する請求項2に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項6】
前記メインアームユニットは、前記接続軸に対応する第2の位置決め機構を更に有する請求項5に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項7】
第2の位置決め溝は、前記接続軸を囲み、前記アームボディーは、前記第2の接続ホールに通じる第2のスルーホールを有し、前記第2の位置決め機構は、
前記第2のスルーホールに固定されるための第2の固定ねじボルトと、
前記第2の固定ねじボルトの前記第2の接続ホール向き側に配置される第2のスプリングと、
前記第2のスプリングの前記第2の接続ホール向き側に配置される第2の位置決めビードとを備え、その内、前記第2の位置決めビードと前記接続軸の前記第2の位置決め溝は、弾力的に噛合する請求項6に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項8】
前記接続軸は、外径が前記第1の接続ホールの直径より大きく、前記第1の接続ホールの上に配置される第2の止めカラーを有する請求項7に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項9】
前記第1の接続ヘッドは、第1の接続トレンチを有し、前記第1の接続トレンチの両側に、一対の第1の接続アームがあり、前記一対の第1の接続アームは、それぞれ上部位置に第1のピンホールを有し、及び下部位置に第2のピンホールを有し、前記第2の接続ヘッドは、第2の接続トレンチを有し、前記第2の接続トレンチの両側に、一対の第2の接続アームがあり、前記一対の第2の接続アームは、それぞれ上部位置に第3のピンホールを有し及び下部位置に第4のピンホールを有し、一対の接続棒は、前記第1の接続トレンチと前記第2の接続トレンチとの間にお互いに平行するように配置される第1の接続棒及び第2の接続棒を備え、第1のピン及び第3のピンは、それぞれ前記第1の接続棒の両端の第1のピボットホール及び第3のピボットホールを貫通することによって、それぞれ前記第1のピンホール及び前記第3のピンホールで枢動し、第2のピン及び第4のピンは、それぞれ前記第2の接続棒の両端の第2のピボットホール及び第4のピボットホールを貫通することによって、それぞれ前記第2のピンホール及び前記第4のピンホールで枢動する請求項5に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項10】
前記第1の接続棒は、第1の長さ調整機構を有する請求項9に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項11】
前記第1の長さ調整機構は、お互いに重なり合う第1の調整棒と第3の調整棒を有する第1の接続棒を備え、前記第1のピボットホールは、前記第1の調整棒の外端に配置され、前記第3のピボットホールは、前記第3の調整棒の外端に配置される請求項10に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項12】
前記第1の接続棒は、前記第1の調整棒及び前記第3の調整棒を固定するための第1の固定機構を有する請求項11に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項13】
前記第1の固定機構は、
前記第1の調整棒及び前記第3の調整棒をカバーするための第1のカバーと、
前記第1のカバーに配置され、力を加えて前記第3の調整棒と前記第1の調整棒を押さえて締め付けるための第1の固定装置と、
を備える請求項12に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項14】
前記第1の固定装置は、ねじボルトである請求項13に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項15】
複数の滑り止めグルーブは、前記ねじボルトの外部に配置される請求項14に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項16】
ノブは、前記ねじボルトのトップに配置される請求項14に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項17】
前記第1の固定装置は、偏心トグルである請求項13に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項18】
前記第1の調整棒及び前記第3の調整棒は、それぞれにその隣接面に配置される第1のねじ山によって噛合する請求項11に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項19】
前記第1の調整棒及び前記第3の調整棒の側面にそれぞれ目盛線を配置する請求項11に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項20】
前記アームボディーは、第2の長さ調整機構を有する請求項10に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項21】
前記第2の長さ調整機構は、お互いに重なり合う第1の調整アームと第2の調整アームを有するアームボディーを備え、前記第1の調整アームの外端は、第1端に形成され、前記第2の調整アームの外端は、第2端に形成される請求項20に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項22】
前記アームボディーは、前記第1の調整アーム及び前記第2の調整アームを固定するための第2の固定機構をも有する請求項21に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項23】
前記第2の固定機構は、
前記第1の調整アーム及び前記第2の調整アームをカバーするための第2のカバーと、
前記第2のカバーに配置され、力を加えて前記第2の調整アームと前記第1の調整アームを押さえて緊密に噛合させるための第2の固定装置と、
を備える請求項22に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。
【請求項24】
前記第1の調整アーム及び前記第2の調整アームは、それぞれにその隣接面に配置される第2のねじ山によって噛合する請求項21に記載の複数の歯科インプラントホールをあけるための位置決め補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−183157(P2011−183157A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−47384(P2011−47384)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(511058132)
【Fターム(参考)】