説明

視覚的調和と非画一性を備えた印章自動彫刻システム及びその方法

【課題】従来における多点式店頭販売方式の利点を温存しながら、稀少の姓の印章にも対応することができ、更に、字体の非画一性は勿論のこと、字体の視覚的調和をも兼ね備えた印章自動彫刻システム及びその方法を提供する。
【解決手段】印章自動彫刻端末機1に、受注した印影を変換したコードを印影情報自動加工機2へ送信する送信部11と、印影情報自動加工機2で加工された印影情報を受信する受信部12と、加工された印影情報に基づいて当該印影を彫刻する自動彫刻部13とを設け、印影情報自動加工機2に、前記送信部から送られたコードに対応するフォントを加工部22に出力する受信部21と、視覚的調和処理部22A、及び、非画一性処理部22Bとからなる加工部22と、その加工部22で加工されたフォントと印枠からなる印影情報を印章自動彫刻端末機1に出力する送信部23とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に、姓名の姓のみを彫刻して使用する印章、印鑑乃至ミトメ印(以下、印章という)の印影を自動的に彫刻するシステム及びその方法に関し、より詳言すれば、印章の受注と印影の彫刻作業を遠隔の多点端末で行い、印影情報の自動加工作業をホストプロセッサで一点集中的に行う印章自動彫刻システム及びその方法に関し、更に詳言すれば、受注した印影情報に視覚的調和処理と非画一性処理を含む自動加工を施し得る印章自動彫刻システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漢字を使用する人種、例えば、日本人は、古くから、自己のアイデンティティを書面上で立証する手段として、一般的に、印章を使用する習慣があり、印章に彫刻される文字は、通常、姓名のうちの姓のみを表示する場合が多い。
【0003】
日本人の姓の文字数は、その9割以上が2文字で構成され、1文字または3文字が僅かに存在し、4文字は極めて稀であると言われている。
【0004】
鈴木、斉藤など同姓率の多い印影を有する印章は、駅の売店や文具店の店頭であらかじめ彫刻済みの既製印章として販売されており、印影の在庫種類は、通常、5,000〜10,000種、多くて30,000種が用意されている。
【0005】
これらの印章の印影は、近年、印章自動彫刻機が開発され、それらの使用により自動的に短時間で大量に供給されるようになった。一例として、印鑑自動彫刻販売システム(下記特許文献1参照)、印章自動彫刻装置(下記特許文献2参照)、印章自動彫刻用刃体(下記特許文献3参照)、印影の作成方法(下記特許文献4参照)、自動印鑑彫刻機の操作方式(下記特許文献5参照)その他が認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−188083号公報
【特許文献2】実開平4−33573号公報
【特許文献3】特開平4−43097号公報
【特許文献4】特開平4−314543号公報
【特許文献5】特開平6−199025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来における既製印章の店頭在庫販売方式は、手軽に入手し得る利点がある反面、多数の稀少の姓の印章を常備し得ず、仮に、それらまでも常備しようとすれば、広い在庫スペースとコストがかかり、販売回転率が低く、メリットがないので、常備する在庫種類を限定せざるを得ず、需要に対して必ずしも最適の供給とはならない課題があった。
【0008】
他方において、印章の本来の目的である使用者のアイデンティティーを証する機能が、既製印章の店頭在庫販売方式では達成されず、同形印となり、書体、素材、形状などを自由に選べない課題があった。
【0009】
この発明の目的は、上述した2つの課題を解決して、従来における多点式店頭受注販売方式の利点を温存しながら、稀少の姓の印章にも対応することができる一方、占有スペースが少なくて済み、更に、印章機能の本来の目的である字体の非画一性は勿論のこと、字体の視覚的調和をも兼ね備えた印章自動彫刻システム及びその方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る視覚的調和と非画一性を備えた印章自動彫刻システムは、印影情報自動加工機と少なくとも1つの印章自動彫刻端末機との連係からなり、前記印章自動彫刻端末機に、受注した印影を変換したコードを前記印影情報自動加工機へ送信する送信部と、前記印影情報自動加工機で加工された印影情報を受信する受信部と、加工された印影情報に基づいて当該印影を彫刻する自動彫刻部と、を設け、前記印影情報自動加工機に、前記印章自動彫刻端末機の送信部から送られたコードを受信し、そのコードに対応するフォントを加工部に出力する受信部と、視覚的調和処理部と非画一性処理部とを備えた前記加工部と、その加工部で加工されたフォントと印枠からなる印影情報を前記印章自動彫刻端末機に出力する送信部と、を設け、前記加工部が、前記視覚的調和処理部による視覚的調和処理を施した後に、その視覚的調和を損なわない限度で、前記非画一性処理部による非画一性処理を施すように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記視覚的調和処理部に、ビットマップに表示された複数のフォントの縦方向における白から黒への反転回数の最大値を対比し、その最大値に差があるときに、各フォントを各最大値に比例した大きさに拡大縮小する第1配字処理部を設けることとすることができる。
【0012】
さらに、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記視覚的調和処理部に、各フォントの凹部と凸部の位置的関連により、一方のフォントの凹部を他方のフォントの凸部を嵌入させる第2配字処理部を設けることとすることができる。
【0013】
またさらに、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記視覚的調和処理部に、フォントの凹部を印枠に近づける第3配字処理部を設けることとすることができる。
【0014】
また、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記非画一性処理部に、各フォントの縦横比の独立変倍と相対位置の変位を含む第4配字処理部を設けることとすることができる。
【0015】
さらに、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記非画一性処理部に、ビットマップに表示されたフォントの構成部に太さ乃至幅の局所的増減を加える添削処理部を設けることとすることができる。
【0016】
またさらに、本発明に係る印章自動彫刻システムでは、前記非画一性処理部に、印枠に接する非フォント部位に文字以外のマークを付加するマーク加筆処理部を設けることとすることができる。
【0017】
本発明に係る視覚的調和と非画一性を備えた印章自動彫刻方法は、印影情報自動加工機と少なくとも1つの印章自動彫刻端末機との連係からなるシステムを動作させることで、視覚的調和と非画一性とを備えた印章自動彫刻を実施させる印章自動彫刻方法において、まず、印章自動彫刻端末機で受注した印影を変換したコードを印影情報自動加工機に送信し、次に、印影情報自動加工機で受信したコードに対応するフォントを加工部に出力し、その加工部で、視覚的調和処理を施した後に、その視覚的調和を損なわない限度で、非画一性処理を施し、かくして、加工を完了したフォントと印枠からなる印影情報を印章自動彫刻端末機に送信し、当該彫刻端末機でその印影情報を彫刻する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る印章自動彫刻方法では、前記加工部で、ビットマップに表示された複数のフォントの縦方向における白から黒への反転回数の最大値を対比し、その最大値に差があるときに、限度を超えない範囲で、各フォントを各最大値に比例した大きさに拡大縮小する第1配字作業を行う第1工程と、各フォントの凹部と凸部の位置的関連により、一方のフォントの凹部に他方のフォントの凸部を嵌入させる第2配字作業を行う第2工程と、フォントの凹部を印枠に近づける第3配字作業を行う第3工程と、による前記視覚的調和処理を施した後に、その視覚的調和を損なわない限度で、各フォントの縦横比の独立変倍と相対位置の変位を含む第4配字作業を行う第4工程と、ビットマップに表示されたフォントの構成部に太さ乃至幅の局所的増減を加える添削作業を行う第5工程と、印枠に接する非フォント部位に文字以外のマークを付加するマーク加筆作業を行う第6工程と、による前記非画一性処理を施すこととすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る印章自動彫刻システム及びその方法は、印章のもつ本来の目的である非画一性の処理、及び、印影の視覚的調和処理などを、受注した印影のコード化処理と、字入れ作業、すなわち、配字や添削により印影となるフォントを完成させる作業のコンピューター入力自動化、つまり、コンピューターのソフトウエアで電気的電子的に入力し、自動化し、そして、高速度で加工を完了させることができ、更に、加工済の印影を遠隔地へ送信することを可能にする一方、多点式端末機からの加工依頼の受注送信を可能とする双方向通信システムを開発したことによって、従来における多点式店頭受注販売方式の利点を温存しつつ、質の高い印影を有する印章を、稀少な姓の印章にも対応可能な点をも含めて、占有スペースの少ない多点にて実現させることができるようになったので、斯界に貢献するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る印章自動彫刻システムの全体的配置の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る印章自動彫刻システムを構成する印影情報自動加工機2と、少なくとも1つの印章自動彫刻端末機1の各部構成と相互的連係操作のプログラム手順を解説するブロックダイヤグラムである。
【図3】加工部2の視覚的調和処理部22Aにおける第1配字処理部22Aaによってビットマップ上で処理される印影の実施例を示す説明図である。
【図4】第1配字処理部22Aaにおける処理原則を解説する説明図である。
【図5】加工部2の視覚的調和処理部22Aにおける第2配字処理部22Abによってビットマップ上で処理される印影の実施例とその処理原則を、第3配字処理部22Acの解説をも兼ねて、解説する説明図である。
【図6】加工部2の非画一性処理部22Bにおける第4配字処理部22Baによってビットマップ上で処理される印影の実施例とその処理原則を解説する説明図である。
【図7】加工部2の非画一性処理部22Bにおける添削処理部22Bbによってビットマップ上で処理される印影の実施例を示す説明図である。
【図8】加工部2の非画一性処理部22Bにおけるマーク加筆処理部22Bcによってビットマップ上で処理される印枠つき印影の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
まず、図1で示すように、この発明による印章自動彫刻システムは、集中的ホストプロセッサとなる1台の印影情報自動加工機2と、少なくとも1つ、通常は分散して多数配置された印章自動彫刻端末機1,1,1・・・・との連係によって構成されている。なお、加工機2に対する彫刻端末機1は必ずしも遠隔配置ではなく、一体または併設された状態をも含まれること図示の通りである。
【0023】
次に、図2は、印影情報自動加工機2と印章自動彫刻端末機1の各部構成と相互的連係操作のプログラム手順を解説するブロックダイヤグラムを示す。
【0024】
この図2で示すように、印章自動彫刻端末機1は、送信部11と、受信部12と、自動彫刻部13とから成る。送信部11では、受注した印章の印影、つまり、彫刻すべき字形を、図示を省略した姓コード表、または、文字コード表に従ってコード化し、そのようにして変換されたコードが印影情報自動加工機2に送られる。これに対して、受信部12では、印影情報自動加工機2で加工を完了した印影情報が受信される。更に、自動彫刻部13では、加工を完了した印影情報に基づいて当該印影が彫刻され、このようにして彫刻を完了した印章が発注者に供給される。
【0025】
更に、図2で示すように、印影情報自動加工機2は、受信部21と、加工部22と、送信部23とから成る。まず、受信部21では、印章自動彫刻端末機1の送信部11から送られたコードが受信され、そのコードに対応するフォントが加工部22に出力される。加工部22は、視覚的調和処理部22Aと、非画一性処理部22Bによって構成される。送信部23では、加工部22で加工されたフォントと印枠からなる印影情報が印章自動彫刻端末機1の受信部12に送られる。
【0026】
従って、上記双方の機器を使用した相互連係操作のプログラム手順は次のようになる。すなわち、まず、印章自動彫刻端末機1で受注した印章の所望の印影がコードに変換され、変換されたコードが送信部11から印影情報自動加工機2の受信部21に送られ、次に、受信部21で受信されたコードに対応するフォントが加工部22に出力され、その加工部22で後述する視覚的調和処理と非画一性処理が施された後、加工を完了したフォントと印枠からなる印影情報が送信部23から印章自動彫刻端末機1の受信部12に送られ、その加工済印影情報に基づいて自動彫刻部13が作動して印影情報が彫刻され、彫刻完了とともに印章が発注者に手渡される。
【0027】
さて、前述したように、加工部22は視覚的調和処理部22Aと非画一性処理部22Bとによって構成され、視覚的調和処理部22Aは、第1配字処理部22Aaと、第2配字処理部22Abと、第3配字処理部22Acとから成る一方、非画一性処理部22Bは、第4配字処理部22Baと添削処理部22Bbとマーク加筆処理部22Bcとから成る。
【0028】
第1配字処理部22Aaは、まず、図3の左半部で示すように、字画数の比較的多い文字と少ない文字とからなる複数字の姓の場合に、双方の文字を同一大のフォントで処理すると、字画数の少ない、例えば「田」の字が視覚的に大きく見える半面、字画数の多い、例えば「郷」の字が視覚的に小さく見え、印影全体として不調和となり、見苦しい。
【0029】
そこで、図3の右半部で示すように、相対的に字画数に比例する大きさにフォントを拡大縮小、つまり、「郷田」の場合には、「田」のフォントを縮小し、「郷」のフォントを拡大した状態に処理すれば、視覚的調和を保つことが可能となる。
【0030】
上記をコンピューターのディスプレイに出力されたビットマップ上で達成させるには、図4の上半部で示すように、ビットマップに表示された複数のフォントの場合、この実施例では、字画数の少ない「大」と字画数の多い「国」の場合に、縦方向における白から黒への反転回数の最大値、つまり、「大」では2、「国」では6を対比して、その最大値に差がある時に、限度を超えない範囲で、各フォントを各最大値に比例する大きさに拡大縮小する。この作業を達成するパートが第1配字処理部22Aaである。かくして、処理された「大国」の印影が図4の下右に示され、図4の下左に示される処理前の印影と対比すれば、視覚的調和が優れていることが判るであろう。
【0031】
次に、第2配字処理部22Abは、まず、図5の上半部で示すように、ビットマップの4隅部とそれらの間の辺中央部における合計8個所の白黒度を検出し、白が多い場合にはそれが空白であり、それらを字の形状から見れば凹部の位置に相当する一方、黒が多い場合には、そこが非空白部であり、それらを字の形状から見れば凸部の位置に相当することが検出される。
【0032】
そこで、図5の実施例で示すように、複数のフォントを「大中」からなる印影と仮定すれば、「大」の下部中央に凹部が存在する反面、「中」の上部中央に凸部が存在することが判るから、図5の下右部で示すように、「大」の下部中央の凹部に「中」の上部中央の凸部を嵌入処理すれば、視覚的調和が得られることは、その処理前の図5の下左部の印影と対比して一目瞭然であろう。
【0033】
第3配字処理部22Acは、図5の下半部で示すように、フォントの凸部先端、つまり、実施例における「大」のフォントの上部中央、及び「中」のフォントの下部中央がいずれも突出し、その両側に凹部が認められるので、このような場合には、フォントの凹部を印枠に近づける処理をするものである。
【0034】
上記実施例の各配字処理部22Aa,b,cにおいて、字画(図4)及び空白部(図5)の検出を横方向について検出すれば、横方向に文字が配置される印影に対しても、視覚的調和処理を施すことができる。
【0035】
次に、第4配字処理部22Baは、非画一性を狙ったものであって、図6の上部で示すように、各フォントの縦横比の独立変倍と相対位置の変位を、視覚的調和を損なわない限度で操作処理する。例えば、図6の下半部で示すように、複数のフォント「大」「川」のうち、「川」のフォントを「大」のフォントに対して縮小させて非画一性処理の一例とする。
【0036】
非画一性処理の第2例として、添削処理部22Bbの具体例は、図7で示すように、ビットマップに表示されたフォントの構成部に太さ乃至幅の局所的増減を加える、つまり、フォントの「東」の☆マークの矢印部分を図7の右側で拡大して示すように、肉厚に補充処理することなどである。
【0037】
非画一性処理の第3例として、マーク加筆処理部22Bcの具体例は、図8で示すように、印枠に接する非フォント部位にも字以外のマークを付加処理することである。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0039】
1 少なくとも1つの印章自動彫刻端末機、11 送信部、12 受信部、13 自動彫刻部、2 印影情報自動加工機、21 受信部、22 加工部、22A 視覚的調和処理部、22Aa 第1配字処理部、22Ab 第2配字処理部、22Ac 第3配字処理部、22B 非画一性処理部、22Ba 第4配字処理部、22Bb 添削処理部、22Bc マーク加筆処理部、23 送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印影情報自動加工機と少くとも1つの印章自動彫刻端末機との連係からなり、
前記印章自動彫刻端末機に、
受注した印影を変換したコードを前記印影情報自動加工機へ送信する送信部と、
前記印影情報自動加工機で加工された印影情報を受信する受信部と、
加工された印影情報に基いて当該印影を彫刻する自動彫刻部と、
を設け、
前記印影情報自動加工機に、
前記印章自動彫刻端末機の送信部から送られたコードを受信し、そのコードに対応するフォントを加工部に出力する受信部と、
視覚的調和処理部と非画一性処理部とを備えた前記加工部と、
その加工部で加工されたフォントと印枠からなる印影情報を前記印章自動彫刻端末機に出力する送信部と、
を設け、
前記加工部が、前記視覚的調和処理部による視覚的調和処理を施した後に、その視覚的調和を損なわない限度で、前記非画一性処理部による非画一性処理を施すように構成されていることを特徴とする視覚的調和と非画一性を備えた印章自動彫刻システム。
【請求項2】
前記視覚的調和処理部に、
ビットマップに表示された複数のフォントの縦方向における白から黒への反転回数の最大値を対比し、その最大値に差があるときに、各フォントを各最大値に比例した大きさに拡大縮小する第1配字処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項3】
前記視覚的調和処理部に、
各フォントの凹部と凸部の位置的関連により、一方のフォントの凹部を他方のフォントの凸部を嵌入させる第2配字処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項4】
前記視覚的調和処理部に、
フォントの凹部を印枠に近づける第3配字処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項5】
前記非画一性処理部に、
各フォントの縦横比の独立変倍と相対位置の変位を含む第4配字処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項6】
前記非画一性処理部に、
ビットマップに表示されたフォントの構成部に太さ乃至幅の局所的増減を加える添削処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項7】
前記非画一性処理部に、
印枠に接する非フォント部位に文字以外のマークを付加するマーク加筆処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印章自動彫刻システム。
【請求項8】
印影情報自動加工機と少くとも1つの印章自動彫刻端末機との連係からなるシステムを動作させることで、視覚的調和と非画一性とを備えた印章自動彫刻を実施させる印章自動彫刻方法において、
まず、印章自動彫刻端末機で受注した印影を変換したコードを印影情報自動加工機に送信し、
次に、印影情報自動加工機で受信したコードに対応するフォントを加工部に出力し、
その加工部で、視覚的調和処理を施した後に、その視覚的調和を損なわない限度で、非画一性処理を施し、
かくして、加工を完了したフォントと印枠からなる印影情報を印章自動彫刻端末機に送信し、
当該彫刻端末機でその印影情報を彫刻する、
ことを特徴とする視覚的調和と非画一性を備えた印章自動彫刻方法。
【請求項9】
前記加工部で、
ビットマップに表示された複数のフォントの縦方向における白から黒への反転回数の最大値を対比し、その最大値に差があるときに、限度を超えない範囲で、各フォントを各最大値に比例した大きさに拡大縮小する第1配字作業を行う第1工程と、
各フォントの凹部と凸部の位置的関連により、一方のフォントの凹部に他方のフォントの凸部を嵌入させる第2配字作業を行う第2工程と、
フォントの凹部を印枠に近づける第3配字作業を行う第3工程と、による前記視覚的調和処理を施した後に、
その視覚的調和を損なわない限度で、
各フォントの縦横比の独立変倍と相対位置の変位を含む第4配字作業を行う第4工程と、
ビットマップに表示されたフォントの構成部に太さ乃至幅の局所的増減を加える添削作業を行う第5工程と、
印枠に接する非フォント部位に文字以外のマークを付加するマーク加筆作業を行う第6工程と、による前記非画一性処理を施すこと、
を特徴とする請求項8に記載の印章自動彫刻方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−255587(P2009−255587A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182353(P2009−182353)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【分割の表示】特願平10−63983の分割
【原出願日】平成10年2月28日(1998.2.28)
【出願人】(593183229)旭フォトマイクロウエア株式会社 (1)
【Fターム(参考)】