説明

解体方法、旅客車解体方法及び解体システム

【課題】装着部材が装着された長尺状の被解体物の解体作業を効率よくできる解体方法及び解体システムを提供する。
【解決手段】被解体物の装着部材が装着された内面が作業面となるように、被解体物をその長手方向軸心回りに回転し、作業面にある被解体物の装着部材を剥離及び排出しS4、装着部材が剥離された被解体物をプレス及び切断しS5、所定寸法の廃材塊を形成することを特徴とする。また、被解体物の車台の固定部材を取り外す分解手段と、被解体物の車台の分離手段と、車台と車体との間に延びるコード部材の切断手段と、車体の窓枠から窓ガラスを取り除く破砕手段と、車体の内装部材が被覆された内面が作業面となるように、車体をその長手方向軸心回りに回転する解体用回転ユニットと、作業面にある車体の内装部材の剥離手段と、内装部材が剥離された車体を、所定寸法の廃材塊にするプレス・切断手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客車やバス等の長尺の車両を解体するための解体方法、旅客車解体方法及び車両解体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の廃棄物を解体処理し同種類の材料毎に分別収集を行うためのスクラップ処理ヤードが知られている。スクラップ処理ヤードでは、廃棄された自動車が運びこまれ、解体、破断、及び分別といった一連の工程が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−168969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動車の車両用スクラップ処理ヤードは、自動車等の比較的小さい被解体物の解体作業を想定した施設であるため、客車、電車、ディーゼル動車等の旅客車やバスといった車両、及びタンク等の長尺の被解体物であって、ガラス部材又は内装部材等が装着されている被解体物を解体するには、効率的とは言えなかった。実際、現状の設備で旅客車を解体する場合、6人の作業員で約1週間程要し、作業効率をさらに向上させることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、装着部材が装着され長尺状の被解体物の解体作業を効率よくできる解体方法、旅客車解体方法及び解体システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、装着部材が装着された長尺状の被解体物を解体する解体方法であって、前記被解体物の装着部材が装着された内面が作業面となるように、前記被解体物をその長手方向軸心回りに回転し、前記作業面にある前記被解体物の装着部材を剥離及び排出し(S4)、前記装着部材が剥離された被解体物をプレス及び切断し(S5)、所定寸法の廃材塊を形成する。
【0007】
さらに、本発明の解体方法は、排出された内装部材を、その寸法に従って分別する(S8)。
【0008】
本発明の解体方法は、前記所定寸法の廃材塊(U)を破砕し、破砕片を形成する(S6)。
【0009】
さらに、本発明の解体方法は、前記破砕片を、その材質に従って分別する(S7)。
【0010】
さらに、本発明の解体方法は、排出された内装部材を、その寸法に従って分別する(S8)。
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、内装部材が被覆され窓ガラスを有する車体と、前記車台が固定される車台と、を備える旅客車を解体する解体方法であって、前記車台と前記車体とを分離し(S2)、前記車体から窓ガラスを取り除き(S3)、前記車体の装着部材が被覆された内面が作業面となるように、前記車体をその長手方向軸心回りに回転し、前記作業面にある前記車体の内装部材を剥離及び排出し(S4)、前記内装部材が剥離された車体をプレス及び切断し(S5)、所定寸法の廃材塊を形成する。
【0012】
さらに、本発明の旅客車解体方法は、前記内装部材を有する内面は、前記車体の天井面、床面、一方の側面、及び他方の側面であり、前記天井面、前記床面、一方の側面、及び他方の側面の順に、内装部材が剥離される。
【0013】
さらに、本発明の旅客車解体方法は、排出された内装部材を、その寸法に従って分別する(S8)。
【0014】
さらに、本発明の旅客車解体方法は、前記分離された車台を切断し(S8)、切断された廃材を破砕し(S9)、破砕片を形成する。
【0015】
さらに、本発明の旅客車解体方法は、前記所定寸法の廃材塊を破砕し、破砕片を形成する(S6)。
【0016】
さらに、本発明の旅客車解体方法は、破砕片を、その材質に従って分別する(S7)。
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、長尺状の被解体物を解体する解体システムであって、前記被解体物の車台に車体を固定する固定部材を取り外すための分解手段と、前記被解体物の車台から車体を分離するための分離手段と、前記車台と車体との間に延びるコード部材を切断するための切断手段と、前記車体の窓枠から窓ガラスを取り除くための破砕手段と、前記車体の内装部材が被覆された内面が作業面となるように、前記車体をその長手方向軸心回りに回転するための解体用回転ユニットと、前記作業面にある前記車体の内装部材を剥離する剥離手段と、前記内装部材が剥離された車体を、所定寸法の廃材塊にするためのプレス・切断手段と、を備える。
【0018】
さらに、本発明の解体システムによれば、前記長尺状の被解体物は、前記内装部材が被覆され窓ガラスを有する車体と、前記車体が固定される車台と、を備える旅客車である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る解体方法、旅客車解体方法及び解体システムによれは、装着部材が装着され長尺状である被解体物の解体作業に適合した装置を設けることにより、一連の解体作業を最初から最後まで、ほぼ自動化することができる。結果として、解体作業の作業効率を格段に向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る解体方法のフローチャートである。
【図2】実施形態における車台から車体を取り外す工程を示す斜視図である。
【図3】実施形態における車体から窓ガラスを取り除く工程を示す斜視図である。
【図4】実施形態における解体用回転ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図5】実施形態における解体用回転ユニットの正面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】実施形態における車体をプレスする一の工程を示す斜視図である。
【図8】実施形態における車体をプレスする他の工程を示す斜視図である。
【図9】実施形態におけるスクラップ破砕・分別設備の全体構成を示す平面図である。
【図10】図9のA−A矢視断面図である。
【図11】鉄骨カッター作業機により車台を切断する工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態に係る解体方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態は本発明を限定するものではない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る解体方法のフローチャートであり、図2は、実施形態における車台から車体を取り外す工程を示す斜視図であり、図3は、実施形態における車体から窓ガラスを取り除く工程を示す斜視図であり、図4は、解体用回転ユニットの概略構成を示す斜視図であり、図5は、実施形態に係る解体用回転ユニットの正面図であり、図6は、図5のVI−VI矢視図であり、図7は、実施形態における車体をプレスする一の工程を示す斜視図であり、図8は、実施形態における車体をプレスする他の工程を示す斜視図であり、図9は、スクラップ破砕・分別設備の全体構成を示す平面図であり、図10は、図9のA−A矢視断面図であり、図11は、鉄骨カッター作業機により車台を切断する工程を示す斜視図である。なお、図面の明瞭化のため、図4から筐体3に対して駆動歯車21を固定するための固定部材5等を割愛し、図6から車体Sを割愛している。
【0023】
図2に示すように、被解体物である車両151は、引き込み線である線路153を通り解体場へ移送される(図1のステップS1)。ここで、車両151は、線路R上を転動する車輪155を備える車台157と、車台157に固定され人員を載せる車体Sと、から構成される。また、解体場に移送される車両151は、車体内部に配置されている座席が、予め取り除かれている。
【0024】
まず、公知の作業機(不図示)により、車体Sと車台157とを連結するボルトやナット等の固定部材(不図示)が外され、分離手段、すなわちクレーンにより昇降可能なフックブロック159のフック161に固定された略コの字状の懸架部材163により、車体Sの下縁部が保持され、持ち上げられる。車体Sと車台157との間に延びるコード類169は、作業機167の切断手段、すなわちカッター165により切断される(図1のステップS2)。
【0025】
コード類169が切断され、完全に車台157から分離された車体Sは、クレーンの懸架部材163に吊り下げられ、窓ガラス171を除去する窓ガラス除去工程に移送される(図1のステップS3)。
【0026】
図3に示すよう、窓ガラス171を破砕するためには、破砕手段であるガラス破砕作業機210を用いる。ガラス破砕作業機210は、作業機本体と、作業機本体を移動させる無限軌道部227と、を備える。作業機本体は、無限軌道部227に旋回可能に装着されている架台ステージ212と、起伏するブーム211と、操縦者が搭乗する操業キャビン213と、ブーム211から延び、回転可能に装着されているガラス破砕用治具229と、破砕ガラスを回収する回収バケット217と、を有している。ガラス破砕用冶具229は、板状の基部229aと、基部229aに装着された破砕部と、から構成される。破砕部は、先が尖った円錐形状で複数の突起部材229bから構成されている。
【0027】
また、ブーム211、操業キャビン213及び回収バケット217は、架台ステージ212に装着され、架台ステージ212の旋回に合わせて、向きを変えることができる構成である。さらに、ブーム211は、図3の紙面上において上下方向に起伏可能である。ブーム211から延伸し、先端部にガラス破砕用冶具229が連結される連結ブーム224は、屈曲可能であり、ガラス破砕用冶具229の向きを自由に変えることができる。
【0028】
最初の窓ガラス171は、車体Sの外側からガラス破砕用冶具229で突き破られ、破砕されたガラス片は、車体S内に落下する。次に、窓ガラス171を突き破り車体S内に進入したガラス破砕用冶具229は、車体Sの内側から外側に向けて隣りの窓ガラス171を突き破り破砕する。破砕されたガラス片は、窓枠から落下し、回収バケット217内に収集される。全ての窓ガラス171を除去し、ガラス破砕用冶具229を車体Sの外に移動させると、窓ガラスを除去する工程が完了する。なお、最初に破砕され、車体Sの内部に残っているガラス片は、窓ガラス除去工程(ステップS3)において回収してもよいし、次の内装部材除去工程(ステップS4)において回収してもよい。
【0029】
次に、窓ガラスが除去された車体Sは、内装部材除去工程(ステップS4)に移行する。内装部材除去工程(ステップS4)は、車体Sの側壁105、107及び天井109の内面を覆っている装飾部材を除去するための工程であり、解体用回転ユニット1を用いて行われる。尚、窓ガラス171の除去は、前述のガラス破砕作業機210を用いて行う構成に限らず、以下に述べる解体用回転ユニットを用いて車体を回転させつつ、別の破砕工具を用いて行ってもよい。
【0030】
図4及び図5に示すように、解体用回転ユニット1は、複数の解体用回転装置100を備え、複数の解体用回転装置100は、互いに回転軸線Xが一直線上になるように等間隔で配置されている。従って、本実施形態では、解体用回転装置100の回転軸線Xが、車体Sの長手方向軸心に一致することになる。また、各解体用回転装置100は、互いに同寸法、同形状であり、制御部11により同期して作動する構成である。ここでは、一の解体用回転装置100について説明する。
【0031】
回転装置100の筐体3は、後述する基部15の底辺部15bに一対のローダ誘導路構成部材24、26の凹部24a、26aが、地面Tに設けられた軌道溝172と整合するように配置され、筐体3の一部は地中に埋設している。ローダ誘導路構成部材24、26及び軌道溝172の詳細は、後述する。なお、図1に示すように、筐体3は、解体用回転ユニット1の長手方向全域に亘って延び、全ての解体用回転装置100の筐体として機能する。
【0032】
解体用回転装置100は、主として、門型形状の筐体3と、車体Sを支持し、筐体3に対して回転可能に装着される枠体5と、枠体5に設けられ、車体Sを枠体5に対して固定する固定手段、すなわち固定部材7と、枠体5を回転させる回転手段、すなわちモータ9と、モータ9や固定部材7を制御する制御手段である制御部11と、を備えている。以下に各構成要素について具体的に説明する。
【0033】
筐体3は、正面視で略矩形状であり、その内部の4つの隅部には、平歯車である駆動ギア21を回転可能に支持する固定部23が固定されている。また、筐体3の上部には、駆動手段であるモータ9が配置されている。モータ9の回転軸9aに装着された駆動プーリ10と、駆動ギア21の回転軸21aに同軸に固定される被駆動プーリ(不図示)とに弾性材からなる無端ベルト12が掛け回されている。従って、モータ9からの回転力は、無端ベルト12を介して駆動ギア21に伝達される。なお、回転力を伝達するための手段として、プーリと無端ベルトを使用する代わりに、複数のスプロケットとそれに掛け回されるチェーンを用いる構成や歯車を複数連結させる構成としてもよい。
【0034】
枠体5は、円環状の基部17と、基部17に内接する四角形状の支持部15と、を有する。基部17は、4つの駆動ギア21の回転軸21aからほぼ等距離の位置に、基部17の回転軸線Xが通るように配置される。基部17の外周面には、ギア部17aが設けられ、駆動ギア21のギア部21bが基部17のギア部17aに噛合することにより、駆動ギア21の回転力が基部17に伝達される。
【0035】
支持部15の各隅部は、基部17の内周面に連結され、さらに、支持部15を構成する各辺部15a〜15dは、リブ22により基部17に連結されている。また、本実施形態では、支持部15は、車体Sの長手方向に垂直な面に沿って車体Sの周囲を取り囲むことができるように寸法付けされている。従って、支持部15の外側に延在する基部17も、車体Sの長手方向に垂直な面に沿って車体Sの周囲を取り囲むことができるような寸法である。なお、枠体5及び支持部15は、それぞれ単一の部材から形成されているが、例えば、周方向に分割可能とすべく、枠体5や支持部15を複数の部材から形成し、装置の修理や整備等を容易にする構成としても良い。
【0036】
各辺部15a〜15dには、固定手段である押圧部材27a及び27b、29a及び29b、31a及び31b、並びに33a及び33bがそれぞれ設けられている。各押圧部材は、油圧シリンダと、油圧シリンダ内に一端部が保持される伸縮可能な油圧ピストンと、油圧ピストンの他端部に連結され、車体Sの外表面に当接する板状部材と、を有する。
【0037】
図4、5に示すように、一対のローダ誘導路構成部材24、26が、回転装置ユニット1を構成する各解体用回転装置100間に架け渡されるように延びている。板状のローダ誘導路構成部材24、26は、支持部15に固定され、ローダ誘導路構成部材24、26の一端部は、それぞれ、側辺部15c、15aに連結され、凹形状の凹部24a、26aを有する他端部が、それぞれ、底辺部15cに連結されている。また、図6に示すように、凹部24a、26aは、車体Sから除去された内装部材111等が貫通できるような細かい穴を有するメッシュ状の部材から構成されている。
【0038】
搬送車であるローダ誘導路構成部材24、26は、ホイールローダ25、27の車輪25a、27aの幅寸法より若干大きい幅で、長手方向に延びる凹部24a、26aを有している。凹部24aと凹部26aとの間の距離(図5の横方向長さ寸法)は、ホイールローダ25、27の左右の車輪間の距離に等しく寸法付けられている。従って、解体用回転ユニット1の一端側からホイールローダ25、27の車輪が凹部24a、26aに進入すると、操作者がホイールローダ25、27を操舵することなく、凹部24a、26aに沿って進み、解体用回転ユニット1の他端側に到達する。また、本実施形態では、地面T上にも、ローダ25、27を誘導するための軌道溝172が設けられ、この軌道溝171とローダ誘導路構成部材24、26とは、整合するような位置関係にある。
なお、本実施形態では、軌道溝171を地面Tに設ける構成としたが、本発明は、この構成に限定されることはない。
【0039】
また、図4、5に示すように、支持部15の底辺部15bに設けられている押圧部材31a、31bの板状部材35は、解体用回転装置100に導入される解体される車体Sを載せる載置台としても機能する平坦面を有する。この板状部材35は、底辺部15bに設けられた2つの油圧シリンダから突出する油圧ピストン32a、32bが上下方向に伸縮することにより上下移動し、車体Sの底面103に押圧力を付与若しくは解除する。
【0040】
さらに、車体Sの左右側面105、107に沿って延在する支持部15の側辺部15a、15cは、配置される向きが異なるだけで、同じ構成の押圧手段が設けられている。従って、図6中、左側に位置する支持部15cの押圧部材29a、29bについて説明する。押圧部材29a、29bの上側板状部材37a、下側板状部材37bは、解体用回転装置100に導入される車体Sの左側面105を押圧する、平坦面を有する。
【0041】
本実施形態では、一方の板状部材37aの上下方向長さが、板状部材37bの上下方向長さより大きく寸法付けされているが、この寸法は、適宜変更できることは言うまでもない。側辺部15cに設けられた2つの油圧シリンダから突出する油圧ピストンが図2の左右方向に伸縮することにより板状部材37a、37bが左右方向に移動し、車体Sの左側面105に対して押圧力を付与若しくは解除する。
【0042】
上記の通り、側辺部15cの上側板状部材37aと下側板状部材37bに対して、側辺部15aの上側板状部材39a、下側板状部材39bとが左右対称に配置される。側辺部15aの上側板状部材39a、下側板状部材39bは、側辺部15cの上側板状部材37aと下側板状部材37bと協働することにより、支持部15の左右方向に関し車体Sを固定する。
【0043】
さらに、支持部15の上辺部15dには、その長手方向に離間して同一構成の2つの押圧部材33a、33bが配置されている。押圧部材33a、33bの板状部材41a、41bは、車体Sの天井109に押圧力を付与若しくは解除する構成である。なお、その他の構成は、前述した押圧部材29a、29bと同様であるので説明を割愛する。
【0044】
上述の上辺部15dの板状部材41a、41bと、底辺部15bの板状部材35とは、図2の上下方向に対向配置される。底辺部15bの板状部材35は、上辺部15dの板状部材41a、41bと協働することにより、支持部15に対して上下方向に関し車体Sを固定される。
【0045】
なお、上述した支持部15の側辺部15a、15c、上辺部15dに設けられた押圧部材の板状部材の短手方向(図2の紙面の表裏方向)寸法は同一である。なお、基部17及び支持部15の形状や、押圧部材の数や位置は、車体Sを枠体5に固定できる構成であれば適宜変更できる。
【0046】
また、支持部15の側辺部15a、15c、上辺部15d、底辺部15bのそれぞれに設けられている各押圧部材27a、27b、29a、29b、31a、31b、33a、33bは、それぞれ制御部11により同期して駆動することができる。従って、各押圧部材の伸縮量を、被解体物である車体Sの寸法に合わせて変更したり、各押圧部材を駆動するタイミングは、モータ9を駆動するタイミングと同期させることができる。
【0047】
なお、解体用回転装置100の構成要素ではないが、本実施形態では、車体Sから除去された内装部材111のくずを次の工程に搬送するための手段としてベルトコンベア117を利用している。ベルトコンベア117は、回転ユニット1の長手方向に沿って延在する。
【0048】
次に、解体用回転装置ユニット1を用いて、解体作業を行う工程について説明する。
まず、車体Sを解体用回転装置ユニット1に固定する固定工程が行われる。図4に示すように、車台から外された車体Sの前方部及び後方部が、それぞれホイールローダ25、27に保持され、初期状態で、地面Tの近傍で水平に位置付けられている、解体用回転装置ユニット1の板状部材35に載置される。
【0049】
その後、側辺部15a、15cの押圧部材27a、27b、29a、29bが車体Sの左右側面105、107に当接し、図5の左右方向への車体Sの移動が規制される。また、上辺部15dの押圧部材33a、33bが車体Sの天井109に当接し、図5の上下方向への車体Sの移動が規制され、車体Sは、枠体5に固定される。
【0050】
次に、車体Sの内面の内装部材111を除去する除去工程に移行する。除去工程は、回転工程、剥離工程、及び排出工程を有する。まず、車体Sの右側面107の内装部材111を剥離するために、右側面107が図5の底部103の位置に来るように、枠体5を図5における時計回りに回転させる。右側面107は、地面Tの近傍で水平となり、剥離作業を容易に行える面(ここでは、右側面107)を作業面と称す。
【0051】
車体Sの右側面107の内装部材111を剥離する剥離工程では、従来から知られている振動破砕装置やフロアペッカーといった剥離手段を用いて、右側面107の内面を被覆している内装部材111を剥離する。内装部材111を剥離した後、振動破砕装置及びフロアペッカーは、車体Sの外部へ移動される。
【0052】
なお、振動破砕装置は、内装部材に振動を付与することにより、側面の内面から剥離するものである。また、フロアペッカーは、振動可能な刃を備え、内装部材に接触させた刃を振動させることにより、内装部材を切り刻む装置である。また、上記した剥離手段は、従来から知られている装置であるので、詳細な説明は割愛する。
【0053】
次に、右側面107に対向する左側面105の内装部材111を剥離する剥離工程に移行する。まず、車体Sの右側面105の内面が作業面になっている状態にある枠体9を反時計回りに180°回転させ、左側面105の内面を作業面とする。前述した右側面107の剥離工程と同様に、剥離手段を用いて左側面105の内装部材を剥離する。
【0054】
左側面105の内装部材を剥離した後には、天井109の内装部材の剥離工程を行う。まず、枠体9を反時計回りに90°回転し、天井109の内面が作業面となるように車体Sを配置する。その後、右側面107及び左側面105と同様に、剥離手段を用いて天井109の内装部材を剥離する。
【0055】
そして、右側面107、左側面105、天井109から剥離された内装部材111のくずを排出する排出工程に移行する。左側面105若しくは右側面107が、作業面となるように、天井109が作業面である枠体5を90°時計回り若しくは反時計回りに回転させる。すでに、窓ガラスが取り除かれているので、窓枠113を介して、内装部材のくずが、ベルトコンベア117上に落下し排出工程が終了し、内装部材111を除去する内装部材除去工程(ステップS4)が完了する。
【0056】
くずは、ベルトコンベア117により、くずの比重や材質によって分別する後述する分別工程等の他の処理工程へ搬送される。上記実施形態では、左側面105、右側面107、及び天井109の内面の順に、内装部材を剥離する工程としたが、本発明はこの工程に限定されない。例えば、底部103の内面である床面が内装部材で被覆されている場合には、床面、天井109の内面、左側面105(又は右側面107)、右側面107(又は左側面105)の順に内装部材除去工程を行う構成としても良い。
【0057】
なお、上記した処理工程では、車体Sは、回転装置ユニット1に導入する前に、窓ガラスを取り除く工程(図1のステップS3)を行っていた。しかしながら、除去工程において、内装部材111を剥離するのみでなく、窓ガラスを取り除く作業を含めることも可能である。このように、解体回転装置ユニット1に車体Sを固定させた後に、ガラス除去工程を行うと、ガラス除去に適した姿勢に車体Sを位置付けできるので、作業効率を高めることができる。
【0058】
内装部材除去工程(ステップS4)を終えた車体Sは、プレス・切断手段であるスクラップ剪断装置310により車体Sをプレス及び切断するプレス・切断工程(図1のステップS5)へ移行する。プレス・切断工程では、図7に示されるように、スクラップ剪断装置310は、ギロチン式の直刃剪断装置320と、直刃剪断部320の剪断部321よりも大きい幅寸法(車体Sの幅方向寸法)を有する略直方体形状の空間を形成する、開放型の供給チャンネル330と、供給チャンネル330内に搬入される車体Sを側方(車体Sの幅方向)から押し潰す側方押圧ラム363と、供給チャンネル330内に搬入される車体Sを上方(車体Sの高さ方向)から押し潰す下向き油圧ラム353と、直刃剪断部320の剪断口322内へ車体Sを送り込むフィーダー部340と、を備える。
【0059】
側方押圧ラム363が車体Sに対して近づく方向(図7の矢印X方向)に移動すると、車体Sは、供給チャンネル330を形成する側壁311と、側方押圧ラム363の側方ダイ365との間で車体Sの幅寸法が減少する。他方、下向き押圧ラム353の下向きダイ355が車体Sに対して近づく方向(図7の矢印Y方向)に移動すると、車体Sは、供給チャンネル330を形成する床壁313と、下向き押圧ラム353の下向きダイ355との間で車体Sの高さ寸法が減少する。
【0060】
また、側方押圧ラム363と下向き押圧ラム353とにより、所定寸法に減少された車体Sは、所望の長さの廃材魂Uを得るために、フィーダー部340の送り出し部341により、図7の矢印Z方向に送り出され、剪断口322内に進入する。その後、直刃剪断装置320の剪断部321を車体Sに近づく方向(矢印Y方向)に移動させ、車体Sの圧縮された部分を切断する。その結果、所定寸法の廃材魂Uが得られる。
【0061】
再度、側方押圧ラム363及び下向き押圧ラム353を用いて、車体の幅方向寸法及び高さ方向寸法を減少させた後、送り出し部341により切断される廃材魂が所定寸法になるように所定長さ分だけ剪断口323内に車体Sを進入させる。その後、直刃剪断装置320により圧縮された部分を切断する。このように、上記工程を繰り返すことにより、車体S全体についてのプレス・切断工程(ステップS5)が完了する。
【0062】
プレス・切断工程(ステップS5)の次は、廃材魂Uを破砕する破砕工程(ステップS6)及び、破砕工程により破砕された破砕片を比重又は材質により分別する分別工程(ステップS7)に移行する。廃材塊Uは、搬入装置である据付型クレーン装置410によって、廃材塊を解砕するスクラップ破砕機401に移送される。
【0063】
破砕工程(ステップS6)及び分別工程(ステップS7)は、図9、10に示されるスクラップ破砕機401を用いて行われる。スクラップ破砕装置401は、主として、粗破砕機420、主破砕機430、及び分別機432を備える。なお、本実施形態の破砕工程は、2段階に分け、廃材魂を粗い破砕片に破砕する粗破砕機420と、粗い破砕片をさらに細かく粉砕するための主破砕機430と、を有する。
【0064】
粗破砕機420は、回転数が異なる複数の軸回転刃を回転させることで、廃材魂U(図8参照。)を引き裂き破砕する。粗破砕機420は、その駆動モータに付随した回転数検出センサー及び電流検出センサーにより、投入された廃材魂の大きさやその密度に依存する検出信号に基づく負荷トルクが検出し、検出した負荷トルクに応じて駆動電流を増減させ、廃材魂を自動で破砕する。破砕された粗破砕片は、粗破砕機420から排出され、搬送コンベア425により主破砕機430へ搬送される。
【0065】
主破砕機430は、いわゆるハンマーシュレッダーであり、周面にハンマー状の刃が複数装着された回転ドラム433を回転させながら、粗破砕物を叩き割るように細かく破砕し、破砕片を形成する構成である。主破砕機430は、その駆動モータに付随した回転数検出センサー及び電流検出センサーにより、投入された粗破砕片の大きさやその密度に依存する検出信号に基づく負荷トルクを検出し、検出した負荷トルクに応じて駆動電流を増減させ、粗破砕片を自動で破砕する。
【0066】
このように、粗破砕機420及び主破砕機430により、廃材魂Uから破砕片が得られ、破砕工程(図1のステップS6)が終了する。
【0067】
破砕工程(図1のステップS6)の次の工程は、破砕片を比重や材質により分別する分別工程(図1のステップS7)である。分別工程では、分別機432を用いて破砕片の比重若しくは材質に従って鉄系金属、非鉄系金属、並びにプラスチック主体の破砕片に分別される。分別機432は、比重に基づいて選別する振動フィーダー434、第1のサイクロン装置441、及び第2のサイクロン装置446と、材質に基づいて選別するドラム式磁選機450とを備えている。
【0068】
先ず、主破砕機430によって細かく破砕された破砕物は、振動フィーダー434で比重の重い金属系破砕片と比重の軽いプラスチック主体のプラスチック破砕片とに篩い分けられる。振動フィーダー434の振動によって跳ねた比重の軽い破砕片が、振動フィーダー434の上方に設置された第1の吸引口440から吸引され第1のサイクロン装置441に移送される。
【0069】
比重の軽い破砕片は第1のサイクロン装置441で更に比重の軽い軽量破砕片と重い重量破砕片とに分別される。軽量破砕片は洗浄集塵装置である湿式スクラバー442で塵が除去されて大気へ放出される。第1のサイクロン装置441で分離された重量破砕片はプラスチック破砕片として、ダスト搬送ベルトコンベア443等によって搬送されダスト室444内のダストヤードに集積される。
【0070】
振動フィーダー434上を搬送された金属系破砕片は搬送ベルトコンベア451でドラム式磁選機450に投入される。ドラム式磁選機450は、金属系破砕片が高所から低所に落下する途中で金属系破砕片を磁力によって鉄系金属と非鉄系金属とに分別する。その落下の際には、下方から風を上方へ吹き上げ、ドラム式磁選機450の上方に設置された第2の吸引口445から振動フィーダー434で分別する際に逃れた比重の軽い軽量破砕片が吸引され分別される。
【0071】
第2の吸引口445で吸引された比重の軽い破砕片は第2のサイクロン装置446で更に比重の軽い軽量破砕片と重い重量破砕片とに分別される。軽量破砕片は前述と同様に湿式スクラバー442で塵が除去されて大気へ放出される。第2のサイクロン装置446で分離された重量破砕片はプラスチック破砕片として、前述と同様にダスト搬送ベルトコンベア443等によって搬送されダスト室444内のダストヤードに集積される。
【0072】
更に、ドラム式磁選機450を逃れた金属系破砕片はドラム式磁選機450の下方に設置された振動コンベア452で振動されながら搬送される。その搬送の途中に設置された吊下型磁選機453によって鉄系金属の破砕片が取り除かれる。取り除かれた鉄系金属の破砕片はドラム式磁選機450で選別された鉄系金属の破砕片と合わさり、鉄輸送旋回ベルトコンベア454で製品鉄ヤード455に集積される。
【0073】
2つの磁選機450,453によって磁気吸引されなかった非鉄系金属の破砕片は、非鉄系金属搬送ベルトコンベア456で搬送されながら粒度選別機であるトロンメル460で3種類の粒径に選別される。即ち、磁選機450,453で回収されなかった鉄以外のものは、回転ドラム状になっているトロンメル460で、ガラス・陶器などの不燃物が多く存在する粒径とアルミニウムが多く存在する粒径と可燃物が多く存在する粒径との3種類に選別される。このトロンメル460は2種類の大きさの穴をもつ円筒状の「ふるい」を有する。トロンメル460は、主破砕機430で処理したあとの非鉄系金属の破砕片の内、ガラスや陶器は、かなり細かく砕かれ、木材など可燃物はおおまかな大きさになり、アルミニウムはその中間ぐらいの細かさになることを利用して分別する。
【0074】
非鉄系金属の破砕片は、「ふるい」にかけられ、ドラムの入り口近くの領域に設けられた小さい穴により、ガラス・陶器を多く含んだ破砕片が選別される。小さい穴が設けられた領域の次には大きい穴が設けられた領域があり、小さい穴を通らずに、大きい穴を通ったものは、アルミニウムを多く含んだ破砕片として選別される。大きい穴を通らなかったものは、ドラムの最後部からそのまま落下し、可燃物を多く含んだ破砕片として選別される。
【0075】
トロンメル460で3種類の粒径に選別された破砕片中のアルミニウムを、高速で回転する磁石の力によって鉄系破砕片と、アルミニウム系破砕片と、非金属物とに選別する。即ち、各粒径に適合した3つのアルミ選別機465、466、467の各々において、高速で回転する磁石に破砕片を近づけることにより、磁石に反発するアルミニウム片と、磁石が吸引する鉄系破砕片と、磁石に反発も吸引もしない非金属片とに選別する。
【0076】
上述の通り、破砕片は、材質及び比重により分別され、分別工程(ステップS7)が完了する。上記ステップS1からステップS7を経ることにより、車両の車体の如く長尺状の被解体物の解体作業を行うことができる。
【0077】
次に、ステップS2で車両から分離された車台157を解体する解体工程について図11を参照しつつ説明する。まず、車台157は、車台切断工程(ステップS9)において切断される。車台157は、前後に1つずつの車軸177、179を支持する側梁180と、一対の側梁180間を連結する不図示の横梁と、から構成されている。車台157の中央部には、車体Sを受ける空気ばね163が設けられている。車台切断工程(ステップS10)では、カッター291を備える鉄骨カッター作業機290やバーナー等を用いて側梁180の、空気ばね163と前後の車軸177、159との間の部分が切断される。
【0078】
車台157を切断することにより形成される廃材魂は、破砕工程(ステップS6)で処理される。すなわち、車体Sから形成された廃材魂と同様に、車台157の廃材塊は、より小さい寸法の破砕片に破砕させる。ここで、本実施形態における車台の破砕工程では車体Sの破砕工程と同一の装置を用いる構成としたが、車台157から形成される廃材魂を破砕するための専用の破砕装置を用いても良い。
【0079】
車台157から形成された廃材魂の破砕片は、車体Sから形成される破砕片と同様に、材質や比重に基づき分別される。
また、剥離・排出工程(ステップS4)において排出された内装部材は、ベルトコンベア等で分別工程(ステップS8)に移送される。分別工程では、内装部材の大きさに従って分別される。大きい寸法の内装部材は、プラスチックとして再利用するため、例えばダスト室444内のダストヤードに集積される。また、小さい寸法の内装部材は、燃料として利用するために、別のダストヤードに集積される。
【0080】
本実施形態の被解体物は、客車、電車、ディーゼル動車等の旅客車であるが、本発明の被解体物は、これらに限定されず、バスやタンクといった種々の長尺状の部材に適用できる。また、本実施形態の解体方法の全工程(ステップS1〜S9)は、同一の施設内において処理する構成としたが、本発明は、この構成に限定されない。例えば、破砕工程(ステップS6)及び分別工程(ステップS7)用の施設と、その他の工程の施設とを、別の場所に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 解体用回転ユニット
3 筐体
5 枠体
7 固定部材
9 モータ
10 駆動プーリ
11 制御部
12 無端ベルト
15 支持部
17 基部
21 駆動ギア
23 固定部
24、26 ローダ誘導路構成部材
24a、26a 凹部
27a、27b、29a、29b、
31a、31b、33a、33b 押圧部材
35 板状部材
100 解体用回転装置
103 底部
105 左側面
107 右側面
109 天井
111 内装部材
117 ベルトコンベア
151 車両
153 線路
155 車輪
157 車台
S 車体
159 フックブロック
161 フック
163 懸架部材
165 カッター
167 作業機
169 コード類
171 側梁
172 軌道溝
173 空気ばね
177、179 車軸
210 ガラス破砕作業機
211 ブーム
212 架台ステージ
213 操業キャビン
217 回収バケット
222 ブーム
224 連結ブーム
227 無限軌道部
229 ガラス破砕用冶具
290 鉄骨カッター作業機
291 カッター
310 スクラップ剪断装置
311 側壁
313 床壁
320 直刃剪断装置
321 剪断部
322 剪断口
330 供給チャンネル
340 フィーダー部
341 送り出し部
353 下向き油圧ラム
355 下向きダイ
363 側方押圧ラム
401 スクラップ破砕・分別装置
410 据付型クレーン装置
420 粗破砕機
430 主破砕機
432 分別機
433 回転ドラム
434 振動フィーダー
440 第1の吸引口
441 第1のサイクロン装置
442 湿式スクラバー
443 ダスト搬送ベルトコンベア
444 ダスト室
445 第2の吸引口
446 第2のサイクロン装置
451 ドラム式磁選機
452 振動コンベア
453 吊下型磁選機
454 鉄輸送旋回ベルトコンベア
455 製品鉄ヤード
456 非鉄系金属搬送ベルトコンベア
460 トロンメル
465、466、467 アルミ選別機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着部材が装着された長尺状の被解体物を解体する解体方法であって、
前記被解体物の装着部材が装着された内面が作業面となるように、前記被解体物をその長手方向軸心回りに回転し、前記作業面にある前記被解体物の装着部材を剥離及び排出し(S4)、
前記装着部材が剥離された被解体物をプレス及び切断し(S5)、所定寸法の廃材塊を形成することを特徴とする解体方法。
【請求項2】
排出された内装部材を、その寸法に従って分別する(S8)ことを特徴とする請求項1に記載の解体方法。
【請求項3】
前記所定寸法の廃材塊(U)を破砕し、破砕片を形成する(S6)ことを特徴とする請求項1又は2に記載の解体方法。
【請求項4】
前記破砕片を、その材質に従って分別する(S7)ことを特徴とする請求項3に記載の解体方法。
【請求項5】
内装部材が被覆され窓ガラスを有する車体と、前記車台が固定される車台と、を備える旅客車を解体する解体方法であって、
前記車台と前記車体とを分離し(S2)、
前記車体から窓ガラスを取り除き(S3)、
前記車体の装着部材が被覆された内面が作業面となるように、前記車体をその長手方向軸心回りに回転し、前記作業面にある前記車体の内装部材を剥離及び排出し(S4)、
前記内装部材が剥離された車体をプレス及び切断し(S5)、所定寸法の廃材塊を形成することを特徴とする旅客車解体方法。
【請求項6】
前記内装部材を有する内面は、前記車体の天井面、床面、一方の側面、及び他方の側面であり、前記天井面、前記床面、一方の側面、及び他方の側面の順に、内装部材が剥離されることを特徴とする請求項5に記載の旅客車解体方法。
【請求項7】
排出された内装部材を、その寸法に従って分別する(S8)ことを特徴とする請求項5又は6に記載の旅客車解体方法。
【請求項8】
前記分離された車台を切断し(S8)、切断された廃材を破砕し(S9)、破砕片を形成することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の旅客車解体方法。
【請求項9】
前記所定寸法の廃材塊を破砕し、破砕片を形成する(S6)ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の旅客車解体方法。
【請求項10】
破砕片を、その材質に従って分別する(S7)ことを特徴とする請求項9に記載の旅客車解体方法。
【請求項11】
長尺状の被解体物を解体する解体システムであって、
前記被解体物の車台に車体を固定する固定部材を取り外すための分解手段と、
前記被解体物の車台から車体を分離するための分離手段と、
前記車台と車体との間に延びるコード部材を切断するための切断手段と、
前記車体の窓枠から窓ガラスを取り除くための破砕手段と、
前記車体の内装部材が被覆された内面が作業面となるように、前記車体をその長手方向軸心回りに回転するための解体用回転ユニットと、
前記作業面にある前記車体の内装部材を剥離する剥離手段と、
前記内装部材が剥離された車体を、所定寸法の廃材塊にするためのプレス・切断手段と、を備えることを特徴とするとする解体システム。
【請求項12】
前記長尺状の被解体物は、前記内装部材が被覆され窓ガラスを有する車体と、前記車体が固定される車台と、を備える旅客車であることを特徴とする請求項11に記載の解体システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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