説明

複数吊りポイントクレーンの電気制御方法

本発明は複数吊りポイントクレーンの電気制御方法及び設備を提供する。本発明の制御方法は下記のステップを備える。a、準備モードである。高低圧配電システム、主駆動システム、制御システムなどは故障があるかどうかを検出する。b、ワイヤロープのプリテンションモードである。この場合、各吊り上げモーターはトルク制御を採用し、インバータートルクのプリセット値を確定し、ロードセルによりテンションするかどうかを判断できる。c、ホバリングモードである。各吊り上げモーターは速度制御を採用し、制御器によりモーターのトルクの幅制限値を設定し、荷重を吊り上げ、吊り物の重心を算出する。d、共同で吊り上げるモードである。各吊り上げモーターは速度制御を採用し、モーターのトルクの幅制限はホバリングモードと同一であり、リアルタイムに監視して修正することにより吊り物を平穏に吊り上げることができる。該電気制御方法により自動化操作の制御レベルおよび作業の効率が向上され、人工操作の誤りが減少されるようになる。該技術が各種の同期制御を採用するクレーンに適用され、幅広く応用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特大トン数のクレーンに関するものであり、特に海上石油プラットフォームの全体ドッキング及び製作用の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の吊り上げ機構は電気で同期に制御できる最多の吊りポイントの数が4つであり、且つ吊り上げられる荷重は均等の荷重である。ドラムのワイヤロープが単層に巻き取られ、その制御方式も簡単である。4つの巻き上げシステムは同一のプリセット速度信号を採用することにより、4つの巻き上げシステムの速度の同期制御が確保できるようになる。同時に外部の位置検出を採用して4つの巻き上げシステムの吊りポイントの高度の誤差は規定値を超えるかどうかを判断して、規定値を超えれば最終的に4つの巻き上げシステムの速度および位置が同期になるように駆動装置の付加のプリセット値で誤差が規定値を超えている機構をフォロさせる。
【0003】
ただし、このような簡単な吊り上げ機構は特大トン数設備の平穏の吊り上げに適用されることができないため、海上石油プラットフォームの全体ドッキング等大型の組立工程のニーズを満たすことができる特大トン数の複数吊りポイントの橋式クレーンが必要となる。ただし、今現在この種類またはこの吊り上げ方式を採用するクレーンはなく、その電気制御システムの設計については参考できる技術もない。
【0004】
また、複数吊りポイントになることは簡単に吊り上げ機構を増加することではない。荷重は均等ではないので、各モーターの出力が違いに従って吊り上げ機構の速度が違いと要求され、且つその内、巻き上げシステムのドラムのワイヤロープは多層に巻き取られ、同一のモーターの回転速度に対する各層のドラムの線速度が違い、ワイヤロープが受けられた引っ張り力も違い。力の配分は不合理であれば、あるモーターが出力しない、あるモーターで駆動する機構に加えられる荷重が超荷重になったためシステムは平穏的に運行できないこと等が引き起こされる。
【0005】
それにより、複数セットの巻き上げシステムで共同に荷重を吊り上げることが一つの複雑な複数吊りポイント超静定システムが構成され、力の配分については4つの吊りポイントの制御より非常に複雑であり、また、安定性、同期性もさらに重要になる。これらの問題を解決できなければ吊り上げる過程に大きい隠れた危険が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記既存技術の課題を解決するため本発明が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はシステムが安定で、吊り上げが平穏で、吊り上げ動作が敏捷である特大トン数の複数吊りポイントのクレーンの電気制御システムを提供する。本発明の技術手段は下記のとおりである。
【0008】
複数吊りポイントクレーンの電気制御方法であって、作動する吊り上げ機構を選定し、高低圧配電システム、主駆動システム、制御システム等は故障がないと検出した後、吊り上げられる物の予測重量が後述のホバリングモードの参考重量として上位機に入力される準備モードになるステップaと、
【0009】
各吊り上げモーターはトルク制御を採用し、各吊りポイントの吊りフックグループ及び機械部材の総重量とワイヤロープの重量との和に関連係数をかけた結果をインバータートルクのプリセット値とし、後で作動に参与するモーターは同時にプリセットされたトルクで低速に運行し、モーターの回転速度は零であり、且つロードセルの数値はトルクの設定値であると検出した後、プリテンションを終了させ、モーターはプリセットの力のモメントを保持している時に、機械制動機が制動して、すべての作動に参与するモーターはプリテンションが終了した後、各作動に参与する吊り上げ機構の高度座標が後述のホバリングモードのバランス調整の時の座標平面として記憶されているワイヤロープのプリテンションモードになるステップbと、
【0010】
各吊り上げモーターは速度制御を採用し、制御器により1つ機構の規定の吊り上げ荷重であるモーターのトルクの幅制限値が設定され、機構を起動して上昇させて、作動に参与するモーターが同時に運行することにより荷重を次第に吊り上げた場合に、ワイヤロープの線速度であるインバーターの速度がプリセットされ、その内、位置修正及び目標力修正を不可能にし、荷重のバランスが調整された後、各点の目標引っ張り力が確定され、その後ロードセルにより吊り上げに参与する各機構の引っ張り力値が制御器に転送され、制御器でプログラムにより吊り物の重心が算出された後、制御器により後述の共同で吊り上げるモードでは使用される各吊り点の目標引っ張り力が算出され、バランスの調整及び目標引っ張り力の範囲の確定が完成された後、後述の共同で吊り上げるモードに入ることができ、この場合、後述の共同で吊り上げるモードに用いる各動作機構の座標値及び目標引っ張り力がシステムに記憶されているホバリングモードになるステップcと、
【0011】
各吊り上げモーターは速度制御を採用し、モーターのトルクの幅制限はホバリングモードと同一である場合、インバーターの速度がプリセットされ、該プリセットされた速度値はワイヤロープの線速度のプリセット値であり、各吊り点からなる座標平面と前記ホバリングモードで記憶された座標平面と平行しない、且つ設定値を超えた場合、位置修正を行い、ある吊り上げ機構の引っ張り力が目標引っ張り力の下限より低いまたは目標引っ張り力の上限より高い場合、システムは目標力の修正を行い、修正した時に、各グループ内の引っ張り力の和が変わらないことが保持されていて、位置修正及び目標力修正とも滞回比較形式を採用して修正し、平面が平行していて、各吊り点の引っ張り力が設定値範囲内にあった後穏やかに吊り上げる共同で吊り上げるモードになるステップdとを有する。
【0012】
また、前記ステップbに吊りフックの吊りポイントの高度及びワイヤロープの単位重量によりワイヤロープの重量が計算され、且つ前記関連係数はドラムのワイヤロープの層数、即ちドラムの実際の半径と関係している。
【0013】
また、前記プリテンションの過程に、ワイヤロープが緩くなること、または溝から脱出することなど緊急な状況が発生した場合、機械制動機がすぐ制動するように手動制御を零位置に戻せるステップが前記ステップbに含まれている。
【0014】
また、前記ステップcに、荷重は橋形クレーンの吊り上げ上限を超え、または吊りポイントの配置は不合理であり、または個別の巻き上げ機構に加えられた荷重は最大負荷を超えた場合、荷重は吊り上げられないまたは全体的に吊り上げられない、この場合、荷重を下したあと、荷重の重量は前記準備モードで予測された重量と一致するかどうかを判断し、偏差が比較的に大きければ、ロードセルを検査すべき、且つ荷重の重量を改めて計算し、または吊りフックの位置を改めて配置する。
【0015】
また、システムはホバリングした時の座標平面とワイヤロープがプリテンションした時の座標平面とが平行していないと検出した場合、荷重に対するバランス調整操作を行うことが必要であり、まず静止点を選定し、バランス調整操作をした時に、巻揚げ機構を動かさせないで前記静止点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差をバランス調整基準として他の各点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差とを比較して調整し、その内、一般的に静止点は最高の座標点とし、他の点を自動的にバランスを調整できるように楔形的に調整し、この場合、インバーターの速度の主プリセット値は零であり、位置修正の付加プリセットを可能にし、目標力の修正を不可能にする。
【0016】
また、前記ステップdの中に、モーターの速度の制限は全速と設定され、手動で荷重の上昇運動と降下運動を制御することも可能とし、且つ1:10の無段変速である。
【0017】
また、システムは位置修正を第一の付加プリセット値とし、目標力修正を第二の付加プリセット値とし、偏差が比較的に大きいため、自動的に付加プリセット値が完全に修正されることができない場合、人為的に手動修正を加えることも可能であるステップが前記ステップdに含まれている。
【0018】
また、各巻揚げ機構は共同で運行した場合、ある巻揚げ機構の引っ張り力が110%の規定引っ張り力を超えた場合、ロードセルはメーン制御器に警報信号を発し、且つすべての作動を参与する機構に対する制御をおこなうステップが前記ステップdに含まれている。
【0019】
複数吊りポイントのクレーンの電気制御方法を採用する設備はコンバーターと、インバーターと、通信モジュール及びモーターから構成されている吊り上げ機構とを有し、また、制御器と、荷重センサーと、位置センサーと、上位機とを有する。前記の制御器は上位機と通信することにより制御指令を受信し、現場情報をフィードバックするとともに、各吊り上げ機構の運行を制御し、センサーからのフィードバック信号を受信する。前記の荷重センサーと位置センサーは各吊り上げ機構の負荷荷重と吊りあげ高さ情報を本体に備える通信モジュールを介して制御器に送信し、制御器で処理した後、各吊り上げ機構の運行を調整する。
【0020】
そのうち、制御器、センサー、吊り上げ機構はすべてバス通信方式で接続されている。前記の制御器はPLC(プログラマブル論理制御装置)であり、荷重センサーはロードセルであり、位置センサーはエンコードセンサーである。
【0021】
前記の技術方法を採用することにより、本発明の提供の特大トン数の複数吊りポイントのクレーンの電気制御システムは各種の先進技術、検出手段及び制御方式を採用し、複数吊りポイント、大トン数及び多層の巻き取りのクレーンの同期制御の問題をうまく解決でき、特殊の吊り上げ・据付の技術要求をよく満たすことができ、経済上及び社会上の効果と利益をもたらすこともできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の電気制御原理図である。
【図2】本発明の回路原理ブロック図である。
【図3】本発明の実施例の電気ネット接続図である。
【図4】本発明のクレーン全体の正面図である。
【図5】本発明の複数吊りポイントのクレーンの構成の略図である。
【図6】本発明の実施例の自動的に重心位置を計算する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、20000t×125mの吊りフック式橋形クレーンを一例として、さらに本発明を詳細に説明する。
【0024】
図4に示すように、本発明の提供の特大トン数の複数吊りポイントクレーンは全体に海上石油プラットフォーム等大型の非均等荷重を吊り上げ・据付するため特殊の技術要求を満たさなければならない。そのため、吊り上げ機構は複数基の巻き上げシステムにより構成されている特殊の機械を採用することが必須である。そのうち、主桁11だけに6つの巻き上げシステムにより駆動された24つの吊りポイントがある。それにより、安全に平穏に吊りあけることを完成させるため該クレーンの制御システムが非常に重要になる。
【0025】
特大トン数の複数吊りポイントクレーンの電気システムは高低圧配電システムと、吊り上げ機構駆動制御システムと、PLC制御及び管理システムと、信号検出及び安全保護システムと、照明、信号、通風、加熱等の補助システムと、消防、工業テレビ監視システムと、通信システムと、防雷及びアースシステム等のシステムとから構成されている。
【0026】
図1乃至図3に示すように、そのうち、吊り上げの実行、制御の部分は主にコンバーターと、インバーターと、通信モジュール及びモーターから構成されている吊り上げ機構2と、制御器と1、荷重センサー3と、位置センサー4と、上位機5とを備える。前記の制御器は上位機と通信することにより制御指令を受信し、現場情報をフィードバックするとともに、各吊り上げ機構の運行を制御し、センサーからのフィードバック信号を受信する。
【0027】
前記の荷重センサーと位置センサーは各吊り上げ機構の負荷荷重と吊りあげ高さ情報を本体に備える通信モジュールを介して制御器に送信し、制御器で処理した後、各吊り上げ機構の運行を調整する。制御器は制御ユニット6の内にあり、センサーユニット7は各センサーからなり、吊り上げ機構は実行ユニット8により起動する。以上の各ユニットに通信モジュールが含まれていて、バス通信方式で接続されている。制御器はPLCを採用し、ロードセルである荷重センサーは転向滑車12の下に取り付けられ、エンコードセンサーである位置センサーはモーターに取り付けられる。
【0028】
制御システムをよりよク実現できるため、世界のトップレベルの可逆交流多伝動コンバータ速度調整制御システムを採用し、各モータに対して精確な速度およびトルク制御を実現する。多組整流フィードバックユニット並列運行技術の応用を採用し、大容量モータの電気供給を満足し、かつ省エネルギーの効果も達成する。強力な機能、性能優位のPLCをコア制御システムとして採用し、工業イーサーネット技術及び現場バス技術を総合して、集中・分散式制御を実現し、各種データの採集、計算を安定かつ迅速にする。
【0029】
制御方式は準備モードと、ワイヤローププリテンションモードと、ホバリングモードと、共同で吊り上げるモードとを有する。
【0030】
1、準備モードである。該モードにおいて、作動に参与する吊り上げ機構が選定される。低圧配電システム、主駆動システム、制御システム等は故障がないと検出した後、制御ユニット6の上位機5に吊り上げられる物の予測重量が入力される。該入力された重量はホバリングモードの参考重量とする。
【0031】
2、ワイヤロープのプリテンションモードである。この場合、各吊り上げモーターはトルク制御を採用する。各吊りポイントの吊りフックグループ及び機械部材の総重量とワイヤロープの重量との和に関連係数をかけた結果をインバータートルクのプリセット値とする。ワイヤロープの重量を計算した場合、吊りフックの吊りポイントの高度及びワイヤロープの単位重量により計算する。前記係数を計算した場合、ドラムのワイヤロープの層数、即ちドラムの実際の半径を考慮した上で計算する。ハンドルが上昇方向に押された場合、作動に参与するモーターは同時にプリセットされたトルクで低速に運行しする。モーターの回転速度は零であり、且つロードセルの数値はトルクの設定値に達すると検出した後、プリテンションを終了させ、モーターはプリセットの力のモメントを保持している時に、機械制動機が制動する。
【0032】
すべての作動に参与するモーターはプリテンションが終了した後、ハンドルを零位置まで曳い、上位機の画面上の「プリテンション終了」のボタンを押した場合、ホバリングモードに入ることができる。この時、各作動に参与する吊り上げ機構の高度座標がホバリングモードのバランス調整の時の座標平面として記憶されている。プリテンションの過程に、ワイヤロープが緩くなること、または溝から脱出することなど緊急な状況が発生した場合、すぐハンドルを零位置まで曳いても良い、それに従って機械制動機がすぐ制動するようになる。
【0033】
3、ホバリングモードである。ホバリングモードに入った後、各吊り上げモーターは速度制御を採用し、バスによりモーターのトルクの幅制限値が設定される。該モーターのトルクの幅制限値はシングルの機構の規定吊り上げ荷重であり、ワイヤロープが最多の層数であった場合、モーターのトルクの1.5倍である。ハンドルが上昇方向に押された場合、作動に参与するモーターが同時に運行することにより荷重を次第に吊り上げる。この場合、モーターの速度は規定速度の50%と制限されて、即ち正常速度の半分である。この時、インバーターの速度がプリセットされる。
【0034】
プリセットされたワイヤロープの線速度は速度計算因子により計算された後インバーターに入力され、位置修正及び目標力修正を不可能にする。荷重は橋形クレーンの吊り上げ上限を超え、または吊りポイントの配置は不合理であり、または個別の巻き上げ機構に加えられた荷重は最大負荷を超えた場合、荷重は吊り上げられないまたは全体的に吊り上げられない。この場合、荷重を下すべき、改めて荷重の重量を計算し、または改めて吊りフックの位置を配置する。荷重が順調に吊り上げられ、全体が荷重受け物から離れたた場合、荷重の重量は準備モードで予測された重量と一致するかどうかを判断し、偏差が比較的に大きければ、ロードセルを検査すべきで、且つ改めて荷重を計算する。
【0035】
システムはホバリングした時の座標平面とワイヤロープがプリテンションした時の座標平面と平行していないと検出した場合、荷重に対するバランス調整操作を行うことが必要であり、まず静止点を選定し、バランス調整操作をした時に、巻揚げ機構を動かさせないで前記静止点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差をバランス調整基準として、他の各点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差とを比較して調整する。一般的に静止点は最高の座標点とし、他の点を楔形の形式に調整する。
【0036】
その後、上位機の画面上の「自動バランス調整」のボタンを押し、ハンドルが上昇方向に押された場合、静止点以外の各点が自動的にバランスになるように調整される。この場合、インバーターの速度の主プリセット値は零であり、位置修正の付加プリセットを可能にし、目標力の修正を不可能にする。荷重のバランスが調整された後、各点の目標引っ張り力を確定する。まずロードセルにより吊り上げに参与する各機構の引っ張り力値がPLCに転送され、PLCのプログラムにより吊り物の重心が算出された後、PLCにより各吊り点の目標引っ張り力が算出される。
【0037】
図5に示すように、自動的に吊り物の重心を計算する。図6に示すように、合理的に各吊りポイントの引っ張力を配分する。「ホバリングモード」において各吊りポイントのロードセルで吊り物が水平の状態にある場合の引張力値を検出する。たとえば、図6に示している実測引っ張力の値。制御システムはそれらの値により自動的に吊り物の重心位置を計算し、且つ等差数列の形式で各吊りポイントに自動的に目標引っ張力を配分する(配分引っ張力値を参照)。
【0038】
これにより、吊り上げの過程中に各吊りポイントの引っ張力はもっとも合理的であることを保証し、傾いて転倒することを有効に防止できる。該値は共同で吊り上げるモードの時に使用される。バランスの調整及び目標引っ張り力の確定が完成された後、「ホバリング終了」のボタンを押した場合、共同で吊り上げるモードに入ることができる。この時に共同で吊り上げるモードに用いる各動作機構の座標値及び目標引っ張り力がシステムに記憶されている。
【0039】
4、共同で吊り上げるモードである。共同で吊り上げるモードに入った後、各吊り上げモーターは速度制御を採用し、モーターの速度制限はバスで100%と設定される。モーターのトルクの幅制限はホバリングモードと同一である。捜査ハンドルで荷重の上昇運動と降下運動が完成され、且つ1:10の無段変速である。前記ステップdの中に、モーターの速度の限定は全速と設定され、手動でを制御することも可能とし、この場合、インバーターの速度がプリセットされ、プリセットされたワイヤロープの線速度は速度計算因子により計算された後インバーターに入力される。
【0040】
各吊り点からなる座標平面と前記ホバリングモードで記憶された座標平面と平行しない、且つ設定値を超えた場合、位置修正を行う。ある吊り上げ機構の引っ張り力が目標引っ張り力の80%より低いまたは目標引っ張り力の120%より高い場合、システムは目標力の修正を行い、修正した時に、各グループ内の引っ張り力の和が変わらないことが保持されている。位置修正及び目標力修正とも滞回比較形式を採用することによりシステムの振動を防止する。
【0041】
システムは位置修正を第一の付加プリセット値とし、目標力修正を第二の付加プリセット値とし、偏差が比較的に大きいため自動的に付加プリセット値が完全に修正されることができない場合、人為的に手動修正を加えることも可能である。
【0042】
各吊り上げ機構は共同で運行した場合、ある吊り上げ機構の引っ張り力が110%の規定引っ張り力を超えた場合、ロードセルはメーン制御器に警報信号を発し、且つすべての作動を参与する機構に対する制御を行い、故障が排除された後継続に運行させる。吊り上げ機構のワイヤロープの巻き取る方式は多層巻き取りであるので、あるモーターの回転速度に対し、各層の吊り上げ機構の線速度は異なっている。制御システムは計算及び外部の多種の検出手段を通して、各層によってコンバータに異なっている速度プリセット信号を提供する。これにより、各基の吊り上げ機構のワイヤロープの線速度が同一であることを確保できる。
【0043】
そのうち、該システムは各基の吊り上げ機構速度の同期制御と吊り物の水平制御とを有する。前記各基の吊り上げ機構速度の同期制御において、共同で吊り上げる過程に各吊り上げるモーターは速度制御を主プリセットとし、速度同期制御を最基本の制御手段とする。吊り上げ機構のワイヤロープの巻き取る方式は多層巻き取りであるので、あるモーターの回転速度に対し、各層の吊り上げ機構の線速度は異なっている。制御システムは計算及び外部の多種の検出手段を通して、各層によってコンバータに異なっている速度プリセット信号を提供する。これにより、各基の吊り上げ機構のワイヤロープの線速度が同一であることを確保できる。
【0044】
前記吊り物の水平制御において、吊り物の水平制御は付加制御手段として、制御システムは位置検出エンコーダーが提供する変位信号により、吊り上げ過程において、リアルタイムに各吊りポイントの相対位置差を検出する。各吊りポイントが構成する座標平面がホバリングモードで記憶された座標平面と平行せず、且つ設定値を超えた場合、吊り物を運行過程において基本的に水平状態を保持できるように位置修正を行う。
【0045】
異なる制御モジュールにおいて、制御システムは異なる制御手段を採用し、且つ自動的にデータの採集、計算、機能判断およびデータの修正等の機能を完成し、制御システムの高度的な自動化、知能化を達成できるようになる。
【0046】
以上、本発明に係わる実施例を説明したが、本発明の保護範囲はこの実施例で説明した範囲に限らず、請求項に記載した技術範囲の技術方案及び構想により切替/または変更を行ったもの全てが含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1、制御器
2、吊り上げ機構
3、荷重センサー
4、位置センサー
5、上位機
6、制御ユニット
7、センサーユニット
8、実行ユニット
9、吊りポイント
10、巻き上げシステム
11、主桁
12、転向滑車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動する吊り上げ機構を選定し、高低圧配電システム、主駆動システム、制御システム等は故障がないと検出した後、吊り上げられる物の予測重量が後述のホバリングモードの参考重量として上位機に入力される準備モードになるステップaと、
各吊り上げモーターはトルク制御を採用し、各吊りポイントの吊りフックグループ及び機械部材の総重量とワイヤロープの重量との和に関連係数をかけた結果をインバータートルクのプリセット値とし、後で作動に参与するモーターは同時にプリセットされたトルクで低速に運行し、モーターの回転速度は零であり、且つロードセルの数値はトルクの設定値であると検出した後、プリテンションを終了させ、モーターはプリセットの力のモメントを保持している時に、機械制動機が制動して、すべての作動に参与するモーターはプリテンションが終了した後、各作動に参与する吊り上げ機構の高度座標が後述のホバリングモードのバランス調整の時の座標平面として記憶されているワイヤロープのプリテンションモードになるステップbと、
各吊り上げモーターは速度制御を採用し、制御器により1つ機構の規定の吊り上げ荷重であるモーターのトルクの幅制限値が設定され、機構を起動して上昇させて、作動に参与するモーターが同時に運行することにより荷重を次第に吊り上げた場合に、ワイヤロープの線速度であるインバーターの速度がプリセットされ、その内、位置修正及び目標力修正を不可能にし、荷重のバランスが調整された後、各点の目標引っ張り力が確定され、その後ロードセルにより吊り上げに参与する各機構の引っ張り力値が制御器に転送され、制御器でプログラムにより吊り物の重心が算出された後、制御器により後述の共同で吊り上げるモードでは使用される各吊り点の目標引っ張り力が算出され、バランスの調整及び目標引っ張り力の範囲の確定が完成された後、後述の共同で吊り上げるモードに入ることができ、この場合、後述の共同で吊り上げるモードに用いる各動作機構の座標値及び目標引っ張り力がシステムに記憶されているホバリングモードになるステップcと、
各吊り上げモーターは速度制御を採用し、モーターのトルクの幅制限はホバリングモードと同一である場合、インバーターの速度がプリセットされ、該プリセットされた速度値はワイヤロープの線速度のプリセット値であり、各吊り点からなる座標平面と前記ホバリングモードで記憶された座標平面と平行しない、且つ設定値を超えた場合、位置修正を行い、ある吊り上げ機構の引っ張り力が目標引っ張り力の下限より低いまたは目標引っ張り力の上限より高い場合、システムは目標力の修正を行い、修正した時に、各グループ内の引っ張り力の和が変わらないことが保持されていて、位置修正及び目標力修正とも滞回比較形式を採用して修正し、平面が平行していて、各吊り点の引っ張り力が設定値範囲内にあった後穏やかに吊り上げる共同で吊り上げるモードになるステップdとを有することを特徴とする複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項2】
前記ステップbに吊りフックの吊りポイントの高度及びワイヤロープの単位重量によりワイヤロープの重量が計算され、且つ前記係数はドラムのワイヤロープの層数、即ちドラムの実際の半径と関係している請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項3】
前記プリテンションの過程に、ワイヤロープが緩くなること、または溝から脱出することなど緊急な状況が発生した場合、機械制動機がすぐ制動するように手動制御を零位置に戻せるステップが前記ステップbに含まれている請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項4】
前記ステップcに、荷重は橋形クレーンの吊り上げ上限を超え、または吊りポイントの配置は不合理であり、または個別の巻き上げ機構に加えられた荷重は最大負荷を超えた場合、荷重は吊り上げられないまたは全体的に吊り上げられない、この場合、荷重を下したあと、荷重の重量は前記準備モードで予測された重量と一致するかどうかを判断し、偏差が比較的に大きければ、ロードセルを検査すべき、且つ荷重の重量を改めて計算し、または吊りフックの位置を改めて配置する請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項5】
システムはホバリングした時の座標平面とワイヤロープがプリテンションした時の座標平面と平行していないと検出した場合、荷重に対するバランス調整操作を行うことが必要であり、まず静止点を選定し、バランス調整操作をした時に、巻揚げ機構を動かさせないで前記静止点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差をバランス調整基準として他の各点のその場の座標とプリテンションの時の座標との差とを比較して調整し、その内、一般的に静止点は最高の座標点とし、他の点を自動的にバランスを調整できるように楔形的に調整し、この場合、インバーターの速度の主プリセット値は零であり、位置修正の付加プリセットを可能にし、目標力の修正を不可能にする請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項6】
前記ステップdの中に、モーターの速度の制限は全速と設定され、手動で荷重の上昇運動と降下運動を制御することも可能とし、且つ1:10の無段変速である請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項7】
システムは位置修正を第一の付加プリセット値とし、目標力修正を第二の付加プリセット値とし、偏差が比較的に大きい、自動的に付加プリセット値が完全に修正されることができない場合、人為的に手動修正を加えることも可能であるステップが前記ステップdに含まれている請求項1に記載の複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。
【請求項8】
各巻揚げ機構は共同で運行した場合、ある巻揚げ機構の引っ張り力が110%の規定引っ張り力を超えた場合、ロードセルはメーン制御器に警報信号を発し、且つすべての作動を参与する機構に対する制御をおこなうステップが前記ステップdに含まれていードセンサーであることを特徴とする複数吊りポイントクレーンの電気制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−531795(P2010−531795A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513612(P2010−513612)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【国際出願番号】PCT/CN2007/003427
【国際公開番号】WO2009/003333
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510000334)大▲連▼▲華▼▲鋭▼股▲分▼有限公司 (5)