説明

記録プログラム及び記録媒体

【課題】特定の記録媒体に対してのみ読み取りエラーのチェックが行われるようにする記録プログラム及び記録媒体の提供。
【解決手段】記録プログラムは、コンピュータを、画像データとエラーチェックプログラムと識別情報とをセットにして記録媒体に記録、又は、画像データとエラーチェックプログラムとをセットにして識別情報が予め記録された記録媒体に記録させる記録制御手段16として機能させるものであり、エラーチェックプログラムは、コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る識別情報読み取り手段、読み取った識別情報が特定の識別情報の場合に読み取りエラーを検出するエラー検出手段、読み取りエラーが検出された場合にエラー情報を表示手段に表示させるエラー情報表示手段、画像データ又は該画像データのバックアップデータを他の記録媒体に記録されるバックアップ手段として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にデータ及びプログラムを記録するための記録プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、写真画像に関する様々なサービスが提供されている。例えば、フィルムカメラで写真を撮影した場合、ミニラボ等の写真店やコンビニエンスストア等の注文店に撮影済みのネガフィルムを持ち込むと、写真店ではネガフィルムを現像した後、写真画像をスキャナ等で読み取り、読み取った画像データをCD−R、DVD−R等の記録媒体に書き込んでユーザに提供するといったサービスが行われている。
【0003】
また、デジタルカメラで写真を撮影した場合、デジタルカメラやデジタルカメラ用メディアをミニラボ等の写真店に持ち込めば、店舗内に設けられた無人端末(キオスク)や店頭端末などを用いて、デジタルカメラやメディアに記録された画像データをCD−R、DVD−Rなどの記録媒体に書き込むこともできる(上記無人端末に関しては、例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
また、ネガフィルムから読み取った画像データやデジタルカメラ、メディアから読み取った画像データを単に記録媒体に記録するのではなく、これらの画像データからスライドショーとして表示される動画データを生成(エンコード)し、該動画データに基づいてDVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの家電機器で再生可能なデータ(以下、家電機器用データと呼ぶ。)を生成(オーサリング)し、生成したデータを画像データと共にCD−RやDVD−Rなどの記録媒体に書き込むサービスも行われている。
【0005】
また、読み取った画像データから家電機器用データを生成したり、画像データや家電機器用データを記録媒体に書き込むためのアプリケーションを提供するサービスもあり、該アプリケーションを自宅のパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器にインストールすることにより、写真店などに出向かなくても自宅でデジタルカメラやメディアから読み取った画像データや生成した家電機器用データを記録媒体に書き込んだり、コンピュータ機器のハードディスクにバックアップすることもできる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−8817号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記サービスを利用することにより、ネガフィルムから読み取った画像データや、デジタルカメラ、メディアから読み取った画像データなどが記録された記録媒体に入手することができ、この記録媒体を用いることによって写真画像を電子アルバムとして保管することができるが、記録媒体は永久的に使用できるものではなく、時間の経過に伴って劣化したり、取り扱いの際にキズが入るなどの理由により、画像データの読み取りの際に読み取りエラーが生じる場合がある。
【0008】
そこで、所定のプログラムをコンピュータ機器にインストールしておき、このプログラムを用いて、装填された記録媒体の読み取りエラーをチェックする方法もあるが、この方法では、記録媒体を識別せずに、装填された全ての記録媒体に対して読み取りエラーのチェックを行うため、例えば、音楽データが記録された音楽CDなどの対象外の記録媒体に対しても読み取りエラーのチェックを行ってしまい、操作が煩雑になり、処理が遅延するなどの問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、特定の記録媒体に対してのみ読み取りエラーのチェックが行われるようにデータやプログラムを記録する記録プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の記録プログラムは、コンピュータを、画像データと、コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、前記識別情報と、をセットにして前記記録媒体に記録させる手段、として機能させるものである。
【0011】
また、本発明の記録プログラムは、コンピュータを、画像データと、コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、をセットにして前記識別情報が予め記録された前記記録媒体に記録させる手段、として機能させるものである。
【0012】
本発明においては、前記エラーチェックプログラムは、更に、コンピュータを、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記画像データ又は該画像データのバックアップデータを他の記録媒体に記録させる手段、として機能させる構成とすることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記エラーチェックプログラムは、前記識別情報が予め定められたルールに従って構成されている場合、又は、前記識別情報が前記チェックプログラム自身に記述された情報と一致する場合に、該識別情報が特定の識別情報であると判断する構成とすることができる。
【0014】
また、本発明の記録媒体は、画像データと、コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、前記識別情報と、が少なくとも記録されているものである。
【0015】
本発明においては、前記識別情報は、前記記録媒体の論理アドレス領域外に記録されている構成とすることができる。
【0016】
このように、本発明によれば、対象外の記録媒体に対しても読み取りエラーのチェックが実行されてしまうという不便を解消することができ、また、対象となる記録媒体に対して読み取りエラーが生じた場合に適切に対応することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の記録プログラム及び記録媒体によれば、当該記録媒体に対してのみエラーチェックが実行されるため、対象外の記録媒体に対しても読み取りエラーのチェックが実行されてしまうという不便を解消することができ、また、対象となる記録媒体に対して読み取りエラーが検出された場合に適切に対応することができる。
【0018】
その理由は、記録媒体には、画像データとエラーチェックプログラムと識別情報とがセットになって記録され、又、識別情報が予め記録された記録媒体には、画像データとエラーチェックプログラムとがセットになって記録されており、該記録媒体をコンピュータ機器などに装填すると、該記録媒体から識別情報が読み取られ、特定の識別情報の場合に該記録媒体の読み取りエラーが検出され、読み取りエラーが検出された場合にエラー情報が表示手段に表示され、また、画像データ又は該画像データのバックアップデータが他の記録媒体に記録されるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る記録プログラムは、その好ましい一実施の形態において、コンピュータを、画像データとエラーチェックプログラムと識別情報とをセットにして記録媒体に記録、又は、画像データとエラーチェックプログラムとをセットにして識別情報が予め記録された記録媒体に記録させる記録制御手段として機能させるものであり、エラーチェックプログラムは、コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る識別情報読み取り手段、読み取った識別情報が特定の識別情報の場合に、記録媒体の読み取りエラーを検出するエラー検出手段、読み取りエラーが検出された場合に、読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させるエラー情報表示手段、読み取りエラーが検出された場合に、画像データ又は該画像データのバックアップデータを他の記録媒体に記録されるバックアップ手段として機能させる。これにより、当該記録媒体に対してのみ読み取りエラーのチェックを実行することができ、また、読み取りエラーが生じた場合に適切に対応することができる。
【実施例】
【0020】
上記実施形態について詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る記録プログラム及び記録媒体について、図1乃至図13を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る記録装置の構成を模式的に示す図であり、図2乃至図5は、記録装置の他の構成を模式的に示す図である。また、図6は、記録装置の手段を示すブロック図であり、図7は、エラーチェックプログラムにより機能する手段を示すブロック図である。また、図8は、本実施例に係る記録媒体の作成手順を示すフローチャート図であり、図9は、本実施例に係るエラーチェックの手順を示すフローチャート図である。また、図10は、記録媒体におけるデータの記録構造を示す図、図11は、記録媒体における画像データの記録領域を示す図、図12は記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図である。また、図13は、表示手段に表示される画面の構成例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施例の記録装置1は、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの記録媒体(以下、メディア8と呼ぶ。)を装填するメディア装填部2と、デジタルカメラ7(デジタルスチルカメラ及びデジタルムービーカメラの双方を含む。)やカメラ付き携帯電話機7a等の撮影機器を有線又は無線、赤外線等によって接続するための機器接続部3と、インターネット等の通信ネットワーク11を介してサーバ10に接続するネットワーク接続部と、CD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、HD−DVD、Blu−rayディスク等の記録媒体9を装填する記録媒体装填部4と、ボタン、キーボード、マウス等の操作手段6及びLCD、CRT等の表示手段5とを備えている。
【0022】
また、記録装置1に備える主な手段をブロック図で示すと図6のようになり、メディア装填部2、機器接続部3、ネットワーク接続部等を用いて画像データ(静止画像データ、動画データ、画像情報を含むデータを総称して画像データと呼ぶ。)を入力するデータ入力手段12と、入力された画像データに基づいて、DVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの家電機器で再生可能な家電機器用データを生成したり、サムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを生成するなどの処理を行うデータ生成手段13と、記録媒体9の識別情報を生成する識別情報生成手段14と、識別情報に基づいて動作するエラーチェックプログラムを生成するエラーチェックプログラム生成手段15と、画像データとエラーチェックプログラムと識別情報とをセットにして記録媒体9に記録、又は、画像データとエラーチェックプログラムとをセットにして識別情報が予め記録された記録媒体9に記録させる記録制御手段16と、表示手段5と、操作手段6と、記録媒体9の記録されている画像データのバックアップデータなどを記憶するHDDなどの記憶手段17とを備えている。
【0023】
なお、上記各手段は記録装置1にハードウェアとして構成されていてもよいが、コンピュータを、少なくとも、記録制御手段16として機能させる記録プログラムとして構成し、該記録プログラムを記録装置1にインストールして実行する構成としてもよい。また、図1では記録装置1としてパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器を示しているが、記録装置1の形態は任意であり、例えば、図2に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図3に示すようにポータブルライターとしたり、図4に示すように演算処理機能を備えたDVDレコーダやHDDレコーダなどとしたり、図5に示すように、ハードディスクを備えた端末と画像データの読み取りや書き込みを行う本体とが分離可能な携帯機器としたり、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとすることもできる。
【0024】
また、エラーチェックプログラムにより機能される手段をブロック図で示すと図7に示すようになり、記録媒体9から識別情報を読み取る識別情報読み取り手段18と、読み取った識別情報が特定の識別情報の場合に、記録媒体9の読み取りエラーを検出するエラー検出手段19と、読み取りエラーが検出された場合に、表示手段5に読み取りエラーが検出されたことを示すエラー通知画面などを表示させるエラー情報表示手段20と、エラー情報表示手段20に代えて又はエラー情報表示手段20に加えて、読み取りエラーが検出された場合に、画像データ又は該画像データのバックアップデータを新たな記録媒体に記録させるバックアップ手段21とを備えている。
【0025】
次に、上記構成の記録装置1を用いて、記録媒体9に画像データとエラーチェックプログラムと必要に応じて識別情報とをセットで記録する手順について、図8のフローチャート図を参照して説明する。
【0026】
まず、ステップS101で、記録装置1のメディア装填部2にメディア8を装填、又は、機器接続部3にデジタルカメラ7やカメラ付き携帯電話機7aを接続し、ステップS102で、デジタルカメラ7やメディア8に記録された画像データを読み取る。ここで、読み取る画像データはデジタルカメラ7で撮影して得られた画像データに限定されず、ネガフィルムや写真プリントをスキャンして得られた画像データや、ビデオテープレコーダなどから得られた動画データ、動画をキャプチャして得られた静止画像データなどであってもよく、読み取り先もCD−RやDVD−Rなどの記録媒体や通信ネットワーク11を介して接続されるサーバ10などであってもよい。
【0027】
次に、ステップS103で、必要に応じて、読み取った画像データに基づいて動画データを生成(エンコード)し、生成された動画データに基づいて、家電機器で再生可能な形式の家電機器用データ(例えば、動画データがMPEG1形式の場合はVideo−CD形式のデータ、動画データがMPEG1又はMPEG2の場合はDVD−Video形式のデータ)を生成(オーサリング)する。また、必要に応じて、読み取った画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを作成する。
【0028】
次に、ステップS104で、記録媒体装填部4に記録媒体9を装填すると、ステップS105で、識別情報生成手段14は、予め定められたルールに従って該記録媒体9を識別するための識別情報を生成する。なお、上記ルールは特に限定されないが、装填された記録媒体9と他の記録媒体とを確実に区別できるようにユニークな構成とすることが好ましく、例えば、後述するフォルダの命名ルールと同様に、YYMDyyyXXXXXXAAB(YYMD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z))などとすることができる。
【0029】
上記ステップは、記録媒体装填部4に装填された記録媒体9に識別情報が記録されていない場合の処理であるが、記録媒体9に予め識別情報が記録されている場合には、識別情報生成手段14で新たに識別情報を生成する必要はない。この予め記録されている識別情報の構成も特に限定されないが、記録媒体9の製造者に対応するコード(製造者コード、通称Mコード)や記録媒体9の規格に対応するコード(タイプコード、通称Tコード)などとすることができる。また、上記識別情報は適正な記録媒体に対してエラーチェックプログラムを動作させるために設けるものであり、識別情報の中身が容易に知られてしまうと識別情報自体もコピーされてしまうため、識別情報の少なくとも一部はコンピュータのOSでは記録内容を制御できない情報、具体的にはプログラムメモリ領域の情報や、CD−R成型時に付与される案内溝変調(ATIP:Absolute Time In Pre-groove)による情報などとすることが好ましい。
【0030】
ここで、一般的な記録媒体9の構造について、図12を参照して説明すると、CD-Rは、ポリカーボネート基板100上に、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの有機色素層101と銀などの反射層102と保護層103とが積層されて形成され、有機色素層101に所定のパワーのレーザ光を当てて色素を分解して基板を変形させることでピットを形成し、情報の記録を行っているが、レーザパワーは、レーザ光を照射するレーザヘッドの方式や使用する有機色素層101の種類に応じて最適な値が異なるため、情報の書き込みを確実に行うためにはCD-Rのタイプやレーザ記録パワーの推奨値をドライブ側が認識する必要がある。そこで、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値などの情報を記録媒体の製造段階で案内溝変調(ATIP)による情報として書き込み、その情報をドライブのファームウェアが読み取り、ファームウェアが独自にレーザヘッドを制御してレーザパワーの調整を行っている。このような案内溝変調(ATIP)は製造時にしか作成できないため、ユーザレベルでのコピーを防止することができる。また、上記以外の案内溝変調(ATIP)であるリードイン開始時間、最大リードアウト開始可能時間等も適宜設定することで識別情報として利用することができる。
【0031】
次に、ステップS106で、エラーチェックプログラム生成手段15は、コンピュータを図7に示す各手段として機能させるプログラムに、ステップS105で生成した識別情報又は記録媒体9に予め記録されている識別情報を参照可能に記述し、エラーチェックプログラムを当該記録媒体9でのみ動作するようにする。
【0032】
なお、上記方法は、記録媒体9に記録された識別情報と、エラーチェックプログラム自身に記述された識別情報とが一致するかに基づいて記録媒体9を識別(すなわち、当該記録媒体9のみを識別)できるようにする場合の方法であるが、識別情報が予め定められたルールに従って生成されているかに基づいて記録媒体9を識別(すなわち、特定種類の記録媒体9を識別)できるようにすることもできる。その場合、エラーチェックプログラムは、予め定められたルールを判別する機能を備えていればよく、エラーチェックプログラム自身に記録媒体装填部4に装填された記録媒体9に対応する識別情報を記述する必要はないため、記憶手段17に予め定められたルールを判別する機能を備えたエラーチェックプログラムを記憶しておき、記憶手段17からエラーチェックプログラムを読み出せばよい。
【0033】
次に、各種データやプログラムを記録媒体9に記録するが、家電機器ではデータを読み込むことができる記録領域が限定されるため、まず、ステップS107で、記録制御手段16は、必要に応じて生成した家電機器用データを記録媒体9の論理アドレス領域外に記録した後、ステップS108で必要に応じてセッションをクローズする。なお、論理アドレス領域とは、ユーザのデータ(プログラム)が記録される領域であり、ユーザデータの配置情報が記録されるプログラムメモリ領域、リードイン・TOC領域やリードアウト領域などの情報領域、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値、その他の情報が記録される案内溝変調(ATIP)情報の領域は含まない領域であり、論理アドレス領域外とは、上記論理アドレス領域以外の領域であって論理アドレス領域よりも内周側に位置する領域である。
【0034】
次に、ステップS109で、記録制御手段16は、ステップS102で読み取った画像データ及び必要に応じてステップS103で生成した縮小画像データと、ステップS106で生成したエラーチェックプログラム(又は記憶手段17に記憶されたエラーチェックプログラム)と、ステップS105で生成した識別情報とをセットにして家電機器用データの外側の領域に記録する。その際、記録媒体9に予め識別情報が記録されている場合はステップS105で生成した識別情報を記録する必要はなく、画像データとエラーチェックプログラムとをセットにして記録すればよい。
【0035】
上記手順で作成された記録媒体9は、例えば、図11に示すように各種データが記録され、ディスク型記録媒体9の論理アドレス領域の内周側の領域には必要に応じて家電機器用データが記録され、家電機器用データの外周側の領域には画像データや縮小画像データ、エラーチェックプログラムなどのコンピュータ機器用データが記録され、最内周の論理アドレス領域外又は家電機器用データの外周側の領域(図では論理アドレス領域外)には識別情報が記録される。
【0036】
また、記録媒体9のディレクトリ構造は図10(a)に示すようになり、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Rollフォルダ)内の画像データや縮小画像データ、記録媒体の管理情報が記述された管理データ(index.pvm)と、APPLフォルダ内のエラーチェックプログラムや画像データをスライドショーとして表示させるためのスライドショープログラム、スライドショーの設定ファイルと、識別情報が記述されたデータ(identification.txt)などでコンピュータ機器用データが構成される。このディレクトリ構造やファイル名は任意であるが、画像データの管理を容易にするために、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Roll)の下位の階層にメディア8毎、機器毎、フィルム毎のデータの格納場所を示すフォルダ(ROYYMMDDyyy_XXXXXXAABxxx、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z)、xxx:シーケンシャル番号)などを作成したり、各々のデータをCCYYMMDDxxxxxx(CC:データの種別、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、xxxxxx:シーケンシャル番号)などにリネームしてもよい。
【0037】
また、家電機器用データとしてVideo−CD形式のデータを生成した場合の記録媒体9のディレクトリ構造は図10(a)に示すようになり、上記コンピュータ機器用データに加えて、”VCD”フォルダ内の画像データをVideo−CD形式用データとして関連付けるファイル、”SEGMENT”フォルダ内のTV画面に表示する画像データ、”MPEGAV”フォルダ内の動画データ、”DAT”フォルダ内のTV画面に静止画像データを表示するためのアプリケーションなどが記録され、DVD−Video形式のデータを生成した場合は、図10(b)に示すように、”VIDEO_TS”フォルダ内の、チャプター位置情報が記述されたVIDEO_TS.IFOとそのバックアップファイルであるVIDEO_TS.BUPとタイトル選択メニューのためのVIDEO_TS.VOBとで構成されるビデオマネージャ(VMG)と、チャプター位置情報が記述されたVTS_**_0.IFOとそのバックアップファイルであるVTS_**_0.BUPとVTSの各タイトルの動画データであるVTS_**_*.VOBなどとで構成されるビデオタイトルセット(VTS)などが記録される。
【0038】
次に、記録媒体9の読み取りエラーをチェックする手順について、図9のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下では、記録装置1に記録媒体9を装填する場合について説明するが、エラーチェックプログラムは記録媒体9自身に記録されていることから、記録媒体9を装填する機器は、少なくとも記録媒体装填部と表示手段とを備えるコンピュータ機器であればよい。
【0039】
まず、ステップS201で、記録装置1の記録媒体装填部4に上述した手順で作成した記録媒体9を装填すると、ステップS202で、記録媒体9に書き込まれているエラーチェックプログラムが起動する。なお、ここでは記録媒体9を装填すると自動的にエラーチェックプログラムが起動するようにしているが、記録媒体9を装填するとメニュープログラムが起動してメニューの中からエラーチェックを選択するとエラーチェックプログラムが起動するようにしてもよいし、ユーザ自身がエラーチェックプログラムを起動させるようにしてもよい。
【0040】
次に、ステップS203で、エラーチェックプログラムは、コンピュータを識別情報読み取り手段18として機能させ、識別情報読み取り手段18は、記録媒体9の所定の領域又は所定のデータ(例えば、図10(a)のidentification.txtなど)から識別情報を読み取り、読み取った識別情報が前述したステップS106でエラーチェックプログラム自身に記述された識別情報と一致するか、又は、読み取った識別情報が予め定められたルールに従って構成されているかなどに基づいて、読み取った識別情報が特定の識別情報であるかを判断する。
【0041】
そして、識別情報が特定の識別情報と判断された場合は、ステップS204で、エラーチェックプログラムは、コンピュータをエラー検出手段19として機能させ、エラー検出手段19は、当該記録媒体9の読み取りエラーを検出し、記録媒体9に記録された画像データが正常に読み取れるかを判定する。なお、読み取りエラーが発生する状況とは、記録媒体9のキズなどにより所定の画像データの読み取りができない場合、記録媒体9の劣化などにより所定の画像データの読み取りにリトライが必要な場合、何らかのデータは読み取れるが画像を再生することができない場合などが考えられるが、少なくとも画像データの読み取りに際して何らかのエラーが発生する任意の状況を含むものとする。
【0042】
次に、ステップS205で、読み取りエラーが検出された場合は、ステップS206で、エラーチェックプログラムは、コンピュータをエラー情報表示手段20として機能させ、エラー情報表示手段20は、例えば、図13(a)に示すようなエラー通知画面22を表示手段5に表示させる。このエラー通知画面22には、画像データの読み取り時に読み取りエラーが発生したことを示すメッセージや、画像データのバックアップを促すメッセージなどが表示される。
【0043】
なお、エラー通知画面22は図13(a)の構成に限定されず、上記メッセージ以外の他の情報を表示してもよく、例えば、図13(b)に示すように、読み取りエラーが発生した画像データを特定するファイル名や、読み取りエラーの具体的な内容などを表示させることもでき、読み取りエラーの詳細情報を表示することによって、ユーザは記録媒体9の状態を判断することができ、バックアップを実行するか否かの判断に役立てることができる。
【0044】
次に、ステップS207で、ユーザは画像データを他の記録媒体9にバックアップするかを判断し、バックアップする場合は、例えば、エラー通知画面22の”バックアップ実行”ボタンを押してバックアップを実行する。なお、ここでは、エラー通知画面22にバックアップを実行させるためのボタンを設けているが、エラー通知画面22を表示した後に自動的にバックアップが実行されるようにしてもよいし、エラー通知画面22を表示させずに、読み取りエラーが検出されたら自動的にバックアップが実行されるようにしてもよい。
【0045】
次に、ステップS208で、エラーチェックプログラムは、コンピュータをバックアップ手段21として機能させ、バックアップ手段21は、記録媒体9から読み取った画像データを記録装置1の記憶手段17などに一旦記憶する。その際、読み取りエラーが発生した画像データに関して、リトライすれば読み取れる場合にはその画像データを記録媒体9から読み取り、また、リトライしても読み取れない場合は、該画像データが記憶手段17などにバックアップされているかを調べ、バックアップされている場合は記憶手段17からその画像データを読み取る。
【0046】
次に、ステップS209で、記録媒体装填部4に新たな記録媒体9を装填すると、ステップS210で、バックアップ手段21は、記憶手段17に一旦記憶した画像データを新たな記録媒体9にバックアップする。その際、バックアップ手段21は、必要に応じてエラーチェックプログラムや識別情報を新たな記録媒体9に記録してもよい。また、記録装置1に複数の記録媒体装填部4を備えている場合は、画像データを記憶手段17に一時的に記憶することなく、新たな記録媒体9に画像データを直接バックアップしてもよい。
【0047】
一方、ステップS203で読み取った識別情報が特定の識別情報でない場合や、ステップS205で読み取りエラーが検出されなかった場合、ステップS207でバックアップを指示しなかった場合には、ステップS211で、ユーザは記録媒体9に記録されている画像データを表示手段5に表示させたり、画像データを編集したり、スライドショーを表示させたり、写真プリントを作成するなどの作業を行う。
【0048】
このように、本実施例では、記録制御手段16により、記録媒体9には画像データとエラーチェックプログラムと必要に応じて識別情報とがセットで記録され、該記録媒体9をコンピュータ機器などにセットするとエラーチェックプログラムが起動し、記録媒体9から識別情報を読み取り、読み取った識別情報が特定の識別情報の場合に、読み取りエラーを検出し、読み取りエラーが検出された場合に、エラー通知画面22を表示したり、画像データを他の記録媒体にバックアップするなどの制御が行われるため、特定の記録媒体9に対してのみ読み取りエラーのチェックを実行させることができ、また、読み取りエラーが生じた場合に適切に対応することができる。
【0049】
なお、上記各実施例では、画像データを記録する記録媒体について示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、音楽データなどの画像データ以外の他の種類のデータを記録する記録媒体に対しても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例に係る記録装置の構成を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施例に係る記録装置の他の構成を示す外観図である。
【図3】本発明の一実施例に係る記録装置の他の構成を示す外観図である。
【図4】本発明の一実施例に係る記録装置の他の構成を示す外観図である。
【図5】本発明の一実施例に係る記録装置の他の構成を示す外観図である。
【図6】本発明の一実施例に係る記録装置の手段を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係るエラーチェックプログラムにより機能する手段を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例に係る記録装置を用いた記録媒体の作成手順を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施例に係る記録装置を用いたエラーチェック手順を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施例の記録媒体における画像データの記録構造を示す図である。
【図11】本発明の一実施例の記録媒体における画像データの記録領域を示す図である。
【図12】記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図である。
【図13】本発明の一実施例に係る記録装置の表示手段に表示されるエラー通知画面の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 記録装置
2 メディア装填部
3 機器接続部
4 記録媒体装填部
5 表示部
6 操作部
7 デジタルカメラ
7a カメラ付き携帯電話機
8 メディア
9 記録媒体
10 サーバ
11 通信ネットワーク
12 データ入力手段
13 データ生成手段
14 識別情報特定手段
15 エラーチェックプログラム生成手段
16 記録制御手段
17 記憶手段
18 識別情報チェック手段
19 エラーチェック手段
20 エラー通知画面表示手段
21 バックアップ手段
22 エラー通知画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
画像データと、
コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、
前記識別情報と、
をセットにして前記記録媒体に記録させる手段、として機能させることを特徴とする記録プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
画像データと、
コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、
をセットにして前記識別情報が予め記録された前記記録媒体に記録させる手段、として機能させることを特徴とする記録プログラム。
【請求項3】
前記エラーチェックプログラムは、更に、
コンピュータを、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記画像データ又は該画像データのバックアップデータを他の記録媒体に記録させる手段、として機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録プログラム。
【請求項4】
前記エラーチェックプログラムは、
前記識別情報が予め定められたルールに従って構成されている場合、又は、前記識別情報が前記チェックプログラム自身に記述された情報と一致する場合に、該識別情報が特定の識別情報であると判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の記録プログラム。
【請求項5】
画像データと、
コンピュータを、記録媒体から識別情報を読み取る手段、読み取った前記識別情報が特定の識別情報の場合に、前記記録媒体の読み取りエラーを検出する手段、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記読み取りエラーが検出されたことを示す情報を表示手段に表示させる手段、として機能させるエラーチェックプログラムと、
前記識別情報と、
が少なくとも記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項6】
前記識別情報は、前記記録媒体の論理アドレス領域外に記録されていることを特徴とする請求項5記載の記録媒体。
【請求項7】
前記エラーチェックプログラムは、更に、
コンピュータを、前記読み取りエラーが検出された場合に、前記画像データ又は該画像データのバックアップデータを他の記録媒体に記録させる手段、として機能させることを特徴とする請求項5又は6に記載の記録媒体。
【請求項8】
前記エラーチェックプログラムは、
前記識別情報が予め定められたルールに従って構成されている場合、又は、前記識別情報が前記チェックプログラム自身に記述された情報と一致する場合に、該識別情報が特定の識別情報であると判断することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−228272(P2006−228272A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37435(P2005−37435)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】