説明

記録再生装置

【課題】製造コストの低減とともに、処理負担をかけず、迅速な起動を図ることができる記録再生装置を提供する。
【解決手段】MPU142は、電源が投入されると、EPROM144から起動プログラム144aを読み出してRAM143に書き出す第1の処理と、RAM143に書き出された起動プログラム144aを読み出して実行するとともに、ディスクドライブ部8から記録プログラム8bと再生プログラム8cをRAM143に書き出す第2の処理と、RAM143に書き出された記録プログラム8bあるいは再生プログラム8cを実行する第3の処理とを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータの記録並びに再生が可能な記録再生装置に関し、特に、記憶されたプログラムモジュールの全部または一部を読み出し、これをアクセス用メモリに書き出して実行するようにした記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受像機等の映像装置において処理される映像或いは音声の記録および再生を行うための装置として、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ等のデジタル方式による記録再生装置が広く普及している。また、これらの記録再生装置は、半導体記憶素子により構成された不揮発性メモリに記憶されたプログラムをアクセス用メモリへ書き出し、この書き出したプログラムをプロセッサが読み取って処理を行うものが一般的である。この不揮発性メモリは読み出し速度に大変優れているが、大変高価なものであるため、製造コストがかかるという問題があった。そこで、例えば、従来のプログラムの記憶方法として、プログラムをROMとディスクドライブなどの記憶媒体とに記憶し、初期化を行う初期化モジュールを含む基本機能のモジュールはROMに記憶し、その他のモジュールは記憶媒体に記憶しておいて、ROMのメモリ容量を削減可能としたものがある。このような記憶方法を実行する記憶装置では、電源投入後に初期化モジュールをROMから読みだして実行した後、ROMと記憶媒体とにそれぞれ記憶されたモジュールリストをRAMに書き出す。そして、記憶媒体に記憶されたモジュールをRAMに書き出し、MPUは、RAMに記憶されたモジュールリストに基づいて、要求されたモジュールを、ROM又はRAMから読みだして実行する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2002/052397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような記憶装置を記録再生装置に適用した場合、いちいちモジュールリストを参照してモジュールの格納されたデバイスを探していたのでは処理負担がかかり、また、例えば、ユーザがテレビ番組を視聴しているときに、当該番組を録画したいと考え録画準備を行う場合、記録再生装置の起動のたびにいちいちモジュールリストを書き出していたのでは、録画の開始がそれだけ遅くなるので、できるだけ早く録画を行いたいというユーザの要望に応えることができない。
【0005】
本発明の課題は、製造コストの低減とともに、処理負担をかけず、迅速な起動を図ることができる記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、音声データ及び映像データを含むコンテンツデータを受信する受信手段と、
磁気ディスクにより構成された記録装置と、
前記受信手段により受信された前記コンテンツデータを前記記録装置へ記録させる記録手段と、
前記記録装置に記録された前記コンテンツデータを再生する再生手段と、
電源の供給が遮断しても内容を保持する第1メモリと、
プログラムモジュールを一時的に記憶する第2メモリと、
前記第2メモリから前記プログラムモジュールを読み取って実行するプロセッサと、を備える記録再生装置において、
前記第1メモリには、前記プログラムモジュールのうち、電源が投入されたときに記録再生装置を起動させるための起動プログラムモジュールが記憶され、
前記記録装置には、前記プロセッサを前記記録手段及び前記再生手段として機能させるための機能プログラムモジュールが記憶され、
前記プロセッサは、電源が投入されたときに、前記第1メモリから前記起動プログラムモジュールを読みだして前記第2メモリに書き出す第1の処理と、前記第1の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記起動プログラムモジュールを読みだして実行するとともに、前記記録装置に記憶された前記機能プログラムモジュールを読みだして、前記第2メモリに書き出す第2の処理と、前記第2の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記機能プログラムモジュールを読みだして実行する第3の処理と、を行うようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録再生装置であって、前記起動プログラムモジュールは、前記プロセッサによる記録装置へのアクセスを許可する処理を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録再生装置であって、前記起動プログラムモジュールは、前記第2の処理の実行中において、所定の起動中表示を表示装置に表示させる起動表示処理を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、音声データ及び映像データを含むコンテンツデータを受信する受信手段と、
磁気ディスクにより構成された記録装置と、
前記受信手段により受信された前記コンテンツデータを前記記録装置へ記録させる記録手段と、
前記記録装置に記録された前記コンテンツデータを再生する再生手段と、
電源の供給が遮断しても内容を保持する第1メモリと、
プログラムモジュールを一時的に記憶する第2メモリと、
前記第2メモリから前記プログラムモジュールを読み取って実行するプロセッサと、を備える記録再生装置において、
前記第1メモリには、前記プログラムモジュールのうち、電源が投入されたときに記録再生装置を起動させるための起動プログラムモジュールが記憶され、
前記記録装置には、前記プロセッサを前記記録手段及び前記再生手段として機能させるための機能プログラムモジュールが記憶され、
前記プロセッサは、電源が投入されたときに、前記第1メモリから前記起動プログラムモジュールを読みだして前記第2メモリに書き出す第1の処理と、前記第1の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記起動プログラムモジュールを読みだして実行するとともに、前記記録装置に記憶された前記機能プログラムモジュールを読みだして、前記第2メモリに書き出す第2の処理と、前記第2の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記機能プログラムモジュールを読みだして実行する第3の処理と、を実行し、
前記起動プログラムモジュールは、前記プロセッサによる記録装置へのアクセスを許可する処理と、前記第2の処理の実行中において、所定の起動中表示を表示装置に表示させる起動表示処理と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造コストの低減とともに、処理負担をかけず、迅速な起動を図ることができる記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビジョン放送情報記録再生システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る記録再生装置の制御部にて実行されるプログラム転送処理を表すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る記録再生装置の制御部にて実行される起動処理を表すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態におけるテレビジョン受像機の表示画面に表示された映像を表す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る記録再生装置の制御部にて実行される記録処理を表すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る記録再生装置の制御部にて実行される再生処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、テレビジョン放送情報記録再生システム100は、テレビジョン放送情報に含まれる番組情報を、映像データや音声データ等から成るコンテンツデータとしてのテレビジョン放送情報として、ディスクドライブ部8に記録するとともに、ディスクドライブ部8に記録されたテレビジョン放送情報の再生を行う記録再生装置1と、ユーザが各種操作指示を入力するためのリモコン部2と、記録再生装置1において再生されたテレビジョン放送情報に基づく情報を表示させる所定の表示手段としてのテレビジョン受像機200と、を備えて構成されている。
【0014】
このテレビジョン放送情報記録再生システム100は、例えば、放送局より送信されたテレビジョン放送情報に含まれる番組情報を記憶し再生するシステムである。
【0015】
記録再生装置1は、放送局から送信された放送信号をアンテナ17を介して受信し、その放送信号から所定の放送チャンネルの放送番組情報に応じた信号を選局するチューナ3と、チューナ3から出力された放送信号を構成するテレビジョン放送情報における映像データから同期信号を分離する分離部4と、分離部4から入力されたテレビジョン放送情報に対して所定の圧縮処理を行うエンコーダ6と、テレビジョン放送情報の入出力経路を設定して、エンコーダ6から入力されたテレビジョン放送情報をディスクドライブ部8に送給するとともに、ディスクドライブ部8から取り込んだテレビジョン放送情報を装置の各部に出力するデータプロセッサ7と、テレビジョン放送情報の記録及び再生を行う記録再生装置1に内蔵されたディスクドライブ部8と、ディスクドライブ部8から出力されたテレビジョン放送情報に所定の復元処理を行うデコーダ10と、デコーダ10から出力されたテレビジョン放送情報に対して所定の信号出力処理を行う出力インターフェース部11と、リモコン部2からの入力操作信号を受信するとともに、その入力操作信号を制御部14に出力するリモコン信号受光部13と、記録再生装置1の各部を統括制御する制御部14と、装置各部を接続する制御バス15等を備えている。
【0016】
リモコン部2は、例えば、記録再生装置1に対して遠隔操作を行うリモートコントロール装置(リモコン)であり、電源キー(図示省略)、録画キー(図示省略)、再生キー(図示省略)等を備えている。
【0017】
チューナ3は、例えば、図示は省略するが、高周波増幅回路と、局部発振回路及び混合回路から成る周波数変換回路等を備えて構成されている。
チューナ3は、記録再生装置1に接続されたアンテナ17を介して記録再生装置1に入力されたテレビジョン放送信号と、局部発振回路から出力される局部発振信号とを混合回路により混合し、その放送信号の周波数を選局するための制御部14からの制御出力に応じて、特定周波数帯の放送信号を受信する。そしてチューナ3は、受信した放送信号を所定の中間周波数を有するIF(中間周波:Intermediate Frequency)信号に変換して分離部4に出力する。
このように、チューナ3は、受信手段を構成する。
【0018】
分離部4は、放送信号であるテレビジョン放送情報をエンコーダ6に出力するとともに、チューナ3より入力されたIF信号からテレビジョン放送情報を構成する映像データと音声データを分離し、分離した映像データから、同期信号を分離して装置の各部に出力する。この同期信号に基づいて、ディスクドライブ部8におけるテレビジョン放送情報の記録、再生等が行われる際の同期がとられることとなる。
【0019】
エンコーダ6は、例えば、図示は省略するがビデオエンコーダと、オーディオエンコーダ等を備えて構成されている。
ビデオエンコーダは、テレビジョン放送情報を構成する映像データをMPEG(Motion Picture Expert Group)方式に従って圧縮し、オーディオエンコーダは、テレビジョン放送情報を構成する音声データをMPEGオーディオ方式に従って圧縮する。
そして、このエンコーダ6において生成されたテレビジョン放送情報は、データプロセッサ7を介してディスクドライブ部8に出力されることとなる。
【0020】
データプロセッサ7は、後述するMPU142からの制御出力に基づいて、テレビジョン放送情報の入出力経路を設定し、データの入力及び出力を制御する。
具体的には、例えば、ユーザによるリモコン部2の操作によりディスクドライブ部8に対する記憶の指示がなされた場合には、エンコーダ6から入力されたテレビジョン放送情報をディスクドライブ部8に出力する。
【0021】
デコーダ10は、例えば、図示は省略するが、セパレート部と、ビデオデコーダと、オーディオデコーダ等を備えて構成されている。
セパレート部は、ディスクドライブ部8からデータプロセッサ7を介して出力されたテレビジョン放送情報を映像データ、音声データ等の複数のデータに分離する。また、ビデオデコーダは、セパレート部において分離された映像データを、MPEG方式に従って復元し、オーディオデコーダは、セパレート部において分離された音声データをMPEGオーディオ方式に従って復元する。
このデコーダ10において生成されたテレビジョン放送情報は、再生処理においては出力インターフェース部11に出力されることとなる。
【0022】
出力インターフェース部11は、例えば、図示しない映像出力部と音声出力部とD/A変換器等を備え、再生処理においてデコーダ10から入力されるテレビジョン放送情報に対して各種の出力インターフェース処理を施し、NTSC方式やPAL方式等のテレビジョン受像機200に適合した映像データ、音声データに変換する。具体的には、D/A変換器は、出力がアナログである場合に、デコーダ10より入力されたデジタルのテレビジョン放送情報をアナログデータに変換する。
この出力インターフェースにおいて生成されたテレビジョン放送情報に基づく情報である映像や音声は、記録再生装置1に接続されたテレビジョン受像機200の表示画面200aやスピーカ(図示省略)にそれぞれ出力されることとなる。
【0023】
ディスクドライブ部8は、内蔵されたハードディスクと、ハードディスクに対するデータの記憶或いはハードディスクに記憶されたデータの読み出しを行う磁気ヘッド(図示省略)と、ハードディスクを回転駆動させるとともに、磁気ヘッドをハードディスクの半径方向に移動させるための駆動部(図示省略)等を備えて構成されている。ハードディスクは、非磁性体のディスク基板(図示省略)と、その上に設けられた磁性層(図示省略)と、を備えて成り、磁気ヘッドとハードディスクとの間に、電流を供給することにより磁界を発生する微小なギャップを有している。
【0024】
ディスクドライブ部8は、テレビジョン放送情報を記録する記録部8aと、プログラム格納エリアを有している。このプログラム格納エリアには、機能プログラムモジュールとしての記録プログラム8b及び再生プログラム8c等が記憶されている。
ディスクドライブ部8は、上記のような構成により、記録装置を構成する。
【0025】
記録プログラム8bは、例えば、MPU142に、入力されるテレビジョン放送情報をディスクドライブ部8に記録する機能を実現させるためのプログラムモジュールである。
具体的には、リモコン2において、テレビジョン放送情報の記録を指示するキー操作が行われ、チューナ3による選局処理が行われてテレビジョン放送情報の受信が開始されると、MPU142は、分離部4、エンコーダ部6、データプロセッサ7等において前述した処理を行わせ、ディスクドライブ部8に記録可能なフォーマットに変換されたテレビジョン放送情報を、記録部8aに記録させる。
MPU142は、かかる記録プログラム8bを実行することにより、記録手段として機能する。
【0026】
再生プログラム8cは、例えば、MPU142に、記録プログラム8bの実行により記録部8aに記録されたテレビジョン放送情報を再生する機能を実現させるためのプログラムモジュールである。
具体的には、リモコン2において、記録部8aに記録されたテレビジョン放送情報の再生を指示するキー操作が行われると、MPU142は、ディスクドライブ部8において記録部8aに記録されたテレビジョン放送情報を読み出して、データプロセッサ7、デコーダ10等において前述した処理を行わせ、記録再生装置1に接続されたテレビジョン受像機200に出力して、表示部200aに映像を表示させるとともに、図示しない音声出力部により音声を出力させる。
MPU142は、かかる再生プログラム8cを実行することにより、再生手段として機能する。
【0027】
リモコン信号受光部13は、リモコン部2に備わる各種キーが、ユーザの押下操作により出力された赤外線等の入力操作信号を受信し、その入力操作信号を制御部14に対して出力する。
【0028】
制御部14は、MPU(Micro Processor Unit)142と、RAM(Random Access Memory)143と、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)144等を備えて構成されている。
【0029】
プロセッサとしてのMPU142は、プログラム伸長部142aを備えており、EPROM144やディスクドライブ部8に格納された各種プログラムを伸長してRAM143へ転送する。そして、MPU142は、記録再生装置1の各部を介して入力された入力信号や、リモコン部2の各種キーの押下操作によってリモコン信号受光部13を介して入力された入力操作信号等に応じて、RAM143へ転送された各種プログラムを読み出して実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて装置の各部に出力信号を出力することによって、記録再生装置1の動作全般を統括制御する。
【0030】
第2メモリとしてのRAM143は、例えば、SDRAM等、データの高速転送が可能な記憶媒体が用いられている。このRAM143は、MPU142により実行される処理プログラム等を書き出すためのアクセス領域143aや、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するワークエリア143bなどを備える。
【0031】
第1メモリとしてのEPROM144は、例えば、フラッシュメモリ等、電源の供給が遮断しても内容を保持し、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリが用いられている。このEPROM144は、プログラム格納エリアを有し、プログラム格納エリアには、起動プログラムモジュールとしての起動プログラム144aが格納されている。
【0032】
起動プログラム144aは、電源が投入されたときに、記録再生装置1を正常に動作させるための初期設定を行わせるとともに、ディスクドライブ部8へのアクセスを可能にする機能をMPU142に実現させるプログラムモジュールである。
【0033】
次に、当該記録再生装置1におけるプログラム転送処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、MPU142は、図2に示すように、第1の処理として、プログラム伸長部142aにより、EPROM144から起動プログラム144aを読み出して伸長し、RAM143のアクセス領域143aに書き出す(ステップS10)。
【0035】
次に、MPU142は、システムリセットの解除を行う(ステップS11)。MPU142は、このシステムリセットの解除により、アクセス領域143aに書き出されたプログラムの実行を開始する。すなわち、ステップS10にて転送された、第2の処理としての起動プログラム144aが実行され、起動処理が開始されることとなる。
【0036】
そして、MPU142は、ディスクドライブ部8とのアクセス設定がなされたか否かを判定する(ステップS12)。MPU142は、ステップS12において、アクセス設定がなされたと判定したときは、第2の処理として、プログラム伸長部142aによって、ディスクドライブ部8に記憶された各プログラムを伸長してアクセス領域143aへ書き出し(ステップS13)、この処理を終了する。一方、MPU142は、ステップS12において、アクセス設定がなされたと判定しなかったときは、再度ステップS12の処理を実行する。
【0037】
次に、当該記録再生装置1における起動処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。起動処理は、MPU142が起動プログラム144aを実行することにより実現される。
【0038】
まず、MPU142は、図3に示すように、当該記録再生装置1の各構成部が正常に機能するように初期設定を行う(ステップS101)。
そして、MPU142は、ディスクドライブ部8とのアクセスを可能にするための設定を行うドライブアクセス設定処理を実行する(ステップS102)。この処理が実行されることにより、MPU142は、ディスクドライブ部8とのアクセスが可能となり、上述した図2のステップS12において、アクセス設定がなされたと判定されるようになる。
【0039】
次に、MPU142は、図4(a)に示すような起動中である旨の表示をテレビジョン受像機200の表示画面200aに行わせる処理を実行する(ステップS103)。
そして、MPU142は、記録プログラム8b及び再生プログラム8cのディスクドライブ部8からアクセス領域143aへの転送が完了したか否かを判定する(ステップS104)。MPU142は、記録プログラム8b及び再生プログラム8cのディスクドライブ部8からアクセス領域143aへの転送が完了したと判定したときは、表示画面200aにおける表示を、図4(a)に示すような表示から図4(b)に示すような表示へ切り替える処理を行う(ステップS105)。このような表示を行うことにより、ユーザに対して記録及び再生が可能となった旨を認識させるようにしている。
一方、MPU142は、ステップS104において、記録プログラム8b及び再生プログラム8cのディスクドライブ部8からアクセス領域143aへの転送が完了したと判定しなかったときは、再度ステップS104の処理を実行する。
【0040】
次に、当該記録再生装置1における第3の処理としての記録処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。この記録処理は、MPU142が記録プログラム8bを実行することにより実現される。また、この処理は、記録プログラム8bのアクセス領域143aへの転送が完了したことを条件として、例えば、所定時間毎(例えば、2ms毎)に実行される。
【0041】
まず、MPU142は、図5に示すように、ユーザによってリモコン部2による記録指示が入力されたか否かを判定する(ステップS201)。
MPU142は、ステップS201において、記録指示が入力されたと判定したときは、所定の記録実行処理を実行して(ステップS202)、この処理を終了する。具体的には、MPU142は、その時点で記録部8aにおける一つの空きセグメント(例えば、セグメント1)を確保し、このセグメント1にデータの記録を行う。そして、セグメント1が一杯になった時点で次の一つの空きセグメント(例えばセグメント2)を確保し、このセグメント2にデータの記録を行う。つまり、一つのセグメント一杯まで記録を行うと、その時点で次の空きセグメントを確保することを繰り返すことによって、テレビジョン放送情報の記録を行うようにしている。
一方、MPU142は、ステップS201において、記録指示が入力されたと判定しないときは、ステップS202の処理を実行することなくこの処理を終了する。
【0042】
次に、当該記録再生装置1における第3の処理としての再生処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。この再生処理は、MPU142が再生プログラム8cを実行することにより実現される。また、この処理は、再生プログラム8cのアクセス領域143aへの転送が完了したことを条件として、例えば、所定時間毎(例えば、2ms毎)に実行される。
【0043】
まず、MPU142は、図6に示すように、ユーザによってリモコン部2による再生指示が入力されたか否かを判定する(ステップS301)。
MPU142は、ステップ301において、再生指示が入力されたと判定したときは、上述したような再生動作を行わせるための再生実行処理を実行して(ステップS302)、この処理を終了する。
一方、MPU142は、ステップS301において、再生指示が入力されたと判定しないときは、ステップS302の処理を実行することなくこの処理を終了する。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、電源が投入されると、EPROM144から起動プログラム144aが読み出されてRAM143に書き出す第1の処理が実行される。そして、RAM143に書き出された起動プログラム144aがMPU142によって実行されるとともに、記憶装置としてのディスクドライブ部8から機能プログラムとしての記録プログラム8b及び再生プログラム8cが読み出されてRAM143に書き出す第2の処理が実行される。その後、記録プログラム8bあるいは再生プログラム8cが実行されて、テレビジョン放送情報の記録・再生が可能となる。その結果、高速なアクセスが可能であるが高価であるEPROM144には、起動に必要な起動プログラム144aのみ格納し、記録再生装置1における各種機能を発揮させるための機能プログラムについては、比較的安価なディスクドライブ部8にて記憶させることにより、EPROM144にかかるコストを低減させることができ、その結果、製造コストが低減する。また、記録再生装置1を正常に機能させるための起動プログラム144aを実行中に、機能を発揮させるのに必要な機能プログラムのみRAM143への書き出しを行うので、機能プログラムの実行までの遅延を抑制することができ、ディスクドライブ部8に機能プログラムを記憶させるようにしても迅速な録画あるいは再生が可能となる。さらに、起動プログラム144a及び機能プログラムの何れもRAM143へ書き出し、MPU142は書き出したプログラムを実行するので、プログラムの実行毎にデバイスを探すといった処理負荷をかけることがない。
【0045】
また、本発明の実施形態によれば、ディスクドライブ部8から機能プログラムのRAM143への書き出しを速やかに行うことができる。
【0046】
また、本発明の実施形態によれば、起動中であることをユーザに対して認識可能にすることができる。
【0047】
なお、本発明の実施形態では、磁気ディスクとしてハードディスクを用いたが、CD−ROMやDVDなどの磁気ディスクを用いるようにしてもよい。
【0048】
また、本発明の実施形態では、記録再生装置1をテレビジョン受像機200と別体としているが、一体に構成してもよい。
【0049】
また、本発明の実施形態では、機能プログラムの転送中において起動中表示を行うようにしたが、そのような表示を行わないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100 テレビジョン放送情報記録再生システム
1 記録再生装置
3 チューナ(受信手段)
8 ディスクドライブ部(記録装置)
8a 記録部
8b 記録プログラム(機能プログラムモジュール、記録手段)
8c 再生プログラム(機能プログラムモジュール、再生手段)
14 制御部
142 MPU(マイクロプロセッサ、再生手段、記録手段)
142a プログラム伸長部
143 RAM(第2メモリ)
143a アクセス領域
144 EPROM(第1メモリ)
144a 起動プログラム(起動プログラムモジュール)
200 テレビジョン受像機(表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データ及び映像データを含むコンテンツデータを受信する受信手段と、
磁気ディスクにより構成された記録装置と、
前記受信手段により受信された前記コンテンツデータを前記記録装置へ記録させる記録手段と、
前記記録装置に記録された前記コンテンツデータを再生する再生手段と、
電源の供給が遮断しても内容を保持する第1メモリと、
プログラムモジュールを一時的に記憶する第2メモリと、
前記第2メモリから前記プログラムモジュールを読み取って実行するプロセッサと、を備える記録再生装置において、
前記第1メモリには、前記プログラムモジュールのうち、電源が投入されたときに記録再生装置を起動させるための起動プログラムモジュールが記憶され、
前記記録装置には、前記プロセッサを前記記録手段及び前記再生手段として機能させるための機能プログラムモジュールが記憶され、
前記プロセッサは、電源が投入されたときに、前記第1メモリから前記起動プログラムモジュールを読みだして前記第2メモリに書き出す第1の処理と、前記第1の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記起動プログラムモジュールを読みだして実行するとともに、前記記録装置に記憶された前記機能プログラムモジュールを読みだして、前記第2メモリに書き出す第2の処理と、前記第2の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記機能プログラムモジュールを読みだして実行する第3の処理と、を行うようにしたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記起動プログラムモジュールは、前記プロセッサによる記録装置へのアクセスを許可する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記起動プログラムモジュールは、前記第2の処理の実行中において、所定の起動中表示を表示装置に表示させる起動表示処理を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
音声データ及び映像データを含むコンテンツデータを受信する受信手段と、
磁気ディスクにより構成された記録装置と、
前記受信手段により受信された前記コンテンツデータを前記記録装置へ記録させる記録手段と、
前記記録装置に記録された前記コンテンツデータを再生する再生手段と、
電源の供給が遮断しても内容を保持する第1メモリと、
プログラムモジュールを一時的に記憶する第2メモリと、
前記第2メモリから前記プログラムモジュールを読み取って実行するプロセッサと、を備える記録再生装置において、
前記第1メモリには、前記プログラムモジュールのうち、電源が投入されたときに記録再生装置を起動させるための起動プログラムモジュールが記憶され、
前記記録装置には、前記プロセッサを前記記録手段及び前記再生手段として機能させるための機能プログラムモジュールが記憶され、
前記プロセッサは、電源が投入されたときに、前記第1メモリから前記起動プログラムモジュールを読みだして前記第2メモリに書き出す第1の処理と、前記第1の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記起動プログラムモジュールを読みだして実行するとともに、前記記録装置に記憶された前記機能プログラムモジュールを読みだして、前記第2メモリに書き出す第2の処理と、前記第2の処理の実行後、前記第2メモリに書き出した前記機能プログラムモジュールを読みだして実行する第3の処理と、を実行し、
前記起動プログラムモジュールは、前記プロセッサによる記録装置へのアクセスを許可する処理と、前記第2の処理の実行中において、所定の起動中表示を表示装置に表示させる起動表示処理と、を含むことを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−3979(P2011−3979A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143362(P2009−143362)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】