説明

角速度検出装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は角速度センサー及びそれを使った角速度検出装置並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、トーションバータイプ音叉型振動ジャイロがよく知られている。図19にこの従来例の概念図を示す。
【0003】図19に於いて191及び192は金属音叉の腕である。191及び192の先端にはそれぞれM/2なる質量として、194及び195が付いている。X,Y,Zは座標軸である。この金属音叉の腕191及び192には圧電振動板が張り付けられておりこれによってYZ面内で前記腕は音叉屈曲振動をしている。更にこの191及び192の音叉は音叉根元部でトーションバー193により支持されている。このトーションバーには捩り歪を電気的に検出できるように圧電振動板が張り付けてある。図中dr/dtは前記音叉屈曲振動のY軸方向速度で、Ωは測定しようとする角速度で、Z軸方向に回転する角速度である。図中Fcはdr/dt に働くコリオリ力で Fc=−2(M/2)(ベクトルΩ)×(ベクトルdr/dt) 式(1)
図中音叉の各質点194及び195の速度ベクトルdr/dtの方向は互いに反対であるから、コリオリ力Fcは腕191及び192に対してXZ面内で反対方向に作用する。このため音叉はXZ面内で互いに逆相の屈曲振動を始める。このXZ面内の屈曲振動の角周波数は明らかにωである。又、これはトーションバー193の接合部を中心に捩れ振動を起こす。このFcによる偶力の為に捩られる捩りトルクTは T=2・r・Fc=−2r(dr/dt)MΩ 式(2)
音叉の中立位置のアーム幅をR、音叉の振動振幅を△R、音叉の振動角速度をωとして、音叉の腕の変位rを r=R+△R・sin(ωt) 式(3)
とおき、2倍波の項を無視すると前記トルクTは T=−2MR・△R・ωΩcos(ωt) 式(4)
このトルクが図19のトーションバー193に作用するから、トーションバーの運動方程式は I(d2θ/dt2)+C(dθ/dt)+Kθ=T 式(5)
ここで I;Z軸回りの慣性モーメント,C;減衰係数,K;トーションバーの捩りばね定数,θ;トーションバーの捩れ角である。
【0004】この定常解は位相角をφとすると θ=−2MR・△R・ωΩ ・sin( ωt+φ)/{(K−ω2I)2+ C2ω21/2 式(6)
従ってトーションバーの捩れ角θは音叉の角周波数ωで振動し、入力角速度Ωに比例する。この捩れ角をトーションバーに張り付けられた圧電振動板で捉える事によりθに比例した電圧信号が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来の方式に於いては以下のような問題点を有している。
【0006】■上式に於いてθの感度を最大にしようとすると、k=ω2Iにし音叉の共振角周波数とトーションバーの共振角周波数を一致させる必要がある。しかし、実際には音叉振動とトーションバーの振動は弾性的に結合しており同じ共振角周波数にする事は出来ず、そのためずらした共振角周波数で使い、コリオリ力による振幅がとれず感度に限界があった。図20はこの様子を表すもので、二つの共振振動が弾性的に結合した時、それが共振角周波数へ及ぼす影響を説明するモードチャートである。図19のトーションバー193の長さをLとした時、1/Lを図20の横軸としている。図20の縦軸は角周波数ωである。図中、Lが長いときには音叉の共振角周波数は201の線上にあり、一方トーションバーの共振角周波数は202の線上にある。Lが短くなってくると各々の共振角周波数は線上を右へ移動する。L=L0の時、もし音叉振動とトーションバーの捩れ振動が弾性的に結合していない仮想の状態を考えると図中点205で両者は同じ共振角周波数をとる。しかし現実には音叉振動と捩れ振動は一つの合成された振動系で起きているため両者の振動は弾性的に結合しており図20の実線上を各々の共振角周波数は動く。すなわち音叉振動は201から203の線上に移り、一方捩れ振動は202から204の線上に移る。従ってL=L0点でもK=ω2Iにはならず厳密には感度を最大にする事は出来なかった。
【0007】■θを検出するために音叉の振動系の他に更にトーションバーの振動系を付加した構造になっており構造的に非常に複雑で外部からの衝撃に弱い欠点があった。
【0008】■音叉振動を起こすために音叉の腕に圧電振動板を張り付けなければならず、製造上手間が掛かり又圧電振動板のばらつきや張り付ける位置のばらつきにより特性が安定しない欠点があった。
【0009】■θを検出するために、トーションバーにも圧電振動板を張り付ける必要がありこのための作業手間の増大や検出信号がばらつくと言う問題があった。
【0010】■音叉、トーションバーなどの振動系が金属で出来ているため温度によってそれぞれその共振周波数が大きく変動し検出信号が温度によってドリフトする欠点を持っている。
【0011】■構造が音叉とトーションバーの複合振動系と成っておりこの複雑な構造体を精度良くしかも安価に加工するのは非常に困難で一様な特性の物を大量に生産する事が困難であった。
【0012】■構造が音叉とトーションバーの複合振動系から成る複雑な構造をしているためその構造体の大きさは大きく小型電子機器に搭載するには大きすぎる欠点を持っていた。
【0013】そこで、本発明はこれらの問題をことごとく解決することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度検出装置、音叉型水晶振動子を角速度センサーとして用い、前記音叉型水晶振動子の音叉屈曲振動面に平行な角速度ベクトルを検出する角速度検出装置において、前記音叉型水晶振動子を、音叉の腕に沿って純粋縦波が生じるカット角と音叉の向きで、水晶結晶から切り出すとともに、前記音叉型水晶振動子の腕厚み寸法と腕幅寸法とをほぼ同寸法とし、音叉の腕の上下表面及び左右表面に音叉屈曲振動を励振するための上下表面電極及び左右表面電極を配置し、前記音叉型水晶振動子の一つの腕において、前記上下表面電極を構成する上表面電極と下表面電極とを腕の幅方向に相互にずらして上下非対称な位置に配置し、前記上下表面電極と前記左右表面電極との間に、前記音叉型水晶振動子を発振させるための増幅器を接続し、前記増幅器の出力端に発生する位相変化量を電圧に変換する位相電圧変換器と、を備え、前記位相電圧変換器の出力から角速度を得ることを特徴とする
【0015】さらに、本発明の角速度検出装置は、音叉型水晶振動子を角速度センサーとして用い、前記音叉型水晶振動子の音叉屈曲振動面に平行な角速度ベクトルを検出する角速度検出装置において、前記音叉型水晶振動子を、音叉の腕に沿って純粋縦波が生じるカット角と音叉の向きで、水晶結晶から切り出すとともに、前記音叉型水晶振動子の腕厚み寸法と腕幅寸法とをほぼ同寸法とし、音叉の腕の上下表面及び左右表面に音叉屈曲振動を励振するための上下表面電極及び左右表面電極を配置し、前記音叉型水晶振動子の一つの腕において、前記左右表面電極を構成する右側面電極と左側面電極の上下表面への露出部の面積を上下で異なるように設定し、前記上下表面電極と前記左右表面電極との間に、前記音叉型水晶振動子を発振させるための増幅器を接続し、前記増幅器の出力端に発生する位相変化量を電圧に変換する位相電圧変換器と、を備え、前記位相電圧変換器の出力から角速度を得ることを特徴とする
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0017】(実施例1)図1は本発明の実施例で音叉型水晶振動子を用いた角速度センサーの外観図である。図中11は金属カプセルで、ベース17にかぶせて真空封止されている。カプセルの中は必ずしも真空の必要はなくガスを充填する構造も可能である。リード13、14はベース17とハーメチックシールされている。カプセル11の中に音叉型水晶振動子12が封入された構造となっている。音叉型水晶振動子12はリード13及び14とそれぞれ15及び16の部分に於いて半田または導電ペースト等により接着固定されている。リード13及び14は発振回路に接続される構造となっている。本具体例に於いてはカプセル11の寸法は円柱の高さが6mm程度、直径が2mm程度で非常に小さいものである。
【0018】音叉型水晶振動子11はフォトリソグラフィー技術を使った製造プロセスにより外形はエッチングで作られている。エッチング液としては沸酸や沸化アンモニウム等の混合液が用いられる。形状及び音叉の向きはフォトマスクにより任意に作る事が出来、小型に出来る事と後述するように寸法を精密に出す事が出来る。
【0019】図2は音叉型水晶振動子を用いた本実施例の角速度センサーの原理説明図である。図中、X’,Y’,Z’,は水晶の結晶軸を表しておりそれぞれ電気軸、機械軸、光軸である。この結晶軸に於いてZ’軸を中心に角度αだけ回転し、Z’軸よりY軸がβだけ傾いた新しい座標系をX,Y,Zとし、本発明の音叉型水晶振動子はこのXY面内の水晶薄板からフォトリソグラフィー技術により音叉型の外形が作られたものである。αの具体例としては後述するように純粋縦波が発生するカット角で、例えば0度、30度、60度、90度付近がある。当然水晶の結晶はZ’軸に対して3回回転対称であるから上述のαの具体例は結晶の対称性を考慮したそれらも含むものである。βの具体例としては、後述するように純粋縦波が発生するカット角で例えば0度、20度、50度、70度、90度、110度、130度、160度、180度付近である。当然、結晶の対称性を考慮した他の角度も同様である。
【0020】この音叉型水晶振動子はXY面内で音叉屈曲振動をする構造となっている。Y軸回りに角速度Ωが印加されると、変位Uxの時間微分に比例したコリオリ力FZがZ軸方向に働く。音叉の質量をmとして Fz=−2mΩ(dUx/dt) 式(7)
簡単にするために位相角を零としてUxを Ux=U0sin(ωt) 式(8)
とすると、dUx/dt はdUx/dt=U0ωcos(ωt) となり、式(7)は Fz=−2mΩωU0cos(ωt) 式(9)
この力は左右の腕に対して図示の通り逆方向に働き、二つの音叉腕にYZ面内で互いに逆相の屈曲振動を引き起こす。その角周波数はXY面内の屈曲振動の角周波数と同じωである。
【0021】Fzを大きくするためにU0を大きくする必要があり、XY面内の屈曲振動は共振角周波数で励振する構造と成っている。
【0022】図3は本発明の実施例で、音叉型水晶振動子の外形寸法図である。図中、Lは腕の長さ、Wは腕の幅、Tは腕の厚みである。図中、TとWはほぼ等しい構造となっている。XY面内の音叉屈曲振動の共振角周波数はW/L2に比例する。一方、YZ面内の屈曲振動の共振角周波数はT/L2に比例する。このYZ面内における屈曲振動は図2におけるコリオリ力Fzによって生ずる。Fzによって励振されるYZ面内の屈曲振動の変位を大きくするためにこの屈曲振動も共振点で振動するような構造にする事が理想的には望まれる。即ちXY面内の屈曲振動の共振角周波数とYZ面内の共振角周波数を同じにする事が感度を上げるために望まれる。
【0023】図4は本発明に係るモードチャートである。上述の如くTとWをほぼ等しく(W/T=1)し、図中45の点でXY面内の屈曲振動とYZ面内の屈曲振動の共振角周波数を一致させたものである。ちなみにT/W<1の時はXY面内の屈曲振動の共振角周波数は41の線上の値を取り、YZ面内の屈曲振動の共振角周波数は42の線上の値を取る。一方、T/W>1の時はそれぞれ43及び44の値を取る。これは後述する本発明のカット角α、βにおいてのみ可能となる。
【0024】図5は本発明の実施例でカット角α及びβを与えるグラフである。δは縦波の進行方向と音叉の腕の方向(図2に於けるY方向)とのなす角である。図中βは図2のカット角βである。51はα=0度の時、52はα=15度の時、53はα=30度の時、54はα=90度の時のδの値を表している。図中の黒丸印の点に於いてδ=0となる。即ちこの点に於いては縦波の進行方向は音叉の腕方向と完全に一致しており純粋縦波が発生している。このような黒丸印を与えるカット角αとβの組み合わせが本発明である。上記はαとβのいくつかの具体例を示したがαとβの組み合わせは上述した例のみに限らない事は言うまでもない。
【0025】4に於ける45の点の状態は本発明のカット角α、βにおいてのみ可能となる。何故なら図21はこれを説明するための図で、XY面内の屈曲振動とYZ面内の屈曲振動が弾性的に結合した従来のカット角、即ち上述のαとβの組み合わせ以外の時、それが各々の共振角周波数に及ぼす影響を説明するためのモードチャートである。横軸はT/Wで、縦軸は屈曲振動の共振角周波数である。図中Tを変えてTがWより小さいとき(T/W<1)は、YZ面内の屈曲振動のωは212の線上を動き、一方XY面内の屈曲振動のωは211の線上を動く。TがWより大きい時(T/W>1)、YZ面内の屈曲振動の共振角周波数ωは214の線上の値をとり、一方XY面内の屈曲振動の共振角周波数は213の線上の値をとる。TとWが一致したとき(T/W=1)、二つの屈曲振動の共振角周波数ωは同じ値(図中215の点)を取る事はなく、各々曲線上の216、217の点の二つのωの値をとる。この現象は前述したように前記二つの屈曲振動が純粋縦波によって生じていないときに起こり、弾性的に結合しているために起こる。又T/W=1付近のTとWの値で設計するとXY面内の屈曲振動を励振するだけでYZ面内の屈曲振動も弾性的結合により励振され、角速度Ωによるコリオリ力Fcが無くてもYZ面に変位が出てしまう。この為、T/Wの値を1に近づけて感度を上げようとすると誤差が出てしまい精度が悪くなる。このような問題に対して本発明はT/Wを1にし、共通のωをとることのできる特殊なカットアングルを提案するものである。
【0026】図22は本発明の実施例に係る振動の変位説明図である。横軸は時間tである。図中221は図2におけるコリオリ力Fzで、Fzによって生じるYZ面内の変位もこの221と同様の波形となる。YZ面内の屈曲振動の共振角周波数はコオリ力Fzの角周波数ωである。又前述の如くXY面内の屈曲振動の共振角周波数とYZ面内のそれが完全に一致しているためYZ面内の屈曲振動の変位は非常に大きくなり、大きな感度が得られる。
【0027】図6は本発明の実施例で電極構造の断面図及び配線模式図である。本図は音叉の先端から見たY断面図である。
【0028】604、605はそれぞれ水晶音叉の左右の腕であり、606、610は上電極、607、611は下電極、608、612は左側面電極、609、613は右側面電極、601、602は音叉腕の屈曲振動の中立線、603は発振回路である。図の外側の線は各電極間の配線を模式的に表したものであり、それぞれは発振回路603に接続されている。UxはXY面内のX方向の変位を表している。図中にXYZ座標図を記してある。又、図中++++や−−−−は或瞬間の電極の電圧極性を模式的に表したものである。その時の電界の様子をやはり模式的に表したものがEx1,Ex2,Ex3,Ex4である。図中上電極606は腕602の上面に於いて左にずれており、一方下電極607は腕の下面の中央部に配置されている。右腕605においては上電極610は腕の上面に於いて右側へずれた構造となっており、そのずれ量は前述の左腕の上電極606が左にずれている量と同じである。右腕の下電極611は腕の下面に於いて中央部に配置されている。左右の腕ではそれぞれ対応する電極においてその極性が逆となるよう結線された構造となっている。従って、左腕のX方向の屈曲変位と右腕のX方向の屈曲変位は逆方向となる。この構成により本発明の各速度センサーとしての音叉型水晶振動子はXY面内で音叉屈曲振動をする。角速度Ωが加わったとき、左右の腕は互いに逆相でZ方向の屈曲振動をする。このZ方向屈曲振動の歪は水晶の圧電定数d11を介して電荷を生じさせ、ひいては電極間の電界の変化を生じ電極電圧の変化となる。この電極電圧の変化は本発明の電極構成で検出でき、これが角速度Ωに対応した量で角速度Ωが測れる事に成る。
【0029】更に、左腕と右腕の電極配置が対称になっている事と電極の極性が逆相になっている構成により角速度Ω以外の物理量には反応しにくい構造となっている。例えばZ方向の加速度や衝撃によって音叉はZ方向にたわみこれによって電荷が生じるがこれは左腕、右腕とも同じ方向にたわむため、逆相になるよう電極結線されている電極の電圧変化の総和は打ち消されて表へは電圧変化として出てこない利点がある。
【0030】尚、本図以下における発明の実施例の電極はフォトリソグラフィー技術を使った製造プロセスにより外形が作られている。そのエッチング液としては電極金属を溶解する液で、使用する金属の種類によって異なる。本発明に於いてはCrとAuを使っており、重クロム酸カリウム溶液や王水等を用いる。これにより任意の位置に任意形状の電極を作成できる。
【0031】図7は本発明の動作原理を詳細説明するための説明図である。
【0032】本図は音叉の腕の一方を取りだした部分図で更に音叉の先端からみた左腕のY断面図と成っている。図中X,Y,Zは座標軸でありUx,Uzは変位方向を表している。700は音叉の片方の腕で、701、702は上下電極、703、704は側面電極705は音叉の腕の屈曲振動の中立線、706は発振回路、707は電圧信号の変化の検出回路を表している。図中上電極701は腕700の上面に於いて左にずれており、一方下電極702は腕の下面の中央部に配置されている。今、電極の極性が図のようになった瞬間を考える。
【0033】Y方向歪をεYとすると、 εY ∝ −d11Ex 式(10)
但しd11=−0.171(c/m2)<0腕の左半分ではEx1>0,Ex3>0だからY方向の歪εYは εY>0となり、結局腕の左側は伸びる。一方腕の右側はEx2<0,Ex4<0だから、εY<0となり腕の右側は縮む事になる。従ってUxはXの負の方向に屈曲する。図7の左腕について説明したが、右腕は電界方向が上記と逆のため(図6参照)、左腕とは逆方向に屈曲変位するのは明かである。さて図7に戻って、Yの正方向にΩが加わったときコリオリ力は前述の式(7)から図中Z軸の負方向に働き、これにともなって図の如くZ軸の負方向に変位Uzを生じる。このUzにより腕の上半分は伸び下半分は縮む。つまり、上半分のεY>0、下半分のεY<0、即ち圧電定数と歪の式(10)から上半分の伸び歪によって誘起されるExは正、下半分の縮み歪によって誘起されるExは負で、図中のEx5,Ex6,Ex7,Ex8のようになる。この誘起される電界の大きさは式(10)で表される。これらを総合して電極間の電圧は変位Uzによって変調される事になる。
【0034】本発明の構造は上述したように上電極が中心位置よりずれている事に特徴があり、その作用と効果は以下のようである。
【0035】図8は本発明の効果を説明するための電極構造の断面図である。上電極と下電極が共に中央部に設定されており図示の如く上下左右に対称な構造となっている。よく知られている通常の音叉型水晶振動子においてはこのような電極構造となっている。しかしこのような配置では図7に示したようにUzの発生にともなって腕の上半分と下半分に誘起される逆極性の電荷は各電極間に同じ大きさのEx5(正),Ex6(正),Ex7(負),Ex8(負)を発生しこれらの総和は零となり総和の電圧としては検出されない。本発明に於いては既述の通り上電極が中心部よりずれているため、Ex5≠Ex6,Ex5≠Ex7,Ex5≠Ex8 で、たとえEx7=Ex8であっても総和として電圧が発生する。
【0036】(実施例
図9は本発明になる他の実施例で、電極配置断面図である。本図は図7と同様に或瞬間の状態を表したものであり時間と共に正弦的に変化するものである。図中、909は発振器、901,902は左腕の上電極と下電極、903,904は側面電極、905,906は右腕の上電極及び下電極、907,908は右腕の側面電極である。図中、XYZ座標軸も併記してある。909の+−は或瞬間の発振器両端の電圧極性で、それに伴う水晶振動子に配置された電極の極性が電極901、902、903、904、905、906、907、908のそれぞれの上に++++または−−−−で表示してある。Ex1,Ex2,Ex3,Ex4は各電極の電荷によって発生したX方向の電界を表し、UxはXY面内の屈曲変位を表している。本図に於いて上電極901及び905は中央部になく左右にずれた構成であると同時に下電極902、906も中央部になく左右にずれた構造を有している。この構造によっても前述の実施例図7と同様の作用で角速度Ωが加わるとZ方向にコリオリ力が働き、これによるZ方向の変位によって発振器両端には当初の正弦波信号に変調信号が重畳された変調のかかった電圧信号が得られる。
【0037】図10は上記Uzによって誘起される電界を示した模式図で、本発明の動作原理を詳細説明するための説明図である。図中、100は音叉の片方の腕で、101、102は上電極、103、104は側面電極、105は音叉の腕の屈曲振動の中立線、106は発振回路、107は電圧信号の変化の検出回路を表している。本構造の効果は本発明になる実施例である図7において説明した事と同様である。
【0038】(実施例
図11は本発明の他の実施例で本発明になるXY面上の電極の構造を示した電極構造の図である。図中、111、112、113は図2、図7と同様に+Z側の面の電極を+Z側からから見た電極構造の平面図、114、115、116は−Z側の面の電極を−Z側から見た電極構造の平面図である。即ち、112は表面の中央電極、111は左側面電極の表平面部の形状、114は左側面電極の裏平面部の形状、113は右側面電極の表平面部の形状、116は右側面電極の裏平面部の形状を表している。音叉の右腕については図示していないがこれについては音叉の又の中心線に対して対称のパターンとなっている。本図の作用及び効果は、本発明になる図7の説明と同様である。つまり+Z面の電極について左右の側面電極111、113の面積が異なるためUzによって生じる中央電極112との間にできる電界が異なり電圧信号としてピックアップできる。
【0039】(実施例
図12は本発明の他の実施例で本発明になるXY面上の電極の構造を示した電極構造の図である。図中、121、122、123は図2、図8と同様に+Z側の面の電極を+Z側からから見た電極構造の平面図、124、125、126は−Z側の面の電極を−Z側から見た電極構造の平面図である。即ち、122は表面の中央電極、121は左側面電極の表平面部の形状、、124は左側面電極の裏平面部の形状、123は右側面電極の表平面部の形状、126は右側面電極の裏平面部の形状を表している。音叉の右腕については図示していないがこれについては音叉の又の中心線に対して対称のパターンとなっている。本図の作用及び効果は、本発明になる図8R>8の説明と同様である。つまり+Z面の電極について左右の側面電極121、123の面積が異なるためUzによって生じる中央電極122との間にできる電界が異なり電圧信号としてピックアップできる。更に裏面についても側面電極124と126の面積が異なるためUzによって生じる中央電極125との間にできる電界が異なり電圧信号としてピックアップできる。
【0040】(実施例
図13は本発明の実施例で、角速度検出装置の回路構成図である。図中、131は本発明になる音叉型水晶振動子を用いた角速度センサー、132は位相比較器、133は位相電圧変換器、134は基準発振器である。V1は変調信号ψは基準発振器134からの基準信号とV1との位相差である。V3はψの大きさに比例する大きさの電圧信号。図中の増幅器は本発明の実施例図6の603,図7の706,図9の909,図10の906の発振器として機能し、対応している。
【0041】(実施例
図14は本発明の更なる実施例で、角速度検出装置の回路構成図である。図中、141は本発明になる音叉型水晶振動子を用いた角速度センサーでり、本発明になる実施例の図1,図2,図3,図4、図5、図6,図7,図8R>8、図9,図10図11、図12に対応している。142はPLL位相比較回路、143は位相電圧変換器、144は基準発振器である。V1は変調信号ψは基準発振器144からの基準信号とV1との位相差である。V3はψの大きさに比例する大きさの電圧信号。図中の増幅器は本発明の実施例の図6の603,図7の706,図9の909,図10の906等の発振器として機能し、対応している。
【0042】実施例、実施例の機能を以下図により説明する。
【0043】図15は上記実施例の信号波形図である。横軸はωtで単位はラジアン、縦軸は振幅で単位は相対値である。図中、151の実線は角速度Ωが零の時の図1313、図14におけるV1である。152は角速度Ωにより変調度0.25の振動が図2,図3,図6,図7,図9,図10におけるYZ面に生じたときのV1の波形である。何故なら、図2,図3,図6,図7,図9,図1010におけるXY面の音叉屈曲変位は式(8)より Ux=U0sin(ωt) 式(8)
角速度Ωによって生じるコリオリ力は式(9)より Fz=−2mΩωU0cos(ωt) 式(9)
これによりYZ面に生じる変位UzはFzに比例するので Uz=U1cos(ωt) 式(11)
と書ける。角速度Ωが零の時信号V1はUxに比例するので式(8)よりV1∝sinωt角速度Ωが加わり上記Uzが生じると前述したようにUzに比例した電荷が発生し、それによる電圧が電極に重畳される。今、図3における腕の厚みtが腕の幅wと同じで、Uzの共振角周波数がωの時、この共振信号による重畳信号の振幅の相対値を0.25として 0.25cosωt とするとこの時V1は相対値としてV1=sinωt+0.25cosωt即ちこれが前述の変調度0.25の振動が生じたときの図中の実線152の事である。図13のV1の信号を同図の位相比較器132に入れると図17の171の点が得られる。これはまさに位相差ψと外から印加された回転角速度Ωとの関係である。この信号を位相電圧変換器にかけ直流電圧にしたものが図18の点181である。 図15の153はコリオリ力による変調が更に大きくなって変調度0.5の時のV1である。154はコリオリ力による変調が更に大きくなって変調度1の時のV1である。これらの時の位相比較器の出力ψの値がそれぞれ図17の172、173である。この172、173が図13の位相電圧変換器を通った後の信号V3が図18R>8の182、183である。
【0044】図16は回転角速度Ωが負の場合のV1の波形図である。161は角速度Ωが0で変調度が0の時、162は変調度が0.25の時、163は変調度が0.5の時、164は変調度が1の時の例である。図からわかるように角速度が負の時は位相ψが遅れ前述の角速度が正の時にψが進のとは逆になる。従って本発明によれば角速度の大きさばかりではなく、その符号をも検出する事ができる。図17の174、175、176はこれを表す。前述と同様にψの信号は電圧V3に変換される。
【0045】以上図13について説明してきたが図14についても全く同様の事が言える。図14は位相比較器としてPLLを用いたものであるがこの場合はチャージポンプ出力がV3である。非常に簡単なICにより構成される。
【0046】
【発明の効果】近年、電子機器の小型化は目ざましいものがあり、これに伴い角速度検出器にたいしても小型化、定価格化が強く要求されている。即ち、今や角速度検出器も船舶、航空機、自動車等の航行制御用に使われるばかりではなくカムコーダー(ハンディービデオカメラ)の手振れ検出装置として使われたり手書き文字入力用センサーとして検討されたりその応用分野が急速に小型携帯機器市場へと向かっている。この要求に応えるために小型、高精度、安価な角速度検出装置を提供する事が本発明の目的であり、本発明の効果はこの意味で絶大である。即ち、■コリオリ力によって励振される屈曲振動の共振角周波数を元の音叉屈曲振動の角周波数に完全に一致させることによりコリオリ力によって励振される屈曲振動の振幅を大きくする事が出来、その結果検出感度を上げる事ができる。
【0047】■トーションバーのような複雑な振動系を付加する必要がなく、単なる音叉型振動子の構造のため外部からの衝撃に非常に強く、小型携帯機器用のセンサーとして最適である。
【0048】■角速度センサーとして水晶振動子を用いる事により、従来のように音叉振動を起こすために圧電振動板を音叉の腕に張り付ける必要がなく、製造が非常に容易でしかも張り付け作業のばらつきによる特性の不安定や特性ばらつきも無い。
【0049】■振動系が水晶で構成されているため周囲温度によって振動の共振周波数が変動することもなく、従って検出信号が温度によってドリフトする事が無い。
【0050】■従来の角速度センサーが複雑な構造をしていて安価に大量に生産するのが困難であったのに対して、本発明の音叉型水晶振動子センサーは形が簡単なため既存の水晶振動子製造ラインで作る事が出来、安価に大量に生産する事が可能である。
【0051】■従来の角速度センサーは複雑な構造の為その外形が大きかったのに比べて本発明のセンサーは例えば直径2mm、長さ6mmの大きさで、非常に小型にできる。
【0052】■従来の角速度センサーにおいては励振用電極と検出用電極が別々に必要であったが、本発明の角速度センサーからの出力は音叉屈曲振動の励振信号に重畳されてくるため電極は励振用電極だけでよく、しかも信号処理回路もシンプルである。
【0053】■信号処理回路が単純な発振回路、位相比較回路、位相電圧変換回路で構成されているため、容易にIC化しやすく、きわめて小さくしかも安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係り、本発明になる音叉型水晶振動子を用いた角速度センサーの外観図。
【図2】本発明の音叉型水晶振動子を用いた角速度センサーの原理説明図。
【図3】本発明の実施例に係り、本発明の音叉型水晶振動子の外形寸法図。
【図4】XY面内の屈曲振動とYZ面内の共振角周波数を示すモードチャート。
【図5】本発明の実施例に係り、本発明になるカット角を示すグラフ。
【図6】本発明の実施例に係り、本発明になる電極構造の断面図及び配線模式図。
【図7】本発明の動作原理を詳細説明するための説明図。
【図8】本発明の効果を説明するための電極構造の断面図。
【図9】本発明の実施例に係り、電極配置断面図である。
【図10】本発明の動作原理を詳細説明するための説明図。
【図11】本発明の実施例に係り、XY面上の電極の構造を示した電極構造図。
【図12】本発明の実施例に係り、XY面上の電極の構造を示した他の電極構造図。
【図13】本発明の実施例に係り、角速度検出装置の回路構成図。
【図14】本発明の実施例に係り、角速度検出装置の他の回路構成図。
【図15】実施例及び実施例のV1の信号波形図。
【図16】実施例及び実施例のV1の他の信号波形図。
【図17】実施例及び実施例のψの信号波形図。
【図18】実施例及び実施例のΩとV3の関係図。
【図19】従来例の概念図。
【図20】従来例に於いて、二つの振動が弾性的に結合した時の共振角周波数を示すモードチャート。
【図21】従来例に於いて、二つの振動が弾性的に結合した時の共振角周波数を示すモードチャート。
【図22】Ux、Fz,Uzの波形図。
【符号の説明】
11 金属カプセル
12 音叉型水晶振動子
13 リード
14 リード
15 接着固定部
16 接着固定部
17 ベース
41 XY面内の屈曲振動の共振角周波数
42 YZ面内の屈曲振動の共振角周波数
43 XY面内の屈曲振動の共振角周波数
44 YZ面内の屈曲振動の共振角周波数
45 二つの共振角周波数が同じ値を取る点
51 α=0度の時のδの値を示すグラフ
52 α=15度の時のδの値を示すグラフ
53 α=30度の時のδの値を示すグラフ
54 α=90度の時のδの値を示すグラフ
601 音叉腕の屈曲振動の中立線
602 音叉腕の屈曲振動の中立線
603 発振回路
604 音叉の左腕
605 音叉の右腕
606 上電極
607 下電極
608 左側面電極
609 右側面電極
610 上電極
611 下電極
612 左側面電極
613 右側面電極
700 音叉の片方の腕
701 上電極
702 下電極
703 側面電極
704 側面電極
705 音叉の腕の屈曲振動の中立線
706 発振回路
707 電圧信号の変化の検出回路
901 左腕の上電極
902 左腕の下電極
903 左腕の側面電極
904 左腕の側面電極
905 右腕の上電極
906 右腕の下電極
907 右腕の側面電極
908 右腕の側面電極
909 発振回路
100 音叉の片方の腕
101 上電極
102 下電極
103 側面電極
104 側面電極
105 音叉の腕の屈曲振動の中立線
106 発振回路
107 電圧信号の変化の検出回路
111 左側面電極の表平面部の形状
112 表面の中央電極
113 右側面電極の表平面部の形状
114 左側面電極の裏平面部の形状
115 裏面の中央電極
116 右側面電極の裏平面部の形状
121 左側面電極の表平面部の形状
122 表面の中央電極
123 右側面電極の表平面部の形状
124 左側面電極の裏平面部の形状
125 裏面の中央電極
126 右側面電極の裏平面部の形状
131 角速度センサー
132 位相比較器
133 位相電圧変換器
134 基準発振器
141 角速度センサー
142 PLL
143 位相電圧変換器
144 基準発振器
151 角速度が零の時のV1
152 角速度が正、コリオリ力による直交方向の振幅が0.25の時のV1
153 角速度が正、コリオリ力による直交方向の振幅が0.5の時のV1
154 角速度が正、コリオリ力による直交方向の振幅が1の時のV1
161 角速度が零の時のV1
162 角速度が負、コリオリ力による直交方向の振幅が0.25の時のV1
163 角速度が負、コリオリ力による直交方向の振幅が0.5の時のV1
164 角速度が負、コリオリ力による直交方向の振幅が1の時のV1
171 信号が152の時の位相ψとΩの値
172 信号が153の時の位相ψとΩの値
173 信号が154の時の位相ψとΩの値
174 信号が162の時の位相ψとΩの値
175 信号が162の時の位相ψとΩの値
176 信号が162の時の位相ψとΩの値
180 角速度が零の時のV3
181 ψが171の時のΩとV3
182 ψが172の時のΩとV3
183 ψが173の時のΩとV3
184 ψが174の時のΩとV3
185 ψが175の時のΩとV3
186 ψが1761の時のΩとV3
191 金属音叉の腕
192 金属音叉の腕
193 トーションバー
194 質量2/Mの質点
195 質量2/Mの質点
201 音叉屈曲振動の共振角周波数
202 トーションバーの共振角周波数
203 音叉屈曲振動の共振角周波数
204 トーションバーの共振角周波数
205 二つの共振角周波数が同じ値を取る仮想の点
211 XY面内の屈曲振動の共振角周波数
212 YZ面内の屈曲振動の共振角周波数
213 XY面内の屈曲振動の共振角周波数
214 YZ面内の屈曲振動の共振角周波数
215 二つの共振角周波数が同じ値を取る仮想の点
216 共振角周波数
217 共振角周波数
221 コリオリ力の波形
ω 角周波数
Ω 印加される角速度
r 音叉の中心から腕までの距離
dr/dt rの時間微分
Fc コリオリ力
X 座標軸
Y 座標軸
Z 座標軸
L 音叉の腕の長さ
0 二つの共振角周波数が等しくなるLの値
T 音叉の厚み
W 音叉の幅
Uz コリオリ力によるZ方向の変位
Ux X方向の変位
t 時間
Fz Z方向に働くコリオリ力
X’ 水晶の電気軸
Y’ 水晶の機械軸
Z’ 水晶の光軸
α Z’軸を中心に回転して出来たX軸とX’軸のなす角
β X軸を中心にZ’軸とY軸のなす角
δ 音叉のY方向と縦波の進行方向のなす角
Ex1 発振器によって印加される電圧により生じるX方向電界
Ex2 発振器によって印加される電圧により生じるX方向電界
Ex3 発振器によって印加される電圧により生じるX方向電界
Ex4 発振器によって印加される電圧により生じるX方向電界
Ex5 Uzによって生じるX方向電界
Ex6 Uzによって生じるX方向電界
Ex7 Uzによって生じるX方向電界
Ex8 Uzによって生じるX方向電界
V1 発振器の信号
V3 位相の大きさを電圧に変換した信号
ψ V1と基準発振器の信号との位相差
++++ 正電荷
−−−− 負電荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】 音叉型水晶振動子を角速度センサーとして用い、前記音叉型水晶振動子の音叉屈曲振動面に平行な角速度ベクトルを検出する角速度検出装置において、前記音叉型水晶振動子を、音叉の腕に沿って純粋縦波が生じるカット角と音叉の向きで、水晶結晶から切り出すとともに、前記音叉型水晶振動子の腕厚み寸法と腕幅寸法とをほぼ同寸法とし、音叉の腕の上下表面及び左右表面に音叉屈曲振動を励振するための上下表面電極及び左右表面電極を配置し、前記音叉型水晶振動子の一つの腕において、前記上下表面電極を構成する上表面電極と下表面電極とを腕の幅方向に相互にずらして上下非対称な位置に配置し、前記上下表面電極と前記左右表面電極との間に、前記音叉型水晶振動子を発振させるための増幅器を接続し、前記増幅器の出力端に発生する位相変化量を電圧に変換する位相電圧変換器と、を備え、前記位相電圧変換器の出力から角速度を得ることを特徴とする角速度検出装置。
【請求項2】 音叉型水晶振動子を角速度センサーとして用い、前記音叉型水晶振動子の音叉屈曲振動面に平行な角速度ベクトルを検出する角速度検出装置において、前記音叉型水晶振動子を、音叉の腕に沿って純粋縦波が生じるカット角と音叉の向きで、水晶結晶から切り出すとともに、前記音叉型水晶振動子の腕厚み寸法と腕幅寸法とをほぼ同寸法とし、音叉の腕の上下表面及び左右表面に音叉屈曲振動を励振するための上下表面電極及び左右表面電極を配置し、前記音叉型水晶振動子の一つの腕において、前記左右表面電極を構成する右側面電極と左側面電極の上下表面への露出部の面積を上下で異なるように設定し、前記上下表面電極と前記左右表面電極との間に、前記音叉型水晶振動子を発振させるための増幅器を接続し、前記増幅器の出力端に発生する位相変化量を電圧に変換する位相電圧変換器と、を備え、前記位相電圧変換器の出力から角速度を得ることを特徴とする角速度検出装置。

【図14】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図19】
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【図13】
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【図15】
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【図20】
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【図21】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図22】
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【特許番号】特許第3269167号(P3269167)
【登録日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【発行日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−70378
【出願日】平成5年3月29日(1993.3.29)
【公開番号】特開平6−281664
【公開日】平成6年10月7日(1994.10.7)
【審査請求日】平成11年4月5日(1999.4.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【参考文献】
【文献】特開 平6−258333(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開494588(EP,A1)