説明

観賞用水槽の加温制御装置

【課題】水藻の付着や腐蝕などに起因する水位の検出機能の低下を招くおそれがない水位センサーを提供する。
【解決手段】温度に応じて電気抵抗値が変化する第1、第2の感温素子が組み込まれた検温部と、第1の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第1の温度検出回路51と、第2の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第2の温度検出回路52と、第1の温度検出回路51の出力と第2の温度検出回路52の出力との比較によって前記検温部が水中にあるかどうかを判別する制御部6と、制御部6による判別結果を出力する表示器7とを備えている。第2の温度検出回路52には、第2の感温素子の空気中での発熱温度が外気温より高い温度に達するように第2の感温素子に通電する回路が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水槽、タンク、容器などに満たされた水などの液体の水位を検出したり、水位が適正かどうかを監視したりするのに用いられる水位センサーに関し、特に、観賞用の魚や水草などが収容される水槽に満たされた水の水位が適正かどうかや水温センサーが水中に正しく設置されているかどうかを監視するのに好適な水位センサーに関する。
【0002】
さらに、この発明は、水槽、タンク、容器などに満たされた水などの液体を加温するのに用いられる水位センサー付きの加温制御装置に関し、特に、観賞魚や水草などが収容される水槽に満たされた水を加温して設定温度に保つのに用いられる水位センサー付きの加温制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、観賞魚等を収容する水槽に使用される典型的な加温制御装置は、水槽内に設置されるヒーターと、水槽内の水中に浸漬されて水温を検出する水温センサーと、水温を設定値(例えば26℃)に保つために水温センサーによる水温の検出値と設定値とを比較しその差がゼロとなるようにヒーターへの通電を制御するコントローラとから成るものである。
【0004】
ところで、この種の水槽内の水は定期的に交換されるもので、水交換時、水槽より一旦取り出した水温センサーを水槽内に設置するのをうっかり忘れることがある。水温センサーが外気中に放置されたままでヒーターの電源を入れると、水温センサーは外気温を検出しているので、特に外気温が低い冬期の場合、水温センサーによる検出値は水温の設定値(例えば26℃)より低い値のままである。その結果、ヒーターの通電が継続状態となり、そのために水温が著しく上昇し、観賞魚や水草を死滅させるというトラブルを発生させている。
【0005】
また、水温センサーは、設置不良などが原因で水槽外へ脱出することもあり、さらには、何らかの原因で水槽内の水位が下がったり、水槽の破損や転倒によって水がこぼれ出たりして、水温センサーが水面上に露出して外気に晒されることもあり、いずれの場合も、異常加熱による上記と同様のトラブルが発生する。
【0006】
上記した問題を解消するために、水位センサーを用いて水温センサーが外気に晒された状態になっていないかどうかを監視することが行われ、先般、水温センサーと水位センサーとを一体化したものを水槽内に設置し、水位センサーによって水温センサーの設置異常や水槽内の水位等の異常が検出されたとき、ヒーターへの通電を停止するようにしたものが提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平9−51740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の水位センサーは、一対の電極を水中に浸し、これらの電極と接地電極との間で分布する静電容量によって上記した異常の検出を行うものであるため、電極に水藻が付着したり電極が腐蝕したりすることにより、水位の検出機能が損なわれるおそれがあり、水温センサーの設置異常や水槽内の水位等の異常が確実に検出できなくなるなどの問題がある。
【0009】
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、水藻の付着や腐蝕などに起因する水位の検出機能の低下を招くおそれがない水位センサーと、水温センサーの設置異常や水槽内の水位等の異常を確実に検出してヒーターへの通電を停止できる加温制御装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明による水位センサーは、温度に応じて電気抵抗値が変化する第1、第2の感温素子が組み込まれた検温部と、第1の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第1の温度検出回路と、第2の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第2の温度検出回路と、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力との比較によって前記検温部が液体中にあるかどうかを判別する水位判別部と、水位判別部による判別結果を出力する出力部とを備えている。前記第2の温度検出回路には、第2の感温素子の空気中での発熱温度が外気温より高い温度に達するように第2の感温素子に通電する回路が設けられている。
【0011】
上記した構成の水位センサーにおいて、検温部が液中にあるとき、第2の感温素子は発熱しても液体によって冷やされるので、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力とは一致またはほぼ一致する。これにより水位判別部は検温部が液体中にあるとの判別を行う。
これに対して、検温部が外気に晒された状態にあるとき、第2の感温素子は発熱によって発熱温度が外気温より高い温度に達するので、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力とは一致しない。これにより水位判別部は検温部が液体中にないとの判別を行い、その判別結果が出力部より出力される。
【0012】
この発明の上記した構成において、「第1の感温素子」および「第2の感温素子」として、例えばサーミスタが好適であるが、温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗体、すなわち、温度の上昇に応じて電気抵抗値が大きくなるか、または小さくなる抵抗体であれば、サーミスタに限られるものではない。
また、「出力部」は、判別結果を可視情報または可聴情報に変換して出力するもので、ランプ、表示器、スピーカーなどで構成される。
さらに、「水位判別部」、さらには、後述する「液温判別部」や「ヒーター制御部」などの各構成は、専用のハードウェアによっても実現でき、プログラムされたコンピュータによっても実現できる。
【0013】
好ましい実施態様の水位センサーは、前記検温部にコード線を介して電気接続されたコントローラをさらに備えており、前記コントローラに第1の温度検出回路、第2の温度検出回路、水位判別部、および出力部が組み込まれている。
この実施態様では、検温部のみが液中に浸漬されることになる。なお、検温部とコントローラとは必ずしも別体で構成する必要はない。
【0014】
また、好ましい実施態様の水位センサーは、第1の温度検出回路の出力により液温を判別する液温判別部と、液温判別部による判別結果を表示する表示器とをさらに備えたものである。
この実施態様の水位センサーは、水温センサーとして使用できるもので、もし検温部が液中になければ、その旨が出力部に出力されので、液温が正しく計測されていないことがわかる。
なお、前記表示器は、前記した出力部を兼ねることができ、その場合は、検温部が液体中にないと判別されたときは例えば表示器にエラー表示を行い、検温部が液体中にあると判別されたときは表示器に液温を表示する。
【0015】
この発明による加温制御装置は、液体が満たされる槽内に設置されるヒーターと、ヒーターの通電を制御する制御装置とから成るものである。
前記制御装置は、温度に応じて電気抵抗が変化する第1、第2の感温素子が組み込まれた検温部と、第1の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第1の温度検出回路と、第2の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第2の温度検出回路と、第1の温度検出回路の出力により液温を判別する液温判別部と、液温判別部による判別結果に応じて液温が設定値になるように前記ヒーターの通電を制御するヒーター制御部と、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力との比較によって前記検温部が液体中にあるかどうかを判別する水位判別部とを備えており、前記第2の温度検出回路には、第2の感温素子の空気中での発熱温度が外気温より高い温度に達するように第2の感温素子に通電する回路が設けられている。前記ヒーター制御部は、水位判別部により検温部が液体中にないと判別されたとき、前記ヒーターへの通電を停止させる。
【0016】
上記した構成の加温制御装置において、検温部が液中にあるとき、第2の感温素子は発熱しても液体によって冷やされるので、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力とは一致またはほぼ一致する。これにより水位判別部は検温部が液体中にあるとの判別を行う。一方において、液温判別部は第1の温度検出回路の出力により液温を判別する。ヒーター制御部は、検温部が液体中にあるとの水位判別部による判別結果を受けて、液温判別部による判別結果に応じて液温が設定値になるようにヒーターの通電を制御する。
これに対して、検温部が外気に晒された状態にあるとき、第2の感温素子は発熱によって発熱温度が外気温より高い温度に達するので、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力とは一致しない。これにより水位判別部は検温部が液体中にないとの判別を行う。ヒーター制御部は、検温部が液中にないとの水位判別部による判別結果を受けて、ヒーターへの通電を停止させる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、例えば、水位センサーを観賞魚や水草などを収容する水槽に設置したとき、たとえ検温部に水藻が付着しても、水位の検出機能が損なわれることがない。また、水温センサーの設置異常や水槽内の水位等の異常を確実に検出してヒーターへの通電を停止することができるので、水の異常加熱を防止でき、観賞魚や水草を死滅させるというトラブルを招くおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、この発明の一実施例である観賞魚等用の水槽の加温制御装置の使用状態を示している。
図示例の加温制御装置は、ヒーター1と制御装置2とで構成されるもので、ヒーター1は水槽10の内部の底部上に設置されている。水槽10内は水で満たされ、観賞魚や水草が収容されている。
【0019】
前記ヒーター1は、管11の内部にニクロム線などの電熱部材が装填されるとともに、熱伝導性を高めるためにマグネシア粉末が充填されたものである。管11の両端部はゴムキャップ12,12で塞がれ、一方のゴムキャップ12からは先端にコネクタ13が装着されたコード線14が引き出されている。
【0020】
前記制御装置2は、図1および図2に示すように、検温部3とコントローラ4とを備えている。検温部3とコントローラ4との間はコード線30で接続されている。コントローラ4からは接続コード40と電源コード41とが引き出されている。接続コード40の先端には前記コネクタ13が接続されるソケット42が、電源コード41の先端には100ボルトの電源コンセントに差し込まれる電源プラグ43が、それぞれ装着されている。
【0021】
前記検温部3は、2本の指状部31,32をもつ二股形状のもので、図3に示すように、長い方の指状部31には第1の感温素子5が、短い方の指状部32には第2の感温素子50が、それぞれ組み込まれている。検温部3の全体はゴム33によりモールドされ、これにより防水性と絶縁性とが確保されている。
第1、第2の各感温素子5,50として、同じ特性をもつサーミスタが用いられている。サーミスタは負性抵抗素子、すなわち、負の温度係数をもつ抵抗素子であり、温度が上昇すると、電気抵抗値が小さくなる。なお、サーミスタに代えて、正の温度係数をもつ正特性サーミスタのような抵抗素子、すなわち、温度が上がると電気抵抗値が大きくなるものを用いてもよい。なお、図中、34,35はリード線であり、1本のコード線30に束ねられてコントローラ4に導かれる。
【0022】
上記の検温部3は、適当なホルダーを用いて水槽10の内壁面に取り付けられる。前記ホルダーとして吸盤を備えたものなど、種々のものを用いることができる。水槽10内の水位が検温部3の設置位置より下方になると、検温部3が外気に晒されるので、それを後述する制御部6が判別し、その旨を報知したり、ヒーター1への通電を停止させたりする。
【0023】
前記コントローラ4には、第1、第2の各感温素子5,50の感温動作に基づいてヒーター1への通電をオン、オフ制御して水温を設定温度に保持するための回路構成や、検温部3が水中になく外気に晒された状態にあるときヒーター1への通電を停止するための回路構成が組み込まれている。
【0024】
図4は、コントローラ4に組み込まれる回路構成を示すもので、マイクロコンピュータより成る制御部6にバス63を介して第1の温度検出回路51、第2の温度検出回路52、表示器7、ヒーターランプ70、電源ランプ71、半導体スイッチ8などが接続されている。
前記制御部6は、制御、演算の主体であるCPU60、プログラムや固定データが記憶されるROM61、データーの読み書きに用いられるRAM62を含むもので、水温を判別する水温判別部、検温部3が水中にあるかどうかを判別する水位判別部、ヒーター1の通電を制御するヒーター制御部として機能する。
【0025】
第1の温度検出回路51は、第1の感温素子5の電気抵抗値に応じた出力を取り出すためのもので、例えば、図5に示すようなブリッジ回路53によって構成されている。同図のブリッジ回路53は、基準抵抗を構成する1個の可変抵抗VRと2個の固定抵抗R1,R2とを含んでいる。出力端子54,55間には電圧出力V(=V2−V1)が得られ、この電圧出力VがCPU60に読み込まれる。
【0026】
第2の温度検出回路52は、第2の感温素子50の電気抵抗値に応じた出力を取り出すためのもので、例えば、図6に示すような直列抵抗回路56によって構成されている。同図の直列抵抗回路56は、第2の感温素子5と抵抗R3とが直列接続されたもので、第2の感温素子5の空気中での発熱温度が外気温より高い温度(例えば60℃)に達するように第2の感温素子5を流れる電流Iが決定されている。この電流Iの値は抵抗R3の大きさを適宜選択することにより調整することができる。出力端子57には電圧出力Vが得られ、この電圧出力VがCPU60に読み込まれる。
【0027】
前記表示器7、電源ランプ71、およびヒーターランプ70は、図2に示されるように、コントローラ4の表面に配備されている。
表示器7は、3桁のデジタル表示器をもって構成されており、検温部3が水中にあると判別されたときは水温を数字で表示し、検温部3が水中にないと判別されたときはエラー表示(例えば、EEEの文字を表示)を行う。
電源ランプ71およびヒーターランプ70はLEDより成るもので、電源ランプ71は電源プラグ43が電源コンセントに差し込まれたときに点灯し、ヒーターランプ70はヒーター1に通電されているときに点灯する。
コントローラ4には、前記可変抵抗VRを可変設定するための温度設定ダイヤル72が設けてあり、この温度設定ダイヤル72を操作することで水温を任意の設定温度に調整可能である。
【0028】
前記半導体スイッチ8は、ヒーター1への通電回路中に介装されており、例えばトライアックにより構成されている。
前記制御部6のCPU60は、第1の温度検出回路51の電圧出力Vにより水温を判別し、その判別結果に応じて水温が設定値になるように半導体スイッチ8をオン、オフ制御する。
また、制御部6のCPU60は、第1の温度検出回路51の電圧出力Vと第2の温度検出回路52の電圧出力Vとの差(V−V)を求め、その値がゼロまたはゼロに近い値でなければ、検温部3が水中になく外気に晒された状態にあると判断し、半導体スイッチ8をオフ状態にしてヒーター1への通電を停止する。
【0029】
つぎに、上記した実施例についての動作を説明する。
まず、ヒーター1を水槽10の内部の底部上に設置し、検温部3を図示しないホルダーに保持させて水槽10の側壁面に設置した後、電源プラグ43を電源コンセントに差し込む。コントローラ4の制御の下にヒーター1に通電されると、ヒーター1は発熱動作して水槽10内の水が加温される。
【0030】
検温部3に組み込まれた第1の感温素子5は、水槽10内の水の温度が上昇するに従って電気抵抗値が小さくなるが、水槽内10の水の温度が設定温度以下のときは、第1の温度検出回路51の電圧出力Vは基準電圧V以上であるため、半導体スイッチ8はオン状態であり、ヒーター1への通電が保持される。
水槽内10の水の温度が設定温度より大きくなると、第1の温度検出回路51の電圧出力Vは基準電圧Vより小さくなるため、半導体スイッチ8はオフ状態となり、ヒーター1への通電が停止される。
制御部6のCPU60は、第1の温度検出回路51の電圧出力Vによって水温を判別し、表示器7に水温を表示させる。
【0031】
第2の感温素子50には、空気中での発熱温度が外気温より高い温度(例えば60℃)に達するような大きさの電流Iが流されるが、検温部3が水中にあるとき、第2の感温素子50は発熱しても水によって冷やされるので、第1の感温素子5と同じように水槽10内の水の温度が上昇するに従って電気抵抗値が小さくなり、その結果、第1の温度検出回路51の電圧出力Vと第2の温度検出回路52の電圧出力Vとは一致またはほぼ一致する。これにより制御部6のCPU60は検温部3が水中にあると判別し得る。
【0032】
これに対して、検温部3が外気に晒された状態にあるとき、第2の感温素子50は発熱によって発熱温度が外気温より高い温度に達するので、第1の温度検出回路51の電圧出力Vと第2の温度検出回路52の電圧出力Vとは一致しない。これにより制御部6のCPU60は検温部3が水中になく外気に晒されていると判別し得る。
【0033】
図7は、制御部6のCPU60による制御の流れを示している。なお、同図中、「ST」は「STEP」(手順)の略である。
同図のST1では、CPU60は第1の温度検出回路51の電圧出力Vと第2の温度検出回路52の電圧出力Vとを読み込んだ後、電圧出力Vと電圧出力Vとの差の電圧Vを算出する(ST2)。
【0034】
つぎのST3では、CPU60は、前記の電圧Vがゼロもしくはゼロに近い値であるかどうかを判別している。もし、ST3の判定が「YES」であれば、検温部3は水中にあると判別され、ST3からST9へ進み、CPU60は、第1の温度検出回路51の電圧出力Vが基準電圧Vと一致するか否かを判断する。もし、水温が設定温度に達していないとき、電圧出力Vは基準電圧Vより大きな値となるため、ST9の判定が「NO」、ST10の判定が「YES」であり、CPU60はヒーター1をオン状態に設定する(ST11)。
【0035】
かくして、ヒーター1の通電加熱によって水温が設定温度を超えると、電圧出力Vは基準電圧Vより小さな値となるため、ST9の判定が「NO」、ST10の判定が「NO」となり、CPU60はヒーター1をオフ状態に設定する(ST12)。
なお、水温が設定温度に一致するときは、電圧出力Vと基準電圧Vとが一致するので、ST9の判定が「YES」となり、ヒーター1はオン状態またはオフ状態が維持される。
【0036】
前記のST3において、CPU60が前記の電圧Vがゼロもしくはゼロに近い値であると判断したとき、検温部3は水中になく外気に晒されていると判別され、ST3からST4へ進み、CPU60はヒーター1の通電を停止し、温度表示器7にエラー表示を行う。
【0037】
引き続き、CPU60は、第1の温度検出回路51の電圧出力Vと第2の温度検出回路52の電圧出力Vとを読み込み(ST5)、電圧出力Vと電圧出力Vとの差の電圧Vを算出し(ST6)、前記の電圧Vがゼロもしくはゼロに近い値であるかどうかを判別するもので(ST7)、検温部3が外気に晒された状態から水中に浸された状態に移行するまで、ST5,6,7の手順が繰り返される。
【0038】
検温部3が水中に浸されると、前記の電圧Vがゼロもしくはゼロに近い値になるので、ST7の判定が「YES」となってST8へ進み、表示器7のエラー表示が解除され、ST9以降の温度制御へ移行する。
【0039】
なお、上記実施例の加温制御装置は、観賞用の魚や水草などが収容される水槽10に満たされた水の中に検温部3が正しく設置されているかどうかを監視しつつ、水槽10に満たされた水を加温して設定温度に保つものであるが、この発明はこれに限らず、観賞魚等用の水槽10以外の水槽、タンク、容器などに満たされた水、さらには水以外の液体の水位を検出したり、水位が適正かどうかを監視したりする水位センサーや、観賞魚等用の水槽10以外の水槽、タンク、容器などに満たされた水などの液体を加温して設定温度に保つ加温制御装置にも実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の一実施例である水槽の加温制御装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】制御装置の構成を示す正面図である。
【図3】検温部の内部構造を示す断面図である。
【図4】コントローラに組み込まれる回路構成を示すブロック図である。
【図5】第1の温度検出回路を示す電気回路図である。
【図6】第2の温度検出回路を示す電気回路図である。
【図7】制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 ヒーター
2 加温制御装置
3 検温部
4 コントローラ
5 第1の感温素子
50 第2の感温素子
51 第1の温度検出回路
52 第2の温度検出回路
6 制御部
60 CPU
61 ROM
62 RAM
7 水温表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度に応じて電気抵抗値が変化する第1、第2の感温素子が組み込まれた検温部と、第1の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第1の温度検出回路と、第2の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第2の温度検出回路と、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力との比較によって前記検温部が液体中にあるかどうかを判別する水位判別部と、水位判別部による判別結果を出力する出力部とを備え、前記第2の温度検出回路には、第2の感温素子の空気中での発熱温度が外気温より高い温度に達するように第2の感温素子に通電する回路が設けられて成る水位センサー。
【請求項2】
請求項1に記載された水位センサーであって、前記検温部にコード線を介して電気接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラには、第1の温度検出回路、第2の温度検出回路、水位判別部、および出力部が組み込まれて成る水位センサー。
【請求項3】
請求項1または2に記載された水位センサーであって、第1の温度検出回路の出力により液温を判別する液温判別部と、液温判別部による判別結果を表示する表示器とをさらに備えている水位センサー。
【請求項4】
液体が満たされる槽内に設置されるヒーターと、ヒーターの通電を制御する制御装置とから成る加温制御装置であって、
前記制御装置は、温度に応じて電気抵抗値が変化する第1、第2の感温素子が組み込まれた検温部と、第1の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第1の温度検出回路と、第2の感温素子の電気抵抗値に応じた出力を取り出す第2の温度検出回路と、第1の温度検出回路の出力により液温を判別する液温判別部と、液温判別部による判別結果に応じて液温が設定値になるように前記ヒーターの通電を制御するヒーター制御部と、第1の温度検出回路の出力と第2の温度検出回路の出力との比較によって前記検温部が液体中にあるかどうかを判別する水位判別部とを備え、前記第2の温度検出回路には、第2の感温素子の空気中での発熱温度が外気温より高い温度に達するように第2の感温素子に通電する回路が設けられており、
前記ヒーター制御部は、水位判別部により検温部が液体中にないと判別されたとき、前記ヒーターへの通電を停止させるようにした加温制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−113615(P2008−113615A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300247(P2006−300247)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(390021049)寿工芸株式会社 (12)
【出願人】(504401695)有限会社グレース電子制御 (5)
【Fターム(参考)】