説明

計量キャップ

【課題】部品点数を削減して構造を簡単にでき、操作性を向上できる計量キャップを提供すること。
【解決手段】内容物を収容する容器2の口部2aに外付けで装着される筒状の貯留部材3と、前記貯留部材3内に着脱自在に配設され、有底筒状をなし、その口部が注出口5とされた計量部材4と、前記貯留部材3と前記計量部材4との間に形成された中空筒状の貯留室22と、前記貯留室22に開口し、該貯留室22と前記容器2内とを連通する連通孔23と、前記連通孔23よりもキャップ軸O方向に沿う前記計量部材4の底部側に位置して、前記計量部材4の周壁19aに開口する計量孔24と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載されるような、内容物を収容する容器の口部に装着される筒状の貯留部材と、前記貯留部材内に配設された有底筒状の計量部材と、を備えた計量キャップが知られている。
この計量キャップでは、貯留部材の口部に栓蓋が装着されており、該栓蓋を閉めた状態で容器を倒立姿勢とし、貯留部材内に内容物を貯留する。次いで容器を正立姿勢とすることにより、貯留部材内の内容物が計量部材内に流入するとともに計量が行われる。そして、栓蓋を引き上げ貯留部材の口部を開けると、該栓蓋に連結された筒栓が計量部材内と容器内との連通を遮断する。この状態から、容器を傾倒させて、計量した内容物を貯留部材の口部から注出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−226808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の計量キャップは、部品点数が多く構造が複雑であり、操作が面倒であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、部品点数を削減して構造を簡単にでき、操作性を向上できる計量キャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の計量キャップは、内容物を収容する容器の口部に外付けで装着される筒状の貯留部材と、前記貯留部材内に着脱自在に配設され、有底筒状をなし、その口部が注出口とされた計量部材と、前記貯留部材と前記計量部材との間に形成された中空筒状の貯留室と、前記貯留室に開口し、該貯留室と前記容器内とを連通する連通孔と、前記連通孔よりもキャップ軸方向に沿う前記計量部材の底部側に位置して、前記計量部材の周壁に開口する計量孔と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この計量キャップを用いて内容物を計量するには、まず、容器を倒立姿勢とし、容器内の内容物を、連通孔を通して貯留室に流入させる。貯留室に内容物が溜まったら、容器を正立姿勢とすることにより、貯留室内の内容物は、計量孔を通って計量部材内に流入し、計量される。この状態から、容器を傾倒させて、計量した内容物を注出口から注出させる。
【0008】
本発明の計量キャップによれば、計量孔が、連通孔よりもキャップ軸方向に沿う計量部材の底部側に位置しているので、貯留室内の内容物を計量部材内に流入させやすい。すなわち、貯留室内の余剰の内容物が連通孔を通って容器内に戻るとともに、計量部材内にも必要とする内容物が計量孔から流入されて、計量が精度よく行われる。
【0009】
また、貯留部材が容器の口部に外付けで装着され、該貯留部材内に計量部材が着脱自在に配設されているので、様々な計量値に応じた計量キャップに容易に交換できる。
そして、この計量キャップは、部品点数が少なく構造が簡単であり、容器を傾ける単純な操作のみで内容物の計量及び注出が行えるから、操作性に優れている。
【0010】
また、本発明の計量キャップにおいて、前記貯留部材には、該貯留部材に対して前記計量部材をキャップ軸回りに回転移動させることにより、前記計量孔を遮蔽可能な壁部が形成されていることとしてもよい。
【0011】
この場合、計量部材内に内容物が流入した後、該計量部材を貯留部材に対してキャップ軸回りに回転移動させ、計量孔を壁部で遮蔽することができるから、計量部材内の内容物を注出するときに、内容物が計量孔から貯留室内に戻ってしまうようなことが抑制される。すなわち、計量部材の注出口のうち、キャップ軸回りのいずれの位置から内容物を注出させても、内容物が計量通り精度よく注出されることになる。従って、注出の誤操作が防止される。
またこの場合は、計量孔の開閉位置に合わせて計量部材の回動範囲を決めるような位置決め手段を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の計量キャップによれば、部品点数を削減して構造を簡単にでき、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る計量キャップを示す側断面図である。
【図2】図1の計量キャップにより内容物を計量する手順を説明する図である。
【図3】図1の計量キャップにより内容物を計量する手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る計量キャップについて説明する。
図1に示すように、計量キャップ1は、内容物を収容する容器2の口部2aに外付けで装着される筒状の貯留部材3と、貯留部材3内に着脱自在に配設され、有底筒状をなし、その口部が注出口5とされた計量部材4と、有頂筒状をなし、計量部材4の注出口5を開閉自在に閉塞するオーバーキャップ6と、を備えている。
ここで、計量部材4とオーバーキャップ6とは、共通軸と同軸に配置されている。
以下、この共通軸をキャップ軸Oといい、キャップ軸O方向に沿ってオーバーキャップ6側を上側、計量部材4の底部側を下側といい、またキャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0015】
容器2は、有底筒状をなしており、その口部2aの外周面には、雄ねじ部2bが形成されている。図示の例では、容器2の中心軸(容器軸)とキャップ軸Oとは、互いに同軸となっている。
【0016】
貯留部材3は、容器2の口部2aに装着される接続筒7と、接続筒7の上側に配置される収容筒8と、を備えている。
【0017】
接続筒7は、容器2の口部2aの径方向外側に配置される外筒部9と、容器2の口部2aの径方向内側に配置される内筒部10と、外筒部9の内周面から径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状をなし、該外筒部9の内周面と内筒部10の上端開口部とを連結するフランジ部11と、フランジ部11の上面に立設される支持筒12と、を備えている。
【0018】
外筒部9の内周面におけるキャップ軸O方向の中央部には、雌ねじ部9aが形成されている。雌ねじ部9aは、容器2の口部2aの雄ねじ部2bに螺合している。また、フランジ部11は、外筒部9の内周面における雌ねじ部9aの上側部分に連結されている。外筒部9におけるフランジ部11より上側部分の肉厚は、フランジ部11の下側部分の肉厚より薄肉に形成されている。外筒部9の上端開口部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起9bが形成されている。
【0019】
内筒部10は、容器2の口部2a内に挿入されている。
容器2の口部2aの上端開口縁とフランジ部11の下面との間には、シールリング13が配設されている。
支持筒12は、外筒部9の上端部の径方向内側に該外筒部9との間に隙間をあけて配置されている。
【0020】
収容筒8は、接続筒7に連結される連結筒14と、連結筒14の上側に配置される外装筒部15と、を備えている。
【0021】
連結筒14は、接続筒7の外筒部9の上端部と支持筒12との隙間に挿入されている。連結筒14の下端開口縁は、フランジ部11に上側から当接している。連結筒14には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起14aが形成されている。環状突起14aは、外筒部9の上端部に径方向内側から当接している。環状突起14aと、外筒部9の環状突起9bとは、アンダーカット嵌合されている。また、支持筒12は、連結筒14に径方向の内側から嵌合している。
【0022】
外装筒部15は、連結筒14の上側に配置される収容部16と、収容部16の上側に配置され、該収容部16より大径とされた貯留部17と、を備えている。本実施形態の外装筒部15は、透明な材料で形成されており、操作者が外装筒部15内を外部から視認可能となっている。
【0023】
収容部16は、有底筒状をなしており、周壁16aと、底壁16bと、を有している。図示の例では、周壁16aの内径は、容器2の口部2aの内径より大きくなっている。底壁16bの径方向中央部は、円形孔状に切り欠かれるようにキャップ軸O方向に貫通している。底壁16bにおける径方向の内側縁部には、連結筒14が垂設されている。
【0024】
貯留部17は、有底筒状をなしており、周壁17aと、底壁17bと、を有している。底壁17bにおける径方向の外側部分以外の部分は、大きく円形孔状に切り欠かれるようにキャップ軸O方向に貫通している。貯留部17の底壁17bにおける径方向の内側縁部には、収容部16の周壁16aが垂設されている。また、貯留部17の周壁17aの上端部には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起17cが形成されている。
【0025】
また、貯留部17の底壁17bには、キャップ軸Oに垂直な断面が円弧状をなす壁部18が立設されている。壁部18は周方向に沿って延びており、その周方向に沿う長さが、後述する計量部材4の連通路21における周方向に沿う長さ(溝幅)よりも大きくなっている。また、壁部18の内径(壁部18の内周面におけるキャップ軸Oを中心とする半径)は、収容部16の周壁16aの内径よりも僅かに大きくなっている。
【0026】
計量部材4は、収容筒8内に配設される計量筒19と、収容筒8の上端開口部に装着される装着筒20と、を備えている。
【0027】
計量筒19は、有底筒状をなしており、周壁19aと、底壁19bと、を有している。周壁19aの下端部は、収容部16の周壁16aに径方向の内側から嵌合している。また、底壁19bにおける径方向の外側部分は、収容部16の底壁16bに上側から当接している。
周壁19aにおける周方向の一部分は、径方向内側に向けて窪まされるとともに、キャップ軸O方向に沿って延びる凹溝状に形成されており、この凹溝状部分が、容器2内と後述する貯留室22内との間で内容物を流通させる連通路21となっている。
【0028】
連通路21は、周壁19aにおけるキャップ軸O方向の中央部から下側に向けて延びているとともに、底壁19bに開口している。連通路21の下端部の溝深さ(径方向に沿う長さ)は、該下端部以外の部位における溝深さより大きくなっている。図示の例では、連通路21の溝深さは、下側に向かうに従い段階的に大きくなっており、連通路21の下端部における溝深さは、周壁19aの半径程度となっている。
連通路21の下端部のうち、径方向の外側部分以外の部位は、連結筒14内に向けて開口されているとともに、連通路21内と容器2内とは連通されている。
【0029】
計量筒19の周壁19aにおける下端部以外の部位は、該下端部より僅かに大径となっている。周壁19aにおける下端部と、該下端部以外の部位との連結部分には、周方向に沿って延びる環状の段部19cが形成されている。段部19cは、貯留部17の底壁17bの上側に該底壁17bから離間して配置されている。
【0030】
周壁19aにおいて、段部19cの上側に隣接するように位置する部位のうち、周方向に沿う壁部18に対応する部分は、該壁部18に径方向内側から当接している。図1においては、周壁19aにおける連通路21を周方向から挟むように配置された部分が、壁部18にそれぞれ当接されている。
【0031】
計量筒19は、貯留部17より小径となっており、これらの周壁19a、17a同士の間に形成された中空筒状の空間が、内容物を貯留する貯留室22となっている。図1において、連通路21における貯留部17の周壁17aに対向する部位のうち、上端部以外の部位は、壁部18に遮蔽されている一方、該連通路21における上端部は、貯留室22に開口しているとともに、該貯留室22と容器2内とを連通する連通孔23となっている。
【0032】
また、計量筒19の周壁19aにおいて、連通孔23とはキャップ軸Oを挟んだ反対側には、連通孔23よりも下側に位置して、該周壁19aに開口する計量孔24が形成されている。この計量キャップ1は、計量筒19における計量孔24より下側部分の容積が、所定の内容量(計量値)となるように設定されている。
【0033】
また、本実施形態では、貯留室22及び連通路21における連通孔23の下端開口縁より上側部分の容積(具体的には、図2において符号Lで示される内容物の貯留領域)が、計量筒19における計量孔24より下側部分の容積と同等となっている。
【0034】
図1において、計量部材4の計量筒19は、貯留部材3の収容筒8に対してキャップ軸O回りに回転可能とされており、貯留部材3に対して計量部材4をキャップ軸O回りに回転移動させることにより、壁部18は、計量孔24を遮蔽可能である。
また、計量筒19の周壁19aの上端開口部における縦断面は、上側に向かうに従い漸次径方向外側へ向かって傾斜した後、さらに径方向外側から下側へと向きを変えるように曲線状に形成されており、この上端開口部が、前記注出口5となっている。
【0035】
また、装着筒20は、貯留部17の上端部に装着される貯留室蓋部25と、この貯留室蓋部25の上側に配置され、該貯留室蓋部25より小径とされた連結部26と、を備えている。
【0036】
貯留室蓋部25は、有頂筒状をなしており、周壁25aと、天壁25bと、を有している。また、貯留室蓋部25は、周壁25aの径方向内側に隙間をあけて配置され、天壁25bから垂下される支持筒25cを有している。周壁25aの下端開口部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状突起25dが形成されている。
【0037】
周壁25aと支持筒25cとの隙間には、貯留部17の上端部が挿入されている。貯留部17の上端開口縁は、天壁25bに下側から当接している。環状突起17cは、周壁25aに径方向内側から当接している。環状突起17cと、貯留室蓋部25の環状突起25dとは、アンダーカット嵌合されている。また、支持筒25cは、貯留部17の上端開口部に径方向の内側から嵌合している。
【0038】
天壁25bにおける径方向の外側部分以外の部分は、大きく円形孔状に切り欠かれるようにキャップ軸O方向に貫通している。天壁25bにおける径方向の内側縁部には、筒状の連結部26が立設されている。
連結部26の外周面には、雄ねじ部26aが形成されている。連結部26の上端開口部には、径方向内側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ部27が形成されており、該フランジ部27を介して、連結部26の上端部と、計量筒19の周壁19aの外周面における上端部とが連結されている。
【0039】
オーバーキャップ6は、周壁6aと、天壁6bと、を有している。また、オーバーキャップ6は、周壁6aの径方向内側に隙間をあけて配置され、天壁6bから垂下される閉塞筒6cを有している。
【0040】
周壁6aの内周面には、雌ねじ部6dが形成されている。雌ねじ部6dは、計量部材4の雄ねじ部26aに螺合している。オーバーキャップ6は、この螺合によって、計量部材4に対して着脱可能に装着されている。図示の例では、オーバーキャップ6は、計量部材4とは別体に形成されている。
天壁6bは、計量部材4の計量筒19の上端開口部(注出口5)を上側から覆うように遮蔽している。閉塞筒6cは、計量筒19の上端開口部に径方向の内側から嵌合している。
【0041】
以上説明した本実施形態の計量キャップ1を用いて内容物を計量するには、まず、図2に示されるように、容器2を倒立姿勢とし、容器2内の内容物Lを、連通路21及び連通孔23を通して貯留室22に流入させる。貯留室22内に内容物Lが流入されていき、連通孔23の下端開口縁(倒立状態においては上端開口縁)に達すると、該貯留室22の内圧と容器2の内圧とがバランスして、貯留室22内への内容物Lのそれ以上の流入が止まるようになっている。
従って、図2に示されるように、計量部材4からオーバーキャップ6を取り外した状態で容器2を倒立姿勢としても、内容物Lが計量部材4内から下側に向けて外部に漏れ出ることが防止されている。
【0042】
貯留室22に内容物Lが溜まったら、図3に示されるように、容器2を正立姿勢とすることにより、貯留室22内の内容物Lは、計量孔24を通って計量部材4内に流入し、計量される。
この状態から、容器2を傾倒させて、計量した内容物Lを注出口5から注出させる。この際、計量孔24から貯留室22に内容物Lが戻らないように、計量部材4を、計量孔24が上側に配置されるように傾斜させることが好ましい。
【0043】
本実施形態の計量キャップ1によれば、計量孔24が、連通孔23よりも下側(キャップ軸O方向に沿う計量部材4の底部側)に位置しているので、貯留室22内の内容物Lを計量部材4内に流入させやすく、計量が精度よく行われる。
【0044】
また、貯留部材3が容器2の口部2aに外付けで装着され、該貯留部材3内に計量部材4が着脱自在に配設されているので、これら貯留部材3、計量部材4を交換することにより、様々な計量値に応じた計量キャップ1に容易に交換できる。
そして、この計量キャップ1は、部品点数が少なく構造が簡単であり、容器2を傾ける単純な操作のみで内容物Lの計量及び注出が行えるから、操作性に優れている。
【0045】
さらに、貯留部材3には、該貯留部材3に対して計量部材4をキャップ軸O回りに回転移動させることにより、計量孔24を遮蔽可能な壁部18が形成されているので、下記の効果が得られる。
すなわち、計量部材4内に内容物Lが流入した後、該計量部材4を回転させて壁部18で計量孔24を遮蔽できるので、次いで計量部材4内の内容物Lを注出するときに、内容物Lが計量孔24から貯留室22内に戻ってしまうようなことがない。つまり、計量部材4の注出口5のうち、周方向のいずれの位置から内容物Lを注出させても、内容物Lが計量通り精度よく注出されることになる。よって、注出の誤操作が防止される。
尚、貯留部材3に対して計量部材4をキャップ軸O回りに回転移動しないように構成してもよい。
【0046】
本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0047】
例えば、前述の実施形態では、貯留部材3は、容器2の口部2aに装着される接続筒7と、計量部材4を収容する収容筒8とがキャップ軸O方向に連結された構造であるとしたが、接続筒7及び収容筒8が一体に形成されていても構わない。
【0048】
また、外装筒部15は、透明な材料で形成されており、操作者が外装筒部15内を外部から視認可能となっているとしたが、これに限定されるものではない。
【0049】
また、計量筒19の周壁19aにおいて、連通孔23とはキャップ軸Oを挟んだ反対側に、計量孔24が形成されているとしたが、これに限定されるものではない。ただし、本実施形態で説明した構成によれば、容器2を倒立姿勢にする際に、連通路21内に内容物Lが通りやすくなるように該容器2を傾ける方向(図1において注出口5の開口を左側に向けるように傾斜させる方向)と、正立姿勢に戻した容器2から、内容物Lを注出する際に該容器2を傾ける方向とが互いに同一方向となり、操作性がよい。
【0050】
また、図1に符号28で示されるように、段部19cと底壁17bとの間、及び、周壁19aにおいて段部19cの下側に隣接する部分と壁部18との間に囲まれるように形成され、周方向に沿って延びる円弧状の補助流路を設けてもよい。ここで、補助流路28は、計量孔24の下側に配置されており、該計量孔24に比べて流路の断面積が十分小さくされている。この場合、貯留室22から計量部材4内に入り切らなかった余分な内容物Lがあったとしても、該内容物Lは補助流路28内を通って連通路21から容器2内に戻される。
【0051】
さらに、前述の実施形態では、貯留室22及び連通路21における連通孔23の下端開口縁より上側部分の容積が、計量筒19における計量孔24より下側部分の容積と同等となっているとしたが、これに限定されない。ただし、この場合、貯留室22及び連通路21における連通孔23の下端開口縁より上側部分の容積が、計量筒19における計量孔24より下側部分の容積より大きくなっていることが好ましく、これにより、容器2を一度倒立姿勢から正立姿勢にすれば、計量値分の内容物Lが計量部材4内に確実に流入されることになる。
【0052】
また、前述の実施形態で説明したオーバーキャップ6は、計量部材4から離脱可能とされ、螺合により該計量部材4に着脱自在に装着されるねじ式キャップであるが、これに限定されるものではなく、例えば、押し込み操作により計量部材4に着脱自在に装着される打栓式キャップであっても構わない。また、オーバーキャップ6は、ヒンジを介して計量部材4に一体とされ、該ヒンジを中心に回動して計量部材4に着脱自在に装着されるヒンジ式キャップであってもよい。
また、オーバーキャップ6が設けられていなくてもよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 計量キャップ
2 容器
2a 口部
3 貯留部材
4 計量部材
5 注出口
18 壁部
19a 周壁
22 貯留室
23 連通孔
24 計量孔
O キャップ軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器の口部に外付けで装着される筒状の貯留部材と、
前記貯留部材内に着脱自在に配設され、有底筒状をなし、その口部が注出口とされた計量部材と、
前記貯留部材と前記計量部材との間に形成された中空筒状の貯留室と、
前記貯留室に開口し、該貯留室と前記容器内とを連通する連通孔と、
前記連通孔よりもキャップ軸方向に沿う前記計量部材の底部側に位置して、前記計量部材の周壁に開口する計量孔と、を備えることを特徴とする計量キャップ。
【請求項2】
請求項1に記載の計量キャップであって、
前記貯留部材には、該貯留部材に対して前記計量部材をキャップ軸回りに回転移動させることにより、前記計量孔を遮蔽可能な壁部が形成されていることを特徴とする計量キャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−28376(P2013−28376A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166528(P2011−166528)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】