複輪タイヤ間隙装着滑り防止補助具
【課題】複輪間隙装着滑り防止補助具の接地面の両端を曲面化し、スパイクピンの接地圧を上げ、適切な曲率半径を定めることにある。
【解決手段】複輪間隙装着滑り防止具の接地面の両端を曲面化することで、接地面に埋設したスパイクピンにかかる接地圧を上げることが可能となった。また、8.5%勾配模擬氷板坂道の登坂が可能なことから、スパイクピンの連続接地性を高めることができる。さらに、中央接地平面と曲面接地面との間に溝を施すことで、滑り防止補助具5のように曲面接地面の曲率半径をなるべく大きくすることで、非積載状態での連続接地性を高めることが可能である。
【解決手段】複輪間隙装着滑り防止具の接地面の両端を曲面化することで、接地面に埋設したスパイクピンにかかる接地圧を上げることが可能となった。また、8.5%勾配模擬氷板坂道の登坂が可能なことから、スパイクピンの連続接地性を高めることができる。さらに、中央接地平面と曲面接地面との間に溝を施すことで、滑り防止補助具5のように曲面接地面の曲率半径をなるべく大きくすることで、非積載状態での連続接地性を高めることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複輪タイヤを構成する一対のタイヤの向かい合うサイドウォールの間隙に挿入装着する滑り防止補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複輪タイヤの間隙に挿入装着する滑り防止具は、複輪タイヤの非接地側の複輪間隔最小位置の間隙幅よりは若干小さく、接地側の間隙最小幅よりは大きく設計してあるために、非接地側間隙から着脱が可能であり、さらに、装着状態での滑り防止具の接地面高さが非接地側での新品の複輪タイヤの接地面高さと比較して、同等かあるいはタイヤの回転中心に向かって低く設計していることを特徴としている。
また、金属製タイヤチェーンと比較して、走行に伴う振動や騒音が低く、スタッドレス複輪タイヤへの装着併用では、スタッドレスタイヤのもつ滑り防止性能を損なうことのない滑り防止具の可能性を秘めている。
【0003】
しかし、2tトラック用滑り防止補助具の性能を北海道士別市の士別寒冷地試験場において、平成18年2月の(財)日本自動車交通安全用品協会の滑り止め認定委員主催の認定試験に臨んだ結果、2t積載状態の全輪スタッドレスタイヤ装着車との比較において、圧雪路面での制動90.7%(90.9%以下で合格)及び12%勾配圧雪路登坂試験(何とか登坂できる)状態で圧雪路面に残された滑り防止補助具6の痕跡は複輪タイヤの痕跡に比べると弱々しく、氷盤路面の制動試験ではスタッドレス装着車に劣り、なおかつ8%勾配氷盤路面では再発進(全輪スタッドレス車も不可能)どころか一旦停止もできないという欠点があった。
【0004】
特に、氷盤路面制動においては、初期制動時速40km±2kmからのABS解除状態でのフル制動においては、全輪スタッドレス装着車の制動距離平均が88.85m(×83.3%=74.04m以下で合格)であったのに対して平均100.28mとなり、全輪夏タイヤに滑り防止補助具6を装着した2t積載状態のトラックの停止位置までの最後の20〜30mは時速5km以下でなかなか停止しないなどの問題があった。
また、図9に示すように、1個の滑り防止補助具6の接地面には11本のスパイクピンを埋設しているが、氷盤路面制動の際に残された痕跡は3本しか見られない場合があり、図20の様な接地形態となっている可能性が高く、滑り防止補助具6の端面がスパイクピンの接地を阻害し、さらに、接地面中央部のスパイクピンは接地していない時があることが予想される。
【0005】
この改善策として、1輪あたりに装着する滑り防止補助具6の個数を増やす方法あるいは、滑り防止補助具6の接地面に埋設するスパイクピンの数を増やす方法やスパイクピンの飛び出し量を多くする方法がある。しかしながら、これらの方法では、表1に示しているが、先の(財)日本自動車交通安全用品協会が定めたスパイクピンの突き出し量の小型トラック用数値規定1260を超える可能性が高く、認定試験申請時に却下となり、結果として高速道路での使用が認められないこととなる。
あるいは、滑り防止補助具6の接地面に溝加工を施して、接地面積を小さくすることで接地圧を上げる方法や接地面の曲面化をすることで接地圧を上げる方法が考えられるが、どれほどの接地面積が妥当なのか、あるいはどのような接地曲面にすれば、接地圧を上げ、かつ登坂路面でのスパイクピンの連続接地が可能なのかは知られていない。
【特許文献1】特許第2544254号公報
【特許文献2】特許第3386136号公報
【特許文献3】特許第3579033号公報
【0006】
【表1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、特許第3579033号で述べている滑り防止補助具6の接地面の接地圧が、装着する複輪タイヤの接地圧に比べて6〜7割程度となっている点であり、8%勾配氷盤路面登坂のためには滑り防止補助具のスパイクピンを連続接地させる必要がある点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、図27で示す様に、鉄骨で全長5.5m勾配8.5%の坂道を制作し、2tトラックの後輪複輪タイヤが接地する部分に板状のロックアイスを長さ1m程敷き詰めた模擬氷板坂道を使い、2tトラックに1000L水タンクを2基積載し、さらにタンクに水を注入して2t積載状態で、一旦停止後の再発進性能を調べた。
この8.5%勾配模擬氷板坂道は、後輪4本のみをスタッドレスタイヤに交換した2tトラックを一旦停止させた後、再発進を試みたが、士別寒冷地試験場の8%勾配氷盤路面と同様にタイヤが空転して登坂出来ない仕様となっている。
本発明は、再発進可能な滑り防止補助具の形状を求めるために、接地面が平面である従来の滑り防止補助具6の接地部両端をベルトサンダーで切削曲面加工して再発進実験を行い、最適な曲面の半径を特定したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の滑り防止補助具は、スパイクピンの突き出し量および埋設本数が表1のライトトラック用数値規定内にありながら、8.5%勾配模擬氷板坂道において再発進が可能となっていることから、滑り防止補助具スパイクピンの連続接地という利点がある。
また、8.5%勾配の模擬氷板坂道から後退する際に、時速2〜3kmと遅いスピードとは言え、ブレーキを掛けてその場に停止できることから、氷盤制動においても着実なる減速が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
滑り防止補助具に埋設したスパイクピンにかかる接地圧を上げ、なおかつアイスバーン登坂性能を上げるためのスパイクピンの連続接地性を高める為には、図1に示すように、複輪タイヤ間隙装着の滑り防止補助具の両端をタイヤ外半径からオフセット量+αを除いた曲率を持たせ、中央部と曲面の間に溝加工を施した滑り防止補助具が、滑り防止補助具Aである。
195/75R15用滑り防止補助具Aの曲率半径は、195/75R15サイズのタイヤ外半径339.5mmからオフセット量4mmを除いた値からタイヤの外径679mmの1/20の33.9mmの間の数値である108mmとしている。
この滑り防止補助具Aの曲面接地部に埋設したスパイクピンの高さは、滑り防止補助具Aの平面接地部に埋設したスパイクピンの高さより1mm〜2mm程度低くなるようにαの値を決定し、曲面接地部のスパイクピンがなるべく滑り防止補助具Aの端面近くに来るように設計している。
【0011】
また、図3に示すように、滑り防止補助具Aの曲面部に2本のスパイクピン埋設する図3中の水平位置をもう一方の曲面部に3本のスパイクピンを埋設する水平位置と中央平面部に埋設した上側2本のスパイクピンの水平位置の中間にすることで、図22や図24で示す様に隣り合う滑り防止補助具どうしが接地する場合に、効果的なスパイクピンの接地が期待できる。
【実施例1】
【0012】
2tトラックの後輪タイヤサイズは195/75R15で、タイヤ外径が679mmとなっている。そこで、平面な接地面をもつ従来の滑り防止補助具6の両端をベルトサンダーで削り、図4の様にタイヤ外径の1/20=33.9mmの曲率半径になるようにした滑り防止補助具B(図面符合5)を制作した。
滑り防止補助具本体のゴム成形の際に一体成型されるスパイクピンを埋設する穴は、曲面切削により深さが浅くなるので、深さを調整するために、+2mmドリル加工を施して、スパイクピンの突き出し量を合わせている。
そのため、図5に示すように、曲面化した接地面に埋設したスパイクピンの高さは、中央部のスパイクピンの位置から2mm程度低くなっている。
【0013】
曲面加工した滑り防止補助具Bを図10、図11並びに図12に示す様に従来の滑り防止補助具6と同様に35系列ローラーチェーン7、六角穴付ボルト8、ナット9、角パイプ10、金属プレート11を使用して、複輪タイヤ1輪当たり15個を固定し、ローラーチェーンの端末にボルト付接続器具13と穴開き接続器具14を接続して、ナット15で固定した。
195/75R15ノーマル複輪タイヤの間隙に接続した様子を図13、図14ならびに図15に示しているが、図13はアウタータイヤ2を外して見た場合の正面図である。
【0014】
2t積載状態にしたトラックを、ロックアイスを敷き詰めた8.5%勾配模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能の有無を確認した。
3回一旦停止後、再発進を行い、良好な結果を得ている。
さらに、模擬氷板坂道から後退する際に、ブレーキを掛けて、停止性能を確認してみた所、後退の時速は2〜3km遅いものであったが、スリップすることなく停止することが出来た。
このことから、実際の氷盤路面制動に於いても良好な結果が得られるものと期待できる。
【0015】
ここで、図25に示すように、接地面が平面である従来の滑り防止補助具6が図19の様に接地する場合の接地面の面積は28.2cm2であるのに対して、この滑り防止補助具Bが図21の様に1個のみ接地した場合の中央部の接地面積は、図26のように5.90cm2しかなく、そのため、滑り防止補助具Bに掛かる接地圧は約4.8倍になっているものと考えられる。
また、従来の滑り防止補助具6の接地圧は複輪タイヤの充填空気圧の0.6〜0.7倍程度であることから、図26に示す面積には、複輪タイヤの充填空気圧の約2.9〜3.7倍の接地圧になり、結果として、8.5%勾配模擬氷板坂道での再発進性能を確保できたものと思われる。
【0016】
この滑り防止補助具Bに掛かる接地圧は複輪タイヤの充填空気圧により決定されるが、積載状態と非積載状態では、タイヤの撓みが変わり、結果として、タイヤ1回転あたりの滑り防止補助具Bが接地する機会が少なくなる。すなわち、隣り合った滑り防止補助具Bが図22のように接地した場合に、滑り防止補助具Bの中央部のスパイクピンが接地する機会が少ない事が考えられるが、非積載状態における8.5%模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能も確認できた。
【実施例2】
【0017】
2tスタッドレスタイヤ(195/75R15)用滑り防止補助具に関しても、接地面が平面であることから、実施例1と同様に、接地平面の両端を削って清く面とし、同様の接続方法でローラーチェーンに固定し、後輪をスタッドレスタイヤに替えた2t積載状態で、スタッドレスタイヤのみでは再発進が不可能な8.5%勾配模擬氷板坂道での再発進を試みたところ、一旦停止後、ノーマルタイヤと同様に良好な結果が得られた。
このことからも、金属滑り止めチェーンとスタッドレスタイヤとの併用では、スタッドレスタイヤのもつ滑り防止性能を若干損なうことが知られているが、スタッドレスタイヤと本発明の滑り防止補助具との併用は、スタッドレスタイヤの接地面が路面についているので、それぞれのもつ滑り防止性能の相乗効果が期待できることも分かった。
【実施例3】
【0018】
次に、接地面が平面である従来の滑り防止補助具の両端を複輪タイヤ間隙に装着した場合のタイヤ回転中心からの半径で曲面化した滑り防止補助具Cを図7、図8及び図9に示している。
図7に示すように、2t用滑り防止補助具Cの接地面の曲率は、195/75R15サイズの新品タイヤの外半径335mmからオフセット量4mmを除いた半径としている。
これは、実施例1で行った性能テストのうち、非積載状態での再発進性能は確認しているが、スパイクピンの埋設位置をなるべく接地面の端面近くにし、スパイクピンの連続接地性能を図るために行ったものである。
【0019】
曲面加工した滑り防止補助具Cを実施例1と同様に195/75R15サイズの複輪タイヤ間隙に1輪当たり15個接続した様子を図16、図17及び図18に示している。
曲面化した部分に埋設したスパイクピンの高さは、中央部のスパイクピンの高さと比べて1mm低くなっている。
【0020】
2t積載状態にしたトラックを使って、8.5%勾配模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能の有無の確認を行ったところ、一旦停止も再発進もどちらも行える事及び、後退時にブレーキを掛けてその場に止まる事が実施例1と同様に行うことができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0021】
従来の接地面が平面である滑り防止補助具を使って、18年2月の(財)日本自動車交通安全用品協会の2t積載状態で648.3km完走した耐久テストでは装置に異常は見受けられなかった事から、従来の滑り防止補助具と比べて、滑り防止性能の向上が期待できる本発明の滑り防止補助具とスタッドレスタイヤとの併用は、それぞれの持つ滑り防止性能の相乗効果により、アイスバーンやミラーバーンの様な冬期間特有の道路事情に効果が期待できる。
また、本発明の滑り防止補助具と夏タイヤとの併用では、スタッドレスタイヤでも登坂が難しいかも知れない場所においてもその効果が期待でき、積雪路面登坂が行えることで、積雪による物流の滞りを少しでも解消することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】接地面を曲面化し、溝加工を施した滑り防止補助具Aの正面図である。
【図2】滑り防止補助具Aの側面図である。
【図3】滑り防止補助具Aの接地面を示した下面図である。
【図4】接地面を曲面化した滑り防止補助具Bの正面図である。
【図5】滑り防止補助具Bの側面図である。
【図6】滑り防止補助具Bの接地面を示した下面図である。
【図7】接地面を曲面化した滑り防止補助具Cの正面図である。
【図8】滑り防止補助具Cの側面図である。
【図9】滑り防止補助具Cの接地面を示した下面図である。
【図10】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の正面図で、図11のA−Aに沿う一部断面図ある。
【図11】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の側面図である。
【図12】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の下面図である。
【図13】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した正面図である。(実施例1)
【図14】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した側面図である。(実施例1)
【図15】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した上面図である。(実施例1)
【図16】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した正面図である。(実施例2)
【図17】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した側面図である。(実施例2)
【図18】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した上面図である。(実施例2)
【図19】従来の接地面が平面である滑り防止補助具が接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図20】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図21】滑り防止補助具Bが接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図22】滑り防止補助具Bの隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図23】滑り防止補助具Cが接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図24】滑り防止補助具Cの隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図25】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の接地面とその計測面積を示している。(195/75R15用)
【図26】滑り防止補助具B及びCの中央部が接地した場合の形状とその計測面積を示している。(195/75R15用)
【図27】8.5%勾配模擬氷板坂道の模式図である。
【符号の説明】
【0023】
1 インナータイヤ
2 アウタータイヤ
3 接地面曲面化滑り防止補助具A
4 接地面曲面化滑り防止補助具B
5 接地面曲面化滑り防止補助具C
6 接地面が平面である従来の滑り防止補助具
7 ローラーチェーン
8 六角穴付ボルト
9 ナット
10 角パイプ
11 金属プレート
12 スパイクピン
13 ボルト付接続器具
14 穴開き接続器具
15 ナット
16 ホイール
【技術分野】
【0001】
本発明は、複輪タイヤを構成する一対のタイヤの向かい合うサイドウォールの間隙に挿入装着する滑り防止補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複輪タイヤの間隙に挿入装着する滑り防止具は、複輪タイヤの非接地側の複輪間隔最小位置の間隙幅よりは若干小さく、接地側の間隙最小幅よりは大きく設計してあるために、非接地側間隙から着脱が可能であり、さらに、装着状態での滑り防止具の接地面高さが非接地側での新品の複輪タイヤの接地面高さと比較して、同等かあるいはタイヤの回転中心に向かって低く設計していることを特徴としている。
また、金属製タイヤチェーンと比較して、走行に伴う振動や騒音が低く、スタッドレス複輪タイヤへの装着併用では、スタッドレスタイヤのもつ滑り防止性能を損なうことのない滑り防止具の可能性を秘めている。
【0003】
しかし、2tトラック用滑り防止補助具の性能を北海道士別市の士別寒冷地試験場において、平成18年2月の(財)日本自動車交通安全用品協会の滑り止め認定委員主催の認定試験に臨んだ結果、2t積載状態の全輪スタッドレスタイヤ装着車との比較において、圧雪路面での制動90.7%(90.9%以下で合格)及び12%勾配圧雪路登坂試験(何とか登坂できる)状態で圧雪路面に残された滑り防止補助具6の痕跡は複輪タイヤの痕跡に比べると弱々しく、氷盤路面の制動試験ではスタッドレス装着車に劣り、なおかつ8%勾配氷盤路面では再発進(全輪スタッドレス車も不可能)どころか一旦停止もできないという欠点があった。
【0004】
特に、氷盤路面制動においては、初期制動時速40km±2kmからのABS解除状態でのフル制動においては、全輪スタッドレス装着車の制動距離平均が88.85m(×83.3%=74.04m以下で合格)であったのに対して平均100.28mとなり、全輪夏タイヤに滑り防止補助具6を装着した2t積載状態のトラックの停止位置までの最後の20〜30mは時速5km以下でなかなか停止しないなどの問題があった。
また、図9に示すように、1個の滑り防止補助具6の接地面には11本のスパイクピンを埋設しているが、氷盤路面制動の際に残された痕跡は3本しか見られない場合があり、図20の様な接地形態となっている可能性が高く、滑り防止補助具6の端面がスパイクピンの接地を阻害し、さらに、接地面中央部のスパイクピンは接地していない時があることが予想される。
【0005】
この改善策として、1輪あたりに装着する滑り防止補助具6の個数を増やす方法あるいは、滑り防止補助具6の接地面に埋設するスパイクピンの数を増やす方法やスパイクピンの飛び出し量を多くする方法がある。しかしながら、これらの方法では、表1に示しているが、先の(財)日本自動車交通安全用品協会が定めたスパイクピンの突き出し量の小型トラック用数値規定1260を超える可能性が高く、認定試験申請時に却下となり、結果として高速道路での使用が認められないこととなる。
あるいは、滑り防止補助具6の接地面に溝加工を施して、接地面積を小さくすることで接地圧を上げる方法や接地面の曲面化をすることで接地圧を上げる方法が考えられるが、どれほどの接地面積が妥当なのか、あるいはどのような接地曲面にすれば、接地圧を上げ、かつ登坂路面でのスパイクピンの連続接地が可能なのかは知られていない。
【特許文献1】特許第2544254号公報
【特許文献2】特許第3386136号公報
【特許文献3】特許第3579033号公報
【0006】
【表1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、特許第3579033号で述べている滑り防止補助具6の接地面の接地圧が、装着する複輪タイヤの接地圧に比べて6〜7割程度となっている点であり、8%勾配氷盤路面登坂のためには滑り防止補助具のスパイクピンを連続接地させる必要がある点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、図27で示す様に、鉄骨で全長5.5m勾配8.5%の坂道を制作し、2tトラックの後輪複輪タイヤが接地する部分に板状のロックアイスを長さ1m程敷き詰めた模擬氷板坂道を使い、2tトラックに1000L水タンクを2基積載し、さらにタンクに水を注入して2t積載状態で、一旦停止後の再発進性能を調べた。
この8.5%勾配模擬氷板坂道は、後輪4本のみをスタッドレスタイヤに交換した2tトラックを一旦停止させた後、再発進を試みたが、士別寒冷地試験場の8%勾配氷盤路面と同様にタイヤが空転して登坂出来ない仕様となっている。
本発明は、再発進可能な滑り防止補助具の形状を求めるために、接地面が平面である従来の滑り防止補助具6の接地部両端をベルトサンダーで切削曲面加工して再発進実験を行い、最適な曲面の半径を特定したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の滑り防止補助具は、スパイクピンの突き出し量および埋設本数が表1のライトトラック用数値規定内にありながら、8.5%勾配模擬氷板坂道において再発進が可能となっていることから、滑り防止補助具スパイクピンの連続接地という利点がある。
また、8.5%勾配の模擬氷板坂道から後退する際に、時速2〜3kmと遅いスピードとは言え、ブレーキを掛けてその場に停止できることから、氷盤制動においても着実なる減速が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
滑り防止補助具に埋設したスパイクピンにかかる接地圧を上げ、なおかつアイスバーン登坂性能を上げるためのスパイクピンの連続接地性を高める為には、図1に示すように、複輪タイヤ間隙装着の滑り防止補助具の両端をタイヤ外半径からオフセット量+αを除いた曲率を持たせ、中央部と曲面の間に溝加工を施した滑り防止補助具が、滑り防止補助具Aである。
195/75R15用滑り防止補助具Aの曲率半径は、195/75R15サイズのタイヤ外半径339.5mmからオフセット量4mmを除いた値からタイヤの外径679mmの1/20の33.9mmの間の数値である108mmとしている。
この滑り防止補助具Aの曲面接地部に埋設したスパイクピンの高さは、滑り防止補助具Aの平面接地部に埋設したスパイクピンの高さより1mm〜2mm程度低くなるようにαの値を決定し、曲面接地部のスパイクピンがなるべく滑り防止補助具Aの端面近くに来るように設計している。
【0011】
また、図3に示すように、滑り防止補助具Aの曲面部に2本のスパイクピン埋設する図3中の水平位置をもう一方の曲面部に3本のスパイクピンを埋設する水平位置と中央平面部に埋設した上側2本のスパイクピンの水平位置の中間にすることで、図22や図24で示す様に隣り合う滑り防止補助具どうしが接地する場合に、効果的なスパイクピンの接地が期待できる。
【実施例1】
【0012】
2tトラックの後輪タイヤサイズは195/75R15で、タイヤ外径が679mmとなっている。そこで、平面な接地面をもつ従来の滑り防止補助具6の両端をベルトサンダーで削り、図4の様にタイヤ外径の1/20=33.9mmの曲率半径になるようにした滑り防止補助具B(図面符合5)を制作した。
滑り防止補助具本体のゴム成形の際に一体成型されるスパイクピンを埋設する穴は、曲面切削により深さが浅くなるので、深さを調整するために、+2mmドリル加工を施して、スパイクピンの突き出し量を合わせている。
そのため、図5に示すように、曲面化した接地面に埋設したスパイクピンの高さは、中央部のスパイクピンの位置から2mm程度低くなっている。
【0013】
曲面加工した滑り防止補助具Bを図10、図11並びに図12に示す様に従来の滑り防止補助具6と同様に35系列ローラーチェーン7、六角穴付ボルト8、ナット9、角パイプ10、金属プレート11を使用して、複輪タイヤ1輪当たり15個を固定し、ローラーチェーンの端末にボルト付接続器具13と穴開き接続器具14を接続して、ナット15で固定した。
195/75R15ノーマル複輪タイヤの間隙に接続した様子を図13、図14ならびに図15に示しているが、図13はアウタータイヤ2を外して見た場合の正面図である。
【0014】
2t積載状態にしたトラックを、ロックアイスを敷き詰めた8.5%勾配模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能の有無を確認した。
3回一旦停止後、再発進を行い、良好な結果を得ている。
さらに、模擬氷板坂道から後退する際に、ブレーキを掛けて、停止性能を確認してみた所、後退の時速は2〜3km遅いものであったが、スリップすることなく停止することが出来た。
このことから、実際の氷盤路面制動に於いても良好な結果が得られるものと期待できる。
【0015】
ここで、図25に示すように、接地面が平面である従来の滑り防止補助具6が図19の様に接地する場合の接地面の面積は28.2cm2であるのに対して、この滑り防止補助具Bが図21の様に1個のみ接地した場合の中央部の接地面積は、図26のように5.90cm2しかなく、そのため、滑り防止補助具Bに掛かる接地圧は約4.8倍になっているものと考えられる。
また、従来の滑り防止補助具6の接地圧は複輪タイヤの充填空気圧の0.6〜0.7倍程度であることから、図26に示す面積には、複輪タイヤの充填空気圧の約2.9〜3.7倍の接地圧になり、結果として、8.5%勾配模擬氷板坂道での再発進性能を確保できたものと思われる。
【0016】
この滑り防止補助具Bに掛かる接地圧は複輪タイヤの充填空気圧により決定されるが、積載状態と非積載状態では、タイヤの撓みが変わり、結果として、タイヤ1回転あたりの滑り防止補助具Bが接地する機会が少なくなる。すなわち、隣り合った滑り防止補助具Bが図22のように接地した場合に、滑り防止補助具Bの中央部のスパイクピンが接地する機会が少ない事が考えられるが、非積載状態における8.5%模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能も確認できた。
【実施例2】
【0017】
2tスタッドレスタイヤ(195/75R15)用滑り防止補助具に関しても、接地面が平面であることから、実施例1と同様に、接地平面の両端を削って清く面とし、同様の接続方法でローラーチェーンに固定し、後輪をスタッドレスタイヤに替えた2t積載状態で、スタッドレスタイヤのみでは再発進が不可能な8.5%勾配模擬氷板坂道での再発進を試みたところ、一旦停止後、ノーマルタイヤと同様に良好な結果が得られた。
このことからも、金属滑り止めチェーンとスタッドレスタイヤとの併用では、スタッドレスタイヤのもつ滑り防止性能を若干損なうことが知られているが、スタッドレスタイヤと本発明の滑り防止補助具との併用は、スタッドレスタイヤの接地面が路面についているので、それぞれのもつ滑り防止性能の相乗効果が期待できることも分かった。
【実施例3】
【0018】
次に、接地面が平面である従来の滑り防止補助具の両端を複輪タイヤ間隙に装着した場合のタイヤ回転中心からの半径で曲面化した滑り防止補助具Cを図7、図8及び図9に示している。
図7に示すように、2t用滑り防止補助具Cの接地面の曲率は、195/75R15サイズの新品タイヤの外半径335mmからオフセット量4mmを除いた半径としている。
これは、実施例1で行った性能テストのうち、非積載状態での再発進性能は確認しているが、スパイクピンの埋設位置をなるべく接地面の端面近くにし、スパイクピンの連続接地性能を図るために行ったものである。
【0019】
曲面加工した滑り防止補助具Cを実施例1と同様に195/75R15サイズの複輪タイヤ間隙に1輪当たり15個接続した様子を図16、図17及び図18に示している。
曲面化した部分に埋設したスパイクピンの高さは、中央部のスパイクピンの高さと比べて1mm低くなっている。
【0020】
2t積載状態にしたトラックを使って、8.5%勾配模擬氷板坂道での一旦停止後の再発進性能の有無の確認を行ったところ、一旦停止も再発進もどちらも行える事及び、後退時にブレーキを掛けてその場に止まる事が実施例1と同様に行うことができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0021】
従来の接地面が平面である滑り防止補助具を使って、18年2月の(財)日本自動車交通安全用品協会の2t積載状態で648.3km完走した耐久テストでは装置に異常は見受けられなかった事から、従来の滑り防止補助具と比べて、滑り防止性能の向上が期待できる本発明の滑り防止補助具とスタッドレスタイヤとの併用は、それぞれの持つ滑り防止性能の相乗効果により、アイスバーンやミラーバーンの様な冬期間特有の道路事情に効果が期待できる。
また、本発明の滑り防止補助具と夏タイヤとの併用では、スタッドレスタイヤでも登坂が難しいかも知れない場所においてもその効果が期待でき、積雪路面登坂が行えることで、積雪による物流の滞りを少しでも解消することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】接地面を曲面化し、溝加工を施した滑り防止補助具Aの正面図である。
【図2】滑り防止補助具Aの側面図である。
【図3】滑り防止補助具Aの接地面を示した下面図である。
【図4】接地面を曲面化した滑り防止補助具Bの正面図である。
【図5】滑り防止補助具Bの側面図である。
【図6】滑り防止補助具Bの接地面を示した下面図である。
【図7】接地面を曲面化した滑り防止補助具Cの正面図である。
【図8】滑り防止補助具Cの側面図である。
【図9】滑り防止補助具Cの接地面を示した下面図である。
【図10】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の正面図で、図11のA−Aに沿う一部断面図ある。
【図11】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の側面図である。
【図12】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の下面図である。
【図13】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した正面図である。(実施例1)
【図14】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した側面図である。(実施例1)
【図15】滑り防止補助具Bを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した上面図である。(実施例1)
【図16】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した正面図である。(実施例2)
【図17】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した側面図である。(実施例2)
【図18】滑り防止補助具Cを複輪タイヤ間隙に装着した様子を示した上面図である。(実施例2)
【図19】従来の接地面が平面である滑り防止補助具が接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図20】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図21】滑り防止補助具Bが接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図22】滑り防止補助具Bの隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図23】滑り防止補助具Cが接地側で1個接地したときの様子を示した模式図である。
【図24】滑り防止補助具Cの隣り合う2個が接地側で接地したときの様子を示した模式図である。
【図25】従来の接地面が平面である滑り防止補助具の接地面とその計測面積を示している。(195/75R15用)
【図26】滑り防止補助具B及びCの中央部が接地した場合の形状とその計測面積を示している。(195/75R15用)
【図27】8.5%勾配模擬氷板坂道の模式図である。
【符号の説明】
【0023】
1 インナータイヤ
2 アウタータイヤ
3 接地面曲面化滑り防止補助具A
4 接地面曲面化滑り防止補助具B
5 接地面曲面化滑り防止補助具C
6 接地面が平面である従来の滑り防止補助具
7 ローラーチェーン
8 六角穴付ボルト
9 ナット
10 角パイプ
11 金属プレート
12 スパイクピン
13 ボルト付接続器具
14 穴開き接続器具
15 ナット
16 ホイール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、さらに、その滑り防止具の接地面をタイヤの回転方向に曲面化した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面までの半径とした滑り防止具。
【請求項2】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、接地面の中央部は平面形状で、タイヤの回転方向に向かって曲面化した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面中央部までの半径から新品複輪タイヤ外径の20分の1までの間の任意の値とした滑り防止具。
【請求項3】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、接地面の中央部は平面形状で、タイヤの回転方向に向かって曲面化し、滑り防止具を新品の複輪タイヤ間隙に挿入装着した場合、滑り防止具接地面中央位置が非接地側の複輪タイヤの接地面高さよりもタイヤ回転中心側に低くなるように設計した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面中央部までの半径から新品複輪タイヤ外径の20分の1までの間の任意の値とした滑り防止具。
【請求項1】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、さらに、その滑り防止具の接地面をタイヤの回転方向に曲面化した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面までの半径とした滑り防止具。
【請求項2】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、接地面の中央部は平面形状で、タイヤの回転方向に向かって曲面化した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面中央部までの半径から新品複輪タイヤ外径の20分の1までの間の任意の値とした滑り防止具。
【請求項3】
複輪タイヤを構成する向かい合う一対のタイヤサイドウォールで形成される間隙形状に類似した断面形状を有する滑り防止具で、複輪間隙最小位置よりタイヤの回転中心方向に挿入する部分の断面形状は矩形断面を有し、接地面の中央部は平面形状で、タイヤの回転方向に向かって曲面化し、滑り防止具を新品の複輪タイヤ間隙に挿入装着した場合、滑り防止具接地面中央位置が非接地側の複輪タイヤの接地面高さよりもタイヤ回転中心側に低くなるように設計した滑り防止具で、その曲率半径を複輪タイヤの回転中心から滑り防止補助具の接地面中央部までの半径から新品複輪タイヤ外径の20分の1までの間の任意の値とした滑り防止具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図23】
【公開番号】特開2008−12940(P2008−12940A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182876(P2006−182876)
【出願日】平成18年7月1日(2006.7.1)
【特許番号】特許第3899115号(P3899115)
【特許公報発行日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(591105041)古城産業運輸株式会社 (1)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月1日(2006.7.1)
【特許番号】特許第3899115号(P3899115)
【特許公報発行日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(591105041)古城産業運輸株式会社 (1)
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