説明

視聴情報送信装置及び視聴情報送信方法

【課題】本発明は、選択履歴情報を送信する際に他からの送信と呼が重なることを防止して効率良く送信するようにする。
【解決手段】本発明は、複数チヤンネルの番組の中から選択された番組の選択履歴情報を取得する場合、番組の選択情報を所定の取得タイミングで記憶し、複数の取得タイミングごとに記憶された複数の選択情報からなる選択履歴情報を、固有に割り当てられた所定の送信タイミングで送信するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は視聴情報送信装置及び視聴情報送信方法に関し、例えば衛生放送におけるテレビジヨン番組の視聴率データを記憶して送信する視聴情報送信装置及び視聴情報送信方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局から放映されているテレビ番組の視聴率は、特定の視聴率調査システムによつて例えば約500〜600世帯のサンプル数を基に調査されている。視聴率調査システムは、視聴者のテレビジヨン受信器に取り付けられた特定の記憶装置によつて所定の時間間隔ごとにチヤンネルナンバ情報と選択された時刻を表す時刻情報とからなる視聴率データを記憶し、当該視聴率データを個々の記憶装置ごとに所定の集計センタに転送することにより集計する。そして集計センタは、このようにして集計した視聴率データを基に番組ごとの視聴率結果を算出し、これを放送事業者や番組制作会社に通知する。
【0003】
放送事業者は、番組ごとの視聴率結果を基に番組の継続や打ち切りを考慮すると共に、番組の合間にコマーシヤルを放送しているスポンサー会社に対して視聴率結果を報告することにより、スポンサー契約の続行や、当該視聴率結果を基に新たにコマーシヤルを放送するスポンサー会社の発掘を行う。また番組制作会社においては、視聴率結果を基に番組の人気の度合いを判断し、次に制作する新たな番組の内容を検討する。
【0004】
このように放送事業者や番組制作会社にとつては、視聴率結果が大変重要な要因となつており、この視聴率結果が極力多くの視聴者の視聴率データを基に算出されることが望まれている。
【0005】
例えば、近年においては通信衛星を用いた衛星放送が実現化されており、このような衛星放送によつてデイジタル化されたテレビジヨン信号を受信するものとしてIRD(Integrated Receiver Decoder)と呼ばれる受信装置がある。このIRDは、放送局から所定の画像圧縮方法によつて符号化されて放送される多数の番組を通信衛星を介して選択的に受信し得るようになされており、ユーザによつて選択された番組を内部のデコーダを介して復号することによりモニタに表示するようになされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでかかる構成のIRDにおいては、IRD本体に取り付けられた特定の記憶装置によつて視聴率データを記憶し、視聴率の集計センタからの転送要求に応じて視聴率データを送信していた。これにより集計センタでは、視聴率データを集計する際に回線の呼が重なつてしまうこと(以下、これを輻輳と呼ぶ)を防止するために個々に転送要求を送信しなければならず、視聴率データの集計作業が煩雑になるという問題があつた。
【0007】
また、集計センタでは初期設定として一度設定された集計内容(視聴率データの内容や送信時刻)を変更することが困難であり、集計作業の自由度が低い問題があつた。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、選択履歴情報を送信する際に他からの送信と呼が重なることを防止して効率良く送信し得ると共に、自由度の高い集計を行うことができる視聴情報送信装置及び視聴情報送信方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、ユーザによつて選択されてた番組の視聴情報を所定のセンタへ定期的に送信する視聴情報送信装置において、視聴情報を蓄積する蓄積手段と、視聴情報を上記センタへ定期送信するための送信時刻に基づき、公衆回線を介してセンタに接続することによつて、視聴情報送信装置とセンタとの間で回線接続されたとき、蓄積手段に蓄積されている一定期間分の視聴情報をセンタへ送信するとともに、センタから定期送信するための送信時刻に関する設定指示を受信するようにする。
【0010】
この結果、視聴情報をセンタに定期送信するタイミングで視聴情報をセンタへ送信するとともに、センタから定期送信のための送信時刻に関する設定指示を受信することができ、視聴情報の定期送信時刻を任意に設定変更できるともに、センタへの視聴情報の送信を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
上述のように本発明によれば、ユーザによつて選択された番組の視聴情報を所定のセンタへ定期的に送信する視聴情報送信装置において、視聴情報を蓄積する蓄積手段と、視聴情報を上記センタへ定期送信するための送信時刻に基づき、公衆回線を介してセンタに接続することによつて、視聴情報送信装置とセンタとの間で回線接続されたとき、蓄積手段に蓄積されている一定期間分の視聴情報をセンタへ送信するとともに、センタから定期送信するための送信時刻に関する設定指示を受信することによって、視聴情報の定期送信時刻を任意に設定変更できるので、センタへの視聴情報の送信を効率的に行うことができ、かくして、センタへの視聴情報の送信を効率的に行い得る視聴情報送信装置及び視聴情報送信方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0013】
(1)第1の実施の形態
図1において1は全体として視聴率調査システムを示し、放送事業者(放送局)2は、映像データ及び音声データをMPEG2等の所定の符号化方式でそれぞれ圧縮符号化してパケツト化することによりトランスポートストリームを生成する。続いて放送事業者2は生成した複数チヤンネル分のトランスポートストリームをパケツト多重化し、これにより得られる多重化ビツトストリームを所定の変調方式で変調処理した後、これを送信データD1として例えば10[GHz] の周波数帯で通信衛星3に送信する。
【0014】
通信衛星3は、送信されてきた送信データD1を受信し、当該送信データD1をトランスポンダ(図示せず)によつて所定レベルに増幅すると共に、例えば1[GHz] の周波数帯に周波数変換することにより送信データD2を生成し、これを地上の各ユーザ宅4A〜4Zに送信する。
【0015】
例えばユーザ宅4Aに設けられたアンテナ6Aは、送信データD2を受信し、これを復調処理することにより得られる受信データストリームD3を受信装置(IRD)5に送信する。IRD5は、受信データストリームD3を多重分離及び復号することにより番組の映像データ及び音声データを復元し、モニタ(図示せず)を介して映像を表示すると共にスピーカ(図示せず)を介して音声を出力する。
【0016】
このときIRD5は、ユーザによつて選択されて試聴された番組の選択履歴情報としての視聴率データを内部メモリに記憶し、1日分の視聴率データD4が蓄積されると、所定の時間帯に公衆電話回線網7を経由して集計センタ8に1日分の視聴率データD4を毎日自動的に送信するようになされている。ここで視聴率データD4とは、ユーザが試聴した番組の時刻情報(t1)及びチヤンネルナンバ(CHNO)である。
【0017】
集計センタ8は、送られてきたサンプル世帯数(この場合 15000世帯)全ての1日分の視聴率データD4を基に番組ごとの視聴率結果を算出し、この視聴率結果データD5を速やかに放送事業者(放送局)2に通知することにより、当該放送事業者2から対価を受け取つている。
【0018】
図2に示すように、本発明による番組選択履歴情報取得装置を有する受信装置(IRD)5は、まずプラグを介してACコンセント(図示せず)に接続された電源回路10よつて電源が供給されてCPU(Central Processing Unit)22が立ち上げられると、当該CPU22がユーザのリモコン27による操作に応じた処理を実行するようになされている。
【0019】
このCPU22は、ユーザのリモコン27から出力されたチヤンネルナンバを表すリモコン信号S1をリモコン信号受光部28によつて受光し、これをリモコン信号S2として入力する。CPU22は、入力したリモコン信号S2に応じたチヤンネル選択信号S3を生成し、これをフロントエンド部11に供給する。
【0020】
フロントエンド部11は、アンテナ6を介して受信した受信データストリームD3を入力し、通信衛星3のトランスポンダ(図示せず)から送信されている受信データストリームD3のうちチヤンネル選択信号S3に相当する番組の受信データストリームD3のみをデマルチプレクサ12に送出する。
【0021】
デマルチプレクサ12は、バツフアメモリ13に受信データストリームD3を一旦格納した後、カードインターフエース(IF)20を介して接続されたICカード21に記憶されている契約チヤンネルの暗号キー情報を読み出し、当該暗号キー情報と、選択したチヤンネルナンバの番組の暗号キー情報とが一致した場合に、バツフアメモリ13に格納された受信データストリームD3を、CPU22の内部で発生するクロツク信号に基づいて複数のパケツトデータに分離する。
【0022】
そしてデマルチプレクサ12は、チヤンネル選択信号S3に応じたチヤンネルナンバの番組のパケツトデータだけを取り出し、そのうちの映像データ部分からなるパケツトデータD10をMPEG2ビデオデコーダ14に供給すると共に、音声データ部分からなるパケツトデータD11をMPEGオーデイオデコーダ15に供給する。
【0023】
因みに、ICカード21には暗号キー情報以外にもユーザが試聴した番組の試聴時間に応じた課金情報が蓄積されており、集計センタ8からの転送要求に応じて当該課金情報がCPU22によつて読み出され、モデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8へ送信されるようになされている。
【0024】
MPEG2ビデオデコーダ14は、映像データ部分からなる複数のパケツトデータD10を一旦メモリ16に格納した後、CPU22の内部で発生するクロツク信号に基づいてMPEG2方式によつて復号することにより、圧縮符号化前の映像データD12に変換し、これをNTSC(National Television System Commitee) 変換部18に送出する。
【0025】
NTSC変換部18は、映像データD12を輝度(Y)信号、色(C)信号及びコンポジツト信号からなるビデオ信号に変換してモニタ(図示せず)に出力することにより、当該モニタの画面に選択したチヤンネルナンバの番組を表示する。
【0026】
MPEGオーデイオデコーダ15は、音声データ部分からなる複数のパケツトデータD11を一旦メモリ17に格納した後、MPEG2ビデオデコーダ14と同様にCPU22の内部で発生するクロツク信号に基づいてMPEG方式によつて復号することにより、圧縮符号化前の音声データD13に変換し、これをデイジタル/アナログ変換部19に送出する。
【0027】
デイジタル/アナログ変換部19は、音声データD13に対してデイジタル/アナログ変換処理を施すことにより、アナログのL(左)音声信号とR(右)音声信号を生成し、これをスピーカ(図示せず)を介してステレオ音声として出力する。
【0028】
またCPU22は、RAM(Ramdom Access Memory)23、フラツシユメモリ24及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)25に接続されており、RAM23をワークエリアとして用いることにより各種処理を実行すると共に、RAM23の一部の領域を使用してユーザが試聴した一日分の視聴率データD4を格納し得るようになされている。ここで、RAM23に視聴率データD4を格納する領域は、余裕を持たせて2日分以上の視聴率データD4を格納し得るだけの容量を有している。
【0029】
フラツシユメモリ24は、後述する初期設定画面や識別番号入力画面を表示したり、メニユ画面に基づいてユーザが選択入力したコマンドに応じた処理をCPU22によつて行うためのプログラム情報が書き込まれた不揮発性メモリでなり、通信衛星3から新たなプログラム情報を受信した場合にはプログラム内容を書換えられるようになされている。
【0030】
EEPROM25も不揮発性メモリでなり、IRD5の電源をオフ状態にした場合の最終的なチヤンネルナンバ情報やそのときの音量(ボリユーム)状態を記憶しておくようになされており、CPU22は電源が再度オン状態になつたときに、EEPROM25に記憶されたデータ内容を読み出すことにより、電源がオフ状態になつたときと同じチヤンネルナンバ及び音量状態に再設定し得るようになされている。
【0031】
ここでIRD5においては、購入された後に初めてプラグがACコンセントに差し込まれると電源回路10が立ち上げられ、当該電源回路10によつて電源が供給されると、CPU22はまずフラツシユメモリ24に格納されたプログラム情報を読み出すことにより、モニタの画面に図3に示すような初期設定画面51を表示する。ユーザは、視聴率申込みを行う意思がある場合には、集計センタ8から予め指定されている5桁のパスワードを初期設定画面51のパスワード入力欄52に入力する。
【0032】
この場合CPU22は、パスワード入力欄52に集計センタ8から指定された5桁のパスワードが入力されたことを認識すると、次にモニタの画面に図4に示すような認識番号入力画面53を表示する。ユーザは、認識番号入力画面53の電話番号入力欄54に公衆電話回線網7に接続された自宅の電話番号を市街局番から入力し、最終的に視聴率申込みを確認する「はい」のアイコン55または「いいえ」のアイコン56のどちらかを選択する。
【0033】
CPU22は、ユーザによつて「いいえ」のアイコン56が選択された場合には視聴率申込みの意思がないものとして処理を中止するが、「はい」のアイコン55が選択された場合には入力された電話番号を視聴率申込みのユーザ識別番号とし、これをモデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8に送信する。集計センタ8では送られてきたユーザ識別番号を登録することにより、IRD5においてユーザが試聴した一日分の視聴率データD4を記憶して集計センタ8に自動的に送信する設定の登録が完了する。
【0034】
これにより集計センタ8は、IRD5からユーザ識別番号と一緒に送信されてきた視聴率データD4と、視聴率申込み時に登録したユーザ識別番号とが一致した場合に、その視聴率データD4を受け取り、一致しなかつた場合にはその視聴率データD4を受け付けないようになされている。
【0035】
この場合IRD5は、リモコン27によつて送信されてきたリモコン信号S1をリモコン信号受光部28を介して受光し、CPU22がリモコン信号受光部28を介して送られてくるリモコン信号S2に基づいてフロントエンド部11及びデマルチプレクサ12の処理を制御していることにより、ユーザが試聴している番組のチヤンネルナンバ情報及び選択された時刻を表す時刻情報を常時認識している。
【0036】
従つてCPU22は、リモコン27の操作によつて電源の供給がオン状態になつたときのチヤンネルナンバ情報及びその時の時刻情報、及び電源の供給がオフ状態になつたときのチヤンネルナンバ情報及びその時の時刻情報、並びに試聴している番組が変更された時点のチヤンネルナンバ情報及びその時の時刻情報を視聴率データD4としてRAM23の一部の領域に格納する。
【0037】
従つて、チヤンネルナンバが一度も変更されなければ電源のオンオフ時の時刻情報と1種類のチヤンネルナンバ情報だけが視聴率データD4として格納される。すなわちCPU22は、電源のオンオフ時以外はチヤンネルナンバが変更された変化点を表す選択タイミングにおけるチヤンネルナンバ情報及びその時の時刻情報のみを試聴率データとしてRAM23に格納することにより、記憶するデータ量を低減させるようになされている。
【0038】
さらにCPU22は、リモコン27及びリモコン信号受光部28から送信されてくるリモコン信号S2に応じてチヤンネルナンバ情報と録画開始及び終了時刻からなるビデオ予約情報をRAM23に登録することにより、当該録画開始時刻になるとビデオインターフエース30を介して接続されたVTR(Video Tape Recoder)29を制御してNTSC変換部18及びデイジタルアナログ変換部19から供給されるビデオ信号及び音声信号を記録するようになされている。
【0039】
この場合CPU22は、タイマー録画されているチヤンネルナンバ情報の他に録画開始及び終了時刻情報を付加情報として付加した視聴率データD4としてRAM23に格納して集計センタ8に送信することにより、当該集計センタ8ではこの視聴率データD4が単に1回だけ試聴されただけデータか、あるいはビデオテープに録画されたことにより何回か反復して試聴される可能性があるデータかを判別し得る高精度な視聴率データD4として集計することができる。
【0040】
ここで視聴率データD4は、図5に示すようにヘツダ部分61とデータ部分62とに分かれ、ヘツダ部分61はユーザの電話番号を40ビツトで表す識別番号情報領域63と、記憶された視聴率データD4の年月日を16ビツトで表す日時情報領域64と、記憶された視聴率データD4のサンプル数(すなわち電源供給のオンオフ時及び番組を変更する度に得られる視聴率データD4の個数)を16ビツトで表すサンプル情報領域65によつて構成されている。またデータ部分62は、電源の供給をオン及び又はオフしたときのチヤンネルナンバ情報とその時の時刻情報、及びユーザが所望の番組を試聴するために変更したチヤンネルナンバ情報とその時の時刻情報とを40ビツトで表している。
【0041】
CPU22は、このようなデータ構造の選択情報を一日分(例えば前日のPM23:00:00〜当日のPM22:59:59)蓄積してRAM23に格納した後、当日のPM23:00:00〜翌朝のAM07:00:00の間に、一日分の複数の選択情報からなる選択履歴情報としての視聴率データD4をモデム26及び公衆電話回線網7を介してフリーダイアルで自動的に送信するようになされている。この場合CPU22は、視聴率データD4を回線の空いているPM23:00:00〜翌朝のAM07:00:00の間に送信するようにしたことにより、回線の混雑を回避することができる。
【0042】
ここでCPU22は、内部に乱数発生部22Aを有しており、当該乱数発生部22Aによつて 15000世帯分のIRD5A〜5Z全てに固有の乱数を発生し、当該乱数に応じた1分間の送信時間帯を各ユーザの電話番号(識別番号)に割り当てることにより、視聴率データD4をPM23:00:00〜AM07:00:00の間に送信する際に 15000世帯数分の呼が重なることなく効率良く送信し得るようになされている。
【0043】
この場合、15000世帯分のIRD5A〜5Zは個別に割り当てられた1分間の送信時間帯で視聴率データD4を送信することにより、集計センタ8では所有する50回線によつて5時間で 15000世帯分の視聴率データD4を全て収集することができる。これにより集計センタ8は、課金情報の収集のようにデータの転送要求を個別に送信することなく、 15000世帯数分の視聴率データD4を確実かつ容易に集計することができ、当該 15000世帯数分の視聴率データD4を基に一日分の視聴率結果データD5を算出し、これを放送事業者2に速やかに通知することができる。
【0044】
ところでIRD5においては、電源回路10の内部に停電検出回路10Aを有しており、当該停電検出回路10Aによつて停電(すなわち電源回路10によつて電源が供給されなくなつたこと)を検出し、その後電源回路10によつて電源が供給されるようになつたことを検出すると、CPU22は一度設定登録された視聴率申込みをリセツト状態にして初期設定画面51(図3)を再度表示するようになされている。
【0045】
すなわちIRD5は、ユーザ間で本体の譲渡があつた場合には必ずプラグがACコンセントから外されるので、この場合にCPU22は電源が供給されなくなつたことを検出し、その後プラグがACコンセントに差し込まれて電源回路10によつて電源が供給されるようになると、初期設定画面51を再度モニタに表示する。
【0046】
これにより、IRD5本体を譲渡されたユーザは初期設定画面51を見て視聴率申込みのパスワードを入力するか否かを判断する。このとき譲渡された側のユーザは視聴率申込みを行う意思がある場合に、集計センタ8から指定された5桁のパスワードを入力し、次に表示される識別番号表示画面53(図4)の識別番号入力欄54に自身の電話番号を入力する。このときIRD5は、譲渡されたユーザの視聴率申込みがあつたことを初めて認識し、視聴率データD4を記憶して自動的に送信する設定登録を改めて行うようになされている。
【0047】
これにより集計センタ8では、譲渡されたユーザの識別番号が付加された視聴率データD4がIRD5から送信されてくると、登録された識別番号と視聴率データD4に付与された識別番号とを比較し、識別番号が一致したときにその視聴率データD4を受け取り、識別番号が一致しなかつたときには、その視聴率データD4を受け取らないことにより、視聴率申込みを行つたユーザの視聴率データD4のみを集計するようになされている。
【0048】
以上の構成において、IRD5はCPU22の内部に設けられた乱数発生部22Aによつて生成した乱数に応じて1分間の送信時間帯がユーザごとにそれぞれ個別に割り当てられることにより、RAM23に格納した一日分の視聴率データD4を当該割り当てられた送信時間帯を用いて集計センタ8に自動的に送信することができる。
【0049】
従つて 15000世帯数分の各IRD5A〜5Zは、使用する回線ごとに全て固有に割り当てられた送信時間帯を用いて視聴率データD4を自動的に集計センタ8に送信することにより、呼が互いに重なることを防止してそれぞれ効率良く送信することができる。これにより集計センタ8では、呼の重なりを防止するために視聴率データD4の転送要求を各ユーザにそれぞれ個別に送信する必要がなくなり、 15000世帯数分の視聴率データD4をPM23:00:00〜AM07:00:00の間に容易かつ効率良く集計することができる。
【0050】
以上の構成によれば、IRD5は視聴率データD4を内部に設けられたRAM23に記憶し、当該視聴率データD4を固有に割り当てられた送信時間帯を使用して集計センタ8に自動的に送信することにより、集計センタ8では非常の多くのサンプル数の視聴率データD4を容易かつ効率良く集計することができる。
【0051】
なお上述の実施の形態においては、IRDの内部に設けられたRAM23の一部の領域を用いて視聴率データD4を記憶するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、視聴率データD4だけを記憶するメモリを個別に設け、そこに視聴率データD4を記憶するようにしても良い。
【0052】
また上述の実施の形態においては、乱数発生部22Aによつて発生した乱数に応じて固有の送信時間帯をユーザごとに電話番号を識別番号として割り当てるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、視聴率申込みを行つたときの時刻情報をRAM23に格納しておき、当該時刻情報を識別番号として用いると共に、当該時刻情報の早い順番に基づいて1分間の送信時間帯を割り当てるようにしても良い。
【0053】
さらに上述の実施の形態においては、乱数発生部22Aによつて発生した乱数に基づいて固有の送信時間帯をユーザごとに割り当てるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1分間の送信時間帯を公衆電話回線網7に接続された電話番号の若い番号順に基づいて割り当てるようにしても良い。この場合にも電話番号ごとに個別の送信時間帯を割り当てることができる。
【0054】
さらに上述の実施の形態においては、本発明の番組選択履歴情報取得装置を記憶手段としてのRAM23及びCPU22、送信手段としてのモデム26及びCPU22によつて構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の受信手段、記憶手段及び送信手段によつて構成するようにしても良い。
【0055】
さらに上述の実施の形態においては、本発明の番組選択履歴情報取得装置を視聴率データD4を記憶して自動的に送信するデイジタル衛星放送用の受信装置(IRD)5に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、通常の地上波放送のテレビジヨン受信装置やケーブルテレビジヨンのテレビジヨン受信装置、あるいは音声情報や文字情報を受信するラジオ受信装置に適用するようにしても良い。
【0056】
(2)第2の実施の形態
図2との対応部分に同一符号を付して示す図7は、本発明による番組選択履歴情報取得手段を有する受信装置(IRD)50の第2の実施の形態を示し、図1に示す各ユーザ宅4A〜4Zにそれぞれ設置されている。このIRD50は、商用電源(図示せず)に接続された電源回路10を介して各回路部に電源が供給されると、CPU22が起動する。
【0057】
CPU22は、フラツシユメモリ24に記憶されているプログラムに従つて各種の処理を実行するようになされており、例えば初期設定画面や識別番号入力画面をモニタに表示したり、メニユー画面に基づいてユーザがリモートコマンダ27又は操作パネル40を操作して選択入力したコマンドを解析し、当該コマンドに応じた各種の処理を実行する。
【0058】
ここでIRD50においては、購入された後初めて電源が商用電源に接続され電源が投入されると、CPU22はまずフラツシユメモリ24に格納された実行プログラムを読み出すことにより、モニタ(図示せず)に図3について上述した場合と同様の初期設定画面51を表示する。ユーザは、視聴率データの調査に参加する意思がある場合には、集計センタ8(図1)から予め通知されている5桁のパスワードを初期設定画面51のパスワード入力欄52にリモートコマンダ27又は操作パネル40を操作して入力する。
【0059】
CPU22は、パスワード入力欄52に集計センタ8によつて指定されている5桁のパスワードが入力されたことを認識すると、次にモニタ(図示せず)の画面に図7に示すような管理番号入力画面73を表示する。ユーザは、予め集計センタ8(図1)からIRD50に固有の管理番号の通知を受けており、リモートコマンダ27又は操作パネル40を操作することにより管理番号入力画面73の管理番号入力欄74に管理番号を入力する。
【0060】
そして、最終的に視聴率の調査に参加する申込みの確認を行う確認用アイコンとして「はい」のアイコン75又は「いいえ」のアイコン76のいずれかを選択する。
【0061】
CPU22は、ユーザによつて「いいえ」のアイコン76が選択された場合にはユーザが視聴率の調査に参加する意思がないものとして当該処理を中止し、これに対して「はい」のアイコン75が選択された場合には入力された管理番号を視聴率の送信申込みを行つたIRD50の識別番号とし、これをモデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8(図1)に送信する。集計センタ8は送られてきた識別番号を登録することにより、IRD50においてユーザが番組を視聴することにより取得される視聴率データD100を受け付ける際の登録が完了する。
【0062】
これにより集計センタ8(図1)は、IRD50から識別番号(管理番号)を含む視聴率データD100が送信されてくると、当該視聴率デーD100の識別番号を基にその集計を行う。
【0063】
ここで集計センタ8(図1)からユーザに対して予め通知される管理番号(識別番号)は、図8に示すように、ユーザ(IRD)ごとに個別に割り当てられる16桁の情報であり、上位3桁には視聴率調査の申込みを行う際に共通のID番号「777」が割り当てられ、これに続く6桁には当該ユーザ(IRD)に対して割り当てられる視聴率データD100の集計センタ8への送信時刻が割り当てられる。図8の場合、この送信時刻は「123456」であり、これは12時34分56秒から視聴率データD100を集計センタ8に送信することを表している。また、この送信時刻に続く7桁には当該視聴率の調査申し込みを行うユーザに対して割り当てられるシリアル番号であり、図8の場合、このシリアル番号は「7890123」であり、これは視聴率の調査申込みを7890123番目に申し込んだことを表している。
【0064】
ユーザによつてかかる管理番号が入力されると、CPU22は当該管理番号をRAM23に格納し、内部タイマが当該管理番号によつて割り当てられた送出時刻を示すと、このときRAM23に格納されている視聴率データD100をモデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8(図1)に送信する。このように個々のユーザ(IRD50)に対して特定の送出時刻を管理番号として割り当てることにより、ユーザ(IRD50)の地域ごとに特定の送信時刻を設定したり、又は視聴率調査契約者(ユーザ)の年代別に視聴率データD100の送信時刻を設定することができる。これにより集計センタ8(図1)では、ユーザ(IRD50)をその地域や年代等の特徴ごとにグループ分けした際に、各グループごとに視聴率データD100を受け付ける時刻を一定の範囲に集めることができ、各グループごとの視聴率データD100の集計作業をまとめて行う等、集計作業の自由度を高めることができる。
【0065】
ここで、リモートコマンダ27は複数の操作キーを有し、ユーザがいずれかの操作キーを操作すると、当該操作キーに応じた命令信号S1を例えば赤外光に重畳してIRD50のリモコン信号受光部28に送出する。リモコン信号受光部28は、赤外光に重畳された命令信号S1を電気信号に変換し、これを命令信号S2としてCPU22に送出する。
【0066】
例えばユーザがリモートコマンダ27のチヤンネル選択キーを操作して、いずれかのチヤンネルを選択すると、CPU22はこれに応じたチヤンネル選択信号S3をフロントエンド部11に供給する。
【0067】
フロントエンド部11は、ユーザによつて指定されたチヤンネルを含む受信データストリームD3をアンテナ6を介して受信し、当該受信データストリームD3に対してエラー訂正符号を用いたエラー訂正処理を施した後、これをデマルチプレクサ12に供給する。デマルチプレクサ12は、カードインターフエイス(カードI/F)20を介して接続されたICカード21に記憶されている契約チヤンネルの暗号キー情報を読み出し、当該暗号キー情報と、このときユーザによつて選択されたチヤンネルナンバの番組の暗号キー情報とが一致した場合に、受信データストリームD3から当該チヤンネルのパケツトデータを分離すると共に、これを暗号キー情報を用いて解読し、当該分離されたパケツトデータのうち、映像データ部分からなるパケツトデータD10をMPEG2ビデオデコーダ14に供給すると共に、音声データ部分からなるパケツトデータD11をMPEGオーデイオデコーダ15に供給する。
【0068】
因みに、ICカード21には暗号キー情報に加えてユーザが視聴した番組の視聴時間に応じた課金情報が蓄積されるようになされており、予め設定されたタイミング又は放送事業者2(図1)の集計センタ8(図1)から公衆電話回線設網7を介してIRD50に転送要求が入力されたとき、CPU22は課金情報をICカード21から読み出し、モデム26及び公衆回線網7を介してサービスセンタ8に送信する。
【0069】
MPEG2ビデオデコーダ14は、映像データ部分からなる複数のパケツトデータD10を一旦メモリ16に格納した後、これをCPU22の内部で発生するクロツク信号に基づいてMPEG2方式によつて復号する。これにより、圧縮符号化前の映像データD12が復元され、MPEG2ビデオデコーダ14は当該映像データD12をNTSC(National Television System Committee)変換部18に送出する。
【0070】
NTSC変換部18は、映像データD12を輝度(Y)信号、色(C)信号及びコンポジツト信号に変換し、これらをモニタ(図示せず)に出力することにより、このとき選択されたチヤンネルの番組の映像をモニタを介して可視表示することができる。
【0071】
また、MPEGオーデイオデコーダ15は、音声データ部分からなる複数のパケツトデータD11を一旦メモリ17に格納した後、これをCPU22の内部で発生するクロツク信号に基づいてMPEG方式によつて復号する。これにより、圧縮符号化前の音声データD13が復元され、MPEGオーデイオデコーダ15は当該音声データD13をデイジタル/アナログ変換部19に送出する。
【0072】
デイジタル/アナログ変換部19は、音声データD13に対してデイジタル/アナログ変換処理を施すことにより、アナログ信号でなるL(左)チヤンネル音声信号とR(右)チヤンネル音声信号とを生成し、これをスピーカ(図示せず)を介してステレオ音声として出力する。
【0073】
また、NTSC変換部18から出力される輝度(Y)信号、色(C)信号及びコンポジツト信号と、デイジタル/アナログ変換部19から出力されるL(左)チヤンネル音声信号及びR(右)チヤンネル音声信号とは、アナログビデオテープレコーダ(VTR)29に供給される。従つて、アナログVTR29は、CPU22から赤外線発光部157を介して供給される制御信号S7として録画開始命令が入力されると、このときNTSC変換部18から出力される輝度(Y)信号、色(C)信号及びコンポジツト信号と、デイジタル/アナログ変換部19から出力されるL(左)チヤンネル音声信号及びR(右)チヤンネル音声信号とをビデオテープに記録する。
【0074】
因みにIRD50には、アナログVTR29に加えて、光磁気デイスク装置(MD:Mini Disc) 152、デイジタルVTR153及びハードデイスクレコーダ154等の複数のデイジタル記録再生装置並びにデイジタルTV(Television)装置155がそれぞれIEEE1394で規定されたデータバスBUS及びインターフエース(IEEE1394 I/F) 151を介して接続されている。
【0075】
従つて、IRD50のCPU22は、受信データストリームD3に重畳される複数のチヤンネルとして、例えば映像及び音声信号を提供するチヤンネル、ゲームソフトや種々の情報を提供するチヤンネル、又は音楽(オーデイオデータ)を提供するチヤンネルをデマルチプレクサ12において分離抽出し、これらの中からユーザがリモートコマンダ27によつて選択したチヤンネルを復号前の圧縮符号化されたデータのままデータバスBUS及びインターフエース51を介してそれぞれユーザによつて指定されたデイジタル記録再生装置及び又はデイジタルTV装置155に供給する。
【0076】
このときCPU22はデータバスBUS及びインターフエース151を介して対応するデイジタル記録再生装置(光磁気記録再生装置152、デイジタルVTR153又はハードデイスクレコーダ154)及び又はデイジタルTV装置55を制御することにより、デイジタル記録再生装置を記録動作させると共にデイジタルTV装置155に対して入力データのMPEGデコード及び表示動作を行わせる。これにより、ユーザが指定したデイジタル記録再生装置においてユーザが指定したチヤンネルの情報を記録すると共に、デイジタルTV装置155においてこのとき記録されている画像及び又は音声が出力される。
【0077】
因みに、光磁気デイスク装置152は、2.5 インチの光磁気デイスクに対して、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)方式で圧縮符号化されたオーデイオデータを記録再生するものであり、デマルチプレクサ12を介して分離されたデータのうち、ATRAC方式で圧縮符号化されたオーデイオデータを入力する。そして光磁気デイスク装置152はATRAC方式で圧縮符号化されているオーデイオデータを圧縮符号化されたまま光磁気デイスクに記録する。また、当該光磁気デイスク装置152は、光磁気デイスクに記録されたオーデイオデータをATRAC方式で復号するATRACデコーダを内部に有し、これにより復号されたオーデイオ信号を外部出力端子(図示せず)を介して外部のスピーカ等に出力することにより、光磁気デイスク上のオーデイオデータを再生することができる。
【0078】
また、デイジタルVTR153は、ビデオテープに対して、MPEG方式で圧縮符号化された映像信号及び音声信号を記録再生するものであり、デマルチプレクサ12を介して分離されたデータのうち、MPEG方式で圧縮符号化されている映像信号及び音声信号を入力する。そしてデイジタルVTR153は当該映像信号及び音声信号を圧縮符号化されたままの状態でビデオテープに記録する。また、デイジタルVTR153は、ビデオテープに記録された映像及び音声データをMPEG方式で復号するMPEGデコーダを有し、これにより復号された映像及び音声信号を外部出力端子(図示せず)を介して外部のモニタやスピーカに出力することにより、ビデオテープに記録された映像及び音声信号を再生することができる。
【0079】
また、ハードデイスクレコーダ154は、ハードデイスクに種々の情報を記録再生するものであり、デマルチプレクサ12を介して分離されたデータのうち、例えばゲームソフトや他の種々の情報を提供するチヤンネルの各種データを入力し記録する。
【0080】
またデマルチプレクサ12は、所定のタイミングで各チヤンネルに重畳されて配信される電子番組ガイド情報(EPG:Electronic Program Guide)を抽出し、これをバツフアメモリ13に格納する。電子番組ガイド情報は、放送局から送信されるデータストリームのヘツダ部に付加されたPSI(Program Specific Information)と呼ばれるプログラム仕様情報の中のネツトワーク・インフオメーシヨン・テーブル(NIT:Network Information Table)に割り当てられている。
【0081】
このネツトワーク・インフオメーシヨン・テーブル(NIT)は、図9に示すような構成を有する。図9において、テーブルID(テーブル記述子)D101は、当該データがMPEGで規定されたテーブルのうちのネツトワーク・インフオメーシヨン・テーブル(NIT)であることを表し、ネツトワークID(ネツトワーク識別子)D102は、当該ネツトワーク・インフオメーシヨン・テーブル(NIT)が多重化されたデータストリームを示し当該データストリームを中継する通信衛星のトランスポンダを識別するために用いられる。またバージヨン番号D103は、テーブルの内容が更新される度に加算され、さらにカレント・ネクスト・指示データD104は、新旧バージヨンを同時に伝送する際の識別に用いられる。
【0082】
これに加えて、ネツトワーク・インフオメーシヨン・テーブル(NIT)には、トランスポートストリームTS記述子長データD105に続いて、当該トランスポート記述子長データD105によつて決定される長さの記述子D106として、図10に示すサービスリスト記述子D120が記述される。
【0083】
このサービスリスト記述子D120は、データストリームに多重化されたサービスの識別情報を表し、記述子タグデータD121は、当該記述子の種別を表し、サービスIDデータD122は、EPGデータの識別情報を表し、サービスタイプデータD123は、EPGデータの内容を表す。
【0084】
電子番組ガイド情報は、現在時刻から数十時間後までの各放送チヤンネルの番組に関する情報(例えば、番組のチヤンネル、放送時間、タイトル、ジヤンル、番組解説等)を含んでいる。この電子番組ガイド情報は、所定のタイミングで頻繁に配信されることにより、バツフアメモリ13には常に最新の情報が格納される。
【0085】
CPU22はユーザがリモートコマンダ27を操作して電子番組ガイド情報の出力が要求されると、バツフアメモリ13から最新の電子番組ガイド情報EPGを読み出してこれをMPEG2ビデオデコーダ14、NTSC変換部18を介して外部に接続されたモニタに出力することによりユーザに対して、各チヤンネルにおいて提供される番組の内容を種々の表示キヤラクタによつて表示する。
【0086】
ユーザはモニタに表示された電子番組ガイド情報を見ながら、リモートコマンダ27又は操作パネル40の操作により所望の番組を選択すると共に、当該番組に対してユーザが所望とする取り扱いを指定する。例えば、選択した番組を外部接続されたアナログVTR29において録画する場合には、ユーザは当該命令をリモートコマンダ27又は操作パネル40を操作することによりCPU22に入力する。CPU22は当該命令に応じて、このとき選択された番組の放送の開始を内部タイマを用いて検出し、当該番組の開始と同時にその映像データ及び音声データをデマルチプレクサ12において抽出した後、映像データをMPEG2ビデオデコーダ14及びNTSC変換部18を介して外部に接続されたアナログVTR29に供給すると共に、音声データをMPEGオーデイオデコーダ15及びデイジタル/アナログ変換部19を介してアナログVTR29に供給する。また、このときCPU22は制御信号S7を赤外線発光部57を介してアナログVTR29に供給することによりアナログVTR29を録画動作させ、これによりユーザによつて選択された番組がアナログVTR29のビデオテープに録画される。
【0087】
因みに、NTSC変換部18は入力された映像データに対してコピープロテクト信号を重畳するようになされており、入力された映像データが予めユーザによつて購入契約されている場合には、CPU22は当該契約状況をICカード21から読み取つて、NTSC変換部18に対してコピープロテクト信号の重畳を停止させる。これにより、ユーザが購入契約を結んでいる番組については、コピープロテクトが解除され、アナログVTR29において録画される。
【0088】
また、データバスBUS及びインターフエース151を介して外部に接続された各デイジタル記録再生装置(光磁気デイスク装置152、デイジタルVTR153及びハードデイスクレコーダ154)においても、それぞれ同様にしてユーザが電子番組ガイド情報に基づいて録画(記録)命令をCPU22に入力すると、CPU22は当該命令に基づいてこのとき指定された番組(音楽ソフト、ゲームソフト、映画ソフト等)の受信が開始されると、これを対応するデイジタル記録再生装置に記録する。このとき、CPU22はICカード21に記憶されている契約番組の暗号キー情報を用いてデマルチプレクサ12において暗号キー情報の照合及び解読を行うことにより、ユーザが予め契約済の番組のみをデイジタル記録再生装置に記録することができる。
【0089】
また、CPU22は、各種の動作プログラムを格納したフラツシユメモリ24に加えてRAM(Random Access Memory)23及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)を接続しており、RAM23をワークエリアとして用いることにより各種処理を実行すると共に、RAM23の一部の領域を用いたユーザが視聴した一日分の視聴率データを格納するようになされている。
【0090】
フラツシユメモリ24は内部に格納している各種実行プログラムについて、IRD50が新たなプログラムを受信した場合には、当該プログラムを新たな内容に書き換えるようになされている。この書換え処理をプログラムのダウンロードと呼ぶ。
【0091】
EEPROM25は不揮発性メモリでなり、IRD50の電源をオフ状態に切り換えた際の直前に設定されていた最終的なチヤンネル番号情報やそのときの音声レベルを記憶する。CPU22は電源が再度オン状態に切り換えられたとき、EEPROM25に記憶されたデータ内容を読み出すことにより、電源がオフ状態となつたときと同じチヤンネル番号及び音量レベルを再設定する。
【0092】
ここで、CPU22は予め決められた時間ごと(例えば10秒ごと)にユーザが視聴している(又は録画している)番組を表すデータや種々の付加情報を視聴率データ(番組選択履歴情報)D100としてRAM23に格納する。この視聴率データD100は、図11に示すように、ヘツダ部分161とデータ部分162とに分かれ、ヘツダ部分161は図8について上述したユーザの管理番号(識別番号)をBCD(Binary Coded Decimal)48ビツトで表すことによりIRD50の識別を行う識別番号情報領域163と、記憶された視聴率データD100のデータ取得日付を年月日(但し西暦の上位2桁は送出しない)をBCD24ビツトで表す日時情報領域164と、記憶された視聴率データD100のサンプル数(すなわちこのときヘツダ部分161に続いて記憶されているゲータ部分162のサンプル数)をbinary16ビツトで表すサンプル数情報領域165とによつて構成されている。
【0093】
またデータ部分162は、所定の時間ごと(例えば10秒ごと)にCPU22によつて取得されたユーザの視聴状態を表すデータを当該1回の取得ごとに1つのデータ単位(サンプルデータ)166としてその取得順に形成しており、各サンプルデータ166には、それぞれ後述する各種の付加情報(8ビツト)と、そのサンプルデータが取得された時刻情報(24ビツト)と、当該サンプルデータ166が取得された時刻におけるユーザの選択番組情報(チヤンネルナンバ情報(16ビツト))とが割り当てられる。
【0094】
各サンプルデータ166に割り当てられる付加情報は、図12に示すように、全体として8ビツトのデータからなり、当該サンプルデータ166が取得された時刻においてIRD50がビデオソフト(映像及び音声からなる番組)の購入を行つて当該番組を録画及び又は表示しているとき最下位ビツトに「1」が割り当てられ、また、当該サンプルデータ166が取得された時刻においてIRD50がタイマ予約による録画を行つているとき最下位から2ビツト目に「1」が割り当てられ、また、当該サンプルデータ166が取得された時刻においてIRD50が電子番組ガイド情報EPGを表示中であるとき最下位から3ビツト目に「1」が割り当てられ、また、当該サンプルデータ166が取得された時刻においてIRD50がフラツシユメモリ24に格納されている実行プログラムのバージヨンアツプのための新たなプログラムをダウンロード中であるとき最下位から4ビツト目に「1」が割り当てられ、さらに、当該サンプルデータ166が取得された時刻においてIRD50が音楽番組の購入を行つてこれを光磁気記録再生装置52に記録するミユージツクダウンロード中であるとき最下位から5ビツト目に「1」が割り当てられる。
【0095】
このようにして、各時刻ごとに取得された複数のサンプルデータ166には、その取得タイミングにおけるIRD50の番組選択状態(すなわちユーザによる視聴状態)が付加情報として詳細に記録され、RAM23に各サンプルデータ166ごとに順次格納される。
【0096】
CPU22はこのようにして取得された視聴率データD100をRAM23に一日分蓄積し、これを一日分の視聴率データ(番組選択履歴情報)としてモデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8(図1)に送信する。この場合、CPU22は予め管理番号(識別番号)によつて指定された時刻になるとRAM23に蓄積されている視聴率データD100をモデム26及び公衆電話回線網7を介して集計センタ8(図1)に送信する。このとき、図13に示すように、IRD50が集計センタ8との間で回線を接続すると、集計センタ8(図1)のデータ処理部8DはIRD50から送信されてくる視聴率データD100をモデム8Aを介して受け付けると共に、IRD50に対して視聴率データD100の内容を変更する必要がある場合には、当該視聴率データD100の変更コマンドD200をIRD50に送信する。
【0097】
IRD50のCPU22は変更コマンドD200を入力すると、これに応じてフラツシユメモリ24の視聴率取得に関するプログラムを書き換え、視聴率データD100として取得及び集計センタ8に送信する情報内容を変更する。例えば、変更コマンドD200として集計センタ8の電話番号を指定の日時から変更する旨の命令が集計センタ8からIRD50に送信されると、IRD50のCPU22は当該変更コマンドD200に応じて、指定された日時から視聴率データD100を送信する先の電話番号を変更する。
【0098】
また変更コマンドD200として、当初管理番号によつて設定されていた視聴率データD100の集計センタ8への送信時刻を変更させる旨の命令が集計センタ8からIRD50に送信されると、IRD50のCPU22は当該変更コマンドD200に応じてフラツシユメモリ24内の管理番号の一部(送出時刻)を書き換えることにより、視聴率データD100の送信時刻を変更する。これにより、例えば集計センタ8において複数のユーザ(IRD)に対してそれぞれの地域ごと又はユーザの年代ごとといつた新たなグループ分けを行つた際に、当該グループごとの送信時刻を新たな時刻に設定し直すことができる。
【0099】
また変更コマンドD200として、視聴率データD100の送信を停止させる旨の命令が集計センタ8からIRD50に送信されると、IRD50のCPU22は当該変更コマンドD200に応じて、以後視聴率データD100の取得及び集計センタ8への送信を停止する。
【0100】
また変更コマンドD200として、視聴率データD100の内容を変更させる旨の命令が集計センタ8からIRD50に送信されると、IRD50のCPU22は当該変更コマンドD200に応じて、以後視聴率データD100として取得及び集計センタ8に送信する内容を変更する。この場合、例えば視聴率データD100を取得しRAM23に格納していた時間間隔をそれまでの10秒ごとから30秒ごとに変更したり、図12について上述した付加情報の内容を新たな内容に変更する等の変更項目がある。
【0101】
このようにしてIRD50が集計センタ8との間で回線を接続したとき、集計センタ8から変更コマンドD200をIRD50に送信して、視聴率データD100の取得内容や送信時刻等を変更することにより、集計センタ8の集計処理の変更に応じてIRD50に設定されている視聴率データD100に関する種々の設定項目を変更することができる。因みに、視聴率データD100に関する種々の設定項目は各ユーザ(IRD)の管理番号(識別番号)と共に集計センタ8のデータベース8Eに格納されており、データ処理部8Dは設定項目の変更に伴つてデータベース8Eを書き換える。
【0102】
以上の構成において、集計センタ8はユーザ(IRD)に対して予め個別の管理番号を通知し、ユーザはこの管理番号をIRD50に設定することにより、IRD50において固有の管理番号が識別番号としてフラツシユメモリ24に記憶されると共に、ユーザの設定操作によつて当該管理番号(識別番号)が集計センタ8に登録される。
【0103】
この管理番号は、視聴率データD100をユーザ宅から集計センタ8に送信する時刻と、視聴率調査に参加するユーザ(IRD)に割り当てられたシリアル番号からなり、各IRDごとに固有の番号となる。従つて、ユーザ宅に接続されている電話回線が1回線のみであつて当該ユーザ宅に複数のIRD50が設置されている場合でも、ユーザ宅の電話番号を識別番号とする場合に比べて、各IRD50にはそれぞれ個別の管理番号が割り当てられることにより、集計センタ8はIRDごとに割り当てられた管理番号によつて個別に視聴率データD100を集計することができる。
【0104】
また、集計センタ8は管理番号としてIRD50から集計センタ8に対して視聴率データD100を送信する時刻を用いることにより、当該時刻として地域ごと、又はユーザの年代別に割り当てることができ、ユーザ(IRD)を地域や年代等の特徴ごとにグループ分けした際に、各グループごとに視聴率データD100の送信時刻を纏めることができる。
【0105】
またユーザ宅(IRD50)から視聴率データD100が公衆電話回線網7を介して集計センタ8に送信される際に、当該公衆電話回線網7が接続されたことを利用して、集計センタ8からIRD50に対して視聴率データD100の変更コマンドD200を送信して視聴率データD100の内容や送信時刻等を変更することにより、初期設定において一旦決められた視聴率データD100の内容や送信時刻を集計センタ8側の都合によつて任意かつ容易に変更することができる。
【0106】
かくして以上の構成によれば、IRD50固有の管理番号(識別番号)に基づいてIRDごとの視聴率データD100を集計することができると共に、視聴率データD100の内容や送信時刻を任意に変更することにより視聴率データD100について自由度の高い集計を容易に行うことができる。
【0107】
なお上述の実施の形態においては、IRD50に割り当てる管理番号(識別番号)として視聴率データD100を集計センタ8に送信する時刻を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、IRD50(ユーザ宅)の地域やユーザの年代別のコード情報を割り当てる等、他の種々の情報を割り当てることができる。この場合、集計センタ8はIRD50の地域やユーザの年代ごとに送信時刻を決め、当該送信時刻を変更コマンドD200によつて設定することができる。
【0108】
また上述の実施の形態においては、集計センタ8からIRD50に対して変更コマンドD200を送信することにより視聴率データD100の内容(付加情報等)、集計センタ8の電話番号、送信停止及び送信時刻の変更といつた項目について変更する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、集計センタ8において集計作業に必要とされる新たな取得情報の追加を行うこともできる。
【0109】
また上述の実施の形態においては、本発明を通信衛星を介して番組を配信するシステムに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば地上波によつて番組を配信するシステムにおいても適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明による視聴率調査システムの構成を示すブロツク図である。
【図2】本発明によるIRDの第1の実施の形態を示すブロツク図である。
【図3】初期設定画面を示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態における識別番号入力画面を示す略線図である。
【図5】第1の実施の形態における視聴率データのデータ構造を示す略線図である。
【図6】本発明によるIRDの第2の実施の形態を示すブロツク図である。
【図7】第2の実施の形態における管理番号入力画面を示す略線図である。
【図8】管理番号の構成を示す略線図である。
【図9】NITデータの構成を示す略線図である。
【図10】サービスリスト記述子のデータ構成を示す略線図である。
【図11】第2の実施の形態における視聴率データのデータ構造を示す略線図である。
【図12】付加情報の構成を示す略線図である。
【図13】視聴率データ及び視聴率データ変更コマンドの送受信の説明に供するブロツク図である。
【符号の説明】
【0111】
1……視聴率調査システム、2……放送事業者、3……通信衛星、5、50……IRD、7……公衆電話回線網、8……集計センタ、8D……データ処理部、8E……データベース、10……電源回路、11……フロントエンド部、12……デマルチプレクサ、22……CPU、23……RAM、24……フラツシユメモリ、26……モデム、27……リモートコマンダ、28……リモコン信号受光部、151……IEEE1394インターフエース、152……光磁気記録再生装置、153……デイジタルビデオテープレコーダ、154……ハードデイスクレコーダ、155……デイジタルテレビジヨン装置、BUS……IEEE1394データバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによつて選択された番組の視聴情報を所定のセンタへ定期的に送信する視聴情報送信装置において、
上記視聴情報を蓄積する蓄積手段と、
上記視聴情報を上記センタへ定期送信するための送信時刻に基づき、公衆回線を介して上記センタに接続することによつて、上記視聴情報送信装置と上記センタとの間で回線接続されたとき、上記蓄積手段に蓄積されている一定期間分の上記視聴情報を上記センタへ送信するとともに、上記センタから上記定期送信するための送信時刻に関する設定指示を受信する送受信手段と
を具えることを特徴とする視聴情報送信装置。
【請求項2】
上記送受信手段は、上記センタから上記送信時刻に関する設定指示に従つて、設定された新たな所定時刻に基づき、上記視聴情報を上記センタへ自動送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の視聴情報送信装置。
【請求項3】
ユーザによつて選択された番組の視聴情報を所定のセンタへ定期的に送信する視聴情報送信装置の視聴情報送信方法であつて、
蓄積手段に上記視聴情報を蓄積し、
上記視聴情報を上記センタへ定期送信するための送信時刻に基づき、公衆回線を介して上記センタに接続することによつて、上記視聴情報送信装置と上記センタとの間で回線接続されたとき、上記蓄積手段に蓄積されている一定期間分の上記視聴情報を上記センタへ送信するとともに、上記センタから上記定期送信するための送信時刻に関する設定指示を受信するステツプ
を含むことを特徴とする視聴情報送信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−178131(P2008−178131A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41837(P2008−41837)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【分割の表示】特願2007−332982(P2007−332982)の分割
【原出願日】平成10年4月30日(1998.4.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】