説明

計量−分配プロセスを最適化する方法及び計量−分配装置

【課題】妥当な時間内に目標重量に対する高い精度を得るための計量−分配プロセスを最適化する。
【解決手段】第一の適用量分配の前に、計量−分配プロセスに関する少なくとも1つの流動パラメータが計量−分配ユニットのメモリモジュール内に記憶されていることがわかった場合には、当該流動パラメータがメモリモジュールから呼び出され、記憶されていない場合には、流動パラメータが中央データベースから呼び出されるか、又はデフォルト設定に基づいた計量−分配プロセスの第一のランによって少なくとも1つの流動パラメータが決定され、メモリモジュールに記憶される。本発明の計量−分配装置は、計量−分配プログラムを実行する制御及び調整ユニットを備えた駆動装置を備え、計量−分配ユニットは、駆動装置内の定位置に設置でき且つ駆動装置から取り外すことができ、前記計量−分配ユニットには少なくとも1つのメモリモジュールが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量−分配装置による計量−分配プロセスの最適化に関し、更に、粉末又はペースト形状の物質の測定された適用量を分配するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の計量−分配装置は、特に、例えば有毒物質を小さな目標容器内へ高い精度で少量分配するという用途がある。このような受け入れ容器は、計量−分配装置から分配される物質を秤量し、続いて、所定の仕様に従って更に処理するために秤上に配置されることが多い。
【0003】
分配されるべき物質は、例えば分配ヘッドを備えている供給源容器内に入れられている。物質は、目標とされる流れによって狭い断面積の穴を有する容器内へも充填できるように、計量−分配装置の小さな出口穴を介して外部へと給送することが望ましい。
【0004】
注入可能な粘稠度を有する乾燥及び/又は粉末物質用の計量−分配装置は、公知の技術に属し且つ現在使用されている。例えば、WO2004/042334 A1においては、駆動装置と、駆動装置内の定位置に据え付けることができる分配ヘッドとからなる計量−分配装置が記載されている。当該分配ヘッドは、供給源容器に接続され且つその下面に閉止可能な出口を備えている。装置が作動位置にあるときには、秤は、分配ヘッドの下に配置されて、目標容器が秤量パン上に据え付けることができるようになされる。計量−分配プロセス中においては、分配されるべき物質は、供給源から移され且つ計量されて目標容器内へ入れられる。計量−分配プロセス中に秤によって連続的に計量される重量の増加は制御−調整ユニットへと伝えられ、当該制御−調整ユニットは、所望量の物質が分配されるとすぐに、又は、目標容器内の物質の量がユーザーによって規定された目標重量に達したときに、分配プロセスを停止させる。(特許文献1参照)
この種の分配プロセスにおいては、計量−分配装置は、規定量以上に物質を給送する傾向を有するので、計量−分配装置によって達成できる精度、又は、より特定すると、許容範囲内の目標重量に適合して達成できる精度には限度がある。その理由は、目標容器内が目標重量に達したときには、分配ヘッド内に付加的な物質が既に残っており且つ例えば計量−分配装置と目標容器との間で自由落下状態にあり、これは、目標容器の底部上に落ちるか又は既に分配された物質の頂部上に落下した後にのみ秤量結果に影響を及ぼすことにある。
【0005】
達成可能な目標重量のばらつき範囲によって表される計量−分配装置の許容帯域幅は、特に秤の応答時間によって影響を受ける。計量−分配装置の制御及び調整ユニット内の秤量信号が比較的遅く到達することにより、その間に多大な物質が既に分配される。WO2004/042334 A1に開示されている装置のように、計量−分配プロセスの始まりから終わりまで物質の連続的な給送を提供する多くの計量−分配装置においては、分配されるべき物質の質量流量又は体積流量は、秤又は電子秤量装置の応答時間を考慮に入れるために、制御及び調整ユニットにおいて実行される分配プログラムによって、計量−分配プロセスが終わりに近づくにつれて遅くされる。しかしながら、計量−分配プロセスが必要とされる精度に応じて、より長く時間がかかる結果として、目標重量又は目標特性の特に狭い許容誤差のために、計量−分配プロセスは極めて長い時間がかかり得る。
【0006】
分配プログラムは、分配ヘッドに設けられた出口穴が計量−分配プロセスの時間に亘って開くか閉じる可変の程度を判定する。
【0007】
圧力及び温度のような所定の雰囲気状態下で流れ特性がほぼ一定のままである流体とは異なり、粉末又はペースト形態の物質の流動特性は、著しく多数の影響要因によって影響を受ける。同じ粉末は、単に異なるかさ密度により、全体的に異なる流動特性を呈し得る。例えば、圧縮された小麦粉は、緩く凝集せしめられた小麦粉と比較して根本的に異なる形態でふるまう。
【0008】
分配プロセスにおける物質の流動特性はまた、雰囲気又は物質自体の相対湿度の変化の結果として大きく変わり得る。
【0009】
更に、計量−分配プロセスにおける物質の個々の粒径及び粒径の分布並びに粒子形状は、流れ特性に対して決定的な影響を有する。これらの影響要因の全てが、均一な許容誤差幅を有する全範囲の公知の粉末に対して一つの同じ計量−分配プログラムを使用することをほぼ不可能にさせる。
【特許文献1】WO 2004/042334A1公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、計量−分配プロセスのための妥当な完了時間内に意図した目標重量に対する高レベルの精度を得ることを可能にする計量−分配プロセスを最適化する方法を提供することを目的とすると共に、当該最適化された計量−分配プロセスを実行するのに適した計量−分配装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求の範囲の独立項に記載された特徴を有する方法及び計量−分配装置によって達成される。
【0012】
本発明による計量−分配プロセスの最適化方法を実行するためには、計量−分配プログラムが実行できるように設計された制御及び調整ユニットを備えた駆動装置が設けられた計量−分配装置を利用できることが必要である。前記駆動装置は、適用量の物質を給送するための少なくとも1つの計量−分配ユニットと協働し、当該計量−分配ユニットは、少なくとも1つのメモリモジュールを備えている。
【0013】
粉末又はペースト状の物質のための計量−分配装置の計量−分配プロセスを最適化する方法においては、
・ 制御及び調整ユニットが、計量−分配プロセスの第一のランの前に、計量−分配プロセスに関する少なくとも1つの流動パラメータがメモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット内に記憶されているか否かを点検し、
・ 記憶された流動パラメータが存在することがわかった場合には、少なくとも1つの流動パラメータが、制御及び調整ユニットによって少なくとも1つのメモリモジュールから呼び出され、
・ 記憶された流動パラメータが存在しない場合には、ユーザーによって要求が入力されることによって流動パラメータが要求され、流動パラメータが中央データベースから呼び出されるか、又は、計量−分配プログラムのデフォルトセッティングに基づいた計量−分配プロセスの一番目のランによって、少なくとも1つの流動パラメータが決定され、
・ 前記計量−分配プログラムが、少なくとも1つの流動パラメータによって直接適合され、
・ 適合された計量−分配プログラムによって、計量−分配プロセスの少なくとも1つのランが実行され且つ/又は少なくとも1つの流動パラメータがメモリモジュールに記憶される。
【0014】
本質的に分配ヘッドの内部の幾何学的配置に依存し且つ分配されるべき粉末の特性に依存する流動パラメータが決定された後においてのみ、分配されるべき物質の特性が適切に考慮されるような方法で出口穴の開放及び閉塞が起こるように計量−分配プログラムを適用することができる。本発明による方法の重要な利点として、流動パラメータは、引き続く適用量の分配に対して利用できる状態のままであり、メモリモジュール内に記憶されていることによって、分配されるべき物質が充填された計量−分配ユニットに接続されたままである。物質を給送した後に、計量ユニットは、例えば、物質の適用量の次の分配が必要とされるまで貯蔵位置に戻すことができる。この連続的な給送においては、最初に、計量−分配プロセスのゆっくりとした時間のかかるランによって流動パラメータを決定することが必要ではない。なぜならば、流動パラメータは、制御及び調整ユニットによってメモリモジュールから直接呼び出すことができるからである。
【0015】
計量−分配ユニットは、本質的に、計量−分配ヘッドと、少なくとも1つの貯蔵容器とを含んでおり、これらは、嵌合、圧力嵌め又は材料接合によって互いに結合されている。貯蔵容器のみならず計量−分配ヘッドは、少なくとも1つのメモリモジュールを備えることができる。
【0016】
少なくとも1つの流動パラメータは、基本的には、計量−分配ユニット又は更に特定すると分配ヘッドに形成された出口穴から及び当該出口穴の可変の開口断面から計量−分配プロセス中に給送される体積流量又は質量流量によって決定される。
【0017】
このように、流動パラメータは、本質的に、計量−分配ヘッドの出口穴の開口断面積に依存して予想される質量流量又は体積流量を予測する量である。従って、流動パラメータは、分配ヘッドの出口穴が計量−分配プロセス内で特別な物質に対して閉塞される必要があるときを予測することを可能にする。従って、連続的な計量分配においては、所定の重量目標にゆっくりと近づくために、秤からの重量の値を待つ必要がない。給送された物質の量が目標重量の上方許容限界又は下方許容限界に近いことが判明している場合には、測定された重量の値は、単に、給送された物質の量を確認する機能、及び、必要な場合には、流動パラメータ又は計量−分配プログラムを確認する機能を果たす。
【0018】
流動パラメータは、必ずしも独立した値でなければならない訳ではなく、値の関数又はマトリクスの形態を有することも勿論可能である。
【0019】
分配ヘッド及び/又は貯蔵容器は、貯蔵容器内の物質の流動パラメータが記憶されているメモリモジュールを含んでいるので、この流動パラメータもまた最初に決定する必要なく更なる計量分配のために利用可能でもある。流動パラメータが中央データベース内に記憶されている場合には、インターネットのような現在の通信手段によって中央データベースから呼び出すこともできる。このような中央データベースは、例えば試行前の実験によって決定された流動パラメータをユーザーのために保存しておくことができる。
【0020】
ユーザーに可能な最良の支援を提供するために、試行前の実験によって工場で既に決定された流動パラメータをメモリモジュール内に記憶しておくことができる。試行前の実験において見つけられたこの流動パラメータは、粉末流動特性が後に計量−分配ユニット内に充填される物質に似ている基準物質によって決定することができる。このことは、毒性の高い物質を試行前の実験に対して使用する必要がないという利点を有する。
【0021】
もちろん、少なくとも1つの流動パラメータの入力もまた、入力ユニット及び/又は入力/出力ユニットによって行うことができる。
【0022】
本発明の第一の実施形態においては、少なくとも1つの更新される流動パラメータは、少なくとも一連の計量分配の最後において決定され、この少なくとも1つの更新された流動パラメータは、数値又は数値の組み合わせ又は関数としてメモリモジュール内及び/又は制御及び調整ユニット内及び/又は中央データベース内に記憶され且つ/又は入力/出力ユニットによってユーザーへ送られる。
【0023】
本発明の第二の実施形態においては、少なくとも1つの更新された流動パラメータが各計量分配の後に決定され、当該少なくとも1つの更新された流動パラメータは、数値又は数値の組み合わせ又は関数としてメモリモジュール内及び/又は制御及び調整ユニット内及び/又は中央データベース内に記憶され且つ/又は入力/出力ユニットによってユーザーへ送られる。
【0024】
勿論、この更新された流動パラメータの記憶はまた、ユーザーによって確認された後に行うことができる。ユーザーが確認を拒否する場合には、この更新された流動パラメータは破棄される。
【0025】
計量−分配ユニットを駆動装置から取り外した後に分配ヘッドを貯蔵容器から分離することは必ずしも必要とされない。分配ヘッドの気密性に応じて、分配ヘッドは、貯蔵容器が分配ヘッドと共に前記容器内に含まれる物質のための貯蔵容器を形成するように、同時に閉塞蓋として機能することができる。貯蔵容器の投与管理を補助するための手段として、貯蔵容器内に含まれる物質のための少なくとも1つの物質識別値をメモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット及び/又は中央データベース内に記憶することができる。
【0026】
本明細書の導入部分において述べた粉末又はペースト形態の物質の流動特性を決定する影響要因は、同じ分配ヘッド又は同じタイプの分配ヘッドによって異なった種類の粉末又はペーストの満足すべき適用量の給送を達成することを不可能にするかも知れない。
【0027】
従って、駆動装置に対する機械的な結合は同じ設計であるけれども、分配ヘッド内に配列されている機械的構成部品は、種々の方法で構成することができる。物質の流動特性はまたこれらの構成部品によっても影響を受けるので、技術的カテゴリー又は分配ヘッドのタイプに関する少なくとも1つの技術的特性値がメモリモジュール内及び/又は制御及び調整ユニット内及び/又は中央データベース内に記憶されている場合が有利である。
【0028】
適用量給送のために使用される物質は、貯蔵中又は急速に崩壊する物質に対しては一連の幾つかの連続した適用量給送中に変わり得るので、少なくとも1つの物質の特性パラメータ特に物質の耐用年数がメモリモジュール内及び/又は制御及び調整ユニット内及び/又は中央データベース内に記憶される場合が有利である。更に、物質の物質特性パラメータとしては、粒径、粒子の形状、静電特性、化学特性等がある。
【0029】
周辺環境の少なくとも1つの雰囲気パラメータ、特に、湿度及び/又は温度及び/又は雰囲気圧が、少なくとも1つのセンサーによって測定され、メモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット内及び中央データベース内に記憶される場合が同様に有利である。
【0030】
分配ヘッドの機械的構成部品の表面は、例えば計量−分配プロセスにおいて使用される硬く且つ鋭い端縁を有する物質の影響により、計量−分配プロセス中に粗くされ得る。このような粗くされた表面は、流動特性に影響を及ぼすことがあり、又は、小さい粒子が粗くされた表面から落下する場合には、連続する分配動作によって、分配されている物質の汚染を生じさせさえもし得る。従って、理想的には、分配ヘッドの状態を特徴付けている少なくとも1つの状態に関するパラメータ、特に、累積容積及び/又は給送回数が、メモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット及び/又は中央データベース内に記憶される。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つの流動パラメータ及び/又は更新された流動パラメータ及び/又は物質特性パラメータ及び/又は状態に関するパラメータ及び/又は周辺環境の雰囲気パラメータが、各々のパラメータが測定され且つ/又は記憶される時間を示す少なくとも1つの時間情報と共に記憶される。パラメータを少なくとも1つの時間情報と共に記憶することは、監視及び評価のための多数の可能性を開く。記憶されている時間情報データとしては、例えば、適用量の給送のデータ及び時間又は物質特性のための特性パラメータ、分配ヘッドの状態又は周辺環境のための特性パラメータが決定されたときのデータ及び時間を含み得る。
【0032】
例えば、流動パラメータの幾つかの値が年代順に記憶されている場合には、変化が起こったことを判定することができる。この変化は、分配ヘッド及び/又は分配プロセスにおいて使用されている物質の状態についての情報を提供することができる。このような分析の例を以下において説明する。
【0033】
流動パラメータの変化が分配ヘッドの動作寿命に亘って変化する方法又は計量−分配ユニット内の物質の貯蔵時間に亘って変化する方法が試行前の実験から知ることができる場合には、更新された流動パラメータを決定する大きな必要性が存在する。例えば、試行前実験において決定された補正値を使用することによって流動パラメータを調整することができる。
【0034】
従って、
・ 少なくとも1つの流動パラメータに関連する時間情報が制御及び調整ユニット内又は別個のプロセッサユニット内で、最後に決定された物質の特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータと比較することができ、
・ 流動パラメータに関連する時間情報が、最後に決定された物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータに関連する時間情報よりも古い場合には、試行前実験において決定され且つメモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット及び/又は中央データベース内に記憶されている適切な補正値を呼び出すことができ、更新された流動パラメータは、前記少なくとも1つの流動パラメータに基づき且つ制御及び調整ユニットにおいて又は別個のプロセッサユニットにおいて実行可能である補正プログラムによって補正値を考慮に入れることによって決定することができ、最後に決定された物質特性パラメータに関連する前記時間情報、状態に関連するパラメータ又は雰囲気パラメータを更新された流動パラメータに付与することができ、又は
・ 流動パラメータに関連する時間情報が最後に決定された物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関連するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータに関連する時間情報よりも大きい場合には、少なくとも1つの物質特性パラメータ及び/又は状態に関連するパラメータ及び/又は雰囲気パラメータを決定することができる。
【0035】
更に、計量−分配ユニット、特に、分配ヘッド及び/又は分配するために使用される物質は、制御及び調整ユニット又は別個の圧力ユニット内の少なくとも1つの流動パラメータ及び/又は少なくとも1つの更新された流動パラメータ及び/又は少なくとも1つの物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータを、少なくとも1つの閾値と比較することによって監視することができ、閾値を超えたことが判明した場合には、
・ それに応じて摩耗の露出を記録し、又は
・ それに応じて摩耗の露出を記録し且つ全ての摩耗露出の累積和を計算し、又は
・それに応じて摩耗の露出を記録し且つ全ての摩耗露出の累積和を計算し及び許容可能な摩耗露出の最大値との比較によって、許容可能な残りの摩耗露出容量又は分配ヘッドの残っている寿命及び/又は分配のために使用される物質の残っている寿命を計算する。
【0036】
計量−分配プロセスに対して耐久力のある作用を有する全ての変化が摩耗の露出としてカウントされる。例えば、分配ヘッドの作動時間に亘って、分配されている物質と接触している表面は、物質によって粗されるようになり、それによって、流動特性が変わり得る。
【0037】
分配されている物質の耐久力のある変化を生じさせる作用もまた、摩耗の露出としてカウントされる。例えば、分配ヘッドの表面が粗された結果として、個々の粒子は、それら自体が表面に付着することができ、常に移動する他の粒子によって研磨され得る。もちろん、周囲環境の湿度又は温度の変化もまた、分配のために使用される物質の変化を生じさせ得る。
【0038】
閾値を超えること及び/又は最大値を超えることによって、種々の作用が惹き起こされ得る。例えば、制御及び調整ユニット又はプロセッサユニットは、警告を開始させ且つ/又は分配プロセスを中断し且つ/又は装置が作動に適合していることを示す信号を遮断することができる。
【0039】
もちろん、時間の関数として測定されるか又は露出に対して達成された時間情報を有するのが好ましい摩耗の露出もまた、たとえ閾値又は最大値を超えていない場合でも、メモリモジュール及び/又は制御及び調整ユニット及び/又は中央データベース内に記憶することができる。このことにより、個々のサンプルの状態を詳細に記録し且つ恐らくはこれらのデータに基づいて分配された物質の引き続く処理のような更なる作用を調整するための多くの可能性が開かれる。不成功に終わった実験の場合における誤差の分析に対してもまた、これらのデータは重要な情報を提供することができる。
【0040】
読み出し/書き込み装置によって、分配ヘッドのメモリユニット内に記憶されているデータは、ユーザーが所望により、多くの方法で使用することができる。目標容器が目標容器メモリユニットを有している場合には、目標容器内に分配されるか又は含まれるべき物質の少なくとも1つの物質識別値及び/又は目標容器内に分配されるか又は含まれている物質の少なくとも1つの物質特性パラメータは、自動的に又はユーザーによる入力の確認に応答して、この目標容器メモリ内に記憶することができる。このようにして、目標容器内に分配された物質は、明確に特定することができる。付加的な物質特性として、容器内に分配された物質の量を記憶することもまた可能である。このことは特に、厳格な法定要件に従うある物質の追跡性及び監視を補助する。
【0041】
プロセスを実行するためには、適切な計量−分配装置を有することが必要である。理想的には、当該計量−分配装置は、計量−分配プログラムを実行する機能を果たす制御及び調整ユニットを備えた駆動装置を有している。当該駆動装置は、物質の測定された適用量を給送するという目的のための作動の組み合わせとして、少なくとも1つの計量−分配ユニットと結合することができる。計量−分配ユニットは少なくとも1つのメモリモジュールを含んでおり、少なくとも1つのパラメータは制御及び調整ユニットによってメモリモジュールから呼び出すことができ、且つ/又は流動パラメータはメモリモジュール内及び/又はデータベース及び/又は制御及び調整ユニットに記憶することができる。
【0042】
計量−分配ユニットは、独立型のユニットとして設置することができ、又は、例えば、分配プロセスの後に再び取り外すことができるようにホルダー内に設置することができる。駆動装置は、計量−分配ユニットに関して又はホルダーに関して当該駆動装置が計量−分配ユニットと協働することを可能にする方法で設置されなければならない。好ましくは、駆動装置自体には、少なくとも1つの計量−分配ユニットを受け入れる手段が設けられる。このような受け入れ手段は、例えば、計量−分配部材の特別な形状の部品に適合する形状とされている第一及び第二の対応部品、例えば、第一及び第二の形状適合部材とすることができる。これによって、駆動装置は、嵌合結合によって計量−分配ユニットに結合され、駆動装置と計量−分配装置とは、計量−分配装置の作動に互いに独立してそれらの位置をずらすことができないようにされる。
【0043】
計量−分配ユニットは、嵌合、圧力嵌め又は物質接合結合によって相互に結合されている貯蔵容器と分配ヘッドとから実質的に構成される。
【0044】
分配されつつある物質の物質特性パラメータを特徴付けている少なくとも1つのパラメータ及び/又は分配ヘッドの状態を特徴付けている少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は周囲環境の少なくとも1つの雰囲気パラメータが、メモリモジュール内に記憶でき又はメモリモジュールから呼び出すことができる。
【0045】
当該メモリモジュールは、少なくとも1つの直流電気接続及び/又は無線接続によって制御及び調整ユニットに接続することができる。
【0046】
計量−分配装置によって充填されるべき目標容器は、目標容器メモリユニットを含んでいるのが好ましい。この目標容器メモリユニットにおいては、少なくとも1つの物質識別値及び/又は目標容器内に分配されるか又は含まれている物質の少なくとも1つの物質特性パラメータが、制御及び調整ユニットによって自動的に記憶することができ且つ/又はユーザーによる入力確認及び/又は入力の後に、目標容器メモリユニットの内容は、少なくとも1つの読み出し/書き込み装置によって読み取ることができる。
【0047】
少なくとも1つの流動パラメータ又は更新された流動パラメータは、出口穴の可変の開口断面積に対する、計量−分配ユニット又は分配ヘッド上に形成されている出口穴を介する分配プロセス中に分配される物質の体積流量又は質量流量の比率を実質的に表している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明による方法の詳細及び本発明の計量−分配装置の詳細は、図面に示された実施形態の説明において提供される。
【0049】
図1は、計量−分配装置100を示しており、当該計量−分配装置100は、駆動装置150内へ据え付けたり駆動装置150から取り外したりすることができる計量−分配ユニット105,105’を備えている駆動装置を含んでいる。計量ユニット105,105’は、分配ヘッド122と貯蔵容器110,110’とを備えている。駆動装置150は、上方部分157と下方部分158とを備えており、これらは、計量−分配装置100の作動位置において、ほぼ真っ直ぐな垂直軸線において相対的に離れる方向のみならず互いに近づく方向に可動である。このことは、異なる長さの貯蔵容器110,110’を使用することを可能にする。計量−分配ユニット105,105’の簡単な交換及び安全で正確な分配動作を確保するために、計量−分配ユニット105,105’及び駆動装置150は、適切な機械的結合部材を有する必要があり、又は、幾つかの場合には、形状嵌合結合のための適合形状を有する機械的及び電気的結合部材を有する必要がある。この計量−分配ユニット105,105’は、少なくとも1つの第一の形状嵌合部材111を有し、計量−分配装置100の作動位置に対する当該第一の形状嵌合部材111の水平面内での位置は、上方部分157上に形成されている第一の対応部材151によって固定される。計量−分配装置105,105’は更に、少なくとも1つの第二の形状嵌合部材121を備えており、駆動装置150に対する前記第二の形状嵌合部材の空間位置は、下方部分158上に形成されるか又は下方部分158に結合されている第二の対応部材181によって固定される。その結果、計量−分配ユニット105,105’、特に、分配されている物質のための出口穴は、目標容器200に対して正確に整合される。第二の対応部材181上には湿度センサー250が配置されており、これによって、目標容器200の充填穴のすぐ隣の湿度を連続的に監視することができる。計量−分配装置100は、入力/出力装置270に接続されており、当該入力/出力装置270を介して、例えば、目標重量及び目標重量の所望の許容差を入力することができ且つ前記入力/出力装置270は分配プロセスが完了したときの指示を表示する。更に、種々のデータを入力/出力ユニット270から呼び出すことができ又は入力することができる。更に、計量−分配装置100の制御及び調整ユニット165は、種々のメッセージ及び警告を発することができ且つこれらを入力/出力装置270を介してユーザーに提供することができる。
【0050】
図1の貯蔵容器110は基本的な筒形状を有している。しかしながら、他の形状、例えば、正方形、六角形又は八角形の外側若しくは内側断面を有する貯蔵容器もまた可能である。貯蔵容器110,110’を備えた分配ヘッド122が駆動装置150内の定位置に設定されると、その長手軸線は作動状態において垂直方向に向けられ、分配ヘッド122は貯蔵容器110,110’の底端部に配置される。回転駆動装置によって動かすことができ且つ貯蔵容器110内に可動状態で拘束されている閉塞軸132に結合されている閉塞弁本体(図示せず)が、分配ヘッド122内に一体化されている。貯蔵容器110の本体は、筒形状に形成されており且つカバー113によって頂部が閉止されている。カバー113は、閉塞弁本体と反対側の端部に、閉塞軸132を拘束している回転軸受けを備えている通路130を含んでおり、軸の端部が貯蔵容器110から突出している。閉塞軸132の突出端部はカプラー部分131を担持しており、この実施形態においては、カプラー部分131は、カプラースリーブ154を介して、駆動装置150内に一体化されている駆動源155に結合されている。カプラー部材の係合及び脱係合のためには、好ましくは、駆動源155又は少なくとも当該駆動源に結合された駆動軸156が、作動位置に関して直線垂直変位を行うことができるべきである。もちろん、矩形ボルトの代わりに、簡単な方法で相互に分離可能なかみ合い半体を有する如何なる従来技術による結合コネクタを使用することもできる。
【0051】
第一の形状嵌合部材111が第一の対応部材151から滑り出るのを防止するために、計量−分配ユニット105,105’が定位置に載置されたときに、ばね付勢保持ラッチ153が、形状嵌合部材111を着座穴の底部152に対して押し付ける。計量−分配ユニット105,105’を駆動装置150から取り外すためには、保持ラッチ153を電気機械的に又は空気圧によって開くことができる。図1及び2に示されているように、ラッチの鼻状突出部に適切な形状が付与されている場合には、計量−分配ユニット105,105’を取り外すときに、かなりの量の力をかけることによって、形状嵌合部材111によって脇に押され得る。ばね付勢保持ラッチ153及び/又は穴の底部152は、更に、電気接続端子を担持することができ、当該電気接続端子は、計量−分配ユニット105,105’が設置された状態においては、第一の形状嵌合部材111上の又は貯蔵容器110上の対応する対応接点と接触し、それによって、計量−分配ユニット105,105’と駆動装置150との間に電気接続が確立される。このような接続は、計量−分配ユニット105,105’を電気的に接地させるために又は以下に記載されているように計量−分配ユニット105,105’内又は上に配列されているメモリモジュール115,115’,123に結合するためにも使用することができる。このメモリモジュール115,115’,123は、流動パラメータ及び更に貯蔵容器110,110’の長さをも記憶する機能を果たして、駆動装置150がそれ自体自動的に貯蔵容器110,110’の異なる長さに適合することができるようになされている。
【0052】
駆動装置150は更に係止装置160を含んでおり、係止装置160は、計量−分配ユニット105,105’が定位置に載置されているときに、図2に示されているようにカバー113に作用し且つ垂直方向のずれに対して計量−分配ユニット105,105’を固定する。係止装置160もまた、付加的な接点及びメモリモジュール115,115’,123に対する電気接続部を有することができ且つ保持ラッチ153に対して既に説明したように、機械的、電気機械的又は空気圧によって作動させることができる。
【0053】
更に、切欠き114がカバー113上に形成されている。計量−分配ユニット105,105’が設置された状態においては、切欠き114は、回転阻止部材170と係合する。回転阻止安全部材170は、駆動源155によって計量−分配ユニット105,105’に適用されるトルクを吸収し且つ対抗する機能を果たすことができる。図示された実施形態においては、回転阻止安全部材170は、簡単なばね付勢トルクとして形成されて、計量−分配ユニット105,105’を定位置に設置する際には、安全部材170に関して切欠き114の位置に注意を払う必要がないようになされている。駆動源155が駆動軸156によって閉塞軸に結合され、閉塞軸132にトルクが作用せしめられるや否や、計量−分配ユニット105,105’は、安全部材170が係合状態へスナップ嵌合するまで回転によって随行される。もちろん、計量−分配ユニット105,105’はまた、手動によって係止位置へと回転させることもできる。回転阻止安全部材170としては、ばね付勢舌状突出部のみならずクランプキャリパー等をも使用することができる。回転阻止安全部材170もまた、保持ラッチ153に対して既に説明したように、メモリモジュール115,115’,123への電気的接続を付与することができる。更に、回転阻止安全部材170は、計量−分配ユニット105,105’内の閉塞軸132の動きが阻止されている場合に、同時に駆動源のための過荷重保護装置として作用する。もちろん、切欠き114は、計量−分配ユニット105,105’の如何なる所望の位置においても形成することができ、回転阻止安全部材170は、それに応じて、駆動装置150の適合位置に配置することができる。
【0054】
しかしながら、メモリモジュール115,115’,123が、信号ケーブル、バスシステム等のような導電体を介して計量−分配装置100の制御及び調整ユニット165に接続される強い必要度が存在しない。誘導的に作用するか又はラジオ波によって作用する例えば読み出し/書き込み装置175のような無線接続を使用することも可能である。特に、RFID技術がこの用途に対して想到される。
【0055】
計量−分配プロセスの制御及び調整のための適切な制御及び調整変数を測定するための手段として、駆動装置150が、高さ調節可能な脚部159及び電気接続(図示せず)を介して、好ましくは、その荷重受け器191上に目標容器200が配置される力測定装置190に機械的に結合されている。もちろん、力測定装置190もまた、駆動装置150とし機械的に別個のユニットとして配置することができる。別個の配置は、駆動装置150の振動が、秤量信号及び/又は力測定装置190の応答時間に対する有害な作用により、分配プロセス中に、力測定装置190に伝達されるのを防止する。目標容器200は、目標容器メモリモジュール201を担持することができ、目標容器メモリモジュール201内には、粒径、有効期限データ又は流動パラメータのような分配のために使用される物質の特性パラメータが、好ましくは、例えば、読み出し/書き込み装置175を含む無線接続によって記憶することができる。高さ調節可能な脚部159により、種々の容器高さを有する種々の形状及び大きさの目標容器を使用することが可能である。
【0056】
図2は、図1の計量−分配装置と、貯蔵容器110,110’を備えた分配ヘッド122のための操作装置300と、多ユニット貯蔵ラック400とを示している。多ユニット貯蔵ラック400は、操作装置300内に組み込むことができ又は図2に示されているように、操作装置300とは別個に配置されている。計量−分配ユニット105,105’は、計量−分配装置100の駆動装置150内に載置されている。駆動軸156は、閉塞軸132に結合されている。結合及び分離を可能にするために、駆動軸156は、装置の作動位置に関して垂直方向に可動である必要がある。分配ヘッド122は、この計量−分配ユニット105,105’が貯蔵容器として使用することができ且つ駆動装置の隣に直立している多ユニット貯蔵ラック400内に貯蔵できるように、貯蔵容器110,110’を緊密に閉じている。
【0057】
概略的に図示されている操作装置300は、作動状態にあるときに、水平面内で旋回することができる操作アーム301は、直線的に垂直方向に動くことができる。そのフォーク形状の把持部材302は、操作アーム301の長手軸線方向に進入したり進出したりすることができる。操作アーム301及びカバー113をつかむ把持部材302によって、分配ヘッド122及び貯蔵容器110,110’からなるユニットは、駆動装置150内に設置したり駆動装置150から取り外したりすることができる。
【0058】
図3は、部分的に断面図で示され、分配ヘッド122と貯蔵容器110とを含んでいる計量−分配ユニット105,105’を示している。図面からわかるように、分配ヘッド122は、例えば、ねじによって貯蔵容器110に結合されている。貯蔵容器110はメモリモジュール115を含んでおり、分配ヘッド122はメモリモジュール123を含んでいる。このようにして、分配ヘッド特有のデータを分配ヘッド122のメモリモジュール内に記憶することができ、一方、分配のために使用される物質に特有のデータは、貯蔵容器110のメモリモジュール115内に記憶される。分配ヘッド122が貯蔵容器110によって組み立てられ、組み立てられた計量−分配ユニット105,105’が駆動装置内に載置された後に、2つのメモリモジュール115,123からのデータが読み出し/書き込み装置によって読み取られ、制御及び調整ユニット内に入力される。このデータは、制御及び調整ユニットのプロセッサ内で処理することができ、プログラムはそれに応じて適合させることができる。
【0059】
もちろん、貯蔵容器110とカバー113とが相互に一体に結合される解決方法が、同様に想到でき且つこれも本発明の一部分である。もちろん、各計量−分配ユニット105に対してただ1つのメモリモジュールが存在することもまた可能である。
【0060】
既に上記したように、累積作動時間、温度、雰囲気湿度等のような種々の摩耗ファクタは、計量−分配ユニット及び分配のために使用される物質に対して影響を及ぼし且つ流動パラメータの重要な変化に対して常に作用することができ、従って、所定の目標量に関して分配される量のばらつき範囲に影響し得る。図4は、種々の可能な摩耗形態の典型例を示しており且つこれらの形態が分配プロセス又は計量−分配ユニット装置の動作において考慮され得る方法を示している。一例として、図4は、図1の湿度センサー250の連続的に記録されたセンサー信号SHSから得られた相対湿度の時間プロファイルを示している。図4は更に、例えば制御及び調整ユニットのプロセッサによって発生された出力信号又は出力メッセージA,A,Aをも示している。
【0061】
図4aにおいては、センサー信号のグラフは、時間t,t,t,tにおいて閾値Kを超えている。この閾値は、それ以上では、分配のために使用されている物質の湿度成分が、物質が塊の中に一緒に固着する傾向により、物質の流動特性が変化する程度に達する限界値を示している。閾値Kの大きさは、分配のために使用される物質の機械的特性に依存し且つケースバイケース基準で試行前実験によって決定される必要がある。例えば、以下の値は閾値として規定することができる。
【0062】
最大/最小湿度成分
最大/最小温度限界
最大の累積作動時間(分配されつつある物質によってもたらされる機械的摩耗作用)
グラフが時間t,t,tにおける場合のように閾値以下へと低下するとすぐに、物質が塊を形成する傾向が消失する。これらの時間区分中の流動パラメータの変化は、おそらく無視できる大きさであろう。
【0063】
しかしながら、雰囲気湿度の変化の結果として、物質は、目標容器内へ流入する間に乾燥することができ、その特性、例えば、反応に入る能力は変化し得る。このことはまた、監視することができ、図4cに示されているように、信号が閾値K以下まで低下した出力装置によって給送され得る。
【0064】
更に、最大値Kmaxは、信号がKmax以上まで上昇したときに、流動パラメータが、測定された適用量の物質をもはや分配できない程度まで又は分配のために使用される物質の特性が物質を使用できなくさせる程度まで変化するように規定することができる。このような場合に、計量−分配プロセスは、例えば、図4cに示されているように全く停止させることができ、又は、分配ヘッド又は計量−分配ユニット全体を変化させる要求Aは、図1に示されている入力/出力ユニットによってユーザーに送信され得る。
【0065】
流動パラメータの変化も同様に、監視し且つ類似した方法で分析することができる。
【0066】
閾値K及び最大値Kmaxを超える瞬間が、各々の時間間隔(t−t;t−t;t−t;・・・)の長さの関数として、摩耗露出INTLTHとして記録され且つ累積和として合計される。累積された摩耗露出INTLTHは、寿命限界値MAXLTMと比較され且つこの比較に基づいて残りの作動寿命RLTH1,RLTH2,RLTH3が計算される。これらの作動寿命は、出力ユニット270に伝えられ且つメモリモジュール内、制御及び調整ユニット内又は中央データベース(図面には示されていない)内に記憶される。
【0067】
図4bに示されているように、付加的な制限値を規定することが可能である。一例として、超過したときに警告メッセージ及び/又はサービスの要請Aが入力/出力ユニット270(図4c)に伝えられるようにするサービス限界値LMHとして指定することができる。これは、分配ヘッドが交換されることを必要とされている例として定めることができる。更に、時間Tにおいてサービス限界値LMHを超えることは、例えば、分配プロセスが取り消されるようにさせることができ、目標重量の許容幅の程度が低下されるようにし且つ/又は測定値の印刷出力に警告メッセージが提供されるようにすることができる。多くの他の応答及び出力の形態が可能なので、このような列挙は、完全であることを意味してはいない。
【0068】
累積摩耗露出INTLTHが寿命限界値MAXLTHを超えるや否や、図4cに示されている対応する信号Aを入力/出力ユニット270に伝えることができ、分配プロセスは、例えば、完全に取り消すことができ、要求Aは、入力/出力ユニット270を介してユーザーに送信して、分配ヘッド又は分配ヘッド及び貯蔵容器の全ユニットを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、駆動装置と、異なる長さの2つの貯蔵容器とを備え且つ分配ヘッドを備えている計量−分配装置を示した斜視図であり、前記分配ヘッドは、前記駆動装置から分離された状態で示されている。
【図2】図2は、図1の計量−分配装置を示した斜視図であり、駆動装置内の定位置に設定されている計量−分配ユニットばかりでなく、操作装置及び第二の計量−分配ユニットが直立状態で貯蔵されている多ユニット貯蔵ラックを備えている。
【図3】図3は、計量−分配ユニットを部分断面図で示しており、分配ヘッド上にメモリユニットを配置することができるばかりでなく、貯蔵容器上にメモリユニットを配置することができる可能性を示している。
【図4】図4は、計量−分配装置上に配置されている湿度センサーの信号の時間プロファイルを示したグラフであり、4aは信号プロファイルを示しており、4bは累積摩耗露出を示しており、4cは、信号プロファイルによって発生された出力信号又は出力メッセージを示している。
【符号の説明】
【0070】
100 計量−分配装置
105,105’ 計量−分配ユニット
110,110’ 貯蔵容器
111 第一の形状嵌合部材
113 カバー
114 切欠き
115,115’ メモリモジュール
121 第二の形状嵌合部材
122 分配ヘッド
123 メモリモジュール
130 通路
131 カプラー部品
132 閉塞軸
150 駆動装置
151 第一の対応部材
152 穴の底部
153 保持ラッチ
154 カプラースリーブ
155 駆動源
156 駆動軸
157 上方部分
158 下方部分
159 脚部
160 形状装置
165 制御及び調整ユニット
170 回転阻止安全部材
175 読み取り/書き込み装置
181 第二の対応部材
190 力測定装置
191 荷重受け器
200 目標容器
201 目標容器記憶ユニット
250 湿度センサー
270 入力/出力装置
300 操作装置
301 操作アーム
302 把持部材
400 多ユニット貯蔵ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末又はペースト状の物質のための計量−分配装置(100)の計量−分配プロセスを最適化する方法であり、
計量−分配装置(100)には、計量−分配プログラムの実行のための制御及び調整ユニット(165)を有する駆動装置(150)が備えられており、前記駆動装置(150)は、適用量の物質を給送するための少なくとも1つの計量−分配ユニット(105,105’)と協働するようになされており、当該計量−分配ユニット(105,105’)は、少なくとも1つのメモリモジュール(115,115’,123)を含んでおり、
・ 計量−分配プロセスの第一のランの前に、前記制御及び調整ユニット(165)によって、計量−分配プロセスに関する少なくとも1つの流動パラメータがメモリモジュール(115,115’,123)及び/又は制御及び調整ユニット(165)内に記憶されているか否かが点検され、
・ 記憶された流動パラメータが存在することがわかった場合には、少なくとも1つの流動パラメータが、制御及び調整ユニット(165)によって少なくとも1つのメモリモジュール(115,115’,123)から呼び出され、
・ 記憶された流動パラメータが存在しない場合には、ユーザーによって要求が入力されることによって流動パラメータが要求され、流動パラメータが中央データベースから呼び出されるか、又は、計量−分配プログラムのデフォルトセッティングに基づいた計量−分配プロセスの第一のランによって少なくとも1つの流動パラメータが決定され、
・ 前記計量−分配プログラムが、少なくとも1つの流動パラメータによって直接適合され、
・ 適合された計量−分配プログラムによって、計量−分配プロセスの少なくとも1つのランが実行され且つ/又は少なくとも1つの流動パラメータがメモリモジュール(115,115’,123)に記憶される、ようになされた方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、
前記少なくとも1つの流動パラメータが、計量−分配プロセス中に、計量−分配ユニット(105,105’)上の出口穴から給送される体積流量又は質量流量に基づいて及び可変の出口穴の開口断面積に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であり、
試行前実験によって決定される流動パラメータが、工場において、少なくとも1つのメモリモジュール(115,115’,123)に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの流動パラメータの入力が、入力/出力ユニット(270)によってなされることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記計量−分配プロセスの一連のランの最終ランにおいて、少なくとも1つの更新された流動パラメータが決定され、前記少なくとも1つの更新された流動パラメータが、数値又は数値の組み合わせ又は関数として、メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶され且つ/又は入力/出力ユニット(270)を介してユーザーに給送されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
少なくとも1つの更新された流動パラメータが、前記計量−分配プロセスの各ランの後に決定され、前記少なくとも1つの更新された流動パラメータが数値又は数値の組み合わせ又は関数として、メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶され且つ/又は入力/出力ユニット(270)を介してユーザーに給送されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法であり、
前記記憶が、ユーザーによる動作に応答することのみによってなされることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記貯蔵容器(105,105’)内に含まれている物質のための少なくとも1つの物質識別値が、前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記分配ヘッド(122)の技術的形式に関する少なくとも1つの技術的特徴の値が、前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
少なくとも1つの物質特性パラメータ、特に、分配のために使用される物質の有効期限データが、前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
周辺環境の少なくとも1つの雰囲気パラメータ、特に、湿度及び/又は温度及び/又は雰囲気圧が、少なくとも1つのセンサー(250)によって測定され且つ前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記分配ヘッド(122)の状態、特に、分配される物質の累積体積及び/又は給送の回数を特徴とする少なくとも1つの状態に関するパラメータが、前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
少なくとも1つの流動パラメータ及び/又は更新された流動パラメータ及び/又は物質特性パラメータ及び/又は分配ヘッドの状態に関するパラメータ及び/又は周辺環境の雰囲気パラメータが、前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内及び/又は中央データベース内に記憶されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、
・ 少なくとも1つの流動パラメータに関連する時間情報が制御及び調整ユニット(165)内又は別個のプロセッサユニット内で、最後に決定された物質の特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータと比較され、
・ 流動パラメータに関連する時間情報が最後に決定された物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータよりも古い場合には、試行前実験において決定され且つメモリモジュール(115,115’,123)及び/又は制御及び調整ユニット(165)及び/又は中央データベース内に記憶されている適切な補正値が呼び出され、更新された流動パラメータは、前記少なくとも1つの流動パラメータに基づいて且つ制御及び調整ユニットにおいて又は別個のプロセッサユニットにおいて実行可能である補正プログラムによって補正値を考慮に入れることによって決定することができ、最後に決定された物質特性パラメータに関連する前記時間情報、状態に関連するパラメータ又は雰囲気パラメータが更新された流動パラメータに付与され、又は
・ 流動パラメータに関連する時間情報が最後に決定された物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの状態に関連するパラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータに関連する時間情報よりもより最近のものである場合には、少なくとも1つの物質特性パラメータ及び/又は状態に関連するパラメータ及び/又は雰囲気パラメータが決定される、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
少なくとも1つの流動パラメータ及び/又は少なくとも1つの更新された流動パラメータ及び/又は少なくとも1つの物質特性パラメータ及び/又は少なくとも1つの雰囲気パラメータが、前記制御及び調整ユニット(165)内又は別個のプロセッサユニット内で、少なくとも1つの閾値(K)と比較され、前記閾値(K)を超過していることが判明した場合には、
・ それに応じて摩耗の露出を記録するか、
・ それに応じて摩耗の露出を記録し且つ全ての摩耗露出の累積和(INTLTH)を計算するか、又は
・ それに応じて摩耗の露出を記録し且つ全ての摩耗露出の累積和(INTLTH)を計算し及び摩耗露出の最大値(MAXLTH)との比較によって、許容可能な残りの摩耗露出量又は分配ヘッド及び/又は分配のために使用される物質の残っている寿命(RLTH)を計算することを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であり、
前記閾値(K)を超えた後且つ/又は最大値(Kmax)を超えた後に、前記制御及び調整ユニット(165)又は前記プロセッサユニットが、警告を開始し且つ/又は分配プロセスを停止し且つ/又は装置が作動状態に適合されていることを示している信号をオフに切り換えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の方法であり、
前記計量−分配装置(100)によって充填されるべき目標容器(200)が目標容器メモリユニット(201)を含んでおり、当該目標容器メモリユニットにおいては、少なくとも1つの物質識別値及び/又は目標容器(200)内に分配されるか又は当該容器内に含まれている物質の少なくとも1つの物質特性パラメータが、ユーザーによる入力確認によって自動的に又は当該入力確認に応答して記憶されることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の方法を実施するための計量−分配装置(100)であり、
計量−分配プログラムを実施するように作動可能である制御及び調整ユニット(165)を備えている駆動装置(150)を含んでおり、当該駆動装置(150)は、適用量の物質を給送するために少なくとも1つの計量−分配ユニット(105,105’)に対して機能的結合状態とすることができ、
前記計量−分配ユニット(105,105’)は、少なくとも1つのメモリモジュール(115,115’,123)を含んでおり、前記制御及び調整ユニット(165)によって、前記メモリモジュール(115,115’,123)から少なくとも1つの流動パラメータを呼び出すことができ且つ/又は1つの流動パラメータを前記メモリモジュール(115,115’,123)内及び/又はデータベース内及び/又は制御及び調整ユニット(165)内に記憶することができることを特徴とする計量−分配装置。
【請求項19】
請求項18に記載の計量−分配装置(100)であり、
前記駆動装置(150)が、少なくとも1つの計量−分配ユニット(105,105’)を収納するための受け入れ手段(151,181)を含んでいることを特徴とする計量−分配装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の計量−分配装置(100)であり、
物質特性を特徴付けている少なくとも1つの物質特性パラメータ及び/又は分配ヘッドの状態を特徴付けている少なくとも1つの状態に関するパラメータ及び/又は周辺環境の少なくとも1つの雰囲気パラメータが、前記メモリモジュール(115,115’,123)及び/又は前記制御及び調整ユニット(165)及び/又は中央データベースから呼び出されることを特徴とする計量−分配装置。
【請求項21】
請求項18乃至20のうちのいずれか一項に記載の計量−分配装置であり、
前記メモリモジュール(115,115’,123)が、少なくとも1つの直流電気接続及び/又は少なくとも1つの無線接続によって、前記制御及び調整ユニット(165)に接続されていることを特徴とする計量−分配装置。
【請求項22】
請求項18乃至21のうちのいずれか一項に記載の計量−分配装置(100)であり、
当該計量−分配装置(100)によって充填される目標容器(200)が目標容器メモリユニット(201)を含んでおり、当該メモリユニット(201)においては、前記メモリモジュール(115,115’,123)及び/又は制御及び調整ユニット(165)及び/又は中央データベース内に記憶されている少なくとも1つの物質識別値及び/又は前記目標容器(200)内に分配され又は当該目標容器内に含まれている物質の少なくとも1つの物質特性パラメータが、自動的に且つ/又はユーザーによる入力確認及び/又は入力の後に記憶することができ、前記目標容器メモリユニット(201)の内容が、少なくとも1つの読み込み/書き取り装置(175)によって読み取ることができることを特徴とする計量−分配装置。
【請求項23】
請求項18乃至22のうちのいずれか一項に記載の計量−分配装置(100)であり、
前記少なくとも1つの流動パラメータが、分配プロセス中に、前記計量−分配ユニット(105,105’)の出口穴を介して分配されている物質の体積流量又は質量流量の前記出口穴の開口断面積に対する比率を表していることを特徴とする計量−分配装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−175817(P2008−175817A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508(P2008−508)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】