説明

記録媒体ならびに記録媒体を再フォーマットするための方法および装置

記録媒体ならびに記録媒体を再フォーマットするための方法および装置が開示される。記録媒体を再フォーマットするための方法は、(a)複数の記録ユニットにおける記録媒体の複数の物理アクセス制御情報を読み出すステップと、(b)複数の記録ユニットに関連する再フォーマットコマンドを受け取ると、各記録ユニットの初期化プロセスを行うステップとを含み、初期化プロセスは、各記録ユニットに記録された情報の属性に従って異なるように行われる。それゆえ、高密度光ディスクに含まれるPAC領域は効率的に再フォーマットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体ならびに記録媒体を再フォーマット(reformatting)するための方法および装置に関し、より詳しくは、記録媒体に含まれる特定の管理領域を再フォーマットするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大量のデータを記録することが可能な記録媒体として機能する光ディスクが広く使用されている。その中でも、高画質のビデオデータおよび高音質のオーディオデータを長期間記録し格納することができる高密度光記録媒体、例えば、ブルーレイディスク(BD:Blu−ray Disc(登録商標))が新たに開発されている。
【0003】
次世代記録媒体としてのブルーレイディスク(BD)は、従来のDVDを遥かに超えるデータを格納することができる次世代光記録ソリューションになると考えられている。最近、BDに関連する国際標準技術仕様が他のデジタルデバイスの標準とともに開発されている。
【0004】
多くの開発者により、BDの技術標準においてPAC(Physical Access Control)領域の導入について集中的なリサーチが行われたが、BDの技標準はまだ確立されておらず、開発者には完全な光再生装置を開発することの難しさがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は従来技術の限界および欠点を実質的に取り除く記録媒体、記録媒体を再フォーマットするための方法および装置を対象とする。
【0006】
本発明の目的は、記録媒体中のPAC情報を記録し、記録ユニットベースで記録媒体を再フォーマットするための方法および装置を提供することである。
【0007】
本発明の追加の利点、目的および特徴は、部分的には以下の説明で述べられ、部分的には以下の検討により当業者に明らかとなり、本発明の実施から習得することができる。本発明の目的および他の利点は、記載の説明および特許請求の範囲ならびに添付の図面に特に指摘した構造によって実現し、達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的およびその他の利点を達成するため、および本発明の目的に従って個々に具現され、広く記載されるように、記録媒体を再フォーマットするための方法は、(a)記録媒体の複数の物理アクセス制御情報を複数の記録ユニットで読み出すステップと、(b)前記複数の記録ユニットに関連する再フォーマット命令を受信すると、各記録ユニットについて初期化プロセスを行うステップとを含み、前記初期化プロセスは、各記録ユニットに記録された情報の属性に従って異なるように行われる。
【0009】
本発明の他の態様では、記録媒体を再フォーマットするための方法は、(a)PAC領域の各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識するステップと、(b)前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作時にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更するステップと、(c)前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作時にPAC状態情報およびPAC_ID情報を維持するステップとを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、記録媒体を再フォーマットするための方法は、(a)PAC領域の各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識するステップと、(b)前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作時にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更し、PACクラスタに含まれるすべての情報を初期化するステップと、(c)前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作時のPAC状態情報およびPAC_ID情報を維持するステップとを含む。
【0011】
本発明の別の態様では、記録媒体を再フォーマットするための装置は、記録媒体を再フォーマットするための要求を発生する制御部と、前記制御部から再フォーマット要求を受け取ると、記録媒体を再フォーマットし、各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識し、前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示すとき、再フォーマット動作時のPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更し、前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示すとき、再フォーマット動作時のPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持する記録再生部とを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、記録媒体を再フォーマットするための装置は、記録媒体を再フォーマットするための要求を発生する制御部と、前記制御部から再フォーマット要求を受け取ると、記録媒体を再フォーマットし、各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識し、前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示すとき、再フォーマット動作時のPAC状態情報、PAC_ID情報およびPACクラスタに含まれるすべての情報を初期化し、前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示すとき、再フォーマット動作時のPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持する記録再生部とを含む。
【0013】
本発明の前述した一般的な説明と後述する詳細な説明は両方とも、例示であり、説明を目的のものであり、特許請求の範囲に記載された本発明のさらなる説明を提供することを意図していることが理解されるべきである。
【0014】
本発明のさらなる理解を提供するために含められ、本願に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、詳細に参照することとする。本発明の好ましい実施の形態の例は、添付の図面に示されている。可能な場合には、同一の参照符号は、図面全体を通じて同一または類似の部分を参照するために使用されるであろう。
【0016】
本発明を説明するのに先立って、本発明で開示される多くの用語は、必要に応じて出願人によって選ばれ、本発明の下記の説明において、以降、開示されることになる。それゆえ、出願人によって定義された用語は、本発明の意味に基づいて理解されることが好ましい。
【0017】
本発明で使用する記録媒体は、すべての記録可能な媒体を指称し、例えば、光ディスク、磁気ディスク、および磁気テープなどである。
【0018】
本発明の説明の便宜およびより良い理解のため、本願の上述した記録媒体として、以下、光ディスクを例として使用することとする。
【0019】
用語「再フォーマット」は、再記録可能な光ディスクのような記録媒体が使用される間に発生した特定の原因により記録媒体のフォーマットを再初期化するプロセスを指称する。特に、記録媒体に記録された古いデータを危険から保護するために、再フォーマット許容条件が与えられたときだけ、再フォーマット動作が行われ、本発明ではまず、再フォーマット許容条件が与えられたことを前提とし、この前提のもとで記録媒体の特定管理領域(例えば、PAC領域)を再フォーマットするための方法について開示することとする。
【0020】
用語「PAC」は、記録媒体の物理アクセスを制御するためのプロセスを指称する。例えば、記録媒体に含まれるPAC領域は、PAC関連制御情報が記録された特定の領域を指称し、PACクラスタは、PAC領域に含まれる単一の記録ユニットを指称し、その詳細な説明は、図1および2を参照して、以下で与えられよう。
【0021】
図1は、本発明による記録媒体の物理的構造を示している。例えば、記録媒体として機能する光ディスクは、ユーザー定義データを記録するためのデータ領域と、ディスクを管理できる各種の情報を記録するためのリードイン領域とを含む。このリードイン領域は、ディスクの内側の領域に含まれる。
【0022】
リードイン領域の一端はPAC領域を含む。PAC領域は、複数の記録ユニット、例えば、n個のPACクラスタ(PACクラスタ1〜PACクラスタn)を含む。
【0023】
換言すると、単一のPACクラスタは、各ディスクについてPAC情報を含む。PACクラスタに含まれる詳細な情報については、下記の説明において後述することとする。
【0024】
図1では、ディスクに含まれる単一のPAC領域のみが例示的に示されているが、この例は、説明の便宜のために与えられていることに留意すべきである。例えば、記録媒体が2つのPAC領域を含む場合、同じ情報が2つのPAC領域に記録され、PAC領域に記録された情報が危険からより確実に保護することができる。
【0025】
一般に、リードイン領域は、ディスクの欠陥および一般的な管理機能を管理するためのDMA(Defect Management Area)を含む。このDMAは、その中にDDS(Disc Definition Structure)を記録する。
【0026】
上記のPAC領域に含まれる各PACクラスタの状態を示す状態情報は、DDSに記録される。例えば、2ビットが、各PACクラスタの状態情報を示すことができるように、各PACクラスタに割り振られる。
【0027】
例えば、PACクラスタの状態情報が所定の番号「00」であれば、このPACクラスタは、図1の「未記録」によって記されるように未使用のPACクラスタを示す。PACクラスタの状態情報が所定の番号「01」であれば、このPACクラスタは、図1の「再使用のために利用可能」によって記されるように、以前に使用されたとしても現在、再使用可能である。PACクラスタの状態情報が所定の番号「10」であれば、このPACクラスタは、図1の「無効」によって記されるように、無効の情報が記録されている特定のPACクラスタを示す。PACクラスタの状態情報が所定の番号「11」であれば、このPACクラスタは、図1の「有効」によって記されるように、現在有効な情報が記録されている特定のPACクラスタを示す。
【0028】
したがって、図3に示された光記録再生装置は、DDSに含まれるPACクラスタ状態情報を検出することにより、各PAC領域に含まれるすべてのPACクラスタの現在状態情報を認識することができる。
【0029】
図2は、本発明による記録媒体のPACクラスタに含まれる情報を示している。図2を参照すると、記録ユニットとして働く1つのクラスタが32のデータフレームを含む。単一のデータフレームは、2048バイトのデータを含む。
【0030】
より詳しくは、最初のデータフレーム(Data Frame 0)の一部がPACヘッダー情報として対応するPACクラスタに関連する一般情報を含む。残りの31のデータフレーム(データフレーム1〜データフレーム31)および最初のデータフレーム(データフレーム0)のヘッダー情報以外の残りの領域は、対応するPACクラスタの固有情報を含む。言うまでもないが、図2に示すように、最後のデータフレーム(データフレーム31)は、必要に応じて予約領域として残すことができる。
【0031】
PACクラスタに含まれる最初のデータフレーム(データフレーム0)の一部に記録されたPACヘッダー情報は、対応するPACクラスタタイプを示す認識情報として使用される。PACヘッダー情報は、最初のフィールド「PAC_ID」、PACクラスタのフォーマットバージョン情報を記録するための二番目のフィールド「PACフォーマット」および更新回数を記録するための三番目のフィールド「更新カウント」を含む。
【0032】
最初のフィールド「PAC_ID」を認識できない光記録再生装置の場合、PACヘッダー情報は、ディスクの物理アクセス制御情報を記録するための最初のフィールド「未知のPAC規則」および二番目のフィールド「未知のPACEntire_Disc_flags」を含み、また、最初のフィールド「未知のPAC規則」によって制御されるディスクの特定の領域を指定するセグメント情報を含む。特に、ディスクは、必要に応じて最大32のセグメント情報ユニットを含むことができる。PACヘッダー情報は、現在PACクラスタに含まれるセグメントの数を示す最初のフィールド「セグメントの数」およびディスクに含まれる各セグメントの位置情報を含む複数のフィールド「Segemnt_i(i=0〜31)」を含む。
【0033】
フィールド「PAC_ID」を認識できる光記録再生装置の場合、PACヘッダー情報は、制御情報を提供できる所定の「既知のPAC Entire_Disc_flags」を含む。
【0034】
また、複数のフィールド「PAC特定情報」は、対応するPACクラスタの特定の一般情報およびその制御情報を含む。PACクラスタの上述した特定の一般情報および制御情報は、フィールド「PAC_ID」を認識する光記録再生装置により、ディスク記録再生動作が行われときに参照することができる。
【0035】
各PACクラスタは、図2に示すデータ構造を有しており、上述したフィールドの中で対応するフィールドに含まれるすべてのバイトは、その対応するフィールドが使用されないときは「00h」とするように決められている。それゆえ、「00h」の値は、現在未使用のフィールドを指定することができる。
【0036】
例えば、上記の対応するPACクラスタによって管理されるセグメントの数が2である場合、「セグメントの数」は2の値を保持する。フィールド「Segemnt_0」は、対応するセグメントがディスクにおいて始まる開始アドレスを記録する。フィールド「Segemnt_1」は、その対応するセグメントが終了される終了アドレスを記録する。残りのフィールド「Segemnt_2」〜「Segemnt_31」のすべてのバイトはそれぞれ「00h」に設定される。このような方法で、複数のフィールド「PAC固有情報」の中で未使用のフィールドに含まれるすべてのバイトはそれぞれ「00h」に設定することができる。
【0037】
特に、フィールド「PAC_ID」は、本発明にとって重要である。より詳細には、本発明は、様々な再フォーマット動作が個々のPACクラスタタイプに従って行われることを特徴としている。上述したPAC_ID情報は、対応するPACクラスタのタイプ情報を決定できる特定の情報として使用される。
【0038】
本発明は、PACクラスタを大きく3つのPACクラスタタイプに分類する。すなわち、未使用のPACクラスタを示す未使用PACクラスタ、プライマリーPACクラスタ、および非プライマリークラスタである。より詳細には、1つまたは複数のPACクラスタは、各ディスクのPAC領域に強制的に含められなければならず、非プライマリーPACクラスタは、プライマリーPACクラスタによって定義されない。
【0039】
例えば、特定のPACクラスタにおける3バイトのPAC_IDが「PAC_ID=00 00 00h」によって記される場合、このPACクラスタは未使用のPACクラスタを示し、特にもとの未使用のPACクラスタを示す。3バイトのPAC_IDフィールドは「PAC_ID=FF FF FFh」によって記される場合、このPACクラスタは以前使用されたPACクラスタを示し、特に、図2の「以前使用され、現在未使用のPACクラスタ」によって記されるように、以前使用され、現在未使用のPACクラスタを示す。
【0040】
例えば、3バイトのPAC_IDフィールドが「PAC_ID=50 52 4Dh」によって記されるように標準仕様として所定の特定の値を有する場合、このPACクラスタはプライマリーPACクラスタを示す。3バイトのPAC_IDフィールドが上述した特定の値とは異なる別の値を有する場合、このPACクラスタは非プライマリーPACを示す。
【0041】
それゆえ、非プライマリーPACクラスタは、多様なPAC_ID値に設定することができるが、標準仕様として決められた所定の値を使用しなければならない。換言すると、特定の非プライマリーPACクラスタが標準化されると、対応するPAC_IDフィールドは特定の値となるように決定される。したがって、非プライマリーPACクラスタが標準化される前に製造された光記録再生装置は、非プライマリーPACクラスタのPAC_IDを認識することができない。このように、光記録再生装置が特定のPACクラスタのPAC_IDフィールドを認識できない場合、ディスク再生記録アクセスは、上述したように、PACクラスタに含まれるフィールド「未知の規則」に記録された制御スキームによって制御される。
【0042】
記録媒体を再フォーマットするための方法および装置について、以下、図3〜図5を参照して説明することにする。
【0043】
図3は、本発明による光記録再生装置を示すブロック図である。図3を参照して、光記録再生装置は主に、記録再生ユニット20および制御部12を含む。
【0044】
記録再生部20は、光ディスクに記録されたデータおよび管理情報を読み出すためのピックアップ部11と、ピックアップ部11を制御するサーボ14と、ピックアップ部11から受信された再生信号を希望する信号値に修復するか、記録される信号を光ディスクに記録される信号に変調して、修復または変調された結果をピックアップ部11に送信するための信号処理部13と、光ディスクから読み出された管理情報を一時的に格納するためのメモリー15と、上述した動作を制御するためのマイコン16とを含む。特に、記録再生部20のみを構成する製品は「ドライブ」と称される。
【0045】
制御部12は、光記録再生装置の全体的な動作を制御するよう適合され、ユーザーとインターフェースすることによってユーザーからコマンドを受信し、受信したコマンドを記録再生部20に含まれるマイコン16に送信して、光記録再生装置がユーザーコマンドに関連する動作を行うことができるようにする。特に、制御部12は、記録再生部20から受信したディスク管理情報を用いた記録再生コマンドを生成し、記録再生コマンドを記録再生ユニット20に送信する。
【0046】
上述した動作に関連して、AV(オーディオ/ビデオ)デコーダー17は、最終的に制御部12からの制御信号を受け取ると出力データを復号し、復号した出力データをユーザーに送信する。AVエンコーダー18は、制御部12からの制御信号を受け取ると入力信号をMPEG2トランスポートストリームのような特定のフォーマット信号に変換し、特定のフォーマット信号を記録再生ユニット20に含まれるシグナルプロセッサ13に送信し、希望する信号が光ディスクに記録できるようにする。
【0047】
上述した光記録再生装置における本発明による再フォーマット動作について、以下、図4および図5を参照して説明することにする。
【0048】
ユーザーからのコマンドを受け取ると、制御部12は、ディスク再フォーマットコマンドを記録再生部20に送信する。この再フォーマットコマンドは、ディスクに格納されたデータを危険から保護するために厳しい条件下で許容される。本発明は、ディスクが再フォーマットコマンドの実行を許容できることを前提としていることに留意されたい。この再フォーマットコマンドを受信した記録再生部20は、本発明に関連するPAC領域を再フォーマットしつつ、図4および図5に示された動作を行う。
【0049】
図4は、本発明の好ましい実施形態に従ってPAC領域を再フォーマットするための方法を示すフローチャートである。
【0050】
図4を参照すると、再フォーマット動作中に、記録再生部20は、PACクラスタのPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識する。PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、記録再生部20はPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更する。そうでなければ、PAC_ID情報は、プライマリーPACクラスタを示す場合、記録再生部20は、PAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持する。
【0051】
より詳細には、記録再生部20がステップS10で再フォーマットコマンドを受信する場合、ステップS20でPAC_ID情報を用いてPAC領域に含まれる各PACクラスタのタイプ情報を認識する。
【0052】
PACクラスタのタイプ情報がステップS20で図2の「PAC_ID=50 52 4Dh」によって記されるようにプライマリーPACクラスタを示す場合、プライマリーPACクラスタは、再フォーマット動作が行われた後に残らなければならないPACクラスタを示す。それゆえ、記録再生部20は、ステップS30でDDSに記録されたPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく継続して維持しなければならない。しかし、PACクラスタに含まれるフィールド「更新カウント」に格納された更新回数は、ステップS30で所定の数1だけ増加される。
【0053】
PACクラスタのタイプ情報がステップS20で図2の「PAC_ID=00 00 00h」または「PAC_ID=FF FF FFh」によって記されるように未使用のPACクラスタであると判定される場合、PACクラスタは、再フォーマット動作が行われた後に残らなければならない。それゆえ、記録再生部20は、ステップS30でPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持しなければならない。
【0054】
PACクラスタのタイプ情報がステップS20で特定の非プライマリーPACクラスタを示す場合、PACクラスタは、再フォーマット動作中に未使用のPACクラスタに変更されなければならない。したがって、DDSに含まれる対応するPACクラスタの状態を示すPAC状態情報は、ステップS50で有効状態を示す第1のデータ(例えば、「11b」)から再使用のために利用可能な状態を示す第2のデータ(例えば、「01b」)に変更される。また、PACクラスタに含まれるPAC_IDフィールドは、ステップS51で未使用のPACクラスタを示す「PAC_ID=FF FF FFh」によって記される特定の情報に変更されなければならない。この場合、PACクラスタに格納されたすべての情報を初期化する必要はなく、再フォーマット動作は、ステップS51でPAC状態情報およびPAC_ID情報が他の情報に変更されるという条件で完了される。
【0055】
上述したステップS20〜S51は、ステップS60でPAC領域に含まれるすべてのPACクラスタに達するまで繰り返される。上述したステップS20〜S51があらゆるPACクラスタタイプについて完了されると、PAC領域についての再フォーマット動作も完了される。
【0056】
図5は、本発明の別の好ましい実施形態に従ってPAC領域を再フォーマットするための方法を示すフローチャートである。
【0057】
図5を参照して、再フォーマット動作中に、記録再生部20は、PACクラスタのPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識する。PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、記録再生部20はPAC状態情報およびPAC_ID情報を初期化する。そうでなければ、PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、記録再生部20はPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持する。
【0058】
換言すれば、図5に示された第2の好ましい実施形態によれば、非プライマリーPACクラスタの再フォーマット動作中に、非プライマリーPACクラスタに含まれるすべての情報が、図4に示された第1の好ましい実施形態と異なり、「00h」または「FFh」の値に初期化される。
【0059】
上記の説明から明らかなように、本発明による記録媒体を再フォーマットするための方法および装置は、記録媒体に含まれる特定の管理領域を効率的に再フォーマットすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
当業者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明において様々な修正および変更をなし得ることが明らかであろう。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等の範囲内に入ることを条件として、本発明の修正および変更形態を網羅することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による記録媒体の物理的構造を示す図である。
【図2】本発明による記録媒体のPACクラスタに含まれる情報を示す図である。
【図3】本発明による光記録再生装置を示すブロック図である。
【図4】本発明による記録媒体を再フォーマットするための方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明による記録媒体を再フォーマットするための方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を再フォーマットするための方法であって、
(a)複数の記録ユニットにおける記録媒体の複数の物理アクセス制御情報を読み出すステップと、
(b)前記複数の記録ユニットに関連する再フォーマットコマンドを受け取ると、各記録ユニットの初期化プロセスを行うステップと
を備え、
前記初期化プロセスは、各記録ユニットに記録された情報の属性によって異なるように行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記記録媒体の物理アクセス制御情報は、PAC領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記記録ユニットは、PACクラスタであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(c)前記PACクラスタの属性がプライマリーPACを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を維持するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(d)前記PACクラスタの属性がプライマリーPACを示す場合、再フォーマット動作中にPACアップデート情報を増加するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
(e)前記PACクラスタの属性が非プライマリーPACを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
(f)前記再フォーマット動作中に有効なPAC状態を示す情報を再使用のために利用可能なPAC状態を示す他の情報に変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(g)前記再フォーマット動作中にPAC_ID情報を再使用可能な未使用PACクラスタを示す他の情報に変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(h)前記再フォーマット動作中に前記非プライマリーPACクラスタに含まれるすべての情報を初期化するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
記録媒体を再フォーマットするための方法であって、
(a)PAC領域の各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識するステップと、
(b)前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更するステップと、
(c)前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を維持するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
記録媒体を再フォーマットするための方法であって、
(a)PAC領域の各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識するステップと、
(b)前記PAC_ID情報が非プライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更し、PACクラスタに含まれるすべての情報を初期化するステップと、
(c)前記PAC_IDがプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を維持するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
(d)前記PAC_ID情報が前記再フォーマット動作中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、有効なPAC状態を示す特定の情報を再使用のために利用可能な状態を示す他の情報に変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(e)前記PAC_ID情報が前記再フォーマット動作中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、前記PAC_ID情報を再使用可能な未使用PACクラスタを示す他の情報に変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(f)前記PAC_ID情報が前記再フォーマット動作中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、前記PACクラスタに含まれるすべての情報を所定の初期化値に初期化するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
記録媒体を再フォーマットするための装置であって、
前記記録媒体を再フォーマットするための要求を発生するための制御部と、
前記制御部から再フォーマット要求を受け取ると、前記記録媒体を再フォーマットし、各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識し、前記PAC_IDが非プライマリーPACクラスタを示すとき、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を他の情報に変更し、前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持するための記録再生部と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項16】
記録媒体を再フォーマットするための装置であって、
記録媒体を再フォーマットするための要求を発生するための制御部と、
前記制御部からの再フォーマット要求を受け取ると、前記記録媒体を再フォーマットし、各PACクラスタに含まれるPAC_ID情報を用いてPACクラスタのタイプ情報を認識し、前記PAC_IDが非プライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報、PAC_ID情報およびPACクラスタに含まれるすべての情報を初期化し、前記PAC_ID情報がプライマリーPACクラスタを示す場合、再フォーマット動作中にPAC状態情報およびPAC_ID情報を変更することなく維持するための記録再生部と、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項17】
前記記録再生部は、前記PAC_ID情報が再フォーマット中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、有効なPAC状態を示す特定の情報を再使用のために利用可能な状態を示す他の情報に変更することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記記録再生部は、前記PAC_ID情報が再フォーマット動作中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、前記PAC_ID情報を再使用可能な未使用PACクラスタを示す他の情報に変更することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記記録再生部は、前記PAC_ID情報が再フォーマット動作中に非プライマリーPACクラスタを示す場合、前記PACクラスタに含まれるすべての情報を所定の初期化値で初期化することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
データ領域およびリードイン領域を含む光記録媒体として機能する記録媒体であって、
前記データ領域の物理アクセス制御情報が記録された複数の記録ユニットを含む第1の管理領域と、
前記第1の管理領域に含まれる各記録単位の記録状態情報が記録された第2の管理領域と
を含むリードイン領域を備え、
前記第1の管理領域に含まれる複数の記録ユニットは、各記録ユニットに記録された情報の属性情報によって再フォーマットされることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−503850(P2008−503850A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517947(P2007−517947)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001884
【国際公開番号】WO2005/122705
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】