説明

記録材処理装置

【課題】搬送用部材の移動に用いられるカムを覆う覆い部材に外力が作用した際のカムに対する覆い部材の変位が生じにくい記録材処理装置を提供する。
【解決手段】進退機構500には、用紙束の排出に用いられる押圧ロール436が取り付けられ、一端521を中心に揺動する揺動アーム520が設けられている。また、揺動アーム520の一端521を支持する第1シャフト531が設けられている。また、揺動アーム520を下方に向けて押圧するカム533が設けられている。さらに、カム533を支持するとともにカム533を回転させる第2シャフト532が設けられている。また、第1シャフト531および第2シャフト532に固定され、カム533を覆う覆い部材540が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
供給ベルトと供給ベルトが巻きかけられる2個のローラとがユニット化され供給ユニットが構成され、この供給ユニットが一方のローラの軸線を中心として揺動する用紙供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−112549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、搬送用部材の移動に用いられるカムを覆う覆い部材に外力が作用した際のカムに対する覆い部材の変位が生じにくい記録材処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材束が生成される記録材束生成部と、前記記録材束生成部にて生成された記録材束の搬送に用いられる搬送用部材と、前記搬送用部材が取り付けられ前記記録材束生成部に対する進退が可能な進退部材と、当該進退部材を当該記録材束生成部に対して進退させるカムと、当該カムを支持するカム支持軸と、を備え、当該カムを回転させることで当該進退部材を当該記録材束生成部に対して進退させ、当該記録材束生成部に向けての当該搬送用部材の移動および当該記録材束生成部から離れる方向への当該搬送用部材の移動を行う移動機構と、前記カムを支持する前記カム支持軸に固定され、当該カムを覆う覆い部材と、を備える記録材処理装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記進退部材は、予め定められた軸を中心に揺動することで前記記録材束生成部に対する進退を行い、前記覆い部材は、前記進退部材が揺動する際の揺動中心となる前記軸に対しても固定されていることを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記進退部材を前記カムに向けて付勢するコイルスプリングを更に備え、前記コイルスプリングの一端は、前記進退部材に固定され、当該コイルスプリングの他端は、前記覆い部材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記進退部材を挟んで相対する一方の領域および他方の領域のうちの当該一方の領域に、前記カムおよび前記コイルスプリングが配置されていることを特徴とする請求項3記載の記録材処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記進退部材のうちの前記カムにより押圧される部位も前記覆い部材により覆われていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の記録材処理装置である。
請求項6に記載の発明は、上流側から順次搬送されてきた記録材を一方向に送り出すことで記録材を前記記録材束生成部上に積載し当該記録材束生成部上に記録材束を生成する生成手段を更に備え、前記搬送用部材は、前記生成手段による記録材束の生成が終了した後に前記記録材束生成部に向かって進出し、当該生成手段による記録材束の生成が行われている際には当該記録材束生成部から離れた箇所に退避し、前記記録材束生成部から離れた箇所に前記搬送用部材が退避している際、当該搬送用部材は、前記覆い部材に形成された開口を通じて当該覆い部材の内部に入り込み、前記覆い部材には、前記開口を取り囲む縁部が設けられ、前記縁部のうちの、前記搬送用部材よりも前記一方向における下流側に位置する部位は、前記記録材束生成部から離れた箇所に退避している当該搬送用部材の当該記録材束生成部側の端部よりも、当該記録材束生成部から離れた箇所に位置していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の記録材処理装置である。
【0007】
請求項7に記載の発明は、記録材束が生成される記録材束生成部と、前記記録材束生成部にて生成された記録材束の搬送に用いられる搬送用部材と、前記搬送用部材が取り付けられ予め定められた軸を中心に揺動可能に設けられた揺動部材と、当該揺動部材を揺動させるカムと、を備え、当該カムを回転させることで当該揺動部材を揺動させ、前記記録材束生成部に向けての当該搬送用部材の移動および当該記録材束生成部から離れる方向への当該搬送用部材の移動を行う移動機構と、前記揺動部材が揺動する際の揺動中心となる前記軸に固定され、前記カムを覆う覆い部材と、を備える記録材処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記カムを支持するカム支持軸を更に備え、前記覆い部材は、前記カム支持軸に対しても固定されていることを特徴とする請求項7記載の記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、搬送用部材の移動に用いられるカムを覆う覆い部材に外力が作用した際のカムに対する覆い部材の変位が生じにくい記録材処理装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、覆い部材の変位をさらに生じにくくすることができる。
請求項3の発明によれば、カムから進退部材が離れたりカムと進退部材との接触圧が予め定められた接触圧以上となったりすることを抑制可能となる。
請求項4の発明によれば、進退部材を挟んで相対する一方の領域および他方の領域のうちの一方の領域にカムが配置され、他方の領域にコイルスプリングが配置される場合に比べ、装置の小型化が可能となる。
請求項5の発明によれば、進退部材のうちのカムにより押圧される部位へのユーザのアクセスを生じにくくさせることができる。
請求項6の発明によれば、生成手段によって一方向へ送り出された記録材が覆い部材の縁部に引っかかることが起きにくくなる。
請求項7の発明によれば、搬送用部材の移動に用いられるカムを覆う覆い部材に外力が作用した際のカムに対する覆い部材の変位が生じにくい記録材処理装置を提供することができる。
請求項8の発明によれば、覆い部材の変位をさらに生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用される用紙処理システムの全体構成を示した図である。
【図2】押圧ロールの周辺の構成を示した斜視図である。
【図3】図2の矢印III方向から進退機構を眺めた場合の図である。
【図4】図2の矢印IV方向から進退機構を眺めた場合の図である。
【図5】進退機構の他の構成例を示した図である。
【図6】進退機構を上方から眺めた場合の図である。
【図7】用紙束の排出方向における上流側から進退機構を眺めた場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される用紙処理システム1の全体構成を示した図である。
図1に示す用紙処理システム1は、例えば電子写真方式によってカラー画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置2と、画像形成装置2によって例えばトナー像が形成された用紙Pに対して予め定められた処理を施す用紙処理装置4とを備えている。
【0011】
ここで画像形成装置2には、画像形成装置本体2Aが設けられている。また、画像形成装置2には、液晶ディスプレイにより構成され、ユーザに対して情報を表示するとともに、ユーザからの指示(入力)を受け付けるUI(User Interface)が設けられている。また、画像形成装置2は、画像形成装置本体2Aの内部に、記録材の一例としての用紙Pに対して例えばトナー像を形成する画像形成部(不図示)を備えている。
【0012】
また、画像形成装置2には、モータなどの駆動源を備え、画像形成部に対して用紙Pを搬送するとともに、画像形成部にて画像が形成された用紙Pを用紙処理装置4に対して搬送(出力)する用紙搬送機構(不図示)を備えている。さらに画像形成装置2には、画像形成装置本体2Aにおける上記画像形成部および用紙搬送機構、UIなどを制御する制御部2Cが設けられている。
【0013】
一方、記録材処理装置の一例としての用紙処理装置4には、垂直に配設された4つの側面を有し直方体状に形成された装置本体(装置本体部)41が設けられている。また、用紙処理装置4には、用紙Pに穴あけ(パンチ)を施す穿孔ユニット42が設けられている。また、複数枚の用紙Pにより構成された用紙束(記録材束)を生成するとともに、生成したこの用紙束の端を、ステープルを用いて綴じる端綴じ部43が設けられている。
【0014】
さらに、用紙処理装置4には、画像形成装置2における制御部2Cと通信可能に設けられ、用紙処理装置4の全体を制御する制御部100が設けられている。また、用紙処理装置4には、装置本体41の側面に取り付けられ、端綴じ部43による綴じ処理が行われ開口411を通じて排出されてきた用紙束が積載される用紙束積載部45が設けられている。ここで本実施形態では、用紙束積載部45に用紙束が積載されるに従い用紙束積載部45が下降するようになっている。
【0015】
また、用紙処理装置4には、装置本体41の上部に設けられるとともに端綴じ部43の上方に設けられ、用紙処理装置4での処理が行われない用紙P、または、穿孔ユニット42にて穴あけが施された用紙Pが積載される上部積載部46が設けられている。また、本実施形態では、端綴じ部43に向けて搬送される用紙Pが通過する第1用紙搬送経路R1、この第1用紙搬送経路R1から分岐して設けられ上部積載部46に向けて搬送される用紙Pが通過する第2用紙搬送経路R2が設けられている。
【0016】
ここで、端綴じ部43は、板状の部材により構成され用紙Pを複数枚集めて収容するコンパイル部431を備えている。また、端綴じ部43には、第1用紙搬送経路R1に沿って順次搬送されてくる用紙Pを、一方向(図中右方向)に送り出すことで、用紙Pをコンパイル部431上に積載し、コンパイル部431上に用紙束を生成する生成手段として機能するイクジットロール432が設けられている。なおこのイクジットロール432はロール対により構成されている。また、端綴じ部43には、記録材束生成部の一例としてのコンパイル部431に対して排出された用紙Pを、コンパイル部431のエンドガイド431Aに向けて移動させる第1パドル437および第2パドル438を備えている。
【0017】
ここで、第1パドル437および第2パドル438は、図中時計回り方向に回転駆動し、イクジットロール432によりコンパイル部431に向けて送り出された用紙Pを、コンパイル部431のエンドガイド431Aに向けて移動させる。ここで第1パドル437および第2パドル438は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿って配置された回転軸と、この回転軸から突出するように設けられた複数の弾性片とから構成されている。更に、本実施形態の端綴じ部43には、コンパイル部431に収容され且つコンパイル部431のエンドガイド431Aによる揃え処理が行われた用紙束の端を綴じる端綴じステープラ435が設けられている。
【0018】
また、端綴じ部43には、端綴じステープラ435による綴じ処理が行われた用紙束を、開口411を通じ、用紙束積載部45へ搬送するイジェクトロール433が設けられている。さらに、イジェクトロール433に対する進退が可能に設けられ、イジェクトロール433による用紙束の排出が行われる際に、イジェクトロール433に向かって進出し用紙束を押圧するとともに、イジェクトロール433とともにこの用紙束を挟み、さらに、この用紙束をイジェクトロール433とともに用紙束積載部45へ搬送する押圧ロール436が設けられている。
【0019】
ここで、本実施形態では、上記のとおり、押圧ロール436がイジェクトロール433に対して進退可能に設けられおり、イジェクトロール433による用紙束の排出が行われる際に、押圧ロール436がイジェクトロール433に向かって進出し、用紙束が押圧ロール436とイジェクトロール433とにより挟まれる。次いで、イジェクトロール433の回転が行われ、用紙束の排出が行われる。その一方で、コンパイル部431への用紙Pの排出(積載)が行われる際には、コンパイル部431へ排出される用紙Pの移動を規制しないようにするため、押圧ロール436は、図中上方に退避しイジェクトロール433から離れた箇所に配置される。
【0020】
図2は、押圧ロール436の周辺の構成を示した斜視図である。なお同図(a)は斜視であり、同図(b)は同図(a)の矢印IIb方向から覆い部材540(後述)を眺めた場合の図である。
本実施形態では、同図(a)に示すように、押圧ロール436をイジェクトロール433(図2では不図示)に対して進退させる進退機構500が設けられている。
ここで、移動機構の一例としてのこの進退機構500には、用紙束の排出方向(イジェクトロール433が用紙束を排出する際の排出方向)と直交する方向に沿って配置され、搬送用部材の一例としての押圧ロール436を回転可能な状態で支持する支持シャフト510が設けられている。なお本実施形態では、押圧ロール436は2つ設けられており、支持シャフト510は、2つの押圧ロール436を支持している。
【0021】
また、進退機構500には、コンパイル部431(図1参照)の上方に設けられ、用紙束の排出方向における上流側に一端521を有し、用紙束の排出方向における下流側に他端522を有し、この一端521を中心に揺動(回転)する揺動アーム520が設けられている。付言すると、一端521を中心に揺動することで、コンパイル部431に対する進退を行う揺動アーム520が設けられている。ここで本実施形態では、揺動アーム520の他端522に対して上記支持シャフト510が取り付けられており、揺動アーム520が上記一端521を中心に揺動することで、押圧ロール436がイジェクトロール433(図1参照)に対して進退する。
【0022】
また、進退機構500には、用紙束の排出方向と直交する方向に沿って配置され、進退部材、揺動部材の一例としての揺動アーム520の上記一端521を支持するとともに、揺動アーム520が揺動する際の揺動中心となる第1シャフト(軸)531が設けられている。なお、この第1シャフト531は、不図示のモータにより回転駆動される。また、第1シャフト531は、不図示の駆動力伝達機構を介して上記第2パドル438(図1参照)に接続され、この第2パドル438を回転させる機能を有している。
【0023】
また、本実施形態では、揺動アーム520の上方且つ揺動アーム520の一端521と他端522との間に、揺動アーム520を下方に向けて押圧するカム533が設けられている。さらに、本実施形態では、用紙束の排出方向と直交する方向に沿って配置され、カム533を支持するとともにカム533を回転させる第2シャフト(軸)532が設けられている。
【0024】
また、進退機構500には、揺動アーム520の上方に配置されるとともにカム533の上方に配置され、カム533を覆う覆い部材540が設けられている。なお本実施形態では、カム533のみならず、揺動アーム520のうちのカム533により押圧される部位(揺動アーム520の上面523)も覆い部材540により覆われるようになっている。本実施形態では、このように覆い部材540が設けられる結果、カム533へのユーザのアクセスがなされにくくなっている。
【0025】
さらに、本実施形態の進退機構500には、揺動アーム520を図中上方に引き上げ、揺動アーム520をカム533に押し付けるコイルスプリング550が設けられている。ここで、このコイルスプリング550は、覆い部材540の内部に収容されるとともに、一端が揺動アーム520に固定され、他端が覆い部材540に固定されている。
【0026】
ここで、揺動アーム520について詳細に説明すると、本実施形態の揺動アーム520は、箱状(直方体状)に形成されており、カム533により押圧される上面523を有している。また、揺動アーム520は、用紙束の排出方向下流側に第1側面524を有している。ここで、この第1側面524は、図中上下方向に沿って配置されるとともに用紙束の排出方向と直交する方向に沿って配置されている。また、揺動アーム520には、図中上下方向に沿って配置されるとともに用紙束の排出方向に沿う第2側面525が設けられている。さらに、第2側面525の反対側には第3側面526が設けられている。
【0027】
次に、覆い部材540について説明する。本実施形態では、覆い部材540も、揺動アーム520と同様に箱状に形成されている。ここで、本実施形態の覆い部材540には、用紙束の排出方向における下流側に位置するとともに用紙束の排出方向と直交する方向に沿う第1側板541が設けられている。また、覆い部材540には、用紙束の排出方向に沿って配置されるとともに図中上下方向に沿って配置された第2側板542が設けられている。
【0028】
また、覆い部材540には、第2側板542の対向位置に配置され、用紙束の排出方向に沿って配置されるとともに、図中上下方向に沿って配置された第3側板543が設けられている。また、覆い部材540は、天井に相当する箇所であって且つカム533の上方に、上板544を有している。なお、第1側板541〜第3側板543は、上板544の縁部に接続されるとともに上板544との接続部から下方に向かうように配置されている。
【0029】
なお、覆い部材540の下面(底部)に相当する箇所には部材が設けられておらず、この下面に相当する箇所は開放されている。付言すると、覆い部材540の下面に相当する箇所には、矩形状の開口が形成されている。これによって、本実施形態では、覆い部材540の内部への揺動アーム520の進入(詳細は後述)が可能になっている。また、本実施形態では、覆い部材540の第1側板541よりも内側に揺動アーム520の第1側面524が位置している。また、覆い部材540の第2側板542よりも内側に揺動アーム520の第2側面525が位置している。さらに、覆い部材540の第3側板543よりも内側に揺動アーム520の第3側面526が位置している。
【0030】
なお、上記では説明を省略したが、図2(a)は、カム533が下死点に位置し揺動アーム520が最も下方に降りた状態を示している。付言すると、押圧ロール436がイジェクトロール433(図1参照)に向かって進出し、押圧ロール436が用紙束に押し付けられた状態を示している。
【0031】
ここで本実施形態では、揺動アーム520が下方に降りた状態にあったとしても、図2(b)に示すように、図中高さ方向において、第1側板541と第1側面524とが重なるようになっている。なお本実施形態では、第1側板541と第1側面524との重なり量(オーバーラップ量)は3mm以上となっている。付言すると、図2(b)中、符号L1で示す長さが3mm以上となっている。
【0032】
また、図2(a)に示すように、揺動アーム520の第2側面525のうち、用紙束の排出方向における下流側に位置する部位(図中符号2Aで示す部位)と、覆い部材540の第2側板542との間にも重なりが生じている。また、同様に、揺動アーム520の第3側面526のうち、用紙束の排出方向における下流側に位置する部位と、覆い部材540の第3側板543との間にも重なりが生じている。このため、本実施形態では、揺動アーム520が最下点に位置し、揺動アーム520と覆い部材540とが最も離れる状況にあったとしても、カム533へのユーザのアクセスが生じにくくなっている。
【0033】
なお、揺動アーム520の第2側面525のうち、用紙束の排出方向における上流側に位置する部位(図中符号2Bで示す部位)と、覆い部材540の第2側板542との間には、隙間が生じているが、この隙間の寸法は、ユーザの手が通過し難い寸法となっている。また、同様に、本実施形態では、揺動アーム520の第3側面526のうち、用紙束の排出方向における上流側に位置する部位と、覆い部材540の第3側板543との間にも、隙間が生じるが、この隙間の寸法も、ユーザの手が通過し難い寸法となっている。
【0034】
さらに、本実施形態では、用紙束の排出方向において、第1側板541と第1側面524との間に間隙が形成されているが、この隙間の寸法も小さい値に設定されている。また、用紙束の排出方向と直交する方向において、第2側板542と第2側面525との間、第3側板543と第3側面526との間にも、隙間が形成されているが、この隙間の寸法も小さい値に設定されている。ここで、第1側板541と第1側面524との間の間隙の寸法(図4における符号L2参照)は、5mm以下となっている。また、第2側板542と第2側面525との間の間隙の寸法(図2(b)における符号L3参照)も、5mm以下となっている。さらに、図示は省略するが、第3側板543と第3側面526との間の間隙の寸法も、5mm以下となっている。
【0035】
本実施形態では、覆い部材540および揺動アーム520を上記のように配置した結果、覆い部材540の内面と揺動アーム520の外面とが接近した状態となり、覆い部材540の内部に位置するカム533へのユーザのアクセスが生じにくくなる。また本実施形態では、覆い部材540の内面と揺動アーム520の外面とを接近させたため、用紙束の排出方向における覆い部材540の寸法、および、用紙束の排出方向と直交する方向における覆い部材540の寸法が小さくなる。そしてこの場合は、用紙処理装置4の小型化が実現できる。また、本実施形態の構成では、カム533が覆い部材540により覆われているため、カム533の駆動により生じる騒音が低減される。
【0036】
ここで、図2(a)に示す状態から、カム支持軸の一例としての第2シャフト532が回転しカム533が回転すると、コイルスプリング550によって、揺動アーム520が上方に引き上げられ揺動アーム520が第1シャフト531を中心に回転する。これにより、イジェクトロール433(図1参照)から離れる方向に押圧ロール436が移動し、イジェクトロール433から押圧ロール436が離間するようになる。
【0037】
なお、本実施形態では、上記にて説明したとおり、高さ方向において、揺動アーム520の第2側面525のうち用紙束の排出方向における上流側に位置する部位(符号2Bに示す部位)と、覆い部材540の第2側板542との間に、隙間が生じている。また、揺動アーム520の第3側面526のうち用紙束の排出方向における上流側に位置する部位と、覆い部材540の第3側板543との間にも、隙間が生じている。ここで、この隙間は、覆い部材540の第2側板542および第3側板543を、図2(a)における下方向に向けて延長することで小さくすることができる。そして隙間が小さくなると、カム533へのユーザのアクセスがさらに生じにくくなる。
【0038】
ところで本実施形態の構成にて、第2側板542および第3側板543を下方へ延長してしまうと、揺動アーム520の回転が行われ、揺動アーム520が覆い部材540の内部に進入した際に、第2側板542および第3側板543の図中下端が、揺動アーム520の下端(第2側面525の下端、第3側面526の下端)よりも下方に突出するおそれがある。そしてこの場合、第2側板542および第3側板543のうち揺動アーム520の下端から突出した部位に対して、イクジットロール432(図1参照)によって搬送されてきた用紙Pが引っ掛かるおそれがある。このため、本実施形態では、突出部を生じないようにするため、第2側板542および第3側板543の下方への延長を必要以上に行わないようにしている。
【0039】
なお、上記では説明を省略したが、覆い部材540は、第1シャフト531および第2シャフト532に固定されている。付言すると、本実施形態では、第1シャフト531および第2シャフト532が回転駆動を行うため、第1シャフト531と覆い部材540との間、および、第2シャフト532と覆い部材540との間に、ベアリング560を設けている。そして本実施形態では、このベアリング560を介し、覆い部材540が、第1シャフト531および第2シャフト532に固定されている。さらに説明すると、本実施形態では、第1シャフト531および第2シャフト532に取り付けられたベアリング560に対し覆い部材540が嵌められることで、第1シャフト531および第2シャフト532に対して、覆い部材540が固定された状態となっている。
【0040】
なお本実施形態では、覆い部材540の固定は、図中上方から第1シャフト531および第2シャフト532に対し覆い部材540が被せられる形で行われる。また、本実施形態では、図2(a)に示すとおり、覆い部材540に突出片545(詳細は後述)が設けられており、この突出片545が第1シャフト531に固定される。また、本実施形態では、覆い部材540の第2側板542および第3側板543が、第2シャフト532に対して固定される。付言すると、本実施形態では、合計3つの箇所で、用紙処理装置4の本体側に対して覆い部材540が固定されている。また本実施形態では、突出片545、第2側板542、および第3側板543に、溝(切り欠き)が形成されており、この溝内に、第1シャフト531、第2シャフト532が入り込む構成となっている。
【0041】
ところで、本実施形態では、覆い部材540が第1シャフト531および第2シャフト532に固定されているが、覆い部材540は、例えば、図1にて示した上部積載部46の下面などに固定することもできる。ところで、この場合、覆い部材540が固定される上部積載部46と、揺動アーム520との間に配置されている部品の点数が、図2にて説明した構成に比べ、増加するようになる。
【0042】
ここで、このように部品点数が増加する場合、各部材の誤差の累積などにより、覆い部材540が固定される上部積載部46が、予め想定されている位置よりも揺動アーム520から離れた側に位置することが起こりうる。そしてこの場合は、揺動アーム520と覆い部材540とが離れるようになり、カム533へのユーザのアクセスが生じやすくなる。
【0043】
また、上部積載部46に対して覆い部材540を固定する場合、上部積載部46と揺動アーム520との距離が大きくなるために、図2にて説明した構成に比べ、覆い部材540の寸法を大きくする必要が生じる。ところで、このように寸法を大きくすると、第1側板541〜第3側板543が長くなり、第1側板541〜第3側板543が撓みやすくなる。そして、第1側板541〜第3側板543が撓みやすくなると、覆い部材540の変形が生じやすくなり、カム533へのユーザのアクセスが生じやすくなる。
【0044】
このため、本実施形態では、上部積載部46ではなく、この上部積載部46よりも揺動アーム520に近い箇所に位置する部材に対して、覆い部材540を固定するようにしている。具体的には、上記のとおり、第1シャフト531および第2シャフト532に対して覆い部材540を固定するようにしている。
【0045】
この場合、覆い部材540が固定される第1シャフト531および第2シャフト532と、揺動アーム520との間に配置されている部品の点数が少なくなり、各部品が有する誤差の累積に起因する、覆い部材540の位置の変動(位置ずれ)が生じにくくなる。そしてこの場合は、覆い部材540が予め定められた箇所に配置されるようになり、カム533へのユーザのアクセスが生じにくくなる。また、上部積載部46よりも揺動アーム520に近い箇所に位置する部材に対して覆い部材540を固定する場合、覆い部材540が小さくなり覆い部材540の剛性が増す。そしてこの場合、覆い部材540の変形が生じにくくなり、カム533へのユーザのアクセスが生じにくくなる。
【0046】
なお上記では、第1シャフト531および第2シャフト532の両者に覆い部材540を固定する場合を説明したが、第1シャフト531および第2シャフト532の何れか一方へ覆い部材540を固定するようにしてもよい。このように、第1シャフト531および第2シャフト532の何れか一方へ覆い部材540が固定した場合も、上部積載部46へ覆い部材540を固定する場合に比べ、揺動アーム520と覆い部材540との間に配置されている部品の点数が減り、また、覆い部材540の剛性が増し、カム533へのユーザのアクセスが生じにくくなる。
【0047】
次に、コイルスプリング550について説明する。本実施形態では、上記にて説明したとおり、コイルスプリング550が、覆い部材540の内部に収容されるとともに、コイルスプリング550は、一端が揺動アーム520に固定され、他端が覆い部材540に固定されている。ここで、本実施形態では、コイルスプリング550の他端が覆い部材540に固定されているが、この他端を、例えば上部積載部46に固定することができる。ところで、このようにコイルスプリング550の他端を上部積載部46に固定すると、揺動アーム520がカム533から離れてしまったり、揺動アーム520とカム533との接触圧が大きくなりすぎたりすることが起こりうる。
【0048】
詳細に説明すると、上部積載部46については、上記にて説明したとおり、各部材の誤差の累積などにより、予め想定されている位置よりも揺動アーム520から離れた側に位置したり、予め想定されている位置よりも揺動アーム520に近い側に位置したりし、揺動アーム520に対する位置の変動が起こりやすい。このような状況下において、上部積載部46に対してコイルスプリング550を固定してしまうと、上部積載部46の位置の変動に伴い、揺動アーム520がカム533から離れてしまったり、揺動アーム520とカム533との接触圧が大きくなりすぎたりすることが起こりうる。
【0049】
このため、本実施形態では、揺動アーム520により近い箇所に位置する覆い部材540に対してコイルスプリング550の上記他端を固定する構成としている。付言すると、コイルスプリング550の上記他端が固定される部位と揺動アーム520との間に介在する部品の点数が少なくなるように、コイルスプリング550の上記他端を覆い部材540に固定する構成としている。
【0050】
図3は、図2の矢印III方向から進退機構500を眺めた場合の図である。なお、本図では、揺動アーム520(図2参照)が上方へ退避し、押圧ロール436が、覆い部材540の下部に形成された開口を通じ覆い部材540の内部に入り込んだ状態を示している。なお、図3では、揺動アーム520の図示を省略している。また、図3では、進退機構500よりも用紙Pの搬送方向上流側に位置するイクジットロール432(図1参照)も表示している。詳細には、上下に配置された一対のイクジットロール432のうちの下方に配置された一方のイクジットロール432を図示している。
【0051】
ここで本実施形態では、覆い部材540に設けられた第1側板541の図中下縁部を、第2側板542の下縁部および第3側板543の下縁部よりも上方に配置している。付言すると、第1側板541の高さ方向における寸法を、第2側板542の高さ方向における寸法、および、第3側板543の高さ方向における寸法よりも小さくしている。
【0052】
さらに説明すると、本実施形態では、覆い部材540を図中の下方から眺めた場合に、覆い部材540には、覆い部材540の下部に設けられた開口を取り囲む矩形状の縁部549が設けられる。そして本実施形態では、この縁部549のうち、押圧ロール436よりも下流側(イクジットロール432が用紙Pを送り出す際の送り出し方向における下流側)に位置する部位(符号3Aに示す部位)が、押圧ロール436のうちの、コンパイル部431(図1参照)側に位置する端部436Aよりも図中上方に位置している。付言すると、縁部549のうち押圧ロール436よりも下流側に位置する部位は、押圧ロール436の端部436Aよりもコンパイル部431(図1参照)から離れた側に位置している。
【0053】
ここで、用紙処理装置4では、用紙Pがコンパイル部431に排出される際の用紙Pの直進安定性を高める等のため、図3に示すように、イクジットロール432の厚み方向における中央部の直径を大きくし、イクジットロール432の厚み方向における中央部に、イクジットロール432の径方向に突出した突出部432Aを設けることがある。この場合、同図に示すように、用紙Pに波形の形状が付与され、用紙Pの直進安定性が高まる。
【0054】
ところで、このように用紙Pに波形の形状が付与されると、用紙Pのうちの覆い部材540側に突出する部分が、第1側板541に突き当たりやすくなる。このため本実施形態では、上記のように、第1側板541の下縁部を第2側板542の下縁部および第3側板543の下縁部よりも上方に配置している。また、覆い部材540の縁部549のうちの押圧ロール436よりも下流側に位置する部位を、押圧ロール436のうちのコンパイル部431側に位置する端部436Aよりも図中上方に配置している。この場合、用紙Pの第1側板541への突き当たりが生じにくくなる。
【0055】
図4は、図2の矢印IV方向から進退機構500を眺めた場合の図である。
上記では説明を省略したが本実施形態の進退機構500では、揺動アーム520の上面523の一部が揺動アーム520の底部527に対して進退するようになっている。付言すると、本実施形態では、揺動アーム520の上面523に、揺動アーム520の底部527に対する進退が可能な進退部528が設けられている。また本実施形態では、進退部528と底部527との間にコイルスプリング529が配置されている。
【0056】
ここで本実施形態の構成にて、イジェクトロール433と押圧ロール436とにより挟まれる用紙束の厚みが大きい場合には、下死点までカム533が回転することができず、イジェクトロール433と押圧ロール436とで用紙束を挟む際の荷重が低下してしまう。そしてこの場合、用紙束の排出がなされる際、用紙束とイジェクトロール433との間で滑りが生じるおそれがある。このため本実施形態では、上記のように、進退部528を設けるとともに、進退部528と底部527との間のコイルスプリング529を設けた構成としている。この構成の場合、用紙束の厚みが大きくても、下死点までカム533が回転するようになり、予め定められた荷重以上の荷重で用紙束が押圧されるようになる。
【0057】
ところで、進退機構500は、図5(進退機構500の他の構成例を示した図)に示すように構成することもできる。なお図5では、揺動アーム520などを簡略化して表示している。また、図5では、覆い部材540の図示を省略している。
ここで、図5に示す進退機構500では、カム533を揺動アーム520の上方ではなく揺動アーム520の下方に設け、コイルスプリング590によって上方から押圧される揺動アーム520を、カム533を用いて下方から支持する構成としている。
【0058】
ところで、図5に示す構成では、揺動アーム520を挟んで相対する一方の領域および他方の領域のうちの一方の領域にコイルスプリング590が配置され、他方の領域にカム533が配置される構成であるため、揺動アーム520の一方の領域に、コイルスプリング550およびカム533が配置された上記構成に比べ、高さ方向における寸法が大きくなりやすい。
【0059】
また、図5に示す構成では、押圧ロール436をイジェクトロール433(図1参照)から離れる方向に移動させる際、コイルスプリング590から作用する力に抗して押圧ロール436を移動させるため、押圧ロール436が移動しにくい状態となる。そしてこのように押圧ロール436が移動しにくくなると、押圧ロール436とイジェクトロール433との間の間隙を拡げるのが困難となりやすい。付言すると、押圧ロール436とイジェクトロール433との間の間隙が小さいものとなりやすい。
【0060】
そしてこの場合は、カール(反り)などが生じている用紙Pが搬送されてきた際に、この用紙Pが押圧ロール436などに引っ掛かりやすくなる。なお上記では説明を省略したが、コンパイル部431(図1参照)に用紙Pが集積される際、用紙Pは押圧ロール436とイジェクトロール433との間を一旦通過する。その後、この用紙Pはコンパイル部431のエンドガイド431A(図1参照)に向かって移動していく。ここで、上記のように用紙Pが押圧ロール436に引っ掛かりやすくなると、用紙Pのエンドガイド431Aへの移動が規制され、コンパイル部431における用紙束の生成が困難となる。
【0061】
その一方で、図1〜図4にて示した構成では、押圧ロール436をイジェクトロール433から離れる方向に移動させる際、コイルスプリング550から作用する力に抗して押圧ロール436を移動させる必要がなく、押圧ロール436が移動しやすくなっている。このため図1〜図4に示す構成では、図5に示した構成に比べ、押圧ロール436とイジェクトロール433との間の間隙を拡げやすくなっている。そしてこの場合、カールなどが発生している用紙Pであっても、押圧ロール436とイジェクトロール433との間を通過しやすくなる。
【0062】
図6は、進退機構500を上方から眺めた場合の図であり、図7は、用紙束の排出方向における上流側から進退機構500を眺めた場合の斜視図である。
図6に示すように、また、上記にて説明したように、覆い部材540には、用紙束の排出方向下流側に位置するとともに用紙束の排出方向と直交する方向に沿う第1側板541が設けられている。また、覆い部材540には、用紙束の排出方向に沿うように配置された第2側板542、この第2側板542の反対側に位置し用紙束の排出方向に沿うように配置された第3側板543が設けられている。また、覆い部材540には、図6、図7に示すように、用紙束の排出方向における上流側の端部に、用紙束の排出方向と直交する方向に沿って配置され、第2側板542と第3側板543とを結ぶ側辺547が設けられている。
【0063】
また本実施形態では、図6、図7に示すように、上記側辺547に接続して設けられるとともに、この側辺547から、用紙束の排出方向における上流側に向かって突出した突出片545が設けられている。ここでこの突出片545は、側辺547の長手方向における中央部に対して接続されている。また上記にて、覆い部材540が第1シャフト531に固定されている点を説明したが、本実施形態では、覆い部材540の突出片545が第1シャフト531に固定されている。
【0064】
また上記では、説明を省略したが、本実施形態では、揺動アーム520を上方に引き上げるコイルスプリング550が2つ設けられた構成となっている。より具体的には、図6、図7に示すように、用紙束の排出方向と直交する方向において、突出片545の両側にコイルスプリング550が設けられた構成となっている。
【0065】
また本実施形態では、覆い部材540の上板544の一部に傾斜が付与されている。より具体的には、図7に示すように、覆い部材540の上板544のうちの用紙束の排出方向上流側に位置する部位544Aに対して、傾斜が付与されている。より具体的には、用紙束の排出方向における下流側に向かうに従い図中上方へ変位する傾斜が付与されている。
【0066】
さらに説明すると、上記傾斜が付与された部位544Aには、上部積載部46(図1参照)に付与された傾斜の傾斜角度と同じ傾斜角度の傾斜が付与されている。これにより、本実施形態では、傾斜が付与された部位544Aの傾斜角度と、上部積載部46の傾斜角度とが同じでない場合に比べ、傾斜が付与された部位544Aに対して、上部積載部46をより近づけた状態で配置することができるようになる。付言すると、覆い部材540に対して上部積載部46をより接近した状態で配置することができるようになる。そしてこの場合、用紙処理装置4の小型化が実現される。
【符号の説明】
【0067】
4…用紙処理装置、431…コンパイル部、432…イクジットロール、436…押圧ロール、436A…端部、500…進退機構、520…揺動アーム、531…第1シャフト、532…第2シャフト、533…カム、540…覆い部材、549…縁部、550…コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材束が生成される記録材束生成部と、
前記記録材束生成部にて生成された記録材束の搬送に用いられる搬送用部材と、
前記搬送用部材が取り付けられ前記記録材束生成部に対する進退が可能な進退部材と、当該進退部材を当該記録材束生成部に対して進退させるカムと、当該カムを支持するカム支持軸と、を備え、当該カムを回転させることで当該進退部材を当該記録材束生成部に対して進退させ、当該記録材束生成部に向けての当該搬送用部材の移動および当該記録材束生成部から離れる方向への当該搬送用部材の移動を行う移動機構と、
前記カムを支持する前記カム支持軸に固定され、当該カムを覆う覆い部材と、
を備える記録材処理装置。
【請求項2】
前記進退部材は、予め定められた軸を中心に揺動することで前記記録材束生成部に対する進退を行い、
前記覆い部材は、前記進退部材が揺動する際の揺動中心となる前記軸に対しても固定されていることを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置。
【請求項3】
前記進退部材を前記カムに向けて付勢するコイルスプリングを更に備え、
前記コイルスプリングの一端は、前記進退部材に固定され、当該コイルスプリングの他端は、前記覆い部材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材処理装置。
【請求項4】
前記進退部材を挟んで相対する一方の領域および他方の領域のうちの当該一方の領域に、前記カムおよび前記コイルスプリングが配置されていることを特徴とする請求項3記載の記録材処理装置。
【請求項5】
前記進退部材のうちの前記カムにより押圧される部位も前記覆い部材により覆われていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の記録材処理装置。
【請求項6】
上流側から順次搬送されてきた記録材を一方向に送り出すことで記録材を前記記録材束生成部上に積載し当該記録材束生成部上に記録材束を生成する生成手段を更に備え、
前記搬送用部材は、前記生成手段による記録材束の生成が終了した後に前記記録材束生成部に向かって進出し、当該生成手段による記録材束の生成が行われている際には当該記録材束生成部から離れた箇所に退避し、
前記記録材束生成部から離れた箇所に前記搬送用部材が退避している際、当該搬送用部材は、前記覆い部材に形成された開口を通じて当該覆い部材の内部に入り込み、
前記覆い部材には、前記開口を取り囲む縁部が設けられ、
前記縁部のうちの、前記搬送用部材よりも前記一方向における下流側に位置する部位は、前記記録材束生成部から離れた箇所に退避している当該搬送用部材の当該記録材束生成部側の端部よりも、当該記録材束生成部から離れた箇所に位置していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の記録材処理装置。
【請求項7】
記録材束が生成される記録材束生成部と、
前記記録材束生成部にて生成された記録材束の搬送に用いられる搬送用部材と、
前記搬送用部材が取り付けられ予め定められた軸を中心に揺動可能に設けられた揺動部材と、当該揺動部材を揺動させるカムと、を備え、当該カムを回転させることで当該揺動部材を揺動させ、前記記録材束生成部に向けての当該搬送用部材の移動および当該記録材束生成部から離れる方向への当該搬送用部材の移動を行う移動機構と、
前記揺動部材が揺動する際の揺動中心となる前記軸に固定され、前記カムを覆う覆い部材と、
を備える記録材処理装置。
【請求項8】
前記カムを支持するカム支持軸を更に備え、
前記覆い部材は、前記カム支持軸に対しても固定されていることを特徴とする請求項7記載の記録材処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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