説明

記録再生装置、再生装置、情報媒体、およびカートリッジ

【課題】データ信号を記録する領域を減らすことなく、不正規の追記型情報媒体の再生を禁止するよう制御する。
【解決手段】再生されたデータ信号に基づいて情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部27と、エラー判定部27で判定されたエラー位置の情報を含む第2のエラー情報と前記第1のエラー情報とを比較する比較部29と、比較部29の比較結果に基づき再生されるデータ信号を外部に出力するか否かを制御する信号処理部23とを備え、信号処理部23は、比較部29における比較の結果、第1のエラー情報と第2のエラー情報とが一致する場合は、再生されるデータ信号を外部に出力することを許可し、第1のエラー情報と第2のエラー情報とが一致しない場合は、再生されるデータ信号を外部に出力することを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気テープやディスク状媒体などの情報媒体に各種情報を記録可能な記録再生装置に関する。また、磁気テープやディスク状媒体などの情報媒体に記録された情報を再生可能な再生装置に関する。特に、情報の書き換えが禁止されている磁気テープやディスク状媒体などの情報媒体の情報が改竄されることを検出することができる記録再生装置および再生装置に関する。また、情報の改竄を検出するのに使用されるエラー情報を記録可能な情報媒体に関する。また、情報の改竄を検出するのに使用されるエラー情報を記録可能な半導体記憶装置を備えたカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録した情報を書き換えたり削除したりすることができない追記型磁気テープの開発が進んでいる。このような追記型磁気テープでは、一度記録されたデータ信号を第三者によって改竄されないように管理する必要がある。情報の改竄を防止する手段としては、例えば特許文献1に開示されているように、コンテンツのコピー回数を管理するコピー制御管理情報を記録媒体に記録するものがある。
【特許文献1】特開2001−229612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら特許文献1に開示されている構成では、コピー制御管理情報を情報媒体に記録しなければならず、データ信号を記録するための領域が少なくなってしまう。
【0004】
本発明の目的は、データ信号を記録する領域を減らすことなく、不正規の追記型情報媒体の再生を禁止するよう制御することができる記録再生装置、再生装置に関する。また、不正規にデータ信号が改竄された場合に再生が禁止される情報媒体、およびそのような情報媒体を備えたカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の記録再生装置の第1の構成は、情報媒体にデータ信号を記録する記録部と、前記記録部において前記情報媒体に記録されたデータ信号を再生する再生部と、前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含むエラー情報を生成するエラー情報生成部とを備え、前記記録部は、前記エラー情報生成部で生成された前記エラー情報を前記情報媒体に記録するものである。
【0006】
本発明の再生装置の第1の構成は、予めエラー位置の情報を含む第1のエラー情報が記録されている情報媒体のデータ信号を再生可能な再生装置であって、情報媒体に記録されているデータ信号および前記第1のエラー情報を再生する再生部と、前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含む第2のエラー情報と、前記第1のエラー情報とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づき、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力するか否かを制御する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、前記比較部における比較の結果、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致する場合は、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを許可し、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致しない場合は、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを禁止するものである。
【0007】
本発明の記録再生装置の第2の構成は、半導体記憶装置を備えたカートリッジに内蔵された情報媒体に少なくともデータ信号を記録可能な記録再生装置であって、前記情報媒体にデータ信号を記録する第1の記録部と、前記半導体記憶装置に各種情報を記録する第2の記録部と、前記第1の記録部において前記情報媒体に記録されたデータ信号を再生する再生部と、前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含むエラー情報を生成するエラー情報生成部とを備え、前記第2の記録部は、前記エラー情報生成部で生成された前記エラー情報を前記半導体記憶装置に記録するものである。
【0008】
本発明の再生装置の第2の構成は、半導体記憶装置を備えたカートリッジに内蔵された情報媒体を再生可能な再生装置であって、前記情報媒体に記録されているデータ信号を再生する第1の再生部と、前記半導体記憶装置に記録されている第1のエラー情報を再生する第2の再生部と、前記第1の再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含む第2のエラー情報と、前記第2の再生部で再生された前記第1のエラー情報とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づき、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力するか否かを制御する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、前記比較部における比較の結果、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致する場合は、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを許可し、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致しない場合は、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを禁止するものである。
【0009】
本発明の情報媒体は、データ信号を記録可能なデータ記録領域と、当該情報媒体においてエラーが発生している位置の情報を含むエラー情報を記録可能なエラー情報記録領域とを備えたものである。
【0010】
本発明のカートリッジは、少なくともデータ信号を記録可能な情報媒体と、各種情報を記憶可能な半導体記憶装置とを備えたカートリッジであって、前記半導体記憶装置は、前記情報媒体におけるエラー発生位置の情報を含むエラー情報を記憶可能なものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、データ信号を記録する領域を減らすことなく、データが改竄された追記型情報媒体の再生を禁止するよう制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
〔1.記録再生装置の構成及び動作〕
図1は、実施の形態1における記録再生装置の構成を示す。本実施の形態では、記録再生装置は、磁気テープを製造する装置に搭載されることとする。また、本実施の形態では、磁気テープを情報媒体の一例として挙げて説明する。
【0013】
図1において、信号生成部11は、磁気テープに記録するためのデータ信号を生成する。記録制御部12は、磁気ヘッド13の動作を制御して、信号生成部11で生成されたデータ信号を磁気テープに記録するよう制御する。再生制御部14は、磁気ヘッド13の動作を制御して、磁気テープに記録されたデータ信号を再生する。エラー判定部15は、再生制御部14で再生されたデータ信号に基づいて、磁気テープにおけるエラーが生じている位置(アドレス)を判定する。エラーマップ生成部16は、エラー判定部15で判定されたエラーの位置に基づき、エラーマップを生成する。エラーマップは、例えばエラーが発生している磁気テープ上のアドレスの一覧で構成されている。
【0014】
ここで、図2は、磁気テープ31において発生しているエラーの状態を模式的に示したものである。エラー判定部15で判定可能なエラーは、磁気テープ31に刻みつけられて永久的に消えないハードウェアエラー32と、磁気テープ31にデータ信号を記録する際に一時的に生じるソフトウェアエラー33とがある。ハードウェアエラー32は、磁気テープ31にデータ信号を何回記録しても同一位置(アドレス)に生じるエラーであり、本特許出願時における技術ではハードウェアエラーが発生しない磁気テープは作製が極めて困難である。また、ソフトウェアエラー33は、磁気テープ31にデータ信号を記録する度に発生位置が異なる。また、エラーマップ生成部16で生成されるエラーマップは、ハードウェアエラーが発生しているアドレス情報と、ソフトウェアエラーが発生しているアドレス情報とを含む。また、図中の矢印は、磁気テープ31の走行方向の一例である。
【0015】
また、記録制御部12、磁気ヘッド13は、記録部の一例である。また、再生制御部14、磁気ヘッド13は、再生部の一例である。エラーマップ生成部16は、エラー情報生成部の一例である。
【0016】
以下、動作について説明する。図3は、記録再生装置によってデータ信号を記録する動作を示すフローチャートである。
【0017】
まず、記録制御部12は、磁気ヘッド13が動作するよう制御して、信号生成部11で生成されたデータ信号を磁気テープに記録する。この時、磁気テープの全長及び全トラックにデータ信号を記録するよう制御する(S11)。
【0018】
次に、再生制御部14は、磁気ヘッド13が動作するよう制御して、磁気テープに記録されたデータ信号を再生する。この時、磁気テープの全長及び全トラックに記録されたデータ信号を再生する。再生されたデータ信号は、エラー判定部15に送られる(S12)。
【0019】
エラー判定部15は、再生制御部14から送られるデータ信号に基づき、磁気テープ上においてエラーが生じている位置を検出する(S13、S14)。この時に検出されるエラー発生位置は、ハードウェアエラーとソフトウェアエラーとを含むが、1回目のエラー判定処理においてはエラーの種類を特定することはできない。したがって、本実施の形態では、S11〜S14に示すエラー判定処理を1回だけでなく、所定回数実行している(S15)。したがって、2回目のエラー判定処理を行うために、再度磁気テープにデータ信号を記録し(S11)、記録したデータ信号を再生する(S12)。
【0020】
次に、1回目にデータ信号を記録した際に検出したエラー発生位置と、2回目にデータ信号を記録した際に検出したエラー発生位置とを比較し、同一位置に発生しているエラーをハードウェアエラー(H1)と判定する(S13)。また、1回目にデータ信号を記録した際に検出したエラー発生位置と、2回目にデータ信号を記録した際に検出したエラー発生位置とが異なる場合は、そのエラー発生位置をソフトウェアエラー(S1)と判定する(S14)。
【0021】
次に、S11〜S14に示すエラー判定処理が所定回数(本実施の形態では3回)実行されれば、エラーマップ生成部16はエラーマップ(エラー情報)を生成する。生成されるエラーマップには、磁気テープにおいて発生したハードウェアエラーとソフトウェアエラーのアドレス情報を含んでいる。また、エラーマップに書き込まれるソフトウェアエラーのアドレス情報は、所定回数のエラー判定処理のうちの最後(本実施の形態では3回目)のエラー判定処理において判定されたソフトウェアエラーのアドレス情報である(S16)。
【0022】
次に、記録制御部12は、磁気ヘッド13が動作するよう制御して、エラーマップ生成部16で生成されたエラーマップを磁気テープに記録する(S17)。この時、エラーマップは、磁気テープにおける所定のエラー情報記録エリア34(図2)に記録される。このエラー情報記録エリア34は、データ信号の記録に影響がない部分に形成され、本実施の形態では磁気テープのBOT(Beginning Of Tape)部分に形成した。BOT部分などデータ信号の記憶に影響がない部分にエラー情報記録エリア34を形成することで、磁気テープにおける記録容量を減らさなくて済む。
【0023】
〔2.再生装置の構成及び動作〕
図4は、エラーマップが予め記録されている磁気テープに記録されているデータを再生可能な再生装置の構成を示す。図4に示す再生装置は、例えば一般ユーザーにおいて利用可能なテープドライブに搭載される。磁気ヘッド21は、少なくとも磁気テープに記録されたデータ信号を再生することができる。再生制御部22は、制御部26からの命令により磁気ヘッド21が再生動作を行うように制御するものである。信号処理部23は、再生制御部22で再生されたデータを、出力端子24側に出力するか否かを制御する。操作部25は、ユーザーによる少なくとも再生命令を受け付けることができる。制御部26は、操作部25が再生命令を受け付けると再生制御部22に対して再生命令を出力する。エラー判定部27は、再生制御部22で再生されたデータ信号に基づいて、磁気テープにおけるエラーの発生位置を判定する。エラーマップ管理部28は、再生制御部22で再生されたエラーマップを一時的に保持する。比較部29は、エラー判定部27において判定されたエラー発生位置と、エラーマップ管理部28で保持されているエラーマップに含まれているエラー発生位置とを比較する。
【0024】
以下、動作について説明する。図5は、再生装置によってデータを再生する際において、データの改竄有無を判定するフローチャートである。
【0025】
まず、磁気テープを再生装置に装着し、操作部25がユーザーによる再生命令を受け付けると、制御部26は再生制御部22に再生命令を出力する。再生制御部22は、制御部26からの命令により、磁気ヘッド21を再生動作させて、磁気テープに記録されているデータ信号とエラーマップを再生する。磁気テープから再生されたデータ信号は信号処理部23に入力され、エラーマップはエラーマップ管理部28に入力される(S21)。
【0026】
次に、エラーマップ管理部28は、磁気テープから再生されたエラーマップからハードウェアエラーH1とソフトウェアエラーS1とを読み出し、比較部29に入力する(S22)。
【0027】
次に、エラー判定部27は、再生制御部22で再生されたデータ信号に基づき、磁気テープのハードウェアエラーH2とソフトウェアエラーS2の発生位置を特定する。特定されたエラー発生位置の情報は、比較部29に入力される(S23、S24)。
【0028】
次に、比較部29は、エラーマップ管理部28から送られるハードウェアエラーH1とエラー判定部27から送られるハードウェアエラーH2とを比較し(S26)、一致していればS26に進む。
【0029】
一方、比較部29は、ハードウェアエラーH1とハードウェアエラーH2とが不一致であれば、信号処理部23に対してデータ信号を出力端子24側に出力することを禁止する制御信号を送る。信号処理部23は、比較部29から送られる制御信号に基づき、再生制御部22で再生されたデータ信号を出力端子24側に出力することを禁止する(S28)。
【0030】
次に、比較部29は、エラーマップ管理部28から送られるソフトウェアエラーS1とエラー判定部27から送られるソフトウェアエラーS2とを比較し(S26)、一致していれば信号処理部23に対してデータ信号を出力端子24側に出力することを許可する制御信号を送る。信号処理部23は、比較部29から送られる制御信号に基づき、再生制御部22で再生されたデータ信号を出力端子24側に出力する(S27)。
【0031】
一方、比較部29は、エラーマップ管理部28から送られるソフトウェアエラーS1及びS2が不一致であれば、信号処理部23に対してデータ信号を出力端子24側に出力することを禁止する制御信号を送る。信号処理部23は、比較部29から送られる制御信号に基づき、再生制御部22で再生されたデータ信号を出力端子24側に出力することを禁止する(S28)。
【0032】
すなわち、テープドライブに装着された磁気テープに記録されたデータ信号が、改竄されていない正規のデータ信号である場合は、ハードウェアエラーH1とハードウェアエラーH2とは一致し、ソフトウェアエラーS1とソフトウェアエラーS2とは一致する。よって、ハードウェアエラー同士およびソフトウェアエラー同士が一致する時に再生出力を許可することにより、正規のデータのみを再生出力することができる。
【0033】
一方、テープドライブに装着された磁気テープに記録されたデータ信号が、改竄された不正規のデータ信号である場合は、ハードウェアエラーH1とハードウェアエラーH2とは一致するが、ソフトウェアエラーS2はデータを不正規に記録した際に発生したエラーであるため、ソフトウェアエラーS1とは一致しない。よって、ソフトウェアエラーS1とソフトウェアエラーS2とが不一致であることを検出した時、その磁気テープに記録されているデータ信号は改竄されたものであると判断し、データ信号の再生出力を禁止するよう制御する。
【0034】
また、図2において、エラー情報記録エリア34が改竄された場合は、ハードウェアエラーH1とハードウェアエラーH2とが不一致になる。また、磁気テープを内包したカートリッジに装着された半導体メモリにエラーマップを保存する構成である場合、半導体メモリに保存されているエラーマップが改竄されたり、半導体メモリが他の半導体メモリに交換されたりした場合にも、ハードウェアエラーH1とハードウェアエラーH2とが不一致になる。このように、ハードウェアエラー同士が不一致であることを検出した時、その磁気テープはエラーマップが改竄されたものであると判断し、データ信号の再生出力を禁止する。
【0035】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、追記型磁気テープに記録されたデータ信号が改竄されたことを、ハードウェアエラーまたはソフトウェアエラーに基づいて判定する構成としたことにより、簡単な構成で、データ信号の改竄を判定することができる。
【0036】
また、ハードウェアエラーは永久的に消えないもので、ソフトウェアエラーはデータ記録毎に発生位置が異なるという特徴を利用して、データ信号の改竄を判定しているため、正確にデータ信号の改竄を判定することができる。
【0037】
また、エラー情報記録エリア34は、磁気テープにおいてデータ信号が記録されない部分に形成する構成としたことにより、磁気テープのデータ記録容量を減らすことなく、エラー情報を記録することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、記録再生装置において生成されたエラーマップを、磁気テープのBOT部分に記録する構成としたが、少なくともデータ信号中のデータ信号に影響を与えない部分であれば、他の部分に記録する構成としてもよい。
【0039】
また、本実施の形態における記録再生装置は、磁気テープの製造装置に搭載されるものとしたが、一般ユーザーにおいて利用可能なテープドライブに搭載してもよい。
【0040】
また、記録再生装置は、テープドライブに搭載するのに限らず、専用の記録装置として実現することもできる。
【0041】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2における記録再生装置の構成を示す。図7は、実施の形態2における再生装置の構成を示す。図6及び図7において、実施の形態1における構成と同様の構成については、同一番号を付与して詳細説明を省略する。
【0042】
実施の形態2の記録再生装置の構成は、磁気テープ17a及び半導体メモリ17b(半導体記憶装置)を備えたカートリッジ17を取り扱うことができる構成としたものである。また、半導体メモリ17bに情報を書き込むことができるメモリライター18(第2の記録部)を備え、エラーマップ生成部16で生成されたエラーマップは、メモリライター18によって半導体メモリ17bに書き込む構成とした。
【0043】
また、実施の形態2の再生装置の構成は、磁気テープ17a及び半導体メモリ17bを備えたカートリッジ17を取り扱うことができる構成としたものである。また、半導体メモリ17bに書き込まれている情報を読み出すことができるメモリリーダー30(第2の再生部)を備えた。メモリリーダー30は、少なくとも半導体メモリ17bに書き込まれているエラーマップを読み出すことができ、読み出されたエラーマップはエラーマップ管理部28に保存される。以降の動作は、実施の形態1に記載した動作と同様であるため、説明は省略する。
【0044】
以上のように本実施の形態によれば、エラーマップ生成部16で生成されたエラーマップを半導体メモリ17bに書き込む構成としたことにより、磁気テープと磁気ヘッドとの現在の相対位置にかかわらず、エラーマップを書き込みまたは読み出すことができ、使い勝手を向上させることができる。
【0045】
なお、実施の形態1及び2において、情報媒体は磁気テープに限らず、他の形態の情報媒体であってもよい、情報媒体としては、例えば磁気ディスクや光ディスクなどのディスク状媒体などがあり、少なくともエラーマップを書き込むことができれば本発明と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の記録再生装置は、磁気テープのエラーを検出し、検出したエラー情報を磁気テープや半導体記憶装置に記録することができる機器に有用である。また、本発明の再生装置は、磁気テープまたは半導体記憶装置に記録されているエラー情報を再生し、磁気テープの再生可否を判断する機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態1における記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】磁気テープにおいてエラーの発生状態を示す模式図
【図3】実施の形態1の記録再生装置のデータ記録動作を示すフローチャート
【図4】実施の形態1における再生装置の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態1の再生装置のデータ改竄チェック動作を示すフローチャート
【図6】実施の形態2における記録再生装置の構成を示すブロック図
【図7】実施の形態2における再生装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0048】
11 信号生成部
12 記録制御部
13、21 磁気ヘッド
14、22 再生制御部
15、27 エラー判定部
16 エラーマップ生成部
23 信号処理部
24 出力端子
28 エラーマップ管理部
29 比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報媒体にデータ信号を記録する記録部と、
前記記録部において前記情報媒体に記録されたデータ信号を再生する再生部と、
前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、
前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含むエラー情報を生成するエラー情報生成部とを備え、
前記記録部は、前記エラー情報生成部で生成された前記エラー情報を前記情報媒体に記録する、記録再生装置。
【請求項2】
予めエラー位置の情報を含む第1のエラー情報が記録されている情報媒体を再生可能な再生装置であって、
情報媒体に記録されているデータ信号および前記第1のエラー情報を再生する再生部と、
前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、
前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含む第2のエラー情報と、前記第1のエラー情報とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づき、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力するか否かを制御する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
前記比較部における比較の結果、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致する場合は、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを許可し、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致しない場合は、前記再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを禁止する、再生装置。
【請求項3】
半導体記憶装置を備えたカートリッジに内蔵された情報媒体に少なくともデータ信号を記録可能な記録再生装置であって、
前記情報媒体にデータ信号を記録する第1の記録部と、
前記半導体記憶装置に各種情報を記録する第2の記録部と、
前記第1の記録部において前記情報媒体に記録されたデータ信号を再生する再生部と、
前記再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、
前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含むエラー情報を生成するエラー情報生成部とを備え、
前記第2の記録部は、前記エラー情報生成部で生成された前記エラー情報を前記半導体記憶装置に記録する、記録再生装置。
【請求項4】
半導体記憶装置を備えたカートリッジに内蔵された情報媒体を再生可能な再生装置であって、
前記情報媒体に記録されているデータ信号を再生する第1の再生部と、
前記半導体記憶装置に記録されている第1のエラー情報を再生する第2の再生部と、
前記第1の再生部で再生されたデータ信号に基づいて、前記情報媒体におけるエラー位置を判定するエラー判定部と、
前記エラー判定部で判定されたエラー位置の情報を含む第2のエラー情報と、前記第2の再生部で再生された前記第1のエラー情報とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づき、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力するか否かを制御する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
前記比較部における比較の結果、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致する場合は、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを許可し、前記第1のエラー情報と前記第2のエラー情報とが一致しない場合は、前記第1の再生部で再生されるデータ信号を外部に出力することを禁止する、再生装置。
【請求項5】
データ信号を記録可能なデータ記録領域と、
当該情報媒体においてエラーが発生している位置の情報を含むエラー情報を記録可能なエラー情報記録領域とを備えた、情報媒体。
【請求項6】
少なくともデータ信号を記録可能な情報媒体と、各種情報を記憶可能な半導体記憶装置とを備えたカートリッジであって、
前記半導体記憶装置は、前記情報媒体におけるエラー発生位置の情報を含むエラー情報を記憶可能である、カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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