計数装置
【課題】誤差のある物品に対して正確に計数を行い確実に容器に収容することができる計数装置を提供することである。
【解決手段】本実施の形態に係る計数装置100は、第1検出器130により非接触で糖衣された錠剤が計数され、容器BTに投入される。そして、計量部300により容器BT内に糖衣された錠剤が投入された状態、すなわち糖衣された錠剤が充填された容器BTが計量される。制御部150は、第1検出器130による計数結果に基づく重量と、計量部300からの計量結果とを比較し、糖衣された錠剤の充填量の適正を判定する。
【解決手段】本実施の形態に係る計数装置100は、第1検出器130により非接触で糖衣された錠剤が計数され、容器BTに投入される。そして、計量部300により容器BT内に糖衣された錠剤が投入された状態、すなわち糖衣された錠剤が充填された容器BTが計量される。制御部150は、第1検出器130による計数結果に基づく重量と、計量部300からの計量結果とを比較し、糖衣された錠剤の充填量の適正を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の数を計測する計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の数を計数する計数装置が開発されている。例えば、特許文献1には、シュートの案内面に粉体を付着させて積もらせることのないようにした固体物品計数装置について開示されている。
【0003】
特許文献1記載の固体物品計数装置においては、上部および下部にそれぞれ傾斜した案内面および略垂直部が形成され、情報から上方から連続的に送り出される固形物品とその粉体を上記案内面および略垂直部に沿って下方へ案内するシュートと、このシュートによって案内された上記固形物品の数をカウントする上記略垂直部に隣接配置されたカウント手段とを具備した固形物品計数装置において、上記シュートは上記案内面に直交しかつ垂直方向に互いに上記固形物品の大きさより小さい微小隙間を有して配列された配列された複数の板状体で形成され、かつ上記案内面は上記各板状体の各傾斜端面で形成されてなるものである。
【0004】
また、特許文献2には、大量生産される小型部品などの同一重量物を所定個数計数して分包、箱詰め等を自動的に行わせる自動計数装置に関するもので、各種の電子回路を利用したスケールと該スケールからの出力信号によって振動状態が制御される搬送板に加えて、パーツフィーダの考え方に基づく補助搬送板を組合せ、迅速且つ正確な計数をなしうるようにしたものである。
【0005】
特許文献2記載の自動計数装置においては、基準個数の重量に基づいて同一重量物品の所定個数を重量換算で計算するものであって、ホッパに収容した被計数物品を搬送板によってスケール上に所定個数供給するべくスケールからの出力信号によって、搬送板として、物品を大量に送る主搬送板と、物品を1個ずつ1列に整列して送る補助搬送板の少なくとも2系列を設け、且つ該補助搬送板の落下口近傍に被計数物品を1個ずつ計数する検知手段を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用平1−32153号公報
【特許文献2】特開昭58−30931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の固体物品計数装置においては、物品の不要な破片を取り除くことができるものの、確実に物品を容器内に収容させることはできない。また、特許文献2記載の自動計数装置においては、2径路を有することにより小型部品の個数の微調整をすることができるが、小型部品は、ほとんど誤差のない同一重量物であり、誤差のある物品に対して特許文献2記載の自動計数装置を適用することができない。すなわち、誤差のある物品の場合、総重量を確認しても、誤差の合計が当該物品1個分の重量を超過する場合があり容器内の物品の個数の相違が生じる。
【0008】
本発明の目的は、誤差のある物品に対して正確に計数を行い確実に容器に収容することができる計数装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
一局面に従う計数装置は、目標個数の物品を計数して容器に収容する計数装置であって、物品を計数する計数部と、物品が充填された容器を計量する計量部と、目標個数よりも少ない設定個数で計数部による結果と計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって容器内における物品の充填量の適正を判定する制御部とを備えるものである。
【0010】
計数装置は、計数部により物品が計数される。計量部により物品が充填された容器が計量される。制御部は、目標個数よりも少ない設定個数で計数部による結果と計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって容器内における物品の充填量の適正を判定する。
【0011】
この場合、制御部により目標個数に達する前の設定個数において、計数部における結果と計量部における結果とを比較して、容器内の物品の充填量を判定することができるので、計数部により計数された個数(または個数から推定された重量値)と、容器内の現実の重量から推定された個数(または計量部による実際の重量値)とを随時に比較することができ、誤差のある物品の場合であっても、容器への充填途上で容器外へこぼれたことを容易に認識することができる。したがって、物品の個数を確実に把握することができる。例えば、極めて正確に容器内に収容すべき物品の個数が要求される場合、当該計数装置により容器内に収容する物品の個数を確実に計数して収容することができる。
【0012】
(2)
容器は、計数部の下方に設けられ、計量部は、計数部にて計数された物品が収容された容器を、当該容器ごと計量してもよい。
【0013】
この場合、下方へ落下する物品が容器内に収容されたことを確認することができる。具体的に、計量部は、物品が収容された容器ごと計量を行うので、計数後、物品の容器への充填途上で容器外へこぼれたことを容易に認識することができる。
【0014】
(3)
設定個数は、物品の設定個数分における累積誤差が物品の1個の重量以下となる個数であることが好ましい。
【0015】
この場合、設定個数の累積誤差が物品1個の重量以下となる個数であるので、容器内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。
【0016】
(4)
制御部は、設定個数ごとに充填量の適正の判定を行ってもよい。
【0017】
この場合、制御部は、設定個数ごとに充填量の適正の判定を行うので、複数回に分けて容器内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。
【0018】
(5)
制御部は、判定を行うごとに、計量部による重量値を零に再設定することが好ましい。
【0019】
この場合、設定個数の判定を行うごとに、計量部による重量値を零に再設定することにより、判定ごとに累積誤差を消去することができるので、累積誤差の積み重ねを防止することができる。
【0020】
(6)
物品は、糖衣された錠剤であってもよい。
【0021】
この場合、正確な個数の錠剤を容器内に収容することができる。すなわち、錠剤の個数が1個でも多い場合または1個でも少ない場合には、使用者が呑み忘れた、または飲みすぎていると勘違いし、不安な気持ちを抱かせてしまう。また、使用者が定期的にしっかりと飲んでいる確信がある場合には、錠剤の個数に不信感を持つ場合もある。したがって、錠剤に関しても正確な個数分容器内に収容することができるので、錠剤メーカへの信頼失墜を防止することができる。また、一般的に糖衣された錠剤は、通常の錠剤と異なり、糖衣の付着量(コーティング量)に左右されて錠剤の重量の差が大きくあらわれる。したがって、容器内に糖衣された錠剤が多数収容される場合には、糖衣の付着量の差が、糖衣された錠剤単体の重量を超過することとなる。その結果、最終的に容器の重量を計量しても錠剤の個数を正確に認識することはできない。しかしながら、計数装置を用いることにより糖衣された錠剤であっても、所定個数の糖衣された錠剤を容器内に収容することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る計数装置によれば、誤差のある物品であっても物品を確実に検出して物品の計数を正確に行い、確実に容器に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る計数装置の構成の一例を示す模式的外観図
【図2】図1の計数装置の主な構成を示す模式的側面図
【図3】図1の計数装置を示す正面図
【図4】計数装置に用いられる電磁フィーダの一例を示す模式図
【図5】第1計数ブロック内の通過部の概略的構造を示す斜視図
【図6】整列トラフの詳細な構成を示す斜視図
【図7】計数装置における主な構成部のタイミングチャートを示す説明図
【図8】制御部における具体的動作の一例を示すフローチャート
【図9】正規分布を説明するための図
【図10】計量装置における計量結果の一例を示す説明図
【図11】制御部における具体的動作の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る計数装置について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本実施形態に係る計数装置100の構成の一例を示す模式的外観図であり、図2は、図1の計数装置100の主な構成を示す模式的側面図であり、図3は図1の計数装置100を示す正面図である。
【0026】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る計数装置100は、主に第1計数ブロック111、第2計数ブロック112、シャッタ120、シリンダ121、第1検出器130、計数アンプ131、第2検出器140、計数アンプ141、制御部150、警告装置160、計数ホッパ170、連結部材180、シリンダ181、シュート191、貯留部192、整列トラフ210、供給トラフ211、計量部300、排出装置350およびタッチパネル500を有する。
【0027】
以下、計数装置100における動作の概略について説明を行い、後に計数装置100を構成する部分の詳細な説明を行う。
【0028】
図1および図2に示すように、供給トラフ211に物品が供給され、整列トラフ210に送られる。そして、制御部150の指示により整列トラフ210が振動され、整列トラフ210から物品が落下され、第1計数ブロック111の通過部110を通過する。この場合、第1検出器130により物品が検出され、制御部150により複数回の物品の計数が行われる。制御部150において所定の物品個数(例えば、300個)に達していないと判定された場合、シャッタ120が開状態にされ、所定の物品個数に達したと判定された場合、シャッタ120が閉状態にされる。
【0029】
そして、同様に、第2検出器140により物品が検出され、制御部150により物品の計数が行われ、計数ホッパ170に所定個数の物品が保留される。
計数ホッパ170に所定個数の物品が保留された場合、制御部150の指示により計数ホッパ170が開動作され、シュート191を介して物品が容器BT内に収容される。
【0030】
ここで、予め計量部300により空の容器BTの重量が計量されており、物品が収容された後、制御部150により、容器BTの増加分の重量が計量される。そして、容器BTの増加分の重量が所定の重量の範囲内である場合には、計数ホッパ170から所定回数物品の投入動作が繰り返し行われる。所定個数の物品が容器BT内に収容された場合、排出装置350により容器BTが矢印R1の方向に搬出される。
【0031】
次に、各部分の詳細について説明を行う。図2に示すように、シャッタ120は、物品の通過を遮蔽する。シャッタ120はシリンダ121に接続されている。このような構成において、制御部150によってシリンダ121の往復動作が制御されることにより、シャッタ120は矢印D1の方向に往復動する。これにより、シャッタ120は、通過部110を閉塞または開口する。
【0032】
また、図2に示すように、第1検出器130は、光を発する投光器130aおよび当該投光器130aからの光を受ける受光器130bにより構成される。また、第2検出器140は、光を発する投光器140aおよび当該投光器140aからの光を受ける受光器140bにより構成される。なお、受光器130bは計数アンプ131に接続され、受光器140bは計数アンプ141に接続されている。計数アンプ131、141は、制御部150に物品の通過の計数結果を与える。
【0033】
さらに、整列トラフ210を後述する電磁フィーダの電磁石により振動させることによって、当該整列トラフ210上の物品が下流に搬送される。なお、供給トラフ211についても同様である。
【0034】
第1計数ブロック111上には第2計数ブロック112が設けられている。なお、図示は省略したが、第2計数ブロック112内にも物品が通過するための通過部が設けられている。
【0035】
供給トラフ211および整列トラフ210上を搬送されてきた物品は、第2計数ブロック112の図示しない通過部を通過した後、第1計数ブロック111の通過部110を通過する。
【0036】
通過部110の入口近傍の第1計数ブロック111において、投光器130aにより発せられた光が通過するための光通過部113(図5参照)が貫通して形成されている。また、同様に、通過部110の出口近傍の第1計数ブロック111において、投光器140aにより発せられた光が通過するための光通過部114が貫通して形成されている。
【0037】
第1検出器130は、シャッタ120より上流に設けられた上記の光通過部113の高さに対応する位置に設けられている。また、第2検出器140は、シャッタ120より下流に設けられた上記の光通過部114の高さに対応する位置に設けられている。
【0038】
第1検出器130により所定数(例えば50個)を超える数の物品が検出された場合には、シャッタ120が物品の通過を阻止するように制御部150により当該シャッタ120が閉じられる。これにより、物品の通過部110内の通過がシャッタ120により遮られる。この場合、所定数を超える数の上記物品はシャッタ120の面上に止まる。上記のようなシャッタ120の動作により、所定数を超える物品が下流に導かれることが防止される。
【0039】
第1計数ブロック111の下方には、通過部110に連通した計数ホッパ170が配設されている。計数ホッパ170は通過部110を通過してきた物品を受け取る。計数ホッパ170は、回動可能なホッパゲート170aと回動可能なNGゲート170bとが互いに密着するように合わさることにより、通過部110を通過してきた物品を一時的に保持する部材となる。
【0040】
ホッパゲート170aは連結部材180に軸支されており、当該連結部材180はシリンダ181に接続されている。このような構成において、制御部150によりシリンダ181が制御されることによって、連結部材180が往復動する。それにより、ホッパゲート170aは矢印D2の方向に回動する。同様に、NGゲート170bについても、図示しない連結部材およびシリンダにより、矢印D2の方向に回動するようになっている。
【0041】
制御部150によりホッパゲート170aが図面左側に回動された場合に計数ホッパ170内から落ちてくる物品を受け取ることが可能な位置に、当該物品を良品として容器に投入するシュート191が設けられている。
【0042】
また、制御部150によりNGゲート170bが図面右側に回動された場合に計数ホッパ170内から落ちてくる物品を受け取ることが可能な位置に、当該物品をNG品として貯留する貯留部192が設けられている。
【0043】
第1検出器130により検出された物品の数が所定数に達した場合に、制御部150によりホッパゲート170aが矢印D2の方向に回動される。それにより、計数ホッパ170内の物品はシュート191に投入される。したがって、所定数の物品を確実に容器BTに投入することができる。
【0044】
ここで、制御部150によりシャッタ120が開けられた場合で、第1検出器130により検出済みの所定数を超える数の物品が第2検出器140により検出されなかった場合、すなわち、物品が、通過部110内またはシャッタ120等における詰まりまたは引っ掛かり等により通過部110に残留している場合には、制御部150は警告装置160が警告を行うよう指示する。この場合の警告は音によるものであってもよいし、タッチパネル500または警告灯等の視覚によるものであってもよい。
【0045】
また、排出装置350は、シュート191の下方に設けられる。排出装置350は、排出装置350の上面に容器BTを載せて矢印R1の方向に搬送できるように設けられる。また、シュート191の下方で、かつ容器BTの配置位置の下方に計量部300が設けられる。計量部300は、容器BT内に収容される物品の重量を容器BT全体として計測することができるように設けられる。また、計量部300により計量された計量結果は、制御部150に与えられる。また、タッチパネル500は、各種設定を行うことができるように設けられており、各種設定情報は、制御部150に与えられる。
【0046】
また、図3に示すように、本実施形態に係る計数装置100においては、整列トラフ210は物品がそれぞれ載置されるための複数の列212を含む。列212の数は例えば15列である。通過部110、シャッタ120、第1検出器130および第2検出器140は、列212ごとにそれぞれ設けられている。なお、供給トラフ211については、複数の列はなく平らな底であってもよい。
また、上述した物品の所定数は、各第1検出器130により検出される物品の数の合計である合計所定数として決定される。
【0047】
このような構成において、いずれかの第1検出器130により合計所定数(例えば50個)を超える数の物品が検出された場合には、制御部150により上記いずれかの第1検出器130に対応するシャッタ120が閉じられる。これにより、所定数を超える物品が下流に導かれることが防止される。
【0048】
次いで、電磁フィーダ200の構成の詳細について説明する。図4は計数装置100に用いられる電磁フィーダ200の一例を示す模式図である。
【0049】
図4に示すように、本例の電磁フィーダ200は、複数のコイルスプリング220を介して設置されるベース部材230と、その上方に配置された整列トラフ210とを有する。整列トラフ210の下面にはフレーム部材240が取り付けられている。
【0050】
ベース部材230の取り付け面231とフレーム部材240の取り付け面241とにバネ体250が取り付けられている。また、ベース部材230の取り付け面232とフレーム部材240の取り付け面242とにバネ体260が取り付けられている。このような構成において、整列トラフ210がバネ体250、260を介してベース部材230上に弾力的に支持されている。
【0051】
ベース部材230上には電磁石270が設けられている。また、フレーム部材240の取り付け面241の背面には、電磁石270に近接するように磁性体280が取り付けられている。
【0052】
電磁石270に通電した場合には、当該電磁石270の面から磁性体280に電磁吸引力が作用することにより、バネ体250、260は撓む。一方、電磁石270に対する通電を停止した場合には、バネ体250、260は撓み状態から復元する。したがって、電磁石270に対する間欠的な通電により整列トラフ210が矢印D3の方向に振動するようになっている。なお、供給トラフ211も同様な構成により振動される。
【0053】
次に、第1計数ブロック111内の通過部110の構造について図面を参照しながら説明する。図5は第1計数ブロック111内の通過部110の概略的構造を示す斜視図である。
【0054】
図5に示すように、光通過部113には、その内壁面に凹凸形状の凹凸処理部113aが形成されており、これにより投光器130aからの光が反射し難い構成となっている。このため、物品の通過時に生じる、受光器130bの受光量の減少が確実に抑えられる。また、光通過部114についても同様な構成となっている。
【0055】
なお、投光器130aおよび受光器130bによる検出領域は、光通過部113の大きさに充分対応したものであり、物品の通過を確実に検出できるように形成されている。
【0056】
次に、図6は整列トラフ210の詳細な構成を示す斜視図である。図6に示すように、整列トラフ210は、各列212ごとに、それらの上流において、非直線的に形成された搬送経路213をそれぞれ有する。なお、物品は整列トラフ210により矢印D4の方向に沿って搬送される。
【0057】
このように、非直線的に形成された搬送経路213を各列212ごとに設けることにより、複数の物品が密着して群として搬送されている場合に、その群が搬送経路213において分離され易くなる。それにより、通過部110(図3参照)を通過する物品を個別に検出し易くなる。例えば、糖衣された錠剤の場合には、互いに糖衣部分が密着し、一群の物品が搬送される場合があるが、これらも搬送径路213により密着を分離させることができる。
【0058】
次に、図7は計数装置100における主な構成部のタイミングチャートを示す説明図である。なお、図7においては、供給トラフ211を振動させる電磁フィーダ(図示せず)を供給フィーダと呼び、整列トラフ210を振動させる上述の電磁フィーダ200を搬送フィーダと呼ぶ。
【0059】
図7に示すように、時間t1において供給トラフ211および整列トラフ210の振動が開始される。これらにより、物品が供給トラフ211および整列トラフ210上を搬送される。第1検出器130による所定数の物品の検出が終了した時点で、供給トラフ211および整列トラフ210の振動が終了する。
【0060】
その後、各第1検出器130のいずれかにより所定数(例えば50個)を超える数の物品(例えば51個目)が検出された場合、制御部150によりシャッタ120が閉じられる。なお、この場合、通過部110の入口からシャッタ120の位置までの距離は、シャッタ120の遮蔽時間よりも物品の落下時間の方が長くなるように設けているので、通過部110の入口から入ってきた物品はシャッタ120の上面で止まる。
【0061】
その後、時間t2において制御部150によりホッパゲート170aが回動されて計数ホッパ170が開口される。そして、時間t3においてホッパゲート170aが回動されて計数ホッパ170が閉口される。時間t4において制御部150によりシャッタ120が開けられる。これにより、新たに計数処理が開始される。
【0062】
続いて、本実施形態に係る計数装置100における主な動作のフローについて図面を参照しながら説明する。図8は、制御部150における具体的動作の一例を示すフローチャートであり、図9は、正規分布を説明するための模式図であり、図10は計量部300および制御部150における計量結果の一例を示す説明図である。また、物品は、糖衣された錠剤である場合で、当該糖衣された錠剤を300個ずつ容器BTに収容する場合について説明を行う。
【0063】
図8に示すように、制御部150は、計数装置100において容器が搬入されたことを認識する(ステップS1)。次に、計量部300において、風袋零点をとる(ステップS2)。ここで、風袋零点とは、容器BTの重量を仮想的に零と設定することで、空の容器BTの重量をキャンセルすることである。その結果、容器BT内に収容された物品の重量のみが、計量部300により計量される。
【0064】
続いて、計数装置100の制御部150は、糖衣された錠剤について50個分計数を行ったか否か判定する(ステップS3)。すなわち、制御部150は、計数アンプ131および第1検出器130から糖衣された錠剤50個分の計数が行われていないと判定した場合には、糖衣された錠剤が50個の計数を行うまで繰り返し、計数を行う。一方、50個の計数を行ったと判定した場合には、次に制御部150は、計量部400からの計量値を1個あたりの糖衣された錠剤の重量で除算し、50個か否かの判定を行う(ステップS4)。
【0065】
ここで、糖衣された錠剤の設定個数を決定する手法について説明する。糖衣された錠剤について約1000個程度の個別重量を計量し、その個別重量から糖衣された錠剤1個の平均重量(単重)X1と標準偏差σを算出する。
統計学上、上記錠剤n個を計量する場合には、n個分の平均はn*(X1)となる。また、n個分の標準偏差は(n^(0.5))*σとなるため、前述標準偏差の3倍の±を考慮すれば99.73%の確率でn個分の重量範囲が定まる。
【0066】
このため、n*(X1)+3*(n^(0.5))*σ)<=(n+1)*(X1)―3*((n+1)^(0.5))*σの関係が成り立てばn個分の計量に弁別が可能となる。
つまり、n=<((A−1)^2)/4A、A=(X1^2)/(9σ^2)が成り立つ個数が一括で計量して個数判別できる限界である。
【0067】
本実施の形態においては、平均重量X1が5gであり、標準偏差σが0.117であるとする。
この場合、n=<50.22となる。したがって、n=300、300個の錠剤の重量を一括で計量して個数判別をすることはできない。したがって、nは50.22個以下、すなわち50個以下であれば、標準偏差の3倍の確率で重量範囲を定め、錠剤の設定個数を定めることができる。本実施の形態において糖衣された錠剤を50個に設定する。
【0068】
次いで、制御部150が計量部300からの重量値に基づいて糖衣された錠剤が50個分であると判定した場合には、糖衣された錠剤が累積300個であるか否かを判定する(ステップS5)。
すなわち、ステップS5のカウントが6回行われた、具体的には累積300個であると判定した場合には、排出装置350に容器BTの搬送を指示する(ステップS6)。
【0069】
すなわち、図10(a)に示すように、計量部300においてタイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の複数回(6回)のそれぞれで計量が行われ、図10(b)に示すように制御部150は、計量値に基づいて糖衣された錠剤の50個分か否かを図10のタイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の個々において判定する。
【0070】
また、図10(a),(b)に示すように、当該タイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の判定後に、制御部150は、50個ずつ計量した重量値を、計量部300による計量結果からキャンセルする。この操作は、計量部300でおこなってもよい。すなわち、誤差分αを累積するのではなく、各計量毎に重量がOKか、NGかを判定し、50個ずつ計量した重量値をキャンセルさせることで累積誤差をキャンセルさせている。
【0071】
続いて計量部300において、糖衣された錠剤50個ずつが増加する。そして、タイミングt17において錠剤300個を収容した容器BTが次工程へ搬送される。
【0072】
一方、制御部150は、ステップS5のカウントが6回行われていない、すなわち累積300個でないと判定した場合には、再度ステップS3からステップS5までの処理を繰り返し行う。
【0073】
また、ステップS4の処理において、制御部150が、計量部300において計量された値が、糖衣された錠剤の重量50個分の重量値範囲でないと判定した場合、糖衣された錠剤の個数のカウントミスまたは、糖衣された錠剤の欠け等が生じていると想定されるため、制御部150は、エラー表示を行い(ステップS7)、排出装置350に容器BTの排出を指示する(ステップS8)。
【0074】
次に、図11は、計数装置100における制御部150の動作一例を示すフローチャートである。
【0075】
図11に示すように、制御部150は、第1検出器130において50個の検出が行われたか否かを判定する(ステップS21)。制御部150は、第1検出器130において50個の検出が行われていない(ステップS21のNo)、すなわち49個目の検出等である場合には、50個の検出が行われるまで待機する。一方、50個の検出がされたと判定された場合(ステップS21のYes)、制御部150は、供給トラフ211を振動させる供給フィーダ、整列トラフ210を振動させる搬送フィーダの両トラフに停止指示を与える(ステップS22)。
【0076】
続いて、制御部150は、第1検出器130において51個目の検出が行われた否かを判定する(ステップS23)。本来であれば、糖衣錠材が落下しないように、トラフに停止指示を与えているが、糖衣錠剤がわずかな残存振動等により落下する場合もある。
【0077】
制御部150は、第1検出器130において51個目の検出が行われたと判定した場合(ステップS23のYes)、シャッタ120の閉指示を行う(ステップS24)。続いて、制御部150は、第2検出器140において50個以上検出したか否かを判定する(ステップS25)。
【0078】
制御部150が、第2検出器140において50個以上検出したと判定した場合には(ステップS25のYes)、制御部150は、第2検出器140において51個検出したか否かを判定する(ステップS26)。さらに制御部150が第2検出器140において51個検出したと判定した場合には(ステップS26のYes)、制御部150は、エラー表示を行い(ステップS27)、貯留部192から糖衣錠材を排出する(ステップS28)。
【0079】
一方、ステップS23において、制御部150は、第1検出器130において51個検出していないと判定した場合(ステップS23のNo)制御部150は、第2検出器140において50個検出したか否か判定する(ステップS29)。
【0080】
制御部150は、第2検出器140において50個検出したと判定した場合(ステップS29のYes)には、正常に糖衣錠材が50個計数されたとして、容器BT内に収容され、容器搬送(ステップS30)が行われる。
【0081】
一方、制御部150は、第2検出器140において50個検出していないと判定した場合(ステップS29のNo)には、予備エラー表示(ステップS31)を表示させ、貯留部処理(ステップS32)を実行させる。同様に、制御部150が、第2検出器140において50個以上検出していないと判定した場合(ステップS25のNo)には、予備エラー表示(ステップS31)を表示させ、貯留部処理(ステップS32)を実行させる。
【0082】
ここで、貯留部処理とは、シャッタ120の上面または移送径路のいずれかに糖衣錠材が停止している状態を示す。したがって、回動可能なNGゲート170bを開き、シャッタ120の上面または移送径路のいずれかに停止している糖衣錠材を貯留部192に排出処理する。そして、不足個数の糖衣錠材を再度、トラフを振動させて、容器BT内に収容させることができる。
但し、一度、検出においてエラーが出ているので、予備エラー表示を出し(ステップS31)、確認を行うことができるように配慮されている。
【0083】
<本実施形態における効果>
本実施形態においては、制御部150により設定個数(50個)において、計数アンプ131および第1検出器130における個数と計量部300における個数とを比較して、容器BT内の糖衣された錠剤の充填量を判定することができるので、計数アンプ131および第1検出器130により計数された個数(または個数から推定された重量値)と、容器BTごと、当該容器BT内の現実の重量から推定された個数(または計量部による実際の重量値)とを随時に比較することができ、誤差αのある物品の場合であっても、容器BTへの充填途上で容器BT外へこぼれたことを容易に認識することができる。したがって、物品の個数を確実に把握することができる。例えば、極めて正確に容器BT内に収容すべき物品の個数が要求される場合、当該計数装置100により容器BT内に収容する物品の個数を確実に計数して収容することができる。
【0084】
また、制御部150は、設定個数(50個)ごとに充填量の適正の判定を行うので、複数回(6回)に分けて容器BT内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。さらに、制御部150は、設定個数(50個)の判定を行うごとに、計量部300による重量値を零に再設定することにより、判定ごとに累積誤差(α×複数回)を消去することができるので、累積誤差(α×複数回)の積み重ねを防止することができる。
【0085】
また、特に、一般的に糖衣された錠剤は、通常の錠剤と異なり、糖衣の付着量(コーティング量)に左右されて錠剤の重量の差が大きくあらわれる。したがって、容器BT内に糖衣された錠剤が多数収容される場合には、糖衣の付着量の差が、糖衣された錠剤単体の重量を超過することとなる。その結果、最終的に容器BTの重量を計量しても錠剤の個数を正確に認識することはできない。しかしながら、計数装置100の第1検出器130および計数アンプ131と、計量部300とを用い、複数回に分けて計量することにより糖衣された錠剤であっても、確実に所定個数の糖衣された錠剤を容器BT内に収容することができる。
【0086】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、糖衣された錠剤が、物品に相当し、50個が設定個数に相当し、300個が目標個数に相当し、計数装置100が計数装置に相当し、第1検出器130および計数アンプ131が計数部に相当し、容器BTが容器に相当し、誤差(α×複数回)が累積誤差に相当し、計量部300が計量部に相当し、制御部150が制御部に相当する。
【0087】
<変形例>
なお、上記実施形態では、容器BTに収容される物品を糖衣された錠剤であるとして説明を行ったが、これに限定されず、他の任意の物品であってもよい。また、容器BTに収容される物品を300個とし、50個ずつ複数回に分けて容器BT内に収容することとしたが、これに限定されず、他の任意の個数、例えば、物品の誤差の合計が物品の単体当たりの重量を超えないタイミングである1個、2個ずつ容器BT内に収容することとしてもよい。
【0088】
また、上記の実施の形態においては、主に個数で判定、すなわち計量部300の計量値を糖衣された錠剤の1個あたりの重量値に基づいて、容器BTに収容された錠剤個数を求め、第1検出器130、計数アンプ131からの個数と比較することとしているが、これに限定されず、主に重量で判定、すなわち第1検出器130、計数アンプ131からの個数に糖衣された錠剤の1個あたりの重量を積算し、計量部300の計量値と比較してもよい。
【0089】
なお、本実施の形態において、第2検出器140は、必須の構成要素ではなく、確実性を担保するために設けている。したがって、第2検出器140、計数アンプ141をさらに用いて比較を行ってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、第2検出器140の機能として通過部110に残留している物品を検出することを採用したが、これに限定されるものではなく、シャッタ120が開けられている状態で、第1検出器130の検出位置を通過してきた物品の検出を行うために用いてもよい。すなわち、すでに第1検出器130にて把握している、シャッタ120により通過を阻止された物品の落下確認を第2検出器140で行い、引き続き通過する物品の検出を行い、第1検出器130との物品通過数値の比較を行うことにより、計数精度の信頼性の飛躍的向上が図れる。
【0091】
また、上記実施形態では、物品を検出するための第1検出器130および第2検出器140として、投光器130a、140aおよび受光器130b、140bを使用したが、これらに限定されるものではなく、例えばX線検出器等の他の検出器を使用してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、物品の検出器として、第1検出器130および第2検出器140の2つを設けることとしたが、これに限定されず、1個または3つ以上の検出器を設けてもよい。
【0093】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0094】
100 計数装置
130 第1検出器
130a 投光器
130b 受光器
140 第2検出器
140a 投光器
140b 受光器
150 制御部
300 計量部
BT 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の数を計測する計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の数を計数する計数装置が開発されている。例えば、特許文献1には、シュートの案内面に粉体を付着させて積もらせることのないようにした固体物品計数装置について開示されている。
【0003】
特許文献1記載の固体物品計数装置においては、上部および下部にそれぞれ傾斜した案内面および略垂直部が形成され、情報から上方から連続的に送り出される固形物品とその粉体を上記案内面および略垂直部に沿って下方へ案内するシュートと、このシュートによって案内された上記固形物品の数をカウントする上記略垂直部に隣接配置されたカウント手段とを具備した固形物品計数装置において、上記シュートは上記案内面に直交しかつ垂直方向に互いに上記固形物品の大きさより小さい微小隙間を有して配列された配列された複数の板状体で形成され、かつ上記案内面は上記各板状体の各傾斜端面で形成されてなるものである。
【0004】
また、特許文献2には、大量生産される小型部品などの同一重量物を所定個数計数して分包、箱詰め等を自動的に行わせる自動計数装置に関するもので、各種の電子回路を利用したスケールと該スケールからの出力信号によって振動状態が制御される搬送板に加えて、パーツフィーダの考え方に基づく補助搬送板を組合せ、迅速且つ正確な計数をなしうるようにしたものである。
【0005】
特許文献2記載の自動計数装置においては、基準個数の重量に基づいて同一重量物品の所定個数を重量換算で計算するものであって、ホッパに収容した被計数物品を搬送板によってスケール上に所定個数供給するべくスケールからの出力信号によって、搬送板として、物品を大量に送る主搬送板と、物品を1個ずつ1列に整列して送る補助搬送板の少なくとも2系列を設け、且つ該補助搬送板の落下口近傍に被計数物品を1個ずつ計数する検知手段を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用平1−32153号公報
【特許文献2】特開昭58−30931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の固体物品計数装置においては、物品の不要な破片を取り除くことができるものの、確実に物品を容器内に収容させることはできない。また、特許文献2記載の自動計数装置においては、2径路を有することにより小型部品の個数の微調整をすることができるが、小型部品は、ほとんど誤差のない同一重量物であり、誤差のある物品に対して特許文献2記載の自動計数装置を適用することができない。すなわち、誤差のある物品の場合、総重量を確認しても、誤差の合計が当該物品1個分の重量を超過する場合があり容器内の物品の個数の相違が生じる。
【0008】
本発明の目的は、誤差のある物品に対して正確に計数を行い確実に容器に収容することができる計数装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
一局面に従う計数装置は、目標個数の物品を計数して容器に収容する計数装置であって、物品を計数する計数部と、物品が充填された容器を計量する計量部と、目標個数よりも少ない設定個数で計数部による結果と計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって容器内における物品の充填量の適正を判定する制御部とを備えるものである。
【0010】
計数装置は、計数部により物品が計数される。計量部により物品が充填された容器が計量される。制御部は、目標個数よりも少ない設定個数で計数部による結果と計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって容器内における物品の充填量の適正を判定する。
【0011】
この場合、制御部により目標個数に達する前の設定個数において、計数部における結果と計量部における結果とを比較して、容器内の物品の充填量を判定することができるので、計数部により計数された個数(または個数から推定された重量値)と、容器内の現実の重量から推定された個数(または計量部による実際の重量値)とを随時に比較することができ、誤差のある物品の場合であっても、容器への充填途上で容器外へこぼれたことを容易に認識することができる。したがって、物品の個数を確実に把握することができる。例えば、極めて正確に容器内に収容すべき物品の個数が要求される場合、当該計数装置により容器内に収容する物品の個数を確実に計数して収容することができる。
【0012】
(2)
容器は、計数部の下方に設けられ、計量部は、計数部にて計数された物品が収容された容器を、当該容器ごと計量してもよい。
【0013】
この場合、下方へ落下する物品が容器内に収容されたことを確認することができる。具体的に、計量部は、物品が収容された容器ごと計量を行うので、計数後、物品の容器への充填途上で容器外へこぼれたことを容易に認識することができる。
【0014】
(3)
設定個数は、物品の設定個数分における累積誤差が物品の1個の重量以下となる個数であることが好ましい。
【0015】
この場合、設定個数の累積誤差が物品1個の重量以下となる個数であるので、容器内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。
【0016】
(4)
制御部は、設定個数ごとに充填量の適正の判定を行ってもよい。
【0017】
この場合、制御部は、設定個数ごとに充填量の適正の判定を行うので、複数回に分けて容器内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。
【0018】
(5)
制御部は、判定を行うごとに、計量部による重量値を零に再設定することが好ましい。
【0019】
この場合、設定個数の判定を行うごとに、計量部による重量値を零に再設定することにより、判定ごとに累積誤差を消去することができるので、累積誤差の積み重ねを防止することができる。
【0020】
(6)
物品は、糖衣された錠剤であってもよい。
【0021】
この場合、正確な個数の錠剤を容器内に収容することができる。すなわち、錠剤の個数が1個でも多い場合または1個でも少ない場合には、使用者が呑み忘れた、または飲みすぎていると勘違いし、不安な気持ちを抱かせてしまう。また、使用者が定期的にしっかりと飲んでいる確信がある場合には、錠剤の個数に不信感を持つ場合もある。したがって、錠剤に関しても正確な個数分容器内に収容することができるので、錠剤メーカへの信頼失墜を防止することができる。また、一般的に糖衣された錠剤は、通常の錠剤と異なり、糖衣の付着量(コーティング量)に左右されて錠剤の重量の差が大きくあらわれる。したがって、容器内に糖衣された錠剤が多数収容される場合には、糖衣の付着量の差が、糖衣された錠剤単体の重量を超過することとなる。その結果、最終的に容器の重量を計量しても錠剤の個数を正確に認識することはできない。しかしながら、計数装置を用いることにより糖衣された錠剤であっても、所定個数の糖衣された錠剤を容器内に収容することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る計数装置によれば、誤差のある物品であっても物品を確実に検出して物品の計数を正確に行い、確実に容器に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る計数装置の構成の一例を示す模式的外観図
【図2】図1の計数装置の主な構成を示す模式的側面図
【図3】図1の計数装置を示す正面図
【図4】計数装置に用いられる電磁フィーダの一例を示す模式図
【図5】第1計数ブロック内の通過部の概略的構造を示す斜視図
【図6】整列トラフの詳細な構成を示す斜視図
【図7】計数装置における主な構成部のタイミングチャートを示す説明図
【図8】制御部における具体的動作の一例を示すフローチャート
【図9】正規分布を説明するための図
【図10】計量装置における計量結果の一例を示す説明図
【図11】制御部における具体的動作の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る計数装置について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本実施形態に係る計数装置100の構成の一例を示す模式的外観図であり、図2は、図1の計数装置100の主な構成を示す模式的側面図であり、図3は図1の計数装置100を示す正面図である。
【0026】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る計数装置100は、主に第1計数ブロック111、第2計数ブロック112、シャッタ120、シリンダ121、第1検出器130、計数アンプ131、第2検出器140、計数アンプ141、制御部150、警告装置160、計数ホッパ170、連結部材180、シリンダ181、シュート191、貯留部192、整列トラフ210、供給トラフ211、計量部300、排出装置350およびタッチパネル500を有する。
【0027】
以下、計数装置100における動作の概略について説明を行い、後に計数装置100を構成する部分の詳細な説明を行う。
【0028】
図1および図2に示すように、供給トラフ211に物品が供給され、整列トラフ210に送られる。そして、制御部150の指示により整列トラフ210が振動され、整列トラフ210から物品が落下され、第1計数ブロック111の通過部110を通過する。この場合、第1検出器130により物品が検出され、制御部150により複数回の物品の計数が行われる。制御部150において所定の物品個数(例えば、300個)に達していないと判定された場合、シャッタ120が開状態にされ、所定の物品個数に達したと判定された場合、シャッタ120が閉状態にされる。
【0029】
そして、同様に、第2検出器140により物品が検出され、制御部150により物品の計数が行われ、計数ホッパ170に所定個数の物品が保留される。
計数ホッパ170に所定個数の物品が保留された場合、制御部150の指示により計数ホッパ170が開動作され、シュート191を介して物品が容器BT内に収容される。
【0030】
ここで、予め計量部300により空の容器BTの重量が計量されており、物品が収容された後、制御部150により、容器BTの増加分の重量が計量される。そして、容器BTの増加分の重量が所定の重量の範囲内である場合には、計数ホッパ170から所定回数物品の投入動作が繰り返し行われる。所定個数の物品が容器BT内に収容された場合、排出装置350により容器BTが矢印R1の方向に搬出される。
【0031】
次に、各部分の詳細について説明を行う。図2に示すように、シャッタ120は、物品の通過を遮蔽する。シャッタ120はシリンダ121に接続されている。このような構成において、制御部150によってシリンダ121の往復動作が制御されることにより、シャッタ120は矢印D1の方向に往復動する。これにより、シャッタ120は、通過部110を閉塞または開口する。
【0032】
また、図2に示すように、第1検出器130は、光を発する投光器130aおよび当該投光器130aからの光を受ける受光器130bにより構成される。また、第2検出器140は、光を発する投光器140aおよび当該投光器140aからの光を受ける受光器140bにより構成される。なお、受光器130bは計数アンプ131に接続され、受光器140bは計数アンプ141に接続されている。計数アンプ131、141は、制御部150に物品の通過の計数結果を与える。
【0033】
さらに、整列トラフ210を後述する電磁フィーダの電磁石により振動させることによって、当該整列トラフ210上の物品が下流に搬送される。なお、供給トラフ211についても同様である。
【0034】
第1計数ブロック111上には第2計数ブロック112が設けられている。なお、図示は省略したが、第2計数ブロック112内にも物品が通過するための通過部が設けられている。
【0035】
供給トラフ211および整列トラフ210上を搬送されてきた物品は、第2計数ブロック112の図示しない通過部を通過した後、第1計数ブロック111の通過部110を通過する。
【0036】
通過部110の入口近傍の第1計数ブロック111において、投光器130aにより発せられた光が通過するための光通過部113(図5参照)が貫通して形成されている。また、同様に、通過部110の出口近傍の第1計数ブロック111において、投光器140aにより発せられた光が通過するための光通過部114が貫通して形成されている。
【0037】
第1検出器130は、シャッタ120より上流に設けられた上記の光通過部113の高さに対応する位置に設けられている。また、第2検出器140は、シャッタ120より下流に設けられた上記の光通過部114の高さに対応する位置に設けられている。
【0038】
第1検出器130により所定数(例えば50個)を超える数の物品が検出された場合には、シャッタ120が物品の通過を阻止するように制御部150により当該シャッタ120が閉じられる。これにより、物品の通過部110内の通過がシャッタ120により遮られる。この場合、所定数を超える数の上記物品はシャッタ120の面上に止まる。上記のようなシャッタ120の動作により、所定数を超える物品が下流に導かれることが防止される。
【0039】
第1計数ブロック111の下方には、通過部110に連通した計数ホッパ170が配設されている。計数ホッパ170は通過部110を通過してきた物品を受け取る。計数ホッパ170は、回動可能なホッパゲート170aと回動可能なNGゲート170bとが互いに密着するように合わさることにより、通過部110を通過してきた物品を一時的に保持する部材となる。
【0040】
ホッパゲート170aは連結部材180に軸支されており、当該連結部材180はシリンダ181に接続されている。このような構成において、制御部150によりシリンダ181が制御されることによって、連結部材180が往復動する。それにより、ホッパゲート170aは矢印D2の方向に回動する。同様に、NGゲート170bについても、図示しない連結部材およびシリンダにより、矢印D2の方向に回動するようになっている。
【0041】
制御部150によりホッパゲート170aが図面左側に回動された場合に計数ホッパ170内から落ちてくる物品を受け取ることが可能な位置に、当該物品を良品として容器に投入するシュート191が設けられている。
【0042】
また、制御部150によりNGゲート170bが図面右側に回動された場合に計数ホッパ170内から落ちてくる物品を受け取ることが可能な位置に、当該物品をNG品として貯留する貯留部192が設けられている。
【0043】
第1検出器130により検出された物品の数が所定数に達した場合に、制御部150によりホッパゲート170aが矢印D2の方向に回動される。それにより、計数ホッパ170内の物品はシュート191に投入される。したがって、所定数の物品を確実に容器BTに投入することができる。
【0044】
ここで、制御部150によりシャッタ120が開けられた場合で、第1検出器130により検出済みの所定数を超える数の物品が第2検出器140により検出されなかった場合、すなわち、物品が、通過部110内またはシャッタ120等における詰まりまたは引っ掛かり等により通過部110に残留している場合には、制御部150は警告装置160が警告を行うよう指示する。この場合の警告は音によるものであってもよいし、タッチパネル500または警告灯等の視覚によるものであってもよい。
【0045】
また、排出装置350は、シュート191の下方に設けられる。排出装置350は、排出装置350の上面に容器BTを載せて矢印R1の方向に搬送できるように設けられる。また、シュート191の下方で、かつ容器BTの配置位置の下方に計量部300が設けられる。計量部300は、容器BT内に収容される物品の重量を容器BT全体として計測することができるように設けられる。また、計量部300により計量された計量結果は、制御部150に与えられる。また、タッチパネル500は、各種設定を行うことができるように設けられており、各種設定情報は、制御部150に与えられる。
【0046】
また、図3に示すように、本実施形態に係る計数装置100においては、整列トラフ210は物品がそれぞれ載置されるための複数の列212を含む。列212の数は例えば15列である。通過部110、シャッタ120、第1検出器130および第2検出器140は、列212ごとにそれぞれ設けられている。なお、供給トラフ211については、複数の列はなく平らな底であってもよい。
また、上述した物品の所定数は、各第1検出器130により検出される物品の数の合計である合計所定数として決定される。
【0047】
このような構成において、いずれかの第1検出器130により合計所定数(例えば50個)を超える数の物品が検出された場合には、制御部150により上記いずれかの第1検出器130に対応するシャッタ120が閉じられる。これにより、所定数を超える物品が下流に導かれることが防止される。
【0048】
次いで、電磁フィーダ200の構成の詳細について説明する。図4は計数装置100に用いられる電磁フィーダ200の一例を示す模式図である。
【0049】
図4に示すように、本例の電磁フィーダ200は、複数のコイルスプリング220を介して設置されるベース部材230と、その上方に配置された整列トラフ210とを有する。整列トラフ210の下面にはフレーム部材240が取り付けられている。
【0050】
ベース部材230の取り付け面231とフレーム部材240の取り付け面241とにバネ体250が取り付けられている。また、ベース部材230の取り付け面232とフレーム部材240の取り付け面242とにバネ体260が取り付けられている。このような構成において、整列トラフ210がバネ体250、260を介してベース部材230上に弾力的に支持されている。
【0051】
ベース部材230上には電磁石270が設けられている。また、フレーム部材240の取り付け面241の背面には、電磁石270に近接するように磁性体280が取り付けられている。
【0052】
電磁石270に通電した場合には、当該電磁石270の面から磁性体280に電磁吸引力が作用することにより、バネ体250、260は撓む。一方、電磁石270に対する通電を停止した場合には、バネ体250、260は撓み状態から復元する。したがって、電磁石270に対する間欠的な通電により整列トラフ210が矢印D3の方向に振動するようになっている。なお、供給トラフ211も同様な構成により振動される。
【0053】
次に、第1計数ブロック111内の通過部110の構造について図面を参照しながら説明する。図5は第1計数ブロック111内の通過部110の概略的構造を示す斜視図である。
【0054】
図5に示すように、光通過部113には、その内壁面に凹凸形状の凹凸処理部113aが形成されており、これにより投光器130aからの光が反射し難い構成となっている。このため、物品の通過時に生じる、受光器130bの受光量の減少が確実に抑えられる。また、光通過部114についても同様な構成となっている。
【0055】
なお、投光器130aおよび受光器130bによる検出領域は、光通過部113の大きさに充分対応したものであり、物品の通過を確実に検出できるように形成されている。
【0056】
次に、図6は整列トラフ210の詳細な構成を示す斜視図である。図6に示すように、整列トラフ210は、各列212ごとに、それらの上流において、非直線的に形成された搬送経路213をそれぞれ有する。なお、物品は整列トラフ210により矢印D4の方向に沿って搬送される。
【0057】
このように、非直線的に形成された搬送経路213を各列212ごとに設けることにより、複数の物品が密着して群として搬送されている場合に、その群が搬送経路213において分離され易くなる。それにより、通過部110(図3参照)を通過する物品を個別に検出し易くなる。例えば、糖衣された錠剤の場合には、互いに糖衣部分が密着し、一群の物品が搬送される場合があるが、これらも搬送径路213により密着を分離させることができる。
【0058】
次に、図7は計数装置100における主な構成部のタイミングチャートを示す説明図である。なお、図7においては、供給トラフ211を振動させる電磁フィーダ(図示せず)を供給フィーダと呼び、整列トラフ210を振動させる上述の電磁フィーダ200を搬送フィーダと呼ぶ。
【0059】
図7に示すように、時間t1において供給トラフ211および整列トラフ210の振動が開始される。これらにより、物品が供給トラフ211および整列トラフ210上を搬送される。第1検出器130による所定数の物品の検出が終了した時点で、供給トラフ211および整列トラフ210の振動が終了する。
【0060】
その後、各第1検出器130のいずれかにより所定数(例えば50個)を超える数の物品(例えば51個目)が検出された場合、制御部150によりシャッタ120が閉じられる。なお、この場合、通過部110の入口からシャッタ120の位置までの距離は、シャッタ120の遮蔽時間よりも物品の落下時間の方が長くなるように設けているので、通過部110の入口から入ってきた物品はシャッタ120の上面で止まる。
【0061】
その後、時間t2において制御部150によりホッパゲート170aが回動されて計数ホッパ170が開口される。そして、時間t3においてホッパゲート170aが回動されて計数ホッパ170が閉口される。時間t4において制御部150によりシャッタ120が開けられる。これにより、新たに計数処理が開始される。
【0062】
続いて、本実施形態に係る計数装置100における主な動作のフローについて図面を参照しながら説明する。図8は、制御部150における具体的動作の一例を示すフローチャートであり、図9は、正規分布を説明するための模式図であり、図10は計量部300および制御部150における計量結果の一例を示す説明図である。また、物品は、糖衣された錠剤である場合で、当該糖衣された錠剤を300個ずつ容器BTに収容する場合について説明を行う。
【0063】
図8に示すように、制御部150は、計数装置100において容器が搬入されたことを認識する(ステップS1)。次に、計量部300において、風袋零点をとる(ステップS2)。ここで、風袋零点とは、容器BTの重量を仮想的に零と設定することで、空の容器BTの重量をキャンセルすることである。その結果、容器BT内に収容された物品の重量のみが、計量部300により計量される。
【0064】
続いて、計数装置100の制御部150は、糖衣された錠剤について50個分計数を行ったか否か判定する(ステップS3)。すなわち、制御部150は、計数アンプ131および第1検出器130から糖衣された錠剤50個分の計数が行われていないと判定した場合には、糖衣された錠剤が50個の計数を行うまで繰り返し、計数を行う。一方、50個の計数を行ったと判定した場合には、次に制御部150は、計量部400からの計量値を1個あたりの糖衣された錠剤の重量で除算し、50個か否かの判定を行う(ステップS4)。
【0065】
ここで、糖衣された錠剤の設定個数を決定する手法について説明する。糖衣された錠剤について約1000個程度の個別重量を計量し、その個別重量から糖衣された錠剤1個の平均重量(単重)X1と標準偏差σを算出する。
統計学上、上記錠剤n個を計量する場合には、n個分の平均はn*(X1)となる。また、n個分の標準偏差は(n^(0.5))*σとなるため、前述標準偏差の3倍の±を考慮すれば99.73%の確率でn個分の重量範囲が定まる。
【0066】
このため、n*(X1)+3*(n^(0.5))*σ)<=(n+1)*(X1)―3*((n+1)^(0.5))*σの関係が成り立てばn個分の計量に弁別が可能となる。
つまり、n=<((A−1)^2)/4A、A=(X1^2)/(9σ^2)が成り立つ個数が一括で計量して個数判別できる限界である。
【0067】
本実施の形態においては、平均重量X1が5gであり、標準偏差σが0.117であるとする。
この場合、n=<50.22となる。したがって、n=300、300個の錠剤の重量を一括で計量して個数判別をすることはできない。したがって、nは50.22個以下、すなわち50個以下であれば、標準偏差の3倍の確率で重量範囲を定め、錠剤の設定個数を定めることができる。本実施の形態において糖衣された錠剤を50個に設定する。
【0068】
次いで、制御部150が計量部300からの重量値に基づいて糖衣された錠剤が50個分であると判定した場合には、糖衣された錠剤が累積300個であるか否かを判定する(ステップS5)。
すなわち、ステップS5のカウントが6回行われた、具体的には累積300個であると判定した場合には、排出装置350に容器BTの搬送を指示する(ステップS6)。
【0069】
すなわち、図10(a)に示すように、計量部300においてタイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の複数回(6回)のそれぞれで計量が行われ、図10(b)に示すように制御部150は、計量値に基づいて糖衣された錠剤の50個分か否かを図10のタイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の個々において判定する。
【0070】
また、図10(a),(b)に示すように、当該タイミングt11,t12,t13,t14,t15,t16の判定後に、制御部150は、50個ずつ計量した重量値を、計量部300による計量結果からキャンセルする。この操作は、計量部300でおこなってもよい。すなわち、誤差分αを累積するのではなく、各計量毎に重量がOKか、NGかを判定し、50個ずつ計量した重量値をキャンセルさせることで累積誤差をキャンセルさせている。
【0071】
続いて計量部300において、糖衣された錠剤50個ずつが増加する。そして、タイミングt17において錠剤300個を収容した容器BTが次工程へ搬送される。
【0072】
一方、制御部150は、ステップS5のカウントが6回行われていない、すなわち累積300個でないと判定した場合には、再度ステップS3からステップS5までの処理を繰り返し行う。
【0073】
また、ステップS4の処理において、制御部150が、計量部300において計量された値が、糖衣された錠剤の重量50個分の重量値範囲でないと判定した場合、糖衣された錠剤の個数のカウントミスまたは、糖衣された錠剤の欠け等が生じていると想定されるため、制御部150は、エラー表示を行い(ステップS7)、排出装置350に容器BTの排出を指示する(ステップS8)。
【0074】
次に、図11は、計数装置100における制御部150の動作一例を示すフローチャートである。
【0075】
図11に示すように、制御部150は、第1検出器130において50個の検出が行われたか否かを判定する(ステップS21)。制御部150は、第1検出器130において50個の検出が行われていない(ステップS21のNo)、すなわち49個目の検出等である場合には、50個の検出が行われるまで待機する。一方、50個の検出がされたと判定された場合(ステップS21のYes)、制御部150は、供給トラフ211を振動させる供給フィーダ、整列トラフ210を振動させる搬送フィーダの両トラフに停止指示を与える(ステップS22)。
【0076】
続いて、制御部150は、第1検出器130において51個目の検出が行われた否かを判定する(ステップS23)。本来であれば、糖衣錠材が落下しないように、トラフに停止指示を与えているが、糖衣錠剤がわずかな残存振動等により落下する場合もある。
【0077】
制御部150は、第1検出器130において51個目の検出が行われたと判定した場合(ステップS23のYes)、シャッタ120の閉指示を行う(ステップS24)。続いて、制御部150は、第2検出器140において50個以上検出したか否かを判定する(ステップS25)。
【0078】
制御部150が、第2検出器140において50個以上検出したと判定した場合には(ステップS25のYes)、制御部150は、第2検出器140において51個検出したか否かを判定する(ステップS26)。さらに制御部150が第2検出器140において51個検出したと判定した場合には(ステップS26のYes)、制御部150は、エラー表示を行い(ステップS27)、貯留部192から糖衣錠材を排出する(ステップS28)。
【0079】
一方、ステップS23において、制御部150は、第1検出器130において51個検出していないと判定した場合(ステップS23のNo)制御部150は、第2検出器140において50個検出したか否か判定する(ステップS29)。
【0080】
制御部150は、第2検出器140において50個検出したと判定した場合(ステップS29のYes)には、正常に糖衣錠材が50個計数されたとして、容器BT内に収容され、容器搬送(ステップS30)が行われる。
【0081】
一方、制御部150は、第2検出器140において50個検出していないと判定した場合(ステップS29のNo)には、予備エラー表示(ステップS31)を表示させ、貯留部処理(ステップS32)を実行させる。同様に、制御部150が、第2検出器140において50個以上検出していないと判定した場合(ステップS25のNo)には、予備エラー表示(ステップS31)を表示させ、貯留部処理(ステップS32)を実行させる。
【0082】
ここで、貯留部処理とは、シャッタ120の上面または移送径路のいずれかに糖衣錠材が停止している状態を示す。したがって、回動可能なNGゲート170bを開き、シャッタ120の上面または移送径路のいずれかに停止している糖衣錠材を貯留部192に排出処理する。そして、不足個数の糖衣錠材を再度、トラフを振動させて、容器BT内に収容させることができる。
但し、一度、検出においてエラーが出ているので、予備エラー表示を出し(ステップS31)、確認を行うことができるように配慮されている。
【0083】
<本実施形態における効果>
本実施形態においては、制御部150により設定個数(50個)において、計数アンプ131および第1検出器130における個数と計量部300における個数とを比較して、容器BT内の糖衣された錠剤の充填量を判定することができるので、計数アンプ131および第1検出器130により計数された個数(または個数から推定された重量値)と、容器BTごと、当該容器BT内の現実の重量から推定された個数(または計量部による実際の重量値)とを随時に比較することができ、誤差αのある物品の場合であっても、容器BTへの充填途上で容器BT外へこぼれたことを容易に認識することができる。したがって、物品の個数を確実に把握することができる。例えば、極めて正確に容器BT内に収容すべき物品の個数が要求される場合、当該計数装置100により容器BT内に収容する物品の個数を確実に計数して収容することができる。
【0084】
また、制御部150は、設定個数(50個)ごとに充填量の適正の判定を行うので、複数回(6回)に分けて容器BT内における物品の充填量の適正を確実に判定することができる。さらに、制御部150は、設定個数(50個)の判定を行うごとに、計量部300による重量値を零に再設定することにより、判定ごとに累積誤差(α×複数回)を消去することができるので、累積誤差(α×複数回)の積み重ねを防止することができる。
【0085】
また、特に、一般的に糖衣された錠剤は、通常の錠剤と異なり、糖衣の付着量(コーティング量)に左右されて錠剤の重量の差が大きくあらわれる。したがって、容器BT内に糖衣された錠剤が多数収容される場合には、糖衣の付着量の差が、糖衣された錠剤単体の重量を超過することとなる。その結果、最終的に容器BTの重量を計量しても錠剤の個数を正確に認識することはできない。しかしながら、計数装置100の第1検出器130および計数アンプ131と、計量部300とを用い、複数回に分けて計量することにより糖衣された錠剤であっても、確実に所定個数の糖衣された錠剤を容器BT内に収容することができる。
【0086】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、糖衣された錠剤が、物品に相当し、50個が設定個数に相当し、300個が目標個数に相当し、計数装置100が計数装置に相当し、第1検出器130および計数アンプ131が計数部に相当し、容器BTが容器に相当し、誤差(α×複数回)が累積誤差に相当し、計量部300が計量部に相当し、制御部150が制御部に相当する。
【0087】
<変形例>
なお、上記実施形態では、容器BTに収容される物品を糖衣された錠剤であるとして説明を行ったが、これに限定されず、他の任意の物品であってもよい。また、容器BTに収容される物品を300個とし、50個ずつ複数回に分けて容器BT内に収容することとしたが、これに限定されず、他の任意の個数、例えば、物品の誤差の合計が物品の単体当たりの重量を超えないタイミングである1個、2個ずつ容器BT内に収容することとしてもよい。
【0088】
また、上記の実施の形態においては、主に個数で判定、すなわち計量部300の計量値を糖衣された錠剤の1個あたりの重量値に基づいて、容器BTに収容された錠剤個数を求め、第1検出器130、計数アンプ131からの個数と比較することとしているが、これに限定されず、主に重量で判定、すなわち第1検出器130、計数アンプ131からの個数に糖衣された錠剤の1個あたりの重量を積算し、計量部300の計量値と比較してもよい。
【0089】
なお、本実施の形態において、第2検出器140は、必須の構成要素ではなく、確実性を担保するために設けている。したがって、第2検出器140、計数アンプ141をさらに用いて比較を行ってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、第2検出器140の機能として通過部110に残留している物品を検出することを採用したが、これに限定されるものではなく、シャッタ120が開けられている状態で、第1検出器130の検出位置を通過してきた物品の検出を行うために用いてもよい。すなわち、すでに第1検出器130にて把握している、シャッタ120により通過を阻止された物品の落下確認を第2検出器140で行い、引き続き通過する物品の検出を行い、第1検出器130との物品通過数値の比較を行うことにより、計数精度の信頼性の飛躍的向上が図れる。
【0091】
また、上記実施形態では、物品を検出するための第1検出器130および第2検出器140として、投光器130a、140aおよび受光器130b、140bを使用したが、これらに限定されるものではなく、例えばX線検出器等の他の検出器を使用してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、物品の検出器として、第1検出器130および第2検出器140の2つを設けることとしたが、これに限定されず、1個または3つ以上の検出器を設けてもよい。
【0093】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0094】
100 計数装置
130 第1検出器
130a 投光器
130b 受光器
140 第2検出器
140a 投光器
140b 受光器
150 制御部
300 計量部
BT 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標個数の物品を計数して容器に収容する計数装置であって、
前記物品を計数する計数部と、
前記物品が充填された前記容器を計量する計量部と、
前記目標個数よりも少ない設定個数で前記計数部による結果と前記計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって前記容器内における前記物品の充填量の適正を判定する制御部とを備えることを特徴とする計数装置。
【請求項2】
前記容器は、前記計数部の下方に設けられ、
前記計量部は、前記計数部にて計数された物品が収容された容器を、当該容器ごと計量することを特徴とする請求項1記載の計数装置。
【請求項3】
前記設定個数は、前記物品の設定個数分における累積誤差が前記物品の1個の重量以下となる個数であることを特徴とする請求項1または2記載の計数装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記設定個数ごとに充填量の適正の判定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の計数装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記判定を行うごとに、前記計量部による重量値を零に再設定することを特徴とする請求項4に記載の計数装置。
【請求項6】
前記物品は、糖衣された錠剤であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の計数装置。
【請求項1】
目標個数の物品を計数して容器に収容する計数装置であって、
前記物品を計数する計数部と、
前記物品が充填された前記容器を計量する計量部と、
前記目標個数よりも少ない設定個数で前記計数部による結果と前記計量部による結果とを比較し、当該比較結果によって前記容器内における前記物品の充填量の適正を判定する制御部とを備えることを特徴とする計数装置。
【請求項2】
前記容器は、前記計数部の下方に設けられ、
前記計量部は、前記計数部にて計数された物品が収容された容器を、当該容器ごと計量することを特徴とする請求項1記載の計数装置。
【請求項3】
前記設定個数は、前記物品の設定個数分における累積誤差が前記物品の1個の重量以下となる個数であることを特徴とする請求項1または2記載の計数装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記設定個数ごとに充填量の適正の判定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の計数装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記判定を行うごとに、前記計量部による重量値を零に再設定することを特徴とする請求項4に記載の計数装置。
【請求項6】
前記物品は、糖衣された錠剤であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の計数装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−196748(P2011−196748A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62044(P2010−62044)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(599124909)株式会社イシダエンジニアリング (10)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(599124909)株式会社イシダエンジニアリング (10)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
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