説明

記録再生装置

【課題】 上位CPU部から送信されるコンテンツに係る情報を、光ディスクに信頼性高く記録することができる記録再生装置を提供する。
【解決手段】上位CPU部2から送信されるコンテンツに関する情報を光ディスク24に書き込む処理を行うリードライト制御手段と、不揮発性メモリ23を備えている。このリードライト制御手段は、さらに上位CPU部から送信されるコンテンツのAV信号をリアルタイムに光ディスク24に書き込む処理を行うコンテンツ書込み手段と、コンテンツ書込み手段が作動しているときに、コンテンツの管理情報を不揮発性メモリ23に一時的に記憶する処理を行う管理情報一時記憶手段とを備えている。そして、不揮発性メモリ23に一時的に記憶した記録管理情報は、上位CPU部から送信される制御コマンドに基づいて、光ディスク24に書き込む処理を行うようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDなどの光ディスク記録媒体への情報の書き込みや読み取りを行う光ディスクドライブを備えた記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、動画を含む各種のコンテンツを大容量の記録媒体であるDVD−RWディスク等の光ディスク記録媒体(以下、単に「光ディスク」という)に記録し、必要なときにこの光ディスクに記録したコンテンツを再生する記録再生装置が実用化されている。例えば、BSデジタル放送やハイビジョン放送(以下、放送番組という)で放映される映画等の番組を光ディスクに録画する記録再生装置である。
【0003】
コンテンツの録画と再生機能を有する光ディスクドライブを備えた従来の記録再生装置は、一般に、光ディスクドライブの他に大容量の記憶領域を有するハードディスクドライブ(以下、HDDという)を備えている。光ディスクドライブを有する従来の記録再生装置が、HDDを備えている理由は、主として次の理由による。
【0004】
(1)例えば、記録再生装置が備えているチューナから受信した放送番組を光ディスクドライブの光ディスクに録画しているときに、光ディスクに残っている記憶領域が少なくなると、HDDの磁気記録媒体(磁気ディスク)にこのコンテンツの続きを録画する。
(2)光ディスクドライブの光ディスクにコンテンツを録画しているときに、光ディスクドライブに不具合が発生した場合には、HDDドライブの磁気ディスクにこのコンテンツの続きを録画する。
(3)大容量の記憶領域を有するHDDドライブは、複数種のコンテンツを記録するために使用する。そして、光ディスクドライブは、HDDドライブに記憶している複数種のコンテンツのなかから、例えば、指定した一つのコンテンツを光ディスクにダビングするために使用する。
【0005】
図8は、従来の光ディスクドライブとHDDを備えた記録再生装置において、コンテンツの記録と再生を行うための制御方式の一例を示している。図8に示す従来の記録再生装置について、その概要を説明すると次のようになる。
【0006】
図8に示す従来の記録再生装置50は、主にCPU制御部51、光ディスクドライブ52、およびHDD53などのユニットから構成されている。CPU制御部51は、CPU54、メイン制御部55、チューナ56、チューナ56により受信した放送番組などのコンテンツに係る情報を復調処理する回路等から構成されるコンテンツ受信処理部57、復調したコンテンツに係る情報のうち、AVデータ、すなわち、オーディオ・ビジュアル信号から構成されるデータであって、映像信号と音声信号を含む情報を一時的に記憶するための映像記憶メモリ58、映像記憶メモリ58に記憶したAVデータを光ディスクドライブ52、又はHDD53の記録媒体に書込む(録画など)処理を行うためのHDD用I/F部59、光ディスク用I/F部60を備えている。
【0007】
さらに、CPU制御部51は、光ディスクドライブ52の光ディスク、又はHDD53の磁気ディスクに記録されているコンテンツを再生して表示装置63に出力する処理を行うコンテンツ再生処理部61、ユーザが操作するリモコン64からの操作信号を処理するリモコン用入出力回路部62を備えている。
【0008】
上記構成の従来の記録再生装置50において、CPU54は、メイン制御部55が備えている各種のプログラムの作動を制御して、記録再生装置50の動作を制御する中央演算装置である。なお、各種のプログラムは、ROM54aに記録されている。また、図8に示すRAM54bは、各種のプログラムがワークエリア等として使用するためのメモリとなる。
【0009】
なお、CPU制御部51のメイン制御部55は、記録再生装置50の動作を制御するためのプログラムとして、コンテンツリードライト制御部55a、リモコン64からの操作信号の解析を行うリモコン信号解析プログラム55b、光ディスクドラブ52の光ディスクに対してコンテンツの書込みと読み取り処理等の制御を行うためのコンテンツ制御プログラム55c1とファイルシステム55d1、さらに、HDD53の磁気ディスクに対してコンテンツの書込みと読み取り処理等の制御を行うためのコンテンツ制御プログラム55c2とファイルシステム55d2、等を備えている。上記したコンテンツリードライト制御部55aは、記録再生装置50の動作を統括して制御するためのプログラムである。
【0010】
従来の記録再生装置50において、上記したメイン制御部55が備えているプログラムのうち、コンテンツ制御プログラム55c1と55c2、及びファイルシステム55d1と55d2は、光ディスクドライブ52用とHDD53用にそれぞれ別個に設けられていた。このため、従来の記録再生装置50においては、下記のような課題があった。
【0011】
(1)コンテンツ制御プログラムとファイルシステム用のプログラムを、それぞれ光ディスクドライブ用とHDD用に設けると、これらプログラムの容量は極めて大きくなり、かつ、プログラム構成も複雑になる。
【0012】
(2)リモコン64からの入力信号に基づいて、CPU制御部51が光ディスクドライブ52の光ディスクに放送番組などのコンテンツに係る情報を書込む(録画)処理を行うときには、コンテンツに係る情報のうちAVデータ(AV信号)を光ディスクに書き込む処理を行いながら、このコンテンツに係る管理情報も光ディスクに書込む処理を行う必要がある。なお、この管理情報とは、例えば、録画する放送番組のタイトル名、録画年月日、GOPの位置情報、AVデータを光ディスクに記録(録画)するときに付与されるファイル名、同じく管理情報を光ディスクに記録するときに付与されるファイル名、等である。また、放送番組のタイトル名に係る情報は、チューナ56が受信した放送信号のなかに所定の時間間隔でSI(Service Information;番組配列情報)として含まれている情報から取り出すことが可能である。
【0013】
光ディスクは、磁気ディスクのようなランダムアクセスは可能であるが、シーク特性が劣っている。このため、受信したコンテンツを光ディスクに録画する場合に、AVデータをリアルタイムに光ディスクに書込む処理を行いながら、管理情報も光ディスクに書込む処理を行うと、光ディスクはシーク特性が劣っているために、AVデータと管理情報とを光ディスクに書込むタイミングが合わなくなる現象が発生することがあった。この結果として、AVデータ、あるいは管理情報が光ディスクに正常に記録できなくなるという不具合が生じる。
【0014】
光ディスクドライブを備えた記録再生装置において、上記(2)に記載の不具合を解決するための手段として、例えば、下記特許文献1、2に記載の発明が提案されている。これらの特許文献に記載の発明は、記録再生装置に設けたバッファーメモリや高速のメモリであるキャッシュメモリにコンテンツに係る情報の一部を一時的に記憶し、メインCPUからの制御に基づいて、キャッシュメモリに記憶したコンテンツに係る情報を光ディスクへ書き込む処理を行うことにより、光ディスクのアクセス時間を短縮しようとする技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2003−280957号公報
【特許文献2】特開2005−339606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記特許文献1及び2に記載の発明は、コンテンツに係る情報のうちのディレクトリやファイル情報を一時的に高速なメモリに記憶することにより、光ディスクに対するシーク時間を短縮しようとする技術である。しかし、光ディスクドライブとHDDドライブへのコンテンツに係る情報のリードライト処理について、共通したファイル管理システム(ファイルシステム)で制御することについては開示されていない。
【0017】
そこで、本発明の第1の目的は、光ディスクドライブ、あるいは光ディスクドライブとHDDを備えたコンテンツ等に係る情報の記録と再生を行う記録再生装置において、コンテンツのAVデータを、光ディスクに信頼性高く記録することができる光ディスクドライブを提供することにある。さらに、本発明の第2の目的は、光ディスクドライブとHDDを備えた記録再生装置において、コンテンツに係る情報を光ディスクドライブ又はHDDにリードライトするための制御を、共通化したプログラム手段で実行できるように改善した記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、コンテンツリードライト制御手段の制御に基づいて、コンテンツに係る情報の受信処理と前記コンテンツに係る情報の再生処理を行う手段を備えた上位CPU部と、不揮発性メモリと、前記上位CPU部が受信処理した前記コンテンツに係る情報を光ディスク記録媒体に書込む処理と、前記光ディスク記録媒体に記録されたコンテンツに係る情報を読み取って前記上位CPU部に送信する処理を行うリードライト制御手段を備えた光ディスクドライブと、を備えた記録再生装置であって、前記光ディスクドライブのリードライト制御手段は、前記上位CPU部から送信される前記コンテンツに係る情報のAVデータをリアルタイムに前記光ディスク記録媒体に書込む処理を行うAVデータ書込み手段と、前記AVデータ書込み手段が作動しているときに、前記コンテンツに係る管理情報を、前記不揮発性メモリに一時的に記憶する管理情報一時記憶手段と、前記上位CPU部から管理情報書込み信号が送信されたときに、前記不揮発性メモリに一時的に記憶した前記管理情報を前記光ディスク記録媒体に書込む処理を行う管理情報書込み手段とを備え、前記管理情報は、受信された放送信号から取り出された番組配列情報と、録画する放送番組の前記AVデータに対して設定されたファイル名とを有し、前記管理情報一時記憶手段は、前記AVデータの前記ファイル名に対応する記憶開始領域と、前記ファイル名に対応する前記管理情報の記憶開始領域とを前記光ディスク記録媒体に設定し、前記AVデータ書込み手段は、受信した前記AVデータを、該前記AVデータの前記ファイル名に対応する記憶開始領域から順次記憶し、前記管理情報書込み手段は、前記管理情報の記憶開始領域から、前記管理情報を順次記憶することを特徴としている。
【0019】
さらに、本発明の光ディスクドライブにおいて、前記光ディスク記録媒体は、高密度光ディスク記録媒体であることを特徴としている。
【0020】
さらに、本発明の記録再生装置は、前記上位CPU部に接続されたハードディスクドライブを備え、
前記上位CPU部が備えている前記コンテンツリードライト制御部は、前記光ディスクドライブと前記ハードディスクドライブに前記コンテンツに係る情報のリードライト処理を行うための共通のファイルシステムを備えていることを特徴としている。
【0021】
さらに、本発明の記録再生装置は、前記管理情報一時記憶手段は、前記AVデータのGOP(Group Of Pictures)の先頭位置が前記光ディスク記録媒体の記録領域の何処に対応しているかを示すGOPの位置情報を、シーク時間を利用して、前記管理情報として前記不揮発性メモリに記憶することを特徴としている。
【0022】
なお、上記した高密度光ディスクとは、いわゆるブルーレイ・ディスク(Blu−Ray Disc)等の書き換え可能な大容量(現時点において最大50GB程度)相変化光ディスク記録媒体を示す。また、上記したコンテンツとは、BSデジタル放送、ハイビジョン・テレビ放送などのテレビビジョン放送等の番組放送データ、インターネット通信網を介してダウンロード可能な音声を含む映画等の動画データ、各種のゲーム用アプリケーションソフトウエア、等を含む。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の本発明に係る記録再生装置によれば、上位CPU部に接続された光ディスクドライブは、上位CPU部から送信されるコンテンツに係る情報のAVデータをリアルタイムに光ディスク記録媒体に書込む処理を行うAVデータ書込み手段と、このAVデータ書込み手段が作動しているときに、コンテンツに係る情報を光ディスク記録媒体に書込む処理を行うための管理情報を不揮発性メモリに一時的に記憶する管理情報一時記憶手段と、上位CPU部から管理情報書込み信号が送信されたときに、この不揮発性メモリに一時的に記憶した管理情報を光ディスク記録媒体に書込む処理を行う管理情報書込み手段と、を備えている。これにより、AVデータはリアルタイムに光ディスク記録媒体に書込む処理を行い、管理情報は一時的に不揮発性メモリに記憶し、全てのAVデータを光ディスク記録媒体に書込んだ時点で、不揮発性メモリに記憶した管理情報を光ディスク記録媒体に書込む処理を行うことができるので、コンテンツに係るAVデータとその管理情報を確実に光ディスク記録媒体に書込む処理を行うことができる記録再生装置を提供することができる。
請求項2に記載の本発明に係る記録再生装置によれば、この記録再生装置に接続された光ディスクドライブでリードライトする光ディスク録媒体として高密度光ディスク記録媒体、特にブルーレイ・ディスク(Blu−Ray Disc)を使用することにより、BSデジタル放送、ハイビジョン・テレビ放送などの番組の一つを1枚の光ディスクに確実に録画することができる。
請求項3に記載の本発明に係る記録再生装置によれば、光ディスクドライブとハードディスクドライブを上位CPU部に接続した構成とし、上位CPU部が備えているコンテンツリードライト制御部は、光ディスクドライブとハードディスクドライブに対してコンテンツに係る情報のリードライト処理を行うための共通のファイルシステムを備えているので、コンテンツリードライト制御部のプログラム容量を少なく、かつ、単純にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の記録再生装置について、第1の実施の形態の構成例を説明するための制御ブロック図である。
【図2】図1に示す上位CPU部のリードライト制御部が備えているプログラムの構成例を説明するための図である。
【図3】図1に示す上位CPU部が光ディスクドライブの動作を制御するための制御コマンドを説明するための図である。
【図4】図1に示す上位CPU部のリードライト制御部が、光ディスクドライブに対してコンテンツに係る情報の記録の制御を実行するときに、その処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す光ディスクドライブが、上位CPU部からの制御コマンドに基づいて光ディスクにコンテンツに係る情報を記録する処理を実行するときに、その処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の記録再生装置について、第2の実施の形態の構成例を説明するための制御ブロック図である。
【図7】図6に示す上位CPU部が、光ディスクドライブ及び磁気ディスクドライブの動作を制御するための制御コマンドを説明するための図である。
【図8】従来の記録再生装置について、その構成例を説明するための制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る光ディスクドライブを備えている記録再生装置1について、その一実施形態の構成を説明するための制御ブロック図である。
【0026】
図1に示す記録再生装置1は、上位CPU部2と、この上位CPU部2に接続された光ディスクドライブ3とから構成されている。記録再生装置1は、例えば、放送番組であるBSデジタル放送やハイビジョン放送などのコンテンツを受信して光ディスクドライブ3に挿入された光ディスク24に録画する機能、あるいは光ディスク24に記録されたコンテンツを読取って再生するための機能等を備えている。
【0027】
上位CPU部2は、記録再生装置1の動作をCPU5により統括して制御するメイン制御部6、コンテンツリードライト制御部6の制御に基づいてチューナ7が選択した放送番組(コンテンツ)の放送信号を受信してこの受信した放送信号を復調処理し、さらに、復調処理した放送信号をAVデータ(AV信号)とこのコンテンツの管理情報とを分離して取り出す処理を行うコンテンツ受信処理部8、コンテンツ受信処理部8で分離したAVデータを一時記憶するための映像記憶メモリ9、映像記憶メモリ9に一時記憶したAVデータを光ディスクドライブ3に送信する処理を行うためのインターフェース(I/F)回路等から構成された光ディスク用I/F部13を備えている。なお、光ディスク用I/F部13は、分離したAVデータをMPEG2形式等にデータ圧縮の処理を行うための回路も備えている。
【0028】
さらに、上位CPU部2は、記録再生装置1が備えている各種の機能を実行するために、ユーザが操作したリモコン17からの操作信号を入力するためのリモコン用入出力回路11、光ディスクドライブ3に挿入された光ディスク24に記録されたコンテンツを、メイン制御部6の制御に基づいて読取って、液晶表示装置などの表示装置18に再生して表示するためのコンテンツ再生処理部12を備えている。また、上位CPU部2は、ROM14、RAM15、現在の時刻(年月日・時・分・秒)をカウントするタイマー16を備えている。
【0029】
図1に示す光ディスクドライブ3は、光ディスクドライブ3の動作をCPU21により統括して制御するリードライト制御部22、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ23、リードライト制御部22の制御に従って光ディスク24にコンテンツに係る情報のリードライト(読み書き)処理を行う光ピックアップの駆動を制御する光ピックアップ制御部25などから構成される。光ピックアップ制御部25は、半導体レーザー、光ディスク23の回転駆動を制御するステッピングモータ、これら部材の作動を制御するI/F回路などから構成されている。
【0030】
光ディスクドライブ3は、リードライト制御部22を構成する各種のプログラムを記憶したROM、これらプログラムがワークエリア(計算領域)として使用するためのRAMを備えている。リードライト制御手段となるリードライト制御部22は、図2に示すプログラムを備えている。図2に示すメイン制御プログラム22aは、上位CPU部2から送信された制御コマンドを解析(判別)する処理を行うプログラムである。そして、メイン制御プログラム22aは、この制御コマンドを解析した結果に基づいて、予め設定された処理を行うサブプログラムの作動を制御する。
【0031】
これらのサブプログラムとしては、上位CPU部2から送信されるコンテンツに係る情報のうちのAVデータを、リアルタイムに光ディスク24に書込む処理を行うAVデータ書込み手段となるAVデータ書込みプログラム22b、このコンテンツに係る管理情報を光ディスク24に記憶する前に、不揮発性メモリ23に一時的に記憶する処理を行う管理情報一時記憶手段となる管理情報一時記憶プログラム22c、不揮発性メモリ23に一時的に記憶したこの管理情報を光ディスク24に記録する処理を行う管理情報書込み手段となる管理情報書込みプログラム22d、光ディスク24に記憶された情報を読取るコンテンツ読取りプログラム22e等を備えている。
【0032】
例えば、メイン制御プログラム22aは、上位CPU部2からコンテンツのAVデータの書込みに係る制御コマンドが送信されると、AVデータ書込みプログラム22bを作動させて、この制御コマンドに続いて上位CPU部2から順次送信されるAVデータを受信処理し、受信したAVデータをリアルタイムに光ディスク24に書き込む処理を行う。このとき、AVデータ書込みプログラム22bは、AVデータをリアルタイムに光ディスク24に書込む処理を行いながら、光ディスク24に記録したAVデータのGOP(Group Of Pictures)の先頭位置が光ディスク24の記録領域の何処に対応しているかを示すGOPの位置情報も管理情報として、不揮発性メモリ23に記憶する処理を行う。
【0033】
また、上位CPU部2から管理情報の一時記憶処理に係る制御コマンドが送信されると、メイン制御プログラムは管理情報一時記憶プログラム22cを作動させて、この制御コマンドに続いて上位CPU部2から送信される管理情報を、不揮発性メモリ23に記憶する処理を行う。なお、上位CPU部2から送信される管理情報としては、録画する放送番組のタイトル名、録画年月日、光ディスクに記録する放送番組のAVデータに対して付与されたファイル名、同じく光ディスクに記録する管理情報に対して付与されたファイル名、等である。
【0034】
さらに、上位CPU部2から不揮発性メモリ23に記憶した管理情報に係る情報を光ディスク24に書込む処理を行うための制御コマンドが送信されると、メイン制御プログラムは管理情報書込みプログラム22dを作動させて、不揮発性メモリ23に記憶した管理情報を光ディスク24に書込む処理を行う。
【0035】
光ディスク24は、ブルーレイ・ディスク(登録商標)等の書き換え可能な相変化記録方式を採用した高密度大容量の光ディスクである。本発明の記録再生装置1を構成する光ディスクドライブ3の記録媒体としてブルーレイ・ディスク等の高密度大容量の光ディスク24を用いる理由は、次の通りである。従来の書き換え可能なDVDの記録容量は一般的に最大数GB(ギガバイト)であったが、ブルーレイ・ディスク等の高密度大容量の光ディスク24は、記録層を2層以上設けることにより50GB以上の大容量の記憶領域を備えることが可能になるので、ハイビジョン放送でも1枚のブルーレイ・ディスク24に複数種の番組を録画することが可能になり、かつ、持ち運びが自在であるためユーザにとっては操作性が極めて優れているからである。
【0036】
本発明に係る光ディスクドライブ3が備えている不揮発性メモリ23は、光ディスク24に記憶するコンテンツに係る情報のうちその管理情報を、一旦、記憶する手段として使用することに特徴がある。すなわち、上位CPU部2から送信されるコンテンツのAVデータはリアルタイムに光ディスク24に書込む処理を行うが、このコンテンツに係る管理情報は、一時的に不揮発性メモリ23に記憶する処理を行う。
【0037】
そして、上位CPU部2から不揮発性メモリ23に記憶した管理情報に係る情報を光ディスク24に書込む処理を行うための制御コマンドが送信されると、不揮発性メモリ23に記憶した管理情報を光ディスク24に書込む処理を行う。このような処理を行うことにより、上位CPU部2から送信されるコンテンツのAVデータは、リアルタイムに、かつ確実に光ディスク24に書込む処理を行うことが可能になる。このような処理を実行する手段を採用することにより、光ディスク24はシーク特性が劣るという欠点を補って、コンテンツに係るAVデータと管理情報の双方を確実に光ディスク24に記憶することができる光ディスクドライブ3とすることが可能になる。
【0038】
図1に示す上位CPU部2のコンテンツリードライト制御手段となるコンテンツリードライト制御部6は、CPU5により記録再生装置1の動作を制御するための各種のプログラムを備えている。これらのプログラムは、例えば、図1に示すように、メイン制御プログラム6a、コンテンツ制御プログラム6b、ファイル管理プログラム(ファイルシステム)6c、リモコン信号解析プログラム6d、等から構成されている。これらプログラム6b、6c、6dは、メイン制御プログラム6aの制御に従って実行される。なお、これらプログラム6a〜6は、ROM14に記憶されている。
【0039】
上位CPU部2が備えているメイン制御プログラム6aは、記録再生装置1の動作を統括して制御するためのプログラムであって、主として、ユーザが操作したリモコン17からの操作信号に基づいて、コンテンツに係る情報を光ディスクドライブ3の光ディスク24にリードライトする処理を統括して制御する処理を行う。これらの制御は、予め設定した制御コマンド(図3参照)に基づいて実行される。
【0040】
コンテンツ制御プログラム6bは、ユーザがリモコン17を操作して録画予約を行うときにその操作を支援するための録画予約プログラム、録画予約された放送番組等のコンテンツを受信して光ディスク24に録画するための制御を行う録画処理プログラム、光ディスク24に記録されているコンテンツを再生するために、光ディスクドライブ3に対して再生指示の制御コマンドの送信と、光ディスクドライブ3から送信されたAVデータを再生して表示装置18に再生して表示する制御を行う再生処理プログラム等、記録再生装置1の動作を制御するための各種の制御用アプリケーションプログラムを備えている。
【0041】
ファイルシステム6cは、メイン制御プログラム6aがコンテンツに係る情報を光ディスクドライブ3にリードライトする制御を行うときに、このコンテンツに係る情報のファイル管理を行うためのファイル管理プログラム、いわゆるファイルシステムとなる各種のプログラムから構成される。このファイルシステム6cは、例えば、コンテンツに係る情報を光ディスクに書込む処理を行うときに、そのファイルフォーマットを規定する処理、ファイル名を設定する処理、ファイルの記録年月日を設定する処理、等を行うプログラムから構成される。このファイルシステムとしては、UDF(Universal Disc Format)を採用したファイルシステムを使用することができる。
【0042】
リモコン信号解析プログラム6dは、ユーザが操作するリモコン12からの操作信号がリモコン用入出力回路13を経由してメイン制御部6に入力されると、その操作信号を解析する処理を行うためのプログラムである。メイン制御プログラム6aは、リモコン信号解析プログラム6dが解析した操作信号を取得して、取得した操作信号に対応する処理が実行されるように記録再生装置1の動作を制御することになる。
【0043】
なお、光ディスクドライブ3のリードライト制御部22は、主として上位CPU部2から送信された各制御コマンドを割込み信号として受信し、この受信した制御コマンドごとに予め設定した処理を行うプログラムを備えている。
【0044】
本発明に係る光ディスクドライブ3が備えているリードライト制御部22は、前記したように上位CPU部2のメイン制御プログラム6aから送信される制御コマンドに基づいて光ディスクドライブ3の動作を制御する。図3は、この制御コマンドの一例を示している。
【0045】
図3に示すように、この制御コマンドは、例えば、ドライブ区分コードc1と処理コードc2との2種のコード体系から構成することができる。ドライブ区分コードc1は2桁のコードから構成され、1桁目はリードライト処理を実行する対象となるドライブを区分するための情報であって、図3に示す「B」は光ディスクドライブを示す。ドライブ区分コードc1の2桁目は、リードライト処理を実行する対象が光ディスク24である場合には「D」を、不揮発性メモリ23である場合には「F」を設定している。
【0046】
図2に示す例において、ドライブ区分コードc1に「BD」が設定されていると制御対象が光ディスクドライブ3の光ディスク24であることを示し、「BF」が設定されていると制御対象が光ディスクドライブ3の不揮発性メモリ23であることを示している。
【0047】
制御の処理内容を区分するためのコードである処理コードc2は、例えば2桁から構成することができる。図3に示す例において、処理コードc2の1桁目は処理内容が書き込み処理か、あるいは読み取り処理か、等を区分するためのコードであって、「W」は書き込み処理を、「R」は読み取り処理を、また、「D」は記憶されている情報を削除する処理を行うことを示す。処理コードc2の2桁目は、リードライト処理を行う対象、例えば、不揮発性メモリ23であるか、あるいは光ディスク24であるかを区分するためのコードであって、具体的なリードライトの対象を設定したコードを示している。
【0048】
図3に示す4桁のコードからなる制御コマンドについて、さらに、上位CPU部2から光ディスクドライブ3に送信される制御コマンドの例について説明すると次のようになる。
【0049】
上位CPU部2が光ディスクドライブ3に送信する4桁からなる制御コマンドのうち、例えば、図3に示す「BDW1」は、上位CPU部2から送信されるAVデータを、光ディスク24にリアルタイムに書込む処理を行う制御コマンドを示す。光ディスクドライブ3はこの制御コマンド「BDW1」を受信すると、引き続いて上位CPU部2から所定のデータ長単位で順次送信されるAVデータを受信処理して、一旦、RAMに記憶しながら、RAMに記憶しAVデータを順次光ディスク24へ書き込む処理を行う。
【0050】
同じく、制御コマンド「BFW2」は、上位CPU部2から送信された管理情報を、光ディスクドライブ3が備えている不揮発性メモリ23へ書き込む処理を行うための制御コマンドを示す。光ディスクドライブ3はこの制御コマンド「BFW2」を受信すると、引き続いて上位CPU部2から送信される管理情報、すなわち、録画する放送番組のタイトル名、録画年月日、光ディスク24に記憶するAVデータと管理情報に対して設定されたファイル名、等を光ディスクドライブ3の不揮発性メモリ23に記録する処理を行う。
【0051】
同じく、制御コマンド「BDR1」は、光ディスク24に記録されているコンテンツのAVデータに関する情報であって、上位CPU部2から指示(送信)されたファイル名を有するAVデータを読み取って上位CPU部2に送信する処理を行う制御コマンドである。同じく、制御コマンド「BFR2」は、光ディスクドライブ3の不揮発性メモリ23に記録されている管理情報を読み取って、光ディスク24に書き込む処理を行う制御コマンドを示す。これらの制御コマンドは、ATAPIのコマンドを用いても良い。
【0052】
続いて、本発明の記録再生装置1の動作について、BSデジタル放送などの放送番組を受信し、この受信したコンテンツを光ディスクドライブ3の光ディスク24に録画するときの処理例を、図4及び図5に基づいて説明する。なお、図4は上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aがこの録画処理を行うときの処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図5は、上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aの制御に基づいて送信される制御コマンドについて、その処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0053】
まず、上位CPU部2の処理手順を図4に示すステップ順に説明する。なお、放送番組を録画する場合、例えば、ユーザはリモコン17を操作して録画したい放送番組の録画予約を予め行っておく。これにより、録画予約プログラムが作動して、録画予約に関する情報(録画開始年月日とその時刻、チャンネル番号、等)がRAM15に記憶される。このとき、ユーザは、光ディスクドライブ3に録画用の光ディスク24を挿入しておく必要がある。なお、ユーザはリモコン17を操作して、現在放送中の放送番組を直ちに録画する操作を行ってもよい。以下の説明においては、予め録画予約した放送番組を光ディスク24に録画する場合を例にして説明する。
【0054】
(ステップS1)
上位CPU部2のメイン制御プログラム6aは、RAM15に録画予約のデータが記憶されているか否かを所定の時間間隔でチェックする処理を行う。そして、録画予約のデータが記憶されているとタイマー16の現在時刻を参照して、現在の時刻が録画予約されている番組の放送開始年月日・時・分に達しているか否かを判定する処理を行う。この判定処理の結果、現在の時刻が録画開始時刻に達したと判定されると、次のステップS2に進む。
【0055】
(ステップS2)
現在の時刻が録画の開始時刻に達したと判定されたので、メイン制御プログラムP6aは、録画予約したチャンネルの放送番組が受信できるようにチューナ7を制御すると共に、光ディスクドライブ3を起動するための制御コマンド(起動コマンド)を光ディスクドライブ3に送信する。光ディスクドライブ3のリードライト制御部22が備えているメイン制御プログラムは、上位CPU部2からこの駆動コマンドを受信すると光ディスクドライブ3は録画できる状態になっているか否かを判定し、その判定結果を上位CPU部2に返信する。そして、上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aは、光ディスクドライブ3から「録画できる状態になっている」旨を示す制御コマンドを受信するとステップS3に進む。なお、上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aは、録画できる状態になっていない」旨を示す制御コマンドを受信すると、エラーランプ(LED)等を点灯する処理を行う。
【0056】
(ステップS3)
タイマー16の時刻を読み取って、現在の時刻は録画予約した放送番組の放送終了時刻に達しているか否かの判定処理を行う。この判定処理の結果、放送終了時刻に達していない場合には次のステップS4に進み、放送終了時刻に達した場合にはステップS8に進む。
【0057】
(ステップS4)
メイン制御プログラム6aは、コンテンツ制御プログラムを構成するプログラムのうち、録画処理プログラムを作動させて録画予約された番組(コンテンツ)の受信処理と録画処理を行うための制御を実行する。この受信処理としては、例えば次の処理(1)、(2)を行う。
【0058】
(1)チューナ7により受信された放送信号をコンテンツ受信処理部8で復号化処理を行ってAVデータと管理情報とに係る情報に分離する。そして、放送信号から分離したAVデータを順次、映像記憶メモリ9に一時記憶する処理を行う。
【0059】
(2)一方、分離した管理情報は、RAM15に記憶する処理を行う。なお、録画する放送番組の放送信号に付加されている管理情報としては、放送信号の中に前記したSI(番組配列情報)が所定の時間間隔で送信されている。これにより、録画処理プログラムは、録画予約した放送信号を受信すると、短時間のうちにこのSI情報を取り出してRAM15に記憶して、録画する番組のタイトル名、等を抽出することができる。そして、録画処理プログラムは、管理情報としてこの番組のタイトル名の他に、録画年月日、光ディスク24に録画する放送番組のAVデータに設定されたファイル名、同じく録画する放送番組に係る管理情報に設定されたファイル名等もRAM15に記憶する処理を行う。
【0060】
(ステップS5)
予めRAM15に設定した管理情報送信済フラグの記憶内容が、例えば、「0」であるか否かを判定する。この判定結果、「0」が記憶されていると次のステップS6に進み、「1」が記憶されているとステップS7に進む。なお、管理情報送信済フラグとは、上記ステップS3の処理でRAM15に記憶した放送番組に係る管理情報である番組のタイトル名、録画年月日等を、光ディスクドライブ3に送信済であるか否かを記憶するためにRAM15に設定した領域であって、録画処理プログラムは、例えば、まだ送信していない場合には「0」を、送信済の場合には「1」を記憶する処理を行う。
【0061】
(ステップS6)
メイン制御プログラムP1は、前記した制御コマンド「BFW2」を光ディスクドライブ3に送信した後、続いてステップS4の処理によりRAM15に記憶した管理情報を、光ディスクドライブ3に送信する処理を行う。そして、この送信処理が終了すると管理情報送信済フラグに「1」を記憶する。
【0062】
光ディスクドライブ3のリードライト制御部22が備えている管理情報一時記憶処理プログラム22cは、上位CPU部2からこの管理情報を受信すると、受信した管理情報を不揮発性メモリ23に記憶する処理を行う。
【0063】
(ステップS7)
上位CPU部2の録画処理プログラムは、制御コマンド「BDW1」を光ディスクドライブ3に送信する。そして、光ディスクドライブ3は、この制御コマンドに対する応答コマンドを受信すると、映像記憶メモリ9に一時記憶したAVデータについてその所定のデータ量(長)を順次先入れ先出し方式で取り出して、光ディスク用I/F部13を介して光ディスクドライブ3に送信する処理を行う。なお、この処理において、光ディスク用I/F部13は、AV信号をMPEG2によるデータ圧縮の処理も行う。そして、映像記憶メモリ9に一時記憶したAV信号の所定のデータ量を光ディスクドライブ3に送信すると、ステップS3に戻る。このように、上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aは、ステップS3〜S7の処理を繰り返すことにより、チューナ7で受信した放送番組に係るAVデータについてその所定のデータ量を順次、リアルタイムで光ディスクドライブ3に送信する。そして、光ディスクドライブ3のAVデータ書込みプログラム22bは、受信したAVデータを光ディスク24にリアルタイムに録画(記憶)することが可能になる。
【0064】
光ディスクドライブ3のリードライト制御部22が備えている管理情報一時記憶処理プログラム22cは、上位CPU部2から制御コマンド「BDW1」に伴う管理情報を受信すると、上記したAVデータに設定されたファイル名に対応するAVデータを光ディスク24に記憶する記憶開始領域と、同じく管理情報に設定されたファイル名に対応する管理情報を光ディスク24に記憶する記憶開始領域とを決定する処理を行う。これにより、AVデータ書込みプログラム22bは、受信したAVデータを、このAVデータのファイル名に対応付けして光ディスク24に設定された記憶開始領域から順次記憶することが可能になる。
【0065】
なお、光ディスクドライブ3が上位CPU部2から受信したAVデータを光ディスク24に記録する処理を行うときには、若干のシーク時間を必要とするので、このシーク時間を利用してAVデータを光ディスク24に記録したGOPに関する情報等も管理情報として、不揮発性メモリ23に記憶する処理を行う。
【0066】
(ステップS8)
録画している放送番組が終了したと判定されたので、光ディスクドライブ3が不揮発性メモリ23に記憶した管理情報を光ディスク24に記憶する処理を行うための制御コマンド「BFR2」を、光ディスクドライブ3に送信する。
このステップS8の処理を行うと、上位CPU部2のメイン制御プログラムP6aによる光ディスク24への録画処理の制御は終了する。
【0067】
なお、光ディスクドライブ3は、上記ステップS8により上位CPU部2から制御コマンド「BFR2」を受信すると、管理情報書込みプログラム22dは、不揮発性メモリ23に記憶した管理情報を光ディスク24に記憶する処理を行う。この処理においては、この管理情報のファイル名に対応付けして光ディスク24に設定された記憶開始領域から順次記憶する処理を行う。
【0068】
なお、上位CPU部2のメイン制御プログラム6aは、現在の時刻が録画の終了時刻に達していない場合でも、リモコン17から録画終了の操作信号が入力されると、録画処理プログラムの実行を中止する処理を行うとともに、録画強制終了の制御コマンド(SYNCコマンド)を光ディスクドライブ3に送信する。光ディスクドライブ3のリードライト制御部22は、この録画強制終了の制御コマンドを受信すると、不揮発性メモリ23に記憶している記録管理情報を光ディスク24に書き込む処理を行うようにする。
【0069】
続いて、光ディスクドライブ3の動作について説明する。図5は、上位CPU部2から光ディスクドライブ3に制御コマンドが送信されたときに、リードライト制御部22のメイン制御プログラム22aが光ディスクドライブ3の動作を制御する処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5に示すステップ順に説明する。
【0070】
(ステップS11)
メイン制御プログラム22aは、上位CPU部2から制御コマンドが送信されるとこの制御コマンドを割込み信号(受信割込み)として処理する。そして、受信した制御コマンドが図3に示す予め設定した制御コマンドのうちいかなる制御コマンドであるかを判定する処理(割込み解析)を行う。
【0071】
(ステップS12)
ステップS12においては、最初に例えば、受信した制御コマンドが図3に示す「BDW1」(光ディスクへの書き込み指令)であるか否かを判定する。この判定処理の結果、受信した制御コマンドが「BDW1」であると判定された場合にはステップS13に進み、一致していない場合にはステップS14に進む。
【0072】
(ステップS13)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BDW1」と一致したので、メイン制御プログラムはAVデータ書込みプログラム22bを作動させる。AVデータ書込みプログラム22bは、最初に不揮発性メモリ23に記憶されている管理情報を参照して、上位CPU部2から送信されるAVデータを光ディスク24に書込むための光ディスク24の書込み開始領域を求める処理を行う。続いて、制御コマンド「BDW1」の後に引き続いて上位CPU部2から送信されるAVデータの所定量を受信しながら、受信したAVデータを順次光ディスク24の上記した書込み開始領域から書込む処理を行う。
【0073】
上位CPU部2は受信した放送信号のAVデータをリアルタイムに順次光ディスクドライブ3に送信する処理を行う。従って、メイン制御プログラム22aは、上位CPU部2から、例えば、制御コマンド「BFR2」が送信される(ステップSS16)まで、このステップS13の処理を繰り返して行うことになる。これにより、上位CPU部2から送信されたAVデータを、光ディスクドライブ24にリアルタイムに書込む処理を行うことができる。
なお、ステップS13の処理において、AVデータを光ディスク24のコンテンツ情報記憶領域に書込んだトラック番号を、管理情報一時記憶プログラム22cにより不揮発性メモリ23に管理情報として記憶する処理を行う。
【0074】
(ステップS14)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BFW2」(不揮発性メモリ23への書き込み指令)であるか否かを判定する。この判定処理の結果、受信した制御コマンドが「BFW2」であると判定された場合にはステップS15に進み、一致していない場合にはステップS16に進む。
【0075】
(ステップS15)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BFW2」と一致したので、管理情報一時記憶プログラム22cは、引き続いて上位CPU部2から送信される管理情報を受信する。そして、受信した管理情報を不揮発性メモリ23に書き込む処理を行って、割込み処理を終了する。なお、この付加情報は、前記したように録画する番組のタイトル名、録画年月日、AVデータを記憶するファイル名、管理情報を記憶するファイル名、等である。
【0076】
(ステップS16)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BFR2」(管理情報の光ディスクへの書き込み指令)であるか否かを判定する。この判定処理の結果、受信した制御コマンドが「BFR2」であると判定された場合にはステップS17に進み、一致していない場合にはステップS18に進む。
【0077】
(ステップS17)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BFR2」と一致したので、管理情報書込みプログラム22dは、不揮発性メモリ23に記録されている管理情報を読み取って、この記録管理情報を、光ディスク24に記憶する処理を行う。この処理においては、不揮発性メモリ23に管理情報として記憶されている管理情報のファイル名に対応付けして設定されている記憶開始領域から順次記憶する処理を行う。
【0078】
(ステップS18)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BDR1」(光ディスクの読み取り指令)であるか否かを判定する。この判定処理の結果、受信した制御コマンドが「BDR1」であると判定された場合にはステップS19に進み、一致していない場合にはステップS20に進む。
【0079】
(ステップS19)
上位CPU部2から受信した制御コマンドが「BDR1」に一致したので、メイン制御プログラム22aはコンテンツ読取りプログラム22eを作動させる。コンテンツ読取りプログラム22eは、まず、光ディスクドライブ3に挿入されている光ディスク24に記憶されている管理情報に関するファイル情報を不揮発性メモリ23に記憶する処理を行うとともに、上位CPU部2にも送信する処理を行う。
【0080】
上位CPU部2は、光ディスクドライブ3から管理情報に関するファイル情報を受信すると、例えば、再生処理プログラム、受信した管理情報に関するファイル情報に含まれている番組タイトル名とその録画年月日等を表示装置18に表示する処理を行う。そして、ユーザがリモコン17を操作して表示装置18に表示された番組タイトル名から再生希望の番組タイトル名を指定すると、この番組タイトル名を光ディスクドライブ3に送信する。
【0081】
光ディスクドライブ3は上位CPU部2から番組タイトル名を受信すると、受信した番組タイトル名が不揮発性メモリ23に記憶されているか否かを判定する。そして、この判定処理の結果、番組タイトル名が不揮発性メモリ23に記憶されているとこの番組タイトル名に係るコンテンツを記憶している光ディスク24の記憶領域の先頭トラック番号を求める処理を行う。この先頭トラック番号は、不揮発性メモリ23に番組タイトル名に対応するファイルと関連付けして記憶されているので求めることができる。
【0082】
続いて、コンテンツ読取りプログラム22eにより、上記の処理で求めた光ディスク24の先頭トラック番号から記憶されているこの番組タイトル名に対応するファイル名に係るコンテンツを読取りながら、読み取ったAV信号を順次、上位CPU部2に送信する処理を行う。
【0083】
上記ステップS19の処理に基づいて、上位CPU部2は光ディスクドライブ3からAVデ−タを光ディスク用I/F部13を経由して受信すると、再生処理プログラムにより、このAVデータをコンテンツ再生処理部12に導いて復号処理等を行って、表示装置18に再生して表示する処理を行う。これにより、ユーザは光ディスク24に記録されているコンテンツを表示装置18で視聴することができる。
【0084】
(ステップS20)
ステップS20においては、上記ステップS11〜S19の処理で実行した制御コマンド以外の処理を実行する。
【0085】
上記した本発明に係る記録再生装置1は、上位CPU部2から送信されるコンテンツのAVデータを光ディスクドライブ3の光ディスク24にリアルタイムに書込む処理を行う。一方、このコンテンツに係る管理情報は不揮発性メモリ23に記憶する処理を行い、管理情報書込み信号が送信されたときに、不揮発性メモリ23に記憶した管理情報を光ディスク24に記憶処理を行うようにしている。これにより、上位CPU部2から送信されるコンテンツのAVデータと管理情報を、確実に光ディスク24に記憶することができるようになる。
また、光ディスク24に記憶されたコンテンツを再生するときには、光ディスク24に記憶されている管理情報を読取る処理を行った後に光ディスク24に記憶されているAVデータを読取って、この読取ったAVデータをリアルタイムに上位CPU部2に送信する。これにより、光ディスク24に記憶されたコンテンツの再生時においても、シーク特性の低さによる不具合の発生を防止することができる。
【0086】
続いて、本発明の記録再生装置について、第2の実施の形態を図6に基づいて説明する。図6に示す記録再生装置1aは、図1に示す記録再生装置1の上位CPU部2に、さらにハードディスクドライブ(HDD)4を接続した構成としたものである。従って、記録再生装置1aの上位CPU部2には、光ディスクドライブ3とHDD4とが接続されている。
【0087】
HDD4は、磁気ディスク31に情報のリードライトを行うための磁気ヘッド(図示せず)を備え、上位CPU部2から送信されたコンテンツに係る情報を磁気ヘッド制御部32の制御に基づいて磁気ディスク31に書き込む処理を行う。また、磁気ディスク31に記憶されているコンテンツを、上位CPU部2の制御に基づいて上位CPU部2に送信する処理を行う。磁気ヘッド制御部(リードライト制御部)32は、上記した処理を行うためのプログラムと制御回路を備えている。なお、上位CPU部2は、HDD4とコンテンツに係る情報の送受信を行うためのHDD用I/F部10を備えている。
【0088】
図6に示す記録再生装置1aが、図7に示す従来の記録再生装置50の構成と相違する事項は次の通りである。すなわち、記録再生装置1aのコンテンツリードライト制御部6が備えているコンテンツ制御プログラム6bとファイルシステム6cは、光ディスクドライブ3とHDD4との双方を共通して制御できるようにしたことにある。
【0089】
光ディスクドライブ3とHDD4に対して、コンテンツ制御プログラム6bとファイルシステム6cを共通化するためには、例えば、次の手段1又は手段2のいずれかを採用することができる。
【0090】
(手段1)
光ディスクドライブ3が備えているリードライト制御部22とHDD4が備えているリードライト制御部32は、上位CPU部2のメイン制御プログラム6aから送信される制御コマンドに基づいて、それぞれの光ディスクドライブ3とHDD4の動作を制御する。この制御コマンドとしては、例えば、図3に示す光ディスクドライブ3の動作を制御するための制御コマンドに、さらにHDD4の動作を制御するための制御コマンドを追加する。そして、上位CPU部2のメイン制御プログラム6aは、この制御コマンドに基づいて、光ディスクドライブ3又はHDD4の動作を制御する。
【0091】
図7は、上位CPU部2のメイン制御プログラム6aが光ディスクドライブ3又はHDD4の動作を制御するための制御コマンドの一例を示している。図7に示すように、ドライブ区分コードc1の1桁目の「M」は、制御対象がHDD4であることを示す。
【0092】
図7に示す制御コマンドの例において、例えば、「M0W1」は上位CPU部2から送信された情報を磁気ディスク31へ書き込む処理を行う制御コマンド、同じく「M0R1」は磁気ディスク31に記録されているコンテンツであって上位CPU部2から指示されたファイル名に係る情報を読み取って上位CPU部2に送信する制御コマンドを示し、「M0D0」は上位CPU部2から指示されたファイル名に係る情報を磁気ディスク31から削除(消去)する制御コマンドを示す。
【0093】
(手段2)
光ディスクドライブ3とHDD4を、上位CPU部2とATA(AT Attachment)を介して接続する。そして、上位CPU部2のメイン制御プログラム6aは、ATAPI(ATA Packet Interface)コマンドに基づいて光ディスクドライブ3とHDD4の動作を制御する。また、同様に、図1に示す第1の実施形態の記録再生装置1についても、上位CPU部2と光ディスクドライブ3とをATAを介して接続し、上位CPU部2はATAPIコマンドに基づいて光ディスクドライブ3の動作を制御する手段を採用してもよい。
【0094】
上記した本発明の実施形態を示す記録再生装置1、1aにおいて、複数の番組放送を続けて光ディスクに録画する場合においても、光ディスクには複数の番組放送に対応する各ファイル名の領域にリアルタイムにAVデータを記録しながら、管理情報は番組放送に対応するファイル名に関連付けして不揮発性メモリに記憶する処理が行われる。そして、全ての番組放送が終了した時点で、これら複数の番組の管理情報は、光ディスクに記憶されることになる。
【0095】
上記した本発明の実施形態を示す記録再生装置1、1aは、上位CPU部2と、光ディスクドライブ3と、または光ディスクドライブ3とHDD4と、表示装置14とを一体化したテレビ受信機として構成することもできる。また、上位CPU部2と表示装置14と光ディスクドライブ3を一体化したテレビ受信機とし、HDD4をこのテレビ受信機にHDMI(High Definition Multimedia Interface)端子を介して接続可能な構成とする等、上位CPU部2、光ディスクドライブ3、HDD4、表示装置14を接続可能とするか、それぞれを組合せて一体化した構成にするか、適宜採用すればよい。
【符号の説明】
【0096】
1、1a:記録再生装置
2 :上位CPU部
3 :光ディスクドライブ
4 ;ハードディスクドライブ(HDD)
5 :CPU
6 :コンテンツリードライト制御部
6a:メイン制御プログラム
6b:コンテンツ制御プログラム
6c:ファイルシステム
8 :コンテンツ受信処理部
12:コンテンツ再生処理部
18:表示装置
21:CPU
22:リードライト制御部
22a:メイン制御プログラム
22b:AVデータ書込みプログラム
22c:管理情報一時記憶プログラム
22d:管理情報書込みプログラム
22e:コンテンツ読取りプログラム
23:不揮発性メモリ
24:光ディスク記録媒体(光ディスク)
31:磁気ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツリードライト制御手段の制御に基づいて、コンテンツに係る情報の受信処理と前記コンテンツに係る情報の再生処理を行う手段を備えた上位CPU部と、
不揮発性メモリと、前記上位CPU部が受信処理した前記コンテンツに係る情報を光ディスク記録媒体に書込む処理と、前記光ディスク記録媒体に記録されたコンテンツに係る情報を読み取って前記上位CPU部に送信する処理を行うリードライト制御手段を備えた光ディスクドライブと、を備えた記録再生装置であって、
前記光ディスクドライブのリードライト制御手段は、
前記上位CPU部から送信される前記コンテンツに係る情報のAVデータをリアルタイムに前記光ディスク記録媒体に書込む処理を行うAVデータ書込み手段と、
前記AVデータ書込み手段が作動しているときに、前記コンテンツに係る管理情報を、前記不揮発性メモリに一時的に記憶する管理情報一時記憶手段と、
前記上位CPU部から管理情報書込み信号が送信されたときに、前記不揮発性メモリに一時的に記憶した前記管理情報を前記光ディスク記録媒体に書込む処理を行う管理情報書込み手段とを備え、
前記管理情報は、受信された放送信号から取り出された番組配列情報と、録画する放送番組の前記AVデータに対して設定されたファイル名とを有し、
前記管理情報一時記憶手段は、前記AVデータの前記ファイル名に対応する記憶開始領域と、前記ファイル名に対応する前記管理情報の記憶開始領域とを前記光ディスク記録媒体に設定し、
前記AVデータ書込み手段は、受信した前記AVデータを、該前記AVデータの前記ファイル名に対応する記憶開始領域から順次記憶し、
前記管理情報書込み手段は、前記管理情報の記憶開始領域から、前記管理情報を順次記憶する
ことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記光ディスク記録媒体は、高密度光ディスク記録媒体であることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記記録再生装置は、前記上位CPU部に接続されたハードディスクドライブを備え、
前記上位CPU部が備えている前記コンテンツリードライト制御手段は、前記光ディスクドライブと前記ハードディスクドライブに前記コンテンツに係る情報のリードライト処理を行うための共通のファイルシステムを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記管理情報一時記憶手段は、前記AVデータのGOP(Group Of Pictures)の先頭位置が前記光ディスク記録媒体の記録領域の何処に対応しているかを示すGOPの位置情報を、シーク時間を利用して、前記管理情報として前記不揮発性メモリに記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−43532(P2012−43532A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259009(P2011−259009)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2008−31216(P2008−31216)の分割
【原出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】