解放可能な取付け装置
解放可能な取付け装置は、該装置上に保持された小さな携帯可能な物品の格納、展開及び取り外しを許容する複数の構成要素を有する。一つの実施形態において前記装置は、ハウジングを有する引き込み可能ユニットを有し、このハウジングの内側にはリールと、該リールの回転を付勢するスプリング・コイルと、前記リール上に保持された伸張部材とが設けられる。ハウジングは、コネクタを引き込み可能ユニットに対する格納形態へと引込む際に伸張部材が完全に引き込まれたときにコネクタの旋回動作を低減し且つ伸張部材に対する歪みを低減すべく、コネクタを緊密に受容する雌型開口を有する。前記装置は、小さな携帯可能な物品を保持するようになっている締結具であって、前記コネクタに対して取外し可能に取付けられた締結具を含む。前記装置は、リールの回転を許容する中立位置と、リールを回転に対してロックするというロック位置との間で移動可能なロックスイッチを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の身体上に保持され得る簡易脱着式コネクタに関し、特に、工具、道具、小型の電子デバイス、バッジなどの小さい物品を拘束し得る簡易脱着式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
解放可能な取付具を備えた装置、特に、キー、バッジ、道具、ホイッスル及び小さな工具のような小さい携帯可能な物品を保持する上で個人的利用される装置が知られている。また斯かる物品を、引き込み可能なリール上に巻回されたケーブル、チェーン、コード、又は、単繊維など(本明細書においては集合的に“伸張部材”と称される)の末端に取付けられたリング上に吊すことも知られており、その場合に斯かるリールは、ベルト又はウエストバンドに対して掛止され得るハウジング内に収容される。引き込み可能なリールは従来的から、物品が使用中のときには伸張部材を伸張させ且つ斯かる使用が完了したときには引き込むことができるようにするが、伸張部材は、特に物品が吊されるリングに対する取付け箇所にて、歪み及び疲労を受ける複数の主要構成要素の内のひとつであり得る。特に、伸張部材が引き込まれるとき及び/又は装置のユーザが歩行しているときなどにおける物品の旋回動作により、伸張部材は取付け箇所にて摩滅される。このため、装置の大部分は良好な作用状態にあるが、伸張部材は、リング、及びこのリング上の物品が装置から容易に完全に脱落するという段階へと早期に摩滅される。
【0003】
引き込み可能なリールの回転を制御するロック機構も知られている。ロック機構は、引き込み可能な巻尺と共に使用されることが多い。しかし斯かるロック機構は複数の移動部材により複雑になるため、製造コスト、動作不良及び破断の虞れ、及び/又は全体的な重量及びサイズが大きくなる。
【0004】
キー・チェーン上には通常、キー及び他の小さな携帯可能な物品を着脱自在に取付け得る手段として、螺旋状の金属リングが配備される。斯かるリングはキー又は他の小さな携帯可能な物品を確実に取付けるが、ユーザが該リングをこじ開けるためには、器用さ及び腕力が必要とされることが多い。更にリングの螺旋状の構成は、一定の物品が容易に摺動挿入もしくは離脱されることを許容しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、解放可能な取付け装置は、伸張部材上における摩滅及び裂断を最小限とすべく、取付けられた物品とハウジングとの間における旋回動作を、排除しなくとも、最小限とする取付具を提供することが望ましい。更に、解放可能な取付け装置は、簡素な設計態様のロック機構であって、最小個数の構成要素を使用することにより製造コスト、動作不良の虞れ、及び/又は、全体的なサイズ及び重量を低減するというロック機構を提供することが望ましい。更に、解放可能な取付け装置は、物品を確実な様式で容易に取り付け且つ取り外し得る手段を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、当該装置上に保持された小さな携帯可能な物品の簡単な格納、展開及び取り外しを許容する複数の構成要素を有する、個人的利用のための携帯式の解放可能な取付け装置に関する。一つの実施形態において上記装置は、ハウジングを有する引き込み可能ユニットを有し、このハウジングの内側には、リールと、このリールの回転を付勢するスプリング・コイルと、リール上に保持された伸張部材とが設けられる。本発明の特徴によれば、ハウジングは、コネクタを引き込み可能ユニットに対する格納形態へと引込む際に伸張部材が完全に引き込まれたときにコネクタにおける旋回動作が最小限であり、よって伸張部材に対する歪みが最小限になるようにコネクタが結合し得る雌型開口を有する。装置はまた、小さな携帯可能な物品を保持するようになっている締結具であって、コネクタに対して取外し可能に取付けられる締結具も含んでいる。装置はまた、リールの回転を許容する中立位置と、リールを回転に対してロックするというロック位置との間で移動可能なロックスイッチも含んでいる。
【0007】
更に詳細な実施形態において、スイッチは、該スイッチのラチェットを移動させてリールに対してロック接触させることで該リールを回転に対してロックするようになっているロックカム、及び、ラチェットを移動してリールとの接触から解放するようになっている解放カムに対し、相互作用する。同様に更に詳細な実施形態において、締結具は、該締結具と解放可能に係合するようになっている少なくとも一つの端部を有するU形状部材を含み、端部は、該締結具がコネクタから取り外されなければ、解放が防止される。
【0008】
本発明はまた、コネクタ部材及び/又は締結具が格納形態及び展開形態を取るべく構成され、且つ、締結具が更にコネクタが格納されるか展開されるかに関わらずに取り外し形態を取り得るべく構成される、解放可能な取付け装置の実施形態にも関する。
【0009】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と併せて考慮される以下の詳細な説明を参照すれば更に良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明に係る解放可能な取付け装置の一実施形態の正面図である。
【図1A】図1Aは、図1の装置の展開形態における正面図である。
【図1B】図1Bは、図1の装置の展開/取り外し形態における正面図である。
【図1C】図1Cは、コネクタが格納形態とされ、締結具が展開/取り外し形態とされ、且つ、二重コネクタが開放形態とされた図1の装置の正面図である。
【図1D】図1Dは、コネクタが展開形態とされ、締結具が展開/取り外し形態とされ、且つ、二重コネクタが取り外し形態とされた図1の装置の正面図である。
【図2】図2は、請求項1の装置の側面図である。
【図3A】図3Aは、スイッチがロック位置とされた状態における、図1の装置のA−A線に沿った断面図である。
【図3B】図3Bは、スイッチがロック位置とされた状態における、図1の装置のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図4は、スイッチが中立位置とされた状態における、図1の装置のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図5は、コネクタの実施形態の斜視図である。
【図6】図6は、図5のコネクタの正面図である。
【図7】図7は、図5のコネクタの頂部平面図である。
【図8】図8は、スイッチの実施形態の側面図である。
【図8A】図8Aは、図8のスイッチのA−A線に沿う断面図である。
【図8B】図8Bは、図8のスイッチのB−B線に沿う断面図である。
【図8C】図8Cは、図8のスイッチのC−C線に沿う断面図である。
【図9】図9は、締結具の実施形態の正面図である。
【図10】図10は、本発明のコネクタ及び締結具の代替実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、図1A、図1B、図1C及び図2は、相互から解放可能、分離可能、及び/又は、取り外し可能である複数の構成要素を備えた解放可能な取付け装置10の実施形態を示している。装置10は、たとえばキー、小さな工具もしくは道具、バッジなどのデバイス17(図1C)のための、引き込みユニット12、コネクタ14及び締結具16を有している。実際、上記装置は、円形部分及び長寸部分を備えたキーを擬態する全体的形状を有している。その基端18においてコネクタ14は、上記引き込みユニットから供与される伸張部材20に対して拘束される。その末端22にてコネクタ14は、締結具16に対して解放可能に結合され得る。好適には、引き込みユニット12内に収容された引き込み可能なリールにより、コネクタ14は締結具16と共に容易に引き込みユニットに対する格納形態(図1)と、上記引き込みユニットから離間されるが依然として拘束される展開形態(図1A)とを取ることができる。更に、コネクタ14との解放可能な結合により、締結具16は容易に、上記コネクタが展開されるか(図1B)あるいは格納されるか(図1C)に関わりなく、該コネクタ14から分離された取り外し形態を取ることができる。更に、締結具16は、該締結具16に対して閉じられ(図1B)、開かれ(図1C)、又は、完全に取り外され得る(図1D)取付け部材19を含んでいる。本発明によれば、コネクタ14は、コネクタが格納形態に在るときにおける該コネクタの旋回動作を阻止はしなくとも、最小限とするようになっており、この旋回動作は、そのようにしなければ該コネクタに対する取付箇所にて伸張部材20を早期に脆弱化させるものである。更に、安全性のための特徴として、取付け部材19は、締結具16がコネクタ14から取り外されたときにのみ、解放され得る。更に、引き込みユニット12上のスイッチ55は、ユーザが、引き込みユニット12からの伸張部材20の展開及び伸張をロック及びロック解除することができるようにする。引き込みユニット12は、たとえば、図2に示されたようにハウジング30に対して固着されたクリップ25により、ベルト上に保持され得る。
【0012】
上記ハウジングは、概略的に円形の断面を有することから図1に見られるような外側周縁部有し、図2に見られるような概略的に平坦な側面視輪郭を備え、且つ、図3A及び図3Bに示されたような概略的に同様な2つのハウジング半体30a及び30bから形成される。ハウジング半体は、概略的に円形の周縁部31(図2)に沿って相互に接触すべく構成される。各ハウジング半体の周縁部の頂部及び底部から外方に延在して上記ハウジングの平坦な側面視輪郭内に位置するのは、部分32及び33である。第2ハウジング半体30bの頂部部分32bは、上記平坦な側面視輪郭に対して直交して第1ハウジング半体30aに向かって延在する整列用突起部34を有する。該突起部34は、第1ハウジング半体30aの頂部部分32aに形成された凹所35内に受容される。頂部部分32bはまた、第1ハウジング半体30aに向けて延在する反対側の一対の周縁突出部36を有し(図2も参照)、この一対の周縁突出部36は、第1ハウジング半体30aの周縁部31に形成された凹所37内に受容される。同様に、頂部部分32a及び32bの各々には、ネジ(図示せず)を受容してハウジング半体30a及び30bを相互に解放可能に締結するようになっている整列された対応する貫通孔38が設けられる。
【0013】
ハウジング半体30a及び30bの底部部分33a及び33bもまた、ネジを受容して解放可能に該ハウジング半体30a及び30bを相互に締結するようになっている整列された対応する貫通孔38を有する。本発明の特徴によれば、底部部分33a及び33bの各々は、協働してクレードルもしくは結合ステーションを形成する凹所形成部40を有する。外向きの開口を備えた凹状の形成部により、上記クレードルは、同様に形状化はされなくても対応して形状化されたコネクタ14の基端18を形状適合的に受容し、基端18は、伸張部材20が完全に引き込まれたときと同様に、該コネクタが格納形態に在るときに上記クレードルに緊密に嵌合し得る。
【0014】
伸張部材20はリール42上に巻回され、リール42は、第2ハウジング半体30bから第1ハウジング半体30aに向けて直角に突出する中央軸心部材43回りで回転するようになっている。リール42は、上記第1ハウジング半体と対面する第1側面と、上記第2ハウジング半体と対面する第2側面とを有している。上記第1側面と第2側面との間には、伸張部材20が巻回される円周方向チャネル45(図3B)が設けられる。上記第2ハウジング半体と対面するのは、軸心43を囲繞する内側環状空間46であり、この内側環状空間46内には、スプリング・コイル47がリール42を付勢すべく着座しており、伸張部材20をチャネル45内に巻回して該伸張部材を引き込む方向に該リールを回転させる。コイル47の内側端部は、軸心43におけるスロット48内に繋止される。コイル47の外側端部は、リール42に形成されたスロット49内に繋止される。伸張部材20の内側端部は、第2ハウジング半体30bに対面する第2側面にてリール42に形成された凹所51に着座する端部キャップ50内に繋止される。上記リールの第2側面には、伸張部材20がチャネル45にアクセスすることができるように切欠き53が形成される。図3Aにおいて、上記第1ハウジング半体に対面する上記リールの第1側面上には、以下において更に説明されるように、スイッチ55と相互作用する複数の円周方向歯部54が設けられる
【0015】
伸張部材20(たとえば、ケーブル、チェーン、コード又は単繊維など)は、その末端がスプリング・コイル47の引き込み付勢力を越えるのに十分な力で引っ張られたときに、リール42から巻出されて引き込みユニット12の外側へと延出する。末端が解放されたとき、伸張部材20はスプリング・コイル47の力を受けてリール42上に巻き戻される。図3A、図3B、図5及び図6を参照すると、伸張部材の末端は、クレードル40により画成された開口を介してハウジング30の外側に延出する軸受のような継手56内に固定される。継手56はコネクタ14の雄型基端18内に繋止され、伸張部材20は、コネクタに形成された中央通路57を貫通通過する。通路57は、広幅の通路と、狭幅の通路であって、継手56が通過し得ないのでコネクタ14を伸張部材20上に拘束する狭幅の通路との間における停止用接合箇所58を有する。コネクタ14の雄型基端18は、伸張部材20がリール42上に完全に引き込まれたとき、雌型クレードル40の開口を介して該クレードル内へと引込まれる。雄型基端18と雌型クレードル40との間の密接嵌合によれば、ハウジング30に対するコネクタ14の旋回動作を有利に防止し、この旋回動作は、防止しなければ、コネクタに対する取付箇所にて又はその近傍にて伸張部材20の早期の摩滅及び裂断を引き起こすであろうものである。図示した実施形態において、雄型及び雌型の形成部18及び40は、広幅の末端側横方向寸法及び狭幅の基端側横方向寸法(図3A、図3B及び図6)を有すると共に一実施形態(図7)においては両方が概略的に矩形の断面を有すべく楔状又は先細状(たとえば台形状)とされる。引き込みリール42に対して作用するスプリング・コイル47の能動的な張力を受けて雌型形成部40内に一旦受容されてそこに維持されたなら、雄型基端18は、ハウジング30に対するコネクタ14の動作を最小限とする。
【0016】
引き込みユニット12のスイッチ55は、ユーザがリールの回転を制御することができるようにする。このスイッチは、リールが自由に回転することができるようにし、又は、いずれの方向においてもリールの回転をロックする。すなわち、スイッチ55は、伸張部材20の延出を制御する2つの位置、すなわち中立位置(図4)及びロック位置(図3A及び図3B)の間で摺動可能である。図8の実施形態において示されたように、スイッチ55は、ハウジング30の周縁部に対応して該周縁部に形状適合する概略的に弧状の形状の長寸本体を有している。スイッチは、反対側にある、より薄い湾曲端部64間の摩擦誘起外側面(たとえば、複数の平行な稜線部など)を備えた長寸の外側ユーザ・インタフェース部分62を有する。隆起形成部63は、ユーザの親指又は別の指と接触し、上記スイッチを中立位置とロック位置との間で摺動させるようになっている。スイッチはまた、内側の長寸のロック用スライダ65と、このスライダから内方に延在するラチェット66と、インタフェース部分62とスライダ65とを接続するネック部分67とを有している。ハウジング30には開口68(図3A及び図3B)が形成され、スイッチ55が摺動可能でありながらも第1ハウジング半体30aと第2ハウジング半体30bとの間に挟持された状態で、ネック67がこの開口を通って延在する。インタフェース部分62は露出されるが、スライダ65及びラチェット66は上記ハウジングの内側とされる。ハウジングにおける開口68は円周方向寸法において十分に長寸とされることで、ネック67を受容し、且つ、中立位置とロック位置との間において円周方向にスイッチ55が摺動動作することができるようにする。インタフェース部分62は円周方向寸法において十分に長寸とされることで、スイッチがいずれの位置にあるときでも、開口68を覆う。スライダ65もまた、円周方向において長寸とされる。スライダ65の各端部にて、スライダの外向き表面上には、隆起形成部70が設けられる。各隆起形成部70は、第1ハウジング半体30aの周縁部31の内側面に形成された凹所73と係合することで、スイッチ55をロック位置に解放可能にロックし得る(図3A)。
【0017】
図8、図8A〜図8Cの実施形態では、インタフェース部分が円周方向寸法において最大長さを有し、スライダ及びラチェットはより短い長さを有している。幅寸法において、インタフェース部分62は最大幅を有すると共に、スライダ65はより小さい幅を有し、且つ、ラチェット66は最も小さい幅を有する。故に、インタフェース部分62はハウジング半体30a及び30bの両方に亙り張り亙るが、スライダ65及びラチェット66は基本的に、第1ハウジング半体30a内に位置している。インタフェース部分62とスライダ65との間においてネック67に隣接する間隙69は主として、第2ハウジング半体30bから延在する各周縁突出部36のうちの一つにより占有される。図示した実施形態において、各隆起形成部70は、スライダ65の幅の約半分だけ延在する。
【0018】
ラチェット66と相互作用するのは解放カム75及びロックカム76であり、これらは第1ハウジング半体30aの内側面上の突出部として形成され、第2ハウジング半体30bに向けて突出する。解放カム75は、スイッチ55の近傍に載置されると共に、解放カムは、リール42の曲率もしくは円周部に概略的に追随する外向き表面77を備えた長寸とされ、この外向き表面77はラチェットの取付け端部の近傍においてラチェットの内向き表面に接触する。スイッチ55が(図4の反時計回りに)中立位置へと移動されたとき、解放カム75の外向き表面77は、リール42がスプリング・コイル47の力を受けて一方向に回転し得るか又は伸張部材20を引張ることで伸張させるユーザの力を受けて他方向に回転し得るように、上記ラチェットの拡大端部78が一切の歯部54との接触から解放されるように、ラチェット66を外方に押圧し得る。特に、スライダ65上の隆起形成部70は、拡大端部78が各歯部54から撓曲離間されることを確実とする上で、ラチェット66を解放カム75に向けて内方に押圧することを補助する。
【0019】
ロックカム76は拡大端部78の近傍に載置されると共に、ロックカムは、円周方向に対して角度付けされた表面91を備える概略的に三角形の形状である。スイッチ55が(図3Aにおける時計回り方向において)ロック位置へと移動されるにつれ、ロックカム76の表面91は拡大端部78に接触してそれを内方に押圧して、一つの歯部54と係合させ、いずれの方向においてもリール42の回転をロックする。
【0020】
スイッチ55は、ラチェット66がカム75及び76と解放可能に相互作用し且つリール42に係合することを可能とすべく、十分に堅固でありながらも可撓性を有し且つ弾性的な任意の適切な材料で作成され得る。アセタール樹脂のようなプラスチックは、適切な材料である。
【0021】
図5及び図6を参照すると、伸張部材20の外側端部におけるコネクタ14は、末端雄型部分22を有する。基端部分18及び末端部分22は共に、上記コネクタが格納形態(図2)に在るときに引き込みユニット12の平坦な側面視輪郭と整列する概略的に平坦な側面視輪郭を呈する。コネクタの末端雄型部分22は、締結具16の基端雌型部分86(図9)内に受容されるようになっている。図5及び図6に開示された実施形態では、末端雄型部分22は基端雄型部分18から末端方向に突出すると共に、末端雄型部分は、外方を向く反対側の一対の長寸の変形可能な突起部81を含む(各々が捕捉用突出部82を備える)。2つの側部突起部81の中間には、各突起部81と共面的に位置する複数の長寸停止部材83が在る。図示されたように、雄型部分22は単一の平面内に位置し、該平面もまた、コネクタ14がハウジング30の受容雌型クレードル40(図2)内に嵌合されたときにハウジング30と共面的である傾向がある。各長寸停止部材又は停止用突起部83は、各側部突起部81に対して平行であり、且つ、該側部突起部81と概略的に等しい長さである。コネクタ14は、たとえばDELRIN(登録商標)の名称で販売されるようなアセタール樹脂材料などの任意の適切な材料であって、各側部突起部81が締結具16に挿入されるように各側部突起部81が相互に向けて内方に押圧されることができるように、且つ側部突起部81が締結具16内にロックされるように弾性的に戻ることができるように、十分な剛性及び弾性を提供する任意の適切な材料で作成され得る。
【0022】
図9を参照すると、締結具16は、締結具16が格納形態(図2)においてコネクタ14に係合されたときにコネクタ14及び引き込みユニット12と整列する概略的に平坦な側面視輪郭を備えた「ポケット」本体85を有している。本体85は開口を画成する基端雌型部分86を有しており、この開口を介してコネクタ14の雄型末端部分22が貫通挿入されて本体の内部キャビティ87又はポケット内に受容される。内部キャビティ87内には平坦な分割部材88が配備され、且つ、上記本体には、コネクタ14の側部突起部81が外方に延出して捕捉部82が当該長寸側部開孔89の基端に掛止し得るように、長寸側部開孔89が形成される。各側部開孔89はまた、ユーザが突起部81にアクセスすることができるようにする。ユーザが各突起部81を相互に握り込んだとき、コネクタ14及び締結具16は相互から解放される。材料及び重量を減少すると共に美観的な目的で、付加的開孔90が配備される。上記締結具は、たとえばポリカーボネートのようなプラスチックなどの、十分な剛性を有する任意の適切な材料で作成され得る。
【0023】
締結具16の末端は、長寸の又は引張用の部材101(たとえば、ステンレス鋼ケーブルなど)を有するU形状二重コネクタ19を備え、この部材101はループを形成すると共に、この部材の端部を備える2つの側部は、開孔90の直ぐ末端側にて本体85の反対側の横方向延長部104に形成された一対の凹所103内に解放可能に受容される継手102により被冠されている。部材101は、本体85及び装置10の平面内に位置する(図2)。継手102は、凹所103に対する締まり嵌め部を有する(それらは相互に対して緊密に嵌合する)。継手102と凹所103との間における締まり嵌めによれば、キーのような物品を掛止又は取り外すなどすべくユーザが101を軸心方向に押圧して継手の少なくとも一方を凹所から解放するまで、2つの継手102は凹所103内に固着される。凹所は外側にて閉塞されるが、各凹所は、解放されるべき部材101の側部をユーザが上方かつ基端方向に押圧すると継手102が延長部104を乗り越えて当該開口106を介して凹所103から解放されるように、相互に向けて内方を向く、部分的に閉塞されて角度付けされた開口106を有している。一つの継手が解放され(図1C)又は両方の継手が解放されると(図1D)、小さな工具又はキーが部材101に対して吊され又はそれから取り外され得る。有利には、締結具16がコネクタ14に結合されている間、各継手102は凹所103内に固着されて締結具から解放可能ではない。すなわち、コネクタ14の各停止用突起部83の端部は各継手102に当接し、該継手が凹所103から取り外されることを阻止する。このため、安全性の特徴として、部材101は、締結具16がコネクタ14から取り外されている間においてのみ、締結具16から解放され得る。一つの実施形態においては、一方のみの継手が凹所から取り外し可能であるが、他方の継手は凹所内に固定される(図1C)。別実施形態においては、両方の継手が各凹所から取り外し可能である(図1D)。
【0024】
本発明の特徴によれば、コネクタ14及び/又は締結具16は、異なる用法及び用途に対して以下のような多くの構成を採用し得る。
【0025】
(1)コネクタ及び締結具の両方が、格納形態にあって、引き込みユニットに取付けられて近接せしめられている、結合格納形態(図1)。
【0026】
(2)コネクタ及び締結具の両方が、引き込みユニットから離間されるが、依然として引き込みユニットに対して取付けられている、結合展開形態(図1A)。
【0027】
(3)締結具がコネクタ及び引き込みユニットから分離され(図1B、図1C、及び、図1D)、コネクタが引き込みユニットに対して格納(図1C)又は展開(図1B及び図1D)されている、取り外し形態。
【0028】
図10に示されたような別の代替実施形態において、ハウジング半体30a及び30bの各々の底部部分33は協働して、コネクタ14の雌型基端部112に結合され又は緊密に受容される雄型形成部110を形成する。当業者であれば、上述の実施形態と同一の旋回防止機能を提供するにあたり、引き込みユニット12とコネクタ14との間のインタフェースを逆にすることができることは理解されよう。すなわち、雄型形成部110及び雌型基端部112は同様に、広幅の基端横方向寸法及び狭幅の基端横方向寸法を有すると共に、両方が概略的に矩形の断面を有する、楔形状又は先細状(たとえば台形状)とされ得る。相互に嵌合され、雄型形成部110及び雌型形成部112は、引き込みユニット12に対するコネクタ14の旋回動作を最小限とする態様で、コネクタ14を引き込みユニット12に対して固着する。当業者であれば、コネクタ14が雌型末端を有し且つ締結具16が末端を有しながら、該コネクタと締結具との間のインタフェースも逆にすることができることも理解されよう。
【0029】
先の説明は、本発明の一定の好適な実施形態に関して提供された。本発明が関連する分野及び技術の熟練者であれば、記述された構造に対する改変及び変更は、本発明の原理、精神及び有効範囲から有意に逸脱することなく実施され得ることを理解し得よう。各図は必ずしも縮尺通りでないことは理解される。故に、上述の説明は、記述されて添付図面中に例示された厳密な構造にのみ関していると解釈されてはならない。むしろそれは、最も十分で最も明確な有効範囲を有するものとされる以下の各請求項と一致し且つそれらを支持すると解釈されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の身体上に保持され得る簡易脱着式コネクタに関し、特に、工具、道具、小型の電子デバイス、バッジなどの小さい物品を拘束し得る簡易脱着式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
解放可能な取付具を備えた装置、特に、キー、バッジ、道具、ホイッスル及び小さな工具のような小さい携帯可能な物品を保持する上で個人的利用される装置が知られている。また斯かる物品を、引き込み可能なリール上に巻回されたケーブル、チェーン、コード、又は、単繊維など(本明細書においては集合的に“伸張部材”と称される)の末端に取付けられたリング上に吊すことも知られており、その場合に斯かるリールは、ベルト又はウエストバンドに対して掛止され得るハウジング内に収容される。引き込み可能なリールは従来的から、物品が使用中のときには伸張部材を伸張させ且つ斯かる使用が完了したときには引き込むことができるようにするが、伸張部材は、特に物品が吊されるリングに対する取付け箇所にて、歪み及び疲労を受ける複数の主要構成要素の内のひとつであり得る。特に、伸張部材が引き込まれるとき及び/又は装置のユーザが歩行しているときなどにおける物品の旋回動作により、伸張部材は取付け箇所にて摩滅される。このため、装置の大部分は良好な作用状態にあるが、伸張部材は、リング、及びこのリング上の物品が装置から容易に完全に脱落するという段階へと早期に摩滅される。
【0003】
引き込み可能なリールの回転を制御するロック機構も知られている。ロック機構は、引き込み可能な巻尺と共に使用されることが多い。しかし斯かるロック機構は複数の移動部材により複雑になるため、製造コスト、動作不良及び破断の虞れ、及び/又は全体的な重量及びサイズが大きくなる。
【0004】
キー・チェーン上には通常、キー及び他の小さな携帯可能な物品を着脱自在に取付け得る手段として、螺旋状の金属リングが配備される。斯かるリングはキー又は他の小さな携帯可能な物品を確実に取付けるが、ユーザが該リングをこじ開けるためには、器用さ及び腕力が必要とされることが多い。更にリングの螺旋状の構成は、一定の物品が容易に摺動挿入もしくは離脱されることを許容しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、解放可能な取付け装置は、伸張部材上における摩滅及び裂断を最小限とすべく、取付けられた物品とハウジングとの間における旋回動作を、排除しなくとも、最小限とする取付具を提供することが望ましい。更に、解放可能な取付け装置は、簡素な設計態様のロック機構であって、最小個数の構成要素を使用することにより製造コスト、動作不良の虞れ、及び/又は、全体的なサイズ及び重量を低減するというロック機構を提供することが望ましい。更に、解放可能な取付け装置は、物品を確実な様式で容易に取り付け且つ取り外し得る手段を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、当該装置上に保持された小さな携帯可能な物品の簡単な格納、展開及び取り外しを許容する複数の構成要素を有する、個人的利用のための携帯式の解放可能な取付け装置に関する。一つの実施形態において上記装置は、ハウジングを有する引き込み可能ユニットを有し、このハウジングの内側には、リールと、このリールの回転を付勢するスプリング・コイルと、リール上に保持された伸張部材とが設けられる。本発明の特徴によれば、ハウジングは、コネクタを引き込み可能ユニットに対する格納形態へと引込む際に伸張部材が完全に引き込まれたときにコネクタにおける旋回動作が最小限であり、よって伸張部材に対する歪みが最小限になるようにコネクタが結合し得る雌型開口を有する。装置はまた、小さな携帯可能な物品を保持するようになっている締結具であって、コネクタに対して取外し可能に取付けられる締結具も含んでいる。装置はまた、リールの回転を許容する中立位置と、リールを回転に対してロックするというロック位置との間で移動可能なロックスイッチも含んでいる。
【0007】
更に詳細な実施形態において、スイッチは、該スイッチのラチェットを移動させてリールに対してロック接触させることで該リールを回転に対してロックするようになっているロックカム、及び、ラチェットを移動してリールとの接触から解放するようになっている解放カムに対し、相互作用する。同様に更に詳細な実施形態において、締結具は、該締結具と解放可能に係合するようになっている少なくとも一つの端部を有するU形状部材を含み、端部は、該締結具がコネクタから取り外されなければ、解放が防止される。
【0008】
本発明はまた、コネクタ部材及び/又は締結具が格納形態及び展開形態を取るべく構成され、且つ、締結具が更にコネクタが格納されるか展開されるかに関わらずに取り外し形態を取り得るべく構成される、解放可能な取付け装置の実施形態にも関する。
【0009】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と併せて考慮される以下の詳細な説明を参照すれば更に良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明に係る解放可能な取付け装置の一実施形態の正面図である。
【図1A】図1Aは、図1の装置の展開形態における正面図である。
【図1B】図1Bは、図1の装置の展開/取り外し形態における正面図である。
【図1C】図1Cは、コネクタが格納形態とされ、締結具が展開/取り外し形態とされ、且つ、二重コネクタが開放形態とされた図1の装置の正面図である。
【図1D】図1Dは、コネクタが展開形態とされ、締結具が展開/取り外し形態とされ、且つ、二重コネクタが取り外し形態とされた図1の装置の正面図である。
【図2】図2は、請求項1の装置の側面図である。
【図3A】図3Aは、スイッチがロック位置とされた状態における、図1の装置のA−A線に沿った断面図である。
【図3B】図3Bは、スイッチがロック位置とされた状態における、図1の装置のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図4は、スイッチが中立位置とされた状態における、図1の装置のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図5は、コネクタの実施形態の斜視図である。
【図6】図6は、図5のコネクタの正面図である。
【図7】図7は、図5のコネクタの頂部平面図である。
【図8】図8は、スイッチの実施形態の側面図である。
【図8A】図8Aは、図8のスイッチのA−A線に沿う断面図である。
【図8B】図8Bは、図8のスイッチのB−B線に沿う断面図である。
【図8C】図8Cは、図8のスイッチのC−C線に沿う断面図である。
【図9】図9は、締結具の実施形態の正面図である。
【図10】図10は、本発明のコネクタ及び締結具の代替実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、図1A、図1B、図1C及び図2は、相互から解放可能、分離可能、及び/又は、取り外し可能である複数の構成要素を備えた解放可能な取付け装置10の実施形態を示している。装置10は、たとえばキー、小さな工具もしくは道具、バッジなどのデバイス17(図1C)のための、引き込みユニット12、コネクタ14及び締結具16を有している。実際、上記装置は、円形部分及び長寸部分を備えたキーを擬態する全体的形状を有している。その基端18においてコネクタ14は、上記引き込みユニットから供与される伸張部材20に対して拘束される。その末端22にてコネクタ14は、締結具16に対して解放可能に結合され得る。好適には、引き込みユニット12内に収容された引き込み可能なリールにより、コネクタ14は締結具16と共に容易に引き込みユニットに対する格納形態(図1)と、上記引き込みユニットから離間されるが依然として拘束される展開形態(図1A)とを取ることができる。更に、コネクタ14との解放可能な結合により、締結具16は容易に、上記コネクタが展開されるか(図1B)あるいは格納されるか(図1C)に関わりなく、該コネクタ14から分離された取り外し形態を取ることができる。更に、締結具16は、該締結具16に対して閉じられ(図1B)、開かれ(図1C)、又は、完全に取り外され得る(図1D)取付け部材19を含んでいる。本発明によれば、コネクタ14は、コネクタが格納形態に在るときにおける該コネクタの旋回動作を阻止はしなくとも、最小限とするようになっており、この旋回動作は、そのようにしなければ該コネクタに対する取付箇所にて伸張部材20を早期に脆弱化させるものである。更に、安全性のための特徴として、取付け部材19は、締結具16がコネクタ14から取り外されたときにのみ、解放され得る。更に、引き込みユニット12上のスイッチ55は、ユーザが、引き込みユニット12からの伸張部材20の展開及び伸張をロック及びロック解除することができるようにする。引き込みユニット12は、たとえば、図2に示されたようにハウジング30に対して固着されたクリップ25により、ベルト上に保持され得る。
【0012】
上記ハウジングは、概略的に円形の断面を有することから図1に見られるような外側周縁部有し、図2に見られるような概略的に平坦な側面視輪郭を備え、且つ、図3A及び図3Bに示されたような概略的に同様な2つのハウジング半体30a及び30bから形成される。ハウジング半体は、概略的に円形の周縁部31(図2)に沿って相互に接触すべく構成される。各ハウジング半体の周縁部の頂部及び底部から外方に延在して上記ハウジングの平坦な側面視輪郭内に位置するのは、部分32及び33である。第2ハウジング半体30bの頂部部分32bは、上記平坦な側面視輪郭に対して直交して第1ハウジング半体30aに向かって延在する整列用突起部34を有する。該突起部34は、第1ハウジング半体30aの頂部部分32aに形成された凹所35内に受容される。頂部部分32bはまた、第1ハウジング半体30aに向けて延在する反対側の一対の周縁突出部36を有し(図2も参照)、この一対の周縁突出部36は、第1ハウジング半体30aの周縁部31に形成された凹所37内に受容される。同様に、頂部部分32a及び32bの各々には、ネジ(図示せず)を受容してハウジング半体30a及び30bを相互に解放可能に締結するようになっている整列された対応する貫通孔38が設けられる。
【0013】
ハウジング半体30a及び30bの底部部分33a及び33bもまた、ネジを受容して解放可能に該ハウジング半体30a及び30bを相互に締結するようになっている整列された対応する貫通孔38を有する。本発明の特徴によれば、底部部分33a及び33bの各々は、協働してクレードルもしくは結合ステーションを形成する凹所形成部40を有する。外向きの開口を備えた凹状の形成部により、上記クレードルは、同様に形状化はされなくても対応して形状化されたコネクタ14の基端18を形状適合的に受容し、基端18は、伸張部材20が完全に引き込まれたときと同様に、該コネクタが格納形態に在るときに上記クレードルに緊密に嵌合し得る。
【0014】
伸張部材20はリール42上に巻回され、リール42は、第2ハウジング半体30bから第1ハウジング半体30aに向けて直角に突出する中央軸心部材43回りで回転するようになっている。リール42は、上記第1ハウジング半体と対面する第1側面と、上記第2ハウジング半体と対面する第2側面とを有している。上記第1側面と第2側面との間には、伸張部材20が巻回される円周方向チャネル45(図3B)が設けられる。上記第2ハウジング半体と対面するのは、軸心43を囲繞する内側環状空間46であり、この内側環状空間46内には、スプリング・コイル47がリール42を付勢すべく着座しており、伸張部材20をチャネル45内に巻回して該伸張部材を引き込む方向に該リールを回転させる。コイル47の内側端部は、軸心43におけるスロット48内に繋止される。コイル47の外側端部は、リール42に形成されたスロット49内に繋止される。伸張部材20の内側端部は、第2ハウジング半体30bに対面する第2側面にてリール42に形成された凹所51に着座する端部キャップ50内に繋止される。上記リールの第2側面には、伸張部材20がチャネル45にアクセスすることができるように切欠き53が形成される。図3Aにおいて、上記第1ハウジング半体に対面する上記リールの第1側面上には、以下において更に説明されるように、スイッチ55と相互作用する複数の円周方向歯部54が設けられる
【0015】
伸張部材20(たとえば、ケーブル、チェーン、コード又は単繊維など)は、その末端がスプリング・コイル47の引き込み付勢力を越えるのに十分な力で引っ張られたときに、リール42から巻出されて引き込みユニット12の外側へと延出する。末端が解放されたとき、伸張部材20はスプリング・コイル47の力を受けてリール42上に巻き戻される。図3A、図3B、図5及び図6を参照すると、伸張部材の末端は、クレードル40により画成された開口を介してハウジング30の外側に延出する軸受のような継手56内に固定される。継手56はコネクタ14の雄型基端18内に繋止され、伸張部材20は、コネクタに形成された中央通路57を貫通通過する。通路57は、広幅の通路と、狭幅の通路であって、継手56が通過し得ないのでコネクタ14を伸張部材20上に拘束する狭幅の通路との間における停止用接合箇所58を有する。コネクタ14の雄型基端18は、伸張部材20がリール42上に完全に引き込まれたとき、雌型クレードル40の開口を介して該クレードル内へと引込まれる。雄型基端18と雌型クレードル40との間の密接嵌合によれば、ハウジング30に対するコネクタ14の旋回動作を有利に防止し、この旋回動作は、防止しなければ、コネクタに対する取付箇所にて又はその近傍にて伸張部材20の早期の摩滅及び裂断を引き起こすであろうものである。図示した実施形態において、雄型及び雌型の形成部18及び40は、広幅の末端側横方向寸法及び狭幅の基端側横方向寸法(図3A、図3B及び図6)を有すると共に一実施形態(図7)においては両方が概略的に矩形の断面を有すべく楔状又は先細状(たとえば台形状)とされる。引き込みリール42に対して作用するスプリング・コイル47の能動的な張力を受けて雌型形成部40内に一旦受容されてそこに維持されたなら、雄型基端18は、ハウジング30に対するコネクタ14の動作を最小限とする。
【0016】
引き込みユニット12のスイッチ55は、ユーザがリールの回転を制御することができるようにする。このスイッチは、リールが自由に回転することができるようにし、又は、いずれの方向においてもリールの回転をロックする。すなわち、スイッチ55は、伸張部材20の延出を制御する2つの位置、すなわち中立位置(図4)及びロック位置(図3A及び図3B)の間で摺動可能である。図8の実施形態において示されたように、スイッチ55は、ハウジング30の周縁部に対応して該周縁部に形状適合する概略的に弧状の形状の長寸本体を有している。スイッチは、反対側にある、より薄い湾曲端部64間の摩擦誘起外側面(たとえば、複数の平行な稜線部など)を備えた長寸の外側ユーザ・インタフェース部分62を有する。隆起形成部63は、ユーザの親指又は別の指と接触し、上記スイッチを中立位置とロック位置との間で摺動させるようになっている。スイッチはまた、内側の長寸のロック用スライダ65と、このスライダから内方に延在するラチェット66と、インタフェース部分62とスライダ65とを接続するネック部分67とを有している。ハウジング30には開口68(図3A及び図3B)が形成され、スイッチ55が摺動可能でありながらも第1ハウジング半体30aと第2ハウジング半体30bとの間に挟持された状態で、ネック67がこの開口を通って延在する。インタフェース部分62は露出されるが、スライダ65及びラチェット66は上記ハウジングの内側とされる。ハウジングにおける開口68は円周方向寸法において十分に長寸とされることで、ネック67を受容し、且つ、中立位置とロック位置との間において円周方向にスイッチ55が摺動動作することができるようにする。インタフェース部分62は円周方向寸法において十分に長寸とされることで、スイッチがいずれの位置にあるときでも、開口68を覆う。スライダ65もまた、円周方向において長寸とされる。スライダ65の各端部にて、スライダの外向き表面上には、隆起形成部70が設けられる。各隆起形成部70は、第1ハウジング半体30aの周縁部31の内側面に形成された凹所73と係合することで、スイッチ55をロック位置に解放可能にロックし得る(図3A)。
【0017】
図8、図8A〜図8Cの実施形態では、インタフェース部分が円周方向寸法において最大長さを有し、スライダ及びラチェットはより短い長さを有している。幅寸法において、インタフェース部分62は最大幅を有すると共に、スライダ65はより小さい幅を有し、且つ、ラチェット66は最も小さい幅を有する。故に、インタフェース部分62はハウジング半体30a及び30bの両方に亙り張り亙るが、スライダ65及びラチェット66は基本的に、第1ハウジング半体30a内に位置している。インタフェース部分62とスライダ65との間においてネック67に隣接する間隙69は主として、第2ハウジング半体30bから延在する各周縁突出部36のうちの一つにより占有される。図示した実施形態において、各隆起形成部70は、スライダ65の幅の約半分だけ延在する。
【0018】
ラチェット66と相互作用するのは解放カム75及びロックカム76であり、これらは第1ハウジング半体30aの内側面上の突出部として形成され、第2ハウジング半体30bに向けて突出する。解放カム75は、スイッチ55の近傍に載置されると共に、解放カムは、リール42の曲率もしくは円周部に概略的に追随する外向き表面77を備えた長寸とされ、この外向き表面77はラチェットの取付け端部の近傍においてラチェットの内向き表面に接触する。スイッチ55が(図4の反時計回りに)中立位置へと移動されたとき、解放カム75の外向き表面77は、リール42がスプリング・コイル47の力を受けて一方向に回転し得るか又は伸張部材20を引張ることで伸張させるユーザの力を受けて他方向に回転し得るように、上記ラチェットの拡大端部78が一切の歯部54との接触から解放されるように、ラチェット66を外方に押圧し得る。特に、スライダ65上の隆起形成部70は、拡大端部78が各歯部54から撓曲離間されることを確実とする上で、ラチェット66を解放カム75に向けて内方に押圧することを補助する。
【0019】
ロックカム76は拡大端部78の近傍に載置されると共に、ロックカムは、円周方向に対して角度付けされた表面91を備える概略的に三角形の形状である。スイッチ55が(図3Aにおける時計回り方向において)ロック位置へと移動されるにつれ、ロックカム76の表面91は拡大端部78に接触してそれを内方に押圧して、一つの歯部54と係合させ、いずれの方向においてもリール42の回転をロックする。
【0020】
スイッチ55は、ラチェット66がカム75及び76と解放可能に相互作用し且つリール42に係合することを可能とすべく、十分に堅固でありながらも可撓性を有し且つ弾性的な任意の適切な材料で作成され得る。アセタール樹脂のようなプラスチックは、適切な材料である。
【0021】
図5及び図6を参照すると、伸張部材20の外側端部におけるコネクタ14は、末端雄型部分22を有する。基端部分18及び末端部分22は共に、上記コネクタが格納形態(図2)に在るときに引き込みユニット12の平坦な側面視輪郭と整列する概略的に平坦な側面視輪郭を呈する。コネクタの末端雄型部分22は、締結具16の基端雌型部分86(図9)内に受容されるようになっている。図5及び図6に開示された実施形態では、末端雄型部分22は基端雄型部分18から末端方向に突出すると共に、末端雄型部分は、外方を向く反対側の一対の長寸の変形可能な突起部81を含む(各々が捕捉用突出部82を備える)。2つの側部突起部81の中間には、各突起部81と共面的に位置する複数の長寸停止部材83が在る。図示されたように、雄型部分22は単一の平面内に位置し、該平面もまた、コネクタ14がハウジング30の受容雌型クレードル40(図2)内に嵌合されたときにハウジング30と共面的である傾向がある。各長寸停止部材又は停止用突起部83は、各側部突起部81に対して平行であり、且つ、該側部突起部81と概略的に等しい長さである。コネクタ14は、たとえばDELRIN(登録商標)の名称で販売されるようなアセタール樹脂材料などの任意の適切な材料であって、各側部突起部81が締結具16に挿入されるように各側部突起部81が相互に向けて内方に押圧されることができるように、且つ側部突起部81が締結具16内にロックされるように弾性的に戻ることができるように、十分な剛性及び弾性を提供する任意の適切な材料で作成され得る。
【0022】
図9を参照すると、締結具16は、締結具16が格納形態(図2)においてコネクタ14に係合されたときにコネクタ14及び引き込みユニット12と整列する概略的に平坦な側面視輪郭を備えた「ポケット」本体85を有している。本体85は開口を画成する基端雌型部分86を有しており、この開口を介してコネクタ14の雄型末端部分22が貫通挿入されて本体の内部キャビティ87又はポケット内に受容される。内部キャビティ87内には平坦な分割部材88が配備され、且つ、上記本体には、コネクタ14の側部突起部81が外方に延出して捕捉部82が当該長寸側部開孔89の基端に掛止し得るように、長寸側部開孔89が形成される。各側部開孔89はまた、ユーザが突起部81にアクセスすることができるようにする。ユーザが各突起部81を相互に握り込んだとき、コネクタ14及び締結具16は相互から解放される。材料及び重量を減少すると共に美観的な目的で、付加的開孔90が配備される。上記締結具は、たとえばポリカーボネートのようなプラスチックなどの、十分な剛性を有する任意の適切な材料で作成され得る。
【0023】
締結具16の末端は、長寸の又は引張用の部材101(たとえば、ステンレス鋼ケーブルなど)を有するU形状二重コネクタ19を備え、この部材101はループを形成すると共に、この部材の端部を備える2つの側部は、開孔90の直ぐ末端側にて本体85の反対側の横方向延長部104に形成された一対の凹所103内に解放可能に受容される継手102により被冠されている。部材101は、本体85及び装置10の平面内に位置する(図2)。継手102は、凹所103に対する締まり嵌め部を有する(それらは相互に対して緊密に嵌合する)。継手102と凹所103との間における締まり嵌めによれば、キーのような物品を掛止又は取り外すなどすべくユーザが101を軸心方向に押圧して継手の少なくとも一方を凹所から解放するまで、2つの継手102は凹所103内に固着される。凹所は外側にて閉塞されるが、各凹所は、解放されるべき部材101の側部をユーザが上方かつ基端方向に押圧すると継手102が延長部104を乗り越えて当該開口106を介して凹所103から解放されるように、相互に向けて内方を向く、部分的に閉塞されて角度付けされた開口106を有している。一つの継手が解放され(図1C)又は両方の継手が解放されると(図1D)、小さな工具又はキーが部材101に対して吊され又はそれから取り外され得る。有利には、締結具16がコネクタ14に結合されている間、各継手102は凹所103内に固着されて締結具から解放可能ではない。すなわち、コネクタ14の各停止用突起部83の端部は各継手102に当接し、該継手が凹所103から取り外されることを阻止する。このため、安全性の特徴として、部材101は、締結具16がコネクタ14から取り外されている間においてのみ、締結具16から解放され得る。一つの実施形態においては、一方のみの継手が凹所から取り外し可能であるが、他方の継手は凹所内に固定される(図1C)。別実施形態においては、両方の継手が各凹所から取り外し可能である(図1D)。
【0024】
本発明の特徴によれば、コネクタ14及び/又は締結具16は、異なる用法及び用途に対して以下のような多くの構成を採用し得る。
【0025】
(1)コネクタ及び締結具の両方が、格納形態にあって、引き込みユニットに取付けられて近接せしめられている、結合格納形態(図1)。
【0026】
(2)コネクタ及び締結具の両方が、引き込みユニットから離間されるが、依然として引き込みユニットに対して取付けられている、結合展開形態(図1A)。
【0027】
(3)締結具がコネクタ及び引き込みユニットから分離され(図1B、図1C、及び、図1D)、コネクタが引き込みユニットに対して格納(図1C)又は展開(図1B及び図1D)されている、取り外し形態。
【0028】
図10に示されたような別の代替実施形態において、ハウジング半体30a及び30bの各々の底部部分33は協働して、コネクタ14の雌型基端部112に結合され又は緊密に受容される雄型形成部110を形成する。当業者であれば、上述の実施形態と同一の旋回防止機能を提供するにあたり、引き込みユニット12とコネクタ14との間のインタフェースを逆にすることができることは理解されよう。すなわち、雄型形成部110及び雌型基端部112は同様に、広幅の基端横方向寸法及び狭幅の基端横方向寸法を有すると共に、両方が概略的に矩形の断面を有する、楔形状又は先細状(たとえば台形状)とされ得る。相互に嵌合され、雄型形成部110及び雌型形成部112は、引き込みユニット12に対するコネクタ14の旋回動作を最小限とする態様で、コネクタ14を引き込みユニット12に対して固着する。当業者であれば、コネクタ14が雌型末端を有し且つ締結具16が末端を有しながら、該コネクタと締結具との間のインタフェースも逆にすることができることも理解されよう。
【0029】
先の説明は、本発明の一定の好適な実施形態に関して提供された。本発明が関連する分野及び技術の熟練者であれば、記述された構造に対する改変及び変更は、本発明の原理、精神及び有効範囲から有意に逸脱することなく実施され得ることを理解し得よう。各図は必ずしも縮尺通りでないことは理解される。故に、上述の説明は、記述されて添付図面中に例示された厳密な構造にのみ関していると解釈されてはならない。むしろそれは、最も十分で最も明確な有効範囲を有するものとされる以下の各請求項と一致し且つそれらを支持すると解釈されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人により保持されるようになっている携帯式の解放可能な取付け装置において、
ハウジングと、該ハウジングの内側に取付けられた回転可能なリールと、前記リールの回転を一方向に付勢するスプリング・コイルと、前記リール上に保持された伸張部材とを有する引き込み可能ユニットであって、前記伸張部材が内側端部及び外側端部を有し、前記ハウジングが形成部を有し、前記伸張部材が前記形成部を通って該ハウジングの外側に延出するようになっている、引き込み可能ユニットと、
前記伸張部材の外側端部に取付けられたコネクタであって、該コネクタが末端及び基端を有し、該基端が当該コネクタが格納形態に在るときに前記ハウジングの形成部と接触するようになっている、コネクタと、
前記コネクタの末端に対して解放可能に取付けられるようになっている基端を有する締結具であって、少なくとも一つの物品を保持するようになっている部材を有する、締結具とを具備する、取付け装置。
【請求項2】
前記ハウジングの形成部は雌型開口であり、且つ、前記コネクタの基端は前記雌型開口内に受容される雄型形成部である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングの形成部は雄型形成部であり、且つ、前記コネクタの基端は前記雄型形成部を受容する雌型形成部である、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタの雄型基端部及び前記ハウジングの雌型開口は、前記コネクタが格納形態に在るときに前記ハウジングに対する前記コネクタの横方向移動を制限する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記コネクタの末端は雄型形成部を含み、且つ、前記締結具の基端は前記雄型形成部を受容するようになっている雌型形成部を含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング上に取付けられ、中立位置及びロック位置を採用するようになっているスイッチを更に具備する、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記スイッチは、該スイッチの移動に応じて前記リールに対してロック係合及びロック係合解除すべく移動可能な部材を有する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記移動可能な部材を移動させて前記リールと接触させるようになっているロックカムを含む、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記移動可能な部材を移動させて前記リールとの接触から解放するようになっている解放カムを含む、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記締結具は、該締結具と解放可能に係合するようになっている少なくとも一つの端部を有するU形状部材を含む、請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記コネクタは、該コネクタ及び前記締結具が相互に対して取付けられている間、前記U形状部材の一部分に当接するようになっている少なくとも一つの停止部材を有する、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記コネクタの雄型末端形成部は、前記締結具に対して掛止されるようになっている少なくとも一つの突起部を含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
人の身体上に保持されるようになっている携帯式の解放可能な取付け装置において、
ハウジングと、該ハウジングの内側に取付けられた回転可能なリールと、前記リールの回転を一方向に付勢するスプリング・コイルと、前記リール上に保持された伸張部材とを有する引き込み可能ユニットであって、前記伸張部材が内側端部及び外側端部を有し、前記ハウジングが雌型開口を有し、前記伸張部材が前記雌型開口を通って該ハウジングの外側に延出するようになっている、引き込み可能ユニットと、
前記伸張部材の外側端部に取付けられたコネクタ部材であって、該コネクタが末端部及び雄型基端部を有し、該雄型基端部が前記ハウジングの雌型開口内に受容されるようになっている、コネクタ部材と、
前記コネクタに対して解放可能に取付けられた締結具部材とを具備し、
前記コネクタ部材及び前記締結具部材から成る群から選択された少なくとも一つの部材は、格納形態及び展開形態を取り得るべく構成される、取付け装置。
【請求項14】
前記コネクタの雄型基端部及び前記ハウジングの雌型開口は相互に嵌合されて、前記コネクタが前記格納形態に在るときに前記ハウジングに対する前記コネクタの横方向動作を阻止する、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記締結具は、該締結具が前記コネクタから取り外されたときにのみ該締結具から解放可能である部材を含む、請求項13記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記リールが回転し得る中立位置と、前記リールが回転に対してロックされるロック位置との間で移動可能なスイッチを含む、請求項13記載の装置。
【請求項17】
前記ハウジングは2つのハウジング半体を有し、これら2つのハウジング半体の間に前記スイッチが移動可能に挟持される、請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記スイッチは、前記中立位置及び前記ロック位置において前記ハウジングに対して解放可能にロックされるようになっている、請求項16記載の装置。
【請求項19】
前記スイッチは、外側インタフェース部分、内側スライダ部分、及び内側ラチェット部分を含む、請求項16記載の装置。
【請求項20】
前記雄型基端部は楔形状の断面を有する、請求項13記載の装置。
【請求項21】
前記雌型開口は楔形状の断面を有する、請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記部材はループを形成する、請求項15記載の装置。
【請求項1】
人により保持されるようになっている携帯式の解放可能な取付け装置において、
ハウジングと、該ハウジングの内側に取付けられた回転可能なリールと、前記リールの回転を一方向に付勢するスプリング・コイルと、前記リール上に保持された伸張部材とを有する引き込み可能ユニットであって、前記伸張部材が内側端部及び外側端部を有し、前記ハウジングが形成部を有し、前記伸張部材が前記形成部を通って該ハウジングの外側に延出するようになっている、引き込み可能ユニットと、
前記伸張部材の外側端部に取付けられたコネクタであって、該コネクタが末端及び基端を有し、該基端が当該コネクタが格納形態に在るときに前記ハウジングの形成部と接触するようになっている、コネクタと、
前記コネクタの末端に対して解放可能に取付けられるようになっている基端を有する締結具であって、少なくとも一つの物品を保持するようになっている部材を有する、締結具とを具備する、取付け装置。
【請求項2】
前記ハウジングの形成部は雌型開口であり、且つ、前記コネクタの基端は前記雌型開口内に受容される雄型形成部である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングの形成部は雄型形成部であり、且つ、前記コネクタの基端は前記雄型形成部を受容する雌型形成部である、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタの雄型基端部及び前記ハウジングの雌型開口は、前記コネクタが格納形態に在るときに前記ハウジングに対する前記コネクタの横方向移動を制限する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記コネクタの末端は雄型形成部を含み、且つ、前記締結具の基端は前記雄型形成部を受容するようになっている雌型形成部を含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング上に取付けられ、中立位置及びロック位置を採用するようになっているスイッチを更に具備する、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記スイッチは、該スイッチの移動に応じて前記リールに対してロック係合及びロック係合解除すべく移動可能な部材を有する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記移動可能な部材を移動させて前記リールと接触させるようになっているロックカムを含む、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記移動可能な部材を移動させて前記リールとの接触から解放するようになっている解放カムを含む、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記締結具は、該締結具と解放可能に係合するようになっている少なくとも一つの端部を有するU形状部材を含む、請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記コネクタは、該コネクタ及び前記締結具が相互に対して取付けられている間、前記U形状部材の一部分に当接するようになっている少なくとも一つの停止部材を有する、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記コネクタの雄型末端形成部は、前記締結具に対して掛止されるようになっている少なくとも一つの突起部を含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
人の身体上に保持されるようになっている携帯式の解放可能な取付け装置において、
ハウジングと、該ハウジングの内側に取付けられた回転可能なリールと、前記リールの回転を一方向に付勢するスプリング・コイルと、前記リール上に保持された伸張部材とを有する引き込み可能ユニットであって、前記伸張部材が内側端部及び外側端部を有し、前記ハウジングが雌型開口を有し、前記伸張部材が前記雌型開口を通って該ハウジングの外側に延出するようになっている、引き込み可能ユニットと、
前記伸張部材の外側端部に取付けられたコネクタ部材であって、該コネクタが末端部及び雄型基端部を有し、該雄型基端部が前記ハウジングの雌型開口内に受容されるようになっている、コネクタ部材と、
前記コネクタに対して解放可能に取付けられた締結具部材とを具備し、
前記コネクタ部材及び前記締結具部材から成る群から選択された少なくとも一つの部材は、格納形態及び展開形態を取り得るべく構成される、取付け装置。
【請求項14】
前記コネクタの雄型基端部及び前記ハウジングの雌型開口は相互に嵌合されて、前記コネクタが前記格納形態に在るときに前記ハウジングに対する前記コネクタの横方向動作を阻止する、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記締結具は、該締結具が前記コネクタから取り外されたときにのみ該締結具から解放可能である部材を含む、請求項13記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記リールが回転し得る中立位置と、前記リールが回転に対してロックされるロック位置との間で移動可能なスイッチを含む、請求項13記載の装置。
【請求項17】
前記ハウジングは2つのハウジング半体を有し、これら2つのハウジング半体の間に前記スイッチが移動可能に挟持される、請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記スイッチは、前記中立位置及び前記ロック位置において前記ハウジングに対して解放可能にロックされるようになっている、請求項16記載の装置。
【請求項19】
前記スイッチは、外側インタフェース部分、内側スライダ部分、及び内側ラチェット部分を含む、請求項16記載の装置。
【請求項20】
前記雄型基端部は楔形状の断面を有する、請求項13記載の装置。
【請求項21】
前記雌型開口は楔形状の断面を有する、請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記部材はループを形成する、請求項15記載の装置。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−517193(P2013−517193A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549139(P2012−549139)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021398
【国際公開番号】WO2011/088395
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(510117403)ウエスト コースト チェーン マニュファクチャリング カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021398
【国際公開番号】WO2011/088395
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(510117403)ウエスト コースト チェーン マニュファクチャリング カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
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