説明

解放を制御する、エネルギー保存バネ

【課題】バネによるエネルギー保存機構を備える外科用器具を提供すること。
【解決手段】細長管状部材がハンドルから遠位に延びるハンドル、および細長管状部材の遠位端に取り付けられる1つ以上のエンドエフェクタを備える外科用器具が提供される。ドライバが、エンドエフェクタを作動させるために、ハンドルおよび細長管状部材の中に移動可能に取り付けられる。外科用器具は、ドライバを移動させるためのエネルギーを保存および提供するためのエネルギー保存機構を備え、それによって外科用器具を作動させる。種々の作動機構が開示され、これは、エネルギー保存機構に保存されるエネルギーの解放の速度を制御するためにエネルギー保存機構で作動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2003年3月26日に出願された米国仮出願番号60/458,086の優先権を主張し、この全体の開示は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
特定のデバイス(例えば、外科用器具)において、この器具の発射を容易にするために器具内にエネルギーを保存することが望ましい。1つのこのようなデバイスは、米国特許第4,611,595号に開示されるクリップアプライヤである。このクリップアプライヤは、ラッチ機構によって保持されるバネにエネルギーを保存する。ハンドルの動きは、掛け金をはずし、クリップアプライヤを作動させるための保存されたエネルギーを素早く制御しないで解放する。しかし、いくつかの器具において、器具の作動の速度を制御するために、保存されたエネルギーの制御された解放を可能にする構造を有することが望ましい。
【0003】
さらに、多くの外科器具(例えば、厚い組織において使用される60mmのステープラー)は、人の手の単純な押しつけによって快適に発生され得るよりも多くのエネルギーを必要とする。現在、外科医は、発射するために両手を使用し得るか、または発射するために複数回のより少ない労力での押しつけを必要とする器具を使用し得る。従って、バネに位置エネルギーを保存するために、少なくとも1回、おそらく数回、ポンプすることによって予めエネルギーを与えられ得る外科器具を有することも望む。このエネルギーを与えることは、外科手術看護士または他の補助者によってなされ得る。複数回の発射からの疲労が外科医に望ましくなくあり得る長い手順の間、特に重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
外科用器具であって、以下:
ハンドルであって、該ハンドルから遠位に延びる細長管状部材を有する、ハンドル;
エンドエフェクタであって、該細長管状部材の遠位端に提供される、エンドエフェクタ;
ドライバであって、該エンドエフェクタを作動させるために、該細長管状部材に対する動きのために取り付けられる、ドライバ;
該駆動ロッドを動かすためにエネルギーを保存および提供するための、エネルギー保存機構;および
作動機構であって、該エネルギー保存機構において作動可能であり、該エネルギー保存機構に保存されるエネルギーの解放速度を制御する、作動機構、
を備える、外科用器具。
(項目2)
項目1に記載の外科用器具であって、前記エネルギー保存機構が、バネおよび該バネで作動可能であるピストンを備える、外科用器具。
(項目3)
項目2に記載の外科用器具であって、前記エネルギー保存機構が、前記ピストンにつけられ、そして前記ドライバと係合可能であるピストンロッドを備える、外科用器具。
(項目4)
項目3に記載の外科用器具であって、前記エネルギー保存機構が、ギア構造を、前記ドライバ上の該ギア構造と作動可能な前記ピストンロッド上に備えて、該ピストンロッドの動きに応答して該ドライバを動かす、外科用器具。
(項目5)
項目3に記載の外科用器具であって、エネルギー付与ハンドルの動きが前記バネを圧縮するように、前記エネルギー保存機構が、前記ハンドルに取り付けられかつ前記ピストンロッドに接続されたエネルギー付与ハンドルを備える、外科用器具。
(項目6)
項目1に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記エネルギー保存機構に保存されるエネルギーを含みそして解放するための流体を備える、外科用器具。
(項目7)
項目6に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記流体の流れを制御するための弁を備える、外科用器具。
(項目8)
項目7に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、バイパス弁を備え、該バイパス弁が、該弁が閉じたとき、該流体の移動を可能にするためである、外科用器具。
(項目9)
項目1に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、ブレーキシステムを備え、該ブレーキシステムが、前記エネルギー保存機構に保存されるエネルギーを制限および解放するために、該エネルギー保存機構において作動可能である、外科用器具。
(項目10)
項目1に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記エネルギー保存機構上で作動可能な弾み車を備える、外科用器具。
(項目11)
項目1に記載の外科用器具であって、前記エネルギー保存機構が、エネルギーを保存するための電動化機構を備える、外科用器具。
(項目12)
項目2に記載の外科用器具であって、前記エネルギー保存機構が、圧縮し、前記バネにエネルギーを保存するために該バネとともに作動可能である電動化機構を備える、外科用器具。
(項目13)
外科用器具であって、以下:
ハンドルであって、細長管状部材が該ハンドルから遠位に延びる、ハンドル;
エンドエフェクタであって、該細長管状部材の遠位端に提供される、エンドエフェクタ;
ドライバであって、該エンドエフェクタを作動させるために、該細長管状部材に対する動きのために取り付けられる、ドライバ;
該ハンドルに取り付けられる、圧縮可能バネ;
ピストンであって、該ピストンに付けられたピストンロッドを有し、該ピストンが、該ピストンロッドの動きに応答して該バネと係合可能である、ピストン;
該ピストンロッドの第1端部上のギア機構であって、該ギア機構が、該ハンドルに対して該ドライバを移動させるために該ドライバと係合可能である、ギア機構;
作動機構であって、該バネを制限し、該エネルギー保存機構に保存されるエネルギーの解放の速度を制御するために、該エネルギー保存機構で作動可能である、作動機構、
を備える、外科用器具。
(項目14)
項目13に記載の外科用器具であって、前記ピストンおよびバネが、前記ハンドルにおいて旋回する流体密シリンダに取り付けられる、外科用器具。
(項目15)
項目14に記載の外科用器具であって、流体が前記シリンダ内に提供され、そして前記作動機構の作動に応答して、前記ピストンの1つの側からシリンダ内のピストンの他の側に移動可能である、外科用器具。
(項目16)
項目13に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記ギア機構で作動可能であるブレーキを備える、外科用器具。
(項目17)
エンドエフェクタを駆動するための外科用器具であって、以下:
ハンドルであって、該ハンドルの遠位端から延びる細長管状部材を有する、ハンドル;
ドライバであって、該細長管状部材内で移動可能であり、エンドエフェクタで作動可能である、ドライバ;
エネルギー保存機構であって、該ハンドル内に少なくとも部分的に配置され、そして該細長管状部材内で該ドライバを移動させるために該ドライバで作動可能である、エネルギー保存機構;
作動機構であって、該エネルギー保存機構において保存されるエネルギーの解放の速度を制御するために、該エネルギー保存機構において作動可能な、作動機構、
を備える、外科用器具。
(項目18)
項目17に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記保存機構内に含まれるエネルギーを制限する、外科用器具。
(項目19)
項目17に記載の外科用器具であって、前記ハンドルが、ピストル握り形状を有する、外科用器具。
(項目20)
項目19に記載の外科用器具であって、前記作動機構が、前記エネルギー保存機構からのエネルギーの解放の速度を制限するための減衰機構を有する、外科用器具。
【0005】
種々のエンドエフェクタを作動させる際に使用するための外科用器具が提供される。外科用器具は、一般的に、ハンドルから遠位に延びる細長管状部材を有するハンドルを備える。種々のエンドエフェクタが、細長管状部材の遠位端に提供され得、細長部材に対する動きのための取り付けられるドライバ(例えば、駆動ロッド)によって作動され得る。外科用器具はまた、駆動ロッドを動かし、従ってエンドエフェクタを作動させるためにエネルギーを保存および提供するためのエネルギー保存機構を備える。作動機構の種々の実施形態が開示され、これは、エネルギー保存機構に保存されるエネルギーの抑制、およびエネルギーの解放の速度の制御のためのエネルギー保存機構で作動可能である。
【0006】
エネルギー保存機構は、一般的に、バネ付勢されたピストンが中に配置されたシリンダを備える。ピストンロッドがピストンに取り付けられ、シリンダを通って延び、駆動ロッドと関連するギア構造と係合する。シリンダ内のバネおよびピストンを押すために、ピストンロッドの第2の端部にハンドルが提供される。バネに保存されるエネルギーの解放によって、ピストンロッドが、ギア構造を作動する方向に移動させて、駆動ロッドを駆動し、従ってエンドエフェクタを作動させる。
【0007】
第1の実施形態において、ピストンの動きを抑制し、そして減衰(dampen)させるために、流体システムがシリンダおよびピストンと関連する。ピストンの1つの側からシリンダ内のピストンの他の側に流体を移動するために移動システムが提供される。移動システムは、さらに、外科医が、バネおよびピストンを押し、従ってシリンダ内に流体を移動することを可能にするバイパス機構を備え得る。
【0008】
代替の実施形態の作動システムは、ピストンロッドを駆動ロッドに接続するギア構造で作動可能であるブレーキ機構を利用する。引き金の押し下げは、ギア構造上のブレーキの圧力を解放し、器具が発射されることを可能にする。
【0009】
同様に、さらなる実施形態は、エネルギー保存機構に保存されるエネルギーの解放の速度を制御するために、類似のブレーキ機構を利用する。この実施形態は、機械的利点およびバネが特に高い強度である状況のギア機構により高い圧力を提供するために特に有用な連結を利用する。
【0010】
ギア機構がピストンロッドによって駆動されるとき、ギア機構に対して減衰効果を提供するための弾み車を利用する外科器具のさらなる実施形態もまた開示される。1つの実施形態において、遊び車が弾み車に取り付けられ、そしてカム表面が、弾み車を摩擦係合し、従ってバネに保存されるエネルギーの解放の速度を制御するために、引き金に提供される。代替の実施形態において、複数のギア構造が弾み車と関連し、本明細書中に提供されるより大きな機械的利点を提供する。
【0011】
種々の実施形態が、図面を参照して本明細書中に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、液圧減衰構造を使用する、アクチュエーターハンドルにおける、エネルギー保存システムの概略図である。
【図2】図2は、ブレーキ減衰システムを使用する、ハンドル機構における、エネルギー保存システムの概略図である。
【図3】図3は、ブレーキ減衰システムの第2の実施形態を使用する、ハンドル機構における、エネルギー保存システムの概略図である。
【図4】図4は、弾み車減衰システムを使用する、ハンドル機構における、エネルギー保存システムの概略図である。
【図5】図5は、複数ギア減衰システムを使用する、ハンドル機構における、エネルギー保存システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
ハンドルアセンブリの種々の実施形態が開示され、ここで、エネルギーが、1つ以上の手動入力作動からバネに保存され、種々の作動構造によって制限される。外科医が引き金を作動する場合、バネが制御可能な速度で抑制が外され、それによってバネに保存されるエネルギーが、作業機構内に送達され得、所望の機能を実行し得る。
【0014】
一般的に、減衰手段がシステム内に組み込まれ、なめらかなゆっくりした作動にエネルギーの解放速度を制御する。減衰は、液圧手段、気体手段、機械的手段または他の適切な手段であり得る。所望である場合、解放は、弁、ブレーキ、弾み車または他の適切な制御手段の使用によって外科医によって制御可能にされ得、解放作動をより速く、より遅く、または停止させることを可能にする。
【0015】
図1を参照して、種々のエンドエフェクタ12を作動させるための器具10が開示される。器具10は、一般的に、ハンドル本体14、ハンドル本体14から遠位に延びる細長管状部材16、およびエンドエフェクタ12を作動させるために中で長手方向で移動可能であるドライバ(例えば、駆動ロッド)を備える。細長管状部材16は、ハンドル本体14に固定されて示されるが、代替として、細長管状部材16は、ハンドル本体14に関して回転するように取り付けられ得る。
【0016】
エネルギー保存システム20は、エネルギーを保存し、そして解放の際に、駆動ロッド18にそのエネルギーを提供するために提供される。エネルギー保存システム20は、一般的に、圧縮可能バネ24(例えば、ダイ(die)バネ)を中に取り付けたシリンダ22を備える。バネ24は、シリンダ22の底キャップ26とシリンダ22に滑動可能に取り付けられたピストン28との間に位置付けられる。ピストンロッド30は、シリンダ22を通って延び、ピストン28に付けられる。エネルギー付与ハンドル32は、旋回点Aにおいて、ハンドル本体14上のブラケット34へと取り付けられる。ピストンロッド30の下端36は、旋回点Bにおいてエネルギー付与ハンドル32に旋回可能に取り付けられ、エネルギー付与ハンドル32のスロットEに載る。ピストンロッド30の上端38は、L字型ラック歯42を有するL字型ラック40に接続される。大ギアホイール44および小ギアホイール46互い付けられ、ハンドル本体14に回転可能に取り付けられる。小ギアホイール46上の歯48は、L字型ラック40上のL字型歯42に係合し、一方、大ギアホイール44上の歯50は、駆動ロッド18上の駆動歯52に係合する。ギア比の構成は、ピストンロッド30の距離移動d1が、駆動ロッドの距離移動d2を生じるような構成である。1つの有用な実施形態において、移動d1=1インチは、距離移動d2=約2.6インチを生じる。
【0017】
旋回点Aの周りで、矢印Fの方向に、エネルギー付与ハンドル32を回転させることによって、ピストンロッド30は、ピストン28と底キャップ26との間で圧縮バネ24を下に引く。ピストンロッド30を下に引くことは、L字型ラック40を下に引き、小ギアホイール46との係合によって、L字型ラック歯42が、大ギアホイール44および小ギアホイール46を時計回りに回転させる。大ギアホイール44が時計方向に回転する場合、歯50は、駆動歯52との係合によって駆動ロッド18を近位に引く。この動きは、駆動ロッドを近位位置に引く。
【0018】
上記のように、作動機構の種々の実施形態は、圧縮バネ24を制限し、中に保存されるエネルギーの制御された解放を可能にするために提供される。図1を続いて参照して、液圧システム54を有する作動機構の第1の実施形態は、バネ24の解放を制御し、器具エンドエフェクタ12の作動に対するより大きな制御を提供するために提供される。シリンダ22は、上キャップ56および底キャップ26によって密閉され、圧縮不可能液圧流体58をピストン28のいずれかの側に備える。1つの実施形態において、ピストン28は、流体58をピストン28のいずれかの側で隔離し、シリンダ22内でのピストン28の滑らかな動きを可能にするためにOリング60を備える。
【0019】
移動システム62は、上キャップ56および底キャップ26の上側ポート64と下側ポート66との間に提供され、ダイバネ24が押される場合に、液圧流体58をピストン28の1つの側からシリンダ22内の他の側に液圧流体58を移動させる。移動システム62は、上側ポート64および下側ポート66と流体連絡する上側チューブ68および下側チューブ70を備える。シリンダ22内のピストン28の移動は、上側チューブ68および下側チューブ70を介して、ピストン28の1つの側から他の側に液圧流体58を押しやる。
【0020】
作動システムはまた、弁72を作動させるために、上側チューブ68および下側チューブ70、および弁引き金74の間でそれぞれ位置付けられる弁72を備える。弁引き金74の押し下げは、弁72を連続的に開き、液圧流体58の流れを可能にする。弁引き金74が押し下げられない場合、弁72は、閉じ、流体58は中を通って流れ得ない。
【0021】
バネ24の押し下げの間、流体58をピストン28の1つの側から他の側に移動することを可能にするために、弁72および上側チューブ68および下側チューブ70の間にそれぞれ配置される、一方向逆止め弁78を有するバイパスシステム76が提供される。一方向逆止め弁78は、ラッチまたは制限機構として作動し、これは、バネ24の押し下げの間、下側チューブ70から上側チューブ68の方向に流体58の流れを可能にするだけである。
【0022】
作動において、エネルギー付与ハンドル32は、バネ24を圧縮し、本明細書中において上記されるように駆動ロッド18を近位に引くように作動する。弁72は、閉じ、逆止め弁78によって、流体が、下側チューブ70から上側チューブ68に流れ得る。一旦、バネ24が完全に押し下げられると、シリンダ22の上側チャンバ80内の流体58の圧力は、圧縮してバネ24を維持する。流体58は、バイパスシステム76を通って逆に流れ得ず、弁72が閉じる。バネ24の圧力を制御可能に解放し、従って、器具を作動させるために、弁引き金74は、上側チューブ68から下側チューブ70へと流体58が流れるように押し下げられ、流体が下側チャンバ82へと移動するときに、上側チャンバ80における流体圧力を小さくする。バネ24の解放において、ピストンロッド30は、反時計回りに、大ギアホイール44および小ギアホイール46を回転させ、駆動ロッド18を遠位に推進して、エンドエフェクタ12を作動させる。圧力の解放、従って器具の作動は、操作者によって正確に制御され得る。弁引き金74を操作することによって、作動は、弁引き金74の繰り返しの小さな押し下げによって、即時かつ迅速、ゆっくりかつ連続的、または断続的であり得る。
【0023】
液圧システム54のさらなる機能は、シリンダ22内でのピストン28の移動を減衰させて、バネ24の圧力の滑らかで制御された解放、従って、器具の非常に滑らかな作動を提供することである。
【0024】
図2をここで参照して、エネルギー保存システムを有する外科器具の第2の実施形態が開示される。第2の実施形態は、バネ圧力を制御可能に解放するために、ブレーキシステムを組み込む。本明細書中に開示される実施形態の共通の要素は、第1の実施形態と実質的に類似することが注意されるべきである。器具110は、関連するエンドエフェクタ112に作動を提供するように設計される。
【0025】
器具110は、一般的に、細長管状部材116が遠位に延びるハンドル本体114を備える。駆動ロッド118は、ハンドル本体114および細長管状部材116に移動可能に取り付けられ、エネルギー保存システム20に関して上記の様式でエネルギー保存システム120によってパワーを与えられる。エネルギー保存システム120は、底キャップ126とピストン128との間に配置されるバネ124(例えば、ダイバネ)を有するシリンダ122を備える。ピストンロッド130は、ピストン128に付けられる。エネルギー付与ハンドル132は、ブラケット134においてハンドル本体114に旋回点Aにおいて旋回可能に取り付けられる。ピストンロッド130の下端136は、ハンドル132にエネルギー付与するために付けられ、点Bにおいて旋回し、エネルギー付与ハンドル132のスロットEに載る。エネルギー保存システム120はまた、L字型ラック歯142を有するL字型ラック140に取り付けられる上側ピストンロッド端部138を備える。ギア歯150およびギア歯148をそれぞれ有する大ギアホイール144および小ギアホイール146は、バネ124に保存されるエネルギーの解放に応答して、駆動ロッド118にパワーを与えるために上記の様式で、駆動ロッド118に駆動歯152と一緒に機能する。
【0026】
図2の実施形態において、空気充填(air fills)シリンダ122、ならびにピストンロッド130の周りにシリンダ122に形成される上側クリアランス154および下側クリアランス156によって、空気が、シリンダ122内におよびシリンダ122から自由に流れ得る。圧縮状態のバネ124を制限し、そしてバネ124の圧力の制御放出、従って器具の作動を可能にするために、大ギアホイール144において摩擦作動するブレーキシステム158を提供する。ブレーキシステム158は、大ギアホイール144に摩擦係合するブレーキシュー160を備える。付勢バネ162は、大ギアホイール144の回転を妨げ、そして圧縮バネ124の解放を妨げるのに十分な力で、大ギアホイール144との係合へとブレーキシュー160を付勢するために提供される。
【0027】
引き金164は、旋回点Cにおいてハウジングに旋回可能に取り付けられ、移動バー166によってブレーキシュー160に接続される。引き金164の押し下げは、大ギアホイール144との係合から、付勢バネ162の付勢に対して連続的にブレーキシュー160を移動する。これは、圧縮バネ124においてバネ圧力の制御放出を可能にし、従って、器具の制御可能な作動を可能にする。
【0028】
図3をここで参照して、ダイバネの制御解放および器具の作動のための別の型のブレーキアセンブリを有する外科器具の代替の実施形態が開示される。器具210は、一般的に、細長管状部材216が遠位に延びるハンドル本体214を備える。駆動ロッド218は、ハンドル本体214および細長管状部材216に移動可能に取り付けられ、エネルギー保存システム20に関して上記される様式で、エネルギー保存システム220によってパワーを与えられる。エネルギー保存システム220は、底キャップ226とピストン228との間に位置付けられるバネ224(例えば、ダイバネ)を有するシリンダ222を備える。ピストンロッド230は、ピストン228に付けられる。エネルギー付与ハンドル232は、ブラケット234においてハンドル本体214に、点Aの周りで旋回可能に取り付けられる。ピストンロッド230の下端236は、ハンドル232にエネルギーを付与するために取り付けられ、点Bで旋回し、そしてエネルギー付与ハンドル232のスロットEに載る。エネルギー保存システム220はまた、L字型ラック歯242を有するL字型ラック240に取り付けられる上側ピストンロッド端部238を備える。ギア歯250およびギア歯248それぞれを有する大ギアホイール244および小ギアホイール246は、上記の様式で、駆動ロッド218に駆動歯252と一緒に機能して、バネ224に保存されるエネルギーの解放に応答して、駆動ロッド218にパワーを与える。
【0029】
上記のように、作動システムは、バネ224の解放の速度を制御するために提供される。作動アセンブリまたはブレーキアセンブリ254は、図2のアセンブリと同様に提供される。ブレーキアセンブリ254は、動きを制御するために、大ギアホイール244と旋回可能に係合するように提供されるブレーキ256を備える。引き金258は、固定されたほぼ中心の点において、ハンドル本体214に旋回可能に取り付けられる。引き金258は、さらなるてこ装置(leverage)を提供し、器具を作動させるために必要とされる引き金258で圧力を減少させるように比較的長い。引き金258の第1の端部260は、ハンドル本体214から延び、第2の端部262は、連結264によってブレーキ256に接続される。ハンドル本体214に提供される付勢バネ266は、大ギアホイール244と係合にブレーキ256を付勢するために第2の端部262に作動する。
【0030】
図2の実施形態の様式と類似の様式で、引き金258の押し下げは、大ギアホイール244からブレーキ256を持ち上げ、バネ244に保存されるエネルギーを制御可能に解放し、そして器具を作動する。
【0031】
図4をここで参照して、バネに保存されるエネルギーの制御解放、従って器具の作動のための弾み車機構を有する作動システムが開示される。器具310は、先の実施形態と同様に、関連する機器310に作動を提供するように設計される。器具310は、一般的に、細長管状部材316が遠位に延びるハンドル本体314を備える。本明細書中に開示される全ての実施形態において、細長管状部材が、ハンドル本体314での回転のために取り付けられ得る。駆動ロッド318は、ハンドル本体314および細長管状部材316に移動可能に取り付けられ、そしてエネルギー保存システム320によってパワーを与えられる。エネルギー保存システム320は、底キャップ326とピストン328との間に配置されるバネ324(例えば、ダイバネ)を有するシリンダ322を備える。ピストンロッド330は、ピストン328に付けられる。エネルギー付与ハンドル332は、ブラケット334においてハンドル本体314に、点Aの周りで旋回可能に取り付けられる。ピストンロッド330の下端336は、エネルギー付与ハンドル332に旋回可能に取り付けられ、示されるように、点Bにおいて旋回し、エネルギー付与ハンドル232のスロットEに載る。エネルギー保存システム320はまた、L字型ラック歯342を有するL字型ラック340に取り付けられた上側ピストンロッド端部328を備える。ギア歯350およびギア歯348それぞれを有する大ギアホイール344および小ギアホイール346は、上記の事項において、駆動ロッド318において駆動歯352と一緒に機能する。バネ324に保存されるエネルギーの解放に応答して、駆動ロッド318にパワーを与える。
【0032】
代替の作動システムは、器具310の作動を滑らかにするために、弾み車構造の実行によってバネ324の解放を制御するように提供される。比較的大きな直径の弾み車354は、ハウジング内に回転可能に取り付けられ、小直径の遊び車ギアホイール356によって、大ギアホイール344に接続される。引き金338は、ハンドル本体314に旋回可能に取り付けられ、弾み車354と係合可能なカム表面360を備える。引き金バネ362は、引き金338を付勢し、その結果、引き金338のカム表面360は、圧縮バネ324を制限するために弾み車354をかたく係合する。弾み車354および遊び車ギアホイール356の直径の差異は、器具を作動するために必要とされる引き金338の圧力を下げる機械的利点を提供する。
【0033】
引き金バネ362の付勢に対する引き金338の作動は、弾み車354との摩擦係合からカム表面360を持ってくる。これは、バネ324に保存されるエネルギーの制御解放および外科器具310の制御作動を可能にする。重要なことに、弾み車354に存在する慣性は、開始回転、従って器具310の作動を遅延させるのに役立つ。バネ圧力の解放のこの遅延加速は、駆動ロッド318のより滑らかかつ遅い作動を可能にする。
【0034】
ここで図5を参照して、器具410は、先の実施形態と同様に、関連する器具410に作動を提供するために設計される。器具410は、一般的に、細長管状部材416が遠位に延びるハンドル本体414を備える。本明細書中に開示される全ての実施形態において、細長管状部材は、ハンドル本体414での回転のために取り付けられ得ることが注意されるべきである。駆動ロッド418は、ハンドル本体414および細長管状部材416に移動可能に取り付けられ、そしてエネルギー保存システム420によってパワーを与えられる。エネルギー保存システム420は、底キャップ426とピストン428との間に配置されるバネ(例えば、ダイバネ)を有するシリンダ422を備える。ピストンロッド430は、ピストンロッド428に付けられる。エネルギー付与ハンドル432は、ブラケット434において、ハンドル本体414に旋回点Aの周りで旋回可能に取り付けられる。ピストンロッド430の下端436は、ハンドル432にエネルギー付与するために付けられ、点Bにおいて旋回し、示されるようにエネルギー付与ハンドル432のスロットEに載る。エネルギー保存システム420はまた、L字型ラック歯442を有するL字型ラック440に取り付けられる上側ピストンロッド端部428を備える。ギア歯450およびギア歯448をそれぞれ有する大ギアホイール444および小ギアホイール446は、バネ424に保存されるエネルギーの解放に応答して、駆動ロッド418にパワーを与えるために上記の様式で、駆動ロッド418に駆動歯452と一緒に機能する。
【0035】
代替の作動システムは、器具410の作動を滑らかにするために、複数ギア弾み車構造の実行によってバネ424の解放を制御するように提供される。
【0036】
代替のギアホイール454は、遊び車ギアホイール歯458が、大ギアホイール歯450と係合するように、遊び車ギアホイール456に付けられる。駆動ギアホイール462が付けられた弾み車460は、ハンドル本体414に回転可能に取り付けられる。駆動ギアホイール462の駆動ギア歯464は、弾み車460を回転させるために、中間ギアホイール454の中間ギアホイール歯466と係合可能である。引き金468は、ハンドル本体414に旋回可能に取り付けられ、弾み車460と係合可能なカム表面470を備える上記の実施形態に類似のブレーキ機構を備える。カム表面470および弾み車460の接触表面は、それらの間で滑らかかつ連続的なブレーキ作用を提供するために比較的滑らかである。引き金バネ472は、弾み車460との係合へと引き金468を付勢する。
【0037】
作動は、器具410が、バネ424を圧縮するためにエネルギー付与ハンドル432を回転することによってエネルギーを付与される点で先に開示される実施形態と類似する。弾み車460に対して引き金468においてカム表面470の摩擦係合は、エネルギーの解放を妨げる。一旦、器具410が作動されると、引き金468は、押し下げられ、弾み車460とカム表面470との係合を減らす。圧力アーム引き金468の程度を変更することによって、カム表面470と弾み車460との間の接触の量は、変化し得、それによって、器具410の発射の速度を変更する。さらに、特定の機械的利点は、複数ギア機構の使用によって得られる。複数ギア機構は、引き金に適用される比較的小さな力に応答してバネに保存されるエネルギーの解放の速度を制御するために、比較的大きな力が適用されることを可能にする。さらに、異なる直径を有する複数ギアの使用は、駆動ロッド、従って、エンドエフェクタに適用される力の増加を可能にする。
【0038】
エネルギーを保存するための入力作動が、モーター駆動であり得、その結果、カートリッジまたは使い捨て装填ユニットが置換されるとき、またはさらに早く、先の発射の直後の機関の間に、エネルギーがバネ内に移され始め得ることがさらに想定される。モーターからバネへのエネルギーの移動の期間が延長されるので、より小さくより軽いモーターおよびバッテリー(または電源)が使用され得る。
【0039】
本明細書中で示される実施形態がピストル型の握りを利用するものの、他の握り型(例えば、真っ直ぐ、オフセットなど)はまた、開示されるエネルギー保存および作動システムとともに使用され得る。さらに、他の撃鉄(cocking)デバイスが、旋回エネルギー付与ハンドル(例えば、回転カム、親ネジ複合レバー、トグル、プルケーブルなど)に置換され得る。
【0040】
開示のいくつかの実施形態が図面に示されるもの、この開示がこれらに限定されることは意図されず、開示が、技術が可能にする範囲で広く、明細書も同様に読まれることが意図される。従って、上記記載は、制限として解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲内で他の改変を想定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−96071(P2012−96071A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8370(P2012−8370)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【分割の表示】特願2010−11295(P2010−11295)の分割
【原出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】