説明

複数の育苗ポットを育苗トレーに配列させて培土を充填する方法。

【課題】複数の育苗ポットを育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、複数の育苗ポットに培土を充填する方法を提供する。
【解決手段】方法は、複数の育苗ポットを保持する複数のポット保持体を縦横に配列して備えるとともに、保持された複数の育苗ポットの保持解除手段を有する、ポットグリッパーを提供するステップと、ポットグリッパーで複数の育苗ポットを縦横に配列した状態で保持するステップと、複数の育苗ポットを育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、複数の育苗ポットの保持を解除するステップと、複数の開口が形成されている培土充填板を提供するステップと、培土充填板が育苗トレーの開口を覆うとともに、培土充填板の各開口が各育苗ポットの開口の上に位置するように、育苗トレー上に培土充填板を配置するステップと、培土充填板の開口を介して育苗ポットに培土を充填するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の育苗ポットを育苗トレーに配列させて、各育苗ポットに培土を充填する方法に関する。
【0002】
なお、本願は同一出願人による特許出願(特願2009−254730、2009年11月6日出願)に関連しており、その内容を本文に援用する。
【背景技術】
【0003】
従来、複数の育苗ポットに培土を充填するには、作業者が各育苗ポットを育苗トレーに配列した上で、各育苗ポットに培土をそれぞれ充填していた。この際、育苗ポットを1つずつ育苗トレーに整列させて並べる必要があり、育苗ポットの数が多いほど、この工程は作業者に多大な労力及び時間を要求とすることが問題であった。
【0004】
そして、育苗ポットを育苗トレー内に配列した後に培土を充填するが、この培土充填工程において、作業者は培土を育苗ポットに1つずつ注いでいく必要があり、この工程も同様に、育苗ポットの数が多いほど、作業者に多大な労力及び作業時間を要求する。さらに、培土を育苗ポットに注入する際に育苗ポットから培土がこぼれることが頻繁であり、培土が隣接する育苗ポット間に入り込んで育苗トレーを汚してしまう。この場合、作業者は再度育苗ポットを育苗トレーから取り出して育苗トレーを掃除しなければならず、作業者にさらなる労力及び時間を要求することが問題であった。
【0005】
これらの問題に対して、特許文献1の育苗トレー用土充填装置が提案されている。特許文献1の図1に示すとおり、土充填装置(1)は、育苗トレー(11)に保持した育苗ポット(12)に対応した位置に複数の孔(2a)を備えて培土等を落とすためのプレート(2)と、このプレート(2)を育苗トレー上に保持する枠体(4)とからなる。従って、各育苗ポットが配列された状態の育苗トレー上にこの培土充填装置を配置して、上方から培土を充填することで、育苗トレーに培土をこぼすことなく、簡単に培土を充填することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−373422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、育苗トレーに複数の育苗ポットを配列させるのに、育苗ポットを1つずつ育苗トレーに配置しなければならず、作業者に配列のための時間及び労力を要求することが問題である。
【0008】
従って、本発明の目的は、簡単且つ迅速に、複数の育苗ポットを育苗トレーに配列させて各育苗ポットに培土を充填する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明に係る方法は、複数の育苗ポットを育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、前記複数の育苗ポットにそれぞれ培土を充填する方法であって、
前記複数の育苗ポットの各内壁に弾性接触することで前記複数の育苗ポットを保持する複数のポット保持体を縦横に配列して備えるとともに、前記複数のポット保持体に保持された前記複数の育苗ポットの保持解除手段を有する、ポットグリッパーを提供するステップと、
前記ポットグリッパーによって前記複数の育苗ポットを縦横に配列した状態で保持するステップと、
前記ポットグリッパーにより保持されている前記複数の育苗ポットを前記育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、前記保持解除手段により前記複数の育苗ポットの保持を解除するステップと、
前記育苗トレー内に配置された前記複数の育苗ポットの開口位置にそれぞれ対応するように複数の開口が形成されている培土充填板を提供するステップと、
前記培土充填板が前記育苗トレーを覆うとともに、前記培土充填板の各開口が前記各育苗ポットの開口の上にそれぞれ位置するように、前記育苗トレー上に前記培土充填板を配置するステップと、
前記複数の培土充填板の開口を介して、前記複数の育苗ポットに培土を充填するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明に係る方法は、請求項1の方法において、培土を充填するステップの後に、培土充填板の開口に入らずに前記培土充填板上に残った培土を除去するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る方法は、請求項1または2の方法において、培土充填板の開口の直径は、育苗ポットの開口の直径の60〜90%であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る方法は、請求項1から3のいずれかの方法において、
ポットグリッパーは、
先端に保持解除手段が固定設置された支持連結体を支持する支持枠と、
前記支持枠に対して上下可動であり、前記支持連結体をスライド可能に収容する保持連結筒を支持する保持枠と、をさらに備え、
前記ポット保持体が前記保持連結筒の先端に固定設置され、
前記支持枠には、該支持枠を把持するための一対の支持把持部が固定設置され、前記保持枠に固定設置され、その脚部が前記支持枠を貫通して、該保持枠を上下させるため、前記支持把持部を把持した手で操作可能な位置にその把持部が位置する保持把持部が備えられ、
前記支持枠に対して前記保持枠が上下可動でありながら水平方向に一定の範囲で可動なようになっており、前記支持連結体が前記支持枠に対して上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、かつ、該支持連結体が前記保持連結筒内に一定の隙間を以て収容され、前記保持連結筒が前記保持枠に上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、
前記ポット保持体には、前記保持連結筒内で回転しないように、前記保持枠を貫通し、前記それぞれの上下・水平可動性を阻害しないような回転防止部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法によれば、ポットグリッパーを用いて育苗ポットを配列することで、複数の育苗ポットを簡単且つ迅速に育苗トレーに整列した状態で配置することができる。さらに、培土充填板を用いて育苗ポットに培土を充填することで、育苗トレー内に培土がこぼれることなく、育苗ポットに培土を充填することができ、簡単且つ迅速に育苗ポットに培土を充填することができる。従って、育苗ポットを育苗トレーに配列させて培土を充填するという一連の作業を簡単且つ迅速に行うことができる。
【0014】
本発明の方法によれば、育苗ポットに培土を充填した後に培土充填板上に残った培土を除去することで、簡単且つ迅速に一連の充填作業を完了することができる。
【0015】
本発明の方法によれば、培土充填板の開口の径(又は対角線長さ)を、育苗ポットの開口の径(又は対角線長さ)の60〜90%とすることで、所定量の培土を育苗ポット内に充填するときに、作業者が培土の量をそれぞれ微調整しながら充填することなく、一定量の培土を簡単且つ迅速に充填することができる。
【0016】
本発明の方法のポットグリッパーでは、支持枠と保持枠との間、先端にポット保持体を備えた保持連結筒と保持枠との間、保持連結筒の中をスライドする支持連結体と支持枠との間、支持連結体と保持連結筒との間に、上下・水平方向の相互移動自由度が高くなっているので、積層され、正確な整列状態を維持していない育苗ポットも確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の方法の1実施形態において、ポットグリッパーを示す外観斜視図。
【図2】図1のポットグリッパーにおけるポット保持体を示し、(a)は、その平面図、(b)は、(a)の側面図。
【図3】図1のポットグリッパーを示し、(a)はその側面図、(b)は(a)の要部拡大縦断面図。
【図4】(a),(b),(c)は、図1のポットグリッパーによる育苗ポットの保持方法を示す外観斜視図。
【図5】(a),(b)は、図1のポットグリッパーによる育苗ポットの保持解除方法を示す外観正面図。
【図6】本発明の方法の1実施形態において、培土充填板を示す外観斜視図。
【図7】本発明の方法の1実施形態において、育苗ポットを育苗トレーに配列する工程を表した斜視図であって、(a)は、育苗トレーを保持する前の状態、(b)は、ポットグリッパーが複数の育苗トレーを保持している状態、(c)は、育苗トレーに育苗ポットが配列されている状態。
【図8】本発明の方法の1実施形態において、育苗ポットに培土を充填する工程を表した斜視図であって、(a)は、育苗トレーに培土充填板を配置する前の状態、(b)は、育苗トレーに培土充填板を配置した後の状態。
【図9】本発明の方法の1実施形態において、育苗ポットに培土を充填した後の状態を示し、(a)は全体斜視図、(b)はそのA−A断面図、(c)は(a)の刷毛で培土充填板上の培土を除去した状態の全体斜視図。
【図10】本発明の方法の別実施形態におけるポットグリッパーを示すもので、(a)はその要部となる上押さえ板の平面図、(b)は、(a)を組み込んだポットグリッパーの要部断面図、(c)は、(b)のJ矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、本発明の方法において用いるポットグリッパーの一例である。なお、説明するポットグリッパーは、本願と同一出願人且つ同一発明者による特許出願(特願2009−254730、2009年11月6日出願)のポットグリッパーに関連する。
【0020】
このポットグリッパー115は、複数の育苗ポットPを縦横に配列した状態で手動により保持可能であり、且つ、当該保持状態を解除可能なポットグリッパー115であって、複数のポット保持体103、保持連結筒105、保持枠106、押し出し部材108、支持枠109、把持ハンドル110、スプリング111、保持ハンドル112及び支持棒113を備えている。また、ポット保持体103の配列数が縦4列横5列で合計20となっている。
【0021】
図1に示すとおり、保持解除手段としての押し出し部材108は支持連結体108aの先端に固定設置されているとともに、支持連結体108aは支持枠109に支持されている。また、支持連結体108aをスライド可能に収容する保持連結筒105は保持枠106に支持されているとともに、保持枠106は支持枠109に対して上下に移動可能に設置されている。そして、ポット保持体103が保持連結筒105の先端に(回転しないように)固定設置されている。
【0022】
図1において、支持把持部としての一対の把持ハンドル110が支持枠を把持するために支持枠109に固定設置されている。さらに、保持把持部としての保持ハンドル112が保持枠106に固定設置され、その脚部が支持枠109を貫通しているので、保持枠106を支持枠109に対して相対的に上下移動させることができる。このとき、保持ハンドル112の把持部は、把持ハンドル110を把持した手で操作可能になるように、把持ハンドル110の把持部に近接した位置に備えられている。
【0023】
図3で後述するように、保持枠106は支持枠109に対して上下可動でありながら水平方向に一定の範囲で可動である。また、支持連結体108aは、支持枠109に対して上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持されているとともに、保持連結筒105内に一定の隙間を以て収容されている。そして、保持連結筒105が保持枠106に上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持されている。
【0024】
そして、スプリング111によって保持枠106が支持枠109から離れる方向に付勢され(即ち、保持連結筒105及びポット保持体103が下方に付勢され)、この付勢力によってポット保持体103の下端が押し出し部材108に当接している。
【0025】
図2は、図1のポットグリッパー115のポット保持体103を示すもので、(a)は、その平面図、(b)は、(a)の側面図である。
【0026】
このポット保持体103は、発泡性軟質合成樹脂素材で平面視で十字状に一体成形され、各突端が育苗ポットPRの内面に弾性接触する保持本体部101と、この保持本体部101の育苗ポットの内面に接触する接触部分101b、101cに貼着された、発泡性合成樹脂滑り止めシート102とを備えたことを特徴とする。
【0027】
保持本体部101の素材は、育苗ポットへの弾性接触の際生じる弾性力を適度なものとするためスポンジゴム(天然ゴム、合成樹脂ゴムのいずれでもよい)を用いるのがよい。
【0028】
保持本体部101の平面図における形状は、十字状で、各突端が、開口端をほぼ略正方形とした場合の育苗ポットPRの各4隅に対向するもので、上下には、保持対象とする育苗ポットの全高の3分の1から4分の1程度の高さがある。
【0029】
接触部分101b,101cは下方へ行くほど、十字の中心からの距離が小さくなるように傾斜しており、上の接触部分101bに比べ、下の接触部分101cの方が傾斜の度合いが大きい。
【0030】
保持本体部101の十字の中心には、図1の保持連結筒105を挿入するための貫通孔101aが設けられている。この貫通孔101aの内径は、保持連結筒105外径より小さく、両者は弾性接触しながら、嵌め入れられ、組み付け後のガタが生じないようになっている。
【0031】
発泡性合成樹脂滑り止めシート102の素材は、例えば、特開平11ー188617号公報に記載された半導体ウエハ研磨用の保持部材と同等の素材で、滑り止め特性を有する発泡性合成樹脂シートが適するが、より、具体的には、ダースボンド(登録商標)と称される商品で、特に、半導体ウエハ研磨用の保持部材として用いられるものが好適である。
【0032】
なお、本発明で滑り止めシート102として採用した素材については、種々の用途が例示されているが、育苗ポットのようなスリップ剤を素材に混入したものの保持に有効である旨の記載はなく、本出願人の試行錯誤の結果、ポット保持体の滑り留め機能を高め、保持することができる点を発見し、採用することとなったものである。
【0033】
また、上記のダースボンド(登録商標)と称される商品のシートは、静電気が発生しにくい性質、帯電性が少ないという特性を有しており、その点も滑り止めに効果があるものと思われる。
【0034】
図3(a)は、図1のポットグリッパー115の側面図であって、図3(b)はその要部拡大縦断面図である。
【0035】
このポットグリッパー115では、保持連結筒105を挿入するための保持筒孔106aの内径(φ10.5mm(以下、具体的な寸法は一例を示すもので、その寸法に限定されるものではない。))が、保持連結筒105の外径(φ10)に比べ、より両者の間に大きい隙間を確保するものとなっている。保持筒孔106aの両側に支持連結体108a(φ6mm)を大きい隙間を以て貫通させる連結体孔106b(φ7mm)が設けられている。
【0036】
即ち、保持連結筒105の保持枠106への支持部分において、保持連結筒105が保持枠106のより大径の保持孔106aを貫通している。このとき、両者の相対的な上下動を規制する孔付き止め輪105fが保持枠106Aの板厚より大きな間隔を以て保持枠106を挟み支持することで、保持連結筒105が保持枠106に上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持されている。
【0037】
なお、孔付き止め輪105fの代わりに、軸体あるいは筒体の外周の溝に嵌め込んで、軸方向の位置決めができるものであれば、どのような止め輪、例えば、E形止め輪、C形止め輪などを用いてもよい。
【0038】
また、このように保持連結筒105の保持枠106への支持が、その筒軸回りの回転を規制しないものとなっているので、この保持連結筒105の先端に設けられたポット保持体103を挟み込むための一方の長連結体104fが長く伸びて、保持枠106を貫通するようになっており、保持枠106には、十分な隙間を介して、この連結体104fを貫通させる連結体孔106bが設けられている。
【0039】
こうして、このポットグリッパー115では、各保持連結筒105が保持枠106に上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、各ポット保持体103には、保持連結筒105内で回転しないように、保持枠106を貫通し、前記それぞれポット保持体103の上下・水平可動性を阻害しないような回転防止部材としての長連結体104fが設けられている。
【0040】
支持連結体108aの支持枠109への支持は、支持孔109aに支持連結体108aを貫通させ、支持枠109を挟むように、アールピン107が相互に直交するように支持連結体108aに貫通挿入されているが、支持連結体108aと支持孔109aとの隙間はより大きく、まだ、上下のアールピン107と支持枠109との間にはより大きな隙間が設けられている。
【0041】
また、支持連結体108aを上下移動可能に収容する保持連結筒105の内周と、支持連結体108aの外周との間の隙間もより大きくなっている。
【0042】
こうして、このポットグリッパー115では、支持連結体108aが支持枠109に対して上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、かつ、支持連結体108aが保持連結筒105内に一定の隙間を以て収容され、全体として、支持枠109、保持枠106の双方が図3(b)に示すように相互に水平で水平方向位置が一致している場合でも、ポット保持体103は矢印で示すように一定の範囲内で揺動可能となっている。
【0043】
なお、このポットグリッパー115において、図3(b)に示すように、保持連結筒105に上の保持板104を孔付き止め輪105fで固定し、この上の保持板104に対して、補助体104c、104fで支えられた下の保持板104とで、ポット保持体103を挟むようにしており、ポット保持体103の抜け止めをアールピン107で留めた保持板104で行い、押し出し部材108の支持連結体108aの下端への位置決め結合をアールピン107で行うようにしてある。
【0044】
従って、図3(b)で説明したものと同様に、最も取り替え頻度の高い、消耗品であるポット保持体103の取り替えのためには、特別な工具を必要とせずに脱着できる4つのアールピン107を外すだけで良いので、ユーザーにおけるポット保持体103の取り替えがより簡単になる。
【0045】
なお、保持連結筒105、支持連結体108a及び補助体104cの素材はいずれもこの例では、アルミパイプとして軽量化を図っているが、これに限定されるものではない。また、保持板104及び押し出し部材108の素材は透明な合成樹脂板として、軽量化を図っているが、これに限定されるものではない。
【0046】
図4(a),(b),(c)は、図1で示したポット保持体103による育苗ポットの保持方法を示す外観斜視図である。
【0047】
まず、図4(a)に示すように、各ポット保持体103を開口端が略正方形となった育苗ポットPRの上方に位置させる。次に、図4(b)に示すように、ポット保持体103を育苗ポットPRの開口に挿入するように下降させる。
【0048】
この際、育苗ポットPRの開口端の径LPTより、ポット保持体103の最大突出長さLHの方が短くなっているとともに、育苗ポットPRの低面の径LPBより、最大突出長さLHの方が長くなっているので、図4(b),(c)で解るように、ポット保持体103と育苗ポットPRの内面との弾性接触が、ポット保持体103が育苗ポットPRの開口端より所定距離入り込んだ位置で始まる。
【0049】
このとき、発泡性合成樹脂滑り止めシート102が貼着されたポット保持体103を、図4(c)に示すように育苗ポットPRの開口端より入り込んだ位置で、弾性接触するようにしたことで、出願人の耐久試験によれば、7000回以上繰り返しても、ポット保持体103の保持力が衰えることがない。
【0050】
これは、滑り止めシート102の滑り止め効果と、図4(c)に示すように、ポット保持体103で外向けに部分的に変形した育苗ポットPRの上方の残余部分が、ポット保持体103の保持力の向上に寄与しているためと考えられる。
【0051】
つまり、このポット保持体103によれば、育苗ポットの内壁面に弾性変形して接触して、保持した育苗ポットの脱落を生じることがなく、長期連続使用が可能なポット保持体を得ることができる。
【0052】
このような育苗ポットの奥の位置で、ポットの内面に弾性接触するポット保持体103によれば、ポットの高さが多少異なるものについても、好適に保持することができる。
【0053】
なお、ここで例示した育苗ポットPRは円形のものであるが、開口が矩形状の角型育苗ポットを用いてもよい。この場合は、上記育苗ポットの開口端の径は、角形育苗ポットの開口端の対角線長さに対応する。
【0054】
図5(a)及び(b)は、ポットグリッパー115の育苗ポットPRの保持状態を解除する方法を表した図である。
【0055】
図4(c)のようにポット保持体103が育苗ポットPRを保持している状態から、把持ハンドル110(図5には図示せず)の位置を固定したままで、保持ハンドル112(図5には図示せず)が把持ハンドル110に対して上方(図5(a)に示す矢印方向)に相対移動するように、保持ハンドル112を引き上げると、保持枠106が支持枠109に対して接近するとともに保持連結筒105が支持連結体108aに対して上方にスライド移動する。
【0056】
このとき、ポット保持体103に弾性保持された育苗ポットPRもポット保持体103とともに上昇しようとするが、育苗ポットPRの底面に当接した押し出し部材108によってその上昇が妨げられる。そして、図5(b)の示すとおり、ポット保持体103のみが上昇して育苗ポットPRの開口から抜け出る。即ち、ポット保持体103が育苗ポットPRから押し出し部材108によって確実に押し出される。
【0057】
図6は、本発明の方法において用いる培土充填板の一例の斜視図である。
【0058】
図6に示すとおり、培土充填板200は、平板部201と、複数の開口202と、側壁203とを備える。複数の円形開口202は、後述するように、育苗トレーPTの各育苗ポットPRの位置に対応するように平板部201上に縦横に整列(配列数が縦4列横5列で合計20)して穿設されている。
【0059】
所定量の培土を簡単に育苗ポット内に充填するために、この開口202の径LQは、育苗ポットの開口の径LPT(又は、角型のポットの場合は対角線長さ)の60〜90%であることが好ましい。ここでは、LQはLPTに対して80%の長さである。しかしながら、開口202の径及び形状は限定されることなく、育苗ポットの開口の径の60〜90%から外れてもよいとともに、その形状は多角形や楕円形であってもよい。
【0060】
また、平板部201の各端縁から、側壁203がそれぞれ略垂直に延在している。好適には、各開口202が各育苗ポットPR開口上に位置合わせされた状態で育苗トレーPT上に培土充填板200を簡単に配置できるように、平板部201の大きさは育苗トレーPTの開口の大きさとほぼ等しく、各側壁203は、育苗トレーPTの側面と当接可能となっている。
【0061】
なお、培土充填板200の材質は、透明(又は半透明)のプラスチック板が用いられているが、これに限定されず、金属板、樹脂板、木板などを用いることもできる。また、複数の開口は、対応する位置に成形加工又は打抜き加工などすることで形成される。
【0062】
図7(a)及び(b)は、本発明のポットグリッパー115を使用して、育苗トレーPTに育苗ポットPRを配列させる工程を示す。
【0063】
図7(a)に示すとおり、複数の育苗ポットPRが任意に纏めて置かれている。一般に、育苗ポットPRの出荷時において、育苗ポットPRは段ボールなどの箱に入って縦横に整列されているか又は任意に纏まって置かれている。
【0064】
最初に、この纏まって置かれた育苗ポットPRに対して、ポットグリッパー115の各ポット保持体103を各育苗ポットPRの開口に挿入するように、ポットグリッパー115を育苗ポット群に向かって(図7(a)の矢印方向に)降下させる。
【0065】
各ポット保持体103は各育苗ポットPRの開口に挿入されて、ポットグリッパー115が複数の育苗ポットPRを縦横に配列された各ポット保持体103に保持する。即ち、図7(b)に示すとおり、育苗ポットPRは縦横に配列された状態でポットグリッパー115に保持される。
【0066】
次に、図7(b)の矢印方向に従って、ポットグリッパー115を育苗トレーPRの開口上方から降下させて、ポットグリッパー115により保持されている複数の育苗ポットPRを育苗トレーPT内に縦横に配列した状態で配置する。
【0067】
そして、図5(a)及び(b)で説明したように、保持解除手段(押し出し部材108)により複数の育苗ポットPRの保持を解除する。この状態で、把持ハンドル110によってポットグリッパー115を上昇させることで、押し出し部材108は育苗ポットPRの底面から離れていき、育苗ポットPRはポットグリッパー115から完全に離脱する。その結果、図7(c)に示すとおり、育苗ポットPRは育苗トレーPT内に縦横に配列した状態にある。
【0068】
図8(a)及び(b)は、本発明の培土充填板を用いて、培土を育苗ポットに充填する工程を示す。
【0069】
図6の培土充填板200を、育苗トレーPTの開口を上方から覆うように配置する(図8(a)参照)。このとき、培土充填板200の開口202周辺の肉部と育苗ポットPRの開口端が当接するとともに、培土充填板200の側壁203は育苗トレーの側面に当接している(図9(b)参照)。
【0070】
そして、培土充填板200の各開口202は、各育苗ポットPRの開口の上に位置している。この状態で、培土充填板200の上方から、培土充填板200の複数の開口202を介して、各育苗ポットPRに培土Tを充填する(図8(b)参照)。
【0071】
図9(a)は培土充填板200を介して培土Tが充填された状態の複数の育苗ポットPRを有する育苗トレーPTの全体斜視図を示し、(b)はそのA−A部分断面図を示す。
【0072】
培土充填板200の開口202の径LQが育苗ポットPRの開口縁の径LPTより、約80%だけ小さく形成されているので、図9(b)に示すとおり、培土Tを開口202まで充填したときに、培土充填板200の開口202を区画する開口縁部201aの下方で、培土が充填されない断面視略三角形の空間Sを育苗ポットPR内に形成している。
【0073】
培土充填後に、育苗ポットPRに入らずに培土充填板200の開口202の周辺に堆積されている培土Tを、幅広な刷毛Mで掃いて除去する。このとき、図9(a)に示すとおり、刷毛Mは育苗トレーPT(又は培土充填板200)の縦幅又は横幅とほぼ等しい幅を有しているので、刷毛Mで培土充填板200上を矢印方向に一回(又は多くても数回)掃くだけで、図9(c)に示すような培土Tが培土充填板200から除去された状態になる。
【0074】
そして、培土充填板200を育苗トレーPTから取り外すことで、複数の育苗ポットPRを育苗トレーPTに配列させ、各育苗ポットPRに培土を充填する全工程が完了する。
【0075】
なお、培土を除去する工程は、培土充填板200を育苗トレーPTから取り外した後に行ってもよい。また、培土Tを除去するための道具は刷毛Mに限定されない。例えば、道具を使わずに手で除去してもよく、培土除去の目的を達成できれば如何なる手段を用いてもよい。
【0076】
本発明において、上述した実施形態のポットグリッパー115を提供することで、以下の効果を奏する。
【0077】
このポットグリッパー115は、備えられているポット保持体103が、弾性のある保持本体部101を備えているので、傾き対応性、位置対応性が良いので、手動で使う場合に、多少の傾きや位置不一致があっても、そのずれをしっかりと吸収して、縦横に配列された育苗ポットを20個一度に確実に保持することができる。
【0078】
また、各ポット保持体103が対象とする育苗ポットに対してより深い位置で弾性接触する、つまり、より大きさが小さいものとなっているので、積層された育苗ポットの最上部の育苗ポットに多少の位置ずれや傾きがあっても、対応力が増し、保持が良好に行われる確率が格段に向上している。
【0079】
即ち、ポット保持体103は、発泡性軟質合成樹脂素材で平面視で十字状に一体成形され、各突端が育苗ポットの内面に弾性接触する保持本体部101と、この保持本体部101の育苗ポットPRの内面に接触する接触部分に貼着された、発泡性合成樹脂滑り止めシートとを備えているので、育苗ポットの内壁面に弾性変形して接触して、保持した育苗ポットPRの脱落を生じることがなく、長期連続使用が可能なポット保持体103を得ることができ、その効果をポットグリッパー115として発揮する。
【0080】
そして、ポット保持体102と育苗ポットPRの内面との弾性接触が、前記ポット保持体103が前記育苗ポットPRの開口端より所定距離入り込んだ位置で始まるように構成されるようにしてもよく、これにより、より深い位置で育苗ポットPRと弾性接触し、保持がより確実になり、その効果をポットグリッパー115として発揮する。つまり、ポットの高さが多少異なるものについても、好適に保持することができる。
【0081】
さらに、このポットグリッパー115では、全体を吊り下げる支持棒113が、図1に示すように、保持枠106に設けられているので、この支持棒113でこのポットグリッパー115全体を吊り下げておけば、保持ハンドル112でポットグリッパー115全体の重量を受けるように把持する必要がなく、把持ハンドル110の操作がより楽に出来るようになっている。
【0082】
従って、ポットグリッパー115を用いることで、複数の育苗ポットPRを育苗トレーPT内に簡単且つ迅速に整列した状態で配置することができる。
【0083】
また、本発明の培土充填板200において、開口202の径LQ(又は対角線長さ)を育苗ポットPRの開口の径LPT(又は対角線長さ)の60〜90%とすることで、培土を開口202まで充填したときに培土が充填されない空間Sを育苗ポットPR内に形成することができる。
【0084】
つまり、培土を育苗ポットPR内に充填するときに、作業者が培土の量を微調整しながら充填せずに、培土充填板200の上方から各育苗ポットPRに培土を培土充填板200の開口202付近まで一様に注ぎ入れるだけで、育苗に適した一定量(育苗ポットの容量の約80%から90%)の培土を簡単且つ迅速に各育苗ポットPRに充填することができる。
【0085】
なお、培土充填板200の開口202の径LQが育苗ポットPRの開口の径LPTの60%よりも小さければ、充填される培土の量が減少して育苗に不十分な量となるので、培土充填板200を育苗トレーPTから外して再び育苗ポットPRに培土を充填する必要が生じうる。他方、培土充填板200の開口202の径LQが育苗ポットPRの開口の径LPTの90%よりも大きければ、充填した培土量が多くなりすぎて、培土充填後に育苗ポットPRから培土を除去する必要が生じうる。
【0086】
従って、本発明において、ポットグリッパー115と培土充填板200とを用いることで、簡単且つ迅速に、複数の育苗ポットPRを育苗トレーPTに配列させるとともに育苗ポットPRに所定量の培土を充填することができる。
【0087】
(変形例1)
上記実施形態によって本発明を詳細に説明したが、これは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものでない。特許請求の範囲に記載の発明の技術的範囲には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0088】
前述した実施形態では、ポットグリッパーのポット保持体及び培土充填板の開口の配列数が縦4列横5列で合計20となっているが、用途などに応じて、その数を縦列及び横列において増減可能である。また、発明の効果は限定されるが、保持連結筒が保持枠に上下及び水平方向に動かないように固定されて支持されてもよい。さらに、前述した実施形態では、ポットグリッパーを手動で操作するが、特願2009−254730に記載したような自動ポットグリッパー装置であってもよい。
【0089】
(変形例2)
図10は、本発明の他例のポットグリッパーを示すもので、(a)はその要部となる上押さえ板の平面図、(b)は、(a)を組み込んだポットグリッパーの要部断面図、(c)は、(b)のJ矢視図である。
【0090】
このポットグリッパー115Aは、図1のポットグリッパー115に比べ、新しく、図10(a)の上押さえ板104gを組み込んだものである。
【0091】
この上押さえ板104gは、厚さが0.5mmから1.5mmの間の円形板で、図10(b)に示すように、ポット保持体103の上にある保持板104の下側を規制する左右のアールピン107及び孔付き止め輪105fと保持板104とを逃がすように、保持板114と、ポット保持体103との間に両者に接触して介在し、ポット保持体103を育苗ポットへ挿入した時の上方への弾性変形を押さえるものである。
【0092】
このため、この上押さえ板104gは、保持連結筒105と孔付き止め輪105fとを逃がして通過させる筒孔104hと、二つの補助体104c、104fと、これらに設置されたアールピン107を逃がして通過させる2つの補助体孔104iとが設けられている。
【0093】
この上押さえ板104gは、ポット保持体103が育苗ポットの内側に挿入されることにより、そのより接触部分101dに連られて中心側部分が上方向に変形するのを防止するもので、ポット保持体103が育苗ポットの内側への挿入により上方へ弾性変形するのを押さえ、その弾性変形が育苗ポットの内壁への変形に加勢するようにして、ポット保持体103による育苗ポットの保持をより確実にするものである。
【0094】
また、この上押さえ板104gが無いと、長期間繰り返しポット保持体103を用いると全体に挿入による育苗ポットからの接触力を受けて、上方へ全体に斜め上昇するように変形して、結果、ポット保持体103の接触部101d、101eの実質的外形が小さくなって、育苗ポットの内壁への接触力が小さくなるが、この上押さえ板104gはそのようなポット保持体103の変形を防止し、より長期間、ポット保持体103を連続使用することができるようにするものである。
【0095】
この上押さえ板104gの素材は、高硬度の合成樹脂が好適である。また、この上押さえ板104gが、アールピン107及び孔付き止め輪105f分を逃がして、上にある保持板104に接触しているのは、その押さえが確実行われるようにするためである。上押さえ板104gの大きさは、通常の育苗ポットの保持の際に、ポット保持体103が弾性変形して小さくなる外径よい大きい程度で、この上押さえ板104gが直接、育苗ポットの内壁に接触しない程度の大きさが良い。
【0096】
ポット保持体103の交換時には、4つのアールピン107を外すだけで、上押さえ板104gも外すことができるが、その場合、上押さえ板104gの交換が必要ない場合は、再利用すればよい。
【0097】
こうして、この上押さえ板104gを組み込んだポットグリッパー115Aによれば、ポット保持体103の保持をより確実にし、その保持力がより長期間維持されるようにすることができる。
【0098】
なお、上の保持板104を上押さえ板104gと同じ形になるようにしてもよいし、上の保持板104と上押さえ板104gとの両方を、孔付き止め輪105fとアールピン107とで挟み込むようにしてもよく、その場合、ポット保持体103の交換の際、上押さえ板104gは外れないので、交換が容易になる。
【0099】
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の方法は、複数の育苗ポットを育苗トレーに配列して、各育苗ポットに培土を充填することが要求される産業分野に用いることができる。
【0101】
(付記)
本発明に係る請求項4において、ポット保持体は、発泡性軟質合成樹脂素材で平面視で十字状に一体成形され、各突端が育苗ポットの内面に弾性接触する保持本体部と、この保持本体部の育苗ポットの内面に接触する接触部分に貼着された、発泡性合成樹脂滑り止めシートとを備えたことを特徴とすること。
【0102】
本発明に係る請求項4において、ポット保持体と育苗ポットの内面との弾性接触が、前記ポット保持体が前記育苗ポットの開口端より所定距離入り込んだ位置で始まるように構成されたことを特徴とすること。
【0103】
本発明に係る請求項4において、ポットグリッパーに、ポット保持体の育苗ポットへの挿入に伴う上方への変形を押さえる上押さえ板を更に設けたことを特徴とすること。
【符号の説明】
【0104】
101 保持本体部
103 ポット保持体
104 保持板
104f 回転防止部材
105 保持連結筒
106 保持枠
108 押し出し部材
108a 支持連結体
109 支持枠
115 ポットグリッパー
200 培土充填板
201 開口
PR 育苗ポット
PT 育苗トレー
LPT 育苗ポットの開口径
LQ 培土充填板の開口径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の育苗ポットを育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、前記複数の育苗ポットにそれぞれ培土を充填する方法であって、
前記複数の育苗ポットの各内壁に弾性接触することで前記複数の育苗ポットを保持する複数のポット保持体を縦横に配列して備えるとともに、前記複数のポット保持体に保持された前記複数の育苗ポットの保持解除手段を有する、ポットグリッパーを提供するステップと、
前記ポットグリッパーによって前記複数の育苗ポットを縦横に配列した状態で保持するステップと、
前記ポットグリッパーにより保持されている前記複数の育苗ポットを前記育苗トレー内に縦横に配列した状態で配置して、前記保持解除手段により前記複数の育苗ポットの保持を解除するステップと、
前記育苗トレー内に配置された前記複数の育苗ポットの開口の位置にそれぞれ対応するように複数の開口が形成されている培土充填板を提供するステップと、
前記培土充填板が前記育苗トレーを覆うとともに、前記培土充填板の各開口が前記各育苗ポットの開口の上にそれぞれ位置するように、前記育苗トレー上に前記培土充填板を配置するステップと、
前記培土充填板の前記複数の開口を介して、前記複数の育苗ポットに培土をそれぞれ充填するステップと、を含む方法。
【請求項2】
培土を充填するステップの後に、培土充填板の開口に入らずに前記培土充填板上に残った培土を除去するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
培土充填板の開口の径(又は対角線長さ)は、育苗ポットの開口の径(又は対角線長さ)の60〜90%であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ポットグリッパーは、
先端に保持解除手段が固定設置された支持連結体を支持する支持枠と、
前記支持枠に対して上下可動であり、前記支持連結体をスライド可能に収容する保持連結筒を支持する保持枠と、をさらに備え、
前記ポット保持体が前記保持連結筒の先端に固定設置され、
前記支持枠には、該支持枠を把持するための一対の支持把持部が固定設置され、前記保持枠に固定設置され、その脚部が前記支持枠を貫通して、該保持枠を上下させるため、前記支持把持部を把持した手で操作可能な位置にその把持部が位置する保持把持部が備えられ、
前記支持枠に対して前記保持枠が上下可動でありながら水平方向に一定の範囲で可動なようになっており、前記支持連結体が前記支持枠に対して上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、且つ、該支持連結体が前記保持連結筒内に一定の隙間を以て収容されて、前記保持連結筒が前記保持枠に上下及び水平方向に一定の範囲で可動に支持され、
前記ポット保持体には、前記保持連結筒内で回転しないように、前記保持枠を貫通し、前記それぞれの上下・水平可動性を阻害しないような回転防止部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate