記録担体
【構成】 本発明の記録担体にはmビットコードワードを表わす各m個の所定の単位長さの磁区の群が設けられ、各磁区群は第1磁化方向の第1磁区と第2磁化方向の第2磁区とを具え、各磁区群内の第1磁区の数と第2磁区の数との差が+d,−d又は0であり、各磁区群の開始時における先行磁区群の第1磁区の数と第2磁区の数との差が第1及び第2の値で限界された範囲内に制限されている。更に、各磁区群の任意の瞬時における第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が、前記第1及び第2の値で限界された範囲外に位置する第3及び第4の値で限界された範囲であって第2及び第4の値の間隔が第1及び第3の値の間隔より小さく定められた範囲内に制限されている。
【効果】 この記録担体の利点は、第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が所定の限界範囲(−2〜+3)内に制限されるため、読取り中に判定レベルを極めて高信頼度に再生することができ、記録信号を極めて正確に再生することができる点にある。
【効果】 この記録担体の利点は、第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が所定の限界範囲(−2〜+3)内に制限されるため、読取り中に判定レベルを極めて高信頼度に再生することができ、記録信号を極めて正確に再生することができる点にある。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はnビット情報ワードを伝送前にmビットコードワードに変換し、該mビットコードワードを伝送後にnビット情報ワードに再変換する情報伝送方法であって、伝送前に順次のnビット情報を制限された最大ディスパリティ±dを有するmビット情報に変換して(ここでn,m及びdは整数で、n<m及びd<m)各コードワードの開始時における全先行コードワードのデジタル加算値が第1の値と第2の値で限界された界面範囲内に維持されるようにするために、次のコードワードを少なくともディスパリティの極性に関連して全先行コードワードの前記デジタル加算値の関数として選択して前記次のコードワードが前記ディジタル加算値の絶対値の増大を生じ得ないようにし、この目的のために少なくとも第1群のnビット情報ワードの各々に、互いに反対極性の絶対値dのディスパリティを有すると共に互いに反対のビット極性を有する1対のコードワードを割当てるようにした情報伝送方法、特に該方法に使用され、このようなコードワードが記録された記録担体に関するものである。
【0002】ここでディスパリティとはコードワードを構成する“0”の数と“1”の数の差を意味し、“デジタル加算値”とはコードワードの“1”又は“0”をカウントアップし、“0”または“1”をカウントダウンして得られる値を意味する。
【0003】
【従来の技術】上述の如き情報伝送方法および装置は英国特許明細書第1540617号および米国特許明細書第438736号により既知である。
【0004】斯るnビット情報ワード−mビットコードワード変換はmビットコードワード系列に課される所定の要件を満足させるために使用される。これは、mビットコードワードの可能な組合せの全てを使用できるわけでないことを意味し、従ってビット数mを関連する情報ワードのビット数nより大きくする必要があることを意味する。既知の方法および装置ではmは偶数または奇数にすることができる。mが偶数の場合には偶数ディスパリティ±2、±4等に加えてディスパリティ0が発生し、mが奇数の場合には奇数ディスパリティ±1、±3等が発生する。この場合、最大ディスパリティは±mである。この最大ディスパリティを制限して(d<m)最大の符号効率を達成する。最大ディスパリティを大きくすると使用可能なコードワードの数が増大するが、スペクトルの低周波数成分および連続する“1”または“0”の最大数(クロック発生に重要)が著しく増大する。直流成分のない伝送信号を得るために先行コードワードのデジタル加算値の関数として極性を選択する。これは、各情報コードワードに対し互いに極性が反転関係にある2個のコードワードを選択すると他方のワードは極性反転により得ることができるので一方のコードワードのみを発生させればよくなるために有利に達成することができる。
【0005】他の重要な点は受信ビットが論理値0であるか1であるかを判定するために受信側で発生させる判定レベルの発生方法である。これは瞬時デジタル加算値レベルをろ波して達成することができる。この目的に使用するフィルタの時定数はできるだけ小さくして平均デジタル加算値の急速な変化に追従できるようにすることが重要である。これがため、瞬時デジタル加算値の変化の振幅を制限することが必要であり、これはこれらの変化が前記判定レベルの変動(ベースライン変動)を生ずるためである。この目的のためにはコードワード内における瞬時デジタル加算値の変化に制限を課すことができ、例えば最大瞬時デジタル加算値を±(d+2)に制限することができる。この場合所要の情報ワード数2n と比較して使用可能なコードワードに相当な余分が屡々生ずる。しかし、この制限範囲を±(d+1)に低減すると使用可能なコードワードの不足を生ずる。また、例えば+(d+1)および−(d+2)の範囲の非対称制限は極性反転原理を使用するときは何の意義もない。その理由は、この場合には一方のコードワードが前記制限範囲内に含まれないコードワード対は全て使用不可能であるため、使用可能なコードワード数は±(d+1)の制限範囲の場合より大きくならないためである。同じことが他の制限範囲(例えば±(d+2)と比較して±(d+3))に対しても言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、瞬時デジタル加算値レベルが所定の非対称限界範囲内に制限されたコードワードが記録され、精確に再生することができる記録担体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、mビットコードワードを表わす各m個の所定の単位長さの磁区の群が設けられ、各磁区群は第1磁化方向の第1磁区と第2磁化方向の第2磁区とを具え、各磁区群内の第1磁区の数と第2磁区の数との差が+d,−d又は0であり、各磁区群の開始時における先行磁区群の第1磁区の数と第2磁区の数との差が第1及び第2の値で限界された範囲内に制限されている記録担体において、各磁区群の任意の瞬時における第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が、前記第1及び第2の値で限界された範囲外に位置する第3及び第4の値で限界された範囲であって第2及び第4の値の間隔が第1及び第3の値の間隔より小さく定められた範囲内に制限されていることを特徴とする。
【0008】図面につき本発明を説明する。
【実施例】図1は符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲内に維持されるようにデジタルデータを符号化および復号化するシステムを用いる記録再生伝送システムを示す。本システムは直列入力データ(データが予め並列ワードの形で得られない限り)を受信する入力端子1と、データを並列ワード(本例では8ビットの並列ワード)に変換する直列−並列変換器2を具える。これら8ビットワードはエンコード回路3に供給され、この回路は例えばルックアップテーブルの形態をなし、本例では各入力ワードに対し当該回路に定められた規則に従って10ビット出力ワードを発生する。これらの10ビットワードは並列−直列変換器4により直列データ系列に変換され、このデータ系列は例えば慣例のアナログ磁気テープレコーダ6により磁気テープに記録される。例えば複数個(例えば20)の並列トラックに記録することができる。これらの処理はクロック信号発生回路5により入力信号から取り出されるクロック信号により同期が取られる。
【0009】原則として復号は逆の順序で動作する同一の回路により実現できる。テープレコーダ6からの信号は直列−並列変換器7により10ビットワードに変換される(データが予め並列10ビットワードで得られない場合)。符号化に使用した規則と相補関係の規則を使用してこれらの10ビットワードはデコード回路8により8ビットワードに変換され、これら8ビットワードは次いで並列−直列変換器9により直列データ系列に変換されて出力端子10に供給される。これらの処理もクロック信号発生回路13により得られるクロック信号により同期が取られる。このクロック信号は直列−並列変換器7の入力端子12に現れるテープレコーダ6からの信号から取り出される。
【0010】デジタル加算値を制限するためには原則として等しい数の“1”と“0”を有するコードワード、即ちデジタル加算値に全体として影響を与えないコードワードのみを使用することができる。特に、1コードワード内のデジタル加算値にも制限が課される場合には、所定のビット数(本例では10ビット)で形成し得るコードワード数は少なくなるためにこの限られた個数の前記所定ビット数のコードワードは著しく小ビット数の入力ワードに復号することができるのみで、チャンネル容量にかなりの損失が生ずる。この容量の損失を、例えば8ビットから10ビットへの変換の場合において最低にする場合には、英国特許第1540617号明細書に提案されているように、等しくない個数の“0”と“1”を含むコードワード、即ちデジタル加算値の変化を生ずる、零に等しくないディスパリティを有するコードワードを使用可能にする必要がある。この特許明細書には、零に等しくない最低のディスパリティ(特に偶数ビット数のコードワードに対しては±2のディスパリティ)を有するワードを使用可能にし、各入力ワードに対し+2のディスパリティおよび−2のディスパリティを有する出力ワードを割当てると共にデジタル加算値(即ち、全先行ワードのディスパリティの積分値)を減少するワードを選択することが提案されている。図1に示す装置においてはこの処理は、全先行ワードのデジタル加算値を論理値“0”毎にカウントダウンすると共に論理値“1”毎にカウントアップするアップ−ダウンカウンタ14により決定し、このカウント値に応じて前記デジタル加算値が2つの可能な値のうちの高い値(S1)であるか低い値(S0)であるかを示す論理信号S0 /S1 を発生させることにより達成される。低値S0 の場合には次の入力ワードは規則またはルックアップテーブルに従ってディスパリティが0又は+2のワードに変換されてデジタル加算値はS0 のままかS1 (S1 =S0 +2)になり、高値S1 の場合には前記入力ワードはディスパリティが0または−2のワードに変換されてデジタル加算値がS1 のままかS0 (S0 =S1 −2)になるようにする。
【0011】図面につき本発明を説明する。
【実施例】図1は符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲内に維持されるようにデジタルデータを符号化および複合化するシステムを用いる記録再生伝送システムを示す。本システムは直列入力データ(データが予め並列ワードの形で得られない限り)を受信する入力端子1と、データを並列ワード(本例では8ビットの並列ワード)に変換する直列−並列変換器2を具える。これら8ビットワードはエンコード回路3に供給され、この回路は例えばルックアップテーブルの形態をなし、本例では各入力ワードに対し当該回路に定められた規則に従って10ビット出力ワードを発生する。これらの10ビットワードは並列−直列変換器4により直列データ系列に変換され、このデータ系列は例えば慣例のアナログ磁気テープレコーダ6により磁気テープに記録される。例えば複数個(例えば20)の並列トラックに記録することができる。これらの処理はクロック信号発生回路5により入力信号から取り出されるクロック信号により同期が取られる。
【0012】原則として復号は逆の順序で動作する同一の回路により実現できる。テープレコーダ6からの信号は直列−並列変換器7により10ビットワードに変換される(データが予め並列10ビットワードで得られない場合)。符号化に使用した規則と相補関係の規則を使用してこれらの10ビットワードはデコード回路8により8ビットワードに変換され、これら8ビットワードは次いで並列−直列変換器9により直列データ系列に変換されて出力端子10に供給される。これらの処理もクロック信号発生回路13により得られるクロック信号により同期が取られる。このクロック信号は直列−並列変換器7の入力端子12に現れるテープレコーダ6からの信号から取り出される。
【0013】デジタル加算値を制限するためには原則として等しい数の“1”と“0”を有するコードワード、即ちデジタル加算値に全体として影響を与えないコードワードのみを使用することができる。特に、1コードワード内のデジタル加算値にも制限が課される場合には、所定のビット数(本例では10ビット)で形成し得るコードワード数は少なくなるためにこの限られた個数の前記所定ビット数のコードワードは著しく小ビット数の入力ワードに復号することができるのみで、チャンネル容量にかなりの損失が生ずる。この容量の損失を、例えば8ビットから10ビットへの変換の場合において最低にする場合には、英国特許第1540617号明細書に提案されているように、等しくない個数の“0”と“1”を含むコードワード、即ちデジタル加算値の変化を生ずる、零に等しくないディスパリティを有するコードワードを使用可能にする必要がある。この特許明細書には、零に等しくない最低のディスパリティ(特に偶数ビット数のコードワードに対しては±2のディスパリティ)を有するワードを使用可能にし、各入力ワードに対し+2のディスパリティおよび−2のディスパリティを有する出力ワードを割当てると共にデジタル加算値(即ち、全先行ワードのディスパリティの積分値)を減少するワードを選択することが提案されている。図1に示す装置においてはこの処理は、全先行ワードのデジタル加算値を論理値“0”毎にカウントダウンすると共に論理値“1”毎にカウントアップするアップ−ダウンカウンタ14により決定し、このカウント値に応じて前記デジタル加算値が2つの可能な値のうちの高い値(S1)であるか低い値(S0)であるかを示す論理信号S0 /S1 を発生させることにより達成される。低値S0 の場合には次の入力ワードは規則またはルックアップテーブルに従ってディスパリティが0又は+2のワードに変換されてデジタル加算値はS0 のままかS1 (S1 =S0 +2)になり、高値S1 の場合には前記入力ワードはディスパリティが0または−2のワードに変換されてデジタル加算値がS1 のままかS0 (S0 =S1 −2)になるようにする。
【0014】復号中は読出された全ワードのデジタル加算値がアップ−ダウンカウンタ15により決定され、そのカウント値に応じて符号化中に次のコードワードとして0又は+2のディスパリティを有するワードが選択されたのか0または−2のディスパリティを有するワードが選択されたのかが決定される。デコーダ回路8はこれに従って制御される。これがため、エンコーダ回路およびデコード回路は双方とも規則またはルックアップテーブルに従って、全先行ワードのデジタル加算値がS0 である場合に有効な一組みのコードワード(S0)と、全先行ワードのデジタル加算値がS1 である場合に有効な一組みのコードワード(S1)を発生する。
【0015】上述の英国特許明細書に従って両組のディスパリティ0のワードを同一に選択し、ディスパリティ−2のワードをディスパリティ+2のワードに対し相補関係に選択すると、一方の組(S1)のコードワードを他方の組(S0)のコードワードから簡単に取り出すことができる。
【0016】コードワードの選択を図2〜図12を参照して説明する。これら図はコードワードの瞬時デジタル加算値をビット位置の関数として示す図である。ワードは10ビットコードワードで最上位ビットは位置“1”にある。+3から−2までの限界範囲のデジタル加算値を縦軸にプロットしてある。これがため、6つのデジタル加算値を取ることができる。コードワードは2進表示と10進表示の両方で示してある。
【0017】図2はディスパリティ0のコードワードのデジタル加算値の変化を、先行コードワードのデジタル加算値がS1 の場合について示す。例として171=0010101011のコードワードを選択してある。デジタル加算値は“1”毎に1増加し、“0”毎に1減少する。当該コードワードは値S1 から始まり値S1 で終わり、規定のデジタル加算値の限界範囲+3 〜−2 の範囲内に維持される。図3 は値S0 で始まる同一のコードワードを示す。この場合のデジタル加算値の変化も規定の限界範囲+2〜−3内に維持される。
【0018】図4はデジタル加算値S1 から始まるコードワード127=0001101011のデジタル加算値の変化を示す。このワードは限界範囲+3〜−2内に維持される。しかし、図5に示すようにこのワードはデジタル加算値S0 から始まると、このワードは所定の限界範囲内に維持されない。これがためワード127は規定の限界範囲内に維持される零ディスパリティのワード群に含まれない。初期状態(S0 またはS1)と無関係に規定のデジタル加算値限界範囲内に維持される零ディスパリティのワードのみが初期値からスタートして最後まで+3と−2の間に維持されるデジタル加算値の変化を有するものであることも明らかである。
【0019】図6はディスパリティ+2のワード822=1100110110のデジタル加算値の変化を示し、このワードは初期状態S0 の場合にのみ発生する。このワードは所定の限界範囲内に維持される。初期状態S1 の場合には上述の英国特許明細書に従ってその極性反転コードワード、即ちワード402=0011001001を選択する必要があり、この場合にもデジタル加算値変化は図7に示すように規定の限界範囲内に維持される。
【0020】図8はディスパリティ+2のワード237=00111001101のデジタル加算値の変化を示し、この変化も規定の限界範囲内に維持される。しかし、このワードは初期状態S1 の場合に極性反転されてもその極性反転ワード786=1100010010のデジタル加算値は図9に示すように規定の限界範囲内に維持されない。このことは極性反転技術を使用するときは所定の限界範囲内に維持されるディスパリティ+2の全ワードを使用できるわけではないことを意味し、これはこれらワードのいくつかは極性反転すると最早規定の限界範囲内に維持されなくなるからである。これを解決するにはワードを極性反転するだけでなくビット順序を逆転する。即ち伝送順序を逆転すればよい。この場合ワード237は291=0100100011となり、このワードのデジタル加算値変化は図10に示すように規定の限界範囲内に維持される。図8と図10を比較すると、極性反転+順序逆転処理は両変化をワードの中心の垂直軸を中心に互いに鏡面反転の関係にすることがわかる。初期値S0 から規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ+2の各ワードは極性反転(ディスパリティ−2を生ずる)および順序逆転後に初期値S1 から規定の限界範囲内に維持されることになる。これがため、ディスパリティ+2の全ワードを使用することができ、符号化をチャンネル容量の損失または瞬時デジタル加算値変化の限界範囲(本例では6値)に関し最適化することができる。
【0021】以上から、コードワードは次の2群に分かれる。
群T0 :初期状態に無関係に規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ0の全コードワード;
群T1 :初期状態に依存し、互いに極性反転および順序逆転により得られる±2のディスパリティを有する全コードワード(初期状態S0 に対応するワードは+2のディスパリティを有し、初期状態S1 に対応するワードは−2のディスパリティを有する);尚、状態S0 からスタートして状態S1 になるまでの間に値−2に達するディスパリティ+2のワード、従って極性反転および順序逆転すると状態S1 からスタートして状態S0 になるまでの間に値−2に達するディスパリティ+2のワードのみを極性反転および順序逆転することもできる。この場合には、3つのワード群、即ち、前記群T0 と、レベル−2に達する(従って識別可能)±2のディスパリティを有するワードに制限された群T1 と、レベル−2に達しない±2のディスパリティを有するワード(例えば図6のワード822)に制限されたT1 ′が得られる。
【0022】群T0 およびT1 のワードのみ(場合によっては、群T1 ′のワード)が発生する場合には、復号は先行状態と無関係に行うことができる。ワードのディスパリティ自体が復号規則を表わし、ディスパリティ+2は初期状態S0 から復号することを意味し、ディスパリティ−2は初期状態S1 から復号することを意味し、ディスパリティ0は初期状態と無関係に復号することを意味する。アップ−ダウンカウンタ15(図1)は受信ワードのディスパリティを決定するだけである。これにより誤った初期状態が検出されたときにエラーの伝搬が生じない。各ワードの初期状態はその来歴と無関係に決定される。この場合、デコーダ回路に1つの表、例えば初期状態S0 に対する表を設け、ワードをそのディスパリティが−2のときは極性反転および順序逆転した後に変換し、ディスパリティが+2または0のときは直接変換することが可能になる。
【0023】上述した8−10変換の場合には上述の規則に従って見つけ出されるコードワードの数は規定の限界範囲に対し不十分であることが起こり得る。8−10変換の場合には256種類の(8ビット)入力ワードが可能であり、この256種類の各ワードに対し10ビット出力ワードを選択する必要がある。群T0 は89個のコードワードを含み、群T1 は155個のコードワードを含むため、12個のコードワードが不足する。これらのワードは2個の初期状態S0 およびS1 の一方に対しては使用できるが他方の状態に対しては使用できないディスパリティ0のワードから選択することができる。この場合、初期状態S1 から3個の“0”で始まるワード群(従って初期状態S0 から始まって3個の“0”で終わるワード群を極性反転せずに順序逆転することにより得られるワード群)から選択することができる。図11は3個の“0”で終わるワード(初期状態S0)の一例を示し、図12はその順序逆転後のワード(初期状態S1)の一例を示す。図13は256個の8ビット入力ワードiと関連する状態S0 およびS1 にそれぞれ対応する10ビット出力ワードを10進表示で示す表である。第1群T0 は入力ワード0≦i≦88から成り、第2群T1 は入力ワード89≦i≦243から成り、第3群T2 は入力ワード244≦i≦255から成る。
【0024】8ビット入力ワードの10ビット出力ワードへの変換はメモリに図13の表(必要に応じ2個の状態の一方S0 またはS1 に対応する部分のみとすることができる) をストアして実行することができるが、この場合には所要の記憶容量の点で問題が生ずる。しかし、「IEEE Transactions on Information Theory 」May1972,pp.395−399および同誌、December 1973,pp.1438−1441のSchalkwijkの論文から、特定のディスパリティ(Schalkwijk法では−2)のコードワードを、ニュートンの二項式に従って選択された要素を有するパスカルの三角形によって辞書式に配列してこのパスカルの三角形の要素のみをストアすることにより入力コードワードを出力コードワードにおよびその逆に直接変換することができることが既知である。このパスカルの三角形によって前記ディスパリティを有する全出力コードワードに順序番号を割当てる。この一連の順序番号は連続するので、8ビット入力ワードをそれらの2進加重値と一致する順序番号に関連させることにより明確なコードワード変換を得ることができる。しかし、本例の場合のようにこのディスパリティを有する全ワードを図2〜図10に示すようにコードワード内のデジタル加算値の最大変化の制限のために使用できるわけではない場合には、このエンコーディングおよびデコーディング方法は不可能である。事実、順序番号がパスカルの三角形で割当てられた10ビット出力コードワードのいくつかのワードは使用不可能である。これがため、使用可能な10ビットコードワードにパスカルの三角形によって連続する一連の順序番号を与えることはできないため、8ビット入力ワードをそれらの2進加重値により決まるそれらの順序番号に従って10ビット出力コード上にパスカルの三角形によってマッピングすることはできない。しかし、図14につき説明する規則に従う変形パスカル三角形を使用するとこれが可能になることがためかめられた。
【0025】図14は斯る変形パスカル三角形の一例を示し、これは次の一般規則に従って得られる。
【0026】(1) 使用可能なコードワード群において許容し得るデジタル加算値レベルと同数の列Kを選択する。本例では群T0 におけるレベル数に従ってK=4(初期状態S1 およびS0 から4レベルが許容される)。1つの補助列(第5列)を付加する。
(2) 出力ワードのビット数と同数の行rを選択する。本例では8−10ビット変換のためr=10。
(3) 図2〜図10における出発レベルS0 またはS1 と一致する1列を出発列として選択する。本例ではこの列は列K=3であるため、ワード群T0 に属するワードにおいては+1と−2の間のデジタル加算値変化が可能となる。この場合、終了列は出 発列から当該ワード群のディスパリティ(本例では0)に等しい個数だけずら すことにより見つけ出される。
(4) 終了列の右側の列の第1行に1を入れる。
(5) マトリックスの各位置に、上から下に順次各位置の上方の対角位置にある2個の数を加算して入れる(但し、第1列には常に0を挿入すると共に第5列には第4列の上方対角位置にある数値を挿入する)。こうして図14に示すマトリックスを得る。第5列の数値はマトリックスの形成後は何の意味もないのでかっこに入れてある。第3列(最終列)の上には星印を付してあり、これは後述する符号化および復号化方法は常にこの点で終了するためである。星印から出る対角線および第3列第10行の出発数55から出る対角線の外にある数は何の役にもたたないもので、これら数もかっこに入れてある。役に立つ他の数は例えばメモリにストアすることができる。
【0027】符号化方法は次のうよに進められる。入力ワードの順序番号が出発数(55)と比較される。この順序番号が出発数より大きいか等しい場合にはこれから出発数が引算され、ベクトル“1”がその右上の対角位置にある数に向かうと共に論理値1が供給される。順序番号が小さい場合には符号化は左上の次の数に進み、このとき論理値0が供給される。この処理が後続の各数に対しくり返されて最後に星印に達するまで行われる。
【0028】復号化中は上記と逆の処理が行われ、出発数(55)から出発する。論理値1を受信すると右上の対角位置に進み、出発数(55)が累算される。論理値“0”を受信すると、左上の対角位置に進み、このときは出発数(55)は累算されない。星印に達するまで各位置において同一の処理が行われ、累算された数が復号化により得られたワードの順序番号を構成する。実際にはこのワードの2進加重値を順序番号として選択し、変形パスカル三角形の数を2進数として加算することによりこの順序番号が直接得られるようにする。
【0029】図15は符号化および復号化方法の処理を説明する第1の例を示す。この選択された入力ワードは10進順序番号が0の8ビットワード00000000である。出発数55はこの順序番号から引算できないので、左上の数21にステップする必要があり、論理値0が供給される。数21も引算できないので、再び左上にステップして論理値0が供給されると共に、数0に到達する。この数は引算できるのて(残り0)、次のステップは右上になり、論理値1が供給される。この位置の数8は前記残り0から引算できないので、再び左上へステップが生じ、論理値0が供給される。以下同様で、矢印で示す経路を経て星印に到達する。この場合全10ビット出力ワードは00101011となり、これは10進数171(表13の第1ワード)に相当する。
【0030】復号化は再び55から出発する。論理値0を受信すると左上へのステップが行われる。次の論理値0も左上のステップを必要とする。次の論理値1は右上へのステップを必要とすると共にこのステップの開始位置にある数(本例では0)の累算を必要とする。この場合、10ビットワード0010101011は図示の経路を経て順序番号0の8ビット出力ワード00000000になる。
【0031】図16は変形パスカル三角形を使用して順序番号(=2進加重値)29のワード00011101を符号化する場合を示す。数55から出発する。この数は29より大きいため、ステップは左上の数21に行われ、論理値0が供給される。数21は29より小さいので、ステップは右上に行われ、論理値“1”が供給されると共に、数21が引算されて29−21=8が生ずる。次の数21は残り8より大きいので、論理値“0”が供給されると共にステップが左上に行われる。この位置の数(8)は残り8から引算でき、残りは0になる。この場合には右上へのステップが行われ、論理値“1”が供給される。こうして符号化は星印に達するまで進められる。この場合の出力ワードは0101001011(図13の表の331)になる。
【0032】この10ビットワード0101001011は次のように復号される。第1ビットは0であるから左上へのステップが行われ、第2ビットは1であるから数21を有するこの位置から右上の位置へのステップが行われると共にこの数21が累算される。次の第3ビットは再び0であるから左上へのステップが行われて数8になり、次の第4ビット(論理値1)の指令の下でこの数8から右上へのステップが行われ、この数8が累算される。こうして星印に到達するとアキュムレータに数29=00011101が得られる。
【0033】図17は8ビットワード00010100=20が10ビットワード0011101010=234にどのように符号化されるかを示す。符号化は次のように進む。出発数は入力ワード00010100=20より大きいので、左上へのステップが行われ、論理値0が供給される。この位置の数21も20より大きいので、再び論理値0が供給されると共に左上へのステップが行われ、0に到達する。この数0は数20から引算できるので(残り20−0=20)、右上へのステップが行われ、論理値1が供給される。この位置において数8は20から引算でき残り12を生ずるので、右上へのステップが行われ、論理値1が供給され、次いでこの位置において12−8=4が行われ、更に右上へのステップが行われる。このとき到達する位置の数は5であり、4より大きいため、左上の数3へのステップが行われ、論理値0が供給される。次いで、この数3は4から引算できるから(残り4−3=1)、右上の数2へのステップが行われ、論理値1が供給される。この数2は残り1から引算できないので論理値0が供給されると共に左上の数1へのステップが行われる。この数1は残り1から引算できるので再び論理値1が供給され、残りは1−1=0になると共に右上へのステップが行われ、この位置では数1であるから最後のステップが左上に行われて星印に到達し、論理値0が供給される。これがため、入力ワード00010100=20から出力ワード0011101010=234(図13の表の20に対応)が形成される。復号においては同一の経路を進みながら数0,8,8,3および1が累算されて20=00010100が得られる。
【0034】以上は、この方法が規定の限界範囲を越える瞬時デジタル加算値変化を有するワードを決して生じないことを証明している。第1列に到達すると、この列の0は瞬時残りから常に引算することができるため右上へのステップが常に生ずる。第4列では常に左上へのステップが生ずる。これは瞬時残りが右上へのステップを必要とするものと仮定してみると容易にわかる。この場合にはこの残りはその前の位置の数より大きいか等しいので第4列には到達しない。例えば、第4列第3行の位置の数2に到達しているものと仮定する。右上へのステップは3以上の残りを必要とするが、これは第3列第4行の位置(数3)から右上へのステップにより達成不可能である。
【0035】同様に、第4列第5行の位置に対しては右上ステップは5以上の残りを必要とする。しかし、このことは第2列第9行の位置において残りが8+8+5=21より大きい必要があることを意味し、これはこの位置において左上へのステップの代わりに右上へのステップを生ずることを意味する。
【0036】一連の連続番号、本例では0から88までの番号をこのように符号化できることは全ての場合について試みることにより容易に証明することができる。
【0037】図18はコード群T1 を符号化および復号化するための変形パスカル三角形がどのようにして得られるかを示す。ここでは初期状態S1 が選択されているものとする。初期状態S0 を有する群は順序逆転+極性反転により得られる。この場合にはワード内のデジタル加算値変化は+1〜−4であるため、6個の列が必要とされ、第5列を出発列として使用する。反対の状態、即ち初期状態S0 を選択する場合にはデジタル加算値変化は+3と−2の間になるため、同様に6個の列が必要になり、第3列を出発列として使用する。S1 からのディスパリティは−2であるため、第3列が終了列(星印参照)になる(逆の場合には第5列が終了列になる)。従って、第4列第1行の位置に数1を入れ、当該行の他の位置に0を挿入する。更に、マトリックスに前述の規則に従って数を入れていく。関係のない数はかっこに入れて示してある(図19では省略してある)。
【0038】図19は数010001110=70がどのように符号化されるかおよびその結果がどのように復号化されるかを示す。符号化は第5列の数108から始まる。108は70から引算できないので左上へのステップが生じ、論理値0が供給されると共に数61に到達する。この数61は70から引算できるので(残り70−61=9)、右上へのステップが生じ、論理値1が供給されると共に数33に到達する。この数は前記残り9から引算できないので論理値0が供給されると共に左上の数19にステップされ、更に第6行の数9にステップされる。この数9は前記残り9から引算できるので(残り9−9=0)、右上の数6へのステップが生ずると共に論理値1が供給される。この数6は残り0から引算できないので論理値0が供給されると共に左上へのステップが行われ、0が第2行に現れるまでこのステップが2度くり返され(その都度論理値“0”が供給される)、第2行の数0は残り0から引算でき、残り0を生じるので、第2行および第1行において右上ステップが生じて星印に到達すると共にその都度論理値“1”が供給される。こうしてワード0100100011=291が得られる。復号化は再び規則に従って矢印の経路に沿って行われる。右上へのステップを生ずる数を(論理値1の受信時に)累算することにより61+9+0+0=70が得られる。この1対の数70と291は図13の表に見つけ出すことはできない。これは、順序番号0〜88は群T0 に属し、図14の変形パスカル三角形に従って符号化および復号化されるものであるためである。群T1 の順序番号は2進加重値に89を加えることにより得られるため、2進数70は表中の順序番号70+89=159に対応する。別の方法として、図18のパスカルの三角形をストアするメモリ内の数108から左上に延在する対角位置の全ての数を89だけ増加させることにより数89の1度の追加の加算を復号中に自動的に行うことができる。即ち、このようにすると最初の右上のステップが行われるときに復号中においては数89の追加の加算が1度行われ、符号化中におていは数89の追加の減算が1度行われる。
【0039】原理的には、三角形の全ての数を特定の値だけ増加させることができる。これは全てのワードが同数の“1”を含むためである。この場合、“1”の数が乗算された辞書式配列値が前記特定の値だけ増加する。この増加は右上への1ステップが各対角線に対し行われるために対角方向に行うことができる。左上方向に延在する対角線(星印で終了する対角線も含む)の数は“1”の数に相当する。この増加は最終列の数に与える必要はない。その理由はこの列から右上へのステップは行われないためである。これはコードワードの復号にのみ使用することができる。符号化中は出発点から出る前記対角線上の数を増加することが許されるだけである。
【0040】この点に関し、通常のパスカルの三角形を用いる Schalkwijk の方法では常にパスカルの三角形の対角方向に位置する2個の数の差がステップが行われる出発数の代わりに取られ、処理は星印の代わりに三角形の頂点の数で終了する。これはマトリックスの全要素を1行および1列に亘ってずらせることに相当する。前記差は常に関連する数の左上に位置する。
【0041】図20は図1〜図19について説明した原理を使用するエンコード回路の一例を示す。入力端子1の直列8ビット信号は直列−並列変換器2により8ビット並列信号に変換される。更に、ワード同期クロック信号cがクロック信号発生器16により発生され、8ビット同期クロック信号aがクロック信号発生器17により発生される。更に、形成すべき出力信号のビット周波数(即ちクロック信号aの周波数の10/8倍の周波数)と同期したクロック信号bがクロック信号発生器18により発生される。これらクロック信号はエンコード回路の種々の部分に同期用に供給される。直列−並列変換器2の8ビット出力端子は群−デコーダ回路19に接続される。このデコーダ回路は、例えば論理ゲートにより、8ビットワードの2進加重値iがi<89;89≦i≦243またはi>243のときにそれぞれ信号T0 ,T1 またはT2 を発生する。これらは各々別個の方法で符号化される先に定義した3つの群である。このエンコード回路は、更に、信号T0でスイッチオンされる図14の変形パスカル三角形を含むメモリ20を具えると共に、これと並列に配置され、信号T1 によりスイッチオンされる図18に示す変形パスカル三角形を含むメモリ21を具える。両メモリの出力端子は減算回路22に接続され、この減算回路はメモリ20または21から供給される数をアキュムレータ23により供給される数から引算する。この減算回路の出力端子はアキュムレータ23に接続される。直列−並列変換器2からの入力ワードはクロック信号cの指令の下でアキュムレータ23にロードされる。メモリ20および21はビットクロック信号aにより行アドレスされ、各ビット毎に1行づつシフトされて変形パスカル三角形(図14、図18)が下から上へとステップされる。列アドレッシングに対してはメモリ20(図14)の第3列またはメモリ21(図18)の第5列がクロック信号cの制御の下で出発列として選択される。減算回路22においてはメモリ20または21から読出された数がアキュムレータ23により供給される数から引算され、その残り(差)が零より大きいか零に等しい場合にこの残りが前記アキュムレータにストアされ、これは減算回路の出力端子241のオーバフロー信号により前記アキュムレータの再ロードを禁止することにより達成される。インバータ25で反転されたオーバフロー信号により、前記オーバフロー信号が現れるとき(即ちメモリの数を引算できないとき)に列番号を1だけデクリメントし、この信号が現れないとき(即ちメモリの数をアキュムレータの数から引算できるとき)に列番号を1だけインクリメントするアップ/ダウンカウンタ24を介してメモリ20および21の列アドレスを決定する。この反転オーバフロー信号は所望の出力信号も構成する。この信号はメモリの数をアキュムレータの数から引算できるとき論理値1であり、引算できないときに論理値0である。群T1 が処理される場合には入力信号が信号T1 の指令の下でアキュムレータ23にロードされるときに初期順序番号(89)を引算するか、メモリ21にストアする数をその分だけ見込んでおくことができる。
【0042】直列−並列変換器26により反転オーバフロー信号をクロック信号bを用いて10ビット並列信号に変換する。
【0043】本例エンコード回路は更に直列−並列変換器2から8ビット並列ワードを受信するメモリ回路27を具え、このメモリ回路は信号T2 によりスイッチオンされると共に前記第3群T2 のコードワードをストアしているため、信号T2 の指令の下で第3群の10ビットコードワードを関連する8ビット入力ワードの関数として発生する。この10ビットコードワード(並列に得られる)は直列−並列変換器26の出力端子にワイヤドORを介して供給されるためこの出力端子に全ての10ビットコードワードが8ビット入力ワードのリズムで現れるが、これらは全て初期状態S1 に従って符号化されたものである。これら10ビットワードは切換可能な極性反転ゲート回路28と切換可能な順序逆転ゲート回路29を経て並列−直列変換器4に供給され、これにより出力端子11に符号化ビット流が供給される。クロック信号cによりワード同期されたアップ/ダウンカウンタ31により全先行ワードのデジタル加算値が積分される。この全先行ワードのデジタル加算値が零の場合には初期状態S0 が正当であるが、符号化は初期状態S1 で行われている。この場合には次のワードをこのワードが群T1 のワードの場合には極性反転すると共に順序逆転する必要があり、このワードが群T2 のワードの場合には順序逆転のみを行う必要がある。この目的のために、アップ/ダウンカウンタ31の出力信号をゲート32,33および34により信号T1 およびT2と論理的に合成して上記の場合に極性反転回路28および/または順序逆転回路29をスイッチオンする信号を形成する。
【0044】図21は図20に示すエンコーダ回路により符号化された10ビットワードを復号するデコーダ回路を示す。入力端子12から10ビットワードが直列−並列変換器7に供給され、直列ビット流が10ビットの並列ビット流に変換される。クロック発生回路35,36および37によりワード周波数、10ビットワードのビット周波数および8ビットワードのビット周波数とそれぞれ同期したクロック信号c,bおよびaが発生される。
【0045】入力ビット列の各ワードが状態S0 またはS1 において符号化されたものかおよび群T0,T1 またはT2 のどれに属するものかを決定する必要がある。この目的のために、10ビットワードをアップ/ダウンカウンタ41に供給する。このカウンタはワードクロック信号cと同期し、各ワードの終了時にディスパリティ(各ワード内のデジタル加算値の変化量)を示す。このディスパリティは−2,+2または0のいずれかである。直列−並列変換器7の出力信号の最下位の3ビットをANDゲート42によりモニターすると共に最上位の3ビットをANDゲート43によりモニターする。両ゲートは反転入力端子を有し、関連するビットが零のとき、即ち群T2 のワードの場合における状態S0 およびS1 において信号をそれぞれ出力する。
【0046】カウンタ41がディスパリティ0を検出すると共にゲート42またはゲート43が出力信号を出力する場合には当該ワードは群T2 に属する。この目的のためにゲート42および43の出力信号をORゲート44で合成すると共に、このORゲートの出力信号をカウンタ41の0ディスパリティ出力信号とANDゲート45で合成して群T2 のワードを識別する信号を形成する。ORゲート46はカウンタ41の+2ディスパリティ出力信号と−2ディスパリティ出力信号とを合成して+2のディスパリティを有する群T1 のワードを識別する信号を形成する。カウンタ41からの0ディスパリティ信号はゲート42および43が出力信号を発生しないときに群T0 を表わすので、これをゲート47により検出して群T0 を識別する信号を形成する。
【0047】図20に示すエンコード回路と同様に、図21に示すデコード回路は状態S1からスタートし、状態S0 のワードは極性反転および/または順序逆転により得られる。状態S0 における群T1 のワードはこれらワードが−2のディスパリティを有することから識別することができ、−2のディスパリティの場合には極性反転と順序逆転を必要とする。状態S0 における群T2 のワードは最下位の3ビットが零であることから、即ちゲート42が出力信号を発生することにより識別することができる。
【0048】状態S0 のワードを状態S1 のワードに変換するために、直列−並列変換器7の出力信号を切換可能な反転回路38を介して切換可能な順序逆転回路39に供給する。極性反転回路38はカウンタ42からの−2ディスパリティ信号によりスイッチオンされ、順序逆転回路39は−2ディスパリティ信号とゲート42の出力信号をORゲート48で合成して形成した信号でスイッチオンされ、同期はワードクロック信号cにより取られる。
【0049】こうして得られたワードを復号するために、図21に示すデコード回路は図14に示す変形パスカル三角形をストアしている信号T0 でスイッチオンされるメモリ回路49と、これと並列に配置され、図18に示す変形パスカル三角形をストアしている信号T1 でスイッチオンされるメモリ回路50を具えている。
【0050】メモリ回路49および50はビットクロック信号aにより行アドレスされ、ワードの開始時にパスカル三角形の第10行に対応する行がアドレスされて下から上に順次アドレスされる。これらメモリ回路は並列−直列変換器40から10ビットワードを受信するアップ/ダウンカウンタ510により列アドレスされる。即ち、このカウンタはワード内の瞬時デジタル加算値を発生し、開始時に所定の出発列、即ちメモリ49に対しては第3列、メモリ50に対しては第5列をアドレスし、次いで論理値1の受信毎に高位の列をアドレスする。同時に、ビットクロックaの指令の下で上位行へのアドレスが行われるため、論理値1の受信時に変形パスカル三角形における右上へのステップが図14〜図19につき述べたように行われる。同様に、論理値0は左上へのステップを生ずる。前述の復号方法に従って変形パスカル三角形内の数をワード内の論理値1が生ずるときに累算する必要がある。この目的のためにアキュムレータ51と加算回路52を具える。加算回路52は並列−直列変換器40の出力端子のワードにより制御され、ワード内に論理値1が生ずる度に瞬間的にアドレスされたメモリ位置の内容をアキュムレータの内容に加算して、アドレスが同一の論理値1の指令の下で変化される前にメモリからの数の読出しが行われるようにする。斯くして出力ワードがアキュムレータ51に8ビットコードワードとして発生し、このアキュムレータはその内容を前記ワードの終了時に並列−直列変換器9に転送した後にリセットされる。この際、群T1 のワードを89だけ増加させることは例えばアキュムレータ51を各ワードの終了時に89にリセットすることによりまたはメモリ50の内容を適応させることにより行うことができる。
【0051】群T2 のワードを復号するために、順序逆転回路39の出力端子のワードをメモリ53に並列に供給する。このメモリは信号T2 でスイッチオンされ、供給されたワードに応じて読出しを行い、8ビットワードを発生し、このワードがアキュムレータ52の出力ワードと同様に並列−直列変換器9に供給され、斯る後にこれらワードが出力端子10に直列に供給される。この変換器は信号aおよびcにより制御される。
【0052】同期はクロック信号a,bおよびcにより行う必要があり、必要に応じ遅延回路およびホールド回路を用いる必要がある。例えば、10ビットワードは直列−並列変換器7、極性反転回路38、順序逆転回路39および並列−直列変換器40により処理れる間に1ワード長の遅延を受けるため、発生された信号T0,T1およびT2 を1ワード長の遅延を有するゲート54,55および56を通して転送する必要がある。
【0053】図20および図21に示す回路においてはメモリ回路が3つの群T0,T1 およびT2 の各々に対し必要とされ、所要記憶容量の点で不所望である。
【0054】群T2 のためのコードワードテーブルの使用を避けるためには群T0 に含まれるディスパリティ0の使用可能なコードワードの数を拡張する方法を見つけ出す必要がある。図13の表においては群T0 に89個のディスパリティ0のコードワードを使用している。規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ0のコードワードの可能な数は状態S1 において131個、状態S0 において197個ある。変形パスカル三角形を使用可能にするために、この場合には可能な数が少ない状態、即ち状態S1 からスタートし、初期状態がS0 のときはこれらのワードを状態S1 に変換するのが有効である。この場合には状態S1 の可能な全ワードを使用することができるため、一連の連続順序番号を必要とする変形パスカル三角形を使用することができる。
【0055】群T0 を考察すると、瞬時デジタル加算値がワードの開始から+1 と−2 の間に位置するコードワードのみが使用される。これは状態S1 においては−3または−4の瞬時デジタル加算値を有するワードは使用できないことを意味する。
【0056】−3の瞬時デジタル加算値を有するが−4の瞬時デジタル加算値を有しないワードは極性反転のみで状態S0 にマッピングすることができる。図22は一例として状態S1 におけるワード286=0100011110の瞬時デジタル加算値の変化を示す。このワードはレベル−1、即ち−3の瞬時加算値に到達する。このワードは反転すると737=1011100001に変化し、図23に示すように状態S0 にマッピングすることができる。
【0057】−4の瞬時デジタル加算値を有するワードは状態S0 における極性反転により不許容レベル4に到達するためにこれらワードは状態S0 に直接マッピングすることはできない。この状態S0 では上述の極性反転のためにレベル+3 だけでなくレベル−2,−1,0および+1も生ずる。これがため、これらコードワードはレベル+2に到達することなくレベル+3に到達することはあり得ない。この場合、これらコードワードは極性反転後に、例えばレベル+2に到達後の後続のビットを極性反転することによりワードをレベル+2を中心に“折り返えす”と共にレベル+2に再び到達後に再び極性反転する(その前の極性反転を打ち消す)ことによりマッピングすることができる。図24に、状態S1 において−4の瞬時デジタル加算値変化を有するワード59=0000111011を一例として示す。このワードは上述の規則に従って処理すると図25に示すようにワード820=1100110100になり、状態S0 にマッピングすることができる。
【0058】上述の方法によれば状態S1 において可能な全ワードを使用することができ、この場合には6列を有する変形パスカル三角形を使用することができる。この結果として131個の零ディスパリティコードワードを使用することができる。−2ディスパリティの使用可能なコードワードは155個あるので、合計286個の使用可能コードワードが得られ、必要とされるのは256ワードある。余分のコードワードは例えば符号化を順序番号19および0でスタートさせることにより追加の記憶容量を必要とすることなくスキップさせることができる。
【0059】斯るコードワード群は一つの6列変形パスカル三角形により符号化および復号化することができる。群T1 の符号化および復号化にも6列の変形パスカル三角形が必要とれるため、群T0 と群T1 の変形パスカル三角形を合成するのが有効であり、これは2個の最終列を使用すれば可能であることが確かめられた。この場合には出発列として状態S1 に対応する(第5)列(図18およびその説明参照)が選択されると共に、零ディスパリティワードの終了列として第5列が、−2ディスパリティワードの終了列として第3列が選択される。星印が付された終了列の右側の列の第1行に数1を入れるという規則に従って、2個の終了列の右側の列、即ち列4および6の第1行に数1を入れ次いでマトリックスの全位置に図14〜19につき述べた規則に従って数を入れる。これにより図26のマトリッスクが得られ、図26では関係のない数はかっこに入れてあると共にマトリックスは対角方向にステップされるために関係のない位置は空白にしてある。
【0060】図27は8ビットワード15=00001111を−2のディスパリティを有する10ビットワード77=0001001101に符号化およびその逆に復号化する場合を示し、図28は8ビットワード17=00010001を零ディスパリティの10ビットワード79=0001001111に符号化およびその逆に復号化する場合を示す。
【0061】図29は図26の変形パスカル三角形に基づくエンコーダ回路の一例を示す。その原理は図20の回路の原理と同一であるが、本例では図26の変形パスカル三角形をストアする1個のメモリ21のみを用い、極性反転回路28および順序逆転回路29はコードワードの関数として異なる方法で制御すると共に並列−直列変換器4と出力端子11との間にインバータ60を配置して図25につき述べた+2レベルを中心とする“折り返し”を行うようにしてある。
【0062】減算回路22のオーバフロー信号しとて発生しインバータ25で極性反転されて得られる発生コードワードはアップ/ダウンカウンタ24に供給され、このカウンタの出力信号がメモリ21の列アドレッシングを制御する。この出力信号はラッチ機能(フリップフロップ)61および62を具えるゲート回路にも供給され、これにより前記アップ/ダウンカウンタ24が−3状態か−4状態かを決定する。この出力信号はホールド回路63にも供給されてワード終了時のカウンタの状態(ディスパリティ)がホールドされる。ディスパリティは状態0および−2を検出するラッチ機能を有するゲート64および65により検出される。更に、図20の例と同様に、初期状態(S0 またはS1)はアップ/ダウンカウンタ31により検出される。ANDゲート66によりゲート61,64および31の出力信号を合成する。従ってこのANDゲートはレベル−3に到達したまたは通過したワードを表わすと共にこのワードのディスパリティが0であり且つ初期状態がS0 であることを表わす出力信号を供給する。斯るワードは極性反転する必要がある。ゲート65およびカウンタ31からの信号をANDゲート67により合成して状態S0 における−2 ディスパリティのワード、即ち極性反転と順序逆転する必要のあるワードを表わす信号を形成する。この目的のためにゲート67の出力信号を順序逆転回路29に供給すると共に、ゲート66の出力信号とORゲート68で合成後に極性反転回路28にも供給する。ゲート62および64からの信号およびカウンタ31からの信号をANDゲート90で合成する。このANDゲートは初期状態がS0 でレベル−4 に到達する零ディスパリティのワードを表わす信号を出力する。これらワードは+2レベルを中心に折り返す必要がある。これはインバータ60により実行することができる。変換器4で並列−直列変換されたビット列は変換器26の入力端子のビット列に対し1ワード長の遅れを有する。このためゲート90からの信号をホールド回路69により1ワード長だけ遅延させる。変換器4の出力信号の各ワード内におけるデジタル加算値の変化をアップ/ダウンカウンタ71により決定し、レベル+2に到達する度に信号を出力させる。ANDゲート72でこの信号をホールド回路69の出力信号と合成する。このANDゲート72によりフリップフロップ70を制御してその状態を+2レベルに到達する度に切換える。このフリップフロップによりインバータ60を制御して所望の+2レベルでの折り返しを得る。
【0063】図30は図29に示すエンコーダ回路により符号化されてワードを復号するデコーダ回路の一例を示す。このデコーダ回路の原理は図21に示す回路の原理と同一であるが、本例では図26に示す変形パスカル三角形をストアする1個のメモリ50のみを用い、極性反転回路および順序逆転回路を入力信号の関数として異なる方法で制御する。
【0064】入力信号はアップ/ダウンカウンタ73に供給される。このカウンタの出力信号をホールド機能を有するゲート74および75に供給して、カウント+2および+3を検出し、更にホールドスイッチ76にも供給して各ワードの終了時の前記カウンタの最終カウントをホールドすると共にホールド機能を有するゲート77および78によりこの最終カウントが0であるか+2であるかを決定する。ゲート74および77の出力信号をANDゲート79で合成して+3レベルに到達する零ディスパリティのワードを表わす信号を発生させる。ゲート75および77の出力信号をANDゲート80で合成する。このゲート80は+2レベルに到達するまたはこのレベルを通過する零ディスパリティのワード、即ち極性反転のみがされているまたは極性反転と折り返しがされているワードを表わす信号を出力する。この信号をゲート79の反転出力信号とANDゲート81で合成して+2レベルで折り返されたワードを表わす信号を発生させ、この信号をホールド回路82に供給してこれを1ワード長に亘りホールドする。ゲート78の出力信号は+2ディスパリティのワード、即ち極性反転および順序逆転されたワードを表わす。この信号は順序逆転回路39に供給すると共にゲート80の出力信号とORゲート83で合成した後に極性反転回路38に供給する。
【0065】並列−直列変換器40の出力信号をアップ/ダウンカウンタ84によりモニタしてワード内においてカウントが+2になる度に信号を出力させ、この出力信号をホールド回路82からの信号とANDゲート85で合成した後にフリップフロップ86に供給し、これにより変換器40と加算回路52との間に配置したインバータ87を切換える。
【0066】図20,21,29および30に示す装置においてはエンコーダ回路(図20または図29)とデコーダ回路(図21または図30)は多数の同一の構成素子を具えるので実際にはエンコーダ回路とデコーダ回路の大部分を合成することができる。
【0067】ワード同期信号cの発生(図21および図30の発生器35)に関しては、コードワード列内に特別な同期ワードを付加しこれを順次のコードワードの隣接部分から取り出すことができるようにすることによりこの同期信号cがデータワードと同相に維持されるようにすることができる。この目的のためには例えば図13に示す表においては複数個のコードワードを禁止する必要がある。この目的のために図31の表に同期ワード0100111110および0000111110の使用が可能となるよう変形した図13の表の情報ワード(i)を示してある。
【0068】図32は上述したように符号化されたmビットコードワードが記録された記録担体を示す。この図において、101は記録すべきmビットコードワード信号を示し、102はこの信号を記録する記録ヘッドを示す。既知のようにビット信号は、その論理値“1”が第1磁化方向の磁区として、その論理値“0”が反対(第2)磁化方向の磁区として記録担体に記録され、上述したように符号化されたmビットコードワードは磁気テープ105に示すような第1磁区3と第2磁区4のパターンに記録される。この記録担体の利点は、第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が所定の限界範囲(−2〜+3)内に制限されるため、読取り中に判定レベルを極めて高信頼度に再生することができ、記録信号を極めて正確に再生することができる点にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルデータを符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲に維持されるよう符号化すると共に復号化する方法を使用する本発明による記録再生伝送システムのブロック図、
【図2】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図3】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図4】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図5】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図6】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図7】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図8】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図9】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図10】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図11】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図12】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図13】コードワードテーブルを示す図
【図14】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図15】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図16】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図17】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図18】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図19】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図20】図14〜19につき説明される原理を使用するエンコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図21】図14〜19につき説明される原理を使用するデコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図22】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図23】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図24】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図25】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図26】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図27】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図28】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図29】図26に示す変形パスカル三角形によるエンコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図30】図26に示す変形パスカル三角形によるデコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図31】図13に示すコードワードテーブルの変更例を示す図である。
【図32】本発明記録担体を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 直列−並列変換器
3 エンコーダ回路
4 並列−直列変換器
5 クロック発生回路
6 テープレコーダ
7 直列−並列変換器
8 デコーダ回路
9 並列−直列変換器
10 出力端子
13 クロック発生回路
14,15 アップ/ダウンカウンタ
16,17,18 クロック信号発生器
19 群デコーダ
20,11,27 メモリ回路
22 減算回路
23 アキュムレータ
24,31 アップ/ダウンカウンタ
25 インバータ
26 直列−並列変換器
28 極性反転回路
29 順序逆転回路
32,33,34 論理ゲート
35,36,37 クロック信号発生器
38 極性反転回路
39 順序逆転回路
40 並列−直列変換器
42,43,44,45,47,48 論理ゲート
49,50,53 メモリ
51 アキュムレータ
52 加算回路
54,55,56 遅延回路
510 アップ/ダウンカウンタ
60 インバータ
61,62,64,65 ゲート回路
63,69 ホールド回路
66,67,68,72 論理ゲート
70 フリップフロップ
73 アップ/ダウンカウンタ
76,82 ホールド回路
74,75,77,78 ゲート回路
79,80,81,83,85 論理ゲート
86 フリップフロップ
87 インバータ
103,104 磁区パターン
105 記録担体
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はnビット情報ワードを伝送前にmビットコードワードに変換し、該mビットコードワードを伝送後にnビット情報ワードに再変換する情報伝送方法であって、伝送前に順次のnビット情報を制限された最大ディスパリティ±dを有するmビット情報に変換して(ここでn,m及びdは整数で、n<m及びd<m)各コードワードの開始時における全先行コードワードのデジタル加算値が第1の値と第2の値で限界された界面範囲内に維持されるようにするために、次のコードワードを少なくともディスパリティの極性に関連して全先行コードワードの前記デジタル加算値の関数として選択して前記次のコードワードが前記ディジタル加算値の絶対値の増大を生じ得ないようにし、この目的のために少なくとも第1群のnビット情報ワードの各々に、互いに反対極性の絶対値dのディスパリティを有すると共に互いに反対のビット極性を有する1対のコードワードを割当てるようにした情報伝送方法、特に該方法に使用され、このようなコードワードが記録された記録担体に関するものである。
【0002】ここでディスパリティとはコードワードを構成する“0”の数と“1”の数の差を意味し、“デジタル加算値”とはコードワードの“1”又は“0”をカウントアップし、“0”または“1”をカウントダウンして得られる値を意味する。
【0003】
【従来の技術】上述の如き情報伝送方法および装置は英国特許明細書第1540617号および米国特許明細書第438736号により既知である。
【0004】斯るnビット情報ワード−mビットコードワード変換はmビットコードワード系列に課される所定の要件を満足させるために使用される。これは、mビットコードワードの可能な組合せの全てを使用できるわけでないことを意味し、従ってビット数mを関連する情報ワードのビット数nより大きくする必要があることを意味する。既知の方法および装置ではmは偶数または奇数にすることができる。mが偶数の場合には偶数ディスパリティ±2、±4等に加えてディスパリティ0が発生し、mが奇数の場合には奇数ディスパリティ±1、±3等が発生する。この場合、最大ディスパリティは±mである。この最大ディスパリティを制限して(d<m)最大の符号効率を達成する。最大ディスパリティを大きくすると使用可能なコードワードの数が増大するが、スペクトルの低周波数成分および連続する“1”または“0”の最大数(クロック発生に重要)が著しく増大する。直流成分のない伝送信号を得るために先行コードワードのデジタル加算値の関数として極性を選択する。これは、各情報コードワードに対し互いに極性が反転関係にある2個のコードワードを選択すると他方のワードは極性反転により得ることができるので一方のコードワードのみを発生させればよくなるために有利に達成することができる。
【0005】他の重要な点は受信ビットが論理値0であるか1であるかを判定するために受信側で発生させる判定レベルの発生方法である。これは瞬時デジタル加算値レベルをろ波して達成することができる。この目的に使用するフィルタの時定数はできるだけ小さくして平均デジタル加算値の急速な変化に追従できるようにすることが重要である。これがため、瞬時デジタル加算値の変化の振幅を制限することが必要であり、これはこれらの変化が前記判定レベルの変動(ベースライン変動)を生ずるためである。この目的のためにはコードワード内における瞬時デジタル加算値の変化に制限を課すことができ、例えば最大瞬時デジタル加算値を±(d+2)に制限することができる。この場合所要の情報ワード数2n と比較して使用可能なコードワードに相当な余分が屡々生ずる。しかし、この制限範囲を±(d+1)に低減すると使用可能なコードワードの不足を生ずる。また、例えば+(d+1)および−(d+2)の範囲の非対称制限は極性反転原理を使用するときは何の意義もない。その理由は、この場合には一方のコードワードが前記制限範囲内に含まれないコードワード対は全て使用不可能であるため、使用可能なコードワード数は±(d+1)の制限範囲の場合より大きくならないためである。同じことが他の制限範囲(例えば±(d+2)と比較して±(d+3))に対しても言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、瞬時デジタル加算値レベルが所定の非対称限界範囲内に制限されたコードワードが記録され、精確に再生することができる記録担体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、mビットコードワードを表わす各m個の所定の単位長さの磁区の群が設けられ、各磁区群は第1磁化方向の第1磁区と第2磁化方向の第2磁区とを具え、各磁区群内の第1磁区の数と第2磁区の数との差が+d,−d又は0であり、各磁区群の開始時における先行磁区群の第1磁区の数と第2磁区の数との差が第1及び第2の値で限界された範囲内に制限されている記録担体において、各磁区群の任意の瞬時における第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が、前記第1及び第2の値で限界された範囲外に位置する第3及び第4の値で限界された範囲であって第2及び第4の値の間隔が第1及び第3の値の間隔より小さく定められた範囲内に制限されていることを特徴とする。
【0008】図面につき本発明を説明する。
【実施例】図1は符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲内に維持されるようにデジタルデータを符号化および復号化するシステムを用いる記録再生伝送システムを示す。本システムは直列入力データ(データが予め並列ワードの形で得られない限り)を受信する入力端子1と、データを並列ワード(本例では8ビットの並列ワード)に変換する直列−並列変換器2を具える。これら8ビットワードはエンコード回路3に供給され、この回路は例えばルックアップテーブルの形態をなし、本例では各入力ワードに対し当該回路に定められた規則に従って10ビット出力ワードを発生する。これらの10ビットワードは並列−直列変換器4により直列データ系列に変換され、このデータ系列は例えば慣例のアナログ磁気テープレコーダ6により磁気テープに記録される。例えば複数個(例えば20)の並列トラックに記録することができる。これらの処理はクロック信号発生回路5により入力信号から取り出されるクロック信号により同期が取られる。
【0009】原則として復号は逆の順序で動作する同一の回路により実現できる。テープレコーダ6からの信号は直列−並列変換器7により10ビットワードに変換される(データが予め並列10ビットワードで得られない場合)。符号化に使用した規則と相補関係の規則を使用してこれらの10ビットワードはデコード回路8により8ビットワードに変換され、これら8ビットワードは次いで並列−直列変換器9により直列データ系列に変換されて出力端子10に供給される。これらの処理もクロック信号発生回路13により得られるクロック信号により同期が取られる。このクロック信号は直列−並列変換器7の入力端子12に現れるテープレコーダ6からの信号から取り出される。
【0010】デジタル加算値を制限するためには原則として等しい数の“1”と“0”を有するコードワード、即ちデジタル加算値に全体として影響を与えないコードワードのみを使用することができる。特に、1コードワード内のデジタル加算値にも制限が課される場合には、所定のビット数(本例では10ビット)で形成し得るコードワード数は少なくなるためにこの限られた個数の前記所定ビット数のコードワードは著しく小ビット数の入力ワードに復号することができるのみで、チャンネル容量にかなりの損失が生ずる。この容量の損失を、例えば8ビットから10ビットへの変換の場合において最低にする場合には、英国特許第1540617号明細書に提案されているように、等しくない個数の“0”と“1”を含むコードワード、即ちデジタル加算値の変化を生ずる、零に等しくないディスパリティを有するコードワードを使用可能にする必要がある。この特許明細書には、零に等しくない最低のディスパリティ(特に偶数ビット数のコードワードに対しては±2のディスパリティ)を有するワードを使用可能にし、各入力ワードに対し+2のディスパリティおよび−2のディスパリティを有する出力ワードを割当てると共にデジタル加算値(即ち、全先行ワードのディスパリティの積分値)を減少するワードを選択することが提案されている。図1に示す装置においてはこの処理は、全先行ワードのデジタル加算値を論理値“0”毎にカウントダウンすると共に論理値“1”毎にカウントアップするアップ−ダウンカウンタ14により決定し、このカウント値に応じて前記デジタル加算値が2つの可能な値のうちの高い値(S1)であるか低い値(S0)であるかを示す論理信号S0 /S1 を発生させることにより達成される。低値S0 の場合には次の入力ワードは規則またはルックアップテーブルに従ってディスパリティが0又は+2のワードに変換されてデジタル加算値はS0 のままかS1 (S1 =S0 +2)になり、高値S1 の場合には前記入力ワードはディスパリティが0または−2のワードに変換されてデジタル加算値がS1 のままかS0 (S0 =S1 −2)になるようにする。
【0011】図面につき本発明を説明する。
【実施例】図1は符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲内に維持されるようにデジタルデータを符号化および複合化するシステムを用いる記録再生伝送システムを示す。本システムは直列入力データ(データが予め並列ワードの形で得られない限り)を受信する入力端子1と、データを並列ワード(本例では8ビットの並列ワード)に変換する直列−並列変換器2を具える。これら8ビットワードはエンコード回路3に供給され、この回路は例えばルックアップテーブルの形態をなし、本例では各入力ワードに対し当該回路に定められた規則に従って10ビット出力ワードを発生する。これらの10ビットワードは並列−直列変換器4により直列データ系列に変換され、このデータ系列は例えば慣例のアナログ磁気テープレコーダ6により磁気テープに記録される。例えば複数個(例えば20)の並列トラックに記録することができる。これらの処理はクロック信号発生回路5により入力信号から取り出されるクロック信号により同期が取られる。
【0012】原則として復号は逆の順序で動作する同一の回路により実現できる。テープレコーダ6からの信号は直列−並列変換器7により10ビットワードに変換される(データが予め並列10ビットワードで得られない場合)。符号化に使用した規則と相補関係の規則を使用してこれらの10ビットワードはデコード回路8により8ビットワードに変換され、これら8ビットワードは次いで並列−直列変換器9により直列データ系列に変換されて出力端子10に供給される。これらの処理もクロック信号発生回路13により得られるクロック信号により同期が取られる。このクロック信号は直列−並列変換器7の入力端子12に現れるテープレコーダ6からの信号から取り出される。
【0013】デジタル加算値を制限するためには原則として等しい数の“1”と“0”を有するコードワード、即ちデジタル加算値に全体として影響を与えないコードワードのみを使用することができる。特に、1コードワード内のデジタル加算値にも制限が課される場合には、所定のビット数(本例では10ビット)で形成し得るコードワード数は少なくなるためにこの限られた個数の前記所定ビット数のコードワードは著しく小ビット数の入力ワードに復号することができるのみで、チャンネル容量にかなりの損失が生ずる。この容量の損失を、例えば8ビットから10ビットへの変換の場合において最低にする場合には、英国特許第1540617号明細書に提案されているように、等しくない個数の“0”と“1”を含むコードワード、即ちデジタル加算値の変化を生ずる、零に等しくないディスパリティを有するコードワードを使用可能にする必要がある。この特許明細書には、零に等しくない最低のディスパリティ(特に偶数ビット数のコードワードに対しては±2のディスパリティ)を有するワードを使用可能にし、各入力ワードに対し+2のディスパリティおよび−2のディスパリティを有する出力ワードを割当てると共にデジタル加算値(即ち、全先行ワードのディスパリティの積分値)を減少するワードを選択することが提案されている。図1に示す装置においてはこの処理は、全先行ワードのデジタル加算値を論理値“0”毎にカウントダウンすると共に論理値“1”毎にカウントアップするアップ−ダウンカウンタ14により決定し、このカウント値に応じて前記デジタル加算値が2つの可能な値のうちの高い値(S1)であるか低い値(S0)であるかを示す論理信号S0 /S1 を発生させることにより達成される。低値S0 の場合には次の入力ワードは規則またはルックアップテーブルに従ってディスパリティが0又は+2のワードに変換されてデジタル加算値はS0 のままかS1 (S1 =S0 +2)になり、高値S1 の場合には前記入力ワードはディスパリティが0または−2のワードに変換されてデジタル加算値がS1 のままかS0 (S0 =S1 −2)になるようにする。
【0014】復号中は読出された全ワードのデジタル加算値がアップ−ダウンカウンタ15により決定され、そのカウント値に応じて符号化中に次のコードワードとして0又は+2のディスパリティを有するワードが選択されたのか0または−2のディスパリティを有するワードが選択されたのかが決定される。デコーダ回路8はこれに従って制御される。これがため、エンコーダ回路およびデコード回路は双方とも規則またはルックアップテーブルに従って、全先行ワードのデジタル加算値がS0 である場合に有効な一組みのコードワード(S0)と、全先行ワードのデジタル加算値がS1 である場合に有効な一組みのコードワード(S1)を発生する。
【0015】上述の英国特許明細書に従って両組のディスパリティ0のワードを同一に選択し、ディスパリティ−2のワードをディスパリティ+2のワードに対し相補関係に選択すると、一方の組(S1)のコードワードを他方の組(S0)のコードワードから簡単に取り出すことができる。
【0016】コードワードの選択を図2〜図12を参照して説明する。これら図はコードワードの瞬時デジタル加算値をビット位置の関数として示す図である。ワードは10ビットコードワードで最上位ビットは位置“1”にある。+3から−2までの限界範囲のデジタル加算値を縦軸にプロットしてある。これがため、6つのデジタル加算値を取ることができる。コードワードは2進表示と10進表示の両方で示してある。
【0017】図2はディスパリティ0のコードワードのデジタル加算値の変化を、先行コードワードのデジタル加算値がS1 の場合について示す。例として171=0010101011のコードワードを選択してある。デジタル加算値は“1”毎に1増加し、“0”毎に1減少する。当該コードワードは値S1 から始まり値S1 で終わり、規定のデジタル加算値の限界範囲+3 〜−2 の範囲内に維持される。図3 は値S0 で始まる同一のコードワードを示す。この場合のデジタル加算値の変化も規定の限界範囲+2〜−3内に維持される。
【0018】図4はデジタル加算値S1 から始まるコードワード127=0001101011のデジタル加算値の変化を示す。このワードは限界範囲+3〜−2内に維持される。しかし、図5に示すようにこのワードはデジタル加算値S0 から始まると、このワードは所定の限界範囲内に維持されない。これがためワード127は規定の限界範囲内に維持される零ディスパリティのワード群に含まれない。初期状態(S0 またはS1)と無関係に規定のデジタル加算値限界範囲内に維持される零ディスパリティのワードのみが初期値からスタートして最後まで+3と−2の間に維持されるデジタル加算値の変化を有するものであることも明らかである。
【0019】図6はディスパリティ+2のワード822=1100110110のデジタル加算値の変化を示し、このワードは初期状態S0 の場合にのみ発生する。このワードは所定の限界範囲内に維持される。初期状態S1 の場合には上述の英国特許明細書に従ってその極性反転コードワード、即ちワード402=0011001001を選択する必要があり、この場合にもデジタル加算値変化は図7に示すように規定の限界範囲内に維持される。
【0020】図8はディスパリティ+2のワード237=00111001101のデジタル加算値の変化を示し、この変化も規定の限界範囲内に維持される。しかし、このワードは初期状態S1 の場合に極性反転されてもその極性反転ワード786=1100010010のデジタル加算値は図9に示すように規定の限界範囲内に維持されない。このことは極性反転技術を使用するときは所定の限界範囲内に維持されるディスパリティ+2の全ワードを使用できるわけではないことを意味し、これはこれらワードのいくつかは極性反転すると最早規定の限界範囲内に維持されなくなるからである。これを解決するにはワードを極性反転するだけでなくビット順序を逆転する。即ち伝送順序を逆転すればよい。この場合ワード237は291=0100100011となり、このワードのデジタル加算値変化は図10に示すように規定の限界範囲内に維持される。図8と図10を比較すると、極性反転+順序逆転処理は両変化をワードの中心の垂直軸を中心に互いに鏡面反転の関係にすることがわかる。初期値S0 から規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ+2の各ワードは極性反転(ディスパリティ−2を生ずる)および順序逆転後に初期値S1 から規定の限界範囲内に維持されることになる。これがため、ディスパリティ+2の全ワードを使用することができ、符号化をチャンネル容量の損失または瞬時デジタル加算値変化の限界範囲(本例では6値)に関し最適化することができる。
【0021】以上から、コードワードは次の2群に分かれる。
群T0 :初期状態に無関係に規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ0の全コードワード;
群T1 :初期状態に依存し、互いに極性反転および順序逆転により得られる±2のディスパリティを有する全コードワード(初期状態S0 に対応するワードは+2のディスパリティを有し、初期状態S1 に対応するワードは−2のディスパリティを有する);尚、状態S0 からスタートして状態S1 になるまでの間に値−2に達するディスパリティ+2のワード、従って極性反転および順序逆転すると状態S1 からスタートして状態S0 になるまでの間に値−2に達するディスパリティ+2のワードのみを極性反転および順序逆転することもできる。この場合には、3つのワード群、即ち、前記群T0 と、レベル−2に達する(従って識別可能)±2のディスパリティを有するワードに制限された群T1 と、レベル−2に達しない±2のディスパリティを有するワード(例えば図6のワード822)に制限されたT1 ′が得られる。
【0022】群T0 およびT1 のワードのみ(場合によっては、群T1 ′のワード)が発生する場合には、復号は先行状態と無関係に行うことができる。ワードのディスパリティ自体が復号規則を表わし、ディスパリティ+2は初期状態S0 から復号することを意味し、ディスパリティ−2は初期状態S1 から復号することを意味し、ディスパリティ0は初期状態と無関係に復号することを意味する。アップ−ダウンカウンタ15(図1)は受信ワードのディスパリティを決定するだけである。これにより誤った初期状態が検出されたときにエラーの伝搬が生じない。各ワードの初期状態はその来歴と無関係に決定される。この場合、デコーダ回路に1つの表、例えば初期状態S0 に対する表を設け、ワードをそのディスパリティが−2のときは極性反転および順序逆転した後に変換し、ディスパリティが+2または0のときは直接変換することが可能になる。
【0023】上述した8−10変換の場合には上述の規則に従って見つけ出されるコードワードの数は規定の限界範囲に対し不十分であることが起こり得る。8−10変換の場合には256種類の(8ビット)入力ワードが可能であり、この256種類の各ワードに対し10ビット出力ワードを選択する必要がある。群T0 は89個のコードワードを含み、群T1 は155個のコードワードを含むため、12個のコードワードが不足する。これらのワードは2個の初期状態S0 およびS1 の一方に対しては使用できるが他方の状態に対しては使用できないディスパリティ0のワードから選択することができる。この場合、初期状態S1 から3個の“0”で始まるワード群(従って初期状態S0 から始まって3個の“0”で終わるワード群を極性反転せずに順序逆転することにより得られるワード群)から選択することができる。図11は3個の“0”で終わるワード(初期状態S0)の一例を示し、図12はその順序逆転後のワード(初期状態S1)の一例を示す。図13は256個の8ビット入力ワードiと関連する状態S0 およびS1 にそれぞれ対応する10ビット出力ワードを10進表示で示す表である。第1群T0 は入力ワード0≦i≦88から成り、第2群T1 は入力ワード89≦i≦243から成り、第3群T2 は入力ワード244≦i≦255から成る。
【0024】8ビット入力ワードの10ビット出力ワードへの変換はメモリに図13の表(必要に応じ2個の状態の一方S0 またはS1 に対応する部分のみとすることができる) をストアして実行することができるが、この場合には所要の記憶容量の点で問題が生ずる。しかし、「IEEE Transactions on Information Theory 」May1972,pp.395−399および同誌、December 1973,pp.1438−1441のSchalkwijkの論文から、特定のディスパリティ(Schalkwijk法では−2)のコードワードを、ニュートンの二項式に従って選択された要素を有するパスカルの三角形によって辞書式に配列してこのパスカルの三角形の要素のみをストアすることにより入力コードワードを出力コードワードにおよびその逆に直接変換することができることが既知である。このパスカルの三角形によって前記ディスパリティを有する全出力コードワードに順序番号を割当てる。この一連の順序番号は連続するので、8ビット入力ワードをそれらの2進加重値と一致する順序番号に関連させることにより明確なコードワード変換を得ることができる。しかし、本例の場合のようにこのディスパリティを有する全ワードを図2〜図10に示すようにコードワード内のデジタル加算値の最大変化の制限のために使用できるわけではない場合には、このエンコーディングおよびデコーディング方法は不可能である。事実、順序番号がパスカルの三角形で割当てられた10ビット出力コードワードのいくつかのワードは使用不可能である。これがため、使用可能な10ビットコードワードにパスカルの三角形によって連続する一連の順序番号を与えることはできないため、8ビット入力ワードをそれらの2進加重値により決まるそれらの順序番号に従って10ビット出力コード上にパスカルの三角形によってマッピングすることはできない。しかし、図14につき説明する規則に従う変形パスカル三角形を使用するとこれが可能になることがためかめられた。
【0025】図14は斯る変形パスカル三角形の一例を示し、これは次の一般規則に従って得られる。
【0026】(1) 使用可能なコードワード群において許容し得るデジタル加算値レベルと同数の列Kを選択する。本例では群T0 におけるレベル数に従ってK=4(初期状態S1 およびS0 から4レベルが許容される)。1つの補助列(第5列)を付加する。
(2) 出力ワードのビット数と同数の行rを選択する。本例では8−10ビット変換のためr=10。
(3) 図2〜図10における出発レベルS0 またはS1 と一致する1列を出発列として選択する。本例ではこの列は列K=3であるため、ワード群T0 に属するワードにおいては+1と−2の間のデジタル加算値変化が可能となる。この場合、終了列は出 発列から当該ワード群のディスパリティ(本例では0)に等しい個数だけずら すことにより見つけ出される。
(4) 終了列の右側の列の第1行に1を入れる。
(5) マトリックスの各位置に、上から下に順次各位置の上方の対角位置にある2個の数を加算して入れる(但し、第1列には常に0を挿入すると共に第5列には第4列の上方対角位置にある数値を挿入する)。こうして図14に示すマトリックスを得る。第5列の数値はマトリックスの形成後は何の意味もないのでかっこに入れてある。第3列(最終列)の上には星印を付してあり、これは後述する符号化および復号化方法は常にこの点で終了するためである。星印から出る対角線および第3列第10行の出発数55から出る対角線の外にある数は何の役にもたたないもので、これら数もかっこに入れてある。役に立つ他の数は例えばメモリにストアすることができる。
【0027】符号化方法は次のうよに進められる。入力ワードの順序番号が出発数(55)と比較される。この順序番号が出発数より大きいか等しい場合にはこれから出発数が引算され、ベクトル“1”がその右上の対角位置にある数に向かうと共に論理値1が供給される。順序番号が小さい場合には符号化は左上の次の数に進み、このとき論理値0が供給される。この処理が後続の各数に対しくり返されて最後に星印に達するまで行われる。
【0028】復号化中は上記と逆の処理が行われ、出発数(55)から出発する。論理値1を受信すると右上の対角位置に進み、出発数(55)が累算される。論理値“0”を受信すると、左上の対角位置に進み、このときは出発数(55)は累算されない。星印に達するまで各位置において同一の処理が行われ、累算された数が復号化により得られたワードの順序番号を構成する。実際にはこのワードの2進加重値を順序番号として選択し、変形パスカル三角形の数を2進数として加算することによりこの順序番号が直接得られるようにする。
【0029】図15は符号化および復号化方法の処理を説明する第1の例を示す。この選択された入力ワードは10進順序番号が0の8ビットワード00000000である。出発数55はこの順序番号から引算できないので、左上の数21にステップする必要があり、論理値0が供給される。数21も引算できないので、再び左上にステップして論理値0が供給されると共に、数0に到達する。この数は引算できるのて(残り0)、次のステップは右上になり、論理値1が供給される。この位置の数8は前記残り0から引算できないので、再び左上へステップが生じ、論理値0が供給される。以下同様で、矢印で示す経路を経て星印に到達する。この場合全10ビット出力ワードは00101011となり、これは10進数171(表13の第1ワード)に相当する。
【0030】復号化は再び55から出発する。論理値0を受信すると左上へのステップが行われる。次の論理値0も左上のステップを必要とする。次の論理値1は右上へのステップを必要とすると共にこのステップの開始位置にある数(本例では0)の累算を必要とする。この場合、10ビットワード0010101011は図示の経路を経て順序番号0の8ビット出力ワード00000000になる。
【0031】図16は変形パスカル三角形を使用して順序番号(=2進加重値)29のワード00011101を符号化する場合を示す。数55から出発する。この数は29より大きいため、ステップは左上の数21に行われ、論理値0が供給される。数21は29より小さいので、ステップは右上に行われ、論理値“1”が供給されると共に、数21が引算されて29−21=8が生ずる。次の数21は残り8より大きいので、論理値“0”が供給されると共にステップが左上に行われる。この位置の数(8)は残り8から引算でき、残りは0になる。この場合には右上へのステップが行われ、論理値“1”が供給される。こうして符号化は星印に達するまで進められる。この場合の出力ワードは0101001011(図13の表の331)になる。
【0032】この10ビットワード0101001011は次のように復号される。第1ビットは0であるから左上へのステップが行われ、第2ビットは1であるから数21を有するこの位置から右上の位置へのステップが行われると共にこの数21が累算される。次の第3ビットは再び0であるから左上へのステップが行われて数8になり、次の第4ビット(論理値1)の指令の下でこの数8から右上へのステップが行われ、この数8が累算される。こうして星印に到達するとアキュムレータに数29=00011101が得られる。
【0033】図17は8ビットワード00010100=20が10ビットワード0011101010=234にどのように符号化されるかを示す。符号化は次のように進む。出発数は入力ワード00010100=20より大きいので、左上へのステップが行われ、論理値0が供給される。この位置の数21も20より大きいので、再び論理値0が供給されると共に左上へのステップが行われ、0に到達する。この数0は数20から引算できるので(残り20−0=20)、右上へのステップが行われ、論理値1が供給される。この位置において数8は20から引算でき残り12を生ずるので、右上へのステップが行われ、論理値1が供給され、次いでこの位置において12−8=4が行われ、更に右上へのステップが行われる。このとき到達する位置の数は5であり、4より大きいため、左上の数3へのステップが行われ、論理値0が供給される。次いで、この数3は4から引算できるから(残り4−3=1)、右上の数2へのステップが行われ、論理値1が供給される。この数2は残り1から引算できないので論理値0が供給されると共に左上の数1へのステップが行われる。この数1は残り1から引算できるので再び論理値1が供給され、残りは1−1=0になると共に右上へのステップが行われ、この位置では数1であるから最後のステップが左上に行われて星印に到達し、論理値0が供給される。これがため、入力ワード00010100=20から出力ワード0011101010=234(図13の表の20に対応)が形成される。復号においては同一の経路を進みながら数0,8,8,3および1が累算されて20=00010100が得られる。
【0034】以上は、この方法が規定の限界範囲を越える瞬時デジタル加算値変化を有するワードを決して生じないことを証明している。第1列に到達すると、この列の0は瞬時残りから常に引算することができるため右上へのステップが常に生ずる。第4列では常に左上へのステップが生ずる。これは瞬時残りが右上へのステップを必要とするものと仮定してみると容易にわかる。この場合にはこの残りはその前の位置の数より大きいか等しいので第4列には到達しない。例えば、第4列第3行の位置の数2に到達しているものと仮定する。右上へのステップは3以上の残りを必要とするが、これは第3列第4行の位置(数3)から右上へのステップにより達成不可能である。
【0035】同様に、第4列第5行の位置に対しては右上ステップは5以上の残りを必要とする。しかし、このことは第2列第9行の位置において残りが8+8+5=21より大きい必要があることを意味し、これはこの位置において左上へのステップの代わりに右上へのステップを生ずることを意味する。
【0036】一連の連続番号、本例では0から88までの番号をこのように符号化できることは全ての場合について試みることにより容易に証明することができる。
【0037】図18はコード群T1 を符号化および復号化するための変形パスカル三角形がどのようにして得られるかを示す。ここでは初期状態S1 が選択されているものとする。初期状態S0 を有する群は順序逆転+極性反転により得られる。この場合にはワード内のデジタル加算値変化は+1〜−4であるため、6個の列が必要とされ、第5列を出発列として使用する。反対の状態、即ち初期状態S0 を選択する場合にはデジタル加算値変化は+3と−2の間になるため、同様に6個の列が必要になり、第3列を出発列として使用する。S1 からのディスパリティは−2であるため、第3列が終了列(星印参照)になる(逆の場合には第5列が終了列になる)。従って、第4列第1行の位置に数1を入れ、当該行の他の位置に0を挿入する。更に、マトリックスに前述の規則に従って数を入れていく。関係のない数はかっこに入れて示してある(図19では省略してある)。
【0038】図19は数010001110=70がどのように符号化されるかおよびその結果がどのように復号化されるかを示す。符号化は第5列の数108から始まる。108は70から引算できないので左上へのステップが生じ、論理値0が供給されると共に数61に到達する。この数61は70から引算できるので(残り70−61=9)、右上へのステップが生じ、論理値1が供給されると共に数33に到達する。この数は前記残り9から引算できないので論理値0が供給されると共に左上の数19にステップされ、更に第6行の数9にステップされる。この数9は前記残り9から引算できるので(残り9−9=0)、右上の数6へのステップが生ずると共に論理値1が供給される。この数6は残り0から引算できないので論理値0が供給されると共に左上へのステップが行われ、0が第2行に現れるまでこのステップが2度くり返され(その都度論理値“0”が供給される)、第2行の数0は残り0から引算でき、残り0を生じるので、第2行および第1行において右上ステップが生じて星印に到達すると共にその都度論理値“1”が供給される。こうしてワード0100100011=291が得られる。復号化は再び規則に従って矢印の経路に沿って行われる。右上へのステップを生ずる数を(論理値1の受信時に)累算することにより61+9+0+0=70が得られる。この1対の数70と291は図13の表に見つけ出すことはできない。これは、順序番号0〜88は群T0 に属し、図14の変形パスカル三角形に従って符号化および復号化されるものであるためである。群T1 の順序番号は2進加重値に89を加えることにより得られるため、2進数70は表中の順序番号70+89=159に対応する。別の方法として、図18のパスカルの三角形をストアするメモリ内の数108から左上に延在する対角位置の全ての数を89だけ増加させることにより数89の1度の追加の加算を復号中に自動的に行うことができる。即ち、このようにすると最初の右上のステップが行われるときに復号中においては数89の追加の加算が1度行われ、符号化中におていは数89の追加の減算が1度行われる。
【0039】原理的には、三角形の全ての数を特定の値だけ増加させることができる。これは全てのワードが同数の“1”を含むためである。この場合、“1”の数が乗算された辞書式配列値が前記特定の値だけ増加する。この増加は右上への1ステップが各対角線に対し行われるために対角方向に行うことができる。左上方向に延在する対角線(星印で終了する対角線も含む)の数は“1”の数に相当する。この増加は最終列の数に与える必要はない。その理由はこの列から右上へのステップは行われないためである。これはコードワードの復号にのみ使用することができる。符号化中は出発点から出る前記対角線上の数を増加することが許されるだけである。
【0040】この点に関し、通常のパスカルの三角形を用いる Schalkwijk の方法では常にパスカルの三角形の対角方向に位置する2個の数の差がステップが行われる出発数の代わりに取られ、処理は星印の代わりに三角形の頂点の数で終了する。これはマトリックスの全要素を1行および1列に亘ってずらせることに相当する。前記差は常に関連する数の左上に位置する。
【0041】図20は図1〜図19について説明した原理を使用するエンコード回路の一例を示す。入力端子1の直列8ビット信号は直列−並列変換器2により8ビット並列信号に変換される。更に、ワード同期クロック信号cがクロック信号発生器16により発生され、8ビット同期クロック信号aがクロック信号発生器17により発生される。更に、形成すべき出力信号のビット周波数(即ちクロック信号aの周波数の10/8倍の周波数)と同期したクロック信号bがクロック信号発生器18により発生される。これらクロック信号はエンコード回路の種々の部分に同期用に供給される。直列−並列変換器2の8ビット出力端子は群−デコーダ回路19に接続される。このデコーダ回路は、例えば論理ゲートにより、8ビットワードの2進加重値iがi<89;89≦i≦243またはi>243のときにそれぞれ信号T0 ,T1 またはT2 を発生する。これらは各々別個の方法で符号化される先に定義した3つの群である。このエンコード回路は、更に、信号T0でスイッチオンされる図14の変形パスカル三角形を含むメモリ20を具えると共に、これと並列に配置され、信号T1 によりスイッチオンされる図18に示す変形パスカル三角形を含むメモリ21を具える。両メモリの出力端子は減算回路22に接続され、この減算回路はメモリ20または21から供給される数をアキュムレータ23により供給される数から引算する。この減算回路の出力端子はアキュムレータ23に接続される。直列−並列変換器2からの入力ワードはクロック信号cの指令の下でアキュムレータ23にロードされる。メモリ20および21はビットクロック信号aにより行アドレスされ、各ビット毎に1行づつシフトされて変形パスカル三角形(図14、図18)が下から上へとステップされる。列アドレッシングに対してはメモリ20(図14)の第3列またはメモリ21(図18)の第5列がクロック信号cの制御の下で出発列として選択される。減算回路22においてはメモリ20または21から読出された数がアキュムレータ23により供給される数から引算され、その残り(差)が零より大きいか零に等しい場合にこの残りが前記アキュムレータにストアされ、これは減算回路の出力端子241のオーバフロー信号により前記アキュムレータの再ロードを禁止することにより達成される。インバータ25で反転されたオーバフロー信号により、前記オーバフロー信号が現れるとき(即ちメモリの数を引算できないとき)に列番号を1だけデクリメントし、この信号が現れないとき(即ちメモリの数をアキュムレータの数から引算できるとき)に列番号を1だけインクリメントするアップ/ダウンカウンタ24を介してメモリ20および21の列アドレスを決定する。この反転オーバフロー信号は所望の出力信号も構成する。この信号はメモリの数をアキュムレータの数から引算できるとき論理値1であり、引算できないときに論理値0である。群T1 が処理される場合には入力信号が信号T1 の指令の下でアキュムレータ23にロードされるときに初期順序番号(89)を引算するか、メモリ21にストアする数をその分だけ見込んでおくことができる。
【0042】直列−並列変換器26により反転オーバフロー信号をクロック信号bを用いて10ビット並列信号に変換する。
【0043】本例エンコード回路は更に直列−並列変換器2から8ビット並列ワードを受信するメモリ回路27を具え、このメモリ回路は信号T2 によりスイッチオンされると共に前記第3群T2 のコードワードをストアしているため、信号T2 の指令の下で第3群の10ビットコードワードを関連する8ビット入力ワードの関数として発生する。この10ビットコードワード(並列に得られる)は直列−並列変換器26の出力端子にワイヤドORを介して供給されるためこの出力端子に全ての10ビットコードワードが8ビット入力ワードのリズムで現れるが、これらは全て初期状態S1 に従って符号化されたものである。これら10ビットワードは切換可能な極性反転ゲート回路28と切換可能な順序逆転ゲート回路29を経て並列−直列変換器4に供給され、これにより出力端子11に符号化ビット流が供給される。クロック信号cによりワード同期されたアップ/ダウンカウンタ31により全先行ワードのデジタル加算値が積分される。この全先行ワードのデジタル加算値が零の場合には初期状態S0 が正当であるが、符号化は初期状態S1 で行われている。この場合には次のワードをこのワードが群T1 のワードの場合には極性反転すると共に順序逆転する必要があり、このワードが群T2 のワードの場合には順序逆転のみを行う必要がある。この目的のために、アップ/ダウンカウンタ31の出力信号をゲート32,33および34により信号T1 およびT2と論理的に合成して上記の場合に極性反転回路28および/または順序逆転回路29をスイッチオンする信号を形成する。
【0044】図21は図20に示すエンコーダ回路により符号化された10ビットワードを復号するデコーダ回路を示す。入力端子12から10ビットワードが直列−並列変換器7に供給され、直列ビット流が10ビットの並列ビット流に変換される。クロック発生回路35,36および37によりワード周波数、10ビットワードのビット周波数および8ビットワードのビット周波数とそれぞれ同期したクロック信号c,bおよびaが発生される。
【0045】入力ビット列の各ワードが状態S0 またはS1 において符号化されたものかおよび群T0,T1 またはT2 のどれに属するものかを決定する必要がある。この目的のために、10ビットワードをアップ/ダウンカウンタ41に供給する。このカウンタはワードクロック信号cと同期し、各ワードの終了時にディスパリティ(各ワード内のデジタル加算値の変化量)を示す。このディスパリティは−2,+2または0のいずれかである。直列−並列変換器7の出力信号の最下位の3ビットをANDゲート42によりモニターすると共に最上位の3ビットをANDゲート43によりモニターする。両ゲートは反転入力端子を有し、関連するビットが零のとき、即ち群T2 のワードの場合における状態S0 およびS1 において信号をそれぞれ出力する。
【0046】カウンタ41がディスパリティ0を検出すると共にゲート42またはゲート43が出力信号を出力する場合には当該ワードは群T2 に属する。この目的のためにゲート42および43の出力信号をORゲート44で合成すると共に、このORゲートの出力信号をカウンタ41の0ディスパリティ出力信号とANDゲート45で合成して群T2 のワードを識別する信号を形成する。ORゲート46はカウンタ41の+2ディスパリティ出力信号と−2ディスパリティ出力信号とを合成して+2のディスパリティを有する群T1 のワードを識別する信号を形成する。カウンタ41からの0ディスパリティ信号はゲート42および43が出力信号を発生しないときに群T0 を表わすので、これをゲート47により検出して群T0 を識別する信号を形成する。
【0047】図20に示すエンコード回路と同様に、図21に示すデコード回路は状態S1からスタートし、状態S0 のワードは極性反転および/または順序逆転により得られる。状態S0 における群T1 のワードはこれらワードが−2のディスパリティを有することから識別することができ、−2のディスパリティの場合には極性反転と順序逆転を必要とする。状態S0 における群T2 のワードは最下位の3ビットが零であることから、即ちゲート42が出力信号を発生することにより識別することができる。
【0048】状態S0 のワードを状態S1 のワードに変換するために、直列−並列変換器7の出力信号を切換可能な反転回路38を介して切換可能な順序逆転回路39に供給する。極性反転回路38はカウンタ42からの−2ディスパリティ信号によりスイッチオンされ、順序逆転回路39は−2ディスパリティ信号とゲート42の出力信号をORゲート48で合成して形成した信号でスイッチオンされ、同期はワードクロック信号cにより取られる。
【0049】こうして得られたワードを復号するために、図21に示すデコード回路は図14に示す変形パスカル三角形をストアしている信号T0 でスイッチオンされるメモリ回路49と、これと並列に配置され、図18に示す変形パスカル三角形をストアしている信号T1 でスイッチオンされるメモリ回路50を具えている。
【0050】メモリ回路49および50はビットクロック信号aにより行アドレスされ、ワードの開始時にパスカル三角形の第10行に対応する行がアドレスされて下から上に順次アドレスされる。これらメモリ回路は並列−直列変換器40から10ビットワードを受信するアップ/ダウンカウンタ510により列アドレスされる。即ち、このカウンタはワード内の瞬時デジタル加算値を発生し、開始時に所定の出発列、即ちメモリ49に対しては第3列、メモリ50に対しては第5列をアドレスし、次いで論理値1の受信毎に高位の列をアドレスする。同時に、ビットクロックaの指令の下で上位行へのアドレスが行われるため、論理値1の受信時に変形パスカル三角形における右上へのステップが図14〜図19につき述べたように行われる。同様に、論理値0は左上へのステップを生ずる。前述の復号方法に従って変形パスカル三角形内の数をワード内の論理値1が生ずるときに累算する必要がある。この目的のためにアキュムレータ51と加算回路52を具える。加算回路52は並列−直列変換器40の出力端子のワードにより制御され、ワード内に論理値1が生ずる度に瞬間的にアドレスされたメモリ位置の内容をアキュムレータの内容に加算して、アドレスが同一の論理値1の指令の下で変化される前にメモリからの数の読出しが行われるようにする。斯くして出力ワードがアキュムレータ51に8ビットコードワードとして発生し、このアキュムレータはその内容を前記ワードの終了時に並列−直列変換器9に転送した後にリセットされる。この際、群T1 のワードを89だけ増加させることは例えばアキュムレータ51を各ワードの終了時に89にリセットすることによりまたはメモリ50の内容を適応させることにより行うことができる。
【0051】群T2 のワードを復号するために、順序逆転回路39の出力端子のワードをメモリ53に並列に供給する。このメモリは信号T2 でスイッチオンされ、供給されたワードに応じて読出しを行い、8ビットワードを発生し、このワードがアキュムレータ52の出力ワードと同様に並列−直列変換器9に供給され、斯る後にこれらワードが出力端子10に直列に供給される。この変換器は信号aおよびcにより制御される。
【0052】同期はクロック信号a,bおよびcにより行う必要があり、必要に応じ遅延回路およびホールド回路を用いる必要がある。例えば、10ビットワードは直列−並列変換器7、極性反転回路38、順序逆転回路39および並列−直列変換器40により処理れる間に1ワード長の遅延を受けるため、発生された信号T0,T1およびT2 を1ワード長の遅延を有するゲート54,55および56を通して転送する必要がある。
【0053】図20および図21に示す回路においてはメモリ回路が3つの群T0,T1 およびT2 の各々に対し必要とされ、所要記憶容量の点で不所望である。
【0054】群T2 のためのコードワードテーブルの使用を避けるためには群T0 に含まれるディスパリティ0の使用可能なコードワードの数を拡張する方法を見つけ出す必要がある。図13の表においては群T0 に89個のディスパリティ0のコードワードを使用している。規定の限界範囲内に維持されるディスパリティ0のコードワードの可能な数は状態S1 において131個、状態S0 において197個ある。変形パスカル三角形を使用可能にするために、この場合には可能な数が少ない状態、即ち状態S1 からスタートし、初期状態がS0 のときはこれらのワードを状態S1 に変換するのが有効である。この場合には状態S1 の可能な全ワードを使用することができるため、一連の連続順序番号を必要とする変形パスカル三角形を使用することができる。
【0055】群T0 を考察すると、瞬時デジタル加算値がワードの開始から+1 と−2 の間に位置するコードワードのみが使用される。これは状態S1 においては−3または−4の瞬時デジタル加算値を有するワードは使用できないことを意味する。
【0056】−3の瞬時デジタル加算値を有するが−4の瞬時デジタル加算値を有しないワードは極性反転のみで状態S0 にマッピングすることができる。図22は一例として状態S1 におけるワード286=0100011110の瞬時デジタル加算値の変化を示す。このワードはレベル−1、即ち−3の瞬時加算値に到達する。このワードは反転すると737=1011100001に変化し、図23に示すように状態S0 にマッピングすることができる。
【0057】−4の瞬時デジタル加算値を有するワードは状態S0 における極性反転により不許容レベル4に到達するためにこれらワードは状態S0 に直接マッピングすることはできない。この状態S0 では上述の極性反転のためにレベル+3 だけでなくレベル−2,−1,0および+1も生ずる。これがため、これらコードワードはレベル+2に到達することなくレベル+3に到達することはあり得ない。この場合、これらコードワードは極性反転後に、例えばレベル+2に到達後の後続のビットを極性反転することによりワードをレベル+2を中心に“折り返えす”と共にレベル+2に再び到達後に再び極性反転する(その前の極性反転を打ち消す)ことによりマッピングすることができる。図24に、状態S1 において−4の瞬時デジタル加算値変化を有するワード59=0000111011を一例として示す。このワードは上述の規則に従って処理すると図25に示すようにワード820=1100110100になり、状態S0 にマッピングすることができる。
【0058】上述の方法によれば状態S1 において可能な全ワードを使用することができ、この場合には6列を有する変形パスカル三角形を使用することができる。この結果として131個の零ディスパリティコードワードを使用することができる。−2ディスパリティの使用可能なコードワードは155個あるので、合計286個の使用可能コードワードが得られ、必要とされるのは256ワードある。余分のコードワードは例えば符号化を順序番号19および0でスタートさせることにより追加の記憶容量を必要とすることなくスキップさせることができる。
【0059】斯るコードワード群は一つの6列変形パスカル三角形により符号化および復号化することができる。群T1 の符号化および復号化にも6列の変形パスカル三角形が必要とれるため、群T0 と群T1 の変形パスカル三角形を合成するのが有効であり、これは2個の最終列を使用すれば可能であることが確かめられた。この場合には出発列として状態S1 に対応する(第5)列(図18およびその説明参照)が選択されると共に、零ディスパリティワードの終了列として第5列が、−2ディスパリティワードの終了列として第3列が選択される。星印が付された終了列の右側の列の第1行に数1を入れるという規則に従って、2個の終了列の右側の列、即ち列4および6の第1行に数1を入れ次いでマトリックスの全位置に図14〜19につき述べた規則に従って数を入れる。これにより図26のマトリッスクが得られ、図26では関係のない数はかっこに入れてあると共にマトリックスは対角方向にステップされるために関係のない位置は空白にしてある。
【0060】図27は8ビットワード15=00001111を−2のディスパリティを有する10ビットワード77=0001001101に符号化およびその逆に復号化する場合を示し、図28は8ビットワード17=00010001を零ディスパリティの10ビットワード79=0001001111に符号化およびその逆に復号化する場合を示す。
【0061】図29は図26の変形パスカル三角形に基づくエンコーダ回路の一例を示す。その原理は図20の回路の原理と同一であるが、本例では図26の変形パスカル三角形をストアする1個のメモリ21のみを用い、極性反転回路28および順序逆転回路29はコードワードの関数として異なる方法で制御すると共に並列−直列変換器4と出力端子11との間にインバータ60を配置して図25につき述べた+2レベルを中心とする“折り返し”を行うようにしてある。
【0062】減算回路22のオーバフロー信号しとて発生しインバータ25で極性反転されて得られる発生コードワードはアップ/ダウンカウンタ24に供給され、このカウンタの出力信号がメモリ21の列アドレッシングを制御する。この出力信号はラッチ機能(フリップフロップ)61および62を具えるゲート回路にも供給され、これにより前記アップ/ダウンカウンタ24が−3状態か−4状態かを決定する。この出力信号はホールド回路63にも供給されてワード終了時のカウンタの状態(ディスパリティ)がホールドされる。ディスパリティは状態0および−2を検出するラッチ機能を有するゲート64および65により検出される。更に、図20の例と同様に、初期状態(S0 またはS1)はアップ/ダウンカウンタ31により検出される。ANDゲート66によりゲート61,64および31の出力信号を合成する。従ってこのANDゲートはレベル−3に到達したまたは通過したワードを表わすと共にこのワードのディスパリティが0であり且つ初期状態がS0 であることを表わす出力信号を供給する。斯るワードは極性反転する必要がある。ゲート65およびカウンタ31からの信号をANDゲート67により合成して状態S0 における−2 ディスパリティのワード、即ち極性反転と順序逆転する必要のあるワードを表わす信号を形成する。この目的のためにゲート67の出力信号を順序逆転回路29に供給すると共に、ゲート66の出力信号とORゲート68で合成後に極性反転回路28にも供給する。ゲート62および64からの信号およびカウンタ31からの信号をANDゲート90で合成する。このANDゲートは初期状態がS0 でレベル−4 に到達する零ディスパリティのワードを表わす信号を出力する。これらワードは+2レベルを中心に折り返す必要がある。これはインバータ60により実行することができる。変換器4で並列−直列変換されたビット列は変換器26の入力端子のビット列に対し1ワード長の遅れを有する。このためゲート90からの信号をホールド回路69により1ワード長だけ遅延させる。変換器4の出力信号の各ワード内におけるデジタル加算値の変化をアップ/ダウンカウンタ71により決定し、レベル+2に到達する度に信号を出力させる。ANDゲート72でこの信号をホールド回路69の出力信号と合成する。このANDゲート72によりフリップフロップ70を制御してその状態を+2レベルに到達する度に切換える。このフリップフロップによりインバータ60を制御して所望の+2レベルでの折り返しを得る。
【0063】図30は図29に示すエンコーダ回路により符号化されてワードを復号するデコーダ回路の一例を示す。このデコーダ回路の原理は図21に示す回路の原理と同一であるが、本例では図26に示す変形パスカル三角形をストアする1個のメモリ50のみを用い、極性反転回路および順序逆転回路を入力信号の関数として異なる方法で制御する。
【0064】入力信号はアップ/ダウンカウンタ73に供給される。このカウンタの出力信号をホールド機能を有するゲート74および75に供給して、カウント+2および+3を検出し、更にホールドスイッチ76にも供給して各ワードの終了時の前記カウンタの最終カウントをホールドすると共にホールド機能を有するゲート77および78によりこの最終カウントが0であるか+2であるかを決定する。ゲート74および77の出力信号をANDゲート79で合成して+3レベルに到達する零ディスパリティのワードを表わす信号を発生させる。ゲート75および77の出力信号をANDゲート80で合成する。このゲート80は+2レベルに到達するまたはこのレベルを通過する零ディスパリティのワード、即ち極性反転のみがされているまたは極性反転と折り返しがされているワードを表わす信号を出力する。この信号をゲート79の反転出力信号とANDゲート81で合成して+2レベルで折り返されたワードを表わす信号を発生させ、この信号をホールド回路82に供給してこれを1ワード長に亘りホールドする。ゲート78の出力信号は+2ディスパリティのワード、即ち極性反転および順序逆転されたワードを表わす。この信号は順序逆転回路39に供給すると共にゲート80の出力信号とORゲート83で合成した後に極性反転回路38に供給する。
【0065】並列−直列変換器40の出力信号をアップ/ダウンカウンタ84によりモニタしてワード内においてカウントが+2になる度に信号を出力させ、この出力信号をホールド回路82からの信号とANDゲート85で合成した後にフリップフロップ86に供給し、これにより変換器40と加算回路52との間に配置したインバータ87を切換える。
【0066】図20,21,29および30に示す装置においてはエンコーダ回路(図20または図29)とデコーダ回路(図21または図30)は多数の同一の構成素子を具えるので実際にはエンコーダ回路とデコーダ回路の大部分を合成することができる。
【0067】ワード同期信号cの発生(図21および図30の発生器35)に関しては、コードワード列内に特別な同期ワードを付加しこれを順次のコードワードの隣接部分から取り出すことができるようにすることによりこの同期信号cがデータワードと同相に維持されるようにすることができる。この目的のためには例えば図13に示す表においては複数個のコードワードを禁止する必要がある。この目的のために図31の表に同期ワード0100111110および0000111110の使用が可能となるよう変形した図13の表の情報ワード(i)を示してある。
【0068】図32は上述したように符号化されたmビットコードワードが記録された記録担体を示す。この図において、101は記録すべきmビットコードワード信号を示し、102はこの信号を記録する記録ヘッドを示す。既知のようにビット信号は、その論理値“1”が第1磁化方向の磁区として、その論理値“0”が反対(第2)磁化方向の磁区として記録担体に記録され、上述したように符号化されたmビットコードワードは磁気テープ105に示すような第1磁区3と第2磁区4のパターンに記録される。この記録担体の利点は、第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が所定の限界範囲(−2〜+3)内に制限されるため、読取り中に判定レベルを極めて高信頼度に再生することができ、記録信号を極めて正確に再生することができる点にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルデータを符号化された信号のデジタル加算値が規定の限界範囲に維持されるよう符号化すると共に復号化する方法を使用する本発明による記録再生伝送システムのブロック図、
【図2】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図3】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図4】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図5】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図6】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図7】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図8】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図9】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図10】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図11】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図12】使用可能コードワードの選択を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図13】コードワードテーブルを示す図
【図14】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図15】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図16】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図17】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図18】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図19】複数個の変形パスカル三角形を用いる符号化および復号化方法を説明するための図、
【図20】図14〜19につき説明される原理を使用するエンコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図21】図14〜19につき説明される原理を使用するデコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図22】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図23】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図24】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図25】1つのメモリに1つの群のコードワードをメモリする必要がないように選択されたコードワードの選択方法を説明するためのデジタル加算値変化を示すグラフ、
【図26】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図27】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図28】1つの変形パスカル三角形により全てのコードワードを符号化および復号化する方法を説明するための図、
【図29】図26に示す変形パスカル三角形によるエンコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図30】図26に示す変形パスカル三角形によるデコーダ回路の一例を示すブロック図、
【図31】図13に示すコードワードテーブルの変更例を示す図である。
【図32】本発明記録担体を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 直列−並列変換器
3 エンコーダ回路
4 並列−直列変換器
5 クロック発生回路
6 テープレコーダ
7 直列−並列変換器
8 デコーダ回路
9 並列−直列変換器
10 出力端子
13 クロック発生回路
14,15 アップ/ダウンカウンタ
16,17,18 クロック信号発生器
19 群デコーダ
20,11,27 メモリ回路
22 減算回路
23 アキュムレータ
24,31 アップ/ダウンカウンタ
25 インバータ
26 直列−並列変換器
28 極性反転回路
29 順序逆転回路
32,33,34 論理ゲート
35,36,37 クロック信号発生器
38 極性反転回路
39 順序逆転回路
40 並列−直列変換器
42,43,44,45,47,48 論理ゲート
49,50,53 メモリ
51 アキュムレータ
52 加算回路
54,55,56 遅延回路
510 アップ/ダウンカウンタ
60 インバータ
61,62,64,65 ゲート回路
63,69 ホールド回路
66,67,68,72 論理ゲート
70 フリップフロップ
73 アップ/ダウンカウンタ
76,82 ホールド回路
74,75,77,78 ゲート回路
79,80,81,83,85 論理ゲート
86 フリップフロップ
87 インバータ
103,104 磁区パターン
105 記録担体
【特許請求の範囲】
【請求項1】 mビットコードワードを表わす各m個の所定の単位長さの磁区の群が設けられ、各磁区群は第1磁化方向の第1磁区と第2磁化方向の第2磁区とを具え、各磁区群内の第1磁区の数と第2磁区の数との差が+d,−d又は0であり、各磁区群の開始時における先行磁区群の第1磁区の数と第2磁区の数との差が第1及び第2の値で限界された範囲内に制限されている記録担体において、各磁区群の任意の瞬時における第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が、前記第1及び第2の値で限界された範囲外に位置する第3及び第4の値で限界された範囲であって第2及び第4の値の間隔が第1及び第3の値の間隔より小さく定められた範囲内に制限されていることを特徴とする記録担体。
【請求項1】 mビットコードワードを表わす各m個の所定の単位長さの磁区の群が設けられ、各磁区群は第1磁化方向の第1磁区と第2磁化方向の第2磁区とを具え、各磁区群内の第1磁区の数と第2磁区の数との差が+d,−d又は0であり、各磁区群の開始時における先行磁区群の第1磁区の数と第2磁区の数との差が第1及び第2の値で限界された範囲内に制限されている記録担体において、各磁区群の任意の瞬時における第1磁区の数と第2磁区の数との差の瞬時値が、前記第1及び第2の値で限界された範囲外に位置する第3及び第4の値で限界された範囲であって第2及び第4の値の間隔が第1及び第3の値の間隔より小さく定められた範囲内に制限されていることを特徴とする記録担体。
【図2】
【図3】
【図32】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図16】
【図18】
【図13】
【図17】
【図19】
【図22】
【図23】
【図20】
【図24】
【図25】
【図31】
【図21】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図3】
【図32】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図16】
【図18】
【図13】
【図17】
【図19】
【図22】
【図23】
【図20】
【図24】
【図25】
【図31】
【図21】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開平5−274812
【公開日】平成5年(1993)10月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−9348
【分割の表示】特願昭60−6003の分割
【出願日】昭和60年(1985)1月18日
【出願人】(590000248)エヌ・ベー・フィリップス・フルーイランペンファブリケン (12,071)
【氏名又は名称原語表記】N.V.PHILIPS’ GLOEILAMPENFABRIEKEN
【公開日】平成5年(1993)10月22日
【国際特許分類】
【分割の表示】特願昭60−6003の分割
【出願日】昭和60年(1985)1月18日
【出願人】(590000248)エヌ・ベー・フィリップス・フルーイランペンファブリケン (12,071)
【氏名又は名称原語表記】N.V.PHILIPS’ GLOEILAMPENFABRIEKEN
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