説明

記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】複数のマガジンを有する場合であってもコンパクトなサイズに形成することが可能な記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の写真処理装置1は、複数のマガジン装填部20a,20b,20cと、アドバンスローラ220と、を備えている。そして、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにそれぞれマガジン21a,21b,21cを装填したとき、引出口202a,202b,202cが搬送経路を集約するアドバンスローラ220に近接するように、マガジン装填部20a,20b,20cが配置されている。また、マガジン装填部20a,20b,20cは、マガジン21a,21b,21cの引出口202a,202b,202cが、アドバンスローラ220に近接する方向に向いて装填されるような構造となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材料を供給する記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録材料に画像を形成する画像形成装置として、記録材料としての感光材料に対して露光・現像処理を施して画像を形成する写真処理装置や、記録材料に描画処理を施して画像を形成するプリンタ等が知られている。これらの画像形成装置には、長尺な記録材料が巻回されたロールを収容するための二つ以上のマガジンと、各マガジンから供給される記録材料に画像を形成する画像形成手段(写真処理装置においては露光ユニット、プリンタにおいてはプリンタヘッド)とを備えているものがある。
【0003】
このような画像形成装置においては、各マガジンからの記録材料を共通の画像形成手段で処理できるように、各マガジンから記録材料を引き出して、下流工程である画像形成処理部へ記録材料を供給することが可能な、共通の搬送手段(例えば、ローラ対を備えたローラユニット)を備えている。これにより、送り長さを調整しながら画像形成処理部へと記録材料を供給することができる。
【0004】
例えば、特許文献1においては、各マガジンは、記録材料が巻回されたロールを軸支状態で収納可能な複数のマガジンを備えており、ロールから巻きの解かれた記録材料を送り出す(圧着搬送する)一対の送出ローラと、装置本体側から駆動を受けて送出ローラに駆動を伝達する駆動伝達機構とを備えている。これにより、各マガジンは、送出ローラによる圧着搬送(送り出し)で記録材料を略一定速度で共通の搬送手段にまで供給できるようになっている。
【特許文献1】特許第3653651号(平成17年3月11日登録)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、記録材料を収容するためのマガジンを複数備えた画像形成装置においては、特許文献1における図1に示されるように、各マガジン36a〜36dの引出口から共通の搬送手段となるローラ対32までの距離が長くなってしまい、マガジンを格納するマガジンユニットのサイズが大きくなってしまう。このことは、ユーザにとってマガジンユニットを取り付ける際や移動をする際の負担も大きかった。
【0006】
本発明の課題は、複数のマガジンを有する場合であってもコンパクトなサイズに形成することが可能な記録材料供給装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る記録材料供給装置は、長尺の記録材料が巻回された記録材料ロールを格納するためのマガジンを装填し、記録材料に画像を記録する本体部に記録材料を供給する記録材料供給装置であって、複数のマガジン装填部と、搬送供給部と、を備えている。マガジン装填部は、マガジンが装填される。搬送供給部は、それぞれのマガジンから送り出されてくる記録材料を所定の送り長さで本体部に送り出し、それぞれのマガジンに対して共通に設けられている。そして、マガジンをマガジン装填部に装填した際に、マガジンの内部から記録材料を引き出すための引出口が搬送供給部に近接するように装填される。
【0008】
ここでは、複数のマガジンをそれぞれのマガジン装填部にセットした際に、それぞれのマガジンの引出口が搬送供給部に近接している。すなわち、マガジン装填部は、マガジンを装填した際にそれぞれのマガジンの引出口が搬送供給部に近接配置され、それぞれのマガジンの引出口が搬送供給部に近接するような向きにマガジンを装填する構造となっている。
【0009】
従来、マガジン装填部を複数備えた記録材料供給装置においては、マガジンから引き出した記録材料を共通の本体部へ供給するために、搬送供給部において各マガジンからの記録材料の搬送経路を集約して、送り量を調整しながら本体部に送り出している。ところが、このような記録材料供給装置においては、マガジンの引出口と搬送供給部との間の記録材料の搬送距離が一般的に長く、記録材料供給装置のサイズが大きくなってしまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の記録材料供給装置では、マガジンをマガジン装填部にセットした際に、マガジン内部から記録材料を引き出す引出口が、搬送経路を集約する搬送供給部に近接するようにマガジンを装填している。
これにより、マガジン装填部から引き出されて搬送供給部に至る記録材料の搬送経路を短くすることができる。
この結果、複数のマガジンを有する場合であってもコンパクトなサイズに記録材料供給装置を形成することが可能となる。
【0011】
第2の発明に係る記録材料供給装置は、第1の発明に係る記録材料供給装置であって、マガジン装填部は、3つ以上配置されている。
ここでは、3つ以上のマガジンをそれぞれのマガジン装填部にセットした際に、それぞれのマガジンの引出口が搬送供給部に近接している。
これにより、3つのマガジンを配置した場合であってもコンパクトなサイズに記録材料供給装置を形成することが可能となる。
【0012】
第3の発明に係る記録材料供給装置は、第1または第2の発明に係る記録材料供給装置であって、マガジン装填部は、搬送供給部を中心とする略円周方向に沿って配置されている。
ここでは、複数のマガジン装填部が、搬送供給部を中心とする円周方向に沿って配置されている。
【0013】
これにより、複数のマガジン装填部を配置する場合であっても、マガジン装填部にマガジンをセットした際に、マガジンの引出口を容易に搬送供給部に近接させることが可能となる。また、例えば、マガジンをマガジン装填部にセットした際に、それぞれのマガジンの引出口が搬送供給部の方向を向くような構造とすることで、さらに引出口と搬送供給部とを近接させることが可能となる。
【0014】
第4の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジンは、記録材料ロールを回転可能に支持するための支軸部と、支軸部に支持された記録材料ロールの回転によってねじり弾性が付与される弾性部材と、記録材料ロールが所定角度回動した際に、記録材料ロールを回り止めする回転角規制部と、を有している。
【0015】
ここでは、記録材料供給装置に装填するマガジンとして、記録材料の送り出し時に例えば、コイルばねに蓄積された付勢力によって、記録材料ロールを巻き取る方向に回転させることが可能なマガジンを使用している。すなわち、駆動手段によって支軸部を回転させなくとも所定量の記録材料を巻き戻すことができるマガジンを使用している。
ここで、マガジンには、記録材料ロールを軸支する軸支部を回転させることによってマガジンに格納された記録材料を供給、あるいは、記録材料を巻き戻しするタイプのものと、マガジンの引出口近傍に配置された送出ローラを回転させることによって、マガジンに格納された記録材料を供給、あるいは、記録材料を巻き戻しするタイプのものがある。後者のタイプの場合、送出ローラを送出方向とは反対方向に回転させて、記録材料をマガジン内に送り込むことによって、記録材料を巻き戻している。ところが、マガジン内の巻回された記録材料が弛んだ状態の場合には、記録材料がマガジン内部を占領するスペースが大きくなり、記録材料を送り込むスペースがなくなってしまう。このため、記録材料を収容するマガジンは、ある程度の余裕のある大きさのものを使用する必要があった。
【0016】
そこで、本発明の記録材料供給装置では、弾性材料に蓄積された付勢力によって記録材料ロールを巻き取る方向に回転させることが可能なマガジンを使用し、上流側の先端が固定された状態で記録材料ロールを巻き取り方向に回転させることによって、マガジン内部の弛みを無くすことを可能としている。このため、上述したような余裕スペースを確保する必要がなくなり、マガジン自体のサイズを小さくすることが可能となる。
この結果、マガジンを装填するマガジン装填部を小さくすることが可能となるので、記録材料供給装置のサイズをさらに小さくすることができる。
さらに、記録材料の巻き戻しを可能とするために引出口と搬送供給部との間に設けられる搬送機構を簡略化することも可能となる。
【0017】
第5の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、送出部をさらに備えている。送出部は、マガジン装填部にマガジンを装填時における引出口近傍に配置されており、記録材料を引き出して搬送供給部に送り出す。
ここでは、マガジンに格納された記録材料が、記録材料が支持された支軸部を送り出し方向に回転させることによって送り出されるのではなく、例えば、送出ローラによって引き出すことにより、搬送供給部に送り出している。また、記録材料を巻き戻す際も同様であって、送出ローラを送り出し方向とは反対側に回転させることによって、記録材料をマガジン内に送り込んでいる。言い換えれば、記録材料ロールを回転可能に支持するための支軸部は、駆動力を有しておらず、記録材料の送り出しおよび巻き戻しは、主に送出ローラによって行われている。
【0018】
このような記録材料供給装置においては、マガジン内の巻回された記録材料が弛むことが予想される。そこで、上述のバネの付勢力によって巻き戻すことが可能なマガジンを利用することは、送出部によってマガジン内に記録材料を送り込みが妨げられることを回避できる点で特に効果が大きい。
【0019】
第6の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、マガジン装填部のうち少なくとも1つは、本体部と離反可能な筐体部の内部に形成されている。
【0020】
ここでは、1つ以上のマガジン装填部を本体部から離反可能な筐体部の内部に形成した場合であっても、筐体部を本体部にセットし、マガジン装填部にマガジンを装填した際に、引出口と搬送供給部とが近接して配置される。
これにより、筐体部側の搬送経路も短くすることができるので、筐体部を小さなサイズで形成することが可能となる。この結果、マガジンが格納された筐体部の移動時や本体部に対する取り付け作業時におけるユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0021】
第7の発明に係る記録材料供給装置は、第6の発明に係る記録材料供給装置であって、筐体部は、搬送供給部に記録材料を供給するための複数の供給口をさらに備えている。
ここでは、筐体部内部に格納されたマガジンから記録材料を引き出して、搬送供給部に送り出すための供給口を複数備えている。すなわち、記録材料の搬送経路は、筐体部から送り出された後に搬送供給部で集約される。
これにより、筐体部内に複数のマガジン装填部が形成された場合であっても、記録材料を搬送供給部に送り出すことが可能となる。
【0022】
第8の発明に係る記録材料供給装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置であって、搬送供給部の下流側に配置されており、搬送供給部より送り出されてきた記録材料を所定の長さに切断する切断装置をさらに備えている。
ここでは、記録材料の搬送方向における上流側の先端が、切断装置によって切断される。
【0023】
これにより、上流側の先端がカットされた記録材料が巻き戻しされる場合であっても、マガジンまでの搬送距離が短いので、切断された記録材料を蛇行させることなく巻き戻すことが可能となる。
【0024】
第9の発明に係る画像形成装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る記録材料供給装置を備えている。
ここでは、画像形成装置が、前述の記録材料供給装置を備えている。
これにより、記録材料を供給する記録材料供給装置のサイズを小さくすることが可能となるので、画像形成装置全体のサイズも小さくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
第1の発明に係る記録材料供給装置によれば、複数のマガジンを有する場合であってもコンパクトなサイズに記録材料供給装置を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係る供給部(記録材料供給装置)2を含んで構成される写真処理装置(画像形成装置)1について、図1〜図6を用いて説明すれば以下の通りである。
[写真処理装置1の構成]
本発明の一実施形態に係る写真処理装置1は、図1および図2に示すように、供給部2と、露光処理部3と、現像処理部4と、乾燥処理部5と、仕分部6と、制御部7と、を備えている。供給部2は、感光材料(記録材料)Pを下流工程に供給する。露光処理部3は、画像データに基づいて感光材料Pを露光処理する。現像処理部4は、露光処理された感光材料Pを現像処理する。乾燥処理部5は、現像処理後の感光材料Pを乾燥処理する。仕分部6は、乾燥処理された感光材料Pを写真プリントとしてオーダー毎に仕分ける。制御部7は、写真処理装置1と電気的に接続されており、写真処理装置1全体の制御を行う。
【0027】
本実施形態の写真処理装置1は、第1マガジン装填部(マガジン装填部)20aを含む供給部2の一部、露光処理部3、現像処理部4、乾燥処理部5および仕分部6によって構成される本体ユニット(本体部)10と、2つのマガジン装填部(第2マガジン装填部20b,第3マガジン装填部20c)を含む供給部2の一部で構成されるマガジンユニット(筐体部)11と、制御部7の制御ユニット12とによって構成される。
【0028】
[供給部2の説明]
供給部2は、図2に示すように、露光処理部3へ感光材料Pを供給するために設けられており、後述するマガジン21a,21b,21cを装填するための3つのマガジン装填部(第1マガジン装填部20a,第2マガジン装填部20b,第3マガジン装填部20c)と、感光材料を送り出すための供給部搬送系(搬送経路TL1,TL2,TL3,TL4)を備えている。
【0029】
第1〜第3マガジン21a,21b,21cは、ロール(記録材料ロール)Rを軸支状態で収納できるよう箱状に形成されており、それぞれ第1〜第3マガジン装填部20a,20b,20cに装填された状態で、ロールRを軸心回りに回転させつつロールRから感光材料Pを長手方向に供給できるようになっている。
具体的に説明すると、第1〜第3マガジン21a,21b,21cは、図2に示すように、ロールRが外挿されているコアr(図6参照)を外挿可能に構成されており、コアrを介してロールRを軸支状態で収容できるようになっている。さらに、第1〜第3マガジン21a,21b,21cは、ロールRから巻きの解かれた感光材料Pを外部に送り出すための引出口202a,202b,202cが一角部に設けられている。また、引出口202a,202b,202cに対応して感光材料Pを圧着搬送する一対の送出ローラ対(送出部)201a,201b,201cが配設されている。これにより、第1〜第3マガジン21a,21b,21cに格納された感光材料Pは、送出ローラ対201a,201b,201cの圧着搬送によって、ロールRの巻きを解きつつ引出口から下流側に送り出す(供給する)ことができる。
【0030】
本実施形態の写真処理装置1においては、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにそれぞれマガジン21a,21b,21cを装填したとき、引出口202a,202b,202cが搬送経路を集約するアドバンスローラ(搬送供給部)220に近接するように、マガジン装填部20a,20b,20cが配置されている。また、マガジン装填部20a,20b,20cは、マガジン21a,21b,21cの引出口202a,202b,202cが、アドバンスローラ220に近接する方向に向いて装填されるような構造となっている。具体的には、第1マガジン装填部20aにおいては、第1マガジン20aを装填した際に第1マガジンの21aの引出口202aが鉛直上方向を向くような、第2マガジン装填部20bにおいては、第2マガジン20bを装填した際に第2マガジンの21bの引出口202bが水平右方向を向くような、第3マガジン装填部20cにおいては、第3マガジン20cを装填した際に第3マガジンの21cの引出口202cが鉛直下方向を向くような構造となっている。また、図2に示すように、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにそれぞれマガジン21a,21b,21cを装填したとき、引出口202a,202b,202cが、アドバンスローラ220を中心とする円周方向Bに沿って配置されるようになっている。これにより、全ての引出口202a,202b,202cをアドバンスローラ220に近接させることを可能としている。
【0031】
本実施形態の写真処理装置1においては、第1マガジン装填部20aは、本体ユニット10側に配置されている。また、第2および第3マガジン装填部20b,20cは、マガジンユニット11側に配置されている。ここで、マガジンユニット11は、本体ユニット10に対して、第2,第3マガジン21b,21cをオプションとして追加するためのものであって、本体ユニット10に対して接離可能に形成されている。
【0032】
(マガジンユニット11側の詳細)
ここでは、第2および第3マガジン装填部20b,20cが搭載されているマガジンユニット11の内部構造について説明する。
マガジンユニット11は、図2に示すように、第2および第3マガジン装填部20b,20cが、鉛直方向において並んで配置されている。第2マガジン装填部20bは、第2マガジン21bを装填した際に、第2マガジン21bの引出口202bが水平右方向を向くように配置されている。これにより、送出ローラ対201bは、第2マガジン21bに格納された感光材料Pを水平右方向に送り出すことができる。一方、第3マガジン装填部20cは、第3マガジン21cを装填した際に、第3マガジン21cの引出口202cが鉛直下方向を向くように配置されている。これにより、送出ローラ対201cは、第3マガジン21cに格納された感光材料Pを水平下方向に送り出すことができる。
【0033】
第2および第3マガジン装填部20b,20cは、2本1組のレール(図示せず)が設けられている。そして、第2および第3マガジン20b,20cを載置するためのベース(図示せず)がレールに対してスライド可能に設けられており、図面手前側に引き出し可能、かつ、着脱可能となっている。これにより、ユーザは、第2および第3マガジン20b,20cを容易に装填することができる。
【0034】
次に、第2および第3マガジン装填部20b,20cからアドバンスローラ220に至るまでの供給部搬送系(搬送経路TL1,TL2)について説明する。
最初に、マガジンユニット11内の下側に装填される第2マガジン21bと第2ターンローラ212とを結ぶ搬送経路TL1について、図3を用いて説明する。なお、図3は、マガジンユニット11側に配置された部材と、本体ユニット10側に配置された部材とを区別するために、マガジンユニット11側の部材を実線、本体ユニット10側の部材を破線で示している。
【0035】
搬送経路TL1は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する第1ターンローラ)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。
搬送経路TL1は、第2マガジン21bの引出口202bと隣接する一対の第1補助ガイド板205b,205bおよび供給口209bが設けられている。
第1補助ガイド板205b,205bは、所定の間隔をおいて鉛直上下方向に対向配置されており、感光材料Pの搬送方向において上流側の間隔が広がるようにテーパ部(採番せず)が形成されている。これにより、第1補助ガイド板205b,205b間の間隙で連続した直線状の経路が形成され、感光材料Pを搬送方向に案内することが可能となる。
【0036】
供給口209bは、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部であって、搬送経路TL1専用に設けられている。
なお、搬送経路TL1は、駆動系を一切備えておらず、送出ローラ対201bを回転駆動させることによって、第2マガジン21bから感光材料Pを引き出し、第1補助ガイド板205b,205b、供給口209bを介して第2ターンローラ212に送り出す。
【0037】
次に、マガジンユニット11内の上側に装填される第3マガジン21cと第2ターンローラ212とを結ぶ搬送経路TL2について、図3を用いて説明する。
搬送経路TL2は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述する第1,第2ターンローラ)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。
搬送経路TL2は、第1ターンローラ204と、一対の第2補助ガイド板205c,205cと、第3補助ガイド板206cと、供給口209cと、が設けられている。
【0038】
第2補助ガイド板205cは、第2マガジン21cの引出口202cと隣接して配置されている。そして、一対の第2補助ガイド板205c,205cは、所定の間隔をおいて水平左右方向に対向配置されており、感光材料Pの搬送方向において上流側の間隔が広がるようにテーパ部(採番せず)が形成されている。これにより、第2補助ガイド板205c,205c間の間隙で連続した直線状の経路が形成され、感光材料Pを搬送方向に案内することが可能となる。
【0039】
第3補助ガイド板206cは、感光材料Pを第1ターンローラ204から第2ターンローラ212までを最短経路で導く部材である。また、第3補助ガイド板206cは、第1ターンローラ204の外周面に沿って配置された部分(採番せず)が形成されている。これにより、第1ターンローラ204との間に圧着効果が生まれ、第1ターンローラ204の回転時における感光材料Pの搬送を確実なものとしている。
【0040】
供給口209cは、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部であって、搬送経路TL2専用に設けられている。
(本体ユニット10側の詳細)
ここでは、第1マガジン装填部20aを搭載している本体ユニット10側の供給部2について説明する。
【0041】
第1マガジン装填部20aは、写真処理装置1の標準装備として設けられており、本体ユニット10における露光処理部3の鉛直方向下側に配置されている。そして、第1マガジン装填部20aは、第1マガジン21aを装填した際に、第1マガジン21aの引出口202aが上を向くように配置されている。これにより、送出ローラ対201aは、第1マガジン21aに格納された感光材料Pを鉛直上方向に送り出すことができる。
【0042】
次に、第1マガジン装填部20aおよび第2ターンローラ212からアドバンスローラ220に至るまでの供給部搬送系(搬送経路TL3,TL4)について説明する。
最初に、第2ターンローラ212からアドバンスローラ220に至るまでの供給部搬送系(搬送経路TL3)について、図3を用いて説明する。より具体的には、上述の供給口209b,209cからアドバンスローラ220に至るまでの搬送経路であって、その搬送経路TL3は、一対の第4補助ガイド板210b,210bと、一対の第5補助ガイド板210c,210cと,第6補助ガイド板211と、第2ターンローラ212と、が設けられている。
【0043】
第4補助ガイド板210b,210bは、供給口209bと隣接して配置されている。そして、一対の第4補助ガイド板210b,210bは、所定の間隔をおいて鉛直上下方向に対向配置されており、感光材料Pの搬送方向において上流側の間隔が広がるようにテーパ部(採番せず)が形成されている。これにより、第4補助ガイド板210b,210b間の間隙で連続した直線状の経路が形成され、感光材料Pを第2ターンローラ212に案内することが可能となる。
【0044】
第5補助ガイド板210c,210cについても、第4補助ガイド板と同様に、第5補助ガイド板210c,210c間の間隙で連続した直線状の経路が形成され、第2ターンローラ212に案内することが可能となる。
第2ターンローラ212は、第4補助ガイド板210bおよび第5補助ガイド板210cから送り出されてくる感光材料Pの搬送経路を集約して、下流方向に送り出す。
【0045】
第6補助ガイド板211は、感光材料Pを第2ターンローラ212からアドバンスローラ220までを最短経路で導く部材である。また、第6補助ガイド板211は、第2ターンローラ212の外周面に沿って配置された部分(採番せず)が形成されている。これにより、第2ターンローラ212との間に圧着効果が生まれ、第2ターンローラ212の回転時における感光材料Pの搬送を確実なものとしている。
【0046】
次に、本体ユニット10に標準装備されている第1マガジン装填部20aとアドバンスローラ220とを結ぶ搬送経路TL4について、図3を用いて説明する。
搬送経路TL4は、感光材料Pを搬送する搬送距離が他の構成(例えば、後述するアドバンスローラ220)の配置を考慮した上で最短となるように形成されている。
搬送経路TL4は、第1マガジン21aの引出口202aと隣接する一対の第7補助ガイド板215a,215aが設けられている。
【0047】
第7補助ガイド板215a,215aは、所定の間隔をおいて水平左右方向に対向配置されており、感光材料Pの搬送方向において上流側の間隔が広がるようにテーパ部が形成されている。これにより、第7補助ガイド板215a,215a間の間隙で連続した直線状の経路が形成され、感光材料Pをアドバンスローラ220に案内することが可能となる。
【0048】
次に、アドバンスローラ220について説明する。
アドバンスローラ220は、第1〜第3マガジン21a,21b,21cから異なる経路(搬送経路TL1〜TL4)を経て供給される感光材料Pの搬送経路を集約して、露光処理部3内の主搬送経路TMに導くためのものである。
具体的には、アドバンスローラ220は、図3に示すように、回転駆動される駆動ローラ220aと、駆動ローラ220aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う圧着ローラ220b,220bと、フレーム220cと、ターンガイド220dと、を備えている。
【0049】
駆動ローラ220aは、本体ユニット10内に設けられた駆動源から駆動を受けて回転するようになっている。アドバンスローラ220は、感光材料Pを介して駆動ローラ220aに圧着ローラ220b,220bが圧接することで、感光材料Pを下流側に搬送できる(圧着搬送する)ようになっている。
また、2つの圧着ローラ220b,220bは、単一のフレーム220cに軸支されており、フレーム220cを駆動ローラ220aに対して接離させることで、2つの圧着ローラ220b、220bを駆動ローラ220aに対して同時に接離させ、感光材料Pに対する圧着とその解除とを切り換えることができるようになっている。
【0050】
ターンガイド220dは、圧着ローラ220b,220b間に感光材料Pを案内するために設けられている。これにより、駆動ローラ220aと上流側の圧着ローラ220bとによって圧着搬送される感光材料Pが、ターンガイド220dに案内されて駆動ローラ220aと下流側の圧着ローラ220bとの間に導かれる。この結果、各圧着ローラ220b,220bによって感光材料Pを案内して駆動ローラ220aに対する感光材料Pの巻き掛け(感光材料Pの搬送方向の変更)を確実にできるようになっている。
【0051】
そして、アドバンスローラ220は、感光材料Pを右方にある主搬送経路TM(最上流のローラ対38a)に向けて送り出す。
[露光処理部3の説明]
露光処理部3は、図2に示すように、切断装置35と、露光ユニット36と、露光処理部搬送系(ローラ対38a,スライド搬送体38b)と、を備えている。
【0052】
切断装置35は、アドバンスローラ220から送り出されてくる感光材料Pを所定の長さで切断してカットシートにする。
露光ユニット36は、切断装置35で切断された感光材料Pを露光処理する。そして、露光ユニット36は、露光処理部搬送系38a,38bによって搬送される感光材料Pの乳剤面を露光する露光エンジン37を備えている。露光エンジン37は、レーザー光源(図示せず)や、レーザー光源からのレーザー光を露光ポイント(画像形成処理領域)Aにまで導く光学系(例えば、ポリゴンミラーやレンズ:図示しない)等を備えた、いわゆるレーザーエンジンが採用されている。
【0053】
露光処理部搬送系38a,38bは、各マガジン21a,21b,21cから供給される感光材料Pを下流側(現像処理部4)に搬送する。そして、露光処理部搬送系38a,38bは、露光処理部3内の搬送経路に対して随所に配置され、感光材料Pを圧着搬送(ローラ搬送)する複数のローラ対38a…と、感光材料Pを圧着(把持)可能に構成され、かつ、搬送経路に沿って往復動可能に構成されたスライド搬送体38bとを備えている。そして、ローラ対38aおよびスライド搬送体38bによって、本体ユニット10内で感光材料Pを搬送するための主たる搬送経路(主搬送経路という)TMを形成している。主搬送経路TMは、最上流のアドバンスローラ220から感光材料Pに対して画像を形成するための領域(露光ポイント)Aを経由して現像処理部4に導くように形成されている。
【0054】
[現像処理部4の説明]
現像処理部4は、図2に示すように、露光処理部3から送り込まれてくる感光材料Pを現像するためのものであって、現像処理液槽40と、現像処理部搬送系42と、を備えている。
現像処理液槽40は、現像処理液が貯留されており、複数の液槽40a,40b…が横並びに配置されることで構成されている。各液槽40a,40b…には、感光材料Pに対して現像処理、漂白処理、定着処理、安定処理を行うための現像処理液が貯留されている。即ち、各液槽40a,40b…には、上流側から順に現像液(CD)、漂白・定着液(BF)、安定液(STB)、洗浄液が貯留されている。
【0055】
現像処理部搬送系42は、現像処理液槽40内の現像処理液に対して感光材料Pを浸漬して引き上げる動作を繰り返すように、感光材料Pを搬送する。現像処理部搬送系42は、現像処理液槽40(各液槽40a,40b…)の現像処理液(現像液、漂白・定着液、安定液、洗浄液)中で感光材料Pを搬送する液中搬送系42aと、各液槽40a,40b…から引き上げられた感光材料Pを下流側に隣接する液槽40b…内に導きつつ搬送する外部搬送系42bとで構成されている。そして、各搬送系42a,42bのそれぞれは、複数のローラ対(採番しない)により構成されている。
【0056】
[乾燥処理部5の説明]
乾燥処理部5は、図2に示すように、乾燥処理部搬送系50と、乾燥装置51と、第1排出口60と、第2排出口65と、を備えている。
乾燥処理部搬送系50は、上流側の現像処理部4から送り込まれる感光材料Pを搬送する。乾燥処理部搬送系50は、現像処理部4から送り込まれてきた感光材料Pの搬送方向を変更しながら搬送し、感光材料Pに対する乾燥処理に必要な距離(実際には、乾燥処理に必要な時間)を担保するようになっている。
【0057】
乾燥装置51は、乾燥処理部搬送系50によって搬送されている感光材料Pを乾燥させる。
第1排出口60と、第2排出口65は、図1に示すように、乾燥処理した感光材料Pを本体ユニット10外に排出する。第1排出口60は、小判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する。第2排出口65は、大判サイズの感光材料P(写真プリント)を排出する。
【0058】
[仕分部6の説明]
仕分部6は、図1に示すように、第1排出口60から排出される写真プリントを搬送するコンベア61と、コンベア61で搬送されてくる写真プリントをオーダー毎に仕分ける仕分機構62と、を備えている。そして、仕分機構62は、コンベア61で搬送されてくる写真プリントを受けるための複数のトレー62a,62b…と、複数のトレー62a,62b…のうち、所定(空)のトレー62a,62b…をコンベア61から写真プリントを受け取り可能な位置に移動させるための駆動手段(図示しない)とで構成され、トレー62a,62b…の配置を適宜変更することで、写真プリントをオーダー毎にそれぞれのトレー62a,62b…に排出できるようになっている。
【0059】
[制御部7の説明]
制御部7は、図1に示すように、モニター70と、入力手段71と、読取手段72と、演算処理装置73と、を備えている。
モニター70は、各処理の処理状況や操作案内等を表示する。モニター70は、ブラウン管モニターあるいは液晶モニターを採用することができ、本実施形態においては、ブラウン管モニターが採用されている。
【0060】
入力手段71は、モニター70の表示に基づいて入力操作を行う。入力手段71には、キーボード71aとマウス71bとが採用されている。読取手段72は、露光処理部3で感光材料Pに露光処理を行うための画像データを読み取る。
読取手段72には、帯状のフィルムFに形成された複数の駒画像を読み取るフィルムスキャナ72a、CD−R/RWやメモリカード等の各種メディアからデータ(例えば、画像データ)を読み込むメディアドライブ72bが採用されている。
【0061】
読取手段72(フィルムスキャナ72a,メディアドライブ72b)は、演算処理装置73に電気的に接続され、演算処理装置73に読み取った各画像データを伝送するようになっている。
演算処理装置73は、画像編集等の各種処理や写真処理装置1全体の実質的な制御を行う。そして、演算処理装置73は、実質的な演算を行うCPU(図示せず)や、CPUに演算を実行させるためのソフトウェア等が記憶されるRAM(図示せず)、ROM(図示せず)等から構成されており、I/Oインターフェース(図示せず)を介して、読取手段72の他に、モニター70や入力手段71が電気的に接続されている。
【0062】
[マガジン21a,21b,21cの詳細構成等]
次に、マガジン21a,21b,21cの詳細構成について説明する。なお、本実施形態に用いる感光材料Pの送り出し時にねじりコイルばね(弾性部材)306,307(図5参照)に蓄積された付勢力によって、ロールRを巻き取る方向に回転させることが可能なマガジン21a,21b,21cについては、特許公報(特許第2803612号)文献に開示されているので、ここではその構成と動作について簡単に説明する。
【0063】
マガジン21a,21b,21cの内部には、ロールRを着脱可能に支持するロール支持軸(支軸部)300が設けられている。
このロール支持軸300は、図5および図6に示すように、芯軸301と、芯軸301上に配置された一対の端部筒302と、その端部筒302間に配置された筒状の巻芯303と、を有している。
【0064】
端部筒302は、芯軸301に対して回り止めされ、外周は多角形に形成されている。また、各端部筒302の外端には、フランジ304が設けられている。
巻芯303は、芯軸301に取付けた一対の軸受305により回転可能に支持されている。巻芯303の外径は、端部筒302の外径より大径とされ、その巻芯303上にロールRが着脱自在に取付けられる。
【0065】
ここで、ロールRは、図6に示すように、コアrを有しており、巻芯303に対するロールRの取付けによって、コアrの内周面は巻芯303の外周面と接触している。そして、ロールRが感光材料Pの引き出しによって回転すると、巻芯303が接触により回転する。そして、巻芯303が回り止めされると、ロールRと巻芯303の接触部においてすべりが生じるようになっている。
【0066】
芯軸301には、各端部筒302の内側に位置する部分に一対のねじりコイルばね306,307が支持されている。各ねじりコイルばね306,307の一端は、端部筒302の内周に設けられているばね受け308と係合し、他端は巻芯303の両端面に設けたピン309に係合している。
一対のねじりコイルばね306,307のうち、一方は、巻芯303が一方向に回転することにより巻締められてねじり弾性が付与され、他方は、巻芯303が他方向に回転することにより巻締められてねじり弾性が付与される。
【0067】
巻芯303は、回転角規制機構(回転角規制部)310により、正逆いずれの方向にも所定角度回転すると回り止めされる。
回転角規制機構310は、図5および図6に示すように、ストッパピン311と、ストッパリング312と、ストッパ面313とを含んで構成されている。ストッパピン311は、巻芯303の内面に形成されている。ストッパリング312は、ストッパピン311と対向する位置における芯軸301に形成されている。そして、ストッパリング312の外周面には、2つのストッパ面313が形成されている。回転角規制機構310は、ストッパ面313に対するストッパピン311の当接によって、巻芯303を正逆方向に所定角度回動した位置で回り止めしている。
【0068】
ここで、ロール支持軸300の巻芯303上にロールRを挿入して巻芯303上にロールRを取付け、送出ローラ201a,201b,201cを送出方向に回転させて送ると、ロールRが回転する。ロールRのコアrと巻芯303とは摩擦接触しているため、ロールRの回転により、巻芯303が接触回転し、一対のねじりコイルばね306,307の一方が巻締められてねじり弾性が付与される。
【0069】
巻芯303が、所定角度回転すると、ストッパピン311がストッパ面313に当接して巻芯303は回り止めされ、それよりさらに感光材料Pが引き出されると、ロールRのコアrと巻芯303との接触部において滑りが生じてロールRのみが回転する。このため、ねじりコイルばね306,307の一方は、ねじり弾性が付与された状態に保持される。そして、例えば、切断装置3(図1参照)を駆動して感光材料Pを切断し、アドバンスローラ220および送出ローラ201a,201b,201cを逆回転させて感光材料Pを逆送りすると、ねじりコイルばね306,307の一方のねじり弾性により、巻芯303と共にロールRが巻取り方向に回転する。これにより、所定の長さ、すなわち、コイルばねに付勢されたねじり弾性力の範囲でマガジン21a,21b,21cの外部に引き出された感光材料Pは、ロールRに巻取ることが可能となる。この結果、マガジン21a,21b,21cのロールRの弛みを防止できるので、ロールRの弛みによって送出ローラ201a,201b,201cによるマガジン21a,21b,21c内への感光材料Pの送り込みが阻害されることを回避することができる。また、ロールRの弛みを考慮して余裕スペースを設ける必要がなくなるので、マガジン21a,21b,21cのサイズを小さくすることが可能となる。
【0070】
[写真処理装置1の特徴]
(1)
本実施形態の写真処理装置1は、図2に示すように、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにそれぞれマガジン21a,21b,21cを装填したとき、引出口202a,202b,202cが搬送経路を集約するアドバンスローラ220に近接するように、マガジン装填部20a,20b,20cが配置されている。また、マガジン装填部20a,20b,20cは、マガジン21a,21b,21cの引出口202a,202b,202cが、アドバンスローラ220に近接する方向に向いて装填されるような構造となっている。
【0071】
これにより、マガジン装填部20a,20b,20cからアドバンスローラ220に至る感光材料Pの搬送経路を短くすることができる。
この結果、複数のマガジン21a,21b,21cを装填できるような複数のマガジン装填部20a,20b,20cを有するタイプの供給部2をコンパクトなサイズに形成することができる。また、写真処理装置1全体の大きさを小さくすることが可能となる。
【0072】
(2)
本実施形態の写真処理装置1では、3つマガジン装填部(第1〜第3マガジン装填部20a,20b,20c)を備えている。
3つのマガジン装填部20a,20b,20cを配置した場合であってもコンパクトなサイズに供給部2および写真処理装置1を形成することを可能としている。
【0073】
(3)
本実施形態の写真処理装置1では、図2に示すように、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにそれぞれマガジン21a,21b,21cを装填したとき、引出口202a,202b,202cが、アドバンスローラ220を中心とする円周方向Bに沿って配置されるような構造となっている。
【0074】
これにより、全ての引出口202a,202b,202cをアドバンスローラ220に近接させることを可能としている。
(4)
本実施形態の写真処理装置1では、感光材料Pの送り出し時にねじりコイルばね306,307に蓄積された付勢力によって、ロールRを巻き取る方向に回転させることが可能なマガジン21a,21b,21cを使用している。
【0075】
これにより、送出ローラ201a,201b,201cによるマガジン21a,21b,21c内への感光材料Pの送り込みが、マガジン21a,21b,21cに格納されたロールRの弛みによって阻害されることを回避することができる。この結果、ロールRの弛みを考慮して余裕スペースを設ける必要がなくなるので、マガジン21a,21b,21cのサイズをさらに小さくすることを可能としている。
【0076】
(5)
本実施形態の写真処理装置1では、感光材料Pを回転可能に軸支するロール支持軸300が駆動力を有していない。すなわち、マガジン21a,21b,21cに格納された感光材料Pは、ロール支持軸300を回転させることによって送り出されるのではなく、送出ローラ201a,201b、201cによってアドバンスローラ220に送り出している。また、感光材料Pを巻き戻す際も同様であって、送出ローラ201a,201b、201cを送り出し方向とは反対側に回転させることによって、感光材料Pをマガジン21a,21b,21c内に送り込んでいる。
【0077】
このような写真処理装置1においては、マガジン21a,21b,21c内の巻回された感光材料Pが弛むことが予想されるが、上述したとおりねじりコイルばね306,307の付勢力によって巻き戻すことが可能なマガジン21a,21b,21cを利用することで、その弛みを防止することができる。
(6)
本実施形態の写真処理装置1では、第2および第3マガジン装填部20b,20cが、本体ユニット10に対して接離可能なマガジンユニット11として形成されている。
【0078】
これにより、マガジンユニット11側の搬送経路も短くすることができるので、マガジンユニット11を小さなサイズで形成することを可能としている。
(7)
本実施形態の写真処理装置1では、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部として、搬送経路TL1、TL2のそれぞれに供給口209b,209cが形成されている。
【0079】
これにより、マガジンユニット11に複数のマガジン装填部20b,20cが形成された場合であっても、感光材料Pをアドバンスローラ220に送り出すことを可能としている。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0080】
(A)
上記実施形態の写真処理装置1では、3つのマガジン装填部20a,20b,20cとアドバンスローラ220との距離の総和が最短となるように、マガジン装填部20a,20b,20cを配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0081】
例えば、マガジン装填部は、2つ配置してもよいし、4つ以上配置してもよい。この場合も、それぞれのマガジン装填部とアドバンスローラとの距離の総和が最短となるように配置すれば、上記の実施形態に係る写真処理装置1と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態の写真処理装置1では、本体ユニット10に対して別体のマガジンユニット11を接続することで、3つのマガジン21a,21b,21cを装填できるようにした例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
例えば、マガジンユニット11を本体ユニット10と一体的に構成し、第2および第3マガジン装填部20b,20cについても標準の装備としたものであってもよい。
(C)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジンユニット11に2つのマガジン装填部20b,20cが搭載された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
例えば、1つのマガジン装填部や3つ以上のマガジン装填部が搭載可能なマガジンユニットであってもよい。
(D)
上記実施形態の写真処理装置1では、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにマガジン21a,21b,21cを装填した際の引出口202a,202b,202cの向きが、それぞれ、鉛直上方向、水平右方向、鉛直下方向となる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
マガジン装填部にマガジンを装填した際の引出口の向きは、アドバンスローラまでの中継装置の配置状態やマガジン装填部の個数に応じて変えてもよく、アドバンスローラに近接する状態に配置できればその方向を問うものではない。
また、本実施形態の写真処理装置1においては、それぞれのマガジン装填部20a,20b,20cにマガジン21a,21b,21cを装填した際の引出口202a,202b,202cの位置が、略円周方向に沿って配置された例を示したが、これに限定しなくても、アドバンスローラに近接するような配置方法であればよい。
【0085】
(E)
上記実施形態の写真処理装置1では、感光材料Pの送り出し時にバネに蓄積された付勢力によって、ロールRを巻き取る方向に回転させることが可能マガジン21a,21b,21cを使用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
上述の機能を備えたマガジンをマガジン装填部に装填しなくても、供給部のサイズを小さくできるという上記の実施形態に係る写真処理装置1と同様の効果を得ることができる。
(F)
上記実施形態の写真処理装置1では、マガジンユニット11から本体ユニット10へ感光材料Pを受け渡すための開口部として、マガジンユニット11に、2つの供給口(搬送経路TL1専用の供給口209bと搬送経路TL2専用の供給口209c)が設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
マガジンユニットに設けられる供給口は、マガジン装填部の数だけ設けなくてもよく、例えば、マガジンユニット内で搬送経路を集約して1つの供給口を設けてもよい。
(G)
上記実施形態の写真処理装置1では、アドバンスローラ220として、駆動ローラ220aと、駆動ローラ220aに対して接離可能に構成され、感光材料Pに対する圧着とその解除を行う圧着ローラ220b,220bと、フレーム220cと、ターンガイド220dとで構成されるローラユニットを採用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
例えば、ローラとこれに圧接する無端ベルトとで感光材料を圧着搬送するように構成されたものや、互いに圧接する無端ベルトで感光材料を圧着搬送するように構成されたものであってもよい。また、アドバンスローラは、感光材料の搬送方向を変更するものに限定されず、受け入れた感光材料を下流側に圧着搬送するだけの構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、記録材料を格納する複数のマガジンを装填可能な記録材料供給装置において、そのサイズを小さくすることが可能になるため、例えば、インクやトナーを用いて画像を形成するプリンタ等に備わる記録材料供給装置等へ広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る供給部を含む写真処理装置の外観図。
【図2】図1の写真処理装置に含まれる本体ユニットおよびマガジンユニットの内部断面図。
【図3】図2に含まれる供給部の拡大断面図。
【図4】図1のマガジン装填部に装填されるマガジンの断面図。
【図5】図4のロール支持軸の内部構造図。
【図6】図4のロール支持軸の軸心方向における断面図。
【符号の説明】
【0091】
1 写真処理装置(画像形成装置)
2 供給部(記録材料供給装置)
3 露光処理部
4 現像処理部
5 乾燥処理部
6 仕分部
7 制御部
10 本体ユニット(本体部)
11 マガジンユニット(筐体部)
12 制御ユニット
20a 第1マガジン装填部(マガジン装填部)
20b 第2マガジン装填部(マガジン装填部)
20c 第3マガジン装填部(マガジン装填部)
21a 第1マガジン(マガジン)
21b 第2マガジン(マガジン)
21c 第3マガジン(マガジン)
35 切断装置
36 露光ユニット
37 露光エンジン
38a ローラ対
38b スライド搬送体
40 現像処理液槽
40a,40b,・・ 液槽
42 現像処理部搬送系
42a 液中搬送系
42b 外部搬送系
50 乾燥処理部搬送系
51 乾燥装置
60 第1排出口
61 コンベア
62 仕分機構
62a,62b,・・ トレー
65 第2排出口
70 モニター
71 入力手段
71a キーボード
71b マウス
72 読取手段
72a フィルムスキャナ
72b メディアドライブ
73 演算処理装置
201a,201b,201c 送出ローラ対(送出部)
202a,202b,202c 引出口
204 第1ターンローラ
205b 第1補助ガイド板
205c 第2補助ガイド板
206c 第3補助ガイド板
209b,209c 供給口
210b 第4補助ガイド板
210c 第5補助ガイド板
211 第6補助ガイド板
212 第2ターンローラ
215a 第7補助ガイド板
220 アドバンスローラ(搬送供給部)
220a 駆動ローラ
220b 圧着ローラ
220c フレーム
220d ターンガイド
300 ロール支持軸(支軸部)
301 芯軸
302 端部筒
303 巻芯
304 フランジ
306,307 コイルばね(弾性部材)
308 ばね受け
310 回転角規制機構(回転角規制部)
311 ストッパピン
312 ストッパリング
313 ストッパ面
P 感光材料(記録材料)
R ロール(記録材料ロール)
r コア
TL 搬送経路
TM 搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録材料が巻回された記録材料ロールを格納するためのマガジンを装填し、前記記録材料に画像を記録する本体部に前記記録材料を供給する記録材料供給装置であって、
前記マガジンを装填するための複数のマガジン装填部と、
それぞれの前記マガジンから送り出されてくる前記記録材料を所定の送り長さで前記本体部に送り出す共通の搬送供給部と、
を備えており、
前記マガジンを前記マガジン装填部に装填した際に、前記マガジンの内部から前記記録材料を引き出すための引出口が前記搬送供給部に近接するように装填される記録材料供給装置。
【請求項2】
前記マガジン装填部は、3つ以上配置されている、
請求項1に記載の記録材料供給装置。
【請求項3】
前記マガジン装填部は、前記搬送供給部を中心とする略円周方向に沿って配置されている、
請求項1または2に記載の記録材料供給装置。
【請求項4】
前記マガジンは、
前記記録材料ロールを回転可能に支持するための支軸部と、
前記支軸部に支持された前記記録材料ロールの回転によってねじり弾性が付与される弾性部材と、
前記記録材料ロールが所定角度回動した際に、前記記録材料ロールを回り止めする回転角規制部と、
を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項5】
前記マガジン装填部に前記マガジンを装填時における前記引出口近傍に配置されており、前記記録材料を引き出して前記搬送供給部に送り出す送出部をさらに備えている、請求項1から4に記載の記録材料供給装置。
【請求項6】
前記マガジン装填部のうち少なくとも1つは、前記本体部と離反可能な筐体部の内部に形成されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項7】
前記筐体部は、前記搬送供給部に前記記録材料を供給するための複数の供給口をさらに備えている、
請求項6に記載の記録材料供給装置。
【請求項8】
前記搬送供給部の下流側に配置されており、前記搬送供給部より送り出されてきた前記記録材料を所定の長さに切断する切断装置をさらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の記録材料供給装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の記録材料供給装置を備えている、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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