説明

複数領域菓子組成物、物品、方法、および装置

生地様の菓子物質は、固体微粒子、液体、および拡散制御物質を含有する。この生地様の菓子物質は、パンニングされたコーティングの有効な代替物であり、それは、層形成された糖菓を形成するために、キャンディーまたはチューインガムなどの可食基材に付与することができる。層形成された糖菓を形成するための方法および装置も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年11月28日出願の米国仮特許出願第61/200,403号;2009年3月2日出願の同第61/208,926号;2009年6月11日出願の同第61/268,242号;2009年6月23日出願の同第61/269,328号;および2009年10月2日出願の同第61/247,997号の利益を主張する。これらの出願の各々は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。
【0002】
本発明は、チューインガム組成物および非チューインガム組成物などの菓子を含めた菓子物質含有可食製品を形成するための組成物、方法、および装置に関する。本発明は、製品を形成するための非常に多くのコーティングおよび乾燥の操作の必要性を解消する。本願明細書に記載される組成物、方法、および装置によって製造される中間生成物および最終生成物も、本発明の一部である。
【背景技術】
【0003】
コアが層によって覆われている、チューインガム製品を含めた菓子製品は、顕著な市場での成功を収めた。消費者は、製造方法によって変わるが噛んだときの望ましいクランチ質感覚を生成しうる、硬いコーティングがされたチュアブルタイプの製品の感触および外観に価値を見出す。この種の市販のチューインガム製品としては、Chiclets(登録商標)、Dentyne(登録商標)およびEclipse(登録商標)が挙げられる。このような硬いコーティングがされた製品としては、チューインガム、トローチ剤、錠剤タイプの糖菓などが挙げられる。
【0004】
硬いコーティングがされたクランチ質の菓子製品の生産は、何年にもわたって、標準化された。1つの一般的な製造の態様は、従来のハードパンニング手順である。この硬いコーティングは、一般に、回転するドラムの中でコア上にコーティング物質を噴霧し、次いで高温で乾燥するというプロセスを繰り返すことによって可食のコアの周りに作り上げられる。次いでこのコーティングされた製品は、状態調節(conditioning)設備の中に置かれ、そこで、潜伏している水分が室温、低湿度条件下で蒸発する。望ましいクランチ質の硬いコーティングを成し遂げるために、そのコーティング物質の多くの層(例えば、40〜60層)が付与されなければならない。このようにして生産される多層コーティングされた製品は、図1として本願明細書に特定される顕微鏡写真に示されている。
【0005】
ハードパンニングのクランチ質コーティングを製造するために使用するコーティング物質は、典型的には、「シュガーシロップ」と呼ばれることが多い、増量甘味料の飽和溶液である。このシュガーシロップはコーティング物質の飽和溶液であり、そのため、水を失うと、そのコーティング物質、特に増量甘味料は、結晶化して硬いクランチ質の層を形成する。
【0006】
単独の薄層のコーティング物質の付与、およびそのコーティング物質の薄い結晶化した層を形成するためのその後の乾燥は、典型的には、結晶化を完結させて滑らかな、クランチ質のコーティング層を形成するように、7〜8分間行われる。
【0007】
図1に認められるような、商業上許容できる硬いクランチ質のコーティングを提供するために、コーティング物質の40〜60もの薄い個々の層をコアに付与することがしばしば必要である。7〜8分間の平均サイクル時間を用いると、そのコーティングプロセスは、完結するのに6時間以上かかることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、製品の望ましい品質を犠牲にすることなく、より少ない時間で製品を提供するために、チューインガムを含めた菓子製品を製造するというニーズが当該技術分野で存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、伝統的な「シュガーシロップ」ではない層形成物質を用いることによって、多数の薄層を付与するという従来の知識から外れる。特に、生地(dough)様の菓子物質であって、顆粒、粉末、凝集体、結晶、非結晶性固体、およびこれらの混合物の形態の固体微粒子(例えば、糖または糖アルコール)が液体相によって取り囲まれており、かつ飽和溶液を形成するために比較的大量の液体(例えば水)に溶解されているわけではない生地様の菓子物質が、使用される。本発明は、クランチ性を有する菓子製品を含めた菓子製品へと加工することができるコーティング物質を製造するための、高水分含量溶液の使用に代わる方法を提供する。代わりに、本発明は、低水分含量を有する、本願明細書中で後に明記されるような生地様の菓子物質の形態の層形成物質を用いる。この液体相は、液体と、その液体の拡散およびその液体の固体微粒子との接触を制御する拡散制御物質とを含む。この生地様の菓子物質は粘性が高いため、この菓子物質は、任意に加圧下で、付与して、1回という少ない付与で、硬質から軟質までおよび非クランチ質からクランチ質までに及ぶ物理的状態の範囲の所望の製品を形成することができる。
【0010】
1つの実施形態は、菓子物質含有製品へと迅速に形成することができる特別に配合された層形成物質の層または領域を製造するための技術である。この層形成技術は、コーティング物質の水を含む溶液ではなく、生地様の菓子物質を、その層または領域を形成するために使用することができるという発見を前提としている。この生地様の菓子物質は、比較的少量の液体を含有し、層または領域の形成を、典型的な従来のパンニング技術よりも迅速にする方法で加工される。
【0011】
層または領域を形成するための生地様の菓子物質は、本願明細書中で後に明記されるように、固体微粒子、液体、および拡散制御物質の混合物を含み、この拡散制御物質は、この液体の拡散速度を制御してこの液体と固体微粒子との接触を制限する。この生地様の菓子物質は、それを任意に加圧下で付与して生成物の層または領域を形成することができるほどに、十分な柔軟性および凝集性を有する。加えて、この拡散制御物質は、典型的には当該液体に溶解しており、この拡散制御物質は当該固体微粒子を取り囲み、そして硬化して、所望に応じて硬いまたは柔らかい層を形成する。
【0012】
1つの実施形態では、菓子物質であって、固体微粒子を含む少なくとも1つの層または領域を含み、この固体微粒子の少なくとも主要部分が硬化した拡散制御物質によって取り囲まれている菓子物質が提供される。
【0013】
第2の実施形態では、当該菓子物質は、可食基材および上記の菓子物質を含む中間生成物へと組み込まれる。
【0014】
第3の実施形態では、固体相および液体相を含む生地様の菓子組成物であって、この固体相の少なくとも主要部分はこの液体相によって取り囲まれており、この固体相は固体微粒子を含み、そして液体相は、液体および拡散制御物質の混合物を含む、菓子組成物が記載される。
【0015】
第4の実施形態では、この生地様の菓子組成物を形成し、次いでその生地様の菓子組成物を当該菓子物質へと形成することによる、当該菓子物質の形成方法が提供される。
【0016】
第5の実施形態では、菓子物質含有中間生成物は、まず当該生地様の菓子組成物を形成し、当該生地様の菓子組成物を準備段階の菓子物質へと形成し、そしてこの準備段階の菓子物質を可食基材へと付与することにより、形成される。
【0017】
第6の実施形態では、この菓子物質含有中間生成物は、この準備段階の菓子物質の中の液体の量を減少させて、菓子物質含有製品を形成するために、さらに処理される。
【0018】
第7の実施形態では、当該菓子物質を形成する装置であって、当該生地様の菓子組成物を形成するための手段と、当該生地様の菓子組成物を可食基材へと付与するための手段とを含む装置が提供される。
【0019】
第8の実施形態では、当該菓子物質中間生成物の中の液体の量を減少させるための手段を利用することによって当該菓子物質含有製品を形成するための装置が提供される。
【0020】
第9の実施形態では、この生地様の菓子物質の液体の量は、慣用的なパンニングにおける量よりも少なく、好ましくは20重量%以下である。
【0021】
第10の実施形態では、この生地様の菓子物質は常温で形成される。
【0022】
第11の実施形態では、少なくとも1つの層または領域を含む菓子物質は常温で形成される。
【0023】
第12の実施形態では、単独の層が可食基材に付与され、菓子物質含有中間生成物が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
同じ参照文字が同じ部分を示す以下の図面は、本発明の実施形態を例証するが、本願の一部を形成する特許請求の範囲によって包含される本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0025】
【図1】基材上の従来のハードパンニングされたコーティングの顕微鏡写真である。
【図2】生地様の菓子物質の1つの実施形態の顕微鏡写真である。
【図3】可食基材の上に付与された層の1つの実施形態の顕微鏡写真である。
【図4】層形成物質が基材と共押出される実施形態の線図である。
【図5】可食基材に層形成物質を付与するための圧縮積層システムの1つの実施形態の線図である。
【図6】基材に層形成物質を付与するための圧縮積層システムの別の実施形態の線図である。
【図7】従来のハードパンニング層で覆われた付与された層を含む製品の1つの実施形態の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
1つの実施形態は、本願明細書に記載される生地様の菓子物質から製造される少なくとも1つの層または領域を含有する、菓子物質含有の複数領域製品である。生地様の菓子物質は、従来のシロップ物質と比べて低下した濃度の液体を有する層形成物質またはコーティング物質として用いられる。本願明細書中で後に明記されるように、高濃度の固体微粒子に起因して、ひとたび層形成物質が可食基材に付与されると、高濃度の固体微粒子に対応するその液体の中の低レベルの水分は、比較的迅速にかつ容易に除去することができる。本願明細書中で後に明記されるように、この生地様の菓子物質は、固体微粒子(増量甘味料など)、液体、および拡散制御物質から製造される。当該複数領域製品は、層形成物質を可食基材へと密着させるために、好ましくは加圧下でこの生地様の菓子物質が付与されるとき、形成することができる。可食基材は、チューインガム、チョコレート菓子、硬い菓子、柔らかい菓子などを含めた(これらに限定されない)一定範囲の組成物を含むことができる。この生地様の菓子物質は、液体および拡散制御物質の混合物から得られる粘性が高い物質とともに固体微粒子(これは、ナノサイズの粒子ほどに小さくてもよい)を含有し、典型的には不均一である。この不均一な物質は、典型的には、均一にブレンドされる。この生地様の菓子物質の構造により、望ましい複数領域製品の形成が可能になり、そしていくつかの好ましい実施形態では、この生地様の菓子物質は実質的に気泡を含まない。当該複数領域製品の1つのそのような例は、クランチ質タイプの硬いコーティングを有し、この硬いコーティングの中で、層または領域は従来のハードパンニングされた製品と同様の感覚受容性を呈するが、著しい構造の差があり、かつ固体微粒子の少なくともほとんどがそのもとの形態を保持する。
【0027】
本願明細書で使用する場合、用語「菓子物質」は、固体微粒子、ならびに液体および拡散制御物質の混合物から製造される組成物であって、この拡散制御物質が、硬いまたは柔らかい層もしくは領域を形成するために必要な程度まで硬化することができる、組成物を意味するものとする。「準備段階の菓子物質または菓子組成物」は、硬化が起こる前の上記の組成物を意味する。いくつかの実施形態では、当該菓子層または菓子領域は、加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する。典型的には、第1の水分含量は第2の水分含量よりも大きく、続いて第2の水分含量は第3の水分含量よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、すべての重量パーセントは当該菓子層または菓子領域の総重量に基づいて、第1の水分含量は約8%〜約15%であり、第2の水分含量は約4%〜約6%であり、第3の水分含量は2%未満である。
【0028】
本願明細書で使用する場合、用語「生地様の菓子物質」は用語「層形成物質」または「コーティング物質」と同義であり、層形成物質またはコーティング物質の塊を意味するものとする。この生地様の菓子物質は流動性がないが、混練および圧延することができ、それゆえ、コアなどの基材に付与して、さらなる加工および液体のうちの少なくともいくらかの除去の後に、「菓子物質」の少なくとも1つの硬いまたは柔らかい層もしくは領域を形成することができる。この層または領域は非クランチ質であってもよいし、または様々なクランチ質度を呈してもよい。
【0029】
用語「硬い層または領域」および「柔らかい層または領域」は、菓子の技術分野で使用されるとおりのその慣用的な意味が与えられている。柔らかい層は、応力を誘導する力が加えられると、伸びるかまたは「たわむ」。硬い層は、破断を誘導する力が加えられると、その破断を誘導する力に対する抵抗力の急激な低下に起因して、破断する。本発明では、様々な程度の硬さまたは柔らかさを有する層を形成することができる(すなわち、当該生地様の菓子物質は、予め選択された硬さまたは柔らかさを有する層または領域の形成を可能にするようにして、調製することができる)。
【0030】
用語「クランチ質の層または領域」は菓子の技術分野でのその慣用的な意味が与えられ、それは、噛んだ際に複数の場所で亀裂を受けおよび典型的には聞こえる亀裂の音を生成する層または領域を意味する。
【0031】
用語「基材」または「可食基材」は、典型的には層または領域の形態の菓子物質を受け止めて菓子物質を形成することができる、硬いまたは柔らかい(様々な程度の硬さまたは柔らかさを含む)いずれの可食物質をも意味する。適切な基材の例としては、チューインガム、風船ガム、脂肪ベースのガム(米国特許出願公開第2008/0057155(A1)号明細書に記載されているものなど。この特許文献は参照により本願明細書に援用したものとする)、キャンディーガム(クランチガムおよびマシュマロガム(米国特許出願公開第2008/0166449(A1)号明細書および米国特許出願公開第2008/0199564(A1)号明細書に記載されているものなど。これらの特許文献の各々は、参照により本願明細書に援用したものとする)が挙げられる)、噛んだ後に硬く/柔らかくなるかまたは柔らかい/硬いまま留まる比較的柔らかい/硬いガム、キャンディー、チョコレートおよびこれらの組み合わせ(様々な程度のクランチ質を有する柔らかいおよび硬い層または領域を含むガムおよびキャンディーの組み合わせを含む)などのコア、上で定義されたとおりの層形成物質の層または領域、可食組成物の中で用いることができるいずれかの他の可食物質(ハードパンニングおよびソフトパンニングなどの従来の方法によって付与される従来の物質の硬いまたは柔らかい層もしくは領域が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの可食基材は、従来のパンニング技術によってコーティングするのはあまりに困難であると考えられる。このような基材としては、ガムベース、粘着性のあるガムベース、ならびに吸湿性の、感湿性のおよび/または感熱性の基材が挙げられる。これらの基材のすべてが、使用されてもよい。
【0032】
用語「菓子物質含有製品」または「複数領域菓子組成物」は、当該菓子物質の少なくとも1つの層または領域を含有する菓子組成物(チューインガム組成物を含む)などのいずれの可食製品をも意味する。この層または領域は、コーティングとして現れる必要はない。コーティングを有する製品については、その製品はこの菓子物質の1以上の層または領域を含んでもよいが、ただし、その層または領域のすべてである必要はないが、その層または領域のうちの少なくとも1つは、本願明細書に記載されるようにして製造されるということを理解されたい。菓子物質含有製品の例としては、中心充填物、ガム領域、および本発明の菓子物質を含む製品が挙げられ、ここで、このガムは従来のガムおよび/またはクランチ質ガムである。
【0033】
用語「菓子物質含有中間生成物」は、拡散制御物質が固体微粒子のまわりで硬化することを可能にするために液体を除去するようにはまだ加工されていない、準備段階の菓子物質と可食基材とを含有する生成物を意味するものとする。いくつかの実施形態では、この菓子層または菓子領域は、加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する。典型的には、第1の水分含量は第2の水分含量よりも大きく、続いて第2の水分含量は第3の水分含量よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、すべての重量パーセントは当該菓子層または菓子領域の総重量に基づいて、第1の水分含量は約8%〜約15%であり、第2の水分含量は約4%〜約6%であり、第3の水分含量は2%未満である。
【0034】
用語「圧力」は、当該生地様の菓子物質が可食基材上で層または領域を形成することができるように、その生地様の菓子物質を可食基材を付与する時もしくはそのほぼ同じ時の、またはその後少し後のその生地様の菓子物質への力の付与を意味するものとする。
【0035】
用語「硬化した」は、当該生地様の菓子物質からの液体の減少およびその結果として起こる、液体相から固体相への当該拡散制御物質の物理的な変化を指す。また「硬化した」は、上で定義された「第3の水分含量」を有する組成物も指す。
【0036】
当該生地様の菓子物質を製造する際に使用するための固体微粒子は、典型的には、顆粒、粉末、凝集体、結晶、非結晶性の固体、およびこれらの組み合わせの形態にあり、ナノサイズの粒子も含まれる。この固体微粒子は、スクロース、グルコース、フルクトースおよびコーンシロップ、ならびにこれらの混合物を含めた糖物質、ならびに従来のシュガーレス物質から選択することができる。好ましいシュガーレス物質はポリオールであり、この例としては、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルト、ポリグルシトール、ポリグリシトール、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物が挙げられる。この固体微粒子の量は、典型的には、当該生地様の菓子物質の重量に基づいて約50〜95重量%、好ましくは約76〜95重量%の範囲となろう。
【0037】
当該生地様の菓子物質で用いられる液体は、拡散制御物質を溶解し、かついったん生地様の菓子物質が可食基材(可食のコアなど)に付与されてしまうと、過度に高い乾燥温度または過度に長い乾燥時間を使用することなく、その生地様の菓子物質から効果的に除去することができる液体から選択される。好ましくは、この液体は室温で迅速に除去することができる。好ましい液体としては水、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、ポリオールシロップ、およびこれらの混合物が挙げられる。水は好ましい液体である。この液体の量は、一般に、標準的なパンニングで使用されるであろう量未満である。好ましくは、液体の量は、当該生地様の菓子物質の約20重量%以下、より好ましくは約12重量%以下、さらにより好ましくはこの液体の量は約4〜12重量%、最も好ましくは7〜11重量%である。
【0038】
また当該生地様の菓子物質は拡散制御物質をも含み、これは、この生地様の菓子物質を通る当該液体の拡散速度を効果的に制御する。結果として、固体微粒子との過剰の接触は回避され、そのため、この液体および拡散制御物質の組み合わせは処理を受けていない固体微粒子の少なくとも主要部分を取り囲む。この拡散制御物質は、本願明細書中で後述されるとおり、当該生地様の菓子物質を可食基材に容易に付与することができるように、当該生地様の菓子物質の粘度を変えて生地様の特性を呈するように(すなわち、当該生地様の菓子物質を混練および/または圧延することができるように)するための粘度調整物質としても機能する可能性がある。
【0039】
適切な拡散制御物質としては、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、加工デンプン、イヌリン、コンニャク、キトサン、トラガント、カラヤ、ガッティ、カラマツ(larch)、カラギーナン、アルギン酸塩、化学的に修飾されたアルギン酸塩、寒天、グアー、ローカストビーン、シャゼンシ、タラ、ジェラン、カードラン、プラン(pullan)、アラビアガム、ゼラチン、およびペクチン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。キサンタンガムは好ましい拡散制御物質である。いくつかの実施形態では、高分子量ポリマーは拡散制御物質のために好ましい。
【0040】
この拡散制御物質の量は、広い範囲にわたって変わる可能性があり、量は、本願明細書中で後述されるように、当該生地様の菓子物質に、当該生地様の菓子物質を混練および圧延することができるようにし、当該生地様の菓子物質を可食基材への付与に適し、かつ好ましくは基材上への圧縮積層によるなどの加圧することに適したものにする特性を与えるように選択される。一般に、この拡散制御物質の量は、当該生地様の菓子物質の重量に基づいて約1〜25重量%、好ましくは約2〜10重量%、最も好ましくは3〜5重量%の範囲にある。
【0041】
好ましい実施形態では、この液体は水であり、拡散制御物質はキサンタンガムである。水:キサンタンガムの好ましい重量比は約1.5:1〜約2.5:1である。
【0042】
当該生地様の菓子物質は、液体相成分および固体相成分を合わせることにより作製される。この液体相成分は、液体および拡散制御物質を含む。固体相成分は、固体微粒子、例えば増量甘味料の固体粒子を含む。典型的には、当該生地様の菓子物質を形成するための液体相成分は、この液体相成分および固体相成分の総重量に基づいて約5〜50重量%の量であり、固体相成分は、約50〜95重量%の量である。液体相:固体相の好ましい重量比は約0.1:1〜約0.15:1である。
【0043】
当該生地様の菓子物質は、任意に、浸透圧制御物質をも含有することができ、これは液体への固体微粒子の溶解の速度および程度を低下させる働きをする。固体微粒子の溶解の速度を低下させることにより、より多くのその固体微粒子がそのもとの固体形態で、当該生地様の菓子物質の中で維持され、これにより液体がより容易に除去されるようになり、かつこれは、穏和な条件で液体を除去することにとって有利になる。浸透圧制御物質は、典型的には上記液体に可溶であり、例としては約2,000ダルトン未満の分子量を有する炭水化物、およびデキストランが挙げられる。浸透圧制御物質の代表例は増量甘味料であり、この増量甘味料は、当該生地様の菓子物質を形成するもとの成分の一部として使用される増量甘味料と同じであってもよいし、または異なってもよい。従って、この浸透圧制御物質としては、これまでに記載されたとおりの糖およびシュガーレス物質(ポリオールおよび糖アルコールを含む)が挙げられる。いくつかの実施形態では、この浸透圧制御物質はマルチトールシロップである。このマルチトールシロップは、マルチトールおよび水から調製することができる。あるいは、市販のマルチトールシロップを使用することができる。いくつかの市販のマルチトールシロップは、マルチトールおよび水に加えて、水素化されたオリゴ糖および水素化された多糖を含有することに留意されたい。いくつかの実施形態では、このマルチトールシロップは、乾燥重量基準で、約50〜約60重量パーセントのマルチトール、および約30〜約50重量パーセントのより高分子量のポリオールを含有する。他の実施形態では、このマルチトールシロップは、乾燥重量基準で、約70〜約80重量パーセントのマルチトール、および約25〜約50重量パーセントのより高分子量のポリオールを含有する。当該浸透圧制御物質は、典型的には、当該生地様の菓子物質の重量に基づいて、約1〜25重量%、好ましくは約2〜10重量%の量で存在する。
【0044】
当該生地様の菓子物質は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどの強化甘味料をも含んでもよく、これらは層または領域の相対的な甘味を調整するために用いられる。この強化甘味料の量は、典型的には、生地様の菓子物質の約0.05〜約1.0重量%、好ましくは約0.1〜約0.6重量%の範囲となるであろう。
【0045】
当該生地様の菓子物質を形成するための上記の成分に加えて、活性薬剤を有効量で加えてもよく、その結果、当該製品は送達用媒体、好ましくは経口送達用媒体となる。活性薬剤の有効量は当業者に公知である。栄養上の効果および/または治療効果を有するものを含めて、当該層または領域に、および/または製品の他の範囲内に、実に様々な活性薬剤を用いてもよい。この活性薬剤の中には、香料、感覚剤(センセート剤)、着色剤、粘滑薬、および機能性薬剤(呼気清涼化剤、歯科ケア剤、医薬品、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品を含む)などが含まれる。本発明の菓子組成物は、感熱性、感湿性および/または水と反応性である活性薬剤の包接に特に適しており、このような薬剤としては、揮発性の香料、糖アルコール(例えば、キシリトール)、および食品等級の酸が挙げられるが、これらに限定されない。この利点は、当該菓子製品を作製するために必要とされる感熱性および/または感湿性の薬剤の量を減らす可能性がある。
【0046】
適切な香料としては、天然香料および人工香料を挙げることができる。これらの香料は、合成香味油ならびに香味のある香味物質および/または油、オレオレジンならびに植物、葉、花、果実など由来のエキス、ならびにこれらの組み合わせから選択されてもよい。限定を意図しない代表的な香味油としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メンチル)、ペパーミント油、和種はっか油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、およびケイヒ油が挙げられる。また、有用な香料は、バニラ、および柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチが挙げられる)、ならびにフルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどが挙げられる)などの人工の、天然のおよび合成のフルーツ香料である。放出プロファイルを管理できる可能性がある他の香料として、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティまたはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、および和種はっかフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティーダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、チョウジフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(日本ワサビ)フレーバーなどの香辛料フレーバー;ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランディフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびに、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらの香料は、液体または固体形状で用いてよく、個々にまたは混合物として用いてもよい。よく用いられる香料として、ペパーミント、メントール、スペアミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および様々なフルーツフレーバーが挙げられ、個々にまたは混合物として用いられる。特にミントフレーバーなどの香料はまた、本願明細書で後に記載する冷感剤と組み合わせて用いると呼気清涼化特性ももたらすことがある。
【0047】
他の香料として用いてよいものとして、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)などの、アルデヒドおよびエステルが挙げられる。一般に、全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)によるChemicals Used in Food Processing、出版物1274、63−258頁に記載のもののような、香料または食品添加物のいずれも用いてよい。この刊行物は、参照により本願明細書に援用したものとする。これらには、天然香料も合成香料も含めてよい。
【0048】
アルデヒド香料のさらなる例として、限定しないがアセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわちα−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の香味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわちトランス−2−ヘキセナール(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、ストロベリーショートケーキ、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
感覚剤としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
様々な周知の冷感剤を用いてよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤として、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキシアミド、グルタル酸モノメンチル、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換尿素およびスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプトシクロデカノン、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23として知られる)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3として知られる)、イソプレゴール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド、和種はっか油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸l−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸l−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6 ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキシアミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社製、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA 3807、商品名 FRESCOLAT(登録商標) タイプMGA);3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago製、FEMA 3784);および乳酸メンチル;(Haarman & Reimer製、FEMA 3748、商品名 FRESCOLAT(登録商標) タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然もしくは合成の誘導体)、メントール PG カーボネート、メントール EG カーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプロピル−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン−2−カルボキシアミド;ならびにメントール メチルエーテル、およびメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。これらのおよび他の適切な冷感剤は、以下の米国特許(それらのすべては、参照によりその全体を援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許第4,230,688号;同第4,032,661号;同第4,459,425号;同第4,136,163号;同第5,266,592号;同第6,627,233号。
【0051】
温感成分は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択することができる。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、香料、甘味料、およびその他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。いくつかの実施形態では、有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社、日本、東京により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)や、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
刺激を与えるような(tingling)感覚をもたらす感覚剤としては、ジャンブー、オレオレジン、またはスピラントールが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジャンブーまたはサンショオールなどの、材料から抽出したアルキルアミドを挙げることができる。
【0053】
発泡の感覚を与える感覚剤としては、塩基性物質と酸性物質との組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、塩基性物質として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸性物質として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの組み合わせを挙げることができる。「刺激」型感覚剤の例は、米国特許第6,780,443号明細書に見出すことができ、この特許文献の内容全体は、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0054】
感覚剤には、本願に引用して援用する米国特許出願公開第2005/0202118(A1)号明細書に開示されるものなど、「三叉神経刺激剤」も含まれる。三叉神経刺激剤は、三叉神経を刺激する経口摂食の製品または物質として定義される。三叉神経刺激剤である冷感剤の例としては、メントール、WS−3、N−置換p−メンタンカルボキシアミド、WS−23、WS−5、WS−14を含む非環状カルボキシアミド、コハク酸メチル、メントングリセロールケタールが挙げられる。三叉神経刺激剤は、香料、刺激剤、ジャンブーエキス、バニリルn−ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセアエキス、キタサンショウ(Northern Prickly Ash)エキス、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤コショウオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ショウガオレオレジン、ジンゲロール、ショウガオール、シナモンオレオレジン、ケイヒオレオレジン、シンナムアルデヒド、オイゲノール、バニリンの環状アセタールおよびメントールグリセリンエーテル、不飽和アミド、ならびにそれらの組み合わせも含むことができる。他の冷感化合物としては、米国特許第7,030,273号明細書(この特許文献は、参照により本願明細書に援用したものとする)に開示されているものなどの2,3−ジメチル−2−イソプロピル酪酸の誘導体を挙げることができる。
【0055】
また感覚剤としては、負の溶解熱を呈する物質によってもたらされる冷感感覚を与える化合物が挙げられ、その例としては、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、およびソルビトールなどのポリオール、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
いくつかの実施形態では、感覚剤は、知覚できる感覚的体験をもたらすレベルで、すなわちそれらの閾値レベルで、またはその閾値レベルを超えるレベルで使用される。他の実施形態では、感覚剤成分は、それらが独自の知覚できる感覚的体験を与えないように、その閾値レベルを下回るレベルで使用される。閾値以下のレベルで、この感覚剤は、香味または甘味の増強といった副次的便益をもたらす可能性がある。
【0057】
着色剤としては、限定しないが、アナットーエキス、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120);カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱した綿実小麦粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ(haematococcus algae)粗粉、合成鉄酸化物、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、植物ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉およびエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア(phaffia)酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0058】
認定着色料も使用してよく、その例としては、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5およびFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
活性薬剤として有用な粘滑薬としては、ペクチンまたは炎症を起こした口内組織または咽頭組織を湿潤化または無痛化する高分子物質を挙げることができる。この粘滑薬は保湿活性も有してもよく、これは、その物質が水分を吸収し、その保湿物質と接触している組織を湿潤化するということを意味する。
【0060】
本発明で有用な粘滑薬としては、水和して口腔表面に付着し、口内湿潤化または咽頭湿潤化の感覚をもたらす親水コロイド物質も含むことができる。親水コロイド物質は、植物滲出液、種子ガム、および海藻エキスなどの天然由来の材料を含むことができ、またはそれらは、セルロース、デンプン、または天然ガム誘導体などの化学的に変性された物質であることができる。いくつかの実施形態では、親水コロイド物質は、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、細菌ガム、およびこれらの組み合わせを含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、プロピレングリコールアルギネート、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、およびそれらの組み合わせなどの、変性天然ガムを含むことができる。いくつかの実施形態では、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびそれらの組み合わせなどの、変性セルロースを含めることができる。
【0061】
同様に、口内の水和の知覚をもたらすことができる粘滑薬を含めることができる。このような粘滑薬としては、限定しないが、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、およびキシリトールを挙げることができる。
【0062】
加えて、いくつかの実施形態では、この粘滑薬は脂肪または脂質であってもよい。このような脂肪としては中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。望ましくは、本発明で使用される脂肪は、高融点脂肪、硬化脂肪、またはゲル化脂肪であってもよい。いくつかの実施形態では、通常、低融点の脂肪は、その脂肪が室温で固体であるように、水素化される。あるいは、この粘滑薬は、モノグリセリドまたはポリグリセロール脂肪酸エステルであってもよい。このようなモノグリセリドおよびポリグリセロール脂肪酸エステルは、液体油の凝固(setting)能力、およびゲルを形成する能力を促進することを助ける。この効果は、ゲル化した油の融点の最小の上昇でも、ゲル強度については非常に顕著でありうる(最高500倍の増加)。
【0063】
粘滑薬は、それらが室温で固体として存在するように、処理されてもよい。あるいは、この粘滑薬は室温で液体形態にあってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、当該層物質または領域物質は、界面活性剤、呼気清涼化剤、医薬品、栄養補助食品、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、およびこれらの組み合わせを含めた1以上の機能性薬剤を含んでもよい。本発明での使用が企図される医薬品としては、咽頭無痛化剤、鎮痛剤、麻酔薬、防腐剤、鎮咳剤、咳止め薬、去痰剤、抗ヒスタミン薬、粘液溶解薬、および鼻腔鬱血除去薬を挙げることができるが、これらに限定されない。加えて、後述するような他の医薬品を、本発明で用いてもよい。
【0065】
咽頭無痛化成分としては鎮痛剤、麻酔薬、防腐剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鎮痛剤または麻酔薬としては、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、防腐剤成分としては、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。咽頭無痛化剤としては、ハチミツ、プロポリス、アロエベラ、ピーマンまたは赤トウガラシのエキス、グリセリン、メントールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
鎮咳剤は、2つの群に分けてもよい:粘液溶解薬および去痰剤などの、痰の粘稠度または産生を変える鎮咳剤;ならびにコデイン(麻薬性鎮咳剤)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファンおよびイソプロテレノール(非麻薬性鎮咳剤)などの咳反射を抑制する鎮咳剤。いくつかの実施形態では、どちらかの群または両方の群由来の成分を含めてもよい。
【0067】
さらなる他の実施形態では、咳止め薬が使用されてもよく、その例としては、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリンおよびこれらの組み合わせからなる群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
いくつかの実施形態では、抗ヒスタミン薬が加えられてもよく、その例としては、アクリバスチン、アザタジン、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デキスブロモフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジンおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非鎮静性抗ヒスタミン薬としては、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン、およびこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0069】
いくつかの実施形態では、去痰剤が加えられてもよく、その例としては、塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン流エキス、ヨウ化カリウムおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、粘液溶解薬が加えられてもよく、その例としては、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシンおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、鎮痛薬、解熱薬および抗炎症薬が加えられてもよく、その例としては、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェインおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、局所麻酔薬としては、リドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテートおよびこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態では、鼻腔鬱血除去薬および鼻腔内清掃の知覚をもたらす成分を含めてもよい。いくつかの実施形態では、鼻腔鬱血除去薬としては、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、およびこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0071】
事実上いずれのビタミンまたはミネラルを含めた様々な栄養補助食品も活性成分として使用してよい。例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、セレン、マンガン、コリン、クロム、モリブデン、フッ素、コバルトおよびこれらの組み合わせを使用してよい。
【0072】
活性成分として使用されてもよい栄養補助食品の例は、米国特許出願公開第2003/0157213(A1)号明細書、同第2003/0206993(A1)号明細書、および同第2003/0099741(A1)号明細書に示されており、これらの特許文献は、参照によって、その全体を、あらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする。
【0073】
種々の医薬としての特性または栄養補助特性を有するものなど種々のハーブもまた活性成分として使用できる。ハーブは医薬としてまたは香料として使用することができる一般に香りの強い植物もしくは植物の一部またはそのエキスである。適切なハーブは、単独で使用することもでき、種々の混合物として使用することもできる。一般に使用されるハーブとしては、エキナセア、ヒドラスチス、キンセンカ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、赤根草、グレープフルーツ種子エキス、ブラックコホッシュ、朝鮮人参、ガラナ、クランベリー、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、月見草油、ヨヒンベ樹皮、緑茶、マオウ、マカ、ビルベリー、ルテイン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0074】
本願明細書に示されるいくつかの実施形態は呼気清涼化剤を含んでもよく、この呼気清涼化剤には、精油や、様々なアルデヒド、アルコール、および類似物質を含めることができる。いくつかの実施形態では、精油としてスペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボクエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジのオイルを挙げることができる。いくつかの実施形態では、シンナムアルデヒドおよびサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用できる。加えて、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール(iso−garrigol)、およびアネトールなどの化学物質が、呼気清涼化剤として機能することができる。これらのうち、最もよく用いられるのはペパーミント、スペアミントおよびクロロフィルのオイルである。
【0075】
精油および精油から誘導される化学物質に加えて、いくつかの実施形態では呼気清涼化剤としては、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、酵素(ラッカーゼなど)、およびこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0076】
いくつかの実施形態では、呼気清涼化剤としては、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・ラテロスポルス(Bacillus laterosporus)、バチルス・ラエボラクティカス(Bacillus laevolacticus)、スポロラクトバチルス・イヌリナス(Sporolactobacillus inulinus)、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・クルヴァトゥス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ジェンセニイ(Lactobacillus jenseni)、カゼイ菌(Lactobacillus casei)、ファーメンタム菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ペディオコッカス・アシディラクチシ(Pedioccocus acidilacti)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pedioccocus pentosaceus)、ペディオコッカス・ウリナエ(Pedioccocus urinae)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、バチルス・コアグランス、枯草菌、バチルス・ラテロスポルス、バチルス・ラエボラクティカス、スポロラクトバチルス・イヌリナスおよびこれらの混合物などの乳酸菌が挙げられるが、これらに限定されない。呼気清涼化剤は以下の商標名によっても知られている:Retsyn(商標)、 Actizol(商標)、およびNutrazin(商標)。口臭抑制(malodor−controlling)組成物の例は、Staplerらの米国特許第5,300,305号明細書、ならびに米国特許出願公開第2003/0215417号明細書および米国特許出願公開第2004/0081713号明細書に含まれており、これらの特許文献は、参照によって、その全体を、あらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする。
【0077】
歯科ケア剤(口腔ケア成分としても知られる)としては、歯の白色化剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤および歯石予防剤が挙げられるが、これらに限定されない。このような成分の限定を意図しない例としては、タンパク質分解酵素を含む加水分解剤、水和シリカ、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびアルミナなどの研磨剤、限定しないがステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化ブチルオレエート、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤を含む表面活性剤、および一般に歯石コントロール成分として用いられるポリリン酸塩などのキレート剤などといった他の活性汚れ除去成分を挙げることができる。いくつかの実施形態では、歯科ケア成分は、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、およびペルオキシジホスフェートなどの過酸化物が含まれる。いくつかの実施形態では、硝酸カリウムおよびクエン酸カリウムが含まれる。他の例として、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウム(CPP−ACP)、および非晶質リン酸カルシウムを挙げることができる。さらに他の例として、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0079】
さらなる例として、いくつかの実施形態で予防効果を高め、また歯科ケア成分をさらに美容上受け入れられるようにするために用いる、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤などの界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、好ましくは洗浄性および発泡特性を付与する洗浄性物質であることができる。界面活性剤の具体例は、硬化ココナッツ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸の水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテートなどの高級アルキルスルホアセテート、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、および炭素数12〜16の脂肪酸、アルキルまたはアシル基を有するものなど、低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド等である。最後に記載のアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、およびN−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシンまたはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩である。
【0080】
界面活性剤に加えて、歯科ケア成分は、限定しないが、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、および塩化セチルピリジニウムなどの抗菌剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、さらなる虫歯予防剤は、無機フッ化物塩などのフッ化物イオンまたはフッ素をもたらす成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、可溶性アルカリ金属塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウムや、フッ化第一スズなどのフッ化スズおよび塩化第一スズを配合することができる。いくつかの実施形態では、例えば、酸へのエナメル溶解性の減少、および齲食に対する歯の保護など、口腔のケアおよび衛生に対して有益な効果を持つフッ素含有化合物も、成分として配合してよい。その例として、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化第一スズカリウム(SnF−KF)、ヘキサフルオロ第二スズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フルオロジルコン酸ナトリウム、およびモノフルオロリン酸ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、尿素が配合されてもよい。
【0081】
本発明の製品は、当該生地様の菓子物質の独特の特性に一部は起因して、従来の製品に勝るさらなる利点を呈する。1つのそのような利点は、活性薬剤(香料を含む)の製品放出プロファイルに関連する。この生地様の菓子物質は比較的低温で調製することができるため、香料は、温度に関連する、蒸発による喪失をあまり受けない。従って、この生地様の菓子物質は、従来のパンニングされたコーティングまたは層よりも高い量の香料を効果的にかつ効率的に届けることができる。より高い量の香料をより効果的にかつ効率的に届けるというこの能力によって、より強い香味についての消費者の予想をよりよく満たす示唆的な色の使用が可能になるようにできる。例えば、暗橙色は、強いオレンジの香味の体験を示唆することができる。従来のパンニング品については、暗橙色によって示唆される消費者の予想は、香料の蒸発のため、満たされないかも知れない。しかしながら、当該生地様の菓子物質を含む複数領域製品については、消費者は、暗橙色によって示唆される、予想される高強度のオレンジの香味の体験をそのまま与えられるであろう。
【0082】
活性薬剤のいくつかは拡散制御物質によって捕捉され、これにより、その放出が遅延する。結果として、活性薬剤の放出プロファイルは、従来のコーティングされた菓子製品から予想されるものを超えて広げられる。
【0083】
活性薬剤のすべてまたはいくつかを直接拡散制御物質内に組み込むことも可能である。この技術は、この活性薬剤を遅延放出するためにも使用することができる。
【0084】
放出プロファイルは、活性薬剤を当該生地様の菓子物質の固体相および/または液体相の中、ならびに可食基材の中に様々な程度まで組み込むことによっても、影響を及ぼされうる。
【0085】
生地様の菓子物質の組成、その物性、およびその生地様の菓子物質が可食基材に付与される方法によって、層または領域を形成することが可能になる。本発明の菓子物質は、単独の層としてまたは複数の層として与えられてもよい。少なくとも約0.2ミリメートルの単独の層を生成することができるので、複数の層を提供する必要がないことが多く、このことは、製造時間の大幅な減少に寄与する。さらには、保持される液体の量を制御することによって、同じ製品の上でさえも、硬い層または領域および柔らかい層または領域を生成することができる。柔らかい層または領域を形成するとき、当該生地様の菓子組成物に、その生地様の菓子組成物の重量に基づいて約1〜30重量%の量の親水性の可塑剤を加えることが望ましい。典型的な可塑剤としては、グリセリン、マルチトールシロップ(ロケット社(Roquette)から商標名 LYCASINで販売されているものなどのマルチトールシロップを含む)、レシチン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、スクラロースまたはこれらの組み合わせなどの糖アルコールまたは糖を含有する非結晶性シロップ、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールが挙げられる。
【0086】
この生地様の菓子組成物は、それが、固体相成分および液体相成分の関係を物理的に変えるように加えられた力を受けることができるような、水分含量および粘度を有する。結果として、当該拡散制御物質および液体は、固体微粒子の中でおよびその周りで比較的均一に分散する。その液体の少なくともいくらかが除去されるとき、その拡散制御物質は硬化して、その準備段階の菓子物質は柔らかいまたは硬い層もしくは領域を形成する。いくつかの好ましい実施形態では、この固体微粒子は当該生地様の菓子物質内部に分散され、不均一な物質を生成する。いくつかの他の好ましい実施形態では、この固体微粒子は均一に分散している。
【0087】
当該拡散制御物質は、過剰の液体の除去後に、ハードパンニングにおけるような結晶化した層の複数の堆積物に頼らない、硬い、好ましくはクランチ質の層または領域が作り出されるのに十分な程度まで、固体微粒子の周りで硬化し、クランチ質のような特性を得る。図1に示すような従来のハードパンニング層を用いないことによって、クランチ質のような層または領域が、当該生地様の菓子物質のわずか1回の付与から形成される可能性がある。
【0088】
図2を参照すると、本発明の生地様の菓子物質の一例の顕微鏡写真が示されている。示されているように、固体微粒子(SP)が、この物質全体にわたって比較的均一に分配されている。
【0089】
一般に当該固体微粒子を取り囲んでいるのは、液体(水など)および拡散制御物質(キサンタンガムなど)の混合物を含む液体相である。この液体相は、固体微粒子が、ハードパンニングで起こるような特性の物理的な変化を受けないように、この固体微粒子を保護する。この液体の一部分がこの生地様の菓子物質から除去され、拡散制御物質が硬化すると、この生地様の菓子は硬いまたは柔らかい層もしくは領域を形成する。
【0090】
図3を参照すると、チューインガムコア上のコーティングの形態の単独層の1つの実施形態の顕微鏡写真が示されている。より具体的に言えば、硬い層を含む製品(A)は、当業者に公知の従来のチューインガム配合物からできているコア(B)から構成されている。コア(B)を覆う硬い層(C)は、例えば増量甘味料(例えば、マルチトール)の、固体微粒子(D)の配列によって特徴付けられる。固体微粒子(D)間の空間(E)は、過剰の液体(例えば、水)が除去され、それゆえすでに硬化した拡散制御物質で満たされている。結果として、この固体微粒子は、この硬化した拡散制御物質によって隔てられ、これにより従来のハードパンニングされた製品およびソフトパンニングされた製品を模擬することができる菓子物質の層または領域が形成される。いくつかの実施形態では、この層は実質的に気泡を含まない。
【0091】
これまでに示されたように、菓子物質含有製品は、これまでに記載されたとおりに配合および付与される、層形成物質のわずか1つの層または領域しか必要としない。この製品は、本発明で配合されそして本願明細書に記載される層形成物質のさらなる層を含有してもよい。加えて、製品は、その製品を形成するために、従来のコーティング物質および付与方法が使用されて1以上のさらなる層が与えられる層を含んでもよい。例えば、製品は、1以上の従来の層(例えば、ハードパンニング層またはソフトパンニング層)がコアに付与され、それにトップコート層(すなわち、コーティング層)が本発明に従って付与されている製品であってもよい。別の例では、製品は、本願明細書に記載されるように付与された一番上および一番下のコーティング層と、それらの間に付与された1以上の従来の中間層とを含んでもよい。
【0092】
図7を参照すると、コア102(この場合、チューインガム配合物)およびこれまでに記載されたとおりに製造された層104から構成されるコーティングされた製品100の1つの実施形態が示されている。層104の上に配置されているのは、複数の個々のハードパンニング層108を含む、層106の従来のハードパンニング配列である。
【0093】
層106の配列は、共押出しまたは圧縮積層による層104の付与の完結後に、従来のようにして付与される。例えば、上に層104を有する中間生成物が、回転するドラムの中に置かれ、シュガーシロップ物質(例えば、糖アルコールの飽和溶液)を噴霧され、次いで乾燥される。このプロセスを繰り返して、さらなる従来のハードパンニング層を付与してもよい。
【0094】
従来の層の付与のための従来の技術は当業者に公知であり、その例としては、以下の文献に記載されている従来のハードパンニングおよびソフトパンニング技術が挙げられる:「Sugarless Hard Panning」、Robert Boutinら、The Manufacturing Confectioner、35−42頁、2004年11月;「Panning Technology,An Overview」、John Flanyak、The Manufacturing Confectioner、65−74頁、1998年1月;「Crystallization and Drying During Hard Panning」、Richard W,Hartel、The Manufacturing Confectioner、51−57頁、1995年2月;「Soft Panning」、Michael J.Lynch、The Manufacturing Confectioner、47−50頁、1987年11月;および「Panning − The Specialist’s Specialty」、Robert D.Walter、Candy & Snack Industry、43−51頁、1974年12月。これらの刊行物の各々は、参照により本願明細書に援用したものとする。
【0095】
1以上の従来の層を利用する製品を形成するための一般的手順は、各層を完成まで付与し、その後に次の層を付与することである。
【0096】
当該生地様の菓子物質は、上記拡散制御物質を、好ましくはブラベンダー(Brabender)混合機または一軸押出機もしくは二軸押出機の中などの高せん断条件下で、上記液体と混合して拡散制御物質ゾルを形成することにより製造されてもよい。この固体微粒子および任意に液体は、ゆっくりとした撹拌下で、高温で別々に混合される。次いでこれらの2つの混合物は、これまでに記載されたとおりの浸透圧制御物質、高甘味度甘味料、および活性薬剤などのいずれかのさらなる成分と合わされ、ブラベンダー混合機などの適切な混合機の中で、凝集性の生地様の菓子物質が形成されるまで、混合される。
【0097】
得られた生地様の菓子物質は、混練および圧延することができ、そしてそれは、任意に加圧下で、層または領域へと成形することができる擬塑性を有する。層または領域を形成するために、この生地様の菓子物質は、この拡散制御物質/液体混合物を個々の固体微粒子の間の空間に強制的に充填するために、圧力(圧縮など)にかけられてもよい。この混合物に加えられる圧力は、液体と固体微粒子との間の接触点での表面張力に打ち勝ち、これにより液体混合物が固体微粒子を取り囲むことができるようになる。この混合物が最初に固体微粒子に接触するときに生じる表面張力は破壊されるため、この液体混合物は、固体微粒子との表面接触を広げることができる。この拡散制御物質が硬化するとき、柔らかいまたは硬い層もしくは領域が形成される。
【0098】
この層または領域の相対的な硬さは、2つの方法で制御されてもよい。第一に、層形成物質の組成物に対して調整を行うことができ、そして第二に、可食基材への付与の際に生地様の菓子物質に対して加えられる圧力に対して調整を行うことができる。一般に、より柔らかい層は、液体および/もしくは拡散制御物質の量を増やすことにより、ならびに/またはこの目的のために粘性がより低い物質を使用することにより、得やすくなる。加えて、より柔らかい層は、可塑剤を使用することにより、そしていくつかの実施形態ではこれまでに記載されたとおりのポリオールシロップの使用を省くことにより、得やすくなる可能性がある。
【0099】
適切な固体微粒子の選択は、一部は、砂糖の層もしくは領域またはシュガーレスの層もしくは領域のどちらを製造することが望ましいのかどうか、ならびに引張強さ、溶解性、および吸湿性などの他の特性に依存するであろう。シュガーレスコーティングに関しては、糖アルコールが好ましい。ソルビトールは、その比較的低コストのため、好ましい糖アルコールである。しかしながら、ソルビトールは非常に吸湿性であり、それゆえ、水の存在下では不安定である。当該生地様の菓子物質を形成するために必要な水の量が比較的少ないので、ソルビトールは、従来のハードパンニングの中でよりは、実行可能な層形成物質となる。マルチトールも望ましい糖アルコールである。なぜなら、マルチトールは安定であって、当該層形成物質の中に十分に組み込まれるからである。
【0100】
拡散制御物質を生地様の菓子物質に組み込むことは、従来の技術からの顕著な逸脱のうちの1つである。この拡散制御物質は、固体微粒子(例えば、糖アルコール)を保護し、そして液体の量を最小に保ちながらその固体微粒子の特性を維持する。またこの拡散制御物質は、この生地様の菓子物質が典型的には生地様の物質に付随する凝集性の半固体物質へと混練および圧延することができるように、この生地様の菓子物質の粘度も保護する。拡散制御物質およびこの拡散制御物質の量は、従来のシロップ物質を用いては得ることができない厚さで可食基材に付与することができる、擬塑性の生地様の物質の特性を当該生地様の菓子物質に与える。
【0101】
当該生地様の菓子物質は第1の水分含量を有し、当該生地様の菓子物質を層または領域として可食基材に付与することができるようにする加工前の(すなわち、当該生地様の菓子物質が可食基材に付与される前の)凝集性のレベルを保有する。いくつかの実施形態では、第1の水分含量は、生地様の菓子物質の約8%〜約15重量%とすることができる。凝集性のレベルは当該層形成物質の固有の「粘着性」を上回る。用語「粘着性」は、生地様の物質がその生地様の物質を可食基材に付与するために使用される装置(典型的にはステンレス鋼でできている)に付着する傾向を指す。高い程度の粘着性は、その生地様の菓子物質の少なくとも一部分が付与装置から基材へと解放されないということを意味する。生地様の菓子物質を配合する際には、「粘着性」の量は、例えば、拡散制御物質の量を増減することによって調整することができる。
【0102】
当該生地様の菓子物質の粘度は、重要な考慮事項である。望ましくは、当該生地様の菓子物質は擬塑性であり、これは、当該生地様の菓子物質に力が加えられるとき、その物質は反作用力を呈することによって反応するということを意味する。より具体的に言えば、その物質はその力に対して押し返し、そのもとの形状に戻ろうとする。せん断応力速度が増加すると、擬塑性材料は、即座に粘度が減少する。これは、高分子量分子の特徴である。
【0103】
tan δは、弾性係数に対する粘性係数の比であり、流体の中の弾性の存在および程度の有用な定量的表現法である。tan δ値が高いほど、この粘弾性液体の弾性は低い。1よりも大きいtan δ値は、その物質は固体の特性よりも液体の特性をより多くもつということを意味する。当該生地様の菓子物質は、一般に1.5まで(例えば、23℃で)、好ましくは約1.2までのtan δ値を有する。より好ましい値は約0.2〜0.8である。1つの実施形態では、生地様の菓子組成物の流動挙動指数(n)は、約0.65〜約0.85;好ましくは約0.75〜約0.85;より好ましくは約0.78〜約0.85の範囲である。
【0104】
この生地様の菓子物質が、この生地様の菓子物質を付与するために使用される装置に持続してくっ付くことがなく、可食基材に付与されることが望ましい。この生地様の菓子物質があまりに粘着性が高い場合は、生地様の菓子物質は、付与装置に付着してこれにより比較的起伏のある硬い層または領域を生成し、かつ/またはこの層形成プロセスの効率を下げる傾向がある。なぜなら、この生地様の菓子物質の一部は基材へ付与されないからである。いくつかの実施形態では、付着防止剤が装置、基材の表面および/または生地様の菓子物質に付与される。適切な付着防止剤としては、脂肪、油、ワックス、タルク、低吸湿性物質(スクロース、マンニトール)などを挙げることができるが、これらに限定されない。この付着防止剤は、粉末または液体として付与することができる。
【0105】
高い程度の粘着性が、層形成物質の中にある過剰量の固体微粒子によって引き起こされる可能性がある。従って、上記拡散制御物質の量は、所望に応じて、粘着性を低下させるために、増やしてもよい。望ましくは、この生地様の菓子物質は、付与装置上で加工されて付与装置から解放され、この生地様の菓子物質に付着する基材上に層または領域を形成して、中間生成物(すなわち、加工中の第2の水分含量を有する生地様の菓子物質で最初に覆われるときの基材)を形成することを可能にする構造的完全性を有する。そして、この中間生成物は、本願明細書に後述されるような付与後の処理にかけられる。この第2の水分含量は、亀裂なしに中間生成物のスコアリング(刻み目を付けること)を許容するのに十分なものである。いくつかの実施形態では、この第2の水分含量は、当該生地様の菓子物質の約4%〜約6重量%である。当該菓子物質含有製品を形成するプロセスでは、シートの端部は、典型的には切り落とされる。「切り落とされた」物質は、新しい層形成物質、新しいコア物質または当該生地様の菓子物質とともに直ちに再利用されてもよい。いくつかの実施形態では、10%までの切り落とされた物質を層形成物質と合わせることができる。この事象において、得られた層形成物質の擬塑性は変わりうる。この切り落とされた物質は、コア物質との混合を容易にするために、粉にされてもよい。
【0106】
必要とはされないが、可食基材への生地様の菓子物質のより良好な付着性をもたらすために、および当該生地様の菓子物質内部の液体が表面へと移動することを容易にするために、中間生成物に圧力を加えることが望ましいことがある。この圧力は、比較的短時間でかつ穏和な条件下での液体の除去を容易にし、しかもこの生地様の菓子物質を実質的に気泡を含まないようにする上で役立つ可能性がある。加えて、加えられた圧力は、その液体が固体微粒子間の空隙を満たすことを支援する。生地様の菓子物質は、その後、加工後の第3の水分含量を有することになる。いくつかの実施形態では、この第3の水分含量は、生地様の菓子物質の2重量%未満であろう。
【0107】
これまでに示したように、生地様の菓子物質を基材に付与するために用いてもよい2つの好ましい方法は共押出しおよび圧縮積層である。共押出しは、典型的には、内側ダイ部分および外側ダイ部分を有する同心的なダイアセンブリを用いる。内側ダイ部分は基材物質を含有してもよく、他方で外側ダイ部分は生地様の菓子物質を含有してもよい。共押出しが行われる場合、その後の圧力の付与(例えば、圧縮)が必要でないほどの十分な圧力が、共押出しされた物質の間に加えられてもよい。
【0108】
共押出しアセンブリの一例が図4に示されている。図4を参照すると、内側ダイ部分12および外側ダイ部分14を含む共押出しアセンブリ10が示されている。基材(例えば、コア物質)は基材の供給源16から与えられ、他方、生地様の菓子物質の形態の層形成物質は供給源18から与えられる。それぞれの押出された物質はターゲットエリア20で互いに接触し、この地点で、これらの押出された物質の収縮によって圧力が加えられ、この圧力は、押出された物質がそれぞれのダイ部分12、14を離れるにつれて、その押出された物質は共押出しされた物質22へと十分圧縮されるのに十分なものである。結果として、この押出された物質は一緒に密着し、当該生地様の菓子物質の中の液体を固体微粒子の間の空隙空間の中へと移動させることを容易にする。図4に具体的に示されているようにコア24および層形成物質26を有する共押出しされた物質22は、ダイ部分12および14から出て、これは、本願明細書中に後述されるように、さらに加工されてもよい。
【0109】
共押出しプロセスの温度は、一般に約60〜約180°F(約16〜約82℃)、好ましくは約80〜約140°F(約27〜約60℃)の範囲にある。好ましい共押出しアセンブリは、Bepax,Incによって製造されるBepaxである。基材(例えば、チューインガム)を押し出すために用いられる温度は、当該生地様の菓子物質を押し出すために使用される温度とは異なっていてもよい。典型的には、生地様の菓子物質は室温でまたはほぼ室温で押し出されてもよく、他方、基材は、典型的にはより高い温度で押し出されるであろう(例えば、チューインガムについては典型的な押出温度は約120°F(約49℃)である)。
【0110】
図4には示されていないが、共押出しされた物質22は、これまでに記載されたとおりに液体の空隙空間への移動をさらに容易にするために、共押出しアセンブリから取り出された後に、圧力をかけられてもよい。図5に関連して本願明細書中に後に示されて説明されるような間隔が空けられたローラーを含むローラーアセンブリを、この目的のために使用してもよい。
【0111】
共押出しされた物質(すなわち、中間生成物)22は、従来の乾燥装置(図示せず)を使用する乾燥手順を経てもよい(必要というわけではない)。乾燥は、高められていない温度〜わずかに高温(例えば、室温のわずかに下〜約120°F(49℃))のもとで、かつわずか数秒間、典型的には約2秒以下だけ行われてもよい。これは、乾燥プロセスを完結するために数分かかる可能性がある従来のパンニング技術からの顕著な逸脱である。
【0112】
共押出しシステムから取り出された中間生成物は、任意に上記のとおり乾燥することができるし,または状態調節ユニットへと直接転送されて、従来の状態調節(すなわち、典型的には状態調節トンネルの中で、低湿度条件下で室温に曝露)を経て、次いで糖菓の個々のピース(小片)へとスコアリングされてもよい。従来の技術から明らかに逸脱している点は、この中間生成物からの水の最終的な除去が、きわめて短期の乾燥または状態調節のみによって達成できるということである。本発明の菓子組成物は長期の乾燥および状態調節を必要とせず、層形成物質の多くの層の付与も必要とはしない。
【0113】
この中間生成物は、その中間体が状態調節トンネルを通って進むにつれて、当該生地様の菓子物質を含有する側(1つまたは複数)でスコアリングされてもよく、これにより、より大きい柔軟性が与えられる。特に、この状態調節トンネルは、この中間生成物を曲がりくねった経路で運搬するための一連のコンベヤーローラーを具える。生地様の菓子物質のスコアリングは、製品が亀裂なしにローラーの周りを移動することができるような柔軟性のある範囲を与える。
【0114】
この菓子物質含有中間生成物は、典型的には、菓子物質含有製品の個々のピースを形成するためにさらに加工する必要がないシートの形態にある。パンニングのための従来の製品の従来の形成法は、典型的には、丸い、正方形、または長方形の形状などの限られた多様性の幾何学的形状を有する個々のピースを生じる。パンニング操作のための製品形状は、典型的なパンニングに必然的に含まれるタンブリング(転動、tumbling)作用および湿潤化作用によって、制限される。本発明では、このような制限は存在しない。加えて、いくつかの実施形態では、中間生成物の中に含まれる生地様の物質の第2の水分含量のため、中間生成物を切断して取り扱い、実に様々な形状を形成することができるほどの十分な柔軟性が許容される。従って、スコアリングダイ、打ち抜き、スタンピング、型込めおよびローラーアセンブリを含めた(これらに限定されない)様々な菓子製品形成機構が、当該複数領域糖菓に関して用いられてもよく、その結果、個々のピースは、幾何学的形状(例えば、立方体、三角形、六角形、星型、円筒形、ねじれた形状、波型形状、渦巻き形状など)、生き物(例えば、動物、鳥など)の形状、漫画タイプのキャラクター(例えば、Disney(ディズニー)(登録商標)が所有するキャラクター)、テーマに関連するアイコン(例えば、数字、文字、科学的な記号など)を含めて、実質的に任意の形態で作製することができる。形状の大きな多様性および形状の制限のなさに起因して、製品形態は、形状が垂直方向に(積み重ねた場合のように)または水平方向に(パズルの場合のように)噛み合うような、噛み合い形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、ミント香味を示唆するミントの葉などの示唆的な形状を形成することができる。このミントの葉の形状は、ミントの葉の中の葉脈と同様のスコアリング線を有する1枚の葉の形態をとることができる。消費者は、後に、そのスコアリング線を使用して個々のピースをばらばらにすることができる。他の実施形態では、示唆的なミントの葉の形状は、消費者が1枚の葉をポキッと折って個々のピースを消費するように、葉の間にスコアリング線がある平面状に互いに結合された複数のミントの葉を含むことができる。
【0115】
へこみ(例えば、くぼみ)、穴、浮き出た文字または形状などを有する表面などのエンボス加工またはデボス加工された表面を有する製品を含め、平坦でない表面を有する菓子製品も、製造してよい。加えて、卵形状などの浮き出た表面を有する菓子製品、および連続的または不連続的に浮き出た範囲(例えば波状の表面)を有する表面を有する菓子製品が、製造されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの浮き出た表面は、くぼみのあるピロー形状などを有する製品ピースを生じることができ、他方で、他の実施形態では、伝統的なリボンキャンディーに似た波状の製品を形成することができる。この菓子製品としては、平坦なシートが円筒へと巻かれ(らせん巻き)、次いで個々のらせん状のガムテープピースへと横断方向にスコアリングされているテープガムも挙げられる。
【0116】
菓子製品形成機構は、菓子製品の中の水の量を所望の量まで減少させる前に、生地様の菓子物質を可食基材に付与するプロセスの間、および/またはこのプロセスの後に、適用されてもよい。
【0117】
上記の非定型の形状を作り出すためにスコアリングダイが使用されてもよく、このスコアリングダイは乾燥ステーションの下流に配置される。このスコアリングダイは、所望の形状に予め形成され、そして菓子物質含有中間生成物のシートと接触するように置かれたとき、所望の形状の個々のピースを生産する。この目的のための適切な予め形成されたダイの選択は、当該技術分野の技術の範囲内である。
【0118】
不規則な形状の菓子製品(チューインガムを含む)を形成するための別の技術は、参照により本願明細書に援用したものとする米国特許第7,442,026号明細書に開示されているように、一組のローラーを用いて、菓子物質含有中間体または最終生成物の三次元の形状を画定する。
【0119】
基材および生地様の菓子物質が不連続プロセスで共押出しされる共押出しを使用して、菓子物質含有製品を製造することもできる。この態様では、基材物質を提供するダイ部分が、コンベヤーの上に基材物質を不連続的に置き、次いで個々の置かれた基材物質を覆うのに十分な層形成物質が付与される。得られた個々の中間生成物は、上記のとおりに後硬化され(例えば、短期の乾燥または状態調節を用いて)、最終生成物が形成される。
【0120】
当該生地様の菓子物質を基材に付与する別の手段は、この生地様の菓子物質が基材に付与された時にその生地様の菓子物質に圧力を加えるシステムである。このシステムは、装置および方法を含めて、本願明細書では圧縮積層と呼ばれる。これは、ローラーアセンブリの形態の積層装置を利用して層形成物質が基材に付与されるシステムである。このローラーアセンブリは、間隔が空けられたローラーを含み、そのローラーの間に生地様の菓子物質が置かれる。この間隔が空けられたローラーは、ターゲットローラーおよび補助ローラーを含めて、典型的には所望の層または領域の厚さに対応する距離だけ隔てられている。ターゲットローラーは、生地様の菓子物質を基材に付与するローラーアセンブリの一部である。生地様の菓子物質がターゲットローラーおよび補助ローラーに接触するとき、それは所望の厚さへと圧縮され、その間、同時にターゲットローラーとの接触を維持し、その結果、圧縮された層形成物質は、ターゲットローラーから基材上へと解放されうる。
【0121】
ターゲットローラーが層形成物質を基材へと付与するとき、ターゲットローラーは層形成物質を基材に優先的に付着させる圧縮力の下で基材へと付与し、その間、同時にその層形成物質をターゲットローラーから解放する。この圧縮力は、ターゲットローラー(その上に層形成物質がある)を、基材および層形成物質の合わせた厚さ未満の、基材からの距離に置くことにより発生される。
【0122】
図5を参照すると、ダイ36を通して可食基材34の連続的なバンドを形成する押出機32を含む圧縮積層システム30が示されている。2対の間隔が空けられた対向する回転ローラー(40a、40b)および(40c、40d)から構成されるローラーアセンブリ38がさらに開示されている。ローラー40aおよび40cは、反対方向に回転する。ローラー40aはターゲットローラー(典型的には円筒形であり、かつ典型的にはステンレス鋼でできている)と呼ばれる。なぜならその機能は層形成物質を基材に付与することであるからである。ローラー40cは補助ローラーであり、その目的は、間隙42aの近傍でこのコーティング物質上に圧力を加えて、ローラー40a上に層形成物質の層または領域を優先的に形成することである。この補助ローラーは、同様に典型的には円筒形であり、かつ典型的にはステンレス鋼でできている。図5に示されるローラー40bおよび40dは同様に機能し、それらのうちでローラー40bはターゲットローラーであり、ローラー40dは補助ローラーである。
【0123】
各対の対向するローラーの間に間隙42aおよび42bがあり、これに層形成物質または生地様の菓子物質46が供給される。層形成物質46は、ローラー40aおよび40bに優先的に付着し、その結果、各ターゲットローラー40aおよび40bが基材と接触するにつれて、その層形成物質の比較的薄い層48が各ターゲットローラー40aおよび40bに付着する。ターゲットローラーに対する層形成物質の付着性は、間隙のサイズ、ターゲットローラーおよび補助ローラーの速度、この間隙の近傍で生地様の菓子物質に加えられる圧力、ならびに当該生地様の菓子物質の粘度を調整することにより、制御することができる。
【0124】
これまでに示されたように、当該層形成物質は、それがターゲットローラーに付着するほどに十分な粘着性を有するが、基材と接触した後にこの層形成物質がターゲットローラーに残るほどまでに粘着性ではない。粘着性の相対量は、当該生地様の菓子物質の中で配合されるときに固体微粒子および/または拡散制御物質の量を改変することなどにより、これまでに記載されたとおりに調整することができる。
【0125】
好ましくはないが、基材との接触後に少量の層形成物質(すなわち、「過剰の層形成物質」)がターゲットローラー上に残る可能性がある。この過剰の物質は、固定された掻き落とし装置(図示せず)によって、またはローラーアセンブリを定期的に停止してそのローラーをクリーニングすることによって、除去されてもよい。
【0126】
この層形成物質の配合はこれまでに記載されたとおりに実施され、そのため層形成物質はターゲットローラー40aおよび40bに優先的に付着し、層形成物質が基材と接触することが可能になる。この基材はターゲットローラー40a、40bの間を通過し、その結果、層形成物質が基材と接触するとき、この層形成物質はターゲットローラーから解放され、基材の上へと置かれる。このターゲットローラーが回転し続けるにつれて、層形成物質を解放したターゲットローラーの一部分は、さらなる層形成物質を間隙(42aまたは42b)で自由にすくい上げ、これにより層形成物質を基材上に置くための連続プロセスが作り出される。この層形成物質は、供給源(図示せず)から間隙へと連続的に供給されてもよく、これまでに記載されたとおりの再利用される「切り落とされた」物質をも含んでもよい。
【0127】
第1の対のローラーの回転ローラー間の間隙は、基材に付与されるべき層形成物質の所望の厚さに応じて、距離が変わってもよい。当該生地様の菓子物質がローラー間で圧縮されることにより層形成物質に加えられる圧力は、層形成物質をターゲットローラーに優先的に付着させることを支援するだけでなく、当該液体相(すなわち、液体および拡散制御物質)を、個々の固体微粒子間の空隙を満たすように駆り立てる。いくつかの実施形態では、ターゲットローラーがこれまでに記載されたとおりに層形成物質を基材上へと解放するとき、さらなる圧力が加えられる。
【0128】
この層形成物質を基材の上へと積層するとき、望ましい結果を成し遂げることを容易にする、下記で論じられる考慮事項がある。第1の事項は、層形成物質(生地様の菓子物質それ自体)の配合である。層形成物質の粘性が高いほど、この対の対向する回転ローラーについて選択されてもよい間隙はより大きく、付与される可能性がある層または領域はより厚くなる。一般に、層または領域の厚さには商業上の制約があり、そして最終生成物の性質が、所望の厚さを成し遂げるための、層形成物質の弾性係数に対する粘性係数の適正な比(例えばtan δ値)およびローラー間の間隙の選択に影響を与える。一般に、このtan δ値は、広い範囲にわたって変わることができ(例えば1.5までのtan δ値)、このため、層形成物質は、a)ターゲットローラーに優先的に付着することができ、およびb)ターゲットローラーから基材へと解放されることができる。
【0129】
層形成物質をターゲットローラー上に優先的に保持することの望ましさは、重要な考慮事項である。ほとんどの、最も好ましくは実質的にすべての、層形成物質をターゲットローラー上に保持することが好ましい。あまりに多くの層形成物質が補助ローラー上に保持されると、これまでに記載されたように、過剰の層形成物質を補助ローラーから除去するための掻き落とし装置または他のシステムを具えることが必要である可能性がある。さらには、補助ローラーが層形成物質を保持する場合、ターゲットローラー上での層形成物質の厚さは、変動する可能性があり、基材上に一貫性のない厚さの層形成物質を生じる可能性がある。
【0130】
層形成物質がターゲットローラーに付与されるにつれて間隙で補助ローラーによって層形成物質に圧力が加えられるとき、その層形成物質の中に含有される液体相(液体および拡散制御物質)は、層形成物質内での表面張力の破綻の結果として、まき散らされて固体微粒子を取り囲む傾向がある。個々の固体微粒子の間にこの液体相を均一に分散させることで、水または液体(例えば、水)が室温などの穏和な条件下で除去されうる可能性、および乾燥が短期間だけ行われうるか、または乾燥することなく単に室温および低湿度で状態調節することによって除去することができる可能性が高まる。
【0131】
図5に示される実施形態では、2対の回転ローラー(各々がターゲットローラーおよび補助ローラーを具える)が、基材の上面および底面に層形成物質を付与するために用いられる。この対の回転ローラーのうちの1つは、基材の1つの表面だけが層形成物質を受け取ることになっている場合には、このシステムから取り除かれてもよい。加えて、当該菓子物質含有製品のシートを、これまでに記載されたとおりの様々な形状を有する個々のピースへとスコアリングするために、スコアリングダイが使用されてもよい。
【0132】
この層形成物質は、固体微粒子を拡散制御物質で取り囲むことによりその固体微粒子を維持し、そしてこの拡散制御物質は、最終的には硬化して、「クランチ感覚」をもたらす可能性がある層または領域を与える。しかしながら、クランチ感覚のない層も得ることができる。
【0133】
再度図5を参照して、ひとたび層形成物質が圧縮積層によって基材に付与されると、次に、この菓子物質含有中間生成物のシートを、最終生成物の個々のピースへと加工することができる。これは、一対のスコアリングローラー(数字50によって示される)による長さ方向のスコアリングによって達成されてもよく、かつ/またはカッター54がそのシートを所望の製品の個々のピースへと切断する一対の回転ローラー52による幅方向のスコアリングによってさらに加工されてもよい。
【0134】
これまでに示されたように、短期の乾燥工程または状態調節工程を用いることができるが、必要とはされない。短期の乾燥は、当該菓子物質含有製品がクランチ感覚を呈するべきである場合には、所望される。短期の乾燥は、図5に示されるように、シートが圧縮積層ステーションから最初のスコアリングステーションまでを移動するのにかかる時間の間、実施することができる。この短期の乾燥は、常温またはわずかに高温でほんの数秒間、典型的には2秒未満、継続することができる。乾燥温度は、必要に応じて、周囲条件をわずかに超えて上昇されてもよい。しかしながら、高温での、従来のハードパンニングに付随する長い乾燥時間は、解消することができる。
【0135】
図6を参照すると、回転アセンブリの対向するローラーが半空洞を具え、そのため層形成物質がこの空洞の内側を覆うことを除いて図5と類似の圧縮積層アセンブリの1つの実施形態が示されている。対向する半空洞が一緒になると、別個のスコアリングステーションの必要性なしに、最終生成物が形成される。より具体的に言えば、対向するターゲットローラー70aおよび70bは、層形成物質(生地様の菓子物質)74を受けるように適合している半空洞72を具える。この層形成物質は、補助ローラー70cおよび70dによって与えられ、これらのローラーは、ターゲットローラーの各々の半空洞内に嵌合して、当該生地様の菓子物質を半空洞74内に押し付けて半空洞74の内側を層形成物質で覆わせる、嵌め合わせ突出部76を有する。半空洞の内側が覆われた回転ローラーが一緒になると、可食のコア78はそれらの間を通り、内側が覆われた空洞の残りの部分を満たし、その結果、個々の製品がそこから解放される。
【0136】
層形成物質によるターゲットローラーの内側の被覆には、生地様の菓子物質が半空洞内に保持され、次いで半空洞によって解放されつつ基材に密着されることが必要である。図5に示される実施形態で当該生地様の菓子物質の配合物に関連する同じ考慮事項が、図6に示される実施形態に当てはまる。この生地様の菓子物質は粘性が高く、この半空洞に優先的にくっ付くことが可能であり、他方で、層形成物質で内側が被覆された半空洞は補助ローラーの突出部によって解放される。同時に、層形成物質で内側が被覆された半空洞が基材と接触する間に、その層形成物質は基材に付着して、半空洞から解放される。最終生成物の所望の形状に合致するための各相補的な半空洞を設計することにより、この半空洞は一緒に、図6の実施形態に関連して記載されるあらゆる形状を形成してもよいということは理解されるであろう。
【0137】
製品は、個々の特定のまたはより複雑な感覚の認識を消費者に引き起こさせるように製造されてもよい。製品は、消費者が感覚の認識をもって反応する特徴的な感覚標識を具えていてもよい。例えば、製品は、色、表面の形状、形状および/または芳香の形態の特徴的な感覚標識を有してもよい。消費者が特定の特徴的な感覚標識を有する製品を見ると、その消費者は、即座にその製品を特定の感覚的恩恵および/または機能的恩恵と関連づける。
【0138】
例えば、口腔ケアの恩恵を有する菓子製品なら、口腔ケアの機能的恩恵と関連する特徴的な芳香を含むことができるであろう。本願明細書で使用する場合、「特徴的な芳香を与える物質」は、製品の食味または香味プロファイル以外の製品の恩恵を伝えるかもしくは別の態様で示すか、または表すために作り出される芳香プロファイルを与える、芳香を与える物質である。この特徴的な芳香を与える物質によって与えられる特徴的な芳香は、製品を食べて口腔ケアの機能的恩恵を受け始める前に少なくとも数秒間、使用者に、その製品が口腔ケアの機能的恩恵の体験を与えるであろうという合図を与える。
【0139】
この特徴的な芳香は、口内清涼化を合図するために作り出される花の芳香であってもよいであろう。使用者は、その製品を消費する前に花の口内清涼化の合図を受け取り、フルーツ、ミント、スパイスなどであってもよい製品の香味プロファイルとは無関係に、口内清涼化の恩恵を予想するであろう。特徴的な芳香を与える物質が製品の少なくとも1つの外部表面の上に置かれるとき、その特徴的な芳香は、使用者がその製品に手で触れるときに、使用者の手(片手または両方の手)に移されることになり、従って使用者は口内清涼化の恩恵に気づかされるであろう。
【0140】
特徴的な芳香に加えて、特徴的な形状、特徴的な表面形状および特徴的な色ならびにこれらの組み合わせを使用することができる。複数の側面または複数の明確な範囲を有する可食基材は、異なる生地様の菓子物質を用いてコーティングされることが可能で、各生地様の菓子物質は、異なる色または活性薬剤(例えば、甘いおよび酸っぱい、熱いおよび冷たいなどの感覚剤)および/または異なる形状および表面形状を含有することが可能であるということにさらに留意されたい。なおさらに、複数の側面または複数の明確な範囲は、クランチ質を含んで柔らかいから硬いまでの範囲の異なる硬さのコーティング物質を具えていてもよい。
【0141】
また、独特のテキスチャプロファイルを有する製品も包含される。例えば、当該生地様の菓子物質を可食基材に付与するプロセスは、硬い菓子物質および柔らかい菓子物質の間隔が空けられた領域を提供することができ、消費者は、硬い菓子物質および柔らかい菓子物質の両方の同時の感覚に起因して、製品を最初に噛んだときに独特の噛む体験を体験することができる。
【0142】
仕上げられた製品の中で生地様の菓子物質から形成される層または領域の強度は、生地強化剤をその生地様の菓子物質に添加することにより、補強されうる。このような薬剤としては、参照により本願明細書に援用したものとする米国特許出願公開第2007/0218165(A1)号明細書に開示されているナノクレイが挙げられる。他の生地強化剤としては、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩、クレイ、ベントナイト、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびリン酸三カルシウム、二酸化チタン、アルミナ、マイカ系の真珠光沢のある色素、酸化亜鉛、タルク、安息香酸アルミニウム、セルロース、繊維、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。また、これらの物質は、チッピング(欠け落ちること)を低減し、かつ/または層または領域のクランチ質を高める可能性がある。
【0143】
可食基材上に生地様の菓子物質を付与することから形成されるシートの幅は、使用される装置に応じて変わってもよい。そのシートは、これまでに言及した形状形成機構(スコアリングダイ、打ち抜き、スタンピング、型込め、およびローラーアセンブリが挙げられるが、これらに限定されない)によって個々のピースへと処理することができる。そのシートは、最初に個々のピースへと切断され、次いで形作られてもよく、または最初に作られて、次いで個々のピースへと切断されてもよく、または切断および成形が同時に形成されてもよい。これらの目的のために使用される装置システムとしては、チェーンダイ(chain die)、ロータリーダイ(rotary die)、ローラーおよびスコアリング、切断およびラッピングが挙げられる。1つのこのような成形装置は、ボウル成形機(bowl−forming machine)である。
【0144】
この装置は、状態調節工程の前に、当該生地様の菓子物質を基材上に付与することから形成される比較的幅広いシートの加工を可能にするさらなる利点を提供する。従って、その幅広いシートは、状態調節トンネルを通る、より遅いプロセス速度での運転を許容し、菓子製品が複数回状態調節トンネルを通って移動することを回避する。
【0145】
プリンティング、イメージング、アメがけ、艶出し、平滑化、生膜(filming)、ラッカー塗布(lacquering)、フロスティング(frosting)、研磨(polishing)、ダスティング、あぶり(toasting)などを含めた(これらに限定されない)いずれの菓子表面処理が、乾燥前および/または乾燥後に、シートに施されてもよい。染料、レーキおよびマイカ系の光沢のある色素(真珠光沢のある色素など)などの色成分は、多種多様な視角的効果を創出するために使用することができる。菓子領域は、最終生成物が、像が上に印刷されている平坦なシートの形態にありうるように、容易に表面処理されることができ、かつその像が個々のピースの間で分割されるようにスコアリングされることができる。個々のピースが不規則な形状を有する場合、最終製品は、完成したジグソーパズルに似ている。加えて、購入する見込みのある人が、印刷された像をもつ最終製品を、カバーリングを通して見ることができるように、最終製品を含有するパッケージは、透明なカバーリングを有してもよい。印刷された像は、映画および漫画のキャラクターなどの複雑な像を含めて、最終製品上に印刷されていてもよいいずれの像も含むことができる。
【0146】
本願明細書に記載される菓子物質含有製品は、1以上の保護コーティングを具えていてもよい。例えば、コーティングは、高温、高湿度の気候で生じる可能性がある「発汗」から製品を保護するために、与えられてもよい。加えて,保護コーティングは、当該生地様の菓子物質を望ましくない物理的状態または大気の状態から保護するために付与されてもよい。
【0147】
この生地様の菓子物質は、様々な基材をコーティングするため、およびこれにより様々な形状、テキスチャ、コーティング厚さおよび香味を有する様々な異なるガム製品を製造するために、使用することができる。ガム製品の形状は限定されないが、例としては、例えば、ガムの形状に関連した独特のデザイン要素を有する、または有しないブロック、厚板、正方形、立方体、および棒形状のガムが挙げられる。ガムのテキスチャも様々であることができ、例としては、ソフトガム、風船ガム、キャンディー/ガムの組み合わせおよび脂肪ベースのソフトガムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
加えて、生地様の菓子物質は、幅広い範囲の硬さおよびクランチ質の等級を有するコーティングを形成するために使用することができる。さらには、この生地様の菓子物質は、各層が同じまたは異なる硬さおよび/またはクランチ質を有して、単独のコーティング層から、数回までのコーティング層および数回を超えるコーティング層として付与することができる。いくつかの実施形態では、このコーティングの量は、単独層であってもまたは複数層であっても、当該菓子物質含有製品の総重量に基づいて20〜40重量%の範囲にあるであろう。
【0149】
当該生地様の菓子物質、この生地様の菓子物質を組み込んでいるチューインガム菓子類、この生地様の菓子物質を組み込んでいる非チューインガム(キャンディー)菓子類、およびこの生地様の菓子物質を調製するために使用される拡散制御物質ゾルの具体的な実施形態が、以下に記載される。
【0150】
(生地様の菓子物質および拡散制御物質ゾルの特定の実施形態)
1つの実施形態は、固体相および液体相を含む生地様の菓子組成物である。この固体相の少なくとも主要部分は、この液体相によって取り囲まれる。固体相は固体微粒子を含む。この固体微粒子は、顆粒、粉末、凝集体、結晶、非結晶性の固体、または上記の形態のうちの2以上の組み合わせの形態にあることができる。液体相は、液体および拡散制御物質の混合物を含む。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は約1〜約500マイクロメートルの平均粒径を有する。この範囲内で、平均粒径は、少なくとも5マイクロメートル、または少なくとも10マイクロメートル、または少なくとも20マイクロメートル、または少なくとも50マイクロメートルであることができる。またこの範囲内で、平均粒径は、400マイクロメートルまで、または300マイクロメートルまで、または250マイクロメートルまで、または200マイクロメートルまで、または150マイクロメートルまで、または100マイクロメートルまで、または50マイクロメートルまでであることができる。いくつかの実施形態では、固体微粒子は、約100〜約300マイクロメートルの第1の粒径および約20〜約80マイクロメートルの第2の粒径を含む二峰性の粒径分布を有する。この液体および拡散制御物質は、典型的には、当該固体微粒子を取り囲むことができる粘性が高い物質を共同で形成するのに十分な量で存在する。この粘性が高い物質は、その液体自身よりも大きい粘度を有する。当該生地様の菓子組成物が菓子層または菓子領域へと形成された後、この液体の一部分は、典型的には、積極的(例えば、加熱または乾燥工程を介して)または消極的(例えば、周囲条件への一定期間の曝露)のいずれかによって除去される。液体の一部分が除去された得られた菓子層または菓子領域は、その初期の組成物およびプロセス履歴に依存して、硬いかまたは柔らかい可能性がある。
【0151】
好ましい実施形態では、この固体微粒子は、糖、糖アルコール、およびこれらの混合物から選択される。特に好ましいのは、25℃で水100グラムあたり約140〜約200グラムの水溶性を有する糖および糖アルコールである。このような糖および糖アルコールとしては、例えば、いくつかのポリグリシトール粉末、マルチトール、キシリトール、ラクチトール一水和物、およびスクロースが挙げられる。
【0152】
当該生地様の菓子組成物を形成するために、様々な液体を使用することができる。これらとしては、水、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、ポリオールシロップ、およびこれらの混合物が挙げられる。この液体は、典型的には、当該生地様の菓子組成物の重量に基づいて、約20重量%まで、特定すれば約2〜約16重量%、より特定すれば約4〜約12重量%の量で存在する。これらの液体量は加えられた液体に対応し、上記拡散制御物質および固体微粒子に付随する可能性がある少量の液体(例えば、水)を含まないことに留意されたい。
【0153】
当該拡散制御物質は、典型的には、少なくとも約50,000ダルトンの分子量を有する。適切な拡散制御物質としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、加工デンプン、イヌリン、コンニャク、キトサン、トラガント、カラヤ、ガッティ、カラマツ、カラギーナン、アルギン酸塩、化学的に修飾されたアルギン酸塩、寒天、グアー、ローカストビーン、シャゼンシ、タラ、ジェラン、カードラン、プラン、アラビアガム、ゼラチン、およびペクチン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、またはその混合物を含む。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質はキサンタンガムを含む。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質はカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質はアルギン酸塩を含む。
【0154】
この拡散制御物質は、当該生地様の菓子組成物の重量に基づいて、約1〜25重量%、特定すれば約2〜約10重量%、より特定すれば約3〜約5重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質は、当該液体相の重量に基づいて、約20%〜約55重量%の量で存在する。
【0155】
この液体および拡散制御物質に加えて、当該生地様の菓子組成物は、任意に、浸透圧制御物質をさらに含むことができる。いずれの特定の動作理論によっても拘束されたくはないが、本発明者らは、この浸透圧制御物質は上記液体に溶解して、当該生地様の菓子組成物の中での当該固体微粒子の溶解の速度および程度を制御することを助けるとの仮説を立てる。適切な浸透圧制御物質としては、デキストラン、および約2,000未満の分子量を有する炭水化物が挙げられる。いくつかの実施形態では、この浸透圧制御物質は糖アルコールである。いくつかの実施形態では、この浸透圧制御物質は溶解したマルチトールを含む。用語「溶解したマルチトール」は、固体微粒子として存在する可能性があるいずれかの固体マルチトールを区別するために使用される。
【0156】
この生地様の菓子組成物のいくつかの実施形態では、当該固体微粒子は約50〜約95重量%の量で存在し、当該液体は約4〜約12重量%の量で存在し、当該拡散制御物質は約1〜12重量%、特定すれば約2〜約10重量%の量で存在し、これらの重量%の値は当該生地様の菓子組成物の重量に基づく。
【0157】
この生地様の菓子組成物のいくつかの実施形態では、上記液体は水を含むか、または水からなり、上記拡散制御物質はキサンタンガムを含むか、またはキサンタンガムからなる。このような実施形態では、水は、当該生地様の菓子組成物の重量に基づいて約7〜約11重量%の量で存在することができる。また、キサンタンガムは、当該生地様の菓子組成物の重量に基づいて約3〜5重量%の量で存在することができる。水:キサンタンガムの重量比は、約1.5:1〜約2.5:1とすることができる。いくつかの実施形態では、キサンタンガムは、当該液体相の重量に基づいて約20%〜約55重量%の量で存在する。
【0158】
この生地様の菓子組成物では、液体相成分は、典型的には、約5〜50重量%の量で存在し、固体相成分は、典型的には、約50〜95重量%の量で存在し、これらの重量%の値はこの液体相成分および固体相成分の総重量に基づく。この液体相:固体相の重量比は、約0.1:1〜約0.15:1とすることができる。いくつかの実施形態では、この液体相成分は、約4〜約12重量%の量の当該液体および約2〜約10重量%の量の当該拡散制御物質を含み、約1〜約25重量%の量の浸透圧制御物質をさらに含み、これらの重量%の値はこの液体相成分および固体相成分の総重量に基づく。いくつかの実施形態では、この液体:拡散制御物質の重量比は約1.5:1〜約2.5:1である。
【0159】
当該生地様の菓子組成物は、典型的には甘い。その甘味は、主に当該固体微粒子に、そして二次的には存在するいずれかの浸透圧制御物質に由来する。さらなる甘味が所望される場合、この生地様の菓子組成物は強化甘味料をさらに含むことができる。この強化甘味料は、固体相の中、液体相の中、またはその両方の中に存在することができる。種々の強化甘味料および量は、上に記載されている。
【0160】
当該生地様の菓子組成物はまた、任意に、有効量の少なくとも1つの活性薬剤をさらに含むことができる。種々の活性薬剤が上に記載されており、例えば、香料、感覚剤、着色剤、粘滑薬、および機能性薬剤(呼気清涼化剤、歯科ケア剤、医薬品、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品などが含まれる)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。当該生地様の菓子組成物は、室温でまたは室温の近くで調製することができるので、揮発性の、感熱性の、または水と反応性の活性薬剤の組み込みに特に適している。このような薬剤としては、特定の香料、特定の糖アルコール(例えば、キシリトール)、および食品等級の酸が挙げられる。1つの利点は、減少した量の感熱性および/または感湿性の薬剤を使用することができることである。
【0161】
この生地様の菓子組成物は生地様の粘稠度を有する。例えば、この生地様の菓子組成物は、典型的には、回転ローラー上に置き、かつ回転ローラーから基材上へと解放されるのに十分な柔軟性を有する。いくつかの実施形態では、この生地様の菓子組成物は擬塑性である(例えば、23℃で)。上記のとおり、擬塑性材料に力が加えられるとき、その物質は反作用力を呈することによって反応する。より具体的に言えば、その物質はその力に対して押し返し、そのもとの形状に戻ろうとする。せん断応力速度が増加すると、擬塑性材料は、即座に粘度が減少する。いくつかの実施形態では、当該生地様の菓子組成物は約1.5未満のtan δ値(例えば、23℃で)を呈する。tan δは、弾性係数に対する粘性係数の比であり、流体の中の弾性の存在および程度の有用な定量的表現法である。tan δ値が高いほど、この粘弾性液体の弾性は低い。いくつかの実施形態では、tan δ値は、約1.2未満、特定すれば約0.2〜約0.8である。いくつかの実施形態では、当該生地様の菓子組成物は約0.65〜約0.85の流動挙動指数(n)を呈する。当該菓子組成物のレオロジー特性を測定するための手順は、作業実施例に記載されている。
【0162】
当該生地様の菓子組成物は、任意に、特定の成分を排除することができる。例えば、当該生地様の菓子組成物は、ゼラチンを含まず、かつ/または可塑剤を含まず、かつ/またはポリオールシロップを含まなくてもよい。
【0163】
好ましい実施形態では、当該生地様の菓子組成物は、約76〜約92重量%の上記固体微粒子、約4〜約12重量%の上記液体、約2〜約10重量%の上記拡散制御物質、および約2〜約10重量%の浸透圧制御物質を含み、すべての重量パーセントは当該生地様の菓子組成物の重量に基づく。この実施形態では、固体微粒子は固体マルチトールを含み、液体は水を含み、拡散制御物質はキサンタンガムを含み、浸透圧制御物質は溶解したマルチトールを含む。
【0164】
1つの実施形態は、約76〜約94重量%のマルチトール、約4〜約12重量%の水、および約2〜約10重量%のキサンタンガムを含む菓子組成物であり、すべての重量%値はこの菓子組成物の総重量に基づく。
【0165】
本発明は、当該生地様の菓子組成物を調製する方法に及ぶ。従って、1つの実施形態は、菓子組成物を調製する方法であって、約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルをブレンドする工程を含み、当該拡散制御物質は、約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントは当該菓子組成物の総重量に基づく方法である。この拡散制御物質ゾルは、好ましくは実質的に均一である。本発明の菓子組成物の1つの利点は、それが常温で調製できるということである。本願明細書で使用する場合、用語「常温」および「室温」は同義であり、約15℃〜約30℃、特定すれば約18℃〜約27℃の温度を指す。常温ブレンド工程は、拡散制御物質ゾルの調製のため、および固体微粒子を拡散制御物質ゾルとブレンドするための両方で使用することができる。この方法の好ましい実施形態では、この固体微粒子はマルチトールを含み、液体は水を含み、そして拡散制御物質はキサンタンガムを含む。
【0166】
本発明は、当該生地様の菓子組成物から誘導される菓子層または菓子領域に及ぶ。従って、1つの実施形態は、複数の固体微粒子を含む少なくとも1つの菓子層または菓子領域を含む複数領域糖菓であって、この複数の固体微粒子の少なくとも主要部分は硬化した拡散制御物質によって少なくとも部分的に取り囲まれている複数領域糖菓である。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は、糖および糖アルコールから選択される。いくつかの実施形態では、この少なくとも1つの菓子層または菓子領域は少なくとも0.2ミリメートルの厚さを有する。いくつかの実施形態では、この少なくとも1つの菓子層または菓子領域は、この少なくとも1つの菓子層または菓子領域の総重量に基づいて、約1〜約30重量%の量の可塑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、この複数領域糖菓は、噛んだときにクランチ感覚を呈する。いくつかの実施形態では、拡散制御物質は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、加工デンプン、イヌリン、コンニャク、キトサン、トラガント、カラヤ、ガッティ、カラマツ、カラギーナン、アルギン酸塩、化学的に修飾されたアルギン酸塩、寒天、グアー、ローカストビーン、シャゼンシ、タラ、ジェラン、カードラン、プラン、アラビアガム、ゼラチン、およびペクチン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、この液体は、水、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、この少なくとも1つの菓子層または菓子領域は、浸透圧制御物質をさらに含む。この浸透圧制御物質は、上記液体に可溶である。適切な浸透圧制御物質としては、例えば、約2,000未満の分子量を有する炭水化物およびデキストランが挙げられる。いくつかの実施形態では、この浸透圧制御物質は糖アルコールである。いくつかの実施形態では、この浸透圧制御物質はマルチトールを含む。当該複数領域糖菓のまさに特定の実施形態では、この少なくとも1つの菓子層または菓子領域は、約20〜約98重量%の上記固体微粒子、および約2〜約20重量%の上記拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの少なくとも1つの菓子層または菓子領域の重量に基づき、そしてこの固体微粒子は固体マルチトールを含み、この拡散制御物質はキサンタンガムを含む。
【0167】
当該菓子層または菓子領域の組成物は、典型的には、当該菓子層または菓子領域の素になった生地様の菓子組成物よりも少ない液体を含み、この液体含有量は、エバポレーションおよび/または加圧下での滲出によって減少された。この液体の喪失は、当該組成物の少なくとも部分硬化によって達成され、それゆえこの菓子層または菓子領域の拡散制御物質は、生地様の組成物の拡散制御物質に対して「硬化した」と言うことができる。しかしながら、この拡散制御物質と硬化した拡散制御物質との間で何らかの化学的差異があるということは明瞭ではない。
【0168】
当該生地様の菓子組成物について上に記載された成分の種類および量のバリエーションのすべては、当該液体(およびいずれかの他の揮発性の成分)の量が生地様の菓子組成物と比べて、その菓子層または菓子領域の中では減少されている可能性があるということを除いて、等しくこの菓子層または菓子領域に当てはまる。
【0169】
この生地様の菓子組成物に対する取り扱い上の制約のため、菓子層または菓子領域は、典型的には少なくとも0.2ミリメートルの厚さを有する。層または領域の厚さの範囲は、例えば、約0.2〜約5ミリメートル、特定すれば約0.3〜約4ミリメートル、より特定すれば約0.4〜約3ミリメートル、さらにより特定すれば約0.5〜約2ミリメートル、なおより特定すれば約0.5〜約1ミリメートルであってもよい。この菓子層または菓子領域は、その組成物に応じて、柔らかいまたは硬い可能性がある。柔らかいおよび硬い層ならびに領域についての適切な組成物は、下記の作業実施例で与えられる。当該菓子層または菓子領域が柔らかい場合、伸びを誘導する力が加えられると、その菓子層または菓子領域は伸びることができる。いくつかの実施形態では、菓子層または菓子領域の総重量に基づいて約1〜約30重量%の量でその菓子層または菓子領域に可塑剤が組み込まれるとき、柔らかい菓子領域または層が得られる。所望の場合は、菓子層または菓子領域は脆くあることができ、破壊を誘導する力が加えられると破壊することができる。菓子層または菓子領域の脆性は、その菓子層または菓子領域が噛まれるときに、クランチ感覚としても顕在化することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、当該菓子層または菓子領域は、その菓子層または菓子領域の重量に基づいて約20〜約98重量%の上記固体微粒子、および約2〜約20重量%の上記拡散制御物質を含む。これらの実施形態では、固体微粒子は固体マルチトールを含み、拡散制御物質はキサンタンガムを含む。
【0171】
1つの実施形態は、約20〜約98重量%のマルチトール、および約2〜約20重量%のキサンタンガムを含む菓子層または菓子領域である。いくつかの実施形態では、この菓子層または菓子領域は、この菓子層または菓子領域の重量に基づいて5重量%以下の水、特定すれば約0.5〜約5重量%の水を含む。水分含量は、典型的には柔らかさとともに変動し、より高い水分含量はより柔らかい組成物と関連する。
【0172】
1つの実施形態は、約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルを含む菓子層または菓子領域であって、この拡散制御物質ゾルは約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの菓子層または菓子領域の総重量に基づき、かつこの菓子層または菓子領域は加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する、菓子層または菓子領域である。いくつかの実施形態では、この第1の水分含量は約8%〜約15%であり、第2の水分含量は約4%〜約6%であり、第3の水分含量は2%未満であり、すべての重量パーセントはこの菓子層または菓子領域の総重量に基づく。
【0173】
いくつかの実施形態は、当該菓子組成物を形成するために使用される拡散制御物質ゾルに関する。例えば、1つの実施形態は、拡散制御物質ゾルを形成する方法であって、約20〜約55重量%の、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される拡散制御物質、および約45〜約80重量%の液体をブレンドして、この拡散制御物質ゾルを形成する工程を含み、すべての重量%値は、この拡散制御物質ゾルの総重量に基づく方法である。約20〜約55重量%の範囲内で、この拡散制御物質の量は、少なくとも約25重量%または少なくとも約30重量%または少なくとも約35重量%であることができる。また約20〜約55重量%の範囲内で、この拡散制御物質の量は、約50重量%までまたは約45重量%までまたは約40重量%までであることができる。約45〜約80重量%の範囲内で、この液体の量は、少なくとも約50重量%、または少なくとも約55重量%、または少なくとも約60重量%であることができる。また約45〜約80重量%の範囲内で、この液体の量は、約75重量%まで、または約70重量%まで、または約65重量%までであることができる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質はキサンタンガムである。いくつかの実施形態では、この液体は、水、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物からなる群から選択される。上記ブレンドする工程は、拡散制御物質を液体に徐々に加えることを含むことができる。あるいはまたは加えて、このブレンドする工程は、拡散制御物質および液体を二軸押出機の中で加工することを含むことができる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質ゾルはキサンタンガムおよび水からなる。本発明の拡散制御物質ゾルの1つの利点は、それらを常温で調製することができるということである。従って、いくつかの実施形態では、このブレンドする工程は、約15〜約30℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質ゾルは実質的に均一であり、これは、この拡散制御物質ゾルは、それが組み込まれる菓子層または菓子領域の厚さよりも大きい塊をまったく含まないということを意味する。
【0174】
1つの実施形態は、約20〜約55重量%の、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される拡散制御物質、および約45〜約80重量%の液体を含む拡散制御物質ゾルであって、すべての重量%値はこの拡散制御物質ゾルの総重量に基づく、拡散制御物質ゾルである。約20〜約55重量%の範囲内で、この拡散制御物質の量は、少なくとも約25重量%または少なくとも約30重量%または少なくとも約35重量%であることができる。また約20〜約55重量%の範囲内で、この拡散制御物質の量は、約50重量%までまたは約45重量%までまたは約40重量%までであることができる。約45〜約80重量%の範囲内で、この液体の量は、少なくとも約50重量%、または少なくとも約55重量%、または少なくとも約60重量%であることができる。また約45〜約80重量%の範囲内で、この液体の量は、約75重量%まで、または約70重量%まで、または約65重量%までであることができる。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質はキサンタンガムである。いくつかの実施形態では、この液体は、水、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、この拡散制御物質ゾルはキサンタンガムおよび水からなる。いくつかの実施形態では、拡散制御物質ゾルは実質的に均一であり、これは、この拡散制御物質ゾルは、それが組み込まれる菓子層または菓子領域の厚さよりも大きい塊をまったく含まないということを意味する。
【0175】
(チューインガム糖菓の特定の実施形態)
1つの実施形態は、a)チューインガム組成物を含む第1の領域と、b)固体相および液体相を含む菓子組成物を含む第2の領域とを含む複数領域チューインガム糖菓であって、当該固体相の少なくとも主要部分は当該液体相によって取り囲まれており、この固体相は複数の固体微粒子を含み、この液体相は液体および拡散制御物質の混合物を含む複数領域チューインガム糖菓である。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は、約1〜約500マイクロメートルの平均粒径を有する。この範囲内で、平均粒径は、少なくとも5マイクロメートル、または少なくとも10マイクロメートル、または少なくとも20マイクロメートル、または少なくとも50マイクロメートルであることができる。またこの範囲内で、平均粒径は、400マイクロメートルまで、または300マイクロメートルまで、または250マイクロメートルまで、または200マイクロメートルまで、または150マイクロメートルまで、または100マイクロメートルまで、または50マイクロメートルまでであることができる。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は、約100〜約300マイクロメートルの第1の粒径および約20〜約80マイクロメートルの第2の粒径を含む二峰性の粒径分布を有する。
【0176】
可食基材と菓子層または菓子領域との間の種々の空間的関係を持つことが可能である。例えば、当該チューインガム糖菓が棒またはテープの形態にある場合、菓子層は、可食基材の1つの主要面と接していてもよく、可食基材の両方の主要面と接していてもよく、可食基材を完全に包み込んでもよく、または可食基材の2つの層の間の層として存在してもよい。別の例として、このチューインガム糖菓がピロー形状の硬くコーティングされたガムピースの形態にある場合、この菓子層は、可食ガムコアの1つの主要面と接していてもよく、可食ガムコアの2つの主要面と接していてもよく、可食ガムコアを完全に包み込んでもよく、または可食ガム層によって取り囲まれるコアとして存在してもよい。これらのバリエーションのいずれも、任意に、ハードパンニングされたコーティングおよびソフトパンニングされたコーティング、および硬い菓子組成物および柔らかい菓子組成物を含めて、さらなる菓子層または菓子領域をさらに含むことができる。またこれらのバリエーションのいずれも、任意に、同じまたは異なる組成を有する少なくとも2つの菓子層または菓子領域を含むこともできる。上記のバリエーションは菓子層または菓子領域と可食基材との間の接触を含むが、当該チューインガム糖菓が、菓子層または菓子領域と可食基材とを隔てる1以上の中間層を有することも可能である。また、このチューインガム糖菓の形状については特に限定はされず、棒、テープ、立方体、ピロー型、円筒形、波型形状、三角柱、直方柱、示唆的な形状(ミントの葉、フルーツの形状など)などを含めた適切な形状が用いられる。
【0177】
いくつかの実施形態では、第1の領域は、チューインガム、風船ガム、脂肪ベースのガム、キャンディーガム、噛んだ後に硬く変わるかまたは柔らかいまま留まるソフトガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0178】
当該複数領域糖菓は、任意に、第1の領域または第2の領域のうちの1つと同じである第3の領域をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、複数領域チューインガム糖菓は、第1の領域または第2の領域のうちの少なくとも1つとは異なる第3の領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、少なくとも部分的に第1の領域を取り囲む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、複数領域チューインガム糖菓の外部表面を形成する。
【0179】
1つの実施形態は、a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルを含む第1の菓子領域であって、当該拡散制御物質ゾルは約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの第1の菓子領域の総重量に基づき、この第1の菓子領域は加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する第1の菓子領域と、b)チューインガム組成物を含む第2のチューインガム領域とを含む複数領域チューインガム糖菓である。いくつかの実施形態では、第1の水分含量は約8%〜約15%であり、第2の水分含量は約4%〜約6%であり、第3の水分含量は2%未満であり、すべての重量パーセントはこの第1の菓子領域の総重量に基づく。いくつかの実施形態では、この固体微粒子はマルチトールを含み、この拡散制御物質はキサンタンガムを含み、この液体は水を含む。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は、この菓子層全体にわたって均一に分散している。いくつかの実施形態では、この菓子層は実質的に気泡を含まない。いくつかの実施形態では、この複数領域チューインガム糖菓は、単独の第1の菓子領域を含む。
【0180】
当該生地様の菓子組成物について上に記載された成分の種類および量のバリエーションのすべては、当該液体(およびいずれかの他の揮発性の成分)の量が生地様の菓子組成物と比べて、その菓子層または菓子領域の中では減少されている可能性があるということを除いて、このチューインガム糖菓の菓子層または菓子領域に当てはまる。
【0181】
本発明者らは、意図的に硬いおよびクランチ質の菓子層または菓子領域は、グリセリンを含むチューインガム組成物と接触しているとき、経時的に軟化することができるということを観察した。いずれの特定の説明によっても見出されたくはないが、本発明者らは、グリセリンはガム組成物から菓子組成物へと移動することができ、菓子組成物の中でグリセリンは可塑化効果をもたらすという仮説を立てている。それゆえ、硬いおよび/またはクランチ質の菓子層または菓子領域が所望される場合、チューインガム組成物の重量に基づいて5重量%未満、特定すれば3重量%未満、より特定すれば1重量%未満、さらにより特定すれば0重量%の量のグリセリンを含むチューインガム組成物を利用することが好ましい。
【0182】
チューインガム糖菓の好ましい実施形態では、この菓子層または菓子領域は、約50〜約98重量%の上記固体微粒子、および約2〜約20重量%の上記硬化した拡散制御物質を含み、すべての重量%値は、その菓子層または菓子領域の総重量に基づく。同じ実施形態で、固体微粒子はマルチトールを含み、硬化した拡散制御物質はキサンタンガムを含む。
【0183】
1つの実施形態は、約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルを含む菓子層を含む中間チューインガム糖菓から上記液体の少なくとも一部分を除去した生成物であって、この拡散制御物質ゾルは約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの菓子層の総重量に基づく生成物と、チューインガム組成物を含む可食基材とを含むチューインガム糖菓である。ここでも、菓子層と可食基材との空間的関係については、特に限定はされない。好ましい実施形態では、この固体微粒子はマルチトールを含み、拡散制御物質はキサンタンガムを含み、液体は水を含む。この固体微粒子は、菓子層全体にわたって均一に分散することができる。この菓子層は、実質的に気泡を含まないようにできる。このチューインガム糖菓は、単独の菓子層、または同じかもしくは異なる組成を有する2以上の菓子層を含むことができる。
【0184】
本発明は、当該チューインガム糖菓の製造方法に及ぶ。従って、1つの実施形態は、複数領域チューインガム糖菓の形成方法であって、a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルをブレンドして菓子組成物を形成する工程であって、この拡散制御物質ゾルは、約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントは当該菓子組成物の総重量に基づく工程と、b)この菓子組成物(すなわち、この菓子組成物の塊、または「菓子塊」)を菓子層へと形成する工程と、c)この菓子層を、チューインガム組成物を含む可食基材に付与する工程とを含む方法である。いくつかの実施形態では、工程b)およびc)は、当該菓子組成物および当該チューインガム組成物を共押出しすることによって行われる。工程b)は、菓子層をローラー上で形成することを含むことができ、工程c)は、その菓子層をローラーから可食基材へと移すことを含む。工程b)は、菓子組成物をシートに形成することと、そのシートの端部を切り落として切り落とされた物質を形成することと、工程b)の菓子組成物の少なくとも一部分として使用するために、この切り落とされた物質を再利用することを含むことができる。この方法は、任意に、菓子層が可食基材に付与される前および/または後に、菓子層の中の液体の量を減少させる工程をさらに含むことができる。この液体の量を減少させる工程は、周囲条件下で自然に起こる可能性があるが、熱、圧力、および大気交換の使用によって加速することもできる。液体の量の減少には、典型的には、当該拡散制御物質の明らかな硬化を伴う。この方法は、任意に、合わせた菓子層および可食基材に圧力を加える工程であって、この圧力は、チューインガム糖菓を形作ること、液体をチューインガム糖菓から除去すること、およびこの菓子層または菓子領域と可食基材との間の密着を高めることのうちの1以上を成し遂げるために有効である工程をさらに含むことができる。工程a)およびb)のうちの少なくとも1つは、任意に、ほぼ常温で行うことができる。1つの実施形態では、工程b)は、菓子組成物を、ターゲットローラーを含むローラーアセンブリに付与することであって、得られた菓子層はそのターゲットローラーに解放可能に付着することを含み、工程c)は、この菓子層をターゲットローラーから可食基材へと移すことを含む。例えば、このローラーアセンブリは、反対方向に回転するターゲットローラーおよび補助ローラーを具える少なくとも1対の回転ローラーであって、この対の回転ローラーはある間隙だけ隔てられている、少なくとも1対の回転ローラーを含むことができ、当該方法は、この菓子組成物をその間隙の中に、かつ両方の回転ローラーと動作接触した状態に置く工程と、この菓子組成物を圧縮して層または領域を形成する工程と、この菓子組成物の層または領域をターゲットローラー(すなわち、この間隙の下流でかつ菓子層と可食基材との接触の上流)に優先的に付着させる工程をさらに含む。菓子層をターゲットローラー上に保持することを支援するために、この対のローラーについての少なくとも1つの目標パラメータを調整することができる。このような目標パラメータとしては、例えば、間隙のサイズ、この対のローラーの速度、この間隙の近傍でのこの対のローラーによる菓子組成物への圧力、および当該生地様の菓子物質の粘度が挙げられる。特定の実施形態では、この菓子組成物をターゲットローラーから可食基材へと移す工程は、菓子組成物が可食基材と接触しているように、ターゲットローラーを可食基材に隣接して配置すること、およびこの菓子組成物が可食基材の表面上へと優先的に付与され、かつその可食基材と接触したまま留まる(そしてターゲットローラーから引き離される)ように、ターゲットローラーによる可食基材への圧力を調整することを含む。このローラーアセンブリは、1対の回転ローラー、または2対以上の回転ローラーを含むことができる。このターゲットローラーは円筒形であることができ、菓子組成物を受けるための連続的に曲線をなす外部表面を有することができる。あるいは、このターゲットローラーは、生地様の菓子物質を受けるための非円筒形の外部表面を有することができる。当該方法の工程は、任意に、繰り返されて、多層形成されたチューインガム糖菓を得ることができる。この方法は、任意に、従来のハードパンニングまたはソフトパンニング技術によってコーティング物質の少なくとも1つの層を付与する工程をさらに含むことができる。このコーティング物質は、合わせた菓子層および可食基材の少なくとも1つの表面に付与することができる。当該方法は、任意に、合わせた菓子層および可食基材をほぼ室温で乾燥する工程をさらに含むことができる。
【0185】
本発明は、上記の種々の方法のいずれかによって製造されるチューインガム糖菓に及ぶ。
【0186】
また本発明は、当該チューインガム糖菓を形成するために使用される装置にも及ぶ。従って、1つの実施形態は、複数領域チューインガム糖菓を形成するための装置であって、約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の、約4〜約12重量%の液体および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含む拡散制御物質ゾルをブレンドして菓子組成物を形成するための手段であって、すべての重量パーセントはこの菓子組成物の総重量に基づく、手段と、この菓子組成物(の塊)を菓子層へと形成するための手段と、この菓子層を、チューインガム組成物を含む可食基材に付与するための手段と、を含む装置である。この装置は、任意に、合わせた菓子層および可食基材の中の液体の量を減少させるための手段をさらに含むことができる。この装置は、任意に、当該菓子組成物を常温で維持するための手段をさらに含むことができる。この装置は、任意に、合わせた菓子層および可食基材を常温で維持するための手段をさらに含むことができる。
【0187】
この装置では、菓子層を可食基材に付与するための手段は、ローラーアセンブリであって、a)菓子組成物が挿入される間隙だけ間隔が空けられた少なくとも1つの第1の対の回転ローラーであって、この第1の対の回転ローラーのうちの1つは当該生地様の菓子物質の層または領域を受けるためのターゲットローラーである、少なくとも1つの第1の対の回転ローラーと、b)菓子組成物がこの間隙を通って移動するにつれて、この菓子組成物を層または領域へと形成するための手段と、c)生地様の菓子物質の層または領域をターゲットローラー上へと優先的に保持するための手段と、d)この層または領域をターゲットローラーから可食基材へと移すための手段と、を含むローラーアセンブリを含むことができる。この装置は、任意に、基材との接触後に当該層または領域に圧縮力を加えるための、第1の対の回転ローラーの下流に配置される少なくとも1つの圧縮ローラーをさらに含むことができる。この装置は、任意に、この層または領域上の圧縮力を調整するための手段をさらに含むことができる。特に、この圧縮力は、当該液体の一部分(好ましくは主要部分)を層または領域の表面へと移行させるのに十分であることができる。
【0188】
別の実施形態は、チューインガム糖菓を形成するための装置であって、a)チューインガム組成物を含む可食基材を押出すための第1の押出手段を含む押出アセンブリと、b)生地様の菓子組成物を、可食基材と接触して層または領域へと押出して、菓子物質中間生成物を形成するための第2の押出手段と、c)この菓子物質中間生成物の中の水の量を減少させて、当該チューインガム糖菓を形成するための手段と、を含む装置である。
【0189】
(非チューインガム糖菓の特定の実施形態)
この節に記載される実施形態では、「基材組成物」は、チューインガム組成物ではない菓子組成物を指す。つまり、基材組成物は、5重量%以下の量のチューインガムベースを含む。いくつかの実施形態では、この基材組成物のチューインガムベース含有量は、この基材組成物の重量に基づいて3重量%以下、特定すれば1重量%以下である。いくつかの実施形態では、この基材組成物はチューインガムベースを排除している。またこの節で記載される実施形態については、「基材組成物」は、当該「菓子層または菓子領域」の組成物の範囲の内または外の組成物であってもよい。本願明細書で使用する場合、用語「基材組成物」は、「基材組成物」および「菓子組成物」のいずれかの特定の空間的配向を要求することは意図されていない。
【0190】
1つの実施形態は、複数領域糖菓であって、a)基材組成物を含む第1の領域と、b)固体相および液体相を含む菓子組成物を含む第2の領域であって、この固体相の少なくとも主要部分はこの液体相によって取り囲まれており、この固体相は複数の固体微粒子を含み、この液体相は液体および拡散制御物質の混合物を含む第2の領域と、を含む複数領域糖菓である。
【0191】
この第1の領域と第2の領域との間の種々の空間的関係を持つことが可能である。例えば、この糖菓は、菓子でコーティングされたハードキャンディーコア、ハードキャンディーでコーティングされた菓子コア、菓子でコーティングされたソフトキャンディーコア、ソフトキャンディーでコーティングされた菓子コア、菓子でコーティングされたチョコレートコア、チョコレートでコーティングされた菓子コア、1つの主要表面上に菓子コーティングを具えたチョコレートバー、両方の主要表面上に菓子コーティングを具えたチョコレートバー、菓子コーティングの中に完全に包み込まれたチョコレートバー、および複数の菓子層を含みその間にソフトキャンディー層がサンドイッチされている多層(または「ミルフィーユ」)糖菓を含むことができる。この糖菓は、1つの第2の領域を含むことができる。あるいは、この糖菓は、少なくとも2つの第2の領域を含むことができる。上記のバリエーションは菓子層または菓子領域と可食基材との間の接触を含むが、当該チューインガム糖菓が、菓子層または菓子領域と可食基材とを隔てる1以上の中間層を有することも可能である。また、この糖菓の形状については特に限定はされず、棒、テープ、ピロー型、立方体、円筒形、三角柱、直方柱、バー(bar)、厚板、波型形状、示唆的な形状(ミントの葉、フルーツの形状など)などを含めた適切な形状が用いられる。
【0192】
可食基材の組成物については、それがチューインガム組成物ではないことを除いて、特に限定はされない。例えば、この基材組成物は、ハードキャンディー組成物、ソフトキャンディー組成物、またはチョコレート組成物を含むことができる。
【0193】
当該生地様の菓子組成物について上に記載された成分の種類および量のバリエーションのすべては、当該液体(およびいずれかの他の揮発性の成分)の量が生地様の菓子組成物と比べて、その菓子層または菓子領域の中では減少されている可能性があるということを除いて、この菓子の菓子層または菓子領域に当てはまる。
【0194】
1つの実施形態では、当該菓子組成物は、約50〜約98重量%の上記固体微粒子、および約2〜約20重量%の上記拡散制御物質を含み、すべての重量%値は当該菓子組成物の総重量に基づく。この実施形態では、固体微粒子はマルチトールを含み、硬化した拡散制御物質はキサンタンガムを含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、当該複数領域糖菓は、第1の領域または第2の領域のうちの1つと同じである第3の領域をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、複数領域糖菓は、第1の領域または第2の領域のうちの少なくとも1つとは異なる第3の領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、少なくとも部分的に第1の領域を取り囲む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、複数領域糖菓の外部表面を形成する。
【0196】
1つの実施形態は、複数領域糖菓であって、a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルを含む第1の菓子領域であって、この拡散制御物質ゾルは約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの第1の菓子領域の総重量に基づき、この第1の菓子領域は加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する、第1の菓子領域と、b)基材組成物を含む第2の基材領域と、を含む複数領域糖菓である。いくつかの実施形態では、この第1の水分含量は約8%〜約15%であり、第2の水分含量は約4%〜約6%であり、第3の水分含量は2%未満であり、すべての重量パーセントは第1の菓子領域の総重量に基づく。いくつかの実施形態では、この固体微粒子はマルチトールを含み、拡散制御物質はキサンタンガムを含み、液体は水を含む。いくつかの実施形態では、この固体微粒子は、第1の菓子領域全体にわたって均一に分散している。いくつかの実施形態では、この第1の菓子領域は実質的に気泡を含まない。いくつかの実施形態では、この複数領域糖菓は単独の第1の菓子領域を含む。
【0197】
本発明は、上記糖菓の形成方法に及ぶ。従って、1つの実施形態は、複数領域糖菓の形成方法であって、a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルをブレンドして、菓子組成物を形成する工程であって、この拡散制御物質ゾルは、約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの菓子組成物の総重量に基づく、工程と、b)この菓子組成物(すなわち、この菓子組成物の塊、または「菓子塊」)を菓子層へと形成する工程と、c)この菓子層を、基材組成物を含む可食基材に付与する工程と、を含む方法である。工程b)およびc)は、当該菓子組成物および当該基材組成物を共押出しすることによって行うことができる。工程b)は、菓子層をローラー上で形成することを含むことができ、工程c)は、その菓子層をローラーから可食基材へと移すことを含む。工程b)は、菓子組成物をシートに形成することと、そのシートの端部を切り落として切り落とされた物質を形成することと、工程b)の菓子組成物の少なくとも一部分として使用するために、この切り落とされた物質の少なくとも一部を再利用することを含むことができる。この方法は、菓子層が可食基材に付与される前および/または後に、菓子層の中の液体の量を減少させる工程をさらに含むことができる。液体の量を減少させる工程には、典型的には、当該拡散制御物質の明らかな硬化を伴う。この方法は、任意に、合わせた菓子層および可食基材に圧力を加える工程をさらに含むことができる。この圧力は、準備段階の菓子物質が可食基材に付与されるほぼその時またはそのすぐ後に、加えることができる。工程a)およびb)のうちの少なくとも1つは、任意に、ほぼ常温で行うことができる。工程b)は、菓子組成物を、ターゲットローラーを含むローラーアセンブリに付与することであって、得られた菓子層はそのターゲットローラーに解放可能に付着することを含むことができる。工程c)は、この菓子層をターゲットローラーから可食基材へと移すことを含むことができる。このローラーアセンブリは、反対方向に回転するターゲットローラーおよび補助ローラーを具える少なくとも1対の回転ローラーであって、この対の回転ローラーはある間隙だけ隔てられている、少なくとも1対の回転ローラーを含むことができ、当該方法は、この菓子組成物をその間隙の中に、かつ両方の回転ローラーと動作接触した状態に置く工程と、この菓子組成物を圧縮して層または領域を形成する工程と、この菓子組成物の層または領域をターゲットローラー(この間隙の下流でかつ菓子層と可食基材との接触の上流)に優先的に付着させる工程をさらに含む。ターゲットローラーが可食基材と接触するときよりも前に、ターゲットローラーが回転するにつれてこの菓子組成物がターゲットローラー上に優先的に保持されるように、この対のローラーの少なくとも1つの目標パラメータを調整することができる。このような目標パラメータとしては、例えば、間隙のサイズ、この対のローラーの速度、この間隙の近傍でのこの対のローラーによる菓子組成物への圧力、および当該生地様の菓子物質の粘度が挙げられる。いくつかの実施形態では、この菓子組成物をターゲットローラーから可食基材へと移す工程は、菓子組成物が可食基材と接触しているように、ターゲットローラーを可食基材に隣接して配置すること、およびこの菓子組成物が可食基材の表面上へと優先的に付与され、かつその可食基材と接触したまま留まる(そしてターゲットローラーから引き離される)ように、ターゲットローラーによる可食基材への圧力を調整することを含む。このローラーアセンブリは、少なくとも2対の回転ローラーを具えることができる。このターゲットローラーは円筒形であることができ、菓子組成物を受けるための連続的に曲線をなす外部表面を有することができる。あるいは、ターゲットローラーは、当該生地様の菓子物質を受けるための非円筒形の外部表面を有することができる。当該方法の工程は、繰り返されて、多層形成された糖菓を得ることができる。この方法は、従来のハードパンニングまたはソフトパンニング技術によって、コーティング物質の少なくとも1つの層を、この合わせた菓子層および可食基材の少なくとも1つの表面に付与する工程をさらに含むことができる。当該方法は、合わせた菓子層および可食基材をほぼ室温で乾燥する工程をさらに含むことができる。
【0198】
本発明は、上記の方法のいずれかによって製造される糖菓に及ぶ。
【0199】
また本発明は、上記糖菓を形成するために使用される装置に及ぶ。従って、1つの実施形態は、糖菓を形成するための装置であって、約76〜約94重量%の固体微粒子、および約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルをブレンドして菓子組成物を形成するための手段であって、この拡散制御物質ゾルは、約4〜約12重量%の液体、および約2〜約12重量%の拡散制御物質を含み、すべての重量パーセントはこの菓子組成物の総重量に基づく、手段と、この菓子組成物(の塊)を菓子層へと形成するための手段と、この菓子層を、基材組成物を含む可食基材に付与するための手段と、を含む装置である。この装置は、任意に、合わせた菓子層および可食基材の中の液体の量を減少させるための手段をさらに含むことができる。この装置は、任意に、この菓子組成物を常温で維持するための手段をさらに含むことができる。この装置は、任意に、合わせた菓子層および可食基材を常温で維持するための手段をさらに含むことができる。この装置のいくつかの実施形態では、菓子層を可食基材に付与するための手段は、ローラーアセンブリであって、a)菓子組成物が挿入される間隙だけ間隔が空けられた少なくとも1つの第1の対の回転ローラーであって、この第1の対の回転ローラーのうちの1つは当該生地様の菓子物質の層または領域を受けるためのターゲットローラーである、少なくとも1つの第1の対の回転ローラーと、b)菓子組成物がこの間隙を通って移動するにつれて、この菓子組成物を層または領域へと形成するための手段と、c)生地様の菓子物質の層または領域をターゲットローラー上へと優先的に保持するための手段と、d)この層または領域をターゲットローラーから可食基材へと移すための手段と、を含むローラーアセンブリを含む。この装置は、任意に、基材との接触後に当該層または領域に圧縮力を加えるための、第1の対の回転ローラーの下流に配置される少なくとも1つの圧縮ローラー、およびこの層または領域上の圧縮力を調整するための手段をさらに含むことができる。この圧縮力は、当該液体の一部分(好ましくは主要部分)を層または領域の表面へと移行させるのに十分であることが好ましい。
【0200】
別の実施形態は、糖菓を形成するための装置であって、a)基材組成物を含む可食基材を押出すための第1の押出手段を含む押出アセンブリと、b)生地様の菓子組成物を、可食基材と接触して層または領域へと押出して、菓子物質中間生成物を形成するための第2の押出手段と、c)この菓子物質中間生成物の中の水の量を減少させて、当該糖菓を形成するための手段と、を含む装置である。
【0201】
本発明は、以下の限定を意図しない実施例によってさらに例証される。
【実施例】
【0202】
実施例1
18グラムのキサンタンガムおよび12グラムの水を、35ミリリットルのブラベンダー混合機の中で、80回転毎分(rpm)で5分間混合した。この混合物を放置して1時間水和させ、80rpmでさらに5分間混合した。
【0203】
15グラムのマルチトールおよび5グラムの水を混合し、80℃に加熱した。この混合物を、均一な混合物が形成されるまで撹拌し、次いで室温まで放冷し、マルチトールシロップを形成した。
【0204】
9グラムの上記キサンタンガム/水混合物および6グラムの上記マルチトールシロップを、120ミリリットルのブラベンダー混合機の中に置き、90グラムのマルチトール粉末(Maltisorb P35)、0.5グラムのペパーミントフレーバー、0.5グラムのアスパルテーム、0.18グラムのアセスルファムカリウム、0.09グラムのスクラロース、および0.2グラムの着色料(イエロー 5 レーキ(yellow 5 lake))と混合した。これらの成分を80rpmで5分間混合し、均一な凝集性のある生地様の菓子物質を得た。
【0205】
この生地様の菓子物質を、0.8ミリメートルの間隙だけ隔てられかつ60rpmで回転するブラベンダーローラーミルのローラーの間に置き、0.8ミリメートル厚さを有するシートへと押出した。
【0206】
このシートを、当業者に公知の方法で調製したペパーミントで風味付けされたガムベースのシートの上側および下側に置き、4ミリメートルの厚さへと圧延した。ガムベースおよび生地様の菓子物質のこのサンドイッチを、3.2ミリメートルだけ間隔が空けられたローラーを有する圧延スコアリング機に通した。この生地様の菓子物質をこのガムの上側および下側に積層し、その後、長さが43.5ミリメートルおよび幅が12ミリメートル、厚さが3.2ミリメートルの大きさの厚板ガムのピースへとスコアリングした。21℃の室温および40%の相対湿度での12時間の状態調節後、この最終ガム製品をばらばらにし、そしてこの最終ガム製品は、噛んだ際に、クランチ質であるということが判明した。
【0207】
実施例2
8.4グラムのキサンタンガムおよび16.1グラムの水を、35mlのブラベンダー混合機の中で、80rpmで5分間混合した。この混合物を放置して1時間水和させ、80rpmでさらに5分間混合した。
【0208】
10.5グラムのマルチトールを上記の混合物に加え、完全に溶解するまで、80rpmで15分間混合した。
【0209】
15グラムの得られた混合物を120mlのブラベンダー混合機の中に置き、90グラムのマルチトール粉末(Maltisorb P200)、0.5グラムのペパーミントフレーバー、0.5グラムのアスパルテーム、0.18グラムのアセスルファムカリウム、0.09グラムのスクラロース、および0.2グラムのイエロー 5 レーキと混合した。これらの成分を、均一な凝集性のある生地様の菓子物質が得られるまで、80rpmで5分間混合した。
【0210】
この生地様の菓子物質を、0.8mmの間隔を空けられ80rpmで回転するブラベンダーローラーミルのローラーの間に置き、0.8ミリメートル厚さを有するシートへと押出した。ローラー間の間隙を0.8ミリメートルに設定した。
【0211】
得られたシートを、当業者に公知の方法で調製した4ミリメートルの厚さを有するペパーミントガムベースのシートの上側および下側に付与した。ガムベースおよび生地様の菓子物質のこのサンドイッチを、ペレットローラーを有する圧延スコアリング機に通し、その後、長さが16.5ミリメートルおよび幅が13.2ミリメートル、厚さが5ミリメートルの大きさのペレットへとスコアリングした。21℃の室温および40%の相対湿度での12時間の状態調節後、この最終ガム製品を個々のペレットにばらばらにした。このペレットは、従来のペレットと同様の外観であり、噛んだ際にクランチ質であるということが判明した。
【0212】
実施例3
実施例2から得たペレットを、当業者に公知のようにして、マルチトールを用いたコーティングの従来のハードパンニングプロセスを使用してさらにコーティングした。特に、マルチトールおよび水の飽和コーティング溶液を個々のペレットの上へと噴霧し、およそ9%の付加的なコーティングを加えた。このペレットは、従来の硬いコーティングがされたペレットの外観を有しており、従来のペレットと非常に類似のクランチ性を有していた。
【0213】
実施例4
12グラムのキサンタンガムおよび18グラムの水を、35ミリリットルのブラベンダー混合機の中で、80rpmで5分間混合した。この混合物を放置して1時間水和させ、80rpmでさらに5分間混合した。
【0214】
15グラムのマルチトールおよび5グラムの水を混合し、80℃に加熱した。この混合物を、均一なシロップが形成されるまで、撹拌した。このシロップを放冷した。
【0215】
9グラムの上記キサンタンガム/水混合物、6グラムの上記マルチトールシロップ、および3グラムのグリセリンを120mlのブラベンダー混合機の中に置き、90グラムのマルチトール、0.5グラムのペパーミントフレーバー、0.5グラムのアスパルテーム、0.18グラムのアセスルファムカリウム、0.09グラムのスクラロース、および0.2グラムのイエロー 5 レーキと混合した。これらの成分を80rpmで5分間、または均一な凝集性のある生地様の菓子物質が得られるまで、混合した。
【0216】
この生地様の菓子物質をブラベンダーローラーミルのローラーの間に置き、0.8ミリメートル厚さを有するシートへと押出した。ローラー間の間隙を0.8ミリメートルに設定した。このローラーを60rpmの速度で回転させ、シートを形成した。
【0217】
このシートを、当業者に公知の方法で調製したペパーミントガムのシートの上側および下側に置いた。このガムを、4mmの厚さまで予め押さえ込んだ(predrilled down)。ガムおよび生地様の菓子物質のこのサンドイッチを、3.2ミリメートルの距離だけ離して設定したローラーを具える圧延スコアリング機に通した。この生地様の菓子物質を、このガムの上側および下側に積層し、その後、長さが43.5ミリメートルおよび幅が12ミリメートル、厚さが3.2ミリメートルの大きさの厚板ガムのピースへとスコアリングした。21℃の室温および40%の相対湿度での12時間の状態調節後、このガムをばらばらにし、そしてこのガムは、噛んだ際に、クランチ質をまったく呈さない柔らかいシェルを有するということが判明した。
【0218】
以下の実施例では、様々なコア物質をいくつかのコーティング組成物でコーティングした。このコア物質は、典型的なチューインガム組成物、柔らかい噛感特性のための可塑剤を含有する風船ガム組成物、および非常に柔らかい噛感特性を有する脂肪ベースのガム組成物を含む。加えて、ポリオールを含まないソフトガムコアを単独で、およびキャンディーコアと組み合わせて使用した。用いたコーティング組成物は、硬いクランチ質のコーティングから、クランチ質を有するおよび有しない柔らかいコーティング、ならびにこれらの組み合わせ、つまりコアの片側が1つの種類のコーティング組成物でコーティングされ、および他の側が異なる種類のコーティング組成物でコーティングされているもの、の範囲であった。
【0219】
加えて、コーティング組成物の中にゼラチン(可塑剤)が存在すると、ゼラチンが可塑剤として取り除かれたときに、存在しなかった粗くなった表面テキスチャが引き起こされた。クランチ質を有しない柔らかいコーティングについては、非結晶性マルチトールシロップ(例えば、ロケット社(Roquette)からLYCASIN 85/55、LYCASIN HBC、およびLYCASIN 75/75として入手できるマルチトールシロップ)および/またはグリセリンを可塑剤として使用することが望ましかった。クランチタイプのコーティングについては、マルチトールシロップまたは他のポリオールシロップが、このコーティングに加えられることが望ましかった。ハードパンニングされたコーティングに匹敵するクランチ質の硬いコーティングについては、可塑剤をコーティング組成物から省いた。
【0220】
これまでに示したように、当該菓子製品は、非クランチ〜クランチな特徴をもった柔らかい〜硬い層を有してもよい。これまでに論じたように、製品上のコーティングの種類に関して消費者に「合図」するための感覚的な合図(例えば特定の色および/または香味)を与えることが望ましく、そして1つの選択肢である。
【0221】
実施例5
表1に示される成分を含有するコア(ガムベース組成物)を有するガム組成物を以下のとおりに調製する。
【表1】

【0222】
混合容器を90℃に加熱する。ガムベースを、融解するまでこの容器に加える。可塑剤およびアセチル化モノグリセリドを、撹拌下で、融解したガムベースに加える。残りの成分を逐次的に加える。次いでこのガム組成物を押出機に移し、そこでこのガム組成物は平坦なシートとして排出される。
【0223】
低クランチ度を有する柔らかいコーティングを製造するための生地様の菓子物質を、表2に列挙される成分を混合することにより、実施例1〜4と同様にして調製する。
【表2】

【0224】
この生地様の菓子物質をブラベンダーローラーミルのローラーの間に置き、チューインガム組成物の重量に基づいて25重量%に等価な厚さを有するシートへと押出す。ローラー間の間隙を0.8ミリメートルに設定した。このローラーを60rpmの速度で回転させ、シートを形成する。
【0225】
このシートを、押出したガム組成物の上側および下側に置き、コーティングされたガムに圧力を加えてこのコーティングされたガムを4mmの厚さまで圧縮することにより、押出したガム組成物に積層する。ガムおよび生地様の菓子物質のこのサンドイッチを、3.2ミリメートルの距離だけ離して設定したローラーを具える圧延スコアリング機に通した。このようにコーティングしたガムを、その後、長さが43.5ミリメートルおよび幅が12ミリメートル、厚さが3.2ミリメートルの大きさの厚板ガムのピースへとスコアリングする。21℃の室温および40%の相対湿度での12時間の状態調節後、このガムをばらばらにし、そしてこのガムは、噛んだ際に、柔らかいシェルを有するということが判明し、低度のクランチ質を呈する。
【0226】
実施例6〜8
コーティングされた生地様の菓子物質をそれぞれブロック形状のピース、ペレットおよび棒へとスコアリングすることを除いて、実施例5のプロセスを繰り返す。チューインガムのピースは、柔らかいシェルを有するということが判明し、かつ低度のクランチ質を呈する。
【0227】
実施例9〜12
生地様の物質の量を増やして、このチューインガム組成物の総重量に基づいて40重量%に等価なコーティング厚さを与えるということを除いて、実施例5〜8のプロセスを繰り返す。チューインガムのピースは、柔らかいシェルを有するということが判明し、かつ低度のクランチ質を呈する。
【0228】
実施例13〜20
クランチ質を有さずかつ滑らかなテキスチャを有する柔らかいコーティングを形成するために表3に示される生地様の菓子物質を使用することを除いて、実施例5〜12のプロセスを繰り返す。
【表3】

【0229】
キサンタンガムプレミックスを、撹拌下で、微粒子ポリオールと合わせる。次いで残りの成分を逐次的に加える。次いでこの生地様の菓子物質を、これまでに記載されたとおりに、ガム組成物に付与する。
【0230】
このようにして製造したガムピースは、噛んだ際に柔らかく、クランチ質を呈しない。このコーティングのテキスチャは滑らかである。
【0231】
実施例21〜28
コーティング組成物が表4に示されるものであることを除いて、実施例5〜12のプロセスを繰り返す。このコーティングは、粗くなった表面を有して柔らかく、クランチ質をまったく呈しない。
【表4】

【0232】
実施例29〜36
コーティング組成物が表5に示されるものであることを除いて、実施例5〜12のプロセスを繰り返す。このコーティングは硬く、ハードパンニングされたコーティングに匹敵する高度のクランチ質を呈する。
【表5】

【0233】
実施例37〜68
コアが片側で表2のコーティング組成物でコーティングされ、他方でそのコアの反対側が表3のコーティング組成物でコーティングされていることを除いて、実施例5〜36のプロセスを繰り返す。
【0234】
実施例69〜100
コアが片側で表4のコーティング組成物でコーティングされ、そのコアの反対側が表5のコーティング組成物でコーティングされていることを除いて、実施例5〜36のプロセスを繰り返す。
【0235】
実施例101〜132
表6に示される組成を有するコアガム組成物を用いることを除いて、実施例5〜36のプロセスを繰り返す。
【表6】

【0236】
このように製造したガムピースについてのコーティングは、実施例5〜36について上で記載したのと同じ柔らかさ/硬さ/クランチ質感覚を呈する。
【0237】
実施例133〜164
表7に示される組成を有するコアガム組成物を用いることを除いて、実施例5〜36のプロセスを繰り返す。
【表7】

【0238】
このように製造したガムピースについてのコーティングは、実施例5〜36について上記のものと同じ柔らかさ/硬さ/クランチ質感覚を呈する。
【0239】
実施例165〜196
コア物質として使用するためのキャンディー組成物を、表8に示される成分から調製する。
【表8】

【0240】
標準的な混合機を70℃に加温する。水素化デンプン加水分解物、(好ましくは粉末形態で、または好ましくはポリグルシトール)、硬化脂肪および上記マルチトールシロップをその混合機に加え、3〜5分間撹拌する。次いで上記ポリオールを、撹拌下で、10分間にわたって加える。均一な塊が形成されるまで、この混合物を加温温度で維持する。この塊を室温まで放冷し、次いで高甘味度甘味料および香料を加える。
【0241】
次いでこのキャンディー組成物を、実施例5〜36に関連して上で記載したのと同様にしてコーティングし、コーティングされたキャンディー製品を形成する。このコーティングは、実施例5〜36について記載したのと同じ柔らかさ/硬さ/クランチ感覚を呈する。
【0242】
実施例197〜238
咀嚼サイクル全体にわたって柔らかい噛感特性を呈するガムコアを使用して、ガム製品を調製する。このガムコアの組成を表9に示す。このガムコアを、それぞれ表2〜5に開示するコーティング組成物でコーティングする。
【表9】

【0243】
このガムコアを、以下の手順に従って調製する。混合機を90℃に加温する。ガムベースを、そのガムベースが液状になるまで、撹拌下でこの混合機に加える。可塑剤、タルク、冷感化合物および着色料を加える間、この混合機を徐々に40℃まで冷却させる。この混合機が40℃に到達すると、香料を撹拌下で加え、次いで高甘味度甘味料を加える。コーティング後、得られたガム製品は、実施例5〜36に関連して上に記載したのと同じ柔らかさ/硬さ/クランチ質感覚を呈する。
【0244】
実施例229〜260
50重量%の表8に示すキャンディーおよび表9に示すソフトガムコア物質の均一な混合物(表10を参照)から構成されるコアを使用して、それぞれ表2〜5に示すコーティングを有するガム/キャンディー製品を形成する。
【表10】

【0245】
コーティング後、得られたガム/キャンディー製品は、実施例5〜36に関連して上に記載したのと同じ柔らかさ/硬さ/クランチ質感覚を呈した。
【0246】
実施例261〜264
5つのコーティング組成物を調製し、凝集、粘着、および粘度について試験する。これらの組成物の詳細は表11に記載しており、表中では成分量は、全組成物に基づいた重量パーセント単位で表している。このマルチトールは、約200マイクロメートルの平均粒径を有するRoquette MALTISORB P200として入手した。
【0247】
平均凝集力の値(グラム/センチメートル(g/cm)の単位で表される)を、以下の手順に従って23℃で測定した。この生地を、直径15ミリメートルの円筒形の試料ホルダーの中に入れる。この試料ホルダーを、テキスチャ分析器(TA−XT2i、Texture Technologies Corp.、ニューヨーク州、スカーズデール(Scarsdale))に載せ、この生地が引き裂かれるまで、引き離す。試料ホルダーの移動の速度は1ミリメートル/秒である。この試料を引き裂くために必要とされる最大の力を記録し、算出し、そしてグラム毎平方センチメートルの単位で報告する。
【0248】
平均粘着力の値(グラム/センチメートル(g/cm)の単位で表される)を、以下の手順に従って23℃で測定した。一辺が20ミリメートルの生地の立方体を、テキスチャ分析器に取り付けた平坦な卓の上に置く。7ミリメートルの直径を有する円筒形のプローブを、この装置の可動式アームに取り付ける。このプローブは、2ミリメートル/秒の速度で、卓の表面の1ミリメートル上方の高さ位置に到達するまで、下降する。記録された最大の力は、膜を形成するために必要とされる圧縮力として、グラム毎平方センチメートル単位で報告される。このプローブは、1ミリメートルで10秒間留まってその物質を緩和させ、そして2ミリメートル/秒の速度で上昇する。このプローブを生地から退却させるために必要とされる力を、その生地の粘着性として、グラム毎平方センチメートルの単位で報告する。
【0249】
レオロジーパラメータG’およびG”(各々、キロパスカル(kPa)の単位で表される)、およびtan δ、および粘度値(パスカル−秒(Pa.s)の単位で表される)を、以下の手順に従って23℃で測定した。生地(約5グラム)の試料を、Rubber Process Analyzer(RPA 2000、ALPHA Technologies、オハイオ州、アクロン(Akron))の試料ホルダー(0.487ミリメートルの間隙を有する双円錐形ダイ)の中に置き、そのレオロジー特性を振動モードで測定する。振動の速度は10〜1000サイクル毎分で変え、振動の角度は13.95%で固定する。複素粘度、せん断速度、弾性係数(G’)、損失弾性率(G”)およびtan δなどの、この生地を特徴付けるパラメータを報告する。複素粘度は、せん断応力の強制調和振動の間に測定される周波数依存的な粘度関数である。それは複素せん断弾性率に関連し、粘性応力とせん断応力との間の角度を表す。2つの固定された平行の平板の間を流れる流体についてのせん断速度は、平板の動きの速度をその平板間の距離で割ったものとして定義される。弾性係数G’は、変形の間に蓄えられるエネルギーの測定値であり、エラストマーの固体様の部分または弾性部分に関連する。損失弾性率G’は、変形の間に失われるエネルギー(通常、熱として失われる)の測定値であり、エラストマーの液体様の部分または粘性部分に関連する。tan δは、物質がエネルギーを散逸させる能力を示し、tan δ=G”/G’である。また流動挙動指数(n)は、Ostwald(オストヴァルト)の関係:せん断応力はせん断歪み速度のn乗に比例する(つまり、せん断応力=kγ)、における指数によって与えられる。1というnの値はニュートン挙動を示し、擬塑性の非ニュートン挙動が増すほど、この挙動指数はゼロに向かって低下する(例えば、0.25%キサンタン溶液はn=0.4を有する)。当該拡散制御物質の非ニュートン挙動は重要である。高せん断速度での当該拡散制御物質のより低い粘度によって、固体が混ぜ込まれることが可能になる。静止中の低せん断速度での高粘度は、物質の完全性を維持するのに役立つ。
【表11】

【0250】
実施例265〜280
20重量パーセント、30重量パーセント、40重量パーセント、および50重量パーセントでの4つの拡散制御物質の水性ゾルを調製し、そのレオロジー特性を試験した。
【0251】
各ゾルについて、粘度パラメータを上記のようにして測定し、その結果を表12に提示する。それらの結果は、それら拡散制御物質ゾルの擬塑性を実証する。
【表12】

【表13】

【0252】
実施例281〜284
これらの実施例は、多層の、ミルフィーユタイプの糖菓において硬い層を形成するための、当該菓子組成物の使用を例証する。
【0253】
実施例281は、キャラメル風味付きのソフトキャンディー層と組み合わせて、コーヒー風味付きの硬い層を使用する。この糖菓は、各々がおよそ2センチメートル×1.5センチメートル×2ミリメートルの寸法を有する3つの硬い層から構成され、それらの層の間に、各々が約2センチメートル×1.5センチメートル×2〜4ミリメートルの寸法を有するソフトキャンディーの2つの層がサンドイッチされている。
【0254】
硬い層についての説明のための組成物は表13に与えられている。
【表14】

【0255】
柔らかい層についての説明のための組成物は表14に与えられている。
【表15】

【0256】
上記硬い層組成物を調製し、約2ミリメートルの厚さの層へと形成した。約1.5センチメートル×2センチメートルの長方形をこの層から切り出し、60℃で1日間、状態調節した。上記柔らかい層組成物を調製し、常温で1日間保持し、次いで約2〜4ミリメートルの厚さの層へと形成した。得られたソフトキャンディー層を5℃に冷却し、次いで約1.5センチメートル×2センチメートルの長方形へと切り出した。この糖菓を、底から上へと、硬い糖菓の1つの長方形、柔らかい糖菓の1つの長方形、硬い糖菓の第2の層、柔らかい糖菓の第2の層、および硬い糖菓の第3の層を積み重ねることによって一まとめにした。この糖菓をアルミニウム箔の袋の中に包装した。
【0257】
実施例282については、硬い層がイチゴ風味付きであり、柔らかい層がミルク風味付きであることを除いて、同様の手順に従った。実施例283については、硬い層はチョコレートで風味付きであり、柔らかい層はチーズで風味付けされていた。実施例284については、硬い層および柔らかい層はともにミント風味付きであった。
【0258】
実施例285
この実施例は、シグマブレードケトル(sigma blade kettle)を使用する、水中の25重量%拡散制御物質(例えば、キサンタンガム)ゾルの調製のための手順を記載する。200リットルのシグマブレードケトルの中で、120リットルの水および12キログラムの親水コロイドを加え、50回転毎分(rpm)のブレード回転速度で20分間混合する。このゾルを、塊に関して目視検査する。塊があれば、その塊が砕かれるまで混合を継続する。1ミリメートルよりも大きいサイズを有する塊があってはならない。塊が砕かれると、さらなる親水コロイドを(例えば、1キログラム/分で)ゆっくりとケトルに加え、その間、撹拌を50rpmで続ける。大きい塊の形成を避けるために、ガムの表面にわたって均一にこの親水コロイドを散らすように注意する。もしも親水コロイドをあまりにすばやく加えると、大きい塊が形成する可能性がある。添加のための適切な時間はおよそ30分間である。このさらなる親水コロイド(28kg)を添加するとき、混合を50rpmで30分間継続する。ゾルを目視検査する。塊があれば、その塊が砕けるまでさらなる混合を行う。塊がなければ、そのゾルを排出する。上記の手順において、この処理単位は室温で混合される。任意に、このゾルは、約90℃までの高温で混合することができる。任意の浸透圧制御物質が配合のために必要とされる場合は、その浸透圧制御物質を、混合機に加えて溶解させることができる。浸透圧制御物質は、ケトルへの添加の前に、別々に溶解することもできる。この親水コロイドゾルは、4℃の温度で少なくとも15日間、悪影響もなく保存することができる。
【0259】
実施例286
この実施例は、二軸押出機を使用する、水中の25重量%拡散制御物質ゾルの調製のための手順を記載する。親水コロイド(例えば、キサンタンガム)を、2ポンド/時間(0.907キログラム/時間)の割合で、粉末供給装置によって、内径40ミリメートルの二軸押出機の第1のバレルへと供給する。スクリューは、200rpmの速度で回転している。水を、6lbs/hr(約2.7キログラム/時間)の割合で第2のバレル部に注入する。
【0260】
この押出機のスクリューの構成を表15に要約する。すべてのバレルの温度を50℃に設定する。排出した物質を集め、生地様の糖菓の調製のために使用する。この実施例は二軸押出機を利用するが、一軸押出機および他の高せん断混合装置も使用することができる。
【表16】

【0261】
実施例287
この実施例は、二軸押出機での生地様の菓子組成物の調製を記載する。親水コロイドを1.65ポンド/時間(0.748キログラム/時間)の割合で第1のバレルに供給する。水を4.44ポンド/時間(2.014キログラム/時間)の割合で第2のバレルの中へと注入する。ガム香料を0.24ポンド/時間(0.109キログラム/時間)の割合でバレル番号3の中へと注入する。マルチトールシロップ(75%固形分)を7.7ポンド/時間(3.493キログラム/時間)の割合でバレル番号4の中へと供給する。下記の粉末成分を、バレル番号7に連結した二軸サイドフィーダーを介して、以下の割合で供給する:
【表17】

すべてのバレルの温度を40℃に設定する。この生地を集め、菓子製品を作製するために使用する。
【0262】
この書面による説明は、本発明を開示するため、またいずれの当業者も本発明を製造および使用することができるようにするための例(最良の態様を含む)を使用する。本発明の特許を受けることができる範囲は特許請求の範囲によって画定され、そして当業者に思い浮かぶ他の実施例を包含しうる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造的要素を有する場合、またはこのような他の実施例が、特許請求の範囲の文字通りの文言からごくわずかな差異しか有しない均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。
【0263】
すべての引用された特許、特許出願、および他の参考文献は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。しかしながら、本願の用語が援用された参考文献の用語と相反するかまたは矛盾する場合、援用された参考文献からの矛盾する用語よりも本願からの用語が優先する。
【0264】
本願明細書に開示されるすべての範囲は終点を包含し、終点は、独立に、互いに組み合わせることができる。
【0265】
本発明を記載することに関する(とりわけ添付の特許請求の範囲に関する)、用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」および類似の指示語の使用は、本願明細書に特段の記載がない限り、または文脈と明らかに相反しない限り、単数および複数の両方を包含するというように解釈されたい。さらには、用語「第1の」、「第2の」などは、本願明細書では、順序、品質、または重要性を何ら表さず、むしろ1つの要素を別の要素から区別するために使用されるということにさらに留意されたい。量に関連して使用される修飾語句「約」は、明記された値を含み、文脈によって明らかに理解される意味を有する(例えば、明記された量は、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数領域糖菓であって、
a)基材組成物を含む第1の領域と、
b)固体相および液体相を含む菓子組成物を含む第2の領域と
を含み、前記固体相の少なくとも主要部分は前記液体相によって取り囲まれており、前記固体相は複数の固体微粒子を含み、前記液体相は液体および拡散制御物質の混合物を含む、複数領域糖菓。
【請求項2】
前記基材組成物は、ハードキャンディー組成物を含む、請求項1に記載の複数領域糖菓。
【請求項3】
前記基材組成物は、ソフトキャンディー組成物を含む、請求項1または請求項2に記載の複数領域糖菓。
【請求項4】
前記基材組成物は、チョコレート組成物を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項5】
前記固体微粒子は、糖および糖アルコールから選択される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項6】
前記固体微粒子は、25℃で水100グラムあたり約140〜約200グラムの水溶性を有する糖アルコールである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項7】
前記固体微粒子はマルチトールを含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項8】
前記拡散制御物質は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、加工デンプン、イヌリン、コンニャク、キトサン、トラガント、カラヤ、ガッティ、カラマツ、カラギーナン、アルギン酸塩、化学的に修飾されたアルギン酸塩、寒天、グアー、ローカストビーン、シャゼンシ、タラ、ジェラン、カードラン、プラン、アラビアガム、ゼラチン、およびペクチン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項9】
前記拡散制御物質は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項10】
前記拡散制御物質はキサンタンガムを含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項11】
前記液体は、水、グリセリン、および水素化デンプン加水分解物からなる群から選択される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項12】
前記液体は、前記菓子組成物の重量に基づいて約20重量%までの量で存在する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項13】
前記液体は、前記菓子組成物の重量に基づいて約4〜約12重量%の量で存在する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項14】
前記菓子組成物は、約50〜約98重量%の前記固体微粒子、および約2〜約20重量%の前記硬化した拡散制御物質を含み、すべての重量%値は、前記菓子組成物の総重量に基づき、
前記固体微粒子はマルチトールを含み、
前記硬化した拡散制御物質はキサンタンガムを含む、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項15】
前記第1の領域または前記第2の領域のうちの1つと同じである第3の領域をさらに含む、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項16】
前記第1の領域または前記第2の領域のうちの少なくとも1つとは異なる第3の領域をさらに含む、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項17】
前記第2の領域は、少なくとも部分的に前記第1の領域を取り囲む、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項18】
前記第2の領域は、前記複数領域糖菓の外部表面を形成する、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項19】
複数領域糖菓であって、
a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および
約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾルを含む第1の菓子領域であって、前記拡散制御物質ゾルは
約4〜約12重量%の液体、および
約2〜約12重量%の拡散制御物質を
含み、すべての重量パーセントは前記第1の菓子領域の総重量に基づき、前記第1の菓子領域は加工前の第1の水分含量、加工中の第2の水分含量、および加工後の第3の水分含量を有する第1の菓子領域と、
b)基材組成物を含む第2の基材領域と
を含む複数領域糖菓。
【請求項20】
前記第1の水分含量は約8%〜約15%であり、前記第2の水分含量は約4%〜約6%であり、前記第3の水分含量は2%未満であり、すべての重量パーセントは前記第1の菓子領域の総重量に基づく、請求項19に記載の複数領域糖菓。
【請求項21】
前記固体微粒子はマルチトールを含み、
前記拡散制御物質はキサンタンガムを含み、
前記液体は水を含む、
請求項19または請求項20に記載の複数領域糖菓。
【請求項22】
前記固体微粒子は、前記第1の菓子領域全体にわたって均一に分散している、請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項23】
前記第1の菓子領域は実質的に気泡を含まない、請求項19から請求項22のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項24】
単独の第1の菓子領域を含む、請求項19から請求項23のいずれか1項に記載の複数領域糖菓。
【請求項25】
複数領域糖菓の形成方法であって、
a)約76〜約94重量%の固体微粒子、および
約6〜約24重量%の拡散制御物質ゾル
をブレンドして菓子組成物を形成する工程であって、前記拡散制御物質ゾルは、
約4〜約12重量%の液体、および
約2〜約12重量%の拡散制御物質
を含み、すべての重量パーセントは前記菓子組成物の総重量に基づく工程と、
b)前記菓子組成物を菓子層へと形成する工程と、
c)前記菓子層を、基材組成物を含む可食基材に付与する工程と
を含む方法。
【請求項26】
工程b)およびc)は、前記菓子組成物および前記基材組成物を共押出しすることによって行われる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程b)は、前記菓子層をローラー上で形成することを含み、工程c)は、前記菓子層を前記ローラーから前記可食基材へと移すことを含む、請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項28】
工程b)は、前記菓子組成物をシートに形成することと、前記シートの端部を切り落として切り落とされた物質を形成することと、工程b)の菓子組成物の少なくとも一部分として使用するために、前記切り落とされた物質の少なくとも一部分を再利用することを含む、請求項25から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記菓子層の中の液体の量を減少させる工程をさらに含む、請求項25から請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
合わせた菓子層および可食基材に圧力を加える工程をさらに含む、請求項25から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
工程a)およびb)のうちの少なくとも1つは、ほぼ常温で行われる、請求項25から請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
工程b)は、前記菓子組成物を、ターゲットローラーを含むローラーアセンブリに付与することであって、得られた菓子層は前記ターゲットローラーに解放可能に付着することを含み、
工程c)は、前記菓子層を前記ターゲットローラーから前記可食基材へと移すことを含む、
請求項25から請求項31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記ローラーアセンブリは、反対方向に回転するターゲットローラーおよび補助ローラーを具える少なくとも1対の回転ローラーであって、前記対の回転ローラーはある間隙だけ隔てられている、少なくとも1対の回転ローラーを含み、前記方法は、前記菓子組成物を前記間隙の中に、かつ両方の回転ローラーと動作接触した状態に置く工程と、前記菓子組成物を圧縮して層または領域を形成する工程と、前記菓子組成物の層または領域を前記ターゲットローラーに優先的に付着させる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ターゲットローラーが前記可食基材と接触するときよりも前に、前記ターゲットローラーが回転するにつれて前記菓子組成物が前記ターゲットローラー上に優先的に保持されように、前記対のローラーについての少なくとも1つの目標パラメータを調整する工程をさらに含む、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記目標パラメータは、前記間隙のサイズ、前記対のローラーの速度、前記間隙の近傍での前記対のローラーによる前記菓子組成物への圧力、および前記菓子組成物の粘度からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記菓子組成物を前記ターゲットローラーから前記可食基材へと移す工程は、
前記菓子組成物が前記可食基材と接触しているように、前記ターゲットローラーを前記可食基材に隣接して配置すること、および
前記菓子組成物が前記可食基材の表面上へと優先的に付与され、かつ前記可食基材と接触したまま留まるように、前記ターゲットローラーによる前記可食基材上での圧力を調整すること
を含む、請求項32から請求項35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記ローラーアセンブリは、少なくとも2対の回転ローラーを含む、請求項32から請求項36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記ターゲットローラーは円筒形であり、かつ前記菓子組成物を受けるための連続的に曲線をなす外部表面を有する、請求項32から請求項37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記ターゲットローラーは、前記菓子組成物を受けるための非円筒形の外部表面を有する、請求項32から請求項38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記工程を少なくとも1回繰り返して、複数領域糖菓を得る、請求項32から請求項39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
従来のハードパンニングまたはソフトパンニング技術によってコーティング物質の少なくとも1つの層を付与する工程をさらに含む、請求項32から請求項40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
合わせた菓子層および可食基材をほぼ室温で乾燥する工程をさらに含む、請求項25から請求項41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
請求項25から請求項42のいずれか1項に記載の方法によって製造される糖菓。
【請求項44】
請求項29に記載の方法によって製造される糖菓。
【請求項45】
糖菓を形成するための装置であって、
約76〜約94重量%の固体微粒子、および
約6〜約24重量%の、
約4〜約12重量%の液体、および
約2〜約12重量%の拡散制御物質
を含む拡散制御物質ゾルをブレンドして菓子組成物を形成するための手段であって、すべての重量パーセントは前記菓子組成物の総重量に基づく、手段と、
前記菓子組成物を菓子層へと形成するための手段と、
前記菓子層を基材組成物を含む可食基材に付与するための手段と、
を含む装置。
【請求項46】
合わせた菓子層および可食基材の中の液体の量を減少させるための手段をさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記菓子組成物を常温で維持するための手段をさらに含む、請求項45または請求項46に記載の装置。
【請求項48】
合わせた菓子層および可食基材を常温で維持するための手段をさらに含む、請求項45から請求項47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記菓子層を可食基材に付与するための手段は、ローラーアセンブリであって、
a)菓子組成物が挿入される間隙だけ間隔が空けられた少なくとも1つの第1の対の回転ローラーであって、前記第1の対の回転ローラーのうちの1つは前記生地様の菓子物質の層または領域を受けるためのターゲットローラーである、少なくとも1つの第1の対の回転ローラーと、
b)前記菓子組成物が前記間隙を通って移動するにつれて、前記菓子組成物を前記層または領域へと形成するための手段と、
c)前記菓子組成物の層または領域を前記ターゲットローラー上へと優先的に保持するための手段と、
d)前記層または領域を前記ターゲットローラーから前記可食基材へと移すための手段と、
を含むローラーアセンブリを含む、請求項45から請求項48のいずれか1項に記載の装置。
【請求項50】
前記基材との接触後に前記層または領域に圧縮力を加えるための、前記第1の対の回転ローラーの下流に配置される少なくとも1つの圧縮ローラーをさらに含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記層または領域上の圧縮力を調整するための手段をさらに含む、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記圧縮力は、前記液体の一部分を前記層または領域の表面へと移行させるのに十分である、請求項50または請求項51に記載の装置。
【請求項53】
複数領域糖菓を形成するための装置であって、
a)基材組成物を含む可食基材を押出すための第1の押出手段を含む押出アセンブリと、
b)菓子組成物を、前記可食基材と接触して層または領域へと押出して、菓子物質中間生成物を形成するための第2の押出手段と、
c)前記菓子物質中間生成物の中の水の量を減少させて、前記複数領域糖菓を形成するための手段と、
を含む装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−516676(P2012−516676A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538074(P2011−538074)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007718
【国際公開番号】WO2010/061291
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(503203649)日本クラフトフーズ株式会社 (6)
【出願人】(511220614)クラフト・フーズ・グローバル・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】