説明

視覚訓練装置

【課題】簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を効果的に行う。
【解決手段】視覚訓練ECU1は、ユーザの正面近傍に、ユーザの視線を向けさせる刺激である中心刺激MCを表示する中心刺激表示部11と、中心刺激MCの周囲に、予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に周辺刺激M1、M2を表示する周辺刺激表示部12とを備え、周辺刺激表示部12は、中心刺激MCの表示周期よりも長い表示周期で、周辺刺激M1、M2を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置に関する。より特定的には、例えば、車両に搭載され、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の運転する車両による事故が発生する要因として、加齢に伴って有効視野角が狭くなることが指摘されている。そこで、従来、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる種々の方法、装置等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の周辺視力訓練装置は、記憶装置に記憶されると共に表示装置に表示されたシンボルを、レンズとミラーにより訓練者の視野の中心と周辺とに結像させ、その表示内容をコントローラにより予め定めた手順により変化させる。なお、訓練者が装着するヘルメットにより表示装置、レンズおよびミラーを保持する。特許文献1に記載の周辺視力訓練装置では、模擬の運動を行いながら周辺視力のみの訓練を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−76573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の周辺視力訓練装置では、訓練者はヘルメットを装着する必要があり、拘束感があるため、継続して訓練を行うことが困難となる場合がある。また、周辺視力訓練装置を購入等する必要があるため、訓練を行うことが更に困難となる虞がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことの可能な視覚訓練装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置であって、ユーザの正面近傍に、ユーザの視線を向けさせる刺激である中心刺激を表示する中心刺激表示手段と、中心刺激の周囲に、予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に周辺刺激を表示する周辺刺激表示手段と、周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段と、を備え、周辺刺激表示手段が、中心刺激の表示周期よりも長い表示周期で、周辺刺激を表示する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、周辺刺激表示手段が、周辺刺激の輝度を、予め設定された第1期間において漸増させ、その後、予め設定された第2期間において漸減させる。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、周辺刺激表示手段が、周辺刺激の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激の輝度を変化させる。
【0010】
第4の発明は、上記第1の発明において、周辺刺激表示手段が、中心刺激を基準とした視野角が相違する複数の位置に周辺刺激を表示する。
【0011】
第5の発明は、上記第4の発明において、周辺刺激表示手段が、周辺刺激を表示する複数の位置をランダムに決定して表示する。
【0012】
第6の発明は、上記第4の発明において、操作受付手段が、周辺刺激を表示された位置が、複数の位置の内、どの位置であるかを判別可能な確認操作を受け付ける。
【0013】
第7の発明は、上記第1の発明において、中心刺激表示手段が、中心刺激の輝度を、周辺刺激の輝度以上とするべく中心刺激を表示する。
【0014】
第8の発明は、上記第1の発明において、周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段をさらに備える。
【0015】
第9の発明は、上記第8の発明において、操作受付手段を介して受け付けられた確認操作が、正しい操作であるか否かを判定する操作判定手段と、操作判定手段の判定結果に基づいて、正しい操作を行った確率である正答率を求める率算出手段と、率算出手段によって算出された正答率を、外部から視認可能に表示する結果表示手段と、を備える。
【0016】
第10の発明は、上記第9の発明において、操作判定手段が、周辺刺激の表示期間、および、確認操作が受け付けられたタイミングに基づいて、正しい操作であるか否かを判定する。
【0017】
第11の発明は、上記第9の発明において、率算出手段によって算出された正答率を格納する率記憶手段を備え、率算出手段が、正答率を算出する度に、率記憶手段に、算出された正答率を記録し、結果表示手段が、率記憶手段に格納された正答率を、外部から視認可能に表示する。
【0018】
第12の発明は、上記第9の発明において、正答率に基づき、予め設定された閾値以上の正答率となる視野角である有効視野角を求める角算出手段を備え、結果表示手段が、角算出手段によって算出された有効視野角を、外部から視認可能に表示する。
【0019】
第13の発明は、上記第9の発明において、角算出手段によって算出された有効視野角を格納する角記憶手段を備え、角算出手段が、有効視野角を算出する度に、角記憶手段に、算出された有効視野角を記録し、結果表示手段が、角記憶手段に格納された有効視野角を、外部から視認可能に表示する。
【0020】
第14の発明は、上記第1の発明において、該視覚訓練装置が、車両に搭載されている。
【0021】
第15の発明は、上記第14の発明において、中心刺激表示手段が、運転者の前方に配設され、文字情報を表示可能に構成された第1ディスプレイを介して、中心刺激を表示する。
【0022】
第16の発明は、上記第14の発明において、周辺刺激表示手段が、運転者の前側方に配設され、画像情報を表示可能に構成された第2ディスプレイを介して、周辺刺激を表示する。
【0023】
第17の発明は、上記第14の発明において、中心刺激表示手段は、光波を車両のフロントガラスに投光することにより当該フロントガラス上に画像を投影するヘッドアップディスプレイを介して、中心刺激を表示する。
【0024】
第18の発明は、上記第14の発明において、周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段をさらに備え、操作受付手段が、ターンレバーを介して、確認操作を受け付ける。
【0025】
第19の発明は、上記第14の発明において、周辺刺激表示手段は、車両に搭載されたランプを点灯することによって周辺刺激を表示する。
【0026】
第20の発明は、上記第19の発明において、ランプは、車両の外周部に配置されることを特徴とする。
【0027】
第21の発明は、上記第19の発明において、ランプは、車両の車室内に配置されることを特徴とする。
【0028】
第22の発明は、上記第14の発明において、車両の走行状況が予め定められた条件を満たしているか否かを判定する走行状況判定手段をさらに備え、中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、中心刺激および周辺刺激の表示の開始および停止を車両の走行状況が条件を満たしているか否かに応じて各々制御する。
【0029】
第23の発明は、上記第22の発明において、走行状況判定手段は、車両が予め定められた閾値以上の走行速度で、且つ、予め定められた閾値以下の操舵角で走行中であるか否かを判定し、中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が予め定められた閾値以上の走行速度で、且つ、予め定められた閾値以下の操舵角で走行中である場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々開始する。
【0030】
第24の発明は、上記第22の発明において、走行状況判定手段は、車両が交差点の近傍を走行中であるか否か判定し、周辺刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が交差点の近傍を走行中であると判定された場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々停止する。
【0031】
第25の発明は、上記第22の発明において、走行状況判定手段は、車両が高速道路へ進入してから予め定められた所定時間が経過したか否かを判定し、中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が高速道路へ進入してから予め定められた所定時間が経過したと判定された場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々開始する。
【発明の効果】
【0032】
上記第1の発明によれば、ユーザの正面近傍に、ユーザの視線を向けさせる刺激である中心刺激が表示される。また、中心刺激の周囲に、予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に周辺刺激が表示される。ここで、中心刺激の表示周期よりも長い表示周期で、周辺刺激が表示される。従って、簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。
【0033】
すなわち、中心刺激の周囲に予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に、周辺刺激が、中心刺激の表示周期よりも長い表示周期で表示されるため、中心刺激にユーザの注意若しくは視線又はその両方を適度に向けさせた状態で、ユーザに中心刺激から所定の視野角だけ離間した位置の周辺刺激を確認させることができるので、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができるのである。
【0034】
上記第2の発明によれば、周辺刺激の輝度が、予め設定された第1期間において漸増され、その後、予め設定された第2期間において漸減される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0035】
すなわち、周辺刺激の輝度が、漸増された後、漸減されるため、ユーザは、周辺刺激が表示されたことに気付き難いので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0036】
上記第3の発明によれば、周辺刺激の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激の輝度が変化される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0037】
すなわち、周辺刺激の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激の輝度が変化されるため、ユーザは、周辺刺激が表示されたことに気付き難いので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0038】
上記第4の発明によれば、中心刺激を基準とした視野角が相違する複数の位置に周辺刺激が表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。
【0039】
すなわち、中心刺激を基準とした視野角が相違する複数の位置に周辺刺激が表示されるため、ユーザの有効視野を更に正確に確認することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0040】
上記第5の発明によれば、周辺刺激を表示する複数の位置がランダムに決定されて表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0041】
すなわち、周辺刺激を表示する複数の位置がランダムに決定されて表示されるため、周辺刺激が表示される位置を予測することが困難となるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0042】
上記第6の発明によれば、周辺刺激を表示された位置が、複数の位置の内、どの位置であるかを判別可能な確認操作が受け付けられる。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0043】
すなわち、周辺刺激を表示された位置が、複数の位置の内、どの位置であるかを判別可能な確認操作が受け付けられるため、ユーザの有効視野を更に正確に確認することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
上記第7の発明によれば、中心刺激の輝度を、周辺刺激の輝度以上とするべく中心刺激が表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0044】
すなわち、中心刺激の輝度を、周辺刺激の輝度以上とするべく中心刺激が表示されるため、ユーザの視線を適度に中心刺激に集中させることができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0045】
上記第8の発明によれば、ユーザからの確認操作が受け付けられるため、ユーザが中心刺激および周辺刺激を確認したか否かを簡素な構成で確認しつつ有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0046】
上記第9の発明によれば、受け付けられた確認操作が、正しい操作であるか否かが判定される。また、その判定結果に基づいて、正しい操作を行った確率である正答率が求められる。更に、算出された正答率が、外部から視認可能に表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0047】
すなわち、正しい操作を行った確率である正答率が、外部から視認可能に表示されるため、ユーザの有効視野を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0048】
上記第10の発明によれば、周辺刺激の表示期間、および、確認操作が受け付けられたタイミングに基づいて、正しい操作であるか否かが判定される。従って、確認操作が正しい操作であるか否かを適正に評価することができる。
【0049】
すなわち、例えば、周辺刺激の表示期間からユーザの反応期間(例えば、100msec)だけ遅延した期間内に、確認操作が受け付けられた場合に、正しい操作であると判定することによって、確認操作が正しい操作であるか否かを適正に評価することができるのである。
【0050】
上記第11の発明によれば、正答率が算出される度に、算出された正答率が、率記憶手段に記録される。また、率記憶手段に格納された正答率が、外部から視認可能に表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0051】
すなわち、率記憶手段に格納された正答率が、例えば、正答率の推移として表示されるため、ユーザは訓練の効果を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0052】
上記第12の発明によれば、正答率に基づき、予め設定された閾値以上の正答率となる視野角である有効視野角が求められる。また、算出された有効視野角が、外部から視認可能に表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0053】
すなわち、予め設定された閾値以上の正答率となる視野角である有効視野角が求められるため、閾値を適正な値(例えば、63%)に設定することによって、適正な有効視野角を求めることができる。また、適正な有効視野角が視認可能に表示されるため、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0054】
上記第13の発明によれば、有効視野角が算出される度に、算出された有効視野角が角記憶手段に記録される。また、角記憶手段に格納された有効視野角が、外部から視認可能に表示される。従って、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0055】
すなわち、角記憶手段に格納された有効視野角が、例えば、有効視野角の推移として表示されるため、ユーザは訓練の効果を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができるのである。
【0056】
上記第14の発明によれば、該視覚訓練装置が、車両に搭載されている。従って、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことが可能となる。
【0057】
すなわち、該視覚訓練装置が、車両に搭載されているため、例えば、車両に搭載されているディスプレイ等を介して、中心刺激、周辺刺激等を表示することが可能となり、また、車両に搭載されているターンレバー等を介して、ユーザの操作を受け付けることが可能となるので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことが可能となるのである。
【0058】
上記第15の発明によれば、運転者の前方に配設され、文字情報を表示可能に構成された第1ディスプレイを介して、中心刺激が表示される。従って、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0059】
すなわち、運転者の前方に、ガイダンス情報等を表示するべく配設された第1ディスプレイを介して、中心刺激が表示されるため、中心刺激を表示するためにディスプレイ等を新たに配設する必要がないので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができるのである。
【0060】
上記第16の発明によれば、運転者の前側方に配設され、画像情報を表示可能に構成された第2ディスプレイを介して、周辺刺激が表示される。従って、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0061】
すなわち、運転者の前側方に配設され、画像情報を表示可能に構成された第2ディスプレイを介して周辺刺激が表示されるため、予めナビゲーション装置等が搭載された車両においては周辺刺激を表示するためにディスプレイ等を新たに配設する必要がないので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができるのである。
【0062】
上記第17の発明によれば、運転者はフロントガラス越しに車両前方を視認しつつ、フロントガラスに投影される中心刺激を確認することができる。したがって、運転者が中心刺激を注視し過ぎて車両前方の視認を怠ることを防ぐことができる。
【0063】
上記第18の発明によれば、ターンレバーを介して、確認操作が受け付けられる。従って、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0064】
すなわち、ターンレバーを介して、確認操作が受け付けられるため、確認操作を受け付けるための操作端を新たに配設する必要がないので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができるのである。
【0065】
上記第19の発明によれば、ランプによって周辺刺激を表示することができるため、複数箇所に周辺刺激を表示するために多数の画像表示装置を備える必要がない。したがって、安価且つ容易に周辺刺激を表示することができる。
【0066】
上記第20の発明によれば、車両外周部に備えられたランプを周辺刺激としてユーザに視認させることによって、当該ランプが備えられた車両外周部の領域へユーザの視野を拡大することができる。
【0067】
上記第21の発明によれば、車両内部に備えられたランプを周辺刺激としてユーザに視認させることによって、当該ランプが備えられた車両内部の領域へユーザの視野を拡大することができる。
【0068】
上記第22の発明によれば、車両が所定の走行状況にある場合に有効視野を拡大するための訓練が自動的に開始されるため、運転者は当該訓練の開始するための操作を行わずとも適切なタイミングで訓練を行うことができる。
【0069】
上記第23の発明によれば、車両が比較的高い速度で直進走行している状況、すなわち、運転者の視野が狭くなり易い単調な走行状況において有効視野を拡大するための訓練を開始することができる。
【0070】
上記第24の発明によれば、車両が交差点近傍を走行している状況、すなわち、運転者がハンドル操作や車両周囲の状況を視認すべき状況において、中心刺激および周辺刺激の表示を停止させることができる。したがって、運転者が中心刺激および周辺刺激に気をとられてハンドル操作を誤ったり、周囲の目視を怠ったりする可能性を低減することができる。
【0071】
上記第25の発明によれば、高速道路において高速走行している状況、すなわち、運転者の視野が狭くなり易い単調な走行状況において有効視野を拡大するための訓練を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】第1の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示す斜視図
【図3】第1の実施形態に係る視覚訓練ECUの機能構成の一例を示すブロック図
【図4】中心刺激、周辺刺激の一例を示す説明図
【図5】周辺刺激、確認操作の一例を示すタイミングチャート
【図6】有効視野角の算出方法の一例を示すグラフ
【図7】結果表示画面の一例を示す画面図
【図8】第1の実施形態に係る視覚訓練ECUの動作の一例を示すフローチャート(前半部)
【図9】第1の実施形態に係る視覚訓練ECUの動作の一例を示すフローチャート(後半部)
【図10】効果確認テストを行った実験装置の構成の一例を示す平面図、側面図
【図11】効果確認テストのテスト画面の一例を示す画面図
【図12】効果確認テストのテスト結果の一例を示す折れ線グラフ
【図13】第1の実施形態に係る視覚訓練装置で訓練した後に実施した効果確認テストのテスト結果の一例を示すレーダーチャート
【図14】第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示すブロック図
【図15】第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示す搭載図
【図16】第2の実施形態に係る視覚訓練ECUの機能構成の一例を示すブロックチャート
【図17】第2の実施形態に係る視覚訓練ECUの動作の一例を示すフローチャート
【図18】第2の実施形態に係る視覚訓練装置で訓練した後に実施した効果確認テストのテスト結果の一例を示すレーダーチャート
【発明を実施するための形態】
【0073】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明第1の実施形態に係る視覚訓練装置の実施形態について説明する。本実施形態に係る視覚訓練装置は、車両に搭載され、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置である。まず、図1、図2を用いて、本発明に係る視覚訓練装置の構成について説明する。
【0074】
図1は、第1の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示す斜視図である。図1に示すように、本発明に係る視覚訓練ECU(Electronic Control Unit)1(=視覚訓練装置に相当する)は、入力機器としてのターンレバー2と通信可能に接続され、出力機器3としての第1ディスプレイ31および第2ディスプレイ32と通信可能に接続されている。
【0075】
ターンレバー2は、図2に示すように、車両VCにおいて、運転者の前方右側に、運転者からの方向指示操作を受け付けるべく配設されたものであって、第1の実施形態に係る視覚訓練装置においては、第2ディスプレイ32に表示された周辺刺激が確認された場合に、運転者等のユーザからの確認操作を受け付けるものである。また、ターンレバー2は、受け付けた操作信号を、視覚訓練ECU1(図3に示す操作受付部13)に出力する。
【0076】
具体的には、確認操作は、図2に示すように、以下のように設定されている。第2ディスプレイ32の左下端に第1周辺刺激M1が表示された場合には、確認操作は、左折時の方向指示操作であるターンレバー2を左上方に傾斜させる第1操作D1に設定されている。また、第2ディスプレイ32の右上端に第2周辺刺激M2が表示された場合には、確認操作は、右折時の方向指示操作であるターンレバー2を右下方に傾斜させる第2操作D2に設定されている。
【0077】
第1ディスプレイ31は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、図2に示すように、車両VCにおいて、運転者に対してガイダンス情報等を表示するべく運転者の正面近傍に配設されたディスプレイであって、第1の実施形態に係る視覚訓練装置においては、視覚訓練ECU1(図3に示す中心刺激表示部11)からの指示に従って、中心刺激を表示するものである。
【0078】
第2ディスプレイ32は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、図2に示すように、車両VCにおいて、運転者に対してナビゲーション情報等を含む画像情報を表示するべく運転者の前方左側に配設されたディスプレイであって、第1の実施形態に係る視覚訓練装置においては、視覚訓練ECU1(図3に示す周辺刺激表示部12)からの指示に従って、周辺刺激(第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2)を表示すると共に、視覚訓練ECU1(図3に示す結果表示部17)からの指示に従って、結果表示画面(図6参照)を表示するものである。
【0079】
図3は、第1の実施形態に係る視覚訓練ECU1の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、視覚訓練ECU1は、機能的に、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、操作受付部13、操作判定部14、算出部15、記憶部16、および、結果表示部17を備えている。
【0080】
なお、視覚訓練ECU1は、視覚訓練ECU1の適所に配設されたマイクロコンピュータに、視覚訓練ECU1の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、操作受付部13、操作判定部14、算出部15、記憶部16、結果表示部17等の機能部として機能させる。
【0081】
記憶部16(率記憶手段、角記憶手段に相当する)は、算出部15によって算出された正答率および有効視野角を格納する機能部である。正答率および有効視野角は、算出部15によって記憶部16に記録される(=書き込まれる)。記憶部16に格納された正答率および有効視野角は、結果表示部17によって読み出される。
【0082】
中心刺激表示部11(中心刺激表示手段に相当する)は、第1ディスプレイ31を介して、運転者等のユーザの正面近傍に、ユーザの視線を向けさせる刺激である中心刺激MC(図4参照)を表示する機能部である。また、中心刺激表示部11は、第1ディスプレイ31上に、中心刺激MCとして、RSVP(Rapid Serial Visual Presentation)刺激を表示する。ここで、RSVP刺激とは、具体的には、A〜Zのアルファベットと、2〜9の数字を、1文字当たり略140msec〜200msecの間、表示するものであって、数字が表示された際に、ユーザにその数字を答えさせるものである。
【0083】
また、中心刺激MCの大きさは、視野角が略1.0度となる大きさであって、ここでは、例えば、縦方向14mm×横方向12mmである。更に、中心刺激として表示される文字は、背景を黒色として、例えば、白色で、周辺刺激M1、M2より明るい輝度(例えば、54cd/m2)で表示される。加えて、中心刺激表示部11は、予め設定された訓練
期間(ここでは、10分間)の間、第1ディスプレイ31上に、中心刺激MCとしてRSVP刺激を表示する。なお、ここでは、中心刺激表示部11は、車両VCの適所に配設された訓練実行開始ボタンが押下された場合に、有効視野を拡大する訓練を開始する。
【0084】
このようにして、中心刺激MCとして、RSVP刺激が表示されるため、ユーザの視線を適度に中心刺激MCに集中させることができるので、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。
【0085】
本実施形態では、中心刺激表示部11が、中心刺激MCとして、RSVP刺激を表示する場合について説明するが、中心刺激表示部11が、中心刺激MCとして、アルファベットおよび数字の少なくとも一方を含む文字を表示する形態であれば良い。例えば、中心刺激表示部11が、中心刺激MCとして、アルファベットを表示する形態でも良いし、数字を表示する形態でも良い。また、中心刺激表示部11が、ひらがなおよびカタカナの少なくとも一方を含む文字を表示する形態でも良い。
【0086】
また、中心刺激表示部11が、1文字当たり略140msec〜200msecの間、表示するため、ユーザの視線を適度に中心刺激MCに集中させることができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。すなわち、1文字当たりの表示時間が長すぎると、ユーザが極めて容易に文字を判読できるため、中心刺激MCに集中しなくなり、逆に、1文字当たりの表示時間が短すぎると判読が不可能となるため、中心刺激MCに集中しなくなるのである。
【0087】
更に、中心刺激MCの大きさを視野角として略1.0度とするべく中心刺激MCが表示されるため、視力の弱い人でも充分認識可能な大きさの中心刺激MCが表示されるので、ユーザの視力の影響を排除して、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0088】
加えて、中心刺激MCの輝度を、周辺刺激M1、M2の輝度以上とするべく中心刺激MCが表示されるため、ユーザの視線を適度に中心刺激MCに集中させることができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0089】
また、運転者の前方に、ガイダンス情報等を表示するべく配設された第1ディスプレイ31を介して、中心刺激MCが表示されるため、中心刺激MCを表示するためにディスプレイ等を新たに配設する必要がないので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0090】
本実施形態では、中心刺激表示部11が、第1ディスプレイ31を介して中心刺激MCを表示する場合について説明するが、中心刺激表示部11が、運転者の前方に配設されたLCD等のディスプレイを介して中心刺激MCを表示する形態であれば良い。例えば、中心刺激表示部11が、インスツルメントパネルの適所に搭載されたLCD等のディスプレイを介して中心刺激MCを表示する形態でも良い。
【0091】
周辺刺激表示部12(周辺刺激表示手段に相当する)は、第2ディスプレイ32を介して、中心刺激MCの周囲に、予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に周辺刺激M1、M2を表示する機能部である。また、周辺刺激表示部12は、第2ディスプレイ32の4隅の内、運転者からの視野角の差が最大となる2箇所(ここでは、左下隅、右上隅)に周辺刺激(=第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2)を表示する。
【0092】
図4は、中心刺激MC、周辺刺激M1、M2の一例を示す説明図である。図の略中央部に、第1ディスプレイ31が配設されており、第1ディスプレイ31上に、中心刺激MC(ここでは、「A」の文字)が表示されている。そして、図の左下部に、第2ディスプレイ32が配設されており、第2ディスプレイ32の左下隅に第1周辺刺激M1が表示され、右上隅に第2周辺刺激M2が表示されている。
【0093】
第1周辺刺激M1は、中心刺激MCから、予め設定された所定の視野角θ1(例えば、30°)だけ離間した位置A1に表示される。また、第2周辺刺激M2は、中心刺激MCから、予め設定された所定の視野角θ2(例えば、40°)だけ離間した位置A2に表示される。なお、第1周辺刺激M1および第2周辺刺激M2は、背景を黒色として、例えば、白色の円(図4では、便宜上、黒色の円として表記している)で、中心刺激MCより暗い輝度(例えば、最大44cd/m2)で表示される。また、第1周辺刺激M1および第2周
辺刺激M2の大きさは、視野角が略1.2度となる大きさであって、ここでは、例えば、直径17mmの円である。
【0094】
このようにして、運転者の前側方に配設され、ナビゲーション情報等の画像を表示可能に構成された第2ディスプレイ32を介して、周辺刺激M1、M2が表示されるため、周辺刺激M1、M2を表示するためにディスプレイ等を新たに配設する必要がないので、簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0095】
また、第2ディスプレイ32の4隅の内、運転者からの視野角の差が最大となる2箇所(ここでは、左下隅、右上隅)に周辺刺激(=第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2)が表示されるため、2箇所に周辺刺激M1、M2を表示するためにディスプレイ等を新たに配設する必要がなく、且つ、ユーザの有効視野を正確に確認することができるので、簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。すなわち、第1周辺刺激M1を用いて、視野角θ1についての訓練を行うことができ、第2周辺刺激M2を用いて、視野角θ2についての訓練を行うことができるのである。
【0096】
本実施形態では、周辺刺激表示部12が、第2ディスプレイ32上の2箇所に周辺刺激(=第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2)を表示する場合について説明するが、周辺刺激表示部12が、第2ディスプレイ32上の複数箇所に周辺刺激を表示する形態であれば良い。例えば、周辺刺激表示部12が、第2ディスプレイ32上の3箇所に周辺刺激(例えば、第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2、および、両者の中点位置に表示する第3周辺刺激)を表示する形態でも良い。
【0097】
更に、周辺刺激M1、M2として、認識の困難性に関して個人差の少ない白色の円が表示されるため、個人差を排除して、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0098】
本実施形態では、周辺刺激表示部12が、周辺刺激M1、M2として、白色の円を表示する場合について説明するが、周辺刺激表示部12が、周辺刺激M1、M2として、その他の図形、文字等を表示する形態でも良い。例えば、周辺刺激M1、M2が、中心刺激MCからの視野角の小さい位置に表示される場合には、周辺刺激M1、M2を、認識の困難な図形(例えば、細い線からなる図形等)、文字等とすることによって、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0099】
加えて、周辺刺激M1、M2の大きさを視野角として略1.2度とするべく周辺刺激M1、M2が表示されるため、視力の弱い人でも充分認識可能な大きさの周辺刺激が表示されるので、視力の影響を排除して、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0100】
図5は、周辺刺激、確認操作の一例を示すタイミングチャートである。図の横軸は時間であって、上側から順に、第1周辺刺激M1の輝度、第2周辺刺激M2の輝度、第1操作D1の正答期間、第2操作D2の正答期間を示している。ここでは、第1周辺刺激M1が表示された後、第2周辺刺激M2が表示される場合について説明する。まず、図に示すように、第1周辺刺激M1は、時点T0から輝度が漸増し、第1期間P1(ここでは、200msec)経過後、時点T1から輝度が漸減し、第2期間P2(ここでは、200msec)経過後、時点T2にて輝度が「0」になる。次に、第2周辺刺激M2は、時点T2から期間P3(例えば、1秒)経過後の、時点T3から輝度が漸増し、第1期間P1(ここでは、200msec)経過後、時点T4から輝度が漸減し、第2期間P2(ここでは、200msec)経過後、時点T5にて輝度が「0」になる。
【0101】
また、図に示すように、第1期間P1および第2期間P2において、周辺刺激表示部12は、第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2の輝度の時間変化を正規分布状とするべく第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2の輝度を変化させる。
【0102】
更に、図5では、周辺刺激表示部12が、第1周辺刺激M1を表示した後、第2周辺刺激M2を表示する場合について説明したが、周辺刺激表示部12は、第1周辺刺激M1を表示するか、又は、第2周辺刺激M2を表示するかをランダムに決定する。すなわち、例えば、周辺刺激表示部12は、0〜9までの乱数を発生させて、奇数が発生された場合に、第1周辺刺激M1を表示し、偶数が発生された場合に、第2周辺刺激M2を表示する。
【0103】
加えて、図5では、第1周辺刺激M1(又は、第2周辺刺激M2)の表示終了から次の第1周辺刺激M1(又は、第2周辺刺激M2)を表示開始するまでの期間P3が1秒に設定されている。すなわち、図5では、周辺刺激表示部12は、第1周辺刺激M1(又は、第2周辺刺激M2)を400msecだけ表示した後、期間P3(=1秒)経過した時点で、次の第1周辺刺激M1(又は、第2周辺刺激M2)を400msecだけ表示する。この動作を予め設定された訓練期間(ここでは、10分間)の間、繰り返す。
【0104】
このようにして、第1期間P1において周辺刺激M1、M2の輝度が漸増し、第2期間P2において周辺刺激M1、M2の輝度が漸減するため、ユーザは、周辺刺激M1、M2が表示されたことに気付き難いので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0105】
本実施形態では、第1期間P1および第2期間P2が200msecに設定されている場合について説明するが、第1期間P1および第2期間P2が略同一の値に設定されていれば良い。また、第1期間P1と第2期間P2との和が略400msecに設定されていることが好ましい。この場合には、略400msecの期間内で、周辺刺激M1、M2の輝度が、漸増された後、漸減されるため、ユーザは、周辺刺激M1、M2が表示されたことに気付き難いので、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。
【0106】
また、周辺刺激M1、M2の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激M1、M2の輝度が変化されるため、ユーザは、周辺刺激M1、M2が表示されたことに気付き難いので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0107】
本実施形態では、周辺刺激表示部12が、周辺刺激M1、M2の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激M1、M2の輝度を変化させる場合について説明するが、周辺刺激表示部12が、周辺刺激M1、M2の輝度を漸増、漸減する形態であれば良い。例えば、周辺刺激表示部12が、第1期間P1において直線状に輝度を漸増させ、第2期間P2において直線状に輝度を漸減させる形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
【0108】
更に、訓練期間が、10分に設定されているため、訓練期間が適正な値であるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる(図11参照)。訓練期間が長すぎる場合には、ユーザが訓練に対する集中力を維持することができず、訓練期間が短すぎる場合には、訓練の効果を発揮することができない。
【0109】
再び、図3に戻って、視覚訓練ECU1の機能構成について説明する。操作受付部13(操作受付手段に相当する)は、ターンレバー2を介して、周辺刺激M1、M2が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける機能部である。また、図2を用いて上述のように、第2ディスプレイ32の左下端に第1周辺刺激M1が表示された場合には、確認操作は、左折時の方向指示操作であるターンレバー2を左上方に傾斜させる第1操作D1に設定され、第2ディスプレイ32の右上端に第2周辺刺激M2が表示された場合には、確認操作は、右折時の方向指示操作であるターンレバー2を右下方に傾斜させる第2操作D2に設定されている。
【0110】
このようにして、ターンレバー2を介して、確認操作(ここでは、第1操作D1、第2操作D2)が受け付けられるため、確認操作を受け付けられるための操作端を新たに配設する必要がないので、更に簡素な構成で、有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0111】
本実施形態では、操作受付部13が、ターンレバー2を介して、確認操作(ここでは、第1操作D1、第2操作D2)を受け付ける場合について説明したが、車両VCに搭載されているその他のスイッチ(例えば、パワーウィンドウの開閉スイッチ等)等を介して、確認操作(ここでは、第1操作D1、第2操作D2)を受け付ける形態でも良い。
【0112】
また、表示された周辺刺激が、第1周辺刺激M1であるか(又は、第2周辺刺激M2であるか)を判別可能な確認操作(ここでは、第1操作D1、第2操作D2)が受け付けられるため、ユーザの有効視野を更に正確に確認することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0113】
操作判定部14(操作判定手段に相当する)は、操作受付部13を介して受け付けられた確認操作が、正しい操作であるか否かを判定する機能部である。具体的には、操作判定部14は、周辺刺激M1、M2の表示期間、および、確認操作が受け付けられたタイミングに基づいて、正しい操作であるか否かを判定する。
【0114】
ここで、図5を用いて、操作判定部14の判定方法の一例について説明する。図に示すように、第1周辺刺激M1の表示を開始する時点T0から、予め設定された期間ΔT(ここでは、100msec)経過後の時点TAから、第1周辺刺激M1の表示を終了する時点T2から上記期間ΔT経過後の時点TBまでの間(=第1受付期間PA)に、操作受付部13によって第1操作D1が受け付けられた場合に、操作判定部14は、正しい操作であると判定する。ここで、期間ΔTは、ユーザの反応期間である。
【0115】
同様に、第2周辺刺激M2の表示を開始する時点T3から、予め設定された期間ΔT(ここでは、100msec)経過後の時点TCから、第2周辺刺激M2の表示を終了する時点T5から上記期間ΔT経過後の時点TDまでの間(=第2受付期間PB)に、操作受付部13によって第2操作D2が受け付けられた場合に、操作判定部14は、正しい操作であると判定する。
【0116】
このようにして、周辺刺激M1、M2の表示期間からユーザの反応期間(例えば、100msec)だけ遅延した期間内に、確認操作が受け付けられた場合に、正しい操作であると判定することによって、確認操作が正しい操作であるか否かを適正に評価することができる。
【0117】
再び、図3に戻って、視覚訓練ECU1の機能構成について説明する。算出部15(率算出手段、角算出手段に相当する)は、操作判定部14の判定結果に基づいて、正しい操作を行った確率である正答率を求める機能部である。具体的には、算出部15は、次の(1)式、(2)式を用いて、第1正答率α1、第2正答率α2を求めると共に、求めた第1正答率α1、第2正答率α2を、記憶部16に記録する(=書き込む)。ここで、第1正答率α1および第2正答率α2は、それぞれ、第1周辺刺激M1および第2周辺刺激M2が表示された場合の正答率である。
第1正答率α1=(正しい第1操作D1を行った回数)
/(第1周辺刺激M1の表示回数)×100(%) (1)
第2正答率α2=(正しい第2操作D2を行った回数)
/(第2周辺刺激M2の表示回数)×100(%) (2)
【0118】
また、算出部15は、第1正答率α1、第2正答率α2に基づいて、予め設定された閾値α0(例えば、63%)以上の正答率となる視野角である有効視野角を求め、求めた有効視野角を、記憶部16に記録する(=書き込む)。ここでは、以下で説明するように、視野角と正答率との関係が一次式で表されると仮定して、線形補間により有効視野角を求める。
【0119】
図6は、有効視野角の算出方法の一例を示すグラフである。グラフは、横軸が視野角(°)であって、縦軸が正答率α(%)である。また、図6に示す3つのグラフは、上から順に、それぞれ、下記の3つケースである。
CASE1:閾値α0>第2正答率α2>第1正答率α1の場合
CASE2:第2正答率α2>閾値α0>第1正答率α1の場合
CASE3:第2正答率α2>第1正答率α1>閾値α0の場合
【0120】
図6に示すように、CASE1〜CASE3のいずれの場合にも、算出部15は、第1正答率α1、第2正答率α2にそれぞれ対応する点(図の白丸○で示す点)を結ぶ直線と、正答率αが閾値α0である直線(=横軸と平行な直線)との交点(図の黒丸●で示す点)に対応する視野角を、有効視野角θA、θB、θCとして算出する。
【0121】
結果表示部17(結果表示手段に相当する)は、算出部15によって算出された正答率α1、α2を、第2ディスプレイ32を介して、ユーザから視認可能に表示する機能部である。また、結果表示部17は、記憶部16に格納された正答率α1、α2を、第2ディスプレイ32を介して、ユーザから視認可能に表示する。更に、結果表示部17は、算出部15によって算出された有効視野角を、第2ディスプレイ32を介して、ユーザから視認可能に表示する。加えて、結果表示部17は、記憶部16に格納された有効視野角を、第2ディスプレイ32を介して、ユーザから視認可能に表示する。
【0122】
このようにして、正しい操作を行った確率である正答率α1、α2が、第2ディスプレイ32を介して、ユーザから視認可能に表示されるため、ユーザの有効視野を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0123】
また、記憶部16に格納された正答率α1、α2が、第2ディスプレイ32を介して、例えば、正答率α1、α2の推移として表示されるため、ユーザは訓練の効果を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0124】
更に、第2ディスプレイ32を介して、有効視野角が視認可能に表示されるため、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。加えて、記憶部16に格納された有効視野角が、第2ディスプレイ32を介して、例えば、有効視野角の推移として表示されるため、ユーザは訓練の効果を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0125】
図7は、結果表示部17によって第2ディスプレイ32を介して表示される結果表示画面の一例を示す画面図である。図7に示す画面図の内、上側の画面図は、訓練の結果として算出部15によって求められた有効視野角が、予め設定された閾値(ここでは、「合格視野角」という:例えば、35°)未満である場合に表示される不合格画面400の一例を示す画面図である。また、図7に示す画面図の内、下側の画面図は、訓練の結果として算出部15によって求められた有効視野角が、予め設定された閾値(=合格視野角:ここでは、35°)以上である場合に表示される合格画面410の一例を示す画面図である。
【0126】
不合格画面400には、メッセージ表示部401、合格視野角表示部402、および、今回視野角表示部403が表示されている。メッセージ表示部401は、ユーザへのメッセージを表示するものであって、ここでは、訓練の結果の有効視野角が合格視野角に到達していないため、「もう少しです。頑張りましょう!」とのメッセージが表示されている。
【0127】
合格視野角表示部402、および、今回視野角表示部403は、合格視野角および今回の訓練の結果として算出された有効視野角を、それぞれ、レーダーチャート状に表示するものであって、半径が視野角の大きさを示している。ここでは、合格視野角表示部402が、今回視野角表示部403の外側に表示されているため、今回の訓練の結果である有効視野角が合格視野角に到達していないことが判る。また、合格視野角表示部402は、ここでは、一点鎖線で表示され、今回視野角表示部403は、太い実線で表示されている。
【0128】
合格画面410には、メッセージ表示部411、合格視野角表示部412、今回視野角表示部413、および、前回視野角表示部414が表示されている。メッセージ表示部411は、ユーザへのメッセージを表示するものであって、ここでは、訓練の結果の有効視野角が合格視野角に到達したため、「おめでとうございます。合格です!」とのメッセージが表示されている。
【0129】
合格視野角表示部412、今回視野角表示部413、および、前回視野角表示部414は、合格視野角、今回の訓練の結果として算出された有効視野角、および、前回の訓練の結果として算出された有効視野角を、それぞれ、レーダーチャート状に表示するものであって、半径が視野角の大きさを示している。ここでは、合格視野角表示部412が、今回視野角表示部413の内側に表示されているため、今回の訓練の結果である有効視野角が合格視野角に到達したことが判る。更に、合格視野角表示部412が、前回視野角表示部414の外側に表示されているため、前回の訓練の結果である有効視野角が合格視野角に到達していなかったことが判る。また、合格視野角表示部412は、ここでは、一点鎖線で表示され、今回視野角表示部413は、太い実線で表示され、前回視野角表示部414は、破線で表示されている。
【0130】
図7に示すように、第2ディスプレイ32を介して、今回の訓練の結果である有効視野角が、前回の訓練の結果である有効視野角、および、合格視野角と比較可能に表示されるため、ユーザは訓練の効果を適正に評価することができるので、有効視野を拡大する訓練を更に効果的に行うことができる。
【0131】
図8、図9は、第1の実施形態に係る視覚訓練ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、図8に示すように、中心刺激表示部11によって、訓練を開始するか否かの判定が行われる(S101)。訓練を開始しないと判定された場合(S101でNO)には、処理が待機状態とされる。訓練を開始すると判定された場合(S101でYES)には、中心刺激表示部11によって、第1ディスプレイ31上に、中心刺激MCが表示される(S103)。そして、周辺刺激表示部12によって、第2ディスプレイ32上に、第1周辺刺激M1(又は、第2周辺刺激M2)が表示される(S105)。
【0132】
次いで、操作判定部14によって、第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が開始したか否かの判定が行われる(S107)。第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が開始していないと判定された場合(S107でNO)には、処理が待機状態とされる。第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が開始したと判定された場合(S107でYES)には、操作判定部14によって、操作受付部13を介して確認操作(=第1操作D1、又は、第2操作D2)が受け付けられたか否かの判定が行われる(S109)。確認操作(=第1操作D1、又は、第2操作D2)が受け付けられていないと判定された場合(S109でNO)には、処理がステップS115に進められる。
【0133】
確認操作(=第1操作D1、又は、第2操作D2)が受け付けられたと判定された場合(S109でYES)には、操作判定部14によって、操作方向が正しいか否かの判定が行われる(S111)。操作方向が正しいと判定された場合(S111でYES)には、操作判定部14によって、正答であると判定され(S113)、処理がステップS119に進められる。操作方向が正しくないと判定された場合(S111でNO)には、操作判定部14によって、正答ではないと判定され(S117)、処理がステップS119に進められる。
【0134】
ステップS109でNOの場合には、操作判定部14によって、第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が経過したか否かの判定が行われる(S115)。第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が経過していないと判定された場合(S115でNO)には、処理がステップS109に戻され、ステップS109以降の処理が繰り返し実行される。第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)が経過したと判定された場合(S115でYES)には、操作判定部14によって、正答ではないと判定される(S117)。
【0135】
ステップS117の処理が終了した場合、又は、ステップS113の処理が終了した場合には、中心刺激表示部11によって、訓練期間が経過したか否かの判定が行われる(S119)。訓練期間が経過していないと判定された場合(S119でNO)には、処理がステップS103に戻され、ステップS103以降の処理が繰り返し実行される。訓練期間が経過したと判定された場合(S119でYES)には、図9に示すように、算出部15によって、第1正答率α1、第2正答率α2が算出されると共に、求められた第1正答率α1、第2正答率α2が記憶部16に記録される(S121)。そして、算出部15によって、有効視野角が求められ、求められた有効視野角が記憶部16に記録される(S123)。
【0136】
次に、結果表示部17によって、ステップS123において求められた有効視野角が閾値(=「合格視野角」:ここでは、35°)以上であるか否かの判定が行われる(S125)。有効視野角が合格視野角以上であると判定された場合(S125でYES)には、結果表示部17によって、図7に示す合格画面410が表示され(S129)、処理が終了される。有効視野角が合格視野角未満であると判定された場合(S125でNO)には、結果表示部17によって、図7に示す不合格画面400が表示され(S127)、処理が終了される。
【0137】
このようにして、中心刺激MCの周囲に予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に、周辺刺激M1、M2が、中心刺激MCの表示周期よりも長い表示周期で表示されるため、中心刺激MCにユーザの注意若しくは視線又はその両方を適度に向けさせた状態で、ユーザに中心刺激MCから所定の視野角だけ離間した位置の周辺刺激M1、M2を確認させることができるので、有効視野を拡大する訓練を効果的に行うことができる。また、中心刺激MCおよび周辺刺激M1、M2を表示して、周辺刺激M1、M2が確認された場合に、ユーザからの確認操作が受け付けられるため、簡素な構成で有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0138】
次に、図10〜図13を用いて、第1の実施形態に係る視覚訓練装置の訓練期間等を決定する根拠とした実験(以下、「効果確認テスト」という)の内容および結果について説明する。図10は、効果確認テストを行った実験装置の構成の一例を示す平面図、側面図である。図10の上側に、平面図を示し、下側に側面図を示している。図に示すように、実験装置は、被験者PSの視界の正面に配設されたディスプレイDSPを備えている。また、ディスプレイDSPは、被験者PSから20cmだけ離間させた位置に配設されている。更に、被験者PSからディスプレイDSPを見た視野角は、左右方向に角φ1(ここでは、90°)であり、上下方向に角φ2(ここでは、74°)である。
【0139】
図11は、効果確認テストにおいてディスプレイDSPに表示されるテスト画面の一例を示す画面図である。図に示すように、ディスプレイDSPの略中央位置には、中心刺激CPが表示され、中心刺激CPから所定の視野だけ離間した位置に周辺刺激SPが表示される。ここで、周辺刺激SPは、中心刺激CPを基準として、右上方向、右下方向、左上方向、および、左下方向のいずれかの方向に、中心刺激CPから視野角5°、15°、25°、35°、45°の位置(=全25箇所)の内、1点が白色に点灯される。ここでは、左下方向の視野角25°の位置が点灯している点LPとして表示されている。
【0140】
また、中心刺激CPは、RSVP(Rapid Serial Visual Presentation)刺激であって、文字の大きさは、視野角で0.8°×1.0°である。また、中心刺激CPは、背景を黒色として、白色で表示され、その輝度は、54cd/m2である。また、中心刺激CP
は、1文字当たり略140msec〜200msecの間、表示される。
【0141】
周辺刺激SPは、図に示すように白色の丸(図では、便宜上、黒色の丸として表示している)として表示され、その大きさは、直径が視野角で1.2°である。また、周辺刺激SPの輝度は、図5に示す第1周辺刺激M1、第2周辺刺激M2と同様に、輝度の時間変化を正規分布状とするべく輝度が、図5の第1期間P1および第2期間P2に相当する期間である400msecの間において変化される。また、周辺刺激SPの最大輝度は、44cd/m2である。
【0142】
図12は、図11、図12を用いて説明した実験装置で行われた効果確認テストのテスト結果の一例を示す折れ線グラフである。図の横軸は、効果確認テストの実施タイミングであって、縦軸は、正答率が63%以上となる視野角である有効視野角である。ここでは、図に示すように、訓練前、4回の訓練、訓練後の計6回の効果確認テストを行っている。実線で示すグラフG11、G12は、各回のテスト期間が10分である被験者の有効視野角の変化を示すグラフであって、破線で示すグラフG21、G22は、各回のテスト期間が40分である被験者の有効視野角の変化を示すグラフである。この図から判るように、テスト期間が10分である被験者は、グラフG11、G12が右上がりとなっていることからわかるように、訓練の効果が顕著に表れているが、テスト期間が40分である被験者は、グラフG21、G22の変化が不明確となっていることからわかるように、訓練の効果が顕著に表れていない。このテスト結果から、第1の実施形態に係る視覚訓練装置の訓練期間は10分に設定している。
【0143】
図13は、図11、図12を用いて説明した実験装置で行われた効果確認テストのテスト結果の一例を示すレーダーチャートである。放射状の軸は、各方向の視野角である。また、図13の破線で示すチャートG4は、訓練前の視野角を示し、図13の実線で示すチャートG3は、訓練後の視野角を示す。図13によれば、図11に示すように、45°、135°、225°、315°の4方向の訓練を行っているにも拘わらず、訓練を行っていない0°、90°、180°、270°の4方向も同様に有効視野角が拡大している。従って、視野角を拡大するために、必ずしも全方向について訓練を行わずとも視野を拡大する効果を得られることが判る。このテスト結果から、第1の実施形態に係る視覚訓練装置では、図4に示すように、周辺刺激M1、M2としては、中心刺激MCを基準にして、左下側の1方向のみの訓練とした例を示している。
【0144】
なお、第1の実施形態に係る視覚訓練装置(視覚訓練ECU1)は、上記実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)上記第1の実施形態では、操作受付部13が、ターンレバー2を介して、確認操作を受け付ける場合について説明したが、操作受付部13が、その他の操作部材(例えば、前照灯のオンオフスイッチ、パワーウィンドウの開閉スイッチ等)を介して、確認操作を受け付ける形態でも良い。この場合には、更に訓練効果を高めることができる。
できる。
【0145】
(B)上記第1の実施形態では、操作判定部14が、第1操作D1および第2操作D2を区別して判定する場合について説明したが、操作判定部14が、第1操作D1および第2操作D2を区別しないで判定する形態でも良い。すなわち、操作判定部14が、第1受付期間PA(又は、第2受付期間PB)内で、第1操作D1又は第2操作D2が受け付けられた場合に、正しい操作であると判定するのである。この場合には、処理が簡略化される。
【0146】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、周辺刺激表示部12が、第2ディスプレイ32を介して周辺刺激M1、M2を表示する場合について説明したが、周辺刺激表示部12は、その他の表示機器、LED(Light Emitting Diode)等を介して、中心刺激MCを基準として複数の方向に周辺刺激を表示しても構わない。また、第1の実施形態では、視覚訓練ECU1がターンレバー2を介してユーザからの確認操作を受け付け、正答率の算出および表示を行う例について説明したが、視覚訓練ECU1がユーザからの確認操作を受け付けない態様としても構わない。また、視覚訓練ECU1は、車両が所定の走行状況にある場合に自動的に上記図8に示した訓練処理を開始しても構わない。以下、これらの態様で構成された本発明第2の実施形態に係る視覚訓練装置について詳細に説明する。なお、第2の実施形態に係る視覚訓練装置は、車両VCに搭載されているものとする。
【0147】
まず、図14および図15を参照して、第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成について説明する。なお、図14は、第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。図15は、第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成の一例を示す搭載図である。図14および図15において、第1の実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0148】
図14に示すように、第2の実施形態に係る視覚訓練ECU1は、ETC車載機41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ナビゲーション装置44、および出力機器3としての第1ディスプレイ31、第2ディスプレイ32と通信可能に接続されている。
【0149】
ETC車載機41は、車両VCに搭載され、高速道路のゲート(所謂、料金所)を通過する際に自動的に当該高速道路の利用料金を精算する装置である。ETC車載機41は、車両VCが高速道路のゲートを通過する際に当該ゲートに備えられた通信装置と無線通信することによって、車両VCが高速道路に進入したことを確認する。そして、ETC車載機41は、車両VCが高速道路に進入したことを確認すると、高速道路進入信号を視覚訓練ECU1へ出力する。
【0150】
車速センサ42は、車両VCに備えられ、車両VCの走行速度Vを検出する測定器である。車速センサ42は、検出した走行速度Vの値を示すデータを視覚訓練ECU1へ出力する。
【0151】
ステアリングセンサ43は、車両VCに備えられ、車両VCの操舵角ωを検出する。ステアリングセンサ43は、検出した操舵角ωの値を示すデータを視覚訓練ECU1へ出力する。
【0152】
ナビゲーション装置44は、車両VCの現在の位置情報および道路地図情報を取得し、車両VCの周囲の道路情報を獲得する装置である。ナビゲーション装置44は、車両VCが交差点近傍を走行している場合、交差点近傍を走行していることを示す交差点走行信号を視覚訓練ECU1へ出力する。
【0153】
ルームミラーランプ33は、LED等の発光装置である。ルームミラーランプ33は、車両VCのルームミラーに搭載され、運転者から視認可能な位置に配置される。ルームミラーランプ33は、視覚訓練ECU1からの指示に従って点灯することによって周辺刺激として機能する。なお、ルームミラーランプ33の形状は、任意の形状として良いが、上述第1周辺刺激M1および第2周辺刺激M2を示す画像と同様の形状とすることが好ましい。例えば、ルームミラーランプ33は、直径17mmの白色の円とすると良い。
【0154】
ターンミラーランプ34は、LED等の発光装置である。ターンミラーランプ34は、車両VCのドアミラーに搭載され、運転者から視認可能な位置に配置される。典型的には、ターンミラーランプ34は、従来、方向指示器としてドアミラーに備えられている発光装置である。ターンミラーランプ34は、視覚訓練ECU1からの指示に従って点灯することによって周辺刺激として機能する。
【0155】
図16は、第2の実施形態に係る視覚訓練ECU1の機能構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、視覚訓練ECU1は、機能的に、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、および走行状況判定部18を備えている。なお、視覚訓練ECU1は、第1の実施形態と同様に、視覚訓練ECU1の適所に配設されたマイクロコンピュータに、視覚訓練ECU1の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、および走行状況判定部18等の機能部として機能させる。
【0156】
走行状況判定部18は、ETC車載機41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ナビゲーション装置44からの入力信号に応じて、車両VCの走行状況を判別する。そして、走行状況判定部18は、車両VCの走行状況に応じて、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12に対し中心刺激および周辺刺激の表示の開始および停止を指示する。
【0157】
第2の実施形態に係る周辺刺激表示部12は、走行状況判定部18からの指示に応じて、第2ディスプレイ32、ルームミラーランプ33、およびターンミラーランプ34を介して周辺刺激を表示する。具体的には、周辺刺激表示部12は、第2ディスプレイ32、ルームミラーランプ33、およびターンミラーランプ34のいずれかのデバイスをランダムに順次選択し、選択中のデバイスを介して周辺刺激を表示する。
【0158】
周辺刺激表示部12は、ルームミラーランプ33、およびターンミラーランプ34のいずれかを選択している場合、当該選択したデバイスを点灯させることによって周辺刺激を表示する。この際、ルームミラーランプ33、およびターンミラーランプ34の輝度の時間変化を、上述周辺刺激M1、M2と同様に所定時間漸増した後、漸減するよう制御することが好ましい。より好ましくは、輝度の時間変化を正規分布状とすると良い。
【0159】
なお、周辺刺激表示部12は、第2ディスプレイ32を介して周辺刺激を表示する場合、上述第1の実施形態と同様にして周辺刺激M1、M2を表示する。また、第2の実施形態に係る中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12が、各々、中心刺激および周辺刺激を表示する周期や輝度の制御方法等は上述第1の実施形態と同様である。
【0160】
このように、第2の実施形態に係る周辺刺激表示部12は、車室内外に備えられたランプを介して周辺刺激を表示することができる。したがって、液晶ディスプレイ等の画像表示機器を多数備えなくとも、容易且つ安価に多数の箇所に周辺刺激を表示させることができる。また、ドアミラーやルームミラーなど、運転者が運転中に定期的に視認すべき機器に上記ランプが備えられているため、当該視認すべき機器に運転者の視線を誘導し、適切な有効視野の拡大を行うことができる。また、ターンミラーランプ34が予め搭載されている車両については、改めてランプをドアミラーに備える必要がなく、ターンミラーランプ34を、周辺刺激を表示するためのデバイスとして流用することができる。
【0161】
なお、第2の実施形態に係る視覚訓練装置の構成では、周辺刺激を呈示するためのランプがルームミラーやドアミラーに配置されている例について説明したが、このようなランプの配置は一例であり、当該ランプは運転者から視認可能な位置であれば、車両VCの任意の位置に配置して構わない。
【0162】
図17は、第2の実施形態に係る視覚訓練ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、図17に示すように、走行状況判定部18によって、車両VCが高速道路へ進入したか否かの判定が行われる(S201)。具体的には、走行状況判定部18はETC車載機から高速道路進入信号を受信した場合、車両VCが高速道路へ進入したと判定し、高速道路進入信号を受信していない場合、車両VCは一般道を走行していると判定する。
【0163】
高速道路へ進入したと判定された場合(S201でYES)には、走行状況判定部によって高速道路へ進入後の経過時間Tが測定される(S202)。そして、走行状況判定部18によって、経過時間Tが予め定められた閾値Tth以上であるか否かの判定が行われる(S203)。経過時間Tが予め定められた閾値Tth以上であると判定された場合(ステップS203でYES)、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12によって、中心刺激および周辺刺激の表示が開始される(S204)。一方、経過時間Tが予め定められた閾値Tth未満であると判定された場合(ステップS203でNO)、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12によって、中心刺激および周辺刺激の表示が停止した状態に維持される(S205)。
【0164】
高速道路へ進入していないと判定された場合(S201でNO)には、走行状況判定部18によって、操舵角ωの値が予め定められた閾値ωth以下であるか否かの判定が行われる(S207)。具体的には、走行状況判定部18は、ステアリングセンサ43から操舵角ωの値を取得し、閾値ωth以下であるか否か判定する。操舵角ωの値が予め定められた閾値ωth以下であると判定された場合(S207でYES)、さらに走行状況判定部18によって、走行速度Vが予め定められた閾値Vth以下であるか否かの判定が行われる(S208)。具体的には、走行状況判定部18は、車速センサ42から取得した走行速度Vが閾値Vth以下であるか判定する。一方、操舵角ωの値が予め定められた閾値ωthより大きいと判定された場合(S207でNO)、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12によって、中心刺激および周辺刺激の表示が停止される(S205)。
【0165】
走行速度Vが閾値Vth以下であると判定された場合(S208でYES)、走行状況判定部18によって、車両VCが交差点近傍を走行中であるか否かの判定が行われる(S209)。具体的には、走行状況判定部18は、ナビゲーション装置44から交差点走行信号が入力されている場合、車両VCが交差点近傍を走行中であると判定し、交差点走行信号が入力されていない場合、車両VCが交差点近傍を走行中でないと判定する。車両VCが交差点近傍を走行中であると判定された場合(S209でYES)、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12によって、中心刺激および周辺刺激の表示が停止される(S205)。一方、車両VCが交差点近傍を走行中でないと判定された場合(S209でNO)、中心刺激表示部11および周辺刺激表示部12によって、中心刺激および周辺刺激の表示が開始される(S204)。
【0166】
このように、第2の実施形態に係る視覚訓練ECU1によれば、車両VCが所定の走行状況にあるか否かに応じて、中心刺激および周辺刺激の表示/非表示を制御することができる。すなわち、ユーザが自ら訓練の開始を指示しなくても、適切なタイミングで自動的に訓練を開始することができる。より具体的には、車両VCが高速道路を走行している場合、および、車両VCが所定の速度以上で略直進走行している場合など、運転者の視線が車両前方に固定されて視野が狭まり易い状況において、有効視野を拡大する訓練を開始させることができる。
【0167】
なお、上記図17のフローチャートでは車両VCが高速道路へ進入していない場合にS207およびS208の処理を実行する例について説明したが、車両VCが高速道路を走行中であって、尚かつ、所定の速度以上で略直進走行している場合にのみ、中心刺激および周辺刺激を表示させる態様としても構わない。
【0168】
上記の通り、第2の実施形態においては、ユーザの確認操作を受け付けない態様としているが、ユーザの確認操作を受け付けない態様であっても、中心刺激および周辺刺激を表示することによって有効視野の拡大効果があることが実験的に明らかとなっている。図18は、第2の実施形態に係る視覚訓練装置で訓練した後に実施した効果確認テストのテスト結果の一例を示すレーダーチャートである。放射状の軸は、各方向の視野角である。また、図18の破線で示すチャートG6は、訓練前の視野角を示し、図18の実線で示すチャートG5は、訓練後の視野角を示す。図18によれば、訓練後の視野角G5は訓練前の視野角G6に比べて全ての領域において拡大していることがわかる。すなわち、ユーザの確認操作を受け付けない態様であっても、中心刺激および周辺刺激を表示することによって有効視野の拡大効果があることが認められる。
【0169】
以上より、第2の実形態に係る視覚訓練装置においても、第1の実施形態と同様にユーザの有効視野を拡大する訓練を行うことができる。
【0170】
なお、上記第1および第2の実施形態に係る視覚訓練装置(視覚訓練ECU1)は、各々上記実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(C)上記各実施形態においては、視覚訓練ECU1が、機能的に、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、操作受付部13、操作判定部14、算出部15、記憶部16、結果表示部17等を備える場合について説明したが、中心刺激表示部11、周辺刺激表示部12、操作受付部13、操作判定部14、算出部15、記憶部16、および、結果表示部17の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
(D)上記各実施形態においては、視覚訓練装置(視覚訓練ECU1)が、車両に搭載されている場合について説明したが、視覚訓練装置が、部屋等に配設されている形態でも良いし、携帯可能に構成されている形態でも良い。例えば、部屋等に配設されているテレビジョンを介して、図11に示す中心刺激CP、および周辺刺激SPを表示することによって視覚訓練装置を構成する形態でも良い。また、例えば、携帯電話のディスプレイに、図11に示す中心刺激CP、および周辺刺激SPを表示することによって視覚訓練装置を構成する形態でも良い。
【0171】
(E)上記各実施形態では、中心刺激表示部11が、第1ディスプレイ31を介して中心刺激MCを表示する場合について説明したが、中心刺激表示部11が、HUD(Head Up Display)等を介して中心刺激MCを表示する形態でも良い。具体的には、中心刺激表示部11は、光波を車両VCのフロントガラスに投光することにより当該フロントガラス上に中心刺激MCを表示する。このようにHUDを介して中心刺激MCを表示する場合、運転者はフロントガラス越しに車両前方を視認しつつ、フロントガラスに投影される中心刺激を確認することができる。したがって、運転者が中心刺激を注視し過ぎて車両前方の視認を怠ることを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明は、例えば、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置に適用することができる。より特定的には、例えば、車両に搭載され、有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0173】
1 視覚訓練ECU(視覚訓練装置)
11 中心刺激表示部(中心刺激表示手段)
12 周辺刺激表示部(周辺刺激表示手段)
13 操作受付部(操作受付手段)
14 操作判定部(操作判定手段)
15 算出部(率算出手段、角算出手段)
16 記憶部(率記憶手段、角記憶手段)
17 結果表示部(結果表示手段)
18 走行状況判定部(走行状況判定手段)
2 ターンレバー
3 出力機器
31 第1ディスプレイ
32 第2ディスプレイ
33 ルームミラーランプ
34 ターンミラーランプ
41 ETC車載機
42 車速センサ
43 ステアリングセンサ
44 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効視野を拡大するべく、ユーザに訓練を行わせる視覚訓練装置であって、
ユーザの正面近傍に、ユーザの視線を向けさせる刺激である中心刺激を、予め定められた表示周期で表示する中心刺激表示手段と、
中心刺激の周囲に、予め設定された所定の視野角だけ離間した位置に周辺刺激を表示する周辺刺激表示手段とを備え、
周辺刺激表示手段は、中心刺激の表示周期よりも長い表示周期で、周辺刺激を表示する、視覚訓練装置。
【請求項2】
周辺刺激表示手段は、周辺刺激の輝度を、予め設定された第1期間において漸増させ、その後、予め設定された第2期間において漸減させる、請求項1に記載の視覚訓練装置。
【請求項3】
周辺刺激表示手段は、周辺刺激の輝度の時間変化を正規分布状とするべく周辺刺激の輝度を変化させる、請求項2に記載の視覚訓練装置。
【請求項4】
周辺刺激表示手段は、中心刺激を基準とした視野角が相違する複数の位置に周辺刺激を表示する、請求項1に記載の視覚訓練装置。
【請求項5】
周辺刺激表示手段は、周辺刺激を表示する位置を、複数の位置の中からランダムに決定して表示する、請求項4に記載の視覚訓練装置。
【請求項6】
周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段をさらに備え、
操作受付手段は、周辺刺激を表示された位置が、複数の位置の内、どの位置であるかを判別可能な確認操作を受け付ける、請求項4に記載の視覚訓練装置。
【請求項7】
中心刺激表示手段は、中心刺激の輝度を、周辺刺激の輝度以上とするべく中心刺激を表示する、請求項1に記載の視覚訓練装置。
【請求項8】
周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段をさらに備える、請求項1に記載の視覚訓練装置。
【請求項9】
操作受付手段を介して受け付けられた確認操作が、正しい操作であるか否かを判定する操作判定手段と、
操作判定手段の判定結果に基づいて、正しい操作を行った確率である正答率を求める率算出手段と、
率算出手段によって算出された正答率を、外部から視認可能に表示する結果表示手段と、を備える、請求項8に記載の視覚訓練装置。
【請求項10】
操作判定手段は、周辺刺激の表示期間、および、確認操作が受け付けられたタイミングに基づいて、正しい操作であるか否かを判定する、請求項9に記載の視覚訓練装置。
【請求項11】
率算出手段によって算出された正答率を格納する率記憶手段を備え、
率算出手段は、正答率を算出する度に、率記憶手段に、算出された正答率を記録し、
結果表示手段は、率記憶手段に格納された正答率を、外部から視認可能に表示する、請求項9に記載の視覚訓練装置。
【請求項12】
正答率に基づき、予め設定された閾値以上の正答率となる視野角である有効視野角を求める角算出手段を備え、
結果表示手段は、角算出手段によって算出された有効視野角を、外部から視認可能に表示する、請求項9に記載の視覚訓練装置。
【請求項13】
角算出手段によって算出された有効視野角を格納する角記憶手段を備え、
角算出手段は、有効視野角を算出する度に、角記憶手段に、算出された有効視野角を記録し、
結果表示手段は、角記憶手段に格納された有効視野角を、外部から視認可能に表示する、請求項9に記載の視覚訓練装置。
【請求項14】
該視覚訓練装置は、車両に搭載されている、請求項1に記載の視覚訓練装置。
【請求項15】
中心刺激表示手段は、運転者の前方に配設され、文字情報を表示可能に構成された第1ディスプレイを介して、中心刺激を表示する、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項16】
周辺刺激表示手段は、運転者の前側方に配設され、画像情報を表示可能に構成された第2ディスプレイを介して、周辺刺激を表示する、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項17】
中心刺激表示手段は、光波を車両のフロントガラスに投光することにより当該フロントガラス上に画像を投影するヘッドアップディスプレイを介して、中心刺激を表示する、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項18】
周辺刺激が確認された場合に、ユーザからの確認操作を受け付ける操作受付手段をさらに備え
操作受付手段は、ターンレバーを介して、確認操作を受け付ける、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項19】
周辺刺激表示手段は、車両に搭載されたランプを点灯することによって周辺刺激を表示する、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項20】
ランプは、車両の外周部に配置されることを特徴とする、請求項19に記載の視覚訓練装置。
【請求項21】
ランプは、車両の車室内に配置されることを特徴とする、請求項19に記載の視覚訓練装置。
【請求項22】
車両の走行状況が予め定められた条件を満たしているか否かを判定する走行状況判定手段をさらに備え、
中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、中心刺激および周辺刺激の表示の開始および停止を車両の走行状況が条件を満たしているか否かに応じて各々制御する、請求項14に記載の視覚訓練装置。
【請求項23】
走行状況判定手段は、車両が予め定められた閾値以上の走行速度で、且つ、予め定められた閾値以下の操舵角で走行中であるか否かを判定し、
中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が予め定められた閾値以上の走行速度で、且つ、予め定められた閾値以下の操舵角で走行中である場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々開始する、請求項22に記載の視覚訓練装置。
【請求項24】
走行状況判定手段は、車両が交差点の近傍を走行中であるか否か判定し、
周辺刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が交差点の近傍を走行中であると判定された場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々停止する、請求項22に記載の視覚訓練装置。
【請求項25】
走行状況判定手段は、車両が高速道路へ進入してから予め定められた所定時間が経過したか否かを判定し、
中心刺激表示手段および周辺刺激表示手段は、車両が高速道路へ進入してから予め定められた所定時間が経過したと判定された場合、中心刺激および周辺刺激の表示を各々開始する、請求項22に記載の視覚訓練装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−259769(P2010−259769A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214420(P2009−214420)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)