説明

記録装置、情報処理システム、サーバ装置および情報処理方法

【課題】最適な時期に記録媒体の故障予測をする。
【解決手段】被記録媒体155と、被記録媒体155の総通電時間と、被記録媒体155の初電源投入時刻とを記録する記録部151と、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部152と、 判断部による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部153と、を備える記録装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、情報処理システム、サーバ装置および情報処理方法に関し、特に、被記録媒体の故障を予測することが可能な記録装置、情報処理システム、サーバ装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオテープ、光ディスク、ハードディスク、メモリカードといった種々の記録媒体にデータを保存するビデオカメラが普及されている。特に、ビデオカメラにハードディスク(以下、HDD(Hard Disk Drive)と称する。)を搭載することにより、撮影された映像を長時間記録することが可能となった。HDDが搭載されていることにより、頻繁に記録メディアを交換する必要がなくなりユーザの利便性が増した。しかし、HDDに故障が発生した場合には、保存された大量のデータが壊されて貴重な情報を損失することもある。
【0003】
そこで、保存された貴重なデータが失われるのを防ぐため、SMART(Self−Monotoring,Analysis and Reporting Technology)という自己監視、障害予測機能がATA(AT Attachment)仕様に準拠したHDDに備えられている。SMART機能により、障害を予測したり、HDDの動作時間や通電時間などの使用状況を監視したりすることができる。また、当該SMART機能を利用して、障害の原因を推定する発明が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところで、HDDはヘッドやディスクなどの機械的な駆動部分を複数含むため、HDDが搭載されたビデオカメラ等の使用をしていなくても、当該部分の消耗が進んでしまう。例えば、HDDに初めて電源が投入されてから数年ぶりにHDDが搭載されたビデオカメラを使用しようとした場合に、HDDが故障して撮影することができない、という事態に陥る可能性がある。そのような事態を回避する方法として、上記したSMARTデータの一つである総通電時間を利用して故障を予測することが考えられる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−342168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、総通電時間だけでなく、初めて電源が投入された時刻からの経過時間も考慮しなければ、適切な故障予測をすることができないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、最適な時期に記録媒体の故障予測をすることが可能な、新規かつ改良された記録装置、情報処理システム、サーバ装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被記録媒体と、被記録媒体の総通電時間と、被記録媒体の初電源投入時刻とを記録する記録部と、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、を備える記録装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、記録装置に備わる被記録媒体の総通電時間と初電源投入時刻とを記録して、総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻から所定時間が経過しているかを判断することにより、被記録媒体の寿命が近いか否かを通知することができる。これにより、総通電時間のみならず、初電源投入時刻も用いて被記録媒体の寿命を判断して、記録媒体に初めて電源が投入してから、記録装置をほとんど使用していない場合でも記録媒体の寿命が近づいていることをユーザに通知して被記録媒体の点検等を促すことが可能となる。
【0009】
また、基準時間は被記録媒体における通電時間の上限時間より短く、初電源投入時刻からの所定時間は被記録媒体における上限経過時間より短い時間であってもよい。
【0010】
また、上記判断部は、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かのいずれか一方の判断を行ってもよい。また、上記判断部は、総通電時間が基準時間を越えていないと判断した場合に、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かの判断を行ってもよい。上記通知部は、判断部により総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻からの所定時間が経過していると判断された場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をするようにしてもよい。
【0011】
また、上記記録部は、総通電時間を被記録媒体に記録し、初電源投入時刻を記録装置に備わる不揮発性メモリに記録してもよい。上記記録部は、記録装置に被記録媒体に電源が投入されたときを被記録媒体の初電源投入時刻とし、被記録媒体の識別情報と初電源投入時刻とを関連付けて記録してもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、1または2以上の被記録媒体を備えた記録装置とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、記録装置は、被記録媒体の総通電時間を記録する記録部と、総通電時間が基準時間を超えているか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、を備え、サーバ装置は、記録装置ごとの識別情報と、記録装置に備えられた被記録媒体の識別情報と、被記録媒体の初電源投入時刻と、を関連付けて記録する記録部と、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、判断部により判断された判断結果を記録装置に送信する送信部と、を備え、記録装置に備わる判断部は、総通電時間が基準時間を越えていると判断されるか、初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、情報処理システムが提供される。
【0013】
かかる構成によれば、サーバ装置に1または2以上の記録装置が接続され、各記録装置は、記録装置に備わる被記録媒体の総通電時間が基準時間を越えているか否かを判断する。サーバ装置は、各記録装置に備わる被記録媒体の識別情報と被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録して、初電源投入時刻から所定時間が経過している否かを判断する。そして、サーバ装置により判断した結果が記録装置に送信され、記録装置は、総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻から所定時間が経過している場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする。
【0014】
これにより、記録装置の被記録媒体に初めて電源が投入されてから、記録装置をほとんど使用していない場合でも、被記録媒体の寿命が近づいていることをユーザに通知することが可能となる。これにより、ユーザが初電源投入時刻から数年経って、久々に記録装置を起動したときに記録媒体が故障していて撮影機会を損失するという事態を回避することができる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、サーバ装置とネットワークを介して接続され、被記録媒体と、被記録媒体の総通電時間を記録する記録部と、サーバ装置から被記録媒体の初電源投入時刻を受信する受信部と、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、を備える記録装置が提供される。また、基準時間は被記録媒体における通電時間の上限時間より短く、初電源投入時刻からの所定時間は被記録媒体における上限経過時間より短い時間であってもよい。
【0016】
また、上記判断部は、総通電時間が基準時間を越えていないと判断した場合に、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かの判断を行ってもよい。上記通知部は、判断部により総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻からの所定時間が経過していると判断された場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をするようにしてもよい。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被記録媒体を備えた記録装置とネットワークを介して接続され、記録装置の識別情報と、被記録媒体の識別情報と、被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録する記録部と、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、判断部により判断された判断結果を記録装置に送信する送信部と、を備え、記録装置は、記録装置は被記録媒体の総通電時間が基準時間を越えているか、送信部により送信された判断結果により総通電時間が基準時間を越えていると判断された場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、サーバ装置が提供される。上記判断部により初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、記録装置に備わる被記録媒体の寿命が近い旨を記録装置に通知する通知部を備えてもよい。
【0018】
また、上記通知部は、判断部により初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、記録装置に備わる被記録媒体の寿命が近い旨を記録装置とは別体の装置に通知してもよい。かかる構成によれば、サーバ装置は記録装置とは別体のユーザ端末に記録装置の記録媒体の寿命が近づいていることを通知して、記録装置にまったく電源が投入されない場合でも、ユーザに記録媒体の点検の必要性を通知することが可能となる。これにより、ユーザが初電源投入時刻から数年経って、久々に記録装置を起動したときに記録媒体が故障していて撮影機会を損失するという事態を回避することができる。また、上記通知部は、判断部により初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、判断部による判断結果を所定の時間間隔で通知してもよい。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被記録媒体を備える記録装置が、被記録媒体の総通電時間と、被記録媒体の初電源投入時刻とを記録するステップと、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断するステップと、判断による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知するステップと、を含む情報処理方法が提供される。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、1または2以上の被記録媒体を備えた記録装置とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、記録装置が、被記録媒体の総通電時間を記録するステップと、総通電時間が基準時間を超えているか否かを判断するステップと、判断による判断結果に応じて被記録媒体の寿命が近いか否かを通知するステップと、を含み、サーバ装置が、記録装置ごとの識別情報と、記録装置に備えられた被記録媒体の識別情報と、被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録するステップと、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断するステップと、判断による判断結果を記録装置に送信するステップと、を含み、記録装置が、総通電時間が基準時間を越えていると判断されるか、初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をすることを特徴とする、情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、最適な時期に記録媒体の故障予測をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
【0023】
まず、本発明の実施形態の目的について説明する。近年、ビデオテープ、光ディスク、ハードディスク 、メモリカードといった種々の記録媒体にデータを保存するビデオカメラが普及されている。特に、ビデオカメラにハードディスク(以下、HDD(Hard Disk Drive)と称する。)を搭載することにより、撮影された映像を長時間記録することが可能となった。HDDが搭載されていることにより、頻繁に記録メディアを交換する必要がなくなりユーザの利便性が増した。しかし、HDDに故障が発生した場合には、保存された大量のデータが失われてしまう。
【0024】
HDDはヘッドやディスクなどの機械的な駆動部分を複数含むため、HDDが搭載されたビデオカメラ等の使用をしていなくても、当該部分の消耗が進んでしまう。例えば、HDDに初めて電源が投入されてから数年ぶりにHDDが搭載されたビデオカメラで撮影しようとした場合に、HDDが故障して撮影することができない、という事態に陥る可能性がある。そのような事態を回避するため、SMART(Self−Monotoring,Analysis and Reporting Technology)という自己監視、障害予測機能ATA(AT Attachment)仕様に準拠したHDDに備えられ、SMARTデータの一つである総通電時間を利用して故障を予測することが考えられる。しかし、総通電時間だけでなく、初めて電源が投入された時刻からの経過時間も考慮しなければ、適切な故障予測をすることができない。
【0025】
そこで、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかる記録装置10が創作されるに至った。本実施形態にかかる記録装置10によれば、総通電時間だけでなく、初電源投入時刻からの経過時間も考慮して故障予測をすることが可能となる。以下、このような記録装置10の構成および動作を詳細に説明する。
【0026】
なお、本実施形態において、記録装置10は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、
PC(Personal Computer)や携帯情報端末、ビデオレコーダなどを例示できる。以下では記録装置10をビオデオカメラに適用して説明する。また、本実施形態の記録装置10には光ディスク、ハードディスク 、メモリカード等の被記録媒体が備えられている。本実施形態において、被記録媒体はディスク等の媒体のみからなるものだけでなく、ディスクと読み取り装置が一体化して着脱不可能なものも含まれるものとする。
【0027】
次に、図1に基づいて、本実施形態にかかる記録装置10のハードウェア構成について説明する。記録装置10は、画像を撮像して、撮像することにより得た画像データを、ドライブ142を介して磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の各種情報記録媒体に記録する撮像モードと、画像入出力部114や音声入出力部116あるいは通信部131を通じて供給を受けたデータを記録媒体に記録したり、記録媒体に記録されているデータを再生したりするVTRモードとを備えたものである。
【0028】
撮像モードは、動画を撮像すると共に、これと同時に収音するようにした音声とを記録媒体に記録する動画撮像モードと、静止画を撮像する静止画撮像モードとを備えている。また、VTRモード時においては、記録ボタンスイッチなどによって構成される操作入力部120を操作することにより供給されるデータの記録が行われるようにされ、再生ボタンスイッチを操作することにより記録媒体に記録されている目的とするデータを再生することができる。
【0029】
図1に示すように、デジタルビデオカメラは、光学レンズ部111、光電変換部112、カメラ機能部102、画像信号処理部113、画像入出力部114、液晶ディスプレイ115、音声入出力部116、音声処理部117、通信部131、制御部(CPU)101、内蔵メモリ(RAM)118、内蔵メモリ(ROM)119、操作入力部120、情報記録媒体に対するドライブ142、各構成部に対する電力供給を行う電源441、GPS受信部143、各種センサ144などを備えている。
【0030】
制御部(CPU)101は、ROM119に格納された各種の処理プログラムにしたがって処理を実行する。RAM118は、各処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられる。
【0031】
操作入力部120は、動画撮影モード、静止画撮影モード、VTRモードなどの動作モードを切り替えるモード切り替えキー、静止画の撮影のためのシャッターキー、動画を撮影するための撮影開始キー、録画キー、再生キー、停止キー、早送りキー、早戻しキーなどの種々の操作キーや機能キーなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に応じた電気信号を制御部(CPU)101に供給する。
【0032】
制御部(CPU)101は、ユーザからの操作入力に応じて、目的とする処理を行うためのプログラムをROM119から読み出して実行し、各部を制御することによって、ユーザからの指示に応じた処理の制御を行う。デジタルビデオカメラは、情報記録媒体として、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の各種情報記録媒体を装着可能であり、これらの情報記録媒体にドライブ142を介して各種の情報を記録し、また、これらの情報記録媒体に記録された情報を再生する。以上、記録装置10のハードウェア構成について説明した。
【0033】
次に、図2および図3を参照して、記録装置10の具体的な構成を説明する。図2は、ハードディスク等の記録媒体204をアクセスしてデータ記録あるいはデータ読み取りを実行する記録装置10の構成を処理階層別に示す説明図である。図2に示すように、ハードディスク等の記録媒体204に対してデータを記録したり、記録媒体204に記録されているデータを読み出して利用したりする場合には、ユーザからの処理要求を受け付け、またユーザインタフェースを提供するなどのユーザとの窓口として最上層にアプリケーション201が存在する。アプリケーション201の下層に記録媒体204上のファイルを管理するためのファイルシステム(ファイル管理プログラム)202と、ファイルシステムからの情報に基づいて記録媒体204を制御するデバイスドライバ203と、が存在する。
【0034】
記録媒体204に対してデータを記録、または記録媒体204からデータを再生する場合には、例えばアプリケーション201を介する要求がファイルシステム202、デバイスドライバ203に伝えられ、ファイルシステム202、デバイスドライバ203の機能によりデータの書き込み、再生が実行される。
【0035】
データの記録を行う場合には、複数の異なるファイルを継続記録ファイルとして適用する場合は、ファイルシステムによって適用されるファイルアロケーションテーブル(FAT)に対する特殊コードの記録を行う。また、データ再生を実行する場合に複数の異なるファイルを継続記録ファイルとして適用する場合は、FATからの特殊コードの検出を条件として、ファイルの切り替えを実行する。
【0036】
次に、図3を参照して、図2に示すシステム構成中のファイルシステムをさらに詳細に説明する。図3は、図2と同様、記録媒体に対するデータ記録および記録媒体からのデータ取得、再生処理を実行する情報処理装置のシステム構成を示す説明図であり、ハードディスクやフラッシュメモリ等の本発明の記録媒体の一例であるメディアA351、メディアB352に対してデータを記録したり、記録媒体に記録されているデータを読み出して利用したりする処理を実行する記録装置10のシステム構成を示している。
【0037】
図3も、図2と同様、アプリケーション300の下層にメディアA351、メディアB352上のファイルを管理するためのファイルシステム(ファイル管理プログラム)310とファイルシステム310からの情報に基づいてメディアA351、メディアB352を制御するデバイスドライバ340とを示している。図3に示す例では、2つのメディアA351、メディアB352を示している。
【0038】
アプリケーション300、ファイルシステム310およびデバイスドラバ340は、各構成部の処理に必要なプログラムやパラメータの格納、データ処理におけるワーク領域としてワークメモリ360をアクセスして利用する。アプリケーション300には、メディアA351、メディアB352に対するデータ記録処理を実行するアプリケーションや、メディアA351、メディアB352に記録されたデータの再生処理を実行するアプリケーションや、接続機器による処理を実行したりするアプリケーションなど、処理に応じたアプリケーションが含まれている。ユーザはこれらのアプリケーションを選択して様々な処理を実行する。
【0039】
ファイルシステム310は、記録媒体の種別やフォーマット情報などを含む各記録媒体対応のマウントドライブ情報311、312を保持し、マウントドライブ情報311、312に従って、ハードディスク等の記録媒体を適用したデータ記録、再生制御を実行する。ファイルシステム310は、データ記録再生を制御する記録再生制御部320とメディアを制御するメディア制御部330を有する。記録再生制御部320の実行する処理は、メディア非依存型のメディア共通の処理であり、メディア制御部330の実行する処理は、メディア依存型の処理である。
【0040】
記録再生制御部320は、ファイルアロケーションテーブル(FAT)の記録、参照処理を実行するFAT制御部321と、データ記録位置情報としてのクラスタの決定処理、クラスタ番号に基づく再生位置決定処理を実行するクラスタ制御部322と、ファイルに対応する情報を格納したディレクトリエントリを生成、または参照する処理を実行するディレクトリエントリ制御部323を有する。ディレクトリエントリ制御部323は、アプリケーション300からの記憶手段やファイル指定情報に基づいて特定のファイルに対応するディレクトリエントリを取得し、例えばファイル再生の場合は、ディレクトリエントリから先頭クラスタ番号を取得し、クラスタ制御部322に提供する。
【0041】
メディア制御部330は、位置算出部331を有し、クラスタ制御部322の決定するクラスタ情報やFATのクラスタ連鎖情報に基づいてデバイスドライバ340を制御し、クラスタ番号によってデータ記録、またはデータ再生を実行するディスクの位置を決定し、決定した位置情報に従って、デバイスドライバ340を介してデータ記録、または当該ディスク位置からのデータ再生を実行する。以上、ファイルシステムについて詳細に説明した。
【0042】
例えば、メディアA315、メディアB351がHDDである場合には、上記した総通電時間等を含むSMARTデータはHDDに記録されている。デバイスドライバ340を介して出力されたSMARTデータは、ワークメモリ360に一時的に格納される。また、メディアA315、メディアB351の初電源投入時刻は、不揮発性メモリである内蔵メモリに格納される。メディアの初電源投入時刻は、例えば、初めてメディアに電源が投入された時刻であって、工場出荷時に当該時刻が内蔵メモリに格納されるようにしてもよい。また、脱着可能なメディアである場合には、読み取り装置等にメディアがマウントされた時刻を初電源投入時刻として、内蔵メモリに記録されるようにしてもよい。
【0043】
次に、図4を参照して、記録装置10の主な機能構成を説明する。図4は、記録装置10の主な機能構成を模式的に表した図である。図4に示した、CPU101、メモリ154、記録媒体155以外の構成は図1と同様であるため省略する。図4に示したように、図1に示したCPU101は、記録部151、判断部152、通知部153などを含む。メモリ154は、図1に示した内蔵メモリ(RAM)118または内蔵メモリ(ROM)と同様の機能を有する。記録媒体155は、図1に示したドライブ142を介してCPU101と接続された記録媒体である。記録媒体155は、ドライブと一体として構成されていてもよい。
【0044】
記録部151は、記録媒体155の総通電時間と、記録媒体155の初電源投入時刻とを記録する機能を有する。本実施形態では、記録部151は、総通電時間を記録媒体155に記録し、初電源投入時刻はメモリ154に記録する。記録媒体155がHDDであり、ATA(AT Attachment)仕様に準拠している場合には、SMARTデータにおける「Power On Hours」がHDDの総通電時間となる。
【0045】
また、記録媒体155の識別情報を取得して、当該識別情報と初電源投入時刻とを関連付けて記憶するようにしてもよい。記録媒体155がHDDであり、複数のディスクを有する場合には、各ディスクの識別情報と各ディスクの初電源投入時刻とを関連付けてメモリ154に記録するようにしてもよい。これにより、複数のディスクの初電源投入時刻を用いて各ディスクの寿命が近いか否かを判断して故障を予測することが可能となる。
【0046】
判断部152は、記録媒体155の寿命が近づいているか否かを判断する機能を有する。具体的には、記録部151により記録された総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する機能を有する。以降、記録媒体155の初電源投入時刻からの経過時間を記録媒体155のLifeとも称する。記録媒体155がHDDであり、総通電時間がSMARTデータに含まれている場合には、所定のコマンドをHDDに発行し、総通電時間を取得することができる。また、記録媒体155がHDDである場合には、HDDの初電源投入時刻からの経過時間をHDDLifeとも称する。
【0047】
被記録媒体の総通電時間により記録媒体155の寿命を判断する場合の基準時間は、記録媒体155における通電時間の上限時間より短い時間である。例えば、HDDが寿命となる総通電時間が2万時間である場合には、2万時間より短い時間を基準時間とする。これにより、HDDの総通電時間が2万時間に到達する前に、記録媒体155の寿命が近いと判断することが可能となる。
【0048】
また、被記録媒体の初電源投入時刻により記録媒体155の寿命を判断する場合の、初電源投入時刻からの所定時間は、記録媒体における上限経過時間より短い時間である。例えば、HDDが寿命となる初電源投入時刻からの上限経過時間が5年である場合には、5年より短い期間を初電源投入時刻からの所定時間とする。これにより、HDDのLifeが5年に到達する前に、記録媒体155の寿命が近いと判断することが可能となる。
【0049】
本実施形態によれば、被記録媒体の総通電時間のみならず、初電源投入時刻も用いて記録媒体155の寿命を判断することができる。例えば、記録媒体155の総通電時間のみで記録媒体155の寿命を判断する場合には、記録媒体155に初めて電源が投入されてから数年ぶりに記録媒体155を搭載した記録装置10を起動させようとした場合に記録媒体155が故障して記録装置10を使用することができないという事態に陥る可能性がある。しかし、総通電時間だけでなく、初電源投入時刻も用いて記録媒体155の寿命を判断するようにすれば、記録媒体155に初めて電源を投入してから記録装置10をほとんど使用していない場合でも、記録媒体155の寿命が近づいていることをユーザに通知して記録媒体155の点検等を促すことが可能となる。
【0050】
また、判断部152は、総通電時間が基準時間を越えているか否か、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かのいずれか一方の判断を行うようにしてもよい。例えば、交互にいずれか一方の判断を行えば、いずれか一方の判断により記録媒体の寿命が近いと判断することができる。また、総通電時間が基準時間を越えていないと判断した場合に、初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かの判断を行うようにしてもよい。総通電時間が基準時間を超えていない場合にのみ初電源投入時刻に基づく判断を行うことにより、判断処理の無駄を省くことができる。判断部152は、判断結果を通知部153に提供する。
【0051】
通知部153は、判断部152から提供された判断結果に応じて記録媒体の寿命が近いか否かを通知する機能を有する。図1に示したように、記録装置10に液晶ディスプレイ115が備わっている場合には、画像信号処理部113を介して、液晶ディスプレイ115に記録媒体155の寿命が近い旨を示す表示をする。
【0052】
図5に、液晶ディスプレイ115に表示される表示画面の一例を示した。判断部152により、総通電時間が基準時間を超えていたり、初電源投入時刻から所定時間が経過していたりしていると判断された場合には、表示画面180を液晶ディスプレイ115に表示させる。表示画面180には、例えば、「このカメラに搭載されているHDDの点検をおすすめします。コンテンツのバックアップを早急に行ってください。」というメッセージを表示させる。
【0053】
また、基準時間や初電源投入時刻からの所定時間を複数設定して判断部152により判断し、段階的に記録媒体の寿命に関する情報を液晶ディスプレイ115に表示させるようにしてもよい。これにより、記録媒体155の寿命が近づいた場合だけでなく、記録媒体155が寿命となるまでの予測時間をユーザに通知することが可能となる。以上、記録装置10の機能構成について説明した。
【0054】
次に、記録装置10における情報処理方法について説明する。図6は、記録装置10に備わる記録媒体(メディア)の寿命確認および通知を示すフローチャートである。以下では、記録媒体(メディア)をHDDとして説明する。図6に示したように、まず、CPU101によりメディア寿命の確認処理が行われる(S102)。ステップS102における、メディア寿命の確認処理については後で図7を参照して詳細に説明する。
【0055】
そして、メディア寿命が残りわずかであるか否かを判定する(S104)。ステップS104において、メディア寿命が残りわずかであると判断された場合には、記録装置10の液晶ディスプレイ115にメディア寿命が残りわずかである旨の表示をする(S106)。ステップS104において、メディア寿命が残りわずかではないと判断された場合には、処理を終了する。
【0056】
次に、図7を参照して、メディア寿命の確認処理について詳細に説明する。図7は、メディア寿命の確認処理の詳細を示すフローチャートである。図7に示したように、まず、CPU101は、HDDへ所定のコマンドを発行し取得したSMARTデータにおける「Power On Hours Count」(総通電時間)を参照する(S110)。
【0057】
そしてステップS110において参照した総通電時間が閾値Xを超えているか否かを判断する(S112)。閾値Xは、上記した総通電時間によりHDDの寿命を判断する場合の基準時間の一例である。ステップS112において、総通電時間が閾値Xを超えていないと判断された場合には、不揮発性メモリに格納されている「HDD初電源ON日時」(初電源投入時刻)からの経過時間である「HDD Life」を算出する(S114)。また、ステップS112において、総通電時間が閾値Xを超えていると判断された場合には、メディア寿命が残りわずかである旨をアプリケーションに通知する(S118)。
【0058】
そして、ステップS114において算出されたHDDLifeが閾値Yを越えているか否かを判断する(S116)。閾値Yは、上記した初電源投入時刻によりHDDの寿命を判断する場合の、初電源投入時刻からの所定時間の一例である。上記閾値Xおよび閾値Yは記録装置10の製造時に予め設定しておくようにしてもよい。
【0059】
ステップS116においてHDDLifeが閾値Yを超えていると判断された場合には、メディア寿命が残りわずかである旨をアプリケーションに通知する(S118)。また、ステップS116においてHDDLifeが閾値Yを超えていないと判断された場合には、メディア寿命が残りわずかではない旨をアプリケーションに通知する(S120)。以上、メディア寿命の確認処理について説明した。
【0060】
次に、図8を参照して、記録装置10による初電源投入時刻の登録処理について説明する。図8は、記録装置10による初電源投入時刻の登録処理を示すフローチャートである。初電源投入時刻の登録処理は、上記した記録装置10のメディア制御部によって実行される。図8に示したように、HDDに電源が投入(ON)される(S132)。ステップS132において電源が投入されると、メディア制御部は、HDDへ所定のコマンドを発行し、HDDの型名やシリアル番号を取得する(S134)。
【0061】
次に、メディア制御部は、不揮発性メモリに格納されているHDD情報を参照する(S136)。そして、ステップS134において取得した型名と、記録装置10の不揮発性メモリに格納されているHDD情報とを比較して、記録装置10に挿入されていたHDDと同一であるかを判断する(S138)。ステップS138の判断により、HDDが同一ではないと判断された場合には、現在日時を取得する(S140)。ステップS138においてHDDが同一ではないと判断された場合には、記録装置10に新たなHDDがマウントされたこととなり、当該HDDのマウント時を初電源投入時刻としている。
【0062】
そして、ステップS140で取得した現在日時と、ステップS134において取得したHDDの識別情報(型番、シリアル番号等)とを関連付けて不揮発性メモリに記録する(S142)。これにより、記録装置10に備わる記録媒体が着脱可能であったり、複数の記録媒体を備えたりできる場合には、各記録媒体の初電源投入時刻を記録して、記録媒体ごとに寿命が近づいているか否かを判断することが可能となる。以上、記録装置10による初電源投入時刻の登録処理について説明した。
【0063】
以上、第1実施形態について説明した。本実施形態にかかる記録装置10によれば、記録装置10に備わる記録媒体の総通電時間と初電源投入時刻とを記録して、総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻から所定時間が経過しているかを判断することにより、記録媒体の寿命が近いか否かを通知することができる。これにより、総通電時間のみならず、初電源投入時刻も用いて記録媒体の寿命を判断して、記録媒体に初めて電源を投入してから、記録装置10をほとんど使用していない場合でも、記録媒体の寿命が近づいていることをユーザに通知することが可能となる。
【0064】
第1実施形態では、記録媒体の初電源投入時刻を記録装置10の不揮発メモリに記録したが、かかる例に限定されない。例えば、記録媒体の初電源投入時刻を記録装置10とは別体の装置に記録して、当該装置が記録媒体の寿命が近いか否かを通知するようにしてもよい。第2実施形態では、記録装置がネットワークを介してサーバ装置に接続され、記録媒体の初電源投入時刻がサーバ装置に記録されて、サーバ装置が初電源投入時刻を利用して記録媒体の寿命が近いか否かを通知する場合を例示して説明する。なお、記録媒体の総通電時間は第1実施形態と同様に、記録媒体に記録される。
【0065】
(第2の実施形態)
まず、図9を参照して、本発明の第2実施形態にかかる情報処理システムの概要について説明する。図9に示したように、本実施形態にかかる情報処理システム1は、記録装置15と、サーバ装置20と、ネットワーク30と、ユーザ端末40などを備える。記録装置15は第1実施形態と同様に、デジタルビデオカメラ等を例示できる、記録装置15は、ネットワーク30を介してサーバ装置20と接続されており、データやメール等の送受信をすることができる。本実施形態においては、記録装置15のみがサーバ装置20と接続されている場合を例示しているが、かかる例に限定されず、サーバ装置20と複数の記録装置が接続されていてもよい。
【0066】
ユーザ端末40は、PCなどを例示でき、ネットワーク30を介してサーバ装置20と接続されている。上記したように、記録装置15に備わるHDD等の記録媒体の総通電時間は、当該記録媒体に記録されている。また、記録媒体の初電源投入時刻は、記録装置15の識別情報または記録媒体の識別情報と関連付けてサーバ装置20に記録される。そして、記録装置15は総通電時間により記録媒体の寿命が近いか否かを通知し、サーバ装置20は記録媒体の初電源投入時刻により記録媒体の寿命が近いか否かを通知することができる。
【0067】
このように、記録装置15とは別体のサーバ装置20が初電源投入時刻により記録媒体の寿命が近いか否かを通知することにより、記録装置15の記録媒体に初めて電源が投入されてから、記録装置15をほとんど使用していない場合でも、記録媒体の寿命が近づいていることをユーザに通知することが可能となる。さらに、サーバ装置20が、記録装置15とは別体のユーザ端末40に記録装置15の記録媒体の寿命が近づいていることを通知することも可能である。この場合、記録装置15にまったく電源が投入されない場合でも、ユーザに記録媒体の点検の必要性を通知することが可能となる。これにより、ユーザが初電源投入時刻から数年経って、久々に記録装置15を起動したときに記録媒体が故障していて撮影機会を損失するという事態を回避することができる。以上、本実施形態の概要を説明した。次に記録装置15およびサーバ装置20の構成について説明する。
【0068】
記録装置15は、第1実施形態の記録装置15のハードウェア構成であるため、詳細な説明は省略する。図10を参照して、サーバ装置20またはユーザ端末40のハードウェア構成について説明する。サーバ装置20またはユーザ端末40としてPCを例示できるため、PCのハードウェア構成について以下説明する。本実施形態では、サーバ装置20はインターネット等のネットワークを介して記録装置15と接続されているが、ユーザ端末40がサーバ装置20と同様の機能を有するようにしてもよい。すなわち、ユーザ端末40に記録装置15に備わる記録媒体の初電源投入時刻を記録して、ユーザ端末40が記録装置15の記録媒体の寿命が近づいていることを通知するようにしてもよい。
【0069】
図10に示したように、CPU501は、OS(Operating System)に対応する処理や、データの記録、再生等などを実行するデータ処理部として機能する。これらの処理はPCのROM、ハードディスクなどのデータ記憶部に格納されたコンピュータ・プログラムに従って実行される。
【0070】
内蔵メモリ(ROM)512は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。内蔵メモリ(RAM)511は、CPU501の実行において使用するプログラムやその実行において適宜変化するパラメータなどが設定される。これらはCPUバスなどから構成されるバス513により相互に接続されている。
【0071】
バス513は、入出力インタフェース(デバイスコントローラ)514を介して入力部515、出力部516等の入出力デバイスに接続されている。入出力インタフェース514は、入力部515に入力されたデータの受け付けや、出力部516へデータを提供したりする機能を有する。また、通信部517を介して外部装置と接続したり、装着された記憶部518に記録されているデータまたはプログラムを読み出したりする機能を有する。
【0072】
入力部515としては、キーボード、マウス、スキャナマイクロフォンなどを例示できる。出力部516としては、ディスプレイ、スピーカー、プリンタ、プロッタなどを例示できる。通信部517としては、USB、IEEE1394、Bluetooth、IEEE802.11a/b/gを例示できる。記憶部(補助記憶部)518としては、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリを例示できる。以上、PCのハードウェア構成について説明した。
【0073】
次に、図11を参照して、記録装置15およびサーバ装置20の機能構成について説明する。本実施形態にかかる記録装置15は、第1実施形態にかかる記録装置10とほぼ同様の機能を有するため詳細な説明は省略する。なお、記録装置15も、上記したファイルシステム等を有し、記録媒体155′としてHDDを例示して説明する。また、記録装置15に備わるHDDは、第1実施形態と同様に、ATA仕様に準拠しており、SMARTデータに「Power On Hours」(総通電時間)が含まれているものとして以下説明する。
【0074】
図11に示したように、サーバ装置20は、記録部551と、判断部552と、送信部554と、記録媒体555とを備える。記録部551は、記録装置15の識別情報または記録装置15の記録媒体155′の識別情報と、記録媒体155′の初電源投入時刻とを関連付けて記録媒体555に記録する機能を有する。記録媒体155′の初電源投入時刻は、上記したように、工場出荷時に記録装置15の内蔵メモリに格納されたり、記録装置15に記録媒体が初めてマウントされた時刻が記録装置15の内蔵メモリに格納されたりする。サーバ装置20は、ネットワーク30を介して記録装置15から記録媒体155′の識別情報と初電源投入時刻等のデータを受信する。当該データの受信は、例えば、電子メールによりされてもよい。識別情報および初電源投入時刻の電子メールによる送受信については後で詳細に説明する。
【0075】
判断部552は、記録媒体555に記録された初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する機能を有する。この場合の所定時間は、記録装置15における上限時間より短い時間である。判断部552は、記録媒体の初電源投入時刻が所定時間を経過しているか否かについての判断結果を送信部554に提供する。
【0076】
送信部554は、判断部552に提供された判断結果を記録装置15または記録装置15とは別体のユーザ端末40に送信する機能を有する。送信部554は、判断部552の判断結果に応じた通知をするようにしてもよい。例えば、判断部552の判断により、記録装置15に備わる記録媒体の初電源投入時刻が所定時間を越えている場合には、記録媒体の寿命が近いことを通知するようにしてもよい。
【0077】
記録装置15に電源が投入されずサーバ装置20に接続されていない場合には、ユーザ端末40にのみ判断結果を送信するようにしてもよい。記録装置15およびユーザ端末40のいずれもサーバ装置20に接続されている場合には、記録装置15にのみ判断結果を送信してもよいし、記録装置15およびユーザ端末40に判断結果を送信するようにしてもよい。送信部554による判断結果の送信は、電子メールにより行われてもよい。
【0078】
このように、記録装置15に電源が投入されていない場合でも、ユーザ端末40に判断結果を送信して、ユーザ端末40および記録装置15を利用するユーザに記録装置15の記録媒体の寿命が近いことを通知して、当該記録媒体の点検を促すことができる。これにより、ユーザが初電源投入時刻から数年経って、久々に記録装置15を起動したときに記録媒体が故障していて撮影機会を損失するという事態を回避することができる。
【0079】
記録装置15は、第1実施形態と同様に、記録媒体155′の総通電時間が基準時間を超えているか否かの判断を行う。そして、判断部152′により記録媒体155′の総通電時間が基準時間を越えていると判断した場合には、通知部153′により記録媒体155′の寿命が近いことをユーザに通知する。
【0080】
また、判断部152′は、記録媒体155′の総通電時間は基準時間を超えていない場合に、サーバ装置20から送信された判断結果を通知部153′に提供するようにしてもよい。また、総通電時間による判断結果と、サーバ装置20から送信された判断結果とを通知部153′に提供するようにしてもよい。これにより、記録媒体155′の総通電時間だけでなく、記録媒体155′の初電源投入時刻による寿命判断をすることが可能となる。以上、記録装置15およびサーバ装置20の機能構成について説明した。
【0081】
次に、図12〜16を参照して、情報処理システム1における情報処理方法について説明する。なお、情報処理方法の説明にあたり、図17〜20を適宜参照する。図12は、記録装置15に備わる記録媒体(メディア)の寿命確認および通知を示すフローチャートである。以下では、第1実施形態と同様に、記録媒体(メディア)をHDDとして説明する。図12に示したように、まず、記録装置15によりメディア寿命の確認処理が行われる(S202)。ステップS202における、メディア寿命の確認処理については後で図13を参照して詳細に説明する。
【0082】
そして、メディア寿命が残りわずかであるか否かを判定する(S204)。ステップS204において、メディア寿命が残りわずかであると判断された場合には、記録装置15の液晶ディスプレイにメディア寿命が残りわずかである旨の表示をする(S206)。ステップS204において、メディア寿命が残りわずかではないと判断された場合には、処理を終了する。
【0083】
次に、図13を参照して、メディア寿命の確認処理について詳細に説明する。図13は、メディア寿命の確認処理の詳細を示すフローチャートである。図13に示したように、まず、記録装置15は、HDDへ所定のコマンドを発行し取得したSMARTデータにおける「Power On Hours Count」(総通電時間)を参照する(S210)。そしてステップS210において参照した総通電時間が閾値Xを超えているか否かを判断する(S212)。閾値Xは、上記した総通電時間によりHDDの寿命を判断する場合の基準時間の一例である。
【0084】
ステップS212において参照した総通電時間が閾値Xを超えていないと判断された場合には、ネットワーク経由でサーバ装置20から、初電源投入時刻からの経過時間である「HDD Life」が閾値Yを超えているか否かを取得する(S214)。また、ステップS212において、総通電時間が閾値Xを超えていると判断された場合には、メディア寿命が残りわずかである旨をアプリケーションに通知する(S218)。
【0085】
そして、サーバ装置から取得したHDDLifeが閾値Yを超えているか否かを判定する(S216)。ステップS216においてHDDLifeが閾値Yを超えていると判断された場合には、メディア寿命が残りわずかである旨をアプリケーションに通知する(S218)。また、ステップS216においてHDDLifeが閾値Yを超えていないと判断された場合には、メディア寿命が残りわずかではない旨をアプリケーションに通知する(S220)。以上、メディア寿命の確認処理について説明した。
【0086】
次に、記録装置15とサーバ装置20との間におけるメディア寿命情報検索および登録処理について説明する。以下では、記録装置15とサーバ装置20は、電子メールを送受信することにより、HDDLifeを送受信したり、記録装置15および記録装置15に備わる記録媒体の情報を送受信したりする場合を例示して説明する。まず、図14を参照して、サーバ装置20におけるメディア寿命情報検索処理について説明する。
【0087】
図14に示したように、まず、サーバ装置20は、電子メールの受信を確認する(S302)。ステップS302において受信した電子メールが記録装置15からの電子メールであるか否かを判定する(S304)。ステップS304において、記録装置15からの電子メールを受信したと判定した場合には、受信した電子メールの内容を抽出する(S306)。ステップS304において、記録装置15からの電子メールではないと判定した場合には、再度電子メールの受信を確認する(S302)。
【0088】
そして、ステップS306において抽出された電子メールの内容により、記録装置15のメディア寿命情報検索要求であるか否かを判定する(S308)。ステップS302において記録装置15からサーバ装置20へ送信される電子メールの内容は、例えば、図17に示した電子メール620が例示できる。電子メール620には、送信元アドレス621として記録装置15を利用するサービス利用者のアドレスが、あて先アドレス622としてサーバ装置20のアドレスが設定される。
【0089】
また、電子メール本体のタイトル(Subject)には所定のコマンドと通し番号が設定される。例えば「[Get]00000001」は、メディア寿命に関する情報が欲しい旨を表すようにしてもよい。電子メール本体の本文には、記録装置15の型番、シリアル番号、記録装置15に備わる記録媒体(HDD)の型番、シリアル番号などが含まれている。
【0090】
図14に戻り、ステップS308において、受信した電子メールの内容が、記録装置15のメディア情報検索要求であると判定された場合には、サーバ装置20はメディア情報を検索する(S310)。図15を参照して、ステップS310におけるメディア寿命情報の検索処理について詳細に説明する。
【0091】
図15に示したように、サーバ装置20は、受信した電子メールの内容を抽出して、寿命情報を検索するのに必要な情報を作成する(S322)。例えば、電子メールの本文に設定される記録装置15の型番やHDDの型番等を含む寿命情報検索コマンドを作成する。そして、サーバ装置20の記録媒体に記録されている機器登録情報を検索して、記録装置15または記録装置15の記録媒体の識別情報に関連付けられたHDDLifeを取得する(S324)。記録装置15および記録装置に備わる記録媒体とHDDLifeの登録については後で詳細に説明する。そして、HDDLifeを含む電子メールを記録装置15に返信する(S326)。
【0092】
ステップS326において、サーバ装置20から記録装置15に送信される電子メールの内容は、図17の電子メール630を例示できる。電子メール630は、送信元アドレス631としてサーバのアドレスが、あて先アドレス632としてサービス利用者のアドレスが設定される。メール本体のタイトル(Subject)には、記録装置15からの検索要求に対する返信であるという意味の「[Put]00000001」が設定され、メール本体の本文には、記録装置15や記録装置15に備わる記録媒体の型番とともに、HDDLifeの情報およびHDDLifeが閾値Yを超えているか否かの判断結果が設定される。例えば、HDDLifeが閾値Yを超えていない場合には「NG」とし、HDDLifeが閾値Xを超えている場合には「OK」とするようにしてもよい。
【0093】
図15に戻り、HDDLife等を含む電子メールを記録装置15に返信したサーバ装置20は、メール送信フラグをセットする。メール送信フラグについては後で詳細に説明する。図14に戻り、ステップS308において、受信した電子メールの内容が、記録装置15のメディア寿命情報検索要求ではないと判定された場合には、サーバ装置20はメディア寿命情報を登録する(S312)。図16を参照して、ステップS312におけるメディア寿命情報の登録処理について説明する。
【0094】
サーバ装置20は、受信した電子メールの内容を抽出し、登録に必要な情報を作成する(S330)。例えば、記録装置15や記録装置15に備わる記録媒体の識別情報と初電源投入時刻とを含む寿命情報登録コマンドを作成する。サーバ装置20が受信する電信メールは、例えば図18に示した電子メール640を例示できる。
【0095】
電子メール640は、送信元アドレス641として記録装置15を利用するサービス利用者のアドレスが、あて先アドレス642としてサーバ装置20のアドレスが設定される。 また、電子メール本体のタイトル(Subject)にはメディアに関する登録要求を意味する「[Regist]00000123」などのコマンドと通し番号が設定される。電子メール本体の本文には、記録装置15の型番、シリアル番号、記録装置15に備わる記録媒体(HDD)の型番、シリアル番号、初電源投入時刻を表す「初電源ON日時」などが設定される。
【0096】
図16に戻り、ステップS330においてメディア寿命情報を登録するために必要な情報を作成したサーバ装置20は、ユーザ情報、機器情報と初電源投入時刻を関連付けて記録媒体に記録する(S332)。ステップS332において記録された情報は、たとえば、図19に示した機器登録情報600などを例示できる。機器登録情報600は、複数の記録装置の型番601や記録媒体の型番603等と初電源投入時刻(初電源ON日時)605が関連付けて記録されている。その他、ユーザID606やメール送信フラグ607も記録するようにしてもよい。また、ユーザIDと連絡先(メールアドレス)を関連付けたユーザ登録情報610を記録媒体に記録するようにしてもよい。
【0097】
図16に戻り、ステップS332において機器情報等の登録をしたサーバ装置20は、登録が完了した旨の本文を含む電子メールを記録装置15に送信する(S334)。ステップS334において記録装置15に送信される電子メールは、例えば、図18の電子メール650を例示できる。
【0098】
電子メール650は、送信元アドレス651としてサーバのアドレスが、あて先アドレス652としてサービス利用者のアドレスが設定される。メール本体のタイトル(Subject)には、記録装置15からの登録要求に対する返信であるという意味の「[OK]00000123」が含まれ、メール本体の本文には、記録装置15の型番、シリアル番号、記録装置15に備わる記録媒体(HDD)の型番、シリアル番号、初電源投入時刻を表す「初電源ON日時」などが設定される。以上、記録装置15とサーバ装置20との間におけるメディア寿命情報検索および登録処理について説明した。
【0099】
次に、図20を参照して、サーバ装置20がユーザ端末40に記録装置15に備わる記録媒体の寿命に関する情報を定期的に通知する場合について説明する。以下では、サーバ装置20からユーザ端末40への寿命に関する情報が、電子メールを送受信することにより行われる場合について説明する。
【0100】
図20に示したように、サーバ装置20は、まず、現在日時を取得する(S402)。そして、ステップS402において取得した現在日時と、情報配信日時を比較する(S404)。ステップS404において、現在日時と情報配信日時と同じである場合には、サーバ装置20の記録媒体に記録されている登録機器情報の中から1の記録装置に関する寿命情報に関する情報(初電源投入時刻等)を取り出す(S406)。
【0101】
そして、ステップS406において取り出した登録機器情報の初電源投入時刻を現在日時から減算して、HDDLifeを算出する(S408)。ステップS408において算出されたHDDLifeが閾値Yを超えているか否かを判定する(S410)。ステップS410において、HDDLifeが閾値Yを超えている場合には、メール送信フラグを参照する(S412)。ステップS412において参照したメール送信フラグに送信済みのフラグがセットされているか否かを判定する(S414)。
【0102】
メール送信フラグは、記録装置15に備わる記録媒体の寿命が近いか否かの判断結果がサーバ装置20から記録装置15に送信された場合に送信済みにセットされるフラグである。メール送信フラグをセットするとともに、メールを送信した日時も記録するようにしてもよい。
【0103】
ステップS414においてメール送信フラグがセットされていると判定された場合には、メール送信フラグがセットされてからの経過時間を算出する(S424)。ステップS424において、メール送信フラグセット後の経過時間が所定時間(閾値Z)を超えているか否かを判定する(S426)。ステップS426において、メール送信フラグセット後の経過時間が閾値Zを超えていない場合には、ステップS422の処理を行う。
【0104】
ステップS426において、メール送信フラグセット後の経過時間が閾値Zを超えていると判定された場合には、メール送信フラグをクリアする(S428)。その後ステップS416以降の処理を行う。ステップS414において、メール送信フラグがセットされていないと判定された場合には、メール送信フラグをセットする(S416)。そして、記録装置15のユーザを検索して、ユーザに関連付けられたメールアドレスを取得する(S418)。
【0105】
そして、ステップS418において取得したメールアドレス宛に、HDD点検を促す旨を本文とする電子メールを送信する(S420)。そして、登録機器情報に未検索である情報が残っているか否かを判定する(S422)。ステップS422において未検索である情報が残っていると判定された場合には、ステップS406以降の処理を繰り返す。ステップS422において未検索である情報が残っていないと判定された場合には、処理を終了する。
【0106】
ステップS420において登録ユーザへ送信されるメールは、例えば、図21に示した電子メール660が例示できる。図21に示したように、電子メール660は、送信元アドレス(661)としてサーバのアドレスが、宛先アドレスとしてサービス利用者のアドレスが設定される。そして、電子メール本体のタイトル(Subject)664には「[お知らせ]SDR−ABC10HDD点検のご案内0456」などの電子メール本文の内容を示す内容が設定される。電子メール本体の本文には「○○様にご愛用いただいておりますSDR−ABC10ですが、内蔵されているHDDの寿命が近いため、点検をおすすめいたします」等の内容が設定される。サーバ装置20がユーザ端末40に記録装置15に備わる記録媒体の寿命に関する情報を定期的に通知する場合について説明した。
【0107】
以上、第2実施形態について説明した。第2実施形態にかかる情報処理システム1によれば、サーバ装置に1または2以上の記録装置が接続され、各記録装置は、記録装置に備わる被記録媒体の総通電時間が基準時間を越えているか否かを判断する。サーバ装置は、各記録装置に備わる被記録媒体の識別情報と被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録して、初電源投入時刻から所定時間が経過している否かを判断する。そして、サーバ装置により判断した結果が記録装置に送信され、記録装置は、総通電時間が基準時間を越えているか、初電源投入時刻から所定時間が経過している場合に被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする。
【0108】
これにより、記録装置の記録媒体に初めて電源が投入されてから、記録装置15をほとんど使用していない場合でも、記録媒体の寿命が近づいていることをユーザに通知することが可能となる。さらに、サーバ装置20が、記録装置15とは別体のユーザ端末40に記録装置15の記録媒体の寿命が近づいていることを通知することも可能である。この場合、記録装置15にまったく電源が投入されない場合でも、ユーザに記録媒体の点検の必要性を通知することが可能となる。これにより、ユーザが初電源投入時刻から数年経って、久々に記録装置15を起動したときに記録媒体が故障していて撮影機会を損失するという事態を回避することができる。
【0109】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0110】
例えば、上記実施形態では、記録装置に備わる被記録媒体の総通電時間と初電源投入時刻とを用いて被記録媒体の寿命が近いか否かを判断しており、総通電時間については、HDDのSMART機能により被記録媒体に記録されているが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、被記録媒体が内蔵メモリ等であり、総通電時間が記録される仕様となっていない場合には、内蔵メモリの初電源投入時刻のみを用いて被記録媒体の寿命が近いか否かを判断するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる記録装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態にかかる記録装置の構成を処理階層別に示す説明図である。
【図3】同実施形態にかかる記録装置のファイルシステムを説明する説明図である。
【図4】同実施形態にかかる記録装置の主な機能構成を表したブロック図である。
【図5】同実施形態にかかる記録装置に表示される表示画面の一例を示した説明図である。
【図6】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命確認および通知を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命確認処理を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態にかかる記録装置による初電源投入時刻の登録処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる情報処理システムを示す構成図である。
【図10】同実施形態にかかるサーバ装置またはユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】同実施形態にかかる記録装置およびサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図12】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命確認および通知を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命確認処理を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態にかかるサーバ装置における記録媒体の寿命情報検索処理を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命情報の検索処理を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態にかかる記録装置に備わる記録媒体の寿命情報の登録処理を示すフローチャートである。
【図17】同実施形態にかかる記録装置とサーバ装置との間で送受信される電子メールの一例を説明する説明図である。
【図18】同実施形態にかかる記録装置とサーバ装置との間で送受信される電子メールの一例を説明する説明図である。
【図19】同実施形態にかかるサーバ装置に記録される機器登録情報およびユーザ登録情報の一例を説明する説明図である。
【図20】同実施形態にかかるサーバ装置における定期的な寿命情報の通知処理を示すフローチャートである。
【図21】同実施形態にかかるユーザ端末に送信される電子メールの一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0112】
10、15 記録装置
101 CPU
151 記録部
152 判断部
153 通知部
155 記録媒体
20 サーバ装置
551 記録部
552 判断部
554 送信部
555 記録媒体
30 ネットワーク
40 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体と、
前記被記録媒体の総通電時間と、前記被記録媒体の初電源投入時刻とを記録する記録部と、
前記総通電時間が基準時間を越えているか否か、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に応じて前記被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、
を備える記録装置。
【請求項2】
前記基準時間は前記被記録媒体における通電時間の上限時間より短く、前記初電源投入時刻からの所定時間は前記被記録媒体における上限経過時間より短い時間である、請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記判断部は、
前記総通電時間が基準時間を越えているか否か、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かのいずれか一方の判断を行う、請求項1または2のいずれかに記載の記録装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記総通電時間が基準時間を越えていないと判断した場合に、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かの判断を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記判断部により前記総通電時間が基準時間を越えているか、前記初電源投入時刻からの所定時間が経過していると判断された場合に前記被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、請求項1〜4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録部は、
前記総通電時間を被記録媒体に記録し、前記初電源投入時刻を前記記録装置に備わる不揮発性メモリに記録する、請求項1〜5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記記録部は、前記記録装置に前記被記録媒体に電源が投入されたときを前記被記録媒体の前記初電源投入時刻とし、前記被記録媒体の識別情報と前記初電源投入時刻とを関連付けて記録する、請求項1〜6のいずれかに記載の記録装置。
【請求項8】
1または2以上の被記録媒体を備えた記録装置とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、
前記記録装置は、
前記被記録媒体の総通電時間を記録する記録部と、
前記総通電時間が基準時間を超えているか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に応じて前記被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記記録装置ごとの識別情報と、前記記録装置に備えられた被記録媒体の識別情報と、前記被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録する記録部と、
前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部により判断された判断結果を前記記録装置に送信する送信部と、
を備え、
前記記録装置に備わる判断部は、
前記総通電時間が基準時間を越えていると判断されるか、前記初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に前記被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、
情報処理システム。
【請求項9】
サーバ装置とネットワークを介して接続され、
被記録媒体と、
前記被記録媒体の総通電時間を記録する記録部と、
前記サーバ装置から前記被記録媒体の初電源投入時刻を受信する受信部と、
前記総通電時間が基準時間を越えているか否か、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に応じて前記被記録媒体の寿命が近いか否かを通知する通知部と、
を備える記録装置。
【請求項10】
前記基準時間は前記被記録媒体における通電時間の上限時間より短く、前記初電源投入時刻からの所定時間は前記被記録媒体における上限経過時間より短い時間である、請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記判断部は、
前記総通電時間が基準時間を越えていないと判断した場合に、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かの判断を行う、請求項9または10のいずれかに記載の記録装置。
【請求項12】
前記通知部は、
前記判断部により前記総通電時間が基準時間を越えているか、前記初電源投入時刻からの所定時間が経過していると判断された場合に前記被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、請求項9〜11のいずれかに記載の記録装置。
【請求項13】
被記録媒体を備えた記録装置とネットワークを介して接続され、
前記記録装置の識別情報と、前記被記録媒体の識別情報と、前記被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録する記録部と、
前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部により判断された判断結果を前記記録装置に送信する送信部と、
を備え、
前記記録装置は、前記記録装置は前記被記録媒体の総通電時間が基準時間を越えているか、前記送信部により送信された判断結果により前記総通電時間が基準時間を越えていると判断された場合に前記被記録媒体の寿命が近い旨の通知をする、サーバ装置。
【請求項14】
前記判断部により前記初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、前記記録装置に備わる被記録媒体の寿命が近い旨を前記記録装置に通知する通知部を備える、請求項13に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記通知部は、前記判断部により前記初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、前記記録装置に備わる被記録媒体の寿命が近い旨を前記記録装置とは別体の装置に通知する、請求項13または14のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項16】
前記通知部は、前記判断部により前記初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に、前記判断部による判断結果を所定の時間間隔で通知する、請求項13〜15のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項17】
被記録媒体を備える記録装置が、
前記被記録媒体の総通電時間と、前記被記録媒体の初電源投入時刻とを記録するステップと、
前記総通電時間が基準時間を越えているか否か、前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断するステップと、
前記判断による判断結果に応じて前記被記録媒体の寿命が近いか否かを通知するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項18】
1または2以上の被記録媒体を備えた記録装置とサーバ装置とがネットワークを介して接続され、
前記記録装置が、
前記被記録媒体の総通電時間を記録するステップと、
前記総通電時間が基準時間を超えているか否かを判断するステップと、
前記判断による判断結果に応じて前記被記録媒体の寿命が近いか否かを通知するステップと、
を含み、
前記サーバ装置が、
前記記録装置ごとの識別情報と、前記記録装置に備えられた被記録媒体の識別情報と、前記被記録媒体の初電源投入時刻とを関連付けて記録するステップと、
前記初電源投入時刻から所定時間が経過しているか否かを判断するステップと、
前記判断による判断結果を前記記録装置に送信するステップと、
を含み、
前記記録装置が、
前記総通電時間が基準時間を越えていると判断されるか、前記初電源投入時刻から所定時間が経過していると判断された場合に前記被記録媒体の寿命が近い旨の通知をすることを特徴とする、情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−271972(P2009−271972A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119703(P2008−119703)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】