説明

複数のMACを複数のプロセッサへ割り当てるための方法及びシステム

【課題】複数のLANからの複数のクライアントと、ひと揃いの処理ノード(ユニット)を有するネットワーク装置との間の接続性の不具合検出及び回復方法の品質を改善する。
【解決手段】ひと揃いの処理ユニットは、ひと揃いのMACコントローラを介して多数のLANへ接続される。相互接続スイッチは、処理ユニットのいずれかがMACコントローラのいずれかにアクセスすることを可能にする。ハウスキーピング・プロセッサは、定期的に、LANに対する処理ユニットの接続における不具合を検出する。不具合が検出される場合は、余分の処理ユニットが、LANへ接続されるよう割り当てられる。不具合が依然として存在する場合は、余分のMACコントローラが余分の処理ユニットへ割り当てられる。前のMACコントローラのMACアドレスは、余分のMACコントローラへ割り当て直される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムの分野に関し、より具体的には、複数のLANからの複数のクライアントと、ひと揃いの処理ノード(ユニット)を有するネットワーク装置との間の接続性の不具合検出及び回復方法の品質改善に関する。
【背景技術】
【0002】
1又はそれ以上のイーサネット(登録商標)ローカルエリアネットワーク(LAN)へ接続された複数の処理ユニットに基づくネットワーク装置のシステムでは、安全性のニーズを達成すべく異なるLANの間で良好な分離を保ちながら、99.999%よりも多くの時間、RAS(Reliability「信頼性」、Availability「可用性」、Serviceability「保守性」)接続を提供することが課題となっている。ネットワーク装置は、複数のユーザと通信し且つサービスを提供するネットワーク内のノードでありうる。ネットワーク装置の例として、マルチポイント制御ユニット(MCU)、ファイアウォール、コンテンツサーバ、メディアサーバなどがある。
【0003】
一般的なネットワーク装置では、1又はそれ以上のメディアアクセスコントロール(MAC;Media Access Controls)アドレスは、システムが起動して動作している限りは、1つの処理ユニットに関連付けられている。MACアドレスは、イーサネット(登録商標)ハードウェアアドレス(EHA)又はハードウェアアドレスとも呼ばれうる。MACアドレスは、ほとんどのネットワークアダプタ(すなわち、ネットワークインターフェースカード(NIC)。)へアダプタ名として付与される識別子である。このような一般的なアーキテクチャでは、処理ノードが動作しなくなったり又は交換されたりする必要がある場合に、他のMACへ切り替えることなく待機中の処理ユニットへプロセッサの機能性を支援する方法はない。余分のMAC/プロセッサ対を用いることで、費用対利用比は高くなる。さらに、一対の待機中のMAC/プロセッサは、LANごとに必要とされうる。MAC又は物理的経路(PHY若しくはケーブル)のどこかで起こる不具合は、たとえプロセッサが永久的な不具合状態にあるわけではなく、別な方法で他のLANからユーザにサービスを提供することができるとしても、プロセッサを切り離す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、マルチプロセッサ装置の現在の技術は、外部のイーサネット(登録商標)LANとの信頼性のある接続性を著しく困難なものとすることは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、オープンシステムの相互接続モジュール/スタックのデータリンク層によって指示されるタスクに関与する複数のMACが複数の処理ノード(ユニット)とは区別されるところの接続形態(topology)を用いて達成される。処理ノードは、OSIのレイヤ3及びそれより上の信頼性(responsibility)に関連するタスクを扱うことに関与する。前記の一群のMACコントローラは、複数の処理ノードに対して接続性リソースプールとして機能する。一方、複数の処理ノードは、処理リソースプールとして機能し、且つ、MACコントローラとは区別される。このような接続形態では、2つのリソースプールは、必要とされるRASを実現するよう、オンザフライで相互に接続され得る。
【発明の効果】
【0006】
開示される方法及びシステムは、ユーザ・イーサネット(登録商標)・ローカルエリアネットワークへ接続される必要がある複数の処理ノード(プロセッサ)に基づくネットワーク装置の信頼性、可用性及び保守性を改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図中、同じ参照番号は同じ要素を表す。便宜上、同じグループの幾つかの要素にしか参照番号が付されないことがある。図面の目的は、例となる実施形態を記載することであり、製造のためではない。従って、図示される特徴は、便宜上、提示を明確にするために選択される。
【0008】
図1は、複数の処理ノード/ユニット100a〜100eと、相互接続スイッチアレイ101へ接続されたひと揃いのMACコントローラ102a〜102eとに基づく例となるネットワーク装置システムの要素を図式的に表す。処理ノードの数及びMACコントローラの数は、図1に示されているものに限定されない。例えば、システムは、2つのプロセッサノード及び5つのMACコントローラを有することができる。様々な他の組み合わせも配置され得る。各MACコントローラ102a〜102eは、OSIモジュール/スタックのデータリンク層によって特定されるタスクに関与する。例えば、各MACコントローラ(102)は、例えば、これらに限定されないが、802.3CSMA/CD、802.1P及び802.1Qのようなデータリンク層によって用いられる通信プロトコルに従うことができる。
【0009】
図1を参照すると、MACコントローラ102a〜102eは、1又はそれ以上のバンク(bank)に分けられる。各バンクは、例えば、複数のユーザのローカルエリアネットワーク(LAN)のようなブロードキャスティング・ドメインと関連付けられ得る。各ブロードキャスティング・ドメインは、ひと揃いのN個のMACアドレス及びひと揃いのN+1個のMACコントローラと関連付けられ得る。MACコントローラは、物理的にブロードキャスティング・ドメインへ接続され得る。このドメインからのMACアドレスの夫々は、同じドメインに属する対応するMACコントローラへ割り当てられ得る。Nは、同じブロードキャスティング・ドメインへ接続された作動中のMACコントローラの数であり、‘+1’のMACコントローラは、作動していない余分のMACコントローラ(すなわち、待機中のMACコントローラ。)である。MACコントローラのMACアドレスは、必要が生じれば、待機中の余分のMACコントローラへ再利用又は再割り当てをされ得る。ブロードキャスティング・ドメインは、コンピュータネットワークのセグメントであり、その全てのノードは、データリンク層でブロードキャストによって互いに到達することができる。ルータ及び他のより上位層の装置は、ブロードキャスティング・ドメイン間の境界を形成する。ブロードキャスティング・ドメインで使用され得る例となるブロードキャスティング・メッセージは、第1のコンピュータが第2のコンピュータのネットワークアドレス(例えば、IPアドレス。)しか有さない場合である。第1のコンピュータは、アドレス絞り込みプロトコル(ARP;Address Resolution Protocol)を使用することができ、第2のコンピュータのIPアドレスとともにARPリクエストを送信する。第2のコンピュータは、同じブロードキャスティング・ドメインへ接続されている場合は、そのMACアドレスに応答することができる。
【0010】
通常、MACアドレスは、IEEE機関によって、ネットワーク装置及びネットワークインターフェースカード(NIC)のベンダーへ割り当てられている。その場合に、各ベンダーは、NICごとにMACアドレスを割り当てることができる。MACアドレスを割り当てるプロセスについて更に知りたいならば、IEEEのサイトhttp://standards.ieee.org/regauth/index.htmlを参照されたし。
【0011】
開示されている実施例では、N個のMACアドレスのグループは、ネットワーク装置、例えばMCUへ割り当てられる。このグループは、ハウスキーピング・コンピュータ103又は104によって管理され得る。このグループからのMACアドレスは、作動中である(ブロードキャスティング・ドメインへ接続されている)イーサネット(登録商標)MACコントローラ102のいずれか1つへ割り当てられ得る。待機中のイーサネット(登録商標)MACコントローラ102は、MACアドレスを割り当てられない。通常、MACコントローラ102の数は、余分を含むために、Nよりも大きく、例えばN+1である。
【0012】
ブロードキャスティング・ドメインへの新たな接続が確立される場合に、プロセッサ100及びイーサネット(登録商標)MACコントローラ102は、選択されて、相互接続スイッチアレイ101を介して相互に関連付けられる。MACアドレスのグループからのMACアドレスは、作動中のハウスキーピング・プロセッサ103によって、選択されたプロセッサ100へ、そのMACアドレスを関連するイーサネット(登録商標)MACコントローラ102にロードする命令とともに伝送される。続いて、ブロードキャスティング・ドメインへの接続が確立される。
【0013】
MACコントローラは、通常は、OSIモジュール/スタックに従って物理媒体を介して非構造ビットストリームの伝送に関与する物理エンティティ(例えば、10/100/1000ベース−T PHY(図示せず。)。)へ接続されている。OSI物理層タスクは、例えば、10ベース−T、100ベース−T、1000ベース−T、1000ベース−LX、又は1000ベース−SXに従っても良い。
【0014】
各処理ノード100a〜100eは、OSIのレイヤ3以上に関連するタスクを扱うことに関与する。例えば、各処理ノード100a〜100eは、IP(Internet Protocol)、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、IPSEC(IP Security)及びICMP(Internet Control Message Protocol)を扱うことができる。OSIトランスポート層タスクは、例えば、TCP(Transport Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)及びRTP(Real-time Transport Protocol)を含みうる。OSIモジュールの上位層に関連する他のタスクは、例えばG.711のような音声信号、例えばH.261のような映像信号、例えばSSH(Secure Shell)のようなセキュリティ関連タスク、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)のようなインターネット管理、例えばNTP(Network Time Protocol)のようなネットワークタイミング、及び例えばHTTP(Hyper Text Transport Protocol)又はFTP(File Transfer Protocol)のような他のアプリケーションを扱うことを含みうる。
【0015】
相互接続スイッチアレイ101は、例えば、それらに限られないが、PCIエクスプレス、ラピッドIO、又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイによって実施されるクロスバー配列のような様々な規格に従うことができる。例となるスイッチは、アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるVitsse Semiconductor Corporationによって製造されたVSC3312であっても良い。スイッチアレイについて更に知りたいならば、Vitsseのサイトwww.vitsse.comを参照されたし。処理ノード100a〜100eは、作動中のハウスキーピング・プロセッサ(処理ノード)103と内部ネットワーク105を介して通信することができる。ネットワーク105は、回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、キャリア検知媒体アクセスメモリ、又は、1若しくはそれ以上の処理ノードが相互に通信することを可能にする何らかの技術でありうる。ある実施例では、プロセッサ104及びネットワーク106を備える更なるハウスキーピング・セットが余分及び信頼性のために加えられ得る。ネットワーク105及び106は、イーサネット(登録商標)MACコントローラ102の他方の側へ接続された外部のLAN(図示せず。)とは別である。ある実施例では、ハウスキーピング・タスクは、処理ノード100の1つによって、それの他のタスクに加えて実行され得る。
【0016】
初期化の間、ハウスキーピング処理ユニット103は、あるLANと関連付けられたひと揃いのアドレスからのMACアドレスを、同じLANと関連付けられたひと揃いのコントローラに属するMACコントローラ(102a〜102e)へ割り当てることができる。初期化後、相互接続スイッチアレイ(101)によるプロセッサ(100a〜100e)に対するMACコントローラ(102a〜102e)の結合及び再結合は、例えば、図2に表されるような処理として実行される。この処理の中で、余分のMACコントローラ又は処理ノードへの円滑且つ迅速なフェイルオーバー(failover)が可能である。MACコントローラ(102a〜102e)をプロセッサ(100a〜100e)と結合した後、MACアドレスがプロセッサへ割り当てられる。プロセッサ(100a〜100e)は、割り当てられたMACアドレスを、その新たに結合されたMACコントローラへ、相互接続スイッチアレイ(101)を介してそのプロセッサによって確立された接続を介して伝送する。
【0017】
図2は、不具合検出の前、間及び後の処理ノードのMACコントローラへの割り当て処理を表す。この処理は、例えば、ネットワーク105を介して、作動中のハウスキーピング処理ユニット103によって実施され得る。
【0018】
不具合検出は、システム内の異常動作が検出されるところの処理である。フローチャートは、クライアント及び処理ノードとブロードキャスティング・ドメインとの間の接続の確立中に始まる。ステップ200で、MACコントローラ102a〜102eの1つが利用可能であるかどうかが判断される。利用可能なMACコントローラは、ブロードキャスティング・ドメインへその物理層を介して物理的に接続されるものである。利用可能なMACコントローラがない場合は、処理は終了する。利用可能なMACコントローラがある場合は、処理ノードは、相互接続スイッチアレイ101(図1)を介して利用可能なMACコントローラへ動的に割り当てられ、結合される(ステップ201)。MAC/プロセッサ対の動的割り当てが完了すると、MACアドレスのグループからの空いているMACアドレスが、そのMAC/プロセッサ対へ割り当てられる。本発明の例では、MACアドレスは、割り当てられたプロセッサへ作動中のハウスキーピング・プロセッサによって配分される。すなわち、プロセッサは、MACアドレスを、その関連するMACコントローラ102へロードする。
【0019】
次いで、不具合検出段階の処理が始まる。図2に提示される例となる不具合検出処理は、ICMPパケット(エコーパケット)を使用して、定期的にユーザネットワークを監視する。エコーパケットのあて先は、MACコントローラが接続されたLANのデフォルトのゲートウェイIPアドレスであっても良い。ハウスキーピング・プロセッサ103は、エコーパケットを送信して、エコー応答が受信された場合は応答を返すよう処理ユニット100に要求することができる。ハウスキーピング・プロセッサは、このような要求及び応答の処理を通して、ユーザLANへの処理ユニットの接続の有効性を監視して、何かが接続成形路に沿って起こった場合に不具合を検出する。
【0020】
不具合検出処理は、デフォルトのゲートウェイIPアドレスへのエコー送信(ステップ202)及びゲートウェイとの接続が動作していることを示すエコー応答を受信したかどうかの判断(ステップ203)から始まる。デフォルトのゲートウェイは、割り当てられたMACコントローラが接続されたブロードキャスティング・ドメインのデフォルトのゲートウェイである。T1秒後(ステップ204)、不具合検出処理は、新しいエコーパケットを発信することによって再開する(ステップ202)。(ステップ203で)エコー応答が受信されなかった場合は、不具合が検出されたことを示しており、回復段階が開始される(ステップ205乃至209)。T1は、設定可能なパラメータでありうる。それは数ミリ秒から数秒の範囲にあって、ブロードキャスティング・ドメイン及びMACコントローラ102(図1)とブロードキャスティング・ドメインとの間の接続に依存する。
【0021】
回復段階の第1の段階は、相互接続スイッチアレイ101(図1)を介して、余分の処理ノードを割り当てることである(ステップ205)。第2の段階は、新しいエコーパケットを発信することである(ステップ206)。第3の段階は、エコーパケットが受信されたかどうかを判断することである(ステップ207)。エコー応答が受信された場合は、不具合検出処理は、新しいエコーパケットを発信することによって再開する(ステップ202)。ステップ207でのエコーパケットの受信は、不具合がその時点では検出されていないことを示す。エコー応答が受信されなかった場合は、それは、不具合が検出されたことを示す。続いて、不具合の疑いがあるMACコントローラと同じブロードキャスティング・ドメインへ接続された待機中の余分のMACコントローラがあるかどうかが判断される(ステップ208)。望ましくは、余分のMACコントローラは、余分の経路への円滑な移行を可能とするよう、最初に、不具合の疑いがあるMACコントローラのMACアドレスへ割り当てられる。本発明の代替の実施例では、結合−再結合の順序は、MACコントローラ、次いでプロセッサを交換することから始まっても良い。
【0022】
処理は、現在のMACコントローラを無効にし、次いで、余分のMACコントローラのみを有効にすることによって開始されても良く(図示せず。)、余分のMACコントローラが実際に同じブロードキャスティング・ドメインへ接続されている場合にMACアドレスの重複を回避することができる。同じMACアドレスを使用することは、新しい接続性形路が提供される場合に生ずる好ましくない影響を最小限とすることができる。余分のMACコントローラが、(同時にではなく)不具合があるMACコントローラと同じMACアドレスを使用する場合に、ユーザのネットワークが交換を認識することはない。接続に含まれるレイヤ2は、IEEE802.1Dトランスペアレント・ブリッジ法に基づき、余分のMACへ接続され得、自動的に、来るエコーパケットを受信することによって新しい経路を知る。余分のMACコントローラが利用可能である場合は、MACコントローラはプロセッサへ割り当てられ(ステップ209)、不具合検出の処理は続く(ステップ202)。
【0023】
開示される方法及びシステムは、ユーザ・イーサネット(登録商標)・ローカルエリアネットワークへ接続される必要がある複数の処理ノード(プロセッサ)に基づくネットワーク装置の信頼性、可用性及び保守性を改善する。開示される方法及びシステムは、プロセッサシステムが直面しうる不具合のいずれか1つの点のフェイルオーバーを支援する接続形態を提供することによって、プロセッサシステムの予定外の不稼働時間を減らす。また、開示される方法及びシステムは、例えば、性能向上を可能にするよう、プロセッサシステムの予定外の不稼働時間を減らす。さらに、本開示は、MAC/プロセッサ対の間の分離を可能にすることによって、ネットワーク分離、すなわち、ファイアウォール・ゲートウェイのための方法及び装置を提供する。
【0024】
余分のプロセッサによってプロセッサを置換する処理205は、不具合があるプロセッサによって実行された動作を処理するために必要とされる情報及びソフトウェアを余分のプロセッサにロードすることを含んでも良い。この処理は、必要とされる情報を記録することができる作動中のハウスキーピング・プロセッサ103によって実行される。
【0025】
本願の明細書及び特許請求の範囲で、動詞“有する(comprise、include、have)”及びその活用形の夫々は、動詞の目的が、必ずしも、動詞の主語の部材、部品、要素又は部分の全てを挙げることではないことを示すために使用される。
【0026】
本願で、語“ユニット(unit)”及び“モジュール(module)”は同義的に使用される。ユニット又はモジュールとして示されるどんなものでも、スタンドアローン型のユニット又は特定用途のモジュールであっても良い。ユニット又はモジュールは、モジュラーであっても、あるいは、容易に削除又は他の同様のユニット若しくはモジュールと交換されることを可能にするモジュラー様式を有しても良い。夫々のユニット又はモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアのいずれか1つ、あるいは、それらのいずれかの組み合わせであっても良い。論理モジュールのソフトウェアは、例えば、読み出し/書き込み用ハードディスク、CD−ROM、フラッシュメモリ、ROM等のような、コンピュータ読出可能な媒体において具現され得る。あるタスクを実行するために、ソフトウェアプログラムは、必要に応じて適切なプロセッサへロードされ得る。
【0027】
本発明は、その実施例の詳細な記載を用いて記載されてきた。実施例は、一例として提供され、本発明の適用範囲を限定するよう意図されない。記載される実施例は、異なる特徴を有する。これらの特徴の全てが、本発明の全ての実施例で必要とされるわけではない。本発明のある実施例は、特徴の幾つか又は特徴の可能な組み合わせしか利用しない。記載される本発明の実施例及び記載される実施例に挙げられている特徴の様々な組み合わせを有する本発明の実施例の変形は、いわゆる当業者によって行われ得る。
【0028】
本願は、2007年9月11に出願した米国仮出願整理番号60/971,415に基づく優先権を主張するものであり、同米国出願の全内容を本願に参照により援用する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】複数の処理ユニット(ノード)と、相互接続スイッチアレイによって接続されるひと揃いのMACコントローラとに基づく例となるネットワーク装置システムを表すブロック図である。
【図2】不具合検出前、不具合検出中、及び不具合検出後の3つの相における処理ノードのMACコントローラへの割り当て処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
100a〜100e プロセッサ
101 相互接続アレイ
102a〜102e MACコントローラ
103 作動中のハウスキーピング・プロセッサ
104 待機中のハウスキーピング・プロセッサ
105、106 ネットワーク
202〜204 不具合検出処理
205〜209 回復段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理ユニットと、
複数のMACコントローラと、
前記複数の処理ユニットから選択される処理ユニット及び前記複数のMACコントローラから選択されるMACコントローラを夫々が有する1又はそれ以上の対を、伝達可能に且つ動的に関連付ける相互接続スイッチと、
前記複数の処理ユニットの夫々へ伝達可能に結合されるハウスキーピング・プロセッサとを有し、
前記ハウスキーピング・プロセッサは、前記1又はそれ以上の対の夫々へMACアドレスを動的に割り当てるようプログラムされる、耐障害性の回復可能なシステム。
【請求項2】
前記複数のMACコントローラはブロードキャスティング・ドメインに属する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウスキーピング・プロセッサは、ローカルエリアネットワークを介して前記複数の処理ユニットへ伝達可能に結合される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウスキーピング・プロセッサは、前記1又はそれ以上の対のいずれか1つの対へ、当該対のMACコントローラの不具合発生時に、前記複数のMACコントローラのうちの他の1つのMACコントローラを割り当てるようプログラムされる、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記ハウスキーピング・プロセッサは、前記複数のMACコントローラの前記他の1つのMACコントローラへ、前記不具合を起こしたMACコントローラのMACアドレスを割り当て直すようプログラムされる、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
ブロードキャスティング・ドメインに対する処理ユニット/MACコントローラ対の接続性における不具合から回復する方法であって、
前記ブロードキャスティング・ドメインに対する、第1のMACアドレスを有する処理ユニット/MACコントローラ対の接続における不具合を検出した場合に、前記処理ユニット/MACコントローラ対へ交換用処理ユニット又は交換用MACコントローラのいずれか1つを割り当て直す段階と、
前記ブロードキャスティング・ドメインへの接続のために前記処理ユニット/MACコントローラ対の利用可能性を確認する段階と、
前記処理ユニット/MACコントローラ対が利用可能でない場合は、前記処理ユニット/MACコントローラ対へ前記交換用処理ユニット又は交換用MACコントローラの他の1つを割り当てる段階と、
前記交換用MACコントローラが前記処理ユニット/MACコントローラ対へ割り当て直される場合に、前記第1のMACアドレスを当該交換用MACコントローラへ割り当て直す段階とを有し、
前記利用可能性を確認する段階は前記第1のMACアドレスを用いて実行される、方法。
【請求項7】
不具合の検出は、前記ブロードキャスティング・ドメインのデフォルトのゲートウェイへ誤り検出パケットを送ることによって実行される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記利用可能性を確認する段階は、前記ブロードキャスティング・ドメインのデフォルトのゲートウェイへ誤り検出パケットを送る段階を有する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記誤り検出パケットはICMPエコーパケットである、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記誤り検出パケットはICMPエコーパケットである、請求項8記載の方法。
【請求項11】
交換用MACコントローラが利用可能であるかどうかを決定し、余分のMACコントローラが利用可能でない場合は当該方法を終了する段階を更に有する、請求項6記載の方法。
【請求項12】
不具合の検出の送信、余分の処理ユニットの再割り当て、前記利用可能性の確認、他の不具合の検出、前記交換用MACコントローラの再割り当て、及び前記交換用MACコントローラへの前記第1のMACアドレスの再割り当ては、作動中のハウスキーピング・プロセッサによって実行される、請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記作動中のハウスキーピング・プロセッサへ及び前記複数の処理ユニットへ伝達可能に結合される待機中のハウスキーピング・プロセッサは、
前記作動中のハウスキーピング・プロセッサの動作を監視し、
前記作動中のハウスキーピング・プロセッサで不具合を検出すると、前記不具合の検出の送信、前記余分の処理ユニットの再割り当て、前記利用可能性の確認、前記他の不具合の検出、前記交換用MACコントローラの再割り当て、及び前記交換用MACコントローラへの前記第1のMACアドレスの再割り当てを実行する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
ネットワークで通信を維持する方法であって、
複数の処理ユニットを設ける段階と、
複数のMACコントローラを設ける段階と、
前記複数のMACコントローラへ割り当てられる複数のMACアドレスを提供する段階であって、前記複数のMACコントローラは前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つへ割り当てられる段階と、
前記複数のMACコントローラへ前記複数の処理ユニットを伝達可能に結合する相互接続スイッチを設ける段階と、
前記複数の処理ユニットへ伝達可能に結合されるハウスキーピング・プロセッサを設ける段階とを有し、
前記ハウスキーピング・プロセッサから、
前記ネットワークのデフォルトのゲートウェイへ第1の誤り検出パケットを送る段階と、
不具合を検出した場合に、前記ネットワークへの接続のために余分の処理ユニットを割り当て直す段階と、
前記ネットワークの前記デフォルトのゲートウェイへ第2の誤り検出パケットを送る段階と、
不具合を検出した場合に、前記ネットワークへの接続のために余分のMACコントローラの利用可能性を決定する段階と、
前記ネットワークへの接続のために前記余分の処理ユニットへ前記余分のMACコントローラを割り当て直す段階とを有する方法。
【請求項15】
前記誤り検出パケットはICMPエコーパケットである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記余分のMACコントローラが利用可能でない場合に終了する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記複数の処理ユニットへ伝達可能に結合される作動中のハウスキーピング・プロセッサにおいて実行される、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記複数の処理ユニットへ及び前記作動中のハウスキーピング・プロセッサへ伝達可能に結合される待機中のハウスキーピング・プロセッサは、前記作動中のハウスキーピング・プロセッサの動作を監視し、該作動中のハウスキーピング・プロセッサで不具合を検出すると、当該方法の実行を受け継ぐ、請求項17記載の方法。
【請求項19】
ネットワーク装置とブロードキャスティング・ドメインとの間の接続を設定する方法であって、前記ネットワーク装置は複数のMACコントローラ及び複数のプロセッサを有し、一群のMACアドレスは前記ネットワーク装置へ割り当てられている方法において、
前記複数のプロセッサから利用可能なプロセッサを選択する段階と、
前記複数のMACコントローラから利用可能なMACコントローラを選択する段階と、
前記選択されたMACコントローラとともに前記選択されたプロセッサを一対のプロセッサ及びMACコントローラにまとめる段階と、
前記複数のMACアドレスから利用可能なMACアドレスを選択する段階と、
前記一対のプロセッサ及びMACコントローラへ前記選択されたMACアドレスを割り当てる段階とを有する方法。

【図1】
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【図2】
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