説明

記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】マガジンを改良することなく、容易に所定の向きにマガジンを装填することが可能な記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】写真処理装置1は、長尺の感光材料Pが巻回されたロールRを格納するための同一形状の複数のマガジン21a〜21cを装填し、感光材料Pに画像を記録する本体ユニット10に感光材料Pを供給するマガジンユニット11であって、マガジン台106と、第2ベース部103と、回動機構105と、を備えている。マガジン台106は、マガジン21cを載置する。第2ベース部103は、マガジン台106が取り付けられている。回動機構105は、第2ベース部103に対してマガジン台106を90度回動させる。そして、回動機構105によって第2ベース部103に対してマガジン台106を回動させて、常に同じ状態で載置されるマガジン21cの引出口202cの向きを変えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材料を供給する記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録材料に画像を形成する画像形成装置として、記録材料としての感光材料に対して露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置や、記録材料に描画処理を施して画像を形成するプリンタ等が知られている。これらの画像形成装置には、長尺な記録材料が巻回されたロールを収容するための二つ以上のマガジンと、各マガジンから供給される記録材料に画像を形成する画像形成手段(写真処理装置においては露光ユニット、プリンタにおいてはプリンタヘッド)とを備えているものがある。
【0003】
このような画像形成装置においては、各マガジンからの記録材料を共通の画像形成手段で処理できるように、各マガジンから記録材料を引き出して、下流工程である画像形成処理部へ記録材料を供給することが可能な、駆動ローラを備えている。これにより、送り長さを調整しながら画像形成処理部へと記録材料を供給することができる。
例えば、特許文献1においては、マガジンを従来の装填方向とは異なる方向に装填することによって、マガジン内部から記録材料を引き出す引出口と駆動ローラとの距離をほぼ等しくして、記録材料供給装置の省スペース化を図っている。また、特許文献1では、ユーザが、マガジンを持ち運び、あるいは、マガジン装填部に装填しやすいように、マガジンの全ての側壁にハンドルを設けている。これにより、ユーザは、マガジンがどの方向を向いていても容易に持ち上げることができる。
【特許文献1】特開2000−2941号(平成12年1月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の記録材料供給装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、記録材料を格納するためのマガジンは、一般的に互換性があることから、他の記録材料供給装置あるいは写真処理装置等においても共通で使用している。このため、マガジンを既に所有しているユーザにおいては、新しい製品に対しても所有しているマガジン(例えば、ハンドルが1つしかない従来のマガジン)を使用したいというニーズが非常に高い。また、特許文献1では、従来のマガジンを使用することもできるが、例えば、装填方向、すなわち、持ち上げたい向きにハンドルがついていないマガジンの場合、そのマガジンを持ち上げることはユーザにとって負担が大きかった。
【0005】
本発明の課題は、マガジンを改良することなく、容易に所定の向きにマガジンを装填することが可能な記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る記録材料供給装置は、長尺の記録材料が巻回された記録材料ロールを格納するためのマガジンを装填し、記録材料に画像を記録する本体部に記録材料を供給する記録材料供給装置であって、マガジン台と、筐体部と、回動機構と、を備えている。マガジン台は、マガジンを載置する。筐体部は、マガジン台が取り付けられている。回動機構は、筐体部に対してマガジン台を所定方向に回動させる。
【0007】
ここでは、回動機構を設けることによって筐体部に対してマガジン台を回動させ、常に同じ状態で載置されるマガジンの引出口の向きを変えている。
なお、ここで言う筐体部とは、回動するマガジン台に対して固定側の部材であるものも含み、例えば、スライド機構等を介して取り付けられた部材等も含まれる。
ここで、マガジンは、一般的に互換性があり、他の記録材料供給装置や写真処理装置においても共通で使用されている。そして、例えば、従来のセットする方向に上部に1つのハンドルを有するマガジンが普及している。
【0008】
従来の記録材料供給装置においては、各マガジンを回転させた状態でマガジン装填部に装填し、マガジン内部から記録材料を引き出す引出口と駆動ローラとの距離を短くして、記録材料供給装置の省スペース化を図っていた。しかし、装填方向を考慮して持ち運びを容易にするために設けられているハンドルなしに、重たいマガジンを持ち運び、マガジン装填部にマガジンを装填することは、ユーザにとって負担が大きかった。
【0009】
そこで、本発明の記録材料供給装置においては、マガジンを載置するマガジン台を回動させるための回動機構を備え、マガジンの載置方向に関わらず引出口の向きが所定方向に変えられるようにしている。
これにより、ユーザは、マガジンの持ち運び等を容易にするハンドルを従来のように利用してマガジン台に載置することができる。そして、マガジン台を回動させることによってマガジンの引出口を所定方向に向ける。
この結果、従来利用していたマガジンを使用する場合であっても、容易に所定の向きにマガジンを装填することが可能となる。
【0010】
第2の発明に係る記録材料供給装置は、第1の発明に係る記録材料供給装置であって、回動機構は、マガジン台にマガジンを載置した状態から所定方向に回動させた状態にする際に、マガジン台の回動軌跡が最小となるようにマガジン台を回動させる。
ここでは、例えば、マガジンが載置されたマガジン台の重心を中心にマガジン台を回動させることによって、マガジン台の回動軌跡が最小となるようにマガジン台を回動させている。
【0011】
これにより、マガジン装填部のスペースの省スペース化を図ることが可能になる。また、マガジン装填部の前面に扉が設けられ、例えば、スライド機構等によってマガジン台を前面に引き出してマガジンを載置する場合においては、その扉の開閉面積を小さくすることができる。すなわち、マガジンの交換作業時における作業面積の省スペース化を図ることが可能となる。
【0012】
第3の発明に係る記録材料供給装置は、第1または第2の発明に係る記録材料供給装置であって、マガジンが載置されたマガジン台を所定方向に回動した時、マガジンを係止するマガジンガイドをさらに備えている。
ここでは、マガジンガイドが、マガジンを係止することによって、マガジンの水平方向への移動、すなわち、横揺れを防止している。
ここで、記録材料を供給中のマガジンは、振動等によって動かされることによって、記録材料を傷つけてしまうおそれがある。
【0013】
これにより、マガジンの横揺れ等を防止して、記録材料が良好な状態で供給されることを可能としている。
【0014】
第4の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、回動機構は、筐体部に取り付けられた固定側ギアと、マガジン台に取り付けられており、固定側ギアと係合する回動側ギアと、筐体部に対してマガジンを水平移動させる第1スライド部と、を有している。
ここでは、固定側ギアと回動側ギアとによる係合と、第1スライド部によるスライドと、によってマガジン台の回動機構を形成している。例えば、水平方向に沿って歯形が形成された固定側ギアと、円弧状に沿って歯形が形成された回動側ギアと、が係合することによって、回転方向に移動させることを可能とし、固定側ギアの配置方向である水平方向に沿って配置されているスライドレール等によって、水平方向への移動を容易にしている。
【0015】
これにより、マガジン台を筐体部に対して回動させながら水平移動させることが可能となる。この結果、マガジン台にマガジンを載置した状態から所定方向に回動させたとき、マガジン台の回動軌跡が最小となるようにマガジン台を回動させることが可能となる。
【0016】
第5の発明に係る記録材料供給装置は、第4の発明に係る記録材料供給装置であって、マガジン台が所定方向に回動された状態において、回動側ギアが固定側ギアに係合するまでの遊び部が形成されている。
ここでは、マガジン台が所定方向に回動した状態(以後、回動状態と示す)から元のマガジンを載置する状態(以後、載置状態と示す)に戻る際において、回動側ギアと固定側ギアとの間に、例えば、8度回転するまで係合しない、いわゆる、遊び部が形成されている。
これにより、マガジンがマガジンガイドによる係止を外れるまで自由に回動させることが可能となるので、容易にマガジンの係止状態を形成することが可能となる。
【0017】
第6の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジン台と回動機構とを連結する衝撃回避部材をさらに備えている。
ここでは、例えば、マガジン台と回転側ギアとを連結する衝撃回避部材を設けている。
ここで、記録材料を格納したマガジンは重量が大きく、回転時において発生する衝撃も大きい。
これにより、マガジンを載置したマガジン台の回動による衝撃を緩和することが可能となる。この結果、衝撃によって発生するマガジンあるいはマガジン装填部の破壊等を防止することが可能となる。
【0018】
第7の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、ここでは、載置状態から回動状態にするまでマガジン台を90度回動させている。
これにより、例えば、載置状態におけるマガジンの引出口の方向を水平右方向から鉛直下方向に変えることが可能となる。
【0019】
第8の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジン台を所定方向に回動した時、マガジン台を固定するための位置決め部をさらに備えている。
ここでは、例えば、マガジン台に取り付けられた部材と筐体部に取り付けられた部材とを係合させることによって位置決め部を形成し、マガジン台が水平移動することを防止している。
【0020】
ここで、マガジン台を所定方向に回動した時は、回動側ギアと固定側ギアとが互いに係合した状態にないので、マガジン台は、第1スライド部を介して水平に移動することが可能である。
これにより、マガジン台の水平方向への移動を防止することが可能となる。
【0021】
第9の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジンをマガジン台の回動軸方向に水平移動させる第2スライド部をさらに備えている。
ここでは、第2スライド部によってマガジン台をマガジン台の回動軸方向に水平移動させて、例えば、筐体部内部からマガジンを引き出すことを可能としている。
これにより、マガジン台の上下左右において十分な空間を確保することが可能となるので、マガジンを容易に載置することが可能となる。
【0022】
第10の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、複数のマガジンから送り出されてくる記録材料を所定の送り長さで本体部に送り出す共通のローラ対をさらに備えている。そして、マガジンが載置されたマガジン台を所定方向に回動させた時、マガジンの内部から記録材料を引き出すための引出口とローラ対とが近接している。
ここでは、マガジン装填部にマガジンを載置して、マガジンの引出口を所定方向に回転させた際、マガジンの引出口と共通のローラ対とが近接して配置されるようにしている。
これにより、マガジンの引出口と共通のローラ対との間における記録材料の搬送距離を短くすることができるので、記録材料の蛇行を防止することが可能となる。
【0023】
第11の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第10の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジン台に配置されており、ユーザが掴むための取手をさらに備えている。
【0024】
ここでは、回動機構によって回動するマガジン台の一角にユーザが掴むための取手を配置している。
これにより、マガジン台を容易に回動させることが可能となる。
【0025】
第12の発明に係る画像形成装置は、第1から第11の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置を備えている。
従来利用していたマガジンを使用する場合であっても、容易に所定の向きにマガジンを装填することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る記録材料供給装置によれば、従来利用していたマガジンを使用する場合であっても、容易に所定の向きにマガジンを装填することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る供給部(記録材料供給装置)2を含んで構成される写真処理装置(画像形成装置)1について、図1〜図13を用いて説明すれば以下の通りである。
[写真処理装置1の構成]
本発明の一実施形態に係る写真処理装置1は、図1および図2に示すように、供給部2と、露光処理部3と、現像処理部4と、乾燥処理部5と、仕分部6と、制御部7と、を備えている。供給部2は、感光材料(記録材料)Pを下流工程に供給する。露光処理部3は、画像データに基づいて感光材料Pを露光処理する。現像処理部4は、露光処理された感光材料Pを現像処理する。乾燥処理部5は、現像処理後の感光材料Pを乾燥処理する。仕分部6は、乾燥処理された感光材料Pを写真プリントとしてオーダー毎に仕分ける。制御部7は、写真処理装置1と電気的に接続されており、写真処理装置1全体の制御を行う。
【0028】
本実施形態の写真処理装置1は、第1マガジン装填部(マガジン装填部)20aを含む供給部2の一部、露光処理部3、現像処理部4、乾燥処理部5および仕分部6によって構成される本体ユニット(本体部)10と、2つのマガジン装填部(第2マガジン装填部20b,第3マガジン装填部20c)を含む供給部2の一部で構成されるマガジンユニット(記録材料供給装置)11と、制御部7の制御ユニット12とによって構成される。
【0029】
[供給部2の説明]
供給部2は、図2に示すように、露光処理部3へ感光材料Pを供給するために設けられており、後述するマガジン21a,21b,21cを装填するための3つのマガジン装填部(第1マガジン装填部20a,第2マガジン装填部20b,第3マガジン装填部20c)と、感光材料を送り出すための供給部搬送系(搬送経路TL1,TL2)を備えている。
【0030】
マガジン21a,21b,21cは、ロール(記録材料ロール)Rを軸支状態で収納できるよう箱状に形成されており、それぞれ第1〜第3マガジン装填部20a,20b,20cに装填された状態で、ロールRを軸心回りに回転させつつロールRから感光材料Pを長手方向に供給できるようになっている。
具体的に説明すると、マガジン21a,21b,21cは、図2に示すように、ロールRが外挿されているコアrを外挿可能に構成されており、コアrを介してロールRを軸支状態で収容できるようになっている。さらに、マガジン21a,21b,21cは、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pを外部に送り出すための引出口202a,202b,202cが一角部に設けられている。また、引出口202a,202b,202cに対応して感光材料Pを圧着搬送する一対の送出ローラ対201a,201b,201cが配設されている。これにより、マガジン21a,21b,21cに格納された感光材料Pは、送出ローラ対201a,201b,201cの圧着搬送によって、ロールRの巻きを解きつつ引出口から下流側に送り出す(供給する)ことができる。
【0031】
本実施形態の写真処理装置1においては、第1マガジン装填部20aは、本体ユニット10側に配置されている。また、第2および第3マガジン装填部20b,20cは、マガジンユニット11側に配置されている。ここで、マガジンユニット11は、本体ユニット10に対して、マガジン21b,21cをオプションとして追加するためのものであって、本体ユニット10に対して接離可能に形成されている。なお、本実施形態の写真処理装置1において、マガジン21a,21b,21cは、略同一形状のものを使用している。
【0032】
(マガジンユニット11側の詳細)
ここでは、第2および第3マガジン装填部20b,20cが搭載されているマガジンユニット11の内部構造について説明する。
マガジンユニット11は、図3に示すように、筐体部15と前面を覆う前面扉16とを備えている。
【0033】
筐体部15は、マガジンユニット11を形成するフレームであって、後述する前面扉16や、第2スライドレール(第2スライド部)104等を介してマガジン台106等が、取り付けられている。
前面扉16は、マガジンユニット11の前面を覆うカバーであって、本実施形態のマガジンユニット11においては、正面左端を軸として手前側に開閉するように取り付けられている。
【0034】
マガジンユニット11の内部は、図2および図4に示すように、第2および第3マガジン装填部20b,20cが、鉛直上下方向に並んで配置されている。第2マガジン装填部20bは、マガジン21bを装填した際に、マガジン21bの引出口202bが水平右方向を向くような構造となっている。一方、第3マガジン装填部20cは、マガジン21cを装填した際に、マガジン21cの引出口202cが鉛直下方向を向くような構造となっている。これらの構造については後段にて詳述する。
【0035】
第2マガジン装填部20bは、図4に示すように、第1ベース部101と、2本1組の第1スライドレール102とを有している。
第1ベース部101は、マガジン21bを載置するための部材であって、第1スライドレール102を介して筐体部15に取り付けられている。そして、第1ベース部101は、手前側に引き出し可能となっている。これにより、マガジン21bが手前側に引き出されるようになるので、ユーザは、マガジン21bを容易に第1ベース部101に載置することができる。
【0036】
第3マガジン装填部20cは、図4〜図9に示すように、第2ベース部(筐体部)103と、第2スライドレール104と、回動機構105と、マガジン台106と、マガジンガイド120と、第1呼込ガイド(位置決め部材)121と、第2呼込ガイド(位置決め部材)122と、取手123とを有している。
第2ベース部103は、マガジン21cを載置するマガジン台106を取り付けるための部材であって、第2スライドレール104を介して筐体部15に取り付けられている。そして、第2ベース部103は、第2スライドレール104によって、図5に示すように、手前側(B側方向)に引き出し可能となっている。これにより、後述するマガジン台106が手前側に引き出されるようになるので、ユーザは、マガジン21cを容易にマガジン台106に載置することができる。
【0037】
マガジン台106は、マガジン21cを載置するための部材であって、回動機構105を介して第2ベース部103に取り付けられている。マガジン台106は、回動機構105によって、図11に示すような軌跡図を描きながら回動可能となっている。これにより、ユーザは、マガジン21cを回動させた状態、すなわち、マガジン21cの引出口202cを鉛直下方向に向けて装填することを容易に行うことができる。具体的には、第3マガジン装填部20cは、図6に示すような状態でマガジン21cが載置され(以後、このようなマガジン21c載置時のマガジン台106の向きを載置状態と示す)、マガジン台106が、時計回りに90度回動させられる。これにより、図7に示すように、マガジン21cの引出口202cを鉛直下方向に向けて装填(以後、このようなマガジン21c装填時のマガジン台106の向きを装填状態と示す)することができる。
【0038】
回動機構105は、図8に示すように、回動側ギア114と、固定側ギア115と、第3スライドレール(第1スライド部)116と、第3ベース部117と、回動軸118と、ガススプリング(衝撃回避部材)119と、を有している。
回動側ギア114は、扇形形状をした外周面に歯形が形成されたギアであって、第3ベース部117を介してマガジン台106に取り付けられている。
【0039】
固定側ギア115は、直線上の部材に歯形が形成されたギアであって、回動側ギア114と係合する。そして、固定側ギア115は、水平左右方向に沿って配置されており、第2ベース部103に取り付けられている。
第3スライドレール116は、第2スライドレール104と直交する方向(図6においては図面の正面から見て水平左右方向)に沿って配置されており、第2ベース部103に取り付けられている。
【0040】
第3ベース部117は、第3スライドレール116を介して第2ベース部103に取り付けられており、第2ベース部103に対して水平左右方向に移動可能に支持されている。
回動軸118は、マガジン台106の回動時における回動軸である。回動軸118は、2箇所で第3ベース部117に支持されている。
【0041】
ガススプリング119は、一方の端部が回動側ギア114に、他方の端部が第3ベース部117に取り付けられている。これにより、マガジン台106の回転時における衝撃を緩和することが可能となる。
マガジンガイド120は、第2ベース部103に取り付けられており、装填状態においてマガジン21cを固定する。これにより、マガジン21cが、装填状態において横ぶれすることを防止することができる。
【0042】
第1呼込ガイド121は、第2ベース部103に取り付けられており、装填状態において、マガジン台106を固定する。具体的には、装填状態において、第1呼込ガイド121とマガジン台106に取り付けられた第2呼込ガイド122とが係合することによって、第2ベース部103に対してマガジン台106を固定する。
取手123は、マガジン台106の一角に取り付けられている。これにより、ユーザは、取手123を掴むことによって、マガジン台106を容易に回動させることができる。
【0043】
(回動機構105の動作について説明)
ここでは、装填状態から載置状態までの回動機構105の動作について説明を行う。
図12(a)は、装填状態における、回動側ギア114と固定側ギア115との状態図、図12(b)は、載置状態における回動側ギア114と固定側ギア115との状態図である。
【0044】
回動側ギア114と固定側ギア115は、図12(a)および図13に示すように、装填状態において約8度の遊び(遊び部)を有している。すなわち、装填状態から載置状態にマガジン台106を回動させる(図13:G方向に回動)際に、G方向に8度回動させるまで、回動側ギア114と固定側ギア115とが係合しない。これにより、マガジン21cが載置されたマガジン台106を回動させて、マガジンガイド120におけるマガジン21cの側面部の係止を外すことを可能としている。なお、回動側ギア114と固定側ギア115とが係合していない状態のとき、マガジン台106は水平左右方向に移動可能な状態であるが、第1呼込ガイド121と第2呼込ガイド122とが係合することによって、マガジン台106の移動を防止している。
【0045】
回動側ギア114と固定側ギア115とが係合した後は、固定側ギア115の配置方向に沿って回動側ギア114が水平右方向に移動する。このとき、回動側ギア115が取り付けられている第3ベース部117は、水平右方向にスライドする。そして、第3ベース部117に回動軸118を介して取り付けられているマガジン台106は、回動軸118を軸にして回動する。この結果、マガジン台106に載置されたマガジン21cは、図11の回動軌跡が示すように、水平右方向に移動しながら反時計回りに回動することとなる。これにより、単純に1つの回動軸を中心に回動させる場合に比べて小さな軌跡を形成することが可能となる。この回動軌跡を小さくする効果は、角部を有する矩形形状の部材を回動させる場合に特に有効である。この結果、載置あるいは装填作業時において前面扉16を開閉する角度を小さくすることができる。すなわち、マガジン21cの交換作業時における作業面積の省スペース化を図ることが可能となる。
【0046】
(搬送経路TL1,TL2について説明)
次に、第2および第3マガジン装填部20b,20cからアドバンスローラ(ローラ対)220に至るまでの供給部搬送系(搬送経路TL1,TL2)について説明する。
搬送経路TL1は、図2に示すように、マガジンユニット11内の下側に装填されるマガジン21bと第2ターンローラ212とを結んでいる。そして、搬送経路TL1は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する第1ターンローラ)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。搬送経路TL1は、駆動系を一切備えておらず、送出ローラ対201bを回転駆動させることによって、第2マガジン21bから感光材料Pを引き出し、供給口209b(図5参照)を介して第2ターンローラ212に送り出す。なお、供給口209bは、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部であって、搬送経路TL1専用に設けられている。
【0047】
搬送経路TL2は、図2に示すように、マガジンユニット11内の上側に装填されるマガジン21cと第2ターンローラ212とを結んでいる。そして、搬送経路TL2は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する第1,第2ターンローラ)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。搬送経路TL2は、駆動系として第1ターンローラ204を備えており、送出ローラ対201bと、第1ターンローラ204を回転駆動させることによって、マガジン21bから感光材料Pを引き出し、供給口209bを介して第2ターンローラ212に送り出す。なお、供給口209c(図5参照)は、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部であって、搬送経路TL2専用に設けられている。
【0048】
なお、本実施形態の写真処理装置1においては、マガジン装填部20cを90度回動させた時、すなわち、マガジン台106が装填状態にある時、マガジン21cの引出口202cとアドバンスローラ220とが近接して配置されるようになっている。これにより、マガジン21cの引出口202cとアドバンスローラ220との間における感光材料Pの搬送距離を短くしている。この結果、感光材料Pの蛇行を防止することが可能となる。
【0049】
(マガジン21cの装填手順の説明)
ここでは、ユーザが、マガジン21cを装填する場合についての手順について説明を行う。
最初に、ユーザは、図3に示すマガジンユニット11の前面扉16を開ける。
次に、ユーザは、第3マガジン充填部20cの第2ベース部103を手前(図5に示すB方向)に引っ張って、筐体部15の外側に引き出す。このとき、第2ベース部103は、第2スライドレール104に取り付けられているのでユーザは、容易に第2ベース部103を引き出すことができる。このとき、マガジン台106は、図9に示すように、装填状態にあるので、ユーザは、反時計回りに90度回動(図9:D方向に回動)させて、図8に示すように、マガジン21cを載置するために載置状態にセットする。
【0050】
次に、マガジン21cをマガジン台106に載置する。このとき、ユーザは、図6に示すように、マガジン21cの上部に設置されたハンドル21dを持って、マガジン21cをマガジン台106の上方から下方に向けて(図6:E方向に向けて)載置する。このとき、マガジン21cの引出口202cは、水平右方向を向いている。
次に、ユーザは、図6に示すように、第2ベース部103に対してマガジン台106を時計方向に90度回動(C方向に回動)させて、図7に示すように、引出口202cを所定の鉛直下方向に向ける。このとき、ユーザは、マガジン台106に取り付けられている取手123を持つことで、容易にマガジン台106を回動させることができる。そして、図7に示すように、マガジン台106が90度回動した際、マガジンガイド120が、装填状態におけるマガジン21cの側面を係止する。これにより、マガジン21cの横揺れを防止することができる。また、装填状態におけるマガジン21cの底面側においては、マガジン台106を90度回動(C方向に回動)させることによって、マガジン台106に取り付けられた第2呼込ガイド122と、第2ベース部103に取り付けられた第1呼込ガイド121とが係合する。これにより、所定の位置にマガジン台106が配置されるようにしている。
【0051】
ここまでの手順で、マガジン21cが所定の装填方向にセットされたので、ユーザは、第2ベース部103を奥側(図5:F方向)に押し入れて、格納位置にセットする。そして、ユーザは、前面扉16を閉めることで、マガジン21cの装填作業を完了する。
また、上記で述べた手順を逆順で実行することにより、マガジンユニット11に装填されたマガジン21cを取り外すことができる。この場合も、マガジン台106を回動させることによってマガジン21cのハンドル21dを上方に向けて、ユーザがマガジン21cを取り出しやすい状態にすることができる。
【0052】
[露光処理部3の説明]
露光処理部3は、図2に示すように、切断装置35と、露光ユニット36と、露光処理部搬送系(ローラ対38a,スライド搬送体38b)と、を備えている。
切断装置35は、アドバンスローラ220から送り出されてくる感光材料Pを所定の長さで切断してカットシートにする。
【0053】
露光ユニット36は、切断装置35で切断された感光材料Pを露光処理する。そして、露光ユニット36は、露光処理部搬送系38a,38bによって搬送される感光材料Pの乳剤面を露光する露光エンジン37を備えている。露光エンジン37は、レーザー光源(図示せず)や、レーザー光源からのレーザー光を露光ポイント(画像形成処理領域)Aにまで導く光学系(例えば、ポリゴンミラーやレンズ:図示しない)等を備えた、いわゆるレーザーエンジンが採用されている。
【0054】
露光処理部搬送系38a,38bは、各マガジン21a,21b,21cから供給される感光材料Pを下流側(現像処理部4)に搬送する。そして、露光処理部搬送系38a,38bは、露光処理部3内の搬送経路に対して随所に配置され、感光材料Pを圧着搬送(ローラ搬送)する複数のローラ対38a…と、感光材料Pを圧着(把持)可能に構成され、かつ、搬送経路に沿って往復動可能に構成されたスライド搬送体38bとを備えている。そして、ローラ対38aおよびスライド搬送体38bによって、本体ユニット10内で感光材料Pを搬送するための主たる搬送経路(主搬送経路という)TMを形成している。主搬送経路TMは、最上流のアドバンスローラ220から感光材料Pに対して画像を形成するための領域(露光ポイント)Aを経由して現像処理部4に導くように形成されている。
【0055】
[現像処理部4の説明]
現像処理部4は、図2に示すように、露光処理部3から送り込まれてくる感光材料Pを現像するためのものであって、現像処理液槽40と、現像処理部搬送系42と、を備えている。
現像処理液槽40は、現像処理液が貯留されており、複数の液槽40a,40b…が横並びに配置されることで構成されている。各液槽40a,40b…には、感光材料Pに対して現像処理、漂白処理、定着処理、安定処理を行うための現像処理液が貯留されている。即ち、各液槽40a,40b…には、上流側から順に現像液(CD)、漂白・定着液(BF)、安定液(STB)、洗浄液が貯留されている。
【0056】
現像処理部搬送系42は、現像処理液槽40内の現像処理液に対して感光材料Pを浸漬して引き上げる動作を繰り返すように、感光材料Pを搬送する。現像処理部搬送系42は、現像処理液槽40(各液槽40a,40b…)の現像処理液(現像液、漂白・定着液、安定液、洗浄液)中で感光材料Pを搬送する液中搬送系42aと、各液槽40a,40b…から引き上げられた感光材料Pを下流側に隣接する液槽40b…内に導きつつ搬送する外部搬送系42bとで構成されている。そして、各搬送系42a,42bのそれぞれは、複数のローラ対(採番しない)により構成されている。
【0057】
[乾燥処理部5の説明]
乾燥処理部5は、図2に示すように、乾燥処理部搬送系50と、乾燥装置51と、第1排出口60と、第2排出口65と、を備えている。
乾燥処理部搬送系50は、上流側の現像処理部4から送り込まれる感光材料Pを搬送する。乾燥処理部搬送系50は、現像処理部4から送り込まれてきた感光材料Pの搬送方向を変更しながら搬送し、感光材料Pに対する乾燥処理に必要な距離(実際には、乾燥処理に必要な時間)を担保するようになっている。
【0058】
乾燥装置51は、乾燥処理部搬送系50によって搬送されている感光材料Pを乾燥させる。
第1排出口60と、第2排出口65は、図1に示すように、乾燥処理した感光材料Pを本体ユニット10外に排出する。第1排出口60は、小判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する。第2排出口65は、大判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する。
【0059】
[仕分部6の説明]
仕分部6は、図1に示すように、第1排出口60から排出される写真プリントを搬送するコンベア61と、コンベア61で搬送されてくる写真プリントをオーダー毎に仕分ける仕分機構62と、を備えている。そして、仕分機構62は、コンベア61で搬送されてくる写真プリントを受けるための複数のトレー62a,62b…と、複数のトレー62a,62b…のうち、所定(空)のトレー62a,62b…をコンベア61から写真プリントを受け取り可能な位置に移動させるための駆動手段(図示しない)とで構成され、トレー62a,62b…の配置を適宜変更することで、写真プリントをオーダー毎にそれぞれのトレー62a,62b…に排出できるようになっている。
【0060】
[制御部7の説明]
制御部7は、図1に示すように、モニター70と、入力手段71と、読取手段72と、演算処理装置73と、を備えている。
モニター70は、各処理の処理状況や操作案内等を表示する。モニター70は、ブラウン管モニターあるいは液晶モニターを採用することができ、本実施形態においては、ブラウン管モニターが採用されている。
【0061】
入力手段71は、モニター70の表示に基づいて入力操作を行う。入力手段71には、キーボード71aとマウス71bとが採用されている。読取手段72は、露光処理部3で感光材料Pに露光処理を行うための画像データを読み取る。
読取手段72には、帯状のフィルムFに形成された複数の駒画像を読み取るフィルムスキャナ72a、CD−R/RWやメモリカード等の各種メディアからデータ(例えば、画像データ)を読み込むメディアドライブ72bが採用されている。
【0062】
読取手段72(フィルムスキャナ72a,メディアドライブ72b)は、演算処理装置73に電気的に接続され、演算処理装置73に読み取った各画像データを伝送するようになっている。
演算処理装置73は、画像編集等の各種処理や写真処理装置1全体の実質的な制御を行う。そして、演算処理装置73は、実質的な演算を行うCPU(図示せず)や、CPUに演算を実行させるためのソフトウェア等が記憶されるRAM(図示せず)、ROM(図示せず)等から構成されており、I/Oインターフェース(図示せず)を介して、読取手段72の他に、モニター70や入力手段71が電気的に接続されている。
【0063】
[写真処理装置1の特徴]
(1)
本実施形態の写真処理装置1は、図6に示すように、長尺の感光材料Pが巻回されたロールRを格納するための同一形状の複数のマガジン(第1〜第3マガジン21a〜21c)を装填し、感光材料Pに画像を記録する本体ユニット10に感光材料Pを供給するマガジンユニット11であって、マガジン台106と、第2ベース部103と、回動機構105と、を備えている。マガジン台106は、マガジン21cを載置する。第2ベース部103は、マガジン台106が取り付けられている。回動機構105は、第2ベース部103に対してマガジン台106を90度回動させる。そして、回動機構105によって第2ベース部103に対してマガジン台106を回動させて、常に同じ状態で載置されるマガジン21cの引出口202cの向きを変えている。
【0064】
これにより、ユーザは、マガジン21cの持ち運び等を容易にするハンドル21dを利用してマガジン台106に載置した後、マガジン台106を回動させることによってマガジン21cの引出口202cを本実施形態の写真処理装置における所定の装填方向に向けることを可能としている。
この結果、第3マガジン充填部20cに対して従来利用していたマガジン21cを装填する場合であっても、容易にマガジン21cを装填することが可能となる。
【0065】
さらに、全てのマガジン装填部20a〜20cにおいて、全てのマガジン21a〜21cを同じ向きで載置するようなマガジン装填部20a〜20cの構造は、ユーザにとってわかりやすい。
(2)
本実施形態の写真処理装置1では、マガジン21cが載置されたマガジン台106の略重心を中心にマガジン台106を回動させている。具体的には、マガジン台106とマガジン台106に載置されたマガジン21cとを、図11の回動軌跡が示すように、水平右方向に移動させながら反時計回りに回動させている。
【0066】
これにより、マガジン台106の回動軌跡が最小となるようにマガジン台106を回動させることを可能としている。
(3)
本実施形態の写真処理装置1では、マガジンガイド120が、マガジン21cの側面を係止することによって、横揺れを防止している。
【0067】
これにより、マガジン21cの横揺れ等を防止して、感光材料Pが良好な状態で供給されることを可能としている。
(4)
本実施形態の写真処理装置1では、図6に示すように、回動側ギア114、固定側ギア115、第3スライドレール116および第3ベース部117によってマガジン台106の回動機構105を形成している。具体的には、扇形形状をした外周面に歯形が形成された回動側ギア114と、直線上の部材に歯形が形成された固定側ギア115と、が係合することによって回動方向に移動させることを可能とし、固定側ギア115の配置方向に沿って配置されている第3スライドレール116によって、水平方向への移動を容易にしている。
【0068】
これにより、マガジン台106を第3ベース部117に対して回動させながら水平移動させることが可能となる。この結果、マガジン台106にマガジン21cを載置した状態から装填状態の方向に回動させたとき、マガジン台106の回動軌跡が最小となるようにマガジン台106を回動させることを可能としている。
(5)
本実施形態の写真処理装置1においては、回動側ギア114と固定側ギア115とが、図12(a)および図13に示すように、装填状態において約8度の遊びを有している。
【0069】
これにより、マガジン21cが載置されたマガジン台106を回動させて、マガジンガイド120におけるマガジン21cの側面部の係止を外すことを可能としている。
(6)
本実施形態の写真処理装置1においては、図10に示すように、ガススプリング119が、一方の端部が回動側ギア114に、他方の端部が第3ベース部117に取り付けられている。
【0070】
これにより、マガジン台106の回転時における衝撃を緩和することが可能となる。
(7)
本実施形態の写真処理装置1においては、マガジン台106が、回動機構105によって、図11に示すような軌跡図を描きながら回動可能となっている。
これにより、ユーザが、載置状態におけるマガジン21cの引出口202cの方向から90度回転させた向きに装填することを容易にしている。
【0071】
(8)
本実施形態の写真処理装置1においては、第1呼込ガイド121と第2呼込ガイド122とが係合することによって、マガジン台106の移動を防止している。
これにより、回動側ギア114と固定側ギア115とが係合していない状態、すなわち、マガジン台106は水平左右方向に移動可能な状態であっても、マガジン台106が移動することを防止している。
【0072】
(9)
本実施形態の写真処理装置1においては、マガジン装填部20cを90度回動させた時、マガジン21cの引出口202cとアドバンスローラ220とが近接して配置されるようになっている。これにより、マガジン21cの引出口202cとアドバンスローラ220との間における感光材料Pの搬送距離を短くし、感光材料Pの蛇行を防止することを可能としている。
【0073】
(10)
本実施形態の写真処理装置1においては、図6に示すように、取手123が、マガジン台106の一角に取り付けられている。これにより、ユーザは、取手123を掴むことによって、マガジン台106を容易に回動させることを可能としている。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0074】
(A)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジン台106が、第2スライドレール104を介して筐体部15に取り付けられている第2ベース部103に対して回動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、マガジン台は、筐体部に対して直接取り付けられていてもよいし、筐体部に直接取り付けられている部材に対して取り付けられていてもよい。
【0075】
(B)
上記実施形態の写真処理装置1では、回動機構105によって、マガジン21cの引出口202cの向きを水平右方向から鉛直下方向に変える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、鉛直上方向から水平右方向、鉛直上方向から鉛直下方向等にマガジンの引出口の向きを変えてもよい。
【0076】
(C)
上記実施形態の写真処理装置1では、第2ベース部103に対して回動するマガジン台106の角度が90度である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、180度や45度等、90度以外の角度であってもよい。
【0077】
(D)
上記実施形態の写真処理装置1では、回動側ギア114と固定側ギア115との係合を利用して、第2ベース部103に対してマガジン台106を回動させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ベアリング等による回動部材や回動部材と曲線状に配置されたスライドレールとの組み合わせ等の回動機構に、マガジン台を取り付けてもよい。
【0078】
(E)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジン台106が水平移動を行いながら回動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、一つの軸を中心にマガジン台を回動させてもよい。ただし、設置面積等を考慮して、マガジン台の回動軌跡が極力小さくなるようにマガジン台を回動させることが望ましい。
【0079】
(F)
上記実施形態の写真処理装置1では、回動側ギア114と固定側ギア115とが、図12(a)および図13に示すように、装填状態において約8度の遊びを有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊びの角度は5度であっても、10度であってもよく、マガジンが載置されたマガジン台を回動してマガジンガイドにおけるマガジンの係止を外せるだけの回動角度を有していればよい。
【0080】
(G)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジン台106に取り付けられた第2呼込ガイド122と、第2ベース部103に取り付けられた第1呼込ガイド121との係合によってマガジン台106の位置決めをする例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0081】
例えば、回動側部材に取り付けられた凸部と固定側部材に取り付けられた凸部との係合、あるいは、回動側部材に取り付けられた凸部と固定側部材に取り付けられた凹部との嵌合によってマガジン台を位置決めしてもよい。
(H)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジンユニット11に2つのマガジン装填部20b,20cが搭載された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
例えば、1つのマガジン装填部や3つ以上のマガジン装填部が搭載可能なマガジンユニットであってもよい。
(I)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部として、マガジンユニット11に、2つの供給口(搬送経路TL1専用の供給口209bと搬送経路TL2専用の供給口209c)が設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
マガジンユニットに設けられる供給口は、マガジン装填部の数だけ設けなくてもよく、例えば、マガジンユニット内で搬送経路を集約して1つの供給口を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、記録材料を格納する複数のマガジンを装填可能な記録材料供給装置において、そのマガジンの装填方向を容易に変えることが可能になるため、例えば、インクやトナーを用いて画像を形成するプリンタ等に備わる記録材料供給装置等へ広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録材料供給装置を含む写真処理装置の外観図。
【図2】図1の写真処理装置に含まれる本体ユニットおよびマガジンユニットの内部断面図。
【図3】図1の写真処理装置に含まれるマガジンユニットの外観図。
【図4】図3のマガジンユニットの内部斜視図。
【図5】図3のマガジンユニットに含まれるマガジン装填部を引き出した時の斜視図。
【図6】載置状態におけるマガジン装填部の正面斜視図。
【図7】装填状態におけるマガジン装填部の正面斜視図。
【図8】載置状態におけるマガジン装填部の正面斜視図。
【図9】装填状態におけるマガジン装填部の正面斜視図。
【図10】装填状態におけるマガジン装填部の背面斜視図。
【図11】マガジンが載置されたマガジン台の回動軌跡図。
【図12】(a),(b)はそれぞれ、装填状態における回動機構、載置状態における回動機構の状態を示した説明図。
【図13】図12の回動機構に含まれる回動側ギアと回転側ギアの遊びを示した説明図。
【符号の説明】
【0086】
1 写真処理装置(画像形成装置)
2 供給部(記録材料供給装置)
3 露光処理部
4 現像処理部
5 乾燥処理部
6 仕分部
7 制御部
10 本体ユニット(本体部)
11 マガジンユニット(記録材料供給装置)
12 制御ユニット
15 筐体部
16 前面扉
20a 第1マガジン装填部
20b 第2マガジン装填部
20c 第3マガジン装填部
21a マガジン
21b マガジン
21c マガジン
21d ハンドル
35 切断装置
36 露光ユニット
37 露光エンジン
38a ローラ対
38b スライド搬送体
40 現像処理液槽
40a,40b,・・ 液槽
42 現像処理部搬送系
42a 液中搬送系
42b 外部搬送系
50 乾燥処理部搬送系
51 乾燥装置
60 第1排出口
61 コンベア
62 仕分機構
62a,62b,・・ トレー
65 第2排出口
70 モニター
71 入力手段
71a キーボード
71b マウス
72 読取手段
72a フィルムスキャナ
72b メディアドライブ
73 演算処理装置
101 第1ベース部
102 第1スライドレール
103 第2ベース部(筐体部)
104 第2スライドレール(第2スライド部)
105 回動機構
106 マガジン台
114 回動側ギア
115 固定側ギア
116 第3スライドレール(第1スライド部)
117 第3ベース部
118 回動軸
119 ガススプリング(衝撃回避部材)
120 マガジンガイド
121 第1呼込ガイド(位置決め部材)
122 第2呼込ガイド(位置決め部材)
123 取手
201a,201b,201c 送出ローラ対
202a,202b,202c 引出口
204 第1ターンローラ
209b,209c 供給口
212 第2ターンローラ
220 アドバンスローラ(ローラ対)
P 感光材料(記録材料)
R ロール(記録材料ロール)
r コア
TL 搬送経路
TM 搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録材料が巻回された記録材料ロールを格納するためのマガジンを装填し、前記記録材料に画像を記録する本体部に前記記録材料を供給する記録材料供給装置であって、
前記マガジンを載置するためのマガジン台と、
前記マガジン台が取り付けられている筐体部と、
前記筐体部に対して前記マガジン台を所定方向に回動させる回動機構と、
を備えている記録材料供給装置。
【請求項2】
前記回動機構は、前記マガジン台に前記マガジンを載置した状態から前記所定方向に回動させた状態にする際に、前記マガジン台の回動軌跡が最小となるように前記マガジン台を回動させる、
請求項1に記載の記録材料供給装置。
【請求項3】
前記マガジンが載置された前記マガジン台を前記所定方向に回動した時、前記マガジンを係止するマガジンガイドをさらに備えている、
請求項1または2に記載の記録材料供給装置。
【請求項4】
前記回動機構は、
前記筐体部に取り付けられた固定側ギアと、
前記マガジン台に取り付けられており、前記固定側ギアと係合する回動側ギアと、
前記筐体部に対して前記マガジンを水平移動させる第1スライド部と、
を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項5】
前記マガジン台が前記所定方向に回動された状態において、前記回動側ギアが前記固定側ギアに係合するまでの遊び部が形成されている、
請求項4に記載の記録材料供給装置。
【請求項6】
前記マガジン台と前記回動機構とを連結する衝撃回避部材をさらに備えている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項7】
前記回動機構は、前記筐体部に対して前記マガジン台を90度回動させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項8】
前記マガジン台を前記所定方向に回動した時、前記マガジン台を固定するための位置決め部をさらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項9】
前記マガジンを前記マガジン台の回動軸方向に水平移動させる第2スライド部をさらに備えている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項10】
複数の前記マガジンから送り出されてくる前記記録材料を所定の送り長さで前記本体部に送り出す共通のローラ対をさらに備えており、
前記マガジンが載置された前記マガジン台を前記所定方向に回動させた時、前記マガジンの内部から前記記録材料を引き出すための引出口と前記ローラ対とが近接している、
請求項1から9のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項11】
前記マガジン台に配置されており、ユーザが掴むための取手をさらに備えている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の記録材料供給装置を備えている、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−213989(P2008−213989A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51345(P2007−51345)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】