記録装置及びその方法
【課題】高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現すること。
【解決手段】各半導体レーザ11a〜11hの主走査方向Aの移動と共に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて照射する。
【解決手段】各半導体レーザ11a〜11hの主走査方向Aの移動と共に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて照射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを用いて記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する記録装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドとしてアレイヘッドを用いた記録方式には、例えば次の2つの方式がある。かかる第1の方式は、ライン型サーマルヘッドのような主走査範囲と同一長さを有するアレイヘッドを主走査方向に対して平行に配置し、このアレイヘッドに対して記録用紙等の記録媒体を主走査方向に対して垂直な副走査方向に搬送し、記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する。サーマルヘッドを用いた記録方式は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1は、可逆性感熱記録媒体の画像の書き換えの際に、残像(発色むら)の無い良好な記録画像を得る初期化方法及び書き換え方法並びにその装置に関し、加熱温度又は加熱後の冷却速度の違いにより発色又は消色する可逆性感熱記録媒体の全面或いは記録領域をサーマルヘッドにより発色温度に加熱して発色させて記録層を均一化する操作を施すことを開示する。
第2の方式は、複数の記録素子をライン状に配置して成るアレイヘッドを記録用紙等の記録媒体の搬送方向に対して平行に配置し、かつ記録媒体の搬送を一時的に停止すると共にアレイヘッドを記録媒体の搬送方向に対して垂直な主走査方向に走査して記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録し、次に記録媒体を複数ライン分に相当する距離だけ搬送し、再び記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録することを繰り返し、記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する。
【0003】
一方、レーザ光源から出力されるレーザビームを主走査方向に走査して記録を行う方式にも例えば次の2つの方式がある。かかる第3の方式は、例えばレーザプリンタ等に使用されるもので、図18に示すように例えば半導体レーザ等のような単光源のレーザ光源1から出力されるレーザビームをポリゴンミラー2に照射し、このポリゴンミラー2の回転又は往復運動によってレーザビームを主走査方向Aに走査し、かつ例えば感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送し、この感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
【0004】
第4の方式は、図19に示すように複数のレーザ光源をライン状に配列して成る半導体レーザアレイ4を使用し、この半導体レーザアレイ4を主走査方向に配置し、かつ感熱記録媒体3を副走査方向に搬送し、感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。図20は感熱記録媒体3の発色、消去特性を示す。この感熱記録媒体3は、例えば融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、例えば約130℃〜170℃程度もある。このように感熱記録媒体3は、温度と時間とを厳密にコントロールして印字・消去を行う。
【特許文献1】特開2001−341429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の方式では、サーマルヘッドと感熱記録紙とを接触させるために、感熱記録紙の保護層を傷付けるおそれがある。
【0006】
第2の方式では、記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録する毎に記録媒体の搬送を必ず一時的に停止しなければならず、高速な記録を行うのに適切でない。
【0007】
感熱記録媒体3に対してレーザビームを走査して情報を記録する場合、上記図18に示すように単光源のレーザ光源1を用いた第3の方式では、レーザ光源1から出力されるレーザビームのパワーが小さく、感熱記録媒体3の記録面を発色温度に加熱するのに時間を要し、感熱記録媒体3への記録スピードを高速化できない。レーザ光源1として例えば高出力の半導体レーザを使用して感熱記録媒体3への記録スピードを高速化することが考えられる。しかしながら、高出力の半導体レーザから出力されるレーザビームのビーム径を小さく絞ることができず、感熱記録媒体3上に細かな印字ドットを形成することができない。高出力のガスレーザを用いる場合、装置が大型化し、かつ大きな電源容量が必要になり、コストアップとなる。
【0008】
複数の単光源の半導体レーザを用い、これら半導体レーザからそれぞれ出力される各レーザビームを重ね合わせてレーザビームのパワーをアップさせることが考えられるが、複数のレーザビームを位置合わせして重ね合わせることが難しく、例えば2乃至4本のレーザビームを重ね合わせることが限界であり、これ以上の本数のレーザビームを重ね合わせることに従って困難性が増す。
【0009】
第4の方式のように複数のレーザ光源をライン状に配列して成る半導体レーザアレイ4を用いる方法が考えられるが、この方式では、主走査範囲を例えば4インチ幅200DPIとした場合、レーザ光源を800個配列した半導体レーザアレイ4が必要になり、やはりコストアップとなる。
【0010】
本発明の目的は、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる記録装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録装置において、各記録素子を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各記録素子による各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部を具備する記録装置である。
【0012】
本発明は、複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報をする記録装置において、各レーザ光源を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各レーザビームによる各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部を具備する記録装置である。
【0013】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録方法において、各記録素子を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各記録素子による各記録動作を集中させる記録方法である。
【0014】
本発明は、複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドにおける各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録方法において、各レーザ光源を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各レーザビームによる各記録動作を集中させる記録方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる記録装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は記録装置の構成図を示す。記録ヘッドとしてレーザアレイヘッド10が設けられている。このレーザアレイヘッド10は、図2に示すように複数の記録素子としてレーザ光源である例えば8素子の半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成る。これら半導体レーザ11a〜11hは、それぞれレーザビームを出力する。これら半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの光路上には、例えばポリゴンミラー2が設けられている。このポリゴンミラー2は、モータ12の駆動によって矢印C方向に回転し、各半導体レーザ11a〜11hから出力された各レーザビームをそれぞれ主走査方向Aに走査する。モータ12は、モータ駆動部13によって回転駆動する。なお、ポリゴンミラー2によるレーザビームの主走査方向Aへの走査範囲は、感熱記録媒体3上に限らず、感熱記録媒体3面上の外側にも走査可能である。
【0017】
搬送機構14上には、例えば感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3が載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。なお、主走査方向Aと副走査方向Bとは、互いに直交する。搬送機構14の上流側には、記録媒体収納ボックス15が設けられている。この記録媒体収納ボックス15内には、複数の感熱記録媒体3が収納されている。記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。
【0018】
駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動し、感熱記録媒体3上における情報の印字箇所すなわち印字ドット箇所に対する各半導体レーザ11a〜11hによる各記録動作を集中させる、すなわち、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット上に順次重ね合わせる。このように感熱記録媒体3に対して各レーザビームを順次重ね合わせて照射すると、感熱記録媒体3上の各レーザビームを順次重ね合わせて照射された印字ドット箇所は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。
【0019】
具体的に駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。
【0020】
駆動タイミング制御部16は、画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の印字ドット箇所を認識し、この印字ドット箇所に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動し、かつポリゴンミラー2を回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これと共に駆動タイミング制御部16は、感熱記録媒体3を搬送する指令を搬送機構14に発する。
駆動タイミング制御部16は、搬送機構14による感熱記録媒体3の搬送速度に応じて感熱記録媒体3に対する記録動作、すなわちポリゴンミラー2による各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度を可変可能である。例えば、感熱記録媒体3の搬送速度が速くなると、各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度が速くなる。感熱記録媒体3の搬送速度が遅くなると、各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度も遅くなる。これにより、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて感熱記録媒体3上の各印字ドットへの印字タイミングが可変する。
【0021】
操作入力部17は、感熱記録媒体3に対する記録動作開始や記録枚数などを操作する。この操作入力部17は、感熱記録媒体3に記録すべき情報を入力してもよい。
【0022】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を載置し、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。このとき搬送機構14上に載置される感熱記録媒体3は、画像や文字等の画像データの記録の全く無いものである。
【0023】
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始前、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図3に示すように感熱記録媒体3の面上の外側Dに位置する。
【0024】
以下、図4に示すように感熱記録媒体3上の主走査方向Aに交互に印字、印字無しを繰り返す各印字ドットd1〜d9を印字する場合を例に取って説明する。
感熱記録媒体3に対する記録動作を開始すると、駆動タイミング制御部16は、画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の例えば印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を認識し、これら印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動する。これと共に駆動タイミング制御部16は、ポリゴンミラー2を矢印C方向に回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これにより、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は主走査方向Aに順次移動する。
【0025】
例えば4インチ幅、200DPIの印字を1.6ms/line(2μs/dot)で実現する場合、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後2μsの時間が経過すると、当該半導体レーザ11hから出力されるレーザビームの走査位置は、図5に示すように感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側の位置に移動する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11hのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。
【0026】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後4μs経過すると、図6に示すように各半導体レーザ11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置は、感熱記録媒体3の記録面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11gのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11f、11hを駆動しない。これにより、半導体レーザ11gから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11gからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11hからのレーザビームが重ねて照射される。
【0027】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後6μs経過すると、図7に示すように各半導体レーザ11f、11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置は、感熱記録媒体3の記録面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11f、11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11e、11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd3に照射される。これと共に半導体レーザ11fから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームの照射に続いて半導体レーザ11fからのレーザビームが重ねて照射される。
【0028】
以下、上記同様に、2μsの時間経過毎に、駆動タイミング制御部16は、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動する。これにより、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後16μsの時間が経過すると、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図8に示すように感熱記録媒体3の印字面上に位置する。すなわち、各半導体レーザ11a〜11hのうち半導体レーザ11aから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側に位置する状態になる。
【0029】
ここで、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11hから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。すなわち、印字ドットd1には、トータルで8回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd1は、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも8倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd1は、十分な濃度で印字が完了する。
【0030】
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後20μsの時間が経過すると、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、さらに主走査方向Aに移動し、図9に示すように半導体レーザ11aから出力される各レーザビームの走査位置が印字ドットd3に対応する位置に移動する。このとき、印字ドットd3にもトータルで8回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd3も上記同様に、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも8倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd3も印字ドットd1と同様に、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd3は、十分な濃度で印字が完了する。
【0031】
以下、同様に、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9等に従って各半導体レーザ11a〜11hが選択的に駆動され、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が1ライン分だけ主走査方向Aへの走査が終了すると、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0032】
このように上記第1の実施の形態によれば、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が主走査方向Aに移動すると共に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて照射するので、例えば高出力のガスレーザ等のレーザ装置を用いることなく、安価な各半導体レーザを必要最小限の個数、例えば8個の各半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成るレーザアレイヘッド10を使用するだけで、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる。
【0033】
各半導体レーザ11a〜11hは、駆動タイミング制御部16が各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを重ね合わせて照射することにより例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9における温度が図20に示す発色温度(例えば180℃)に加熱されるので、各半導体レーザ11a〜11hの単体では、高出力のレーザパワーを有していなくてもよい。これら半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを重ね合わせにより、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9は、それぞれ十分な濃度で印字できる。
なお、各半導体レーザは、個数を例えば半導体レーザ11a〜11hの8個として説明したが、これに限らず、各半導体レーザのレーザパワーの大きさに応じて個数を増減することが可能である。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図10は記録装置の構成図を示す。駆動タイミング制御部16には、印字判別部18が接続されている。この印字判別部18には、印字面センサ19及び印字設定部20が接続されている。印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に設けられている。この印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面の状態を検出し、その検出信号を出力する。この印字面センサ19は、例えば画像センサを用いればよい。印字設定部20は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かが例えばオペレータ等により操作入力される。
【0035】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態を検出し、この検出結果に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かの判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0036】
温度センサ21が例えば記録媒体収納ボックス15内に設けられている。この温度センサ21は、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度を検出し、その検出信号を出力する。
【0037】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18の判別結果を受け、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在していると判別された場合、例えば図4に示す各印字ドットd1〜d9の位置全てに既に印字ドットが形成されていると、図2に示す各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動し、これら半導体レーザ11e〜11hから各印字ドットd1〜d9毎に各レーザビームを出力させる。このように各半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを感熱記録媒体3の印字ドットに順次重ね合わせて照射することにより、感熱記録媒体3の印字面は、図20に示す消去温度に加熱される。これにより、記録面に存在している既存の印字は、消去される。
【0038】
これと共に、駆動タイミング制御部16は、残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に順次重ね合わせて照射する。
【0039】
一方、駆動タイミング制御部16は、印字判別部18の判別結果を受け、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が無いと判別された場合、上記第1の実施の形態と同様に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。
【0040】
駆動タイミング制御部16は、温度センサ21から出力される検出信号を入力し、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度に応じて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字があると判別された場合に常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更してもよい。例えば、感熱記録媒体3の周囲温度が予め設定された基準温度のときに4個の半導体レーザ11e〜11hから常時各レーザビームを出力するに設定する。感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度ずつ上昇する毎にレーザビームを出力する半導体レーザを例えば1個ずつ削減する。又、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度上昇すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個削減し、3個の半導体レーザ11f〜11hにする。例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度低下すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個増加し、5個の半導体レーザ11d〜11hにする。
【0041】
又、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hから各印字ドットd1〜d9毎に各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1〜d9に順次重ね合わせて照射し、感熱記録媒体3を発色温度(例えば180℃)に到達しないが当該発色温度(例えば180℃)に近い温度まで予熱することを可能とする。この場合、例えば駆動タイミング制御部16によってレーザビームを出力する各半導体レーザ11e〜11hの個数を増減したり、レーザパワーの小さい各半導体レーザ11a〜11hを用いたりすることで実現できる。
【0042】
次に、図4に示すように感熱記録媒体3上の主走査方向Aに交互に印字、印字無しを繰り返す各印字ドットd1〜d9を印字する場合を例に取って説明する。
記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面には、例えば図11に示すように例えば横罫線の印字が既に存在する。又、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始前、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図11に示すように感熱記録媒体3の面上の外側Dに位置する。横罫線は、発色しているライン状の各印字ドットd1〜d15により形成される。印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面の状態を検出し、その検出信号を出力する。又は、印字設定部20は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することが例えばオペレータ等により操作入力される。
【0043】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態を検出し、この検出結果に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0044】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18からの感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する判別結果を受けると、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動し、これら半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させ、かつ残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、これら半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドットに順次重ね合わせて照射する。
【0045】
すなわち、感熱記録媒体3に対する記録動作を開始すると、駆動タイミング制御部16は、全ての印字ドットd1〜d9毎に各半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させ、かつ画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の例えば印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を認識し、これら印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11dを選択的に駆動する。
【0046】
これと共に駆動タイミング制御部16は、ポリゴンミラー2を矢印C方向に回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これにより各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、主走査方向Aに順次移動する。
【0047】
例えば4インチ幅、200DPIの印字を1.6ms/line(2μs/dop)で実現する場合、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後2μsの時間が経過すると、当該半導体レーザ11hから出力されるレーザビームの走査位置は、図12に示すように感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側に位置に移動する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11hのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。
【0048】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後4μs経過すると、図13に示すように各半導体レーザ11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11g、11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11fを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11g、11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d2に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11hからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11gからのレーザビームが重ねて照射される。又、印字ドットd2には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0049】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後8μs経過すると、図14に示すように各半導体レーザ11e〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1〜d4に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11e〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。
【0050】
ここで、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11e〜11hから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。すなわち、印字ドットd1には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd1は、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも4倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd1は、図14に示すように既存の印字が消去される。
【0051】
このとき、印字ドットd2には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd3には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd4には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0052】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後10μs経過すると、図15に示すように各半導体レーザ11d〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11d〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11cを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11d〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1〜d5に照射される。これにより、印字ドットd1には、消去された状態の後、最初に半導体レーザ11dからのレーザビームが照射される。
【0053】
このとき、印字ドットd2には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、印字ドットd2は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd2は、図14に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd3には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd4には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd5には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0054】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後12μs経過すると、図16に示すように各半導体レーザ11e〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11c、11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a、11b、11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11c、11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d3〜d6に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11dからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11cからのレーザビームが重ねて照射される。
【0055】
このとき、印字ドットd2には、レーザビームが照射されないので、印字ドットd1は、図16に示すように既存の印字が消去された状態になる。
印字ドットd3には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、この印字ドットd3は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd3は、図16に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd4には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd5には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd6には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0056】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後16μs経過すると、図17に示すように各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a、11c、11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11b、11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11a、11c、11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d3、d5〜d8に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11dからの各レーザビームが連続的に照射される。
【0057】
しかるに、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11dから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd1は、十分な濃度で印字が完了する。
【0058】
このとき、各印字ドットd2、d4には、それぞれレーザビームが照射されないので、これら印字ドットd2、d4は、図17に示すように既存の印字が消去された状態になる。
印字ドットd3には、消去された状態の後、最初に半導体レーザ11cからのレーザビームが照射される。
【0059】
印字ドットd5には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、印字ドットd5は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd5は、図17に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd6には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd7には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd8には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0060】
以下、同様に、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9等に従って各半導体レーザ11a〜11hが選択的に駆動され、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が1ライン分だけ主走査方向Aへの走査が終了すると、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0061】
一方、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しなければ、印字面センサ19は、感熱記録媒体3に印字の存在しない状態を検出し、その検出信号を出力する。又は、印字設定部20は、感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことが例えばオペレータ等により操作入力される。印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態から感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しない判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0062】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18からの感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しない判別結果を受けると、上記第1の実施の形態と同様に、図3及び図5〜図9に示すように各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。これにより、感熱記録媒体3の印字面上には、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0063】
又、温度センサ21は、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度を検出し、その検出信号を出力する。駆動タイミング制御部16は、温度センサ21から出力される検出信号を入力し、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度に応じて常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更する。駆動タイミング制御部16は、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度上昇すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個削減し、3個の半導体レーザ11f〜11hにする。駆動タイミング制御部16は、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度低下すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個増加し、5個の半導体レーザ11d〜11hにする。
【0064】
このように上記第2の実施の形態によれば、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在していると判別された場合、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば図2に示す各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動して各レーザビームを出力させ、これら各レーザビームを感熱記録媒体3の全ての印字ドットd1〜d9毎に順次重ね合わせて照射することにより、感熱記録媒体3の印字面は、図20に示す消去温度に加熱され、記録面に存在している既存の印字を消去できる。
【0065】
これと共に、残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に順次重ね合わせて照射するので、既存の印字を消去した後に、感熱記録媒体3の印字面上に例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を形成することができる。
しかるに、上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果、すなわち例えば高出力のガスレーザ等のレーザ装置を用いることなく、安価な各半導体レーザを必要最小限の個数、例えば8個の各半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成るレーザアレイヘッド10を使用するだけで、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる。
【0066】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号、又は印字設定部20の設定状態に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別するので、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しなければ、第1の実施の形態と同様に、感熱記録媒体3の印字面を発色温度に上昇させて画像や文字等の画像データを記録でき、かつ感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在すれば、一旦、既存の印字を消去した後に、感熱記録媒体3の印字面を発色温度に上昇させて画像や文字等の画像データを記録できる。
【0067】
従って、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しても又は存在しなくても、これら感熱記録媒体3の印字面の状態に応じて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する場合と存在しない場合とで各記録動作を切り替えて自動的に感熱記録媒体3の印字面への記録ができる。
【0068】
感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しない場合、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば図2に示す各半導体レーザ11e〜11hを例えば各印字ドットd1〜d15毎に駆動して各レーザビームを出力させることがないので、消費電力を削減できる。
【0069】
感熱記録媒体3の周囲温度に応じて常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更するので、特に本装置は高温下で使用されるので、レーザビームを出力する半導体レーザを少なくとも1個減少し、例えば3個等の半導体レーザ11f〜11hから出力される各レーザビームを既存の印字の存在する印字ドットに照射して当該既存の印字を消去できる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施の形態では、感熱記録媒体は、保護層/発色層/基材から構成されているが、保護層/光熱変換層/発色層/基材から構成しても良い。後者の場合、レーザビームを重ね合わせることによって光を集中させ、集中させた光を前記光熱変換層で熱に変換し、結果熱を集中させることができる。
【0071】
上記各実施の形態では、各半導体レーザ11a〜11hの個数を例えば8個としているが、これに限らず、各半導体レーザ11a〜11hのレーザパワーの大きさや本装置の温度環境下に応じて各半導体レーザ11a〜11hの個数を設定してよい。又、各半導体レーザ11a〜11hのレーザパワーは、これら半導体レーザ11a〜11hの個数に応じて可変してもよい。
又、上記各実施の形態は、感熱記録媒体3上にレーザビームを照射して各印字ドットを形成するレーザアレイヘッド10を適用した場合について説明しているが、これに限らず、例えばK(ブラック)C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロ)のインクを記録用紙等の記録媒体に滴下して画像を形成するインクジェット方式の記録装置にも適用可能である。この場合、インクジェット方式の記録ヘッドの主走査方向Aの移動と共に、インクジェット方式の記録ヘッドから出力されるKCMYの各インクをそれぞれ個別に記録媒体上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて滴下する。これにより、例えば印字ドットd1にK色のインクを順次滴下して重ね合わせれば、最適な濃度の印字ドットd1を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る記録装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における複数の半導体レーザをライン状に配置して成るレーザアレイヘッドの構成図。
【図3】同装置における感熱記録媒体に対する記録動作の開始前における各半導体レーザの感熱記録媒体上の投影位置を示す図。
【図4】同装置により感熱記録媒体上に印字する各印字ドットを示す図。
【図5】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図6】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図7】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図8】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図9】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図10】本発明に係る記録装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図12】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図13】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図14】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図15】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図16】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図17】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図18】従来におけるレーザビームを用いた記録方式を示す図。
【図19】従来における複数のレーザ光源をライン状に配列して成る記録ヘッドを使用した記録方式を示す図。
【図20】感熱記録媒体の発色及び消去特性を示す図。
【符号の説明】
【0073】
3:感熱記録媒体、2:ポリゴンミラー、10:レーザアレイヘッド、11a〜11h:半導体レーザ、12:モータ、13:モータ駆動部、14:搬送機構、15:記録媒体収納ボックス、16:駆動タイミング制御部、17:操作入力部、18:印字判別部、19:印字面センサ、20:印字設定部、21:温度センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを用いて記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する記録装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドとしてアレイヘッドを用いた記録方式には、例えば次の2つの方式がある。かかる第1の方式は、ライン型サーマルヘッドのような主走査範囲と同一長さを有するアレイヘッドを主走査方向に対して平行に配置し、このアレイヘッドに対して記録用紙等の記録媒体を主走査方向に対して垂直な副走査方向に搬送し、記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する。サーマルヘッドを用いた記録方式は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1は、可逆性感熱記録媒体の画像の書き換えの際に、残像(発色むら)の無い良好な記録画像を得る初期化方法及び書き換え方法並びにその装置に関し、加熱温度又は加熱後の冷却速度の違いにより発色又は消色する可逆性感熱記録媒体の全面或いは記録領域をサーマルヘッドにより発色温度に加熱して発色させて記録層を均一化する操作を施すことを開示する。
第2の方式は、複数の記録素子をライン状に配置して成るアレイヘッドを記録用紙等の記録媒体の搬送方向に対して平行に配置し、かつ記録媒体の搬送を一時的に停止すると共にアレイヘッドを記録媒体の搬送方向に対して垂直な主走査方向に走査して記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録し、次に記録媒体を複数ライン分に相当する距離だけ搬送し、再び記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録することを繰り返し、記録媒体上に2次元の画像情報等を記録する。
【0003】
一方、レーザ光源から出力されるレーザビームを主走査方向に走査して記録を行う方式にも例えば次の2つの方式がある。かかる第3の方式は、例えばレーザプリンタ等に使用されるもので、図18に示すように例えば半導体レーザ等のような単光源のレーザ光源1から出力されるレーザビームをポリゴンミラー2に照射し、このポリゴンミラー2の回転又は往復運動によってレーザビームを主走査方向Aに走査し、かつ例えば感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送し、この感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
【0004】
第4の方式は、図19に示すように複数のレーザ光源をライン状に配列して成る半導体レーザアレイ4を使用し、この半導体レーザアレイ4を主走査方向に配置し、かつ感熱記録媒体3を副走査方向に搬送し、感熱記録媒体3上に2次元の画像情報等を記録する。
感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。図20は感熱記録媒体3の発色、消去特性を示す。この感熱記録媒体3は、例えば融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、例えば約130℃〜170℃程度もある。このように感熱記録媒体3は、温度と時間とを厳密にコントロールして印字・消去を行う。
【特許文献1】特開2001−341429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の方式では、サーマルヘッドと感熱記録紙とを接触させるために、感熱記録紙の保護層を傷付けるおそれがある。
【0006】
第2の方式では、記録媒体上に複数ライン分の画像情報等を同時に記録する毎に記録媒体の搬送を必ず一時的に停止しなければならず、高速な記録を行うのに適切でない。
【0007】
感熱記録媒体3に対してレーザビームを走査して情報を記録する場合、上記図18に示すように単光源のレーザ光源1を用いた第3の方式では、レーザ光源1から出力されるレーザビームのパワーが小さく、感熱記録媒体3の記録面を発色温度に加熱するのに時間を要し、感熱記録媒体3への記録スピードを高速化できない。レーザ光源1として例えば高出力の半導体レーザを使用して感熱記録媒体3への記録スピードを高速化することが考えられる。しかしながら、高出力の半導体レーザから出力されるレーザビームのビーム径を小さく絞ることができず、感熱記録媒体3上に細かな印字ドットを形成することができない。高出力のガスレーザを用いる場合、装置が大型化し、かつ大きな電源容量が必要になり、コストアップとなる。
【0008】
複数の単光源の半導体レーザを用い、これら半導体レーザからそれぞれ出力される各レーザビームを重ね合わせてレーザビームのパワーをアップさせることが考えられるが、複数のレーザビームを位置合わせして重ね合わせることが難しく、例えば2乃至4本のレーザビームを重ね合わせることが限界であり、これ以上の本数のレーザビームを重ね合わせることに従って困難性が増す。
【0009】
第4の方式のように複数のレーザ光源をライン状に配列して成る半導体レーザアレイ4を用いる方法が考えられるが、この方式では、主走査範囲を例えば4インチ幅200DPIとした場合、レーザ光源を800個配列した半導体レーザアレイ4が必要になり、やはりコストアップとなる。
【0010】
本発明の目的は、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる記録装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録装置において、各記録素子を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各記録素子による各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部を具備する記録装置である。
【0012】
本発明は、複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報をする記録装置において、各レーザ光源を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各レーザビームによる各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部を具備する記録装置である。
【0013】
本発明は、複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録方法において、各記録素子を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各記録素子による各記録動作を集中させる記録方法である。
【0014】
本発明は、複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドにおける各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより記録媒体上に情報を記録する記録方法において、各レーザ光源を選択的に駆動し、記録媒体上における情報の印字箇所に対する各レーザビームによる各記録動作を集中させる記録方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる記録装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図18と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は記録装置の構成図を示す。記録ヘッドとしてレーザアレイヘッド10が設けられている。このレーザアレイヘッド10は、図2に示すように複数の記録素子としてレーザ光源である例えば8素子の半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成る。これら半導体レーザ11a〜11hは、それぞれレーザビームを出力する。これら半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの光路上には、例えばポリゴンミラー2が設けられている。このポリゴンミラー2は、モータ12の駆動によって矢印C方向に回転し、各半導体レーザ11a〜11hから出力された各レーザビームをそれぞれ主走査方向Aに走査する。モータ12は、モータ駆動部13によって回転駆動する。なお、ポリゴンミラー2によるレーザビームの主走査方向Aへの走査範囲は、感熱記録媒体3上に限らず、感熱記録媒体3面上の外側にも走査可能である。
【0017】
搬送機構14上には、例えば感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体3が載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。なお、主走査方向Aと副走査方向Bとは、互いに直交する。搬送機構14の上流側には、記録媒体収納ボックス15が設けられている。この記録媒体収納ボックス15内には、複数の感熱記録媒体3が収納されている。記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。
【0018】
駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動し、感熱記録媒体3上における情報の印字箇所すなわち印字ドット箇所に対する各半導体レーザ11a〜11hによる各記録動作を集中させる、すなわち、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット上に順次重ね合わせる。このように感熱記録媒体3に対して各レーザビームを順次重ね合わせて照射すると、感熱記録媒体3上の各レーザビームを順次重ね合わせて照射された印字ドット箇所は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。
【0019】
具体的に駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。
【0020】
駆動タイミング制御部16は、画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の印字ドット箇所を認識し、この印字ドット箇所に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動し、かつポリゴンミラー2を回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これと共に駆動タイミング制御部16は、感熱記録媒体3を搬送する指令を搬送機構14に発する。
駆動タイミング制御部16は、搬送機構14による感熱記録媒体3の搬送速度に応じて感熱記録媒体3に対する記録動作、すなわちポリゴンミラー2による各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度を可変可能である。例えば、感熱記録媒体3の搬送速度が速くなると、各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度が速くなる。感熱記録媒体3の搬送速度が遅くなると、各レーザビームの主走査方向Aへの走査速度も遅くなる。これにより、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて感熱記録媒体3上の各印字ドットへの印字タイミングが可変する。
【0021】
操作入力部17は、感熱記録媒体3に対する記録動作開始や記録枚数などを操作する。この操作入力部17は、感熱記録媒体3に記録すべき情報を入力してもよい。
【0022】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
記録媒体収納ボックス15内に収納されている各感熱記録媒体3は、例えば1枚ずつピックアップされて搬送機構14上に載置される。この搬送機構14は、感熱記録媒体3を載置し、感熱記録媒体3を副走査方向Bに搬送する。このとき搬送機構14上に載置される感熱記録媒体3は、画像や文字等の画像データの記録の全く無いものである。
【0023】
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始前、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図3に示すように感熱記録媒体3の面上の外側Dに位置する。
【0024】
以下、図4に示すように感熱記録媒体3上の主走査方向Aに交互に印字、印字無しを繰り返す各印字ドットd1〜d9を印字する場合を例に取って説明する。
感熱記録媒体3に対する記録動作を開始すると、駆動タイミング制御部16は、画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の例えば印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を認識し、これら印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動する。これと共に駆動タイミング制御部16は、ポリゴンミラー2を矢印C方向に回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これにより、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は主走査方向Aに順次移動する。
【0025】
例えば4インチ幅、200DPIの印字を1.6ms/line(2μs/dot)で実現する場合、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後2μsの時間が経過すると、当該半導体レーザ11hから出力されるレーザビームの走査位置は、図5に示すように感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側の位置に移動する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11hのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。
【0026】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後4μs経過すると、図6に示すように各半導体レーザ11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置は、感熱記録媒体3の記録面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11gのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11f、11hを駆動しない。これにより、半導体レーザ11gから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11gからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11hからのレーザビームが重ねて照射される。
【0027】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後6μs経過すると、図7に示すように各半導体レーザ11f、11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置は、感熱記録媒体3の記録面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11f、11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11e、11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd3に照射される。これと共に半導体レーザ11fから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームの照射に続いて半導体レーザ11fからのレーザビームが重ねて照射される。
【0028】
以下、上記同様に、2μsの時間経過毎に、駆動タイミング制御部16は、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11hを選択的に駆動する。これにより、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後16μsの時間が経過すると、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図8に示すように感熱記録媒体3の印字面上に位置する。すなわち、各半導体レーザ11a〜11hのうち半導体レーザ11aから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側に位置する状態になる。
【0029】
ここで、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11hから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。すなわち、印字ドットd1には、トータルで8回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd1は、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも8倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd1は、十分な濃度で印字が完了する。
【0030】
感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後20μsの時間が経過すると、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、さらに主走査方向Aに移動し、図9に示すように半導体レーザ11aから出力される各レーザビームの走査位置が印字ドットd3に対応する位置に移動する。このとき、印字ドットd3にもトータルで8回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd3も上記同様に、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも8倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd3も印字ドットd1と同様に、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd3は、十分な濃度で印字が完了する。
【0031】
以下、同様に、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9等に従って各半導体レーザ11a〜11hが選択的に駆動され、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が1ライン分だけ主走査方向Aへの走査が終了すると、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0032】
このように上記第1の実施の形態によれば、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が主走査方向Aに移動すると共に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを感熱記録媒体3上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて照射するので、例えば高出力のガスレーザ等のレーザ装置を用いることなく、安価な各半導体レーザを必要最小限の個数、例えば8個の各半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成るレーザアレイヘッド10を使用するだけで、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる。
【0033】
各半導体レーザ11a〜11hは、駆動タイミング制御部16が各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを重ね合わせて照射することにより例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9における温度が図20に示す発色温度(例えば180℃)に加熱されるので、各半導体レーザ11a〜11hの単体では、高出力のレーザパワーを有していなくてもよい。これら半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームを重ね合わせにより、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9は、それぞれ十分な濃度で印字できる。
なお、各半導体レーザは、個数を例えば半導体レーザ11a〜11hの8個として説明したが、これに限らず、各半導体レーザのレーザパワーの大きさに応じて個数を増減することが可能である。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図10は記録装置の構成図を示す。駆動タイミング制御部16には、印字判別部18が接続されている。この印字判別部18には、印字面センサ19及び印字設定部20が接続されている。印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に設けられている。この印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面の状態を検出し、その検出信号を出力する。この印字面センサ19は、例えば画像センサを用いればよい。印字設定部20は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かが例えばオペレータ等により操作入力される。
【0035】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態を検出し、この検出結果に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かの判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0036】
温度センサ21が例えば記録媒体収納ボックス15内に設けられている。この温度センサ21は、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度を検出し、その検出信号を出力する。
【0037】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18の判別結果を受け、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在していると判別された場合、例えば図4に示す各印字ドットd1〜d9の位置全てに既に印字ドットが形成されていると、図2に示す各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動し、これら半導体レーザ11e〜11hから各印字ドットd1〜d9毎に各レーザビームを出力させる。このように各半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを感熱記録媒体3の印字ドットに順次重ね合わせて照射することにより、感熱記録媒体3の印字面は、図20に示す消去温度に加熱される。これにより、記録面に存在している既存の印字は、消去される。
【0038】
これと共に、駆動タイミング制御部16は、残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に順次重ね合わせて照射する。
【0039】
一方、駆動タイミング制御部16は、印字判別部18の判別結果を受け、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が無いと判別された場合、上記第1の実施の形態と同様に、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。
【0040】
駆動タイミング制御部16は、温度センサ21から出力される検出信号を入力し、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度に応じて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字があると判別された場合に常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更してもよい。例えば、感熱記録媒体3の周囲温度が予め設定された基準温度のときに4個の半導体レーザ11e〜11hから常時各レーザビームを出力するに設定する。感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度ずつ上昇する毎にレーザビームを出力する半導体レーザを例えば1個ずつ削減する。又、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度上昇すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個削減し、3個の半導体レーザ11f〜11hにする。例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度低下すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個増加し、5個の半導体レーザ11d〜11hにする。
【0041】
又、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hから各印字ドットd1〜d9毎に各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1〜d9に順次重ね合わせて照射し、感熱記録媒体3を発色温度(例えば180℃)に到達しないが当該発色温度(例えば180℃)に近い温度まで予熱することを可能とする。この場合、例えば駆動タイミング制御部16によってレーザビームを出力する各半導体レーザ11e〜11hの個数を増減したり、レーザパワーの小さい各半導体レーザ11a〜11hを用いたりすることで実現できる。
【0042】
次に、図4に示すように感熱記録媒体3上の主走査方向Aに交互に印字、印字無しを繰り返す各印字ドットd1〜d9を印字する場合を例に取って説明する。
記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面には、例えば図11に示すように例えば横罫線の印字が既に存在する。又、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始前、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、図11に示すように感熱記録媒体3の面上の外側Dに位置する。横罫線は、発色しているライン状の各印字ドットd1〜d15により形成される。印字面センサ19は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面の状態を検出し、その検出信号を出力する。又は、印字設定部20は、例えば記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することが例えばオペレータ等により操作入力される。
【0043】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態を検出し、この検出結果に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在することを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0044】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18からの感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する判別結果を受けると、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動し、これら半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させ、かつ残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、これら半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドットに順次重ね合わせて照射する。
【0045】
すなわち、感熱記録媒体3に対する記録動作を開始すると、駆動タイミング制御部16は、全ての印字ドットd1〜d9毎に各半導体レーザ11e〜11hから各レーザビームを出力させ、かつ画像や文字等を含む画像データに基づいて感熱記録媒体3上の例えば印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を認識し、これら印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に従って各半導体レーザ11a〜11dを選択的に駆動する。
【0046】
これと共に駆動タイミング制御部16は、ポリゴンミラー2を矢印C方向に回転させる駆動指令をモータ駆動部13に発する。これにより各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置は、主走査方向Aに順次移動する。
【0047】
例えば4インチ幅、200DPIの印字を1.6ms/line(2μs/dop)で実現する場合、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後2μsの時間が経過すると、当該半導体レーザ11hから出力されるレーザビームの走査位置は、図12に示すように感熱記録媒体3のエッジに隣接しかつエッジの内側に位置に移動する。このとき、駆動タイミング制御部16は、半導体レーザ11hのみを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11gを駆動しない。これにより、半導体レーザ11hから出力されたレーザビームは、ポリゴンミラー2で反射して印字ドットd1に照射される。
【0048】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後4μs経過すると、図13に示すように各半導体レーザ11g、11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11g、11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11fを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11g、11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d2に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11hからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11gからのレーザビームが重ねて照射される。又、印字ドットd2には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0049】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後8μs経過すると、図14に示すように各半導体レーザ11e〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1〜d4に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11e〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。
【0050】
ここで、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11e〜11hから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。すなわち、印字ドットd1には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われる。これにより、印字ドットd1は、単体の半導体レーザからのレーザビームの照射ときのレーザパワーよりも4倍のレーザパワーを受けるものとなる。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd1は、図14に示すように既存の印字が消去される。
【0051】
このとき、印字ドットd2には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd3には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd4には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0052】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後10μs経過すると、図15に示すように各半導体レーザ11d〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11d〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a〜11cを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11d〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1〜d5に照射される。これにより、印字ドットd1には、消去された状態の後、最初に半導体レーザ11dからのレーザビームが照射される。
【0053】
このとき、印字ドットd2には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、印字ドットd2は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd2は、図14に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd3には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd4には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd5には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0054】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後12μs経過すると、図16に示すように各半導体レーザ11e〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11c、11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11a、11b、11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11c、11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d3〜d6に照射される。これにより、印字ドットd1には、半導体レーザ11dからのレーザビームの照射に続いて半導体レーザ11cからのレーザビームが重ねて照射される。
【0055】
このとき、印字ドットd2には、レーザビームが照射されないので、印字ドットd1は、図16に示すように既存の印字が消去された状態になる。
印字ドットd3には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、この印字ドットd3は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd3は、図16に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd4には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd5には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd6には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0056】
次に、感熱記録媒体3に対する記録動作の開始後16μs経過すると、図17に示すように各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が感熱記録媒体3の印字面上に位置する。このとき、駆動タイミング制御部16は、各半導体レーザ11a、11c、11e〜11hを駆動し、他の各半導体レーザ11b、11dを駆動しない。これにより、各半導体レーザ11a、11c、11e〜11hから出力された各レーザビームは、それぞれポリゴンミラー2で反射して各印字ドットd1、d3、d5〜d8に照射される。これにより、印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11dからの各レーザビームが連続的に照射される。
【0057】
しかるに、印字ドットd1に着目すると、当該印字ドットd1には、各半導体レーザ11a〜11dから順次出力された各レーザビームが連続的に順次重ねられて照射される。この結果、印字ドットd1は、熱が集中して加熱され、図20に示す発色温度(例えば180℃)に達する。しかるに、印字ドットd1は、十分な濃度で印字が完了する。
【0058】
このとき、各印字ドットd2、d4には、それぞれレーザビームが照射されないので、これら印字ドットd2、d4は、図17に示すように既存の印字が消去された状態になる。
印字ドットd3には、消去された状態の後、最初に半導体レーザ11cからのレーザビームが照射される。
【0059】
印字ドットd5には、トータルで4回のレーザビームの照射が連続的に行われるので、印字ドットd5は、熱が集中して加熱され、図20に示す消去温度に達する。しかるに、印字ドットd5は、図17に示すように既存の印字が消去される。
又、印字ドットd6には、各半導体レーザ11f〜11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。同様に、印字ドットd7には、各半導体レーザ11g、11hからの各レーザビームが連続的に重ねられて照射される。印字ドットd8には、半導体レーザ11hからのレーザビームが照射される。
【0060】
以下、同様に、各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9等に従って各半導体レーザ11a〜11hが選択的に駆動され、各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が1ライン分だけ主走査方向Aへの走査が終了すると、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0061】
一方、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しなければ、印字面センサ19は、感熱記録媒体3に印字の存在しない状態を検出し、その検出信号を出力する。又は、印字設定部20は、感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことが例えばオペレータ等により操作入力される。印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号を入力し、例えば感熱記録媒体3の印字面の画像データに基づいて感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことを判別する。又、印字判別部18は、印字設定部20における設定状態から感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しないことを判別する。印字判別部18は、感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しない判別結果を駆動タイミング制御部16に送る。
【0062】
駆動タイミング制御部16は、印字判別部18からの感熱記録媒体3の印字面に印字が存在しない判別結果を受けると、上記第1の実施の形態と同様に、図3及び図5〜図9に示すように各半導体レーザ11a〜11hから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の印字ドット箇所に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11hから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを印字ドット箇所に順次重ね合わせて照射する。これにより、感熱記録媒体3の印字面上には、例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9が形成される。
【0063】
又、温度センサ21は、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度を検出し、その検出信号を出力する。駆動タイミング制御部16は、温度センサ21から出力される検出信号を入力し、記録媒体収納ボックス15内に収納されている感熱記録媒体3の周囲温度に応じて常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更する。駆動タイミング制御部16は、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度上昇すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個削減し、3個の半導体レーザ11f〜11hにする。駆動タイミング制御部16は、例えば感熱記録媒体3の周囲温度が基準温度よりも所定温度低下すると、レーザビームを出力する半導体レーザを1個増加し、5個の半導体レーザ11d〜11hにする。
【0064】
このように上記第2の実施の形態によれば、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在していると判別された場合、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば図2に示す各半導体レーザ11e〜11hを全ての印字ドットd1〜d9毎に駆動して各レーザビームを出力させ、これら各レーザビームを感熱記録媒体3の全ての印字ドットd1〜d9毎に順次重ね合わせて照射することにより、感熱記録媒体3の印字面は、図20に示す消去温度に加熱され、記録面に存在している既存の印字を消去できる。
【0065】
これと共に、残りの各半導体レーザ11a〜11dから出力される各レーザビームの走査位置が順次感熱記録媒体3上の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に対応する位置に到達したときに、各半導体レーザ11a〜11dから順次各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9に順次重ね合わせて照射するので、既存の印字を消去した後に、感熱記録媒体3の印字面上に例えば図4に示す1ライン分の各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9を形成することができる。
しかるに、上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果、すなわち例えば高出力のガスレーザ等のレーザ装置を用いることなく、安価な各半導体レーザを必要最小限の個数、例えば8個の各半導体レーザ11a〜11hをライン状に配置して成るレーザアレイヘッド10を使用するだけで、高速な記録動作を大幅なコストアップ無しに実現できる。
【0066】
印字判別部18は、印字面センサ19から出力される検出信号、又は印字設定部20の設定状態に基づいて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在するか否かを判別するので、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しなければ、第1の実施の形態と同様に、感熱記録媒体3の印字面を発色温度に上昇させて画像や文字等の画像データを記録でき、かつ感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在すれば、一旦、既存の印字を消去した後に、感熱記録媒体3の印字面を発色温度に上昇させて画像や文字等の画像データを記録できる。
【0067】
従って、感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しても又は存在しなくても、これら感熱記録媒体3の印字面の状態に応じて感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在する場合と存在しない場合とで各記録動作を切り替えて自動的に感熱記録媒体3の印字面への記録ができる。
【0068】
感熱記録媒体3の印字面に既存の印字が存在しない場合、各半導体レーザ11a〜11hのうち一部の各半導体レーザ、例えば図2に示す各半導体レーザ11e〜11hを例えば各印字ドットd1〜d15毎に駆動して各レーザビームを出力させることがないので、消費電力を削減できる。
【0069】
感熱記録媒体3の周囲温度に応じて常時各レーザビームを出力させる各半導体レーザ11e〜11hの個数を変更するので、特に本装置は高温下で使用されるので、レーザビームを出力する半導体レーザを少なくとも1個減少し、例えば3個等の半導体レーザ11f〜11hから出力される各レーザビームを既存の印字の存在する印字ドットに照射して当該既存の印字を消去できる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施の形態では、感熱記録媒体は、保護層/発色層/基材から構成されているが、保護層/光熱変換層/発色層/基材から構成しても良い。後者の場合、レーザビームを重ね合わせることによって光を集中させ、集中させた光を前記光熱変換層で熱に変換し、結果熱を集中させることができる。
【0071】
上記各実施の形態では、各半導体レーザ11a〜11hの個数を例えば8個としているが、これに限らず、各半導体レーザ11a〜11hのレーザパワーの大きさや本装置の温度環境下に応じて各半導体レーザ11a〜11hの個数を設定してよい。又、各半導体レーザ11a〜11hのレーザパワーは、これら半導体レーザ11a〜11hの個数に応じて可変してもよい。
又、上記各実施の形態は、感熱記録媒体3上にレーザビームを照射して各印字ドットを形成するレーザアレイヘッド10を適用した場合について説明しているが、これに限らず、例えばK(ブラック)C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロ)のインクを記録用紙等の記録媒体に滴下して画像を形成するインクジェット方式の記録装置にも適用可能である。この場合、インクジェット方式の記録ヘッドの主走査方向Aの移動と共に、インクジェット方式の記録ヘッドから出力されるKCMYの各インクをそれぞれ個別に記録媒体上の同一印字ドット、例えば各印字ドットd1、d3、d5、d7、d9上に順次重ね合わせて滴下する。これにより、例えば印字ドットd1にK色のインクを順次滴下して重ね合わせれば、最適な濃度の印字ドットd1を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る記録装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における複数の半導体レーザをライン状に配置して成るレーザアレイヘッドの構成図。
【図3】同装置における感熱記録媒体に対する記録動作の開始前における各半導体レーザの感熱記録媒体上の投影位置を示す図。
【図4】同装置により感熱記録媒体上に印字する各印字ドットを示す図。
【図5】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図6】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図7】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図8】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図9】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図10】本発明に係る記録装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図12】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図13】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図14】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図15】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図16】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図17】同装置による感熱記録媒体上の各印字ドットの印字作用を示す図。
【図18】従来におけるレーザビームを用いた記録方式を示す図。
【図19】従来における複数のレーザ光源をライン状に配列して成る記録ヘッドを使用した記録方式を示す図。
【図20】感熱記録媒体の発色及び消去特性を示す図。
【符号の説明】
【0073】
3:感熱記録媒体、2:ポリゴンミラー、10:レーザアレイヘッド、11a〜11h:半導体レーザ、12:モータ、13:モータ駆動部、14:搬送機構、15:記録媒体収納ボックス、16:駆動タイミング制御部、17:操作入力部、18:印字判別部、19:印字面センサ、20:印字設定部、21:温度センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録装置において、
前記各記録素子を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各記録素子による各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記駆動タイミング制御部は、前記印字箇所に対して前記各記録素子による各記録動作を重ね合わせることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、前記各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録装置において、
前記各レーザ光源を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各レーザビームによる各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を有することを特徴とする請求項3記載の記録装置。
【請求項5】
前記駆動タイミング制御部は、前記感熱記録媒体に対して前記各レーザビームを重ね合わせて照射し、前記感熱記録媒体に熱又光を集中させて加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項6】
前記駆動タイミング制御部は、前記記録媒体の搬送速度に応じて前記記録媒体に対する前記記録動作のタイミングを可変することを特徴とする請求項1又は3記載の記録装置。
【請求項7】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項8】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力し、かつ残りの前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項9】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記感熱記録媒体を予熱することを特徴とする請求項8記載の記録装置。
【請求項10】
前記感熱記録媒体は、既存の印字が存在し、
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記既存の印字を消去する消去温度に加熱することを特徴とする請求項8記載の記録装置。
【請求項11】
前記駆動タイミング制御部は、周囲温度に応じて常時前記各レーザビームを出力させる前記一部の前記各レーザ光源の個数を変更可能とすることを特徴とする請求項9又は10記載の記録装置。
【請求項12】
前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否かを判別する印字判別部を有し、
前記印字判別部による判別の結果、前記感熱記録媒体に前記既存の印字が無いと判別された場合、前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項13】
前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否かを判別する印字判別部を有し、
前記印字判別部による判別の結果、前記感熱記録媒体に前記既存の印字が存在すると判別された場合、前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力し、かつ残りの前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項14】
前記印字判別部は、前記感熱記録媒体の印字面の状態を検出する印字面センサを有し、前記印字面センサの検出出力に基づいて前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否か判別することを特徴とする請求項12又は13記載の記録装置。
【請求項15】
前記印字判別部は、前記感熱記録媒体の印字面に前記既存の印字が存在するか否かを予め設定する印字設定部を有し、前記印字設定部の設定状態に基づいて前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否か判別することを特徴とする請求項12又は13記載の記録装置。
【請求項16】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録方法において、
前記各記録素子を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各記録素子による各記録動作を集中させることを特徴とする記録方法。
【請求項17】
複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドにおける前記各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、前記主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録方法において、
前記各レーザ光源を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各レーザビームによる各記録動作を集中させることを特徴とする記録方法。
【請求項1】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録装置において、
前記各記録素子を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各記録素子による各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記駆動タイミング制御部は、前記印字箇所に対して前記各記録素子による各記録動作を重ね合わせることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドを有し、前記各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録装置において、
前記各レーザ光源を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各レーザビームによる各記録動作を集中させる駆動タイミング制御部、
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を有することを特徴とする請求項3記載の記録装置。
【請求項5】
前記駆動タイミング制御部は、前記感熱記録媒体に対して前記各レーザビームを重ね合わせて照射し、前記感熱記録媒体に熱又光を集中させて加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項6】
前記駆動タイミング制御部は、前記記録媒体の搬送速度に応じて前記記録媒体に対する前記記録動作のタイミングを可変することを特徴とする請求項1又は3記載の記録装置。
【請求項7】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項8】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力し、かつ残りの前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項9】
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記感熱記録媒体を予熱することを特徴とする請求項8記載の記録装置。
【請求項10】
前記感熱記録媒体は、既存の印字が存在し、
前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記既存の印字を消去する消去温度に加熱することを特徴とする請求項8記載の記録装置。
【請求項11】
前記駆動タイミング制御部は、周囲温度に応じて常時前記各レーザビームを出力させる前記一部の前記各レーザ光源の個数を変更可能とすることを特徴とする請求項9又は10記載の記録装置。
【請求項12】
前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否かを判別する印字判別部を有し、
前記印字判別部による判別の結果、前記感熱記録媒体に前記既存の印字が無いと判別された場合、前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項13】
前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否かを判別する印字判別部を有し、
前記印字判別部による判別の結果、前記感熱記録媒体に前記既存の印字が存在すると判別された場合、前記駆動タイミング制御部は、前記各レーザ光源のうち一部の前記各レーザ光源から常時前記各レーザビームを出力し、かつ残りの前記各レーザ光源から出力される前記各レーザビームの走査位置が順次前記感熱記録媒体上の前記印字箇所に対応する位置に到達したときに、前記各レーザ光源から順次前記レーザビームを出力させて当該各レーザビームを前記印字箇所に順次重ね合わせて照射し、前記印字箇所を発色温度に加熱することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
【請求項14】
前記印字判別部は、前記感熱記録媒体の印字面の状態を検出する印字面センサを有し、前記印字面センサの検出出力に基づいて前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否か判別することを特徴とする請求項12又は13記載の記録装置。
【請求項15】
前記印字判別部は、前記感熱記録媒体の印字面に前記既存の印字が存在するか否かを予め設定する印字設定部を有し、前記印字設定部の設定状態に基づいて前記感熱記録媒体に既存の印字があるか否か判別することを特徴とする請求項12又は13記載の記録装置。
【請求項16】
複数の記録素子をライン状に配置して成る記録ヘッドを主走査方向に駆動走査すると共に、前記記録ヘッドの主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録方法において、
前記各記録素子を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各記録素子による各記録動作を集中させることを特徴とする記録方法。
【請求項17】
複数のレーザ光源をライン状に配置して成る記録ヘッドにおける前記各レーザ光源から出力される各レーザビームを主走査方向に駆動走査すると共に、前記主走査方向に対して垂直な副走査方向に記録媒体を搬送することにより前記記録媒体上に情報を記録する記録方法において、
前記各レーザ光源を選択的に駆動し、前記記録媒体上における前記情報の印字箇所に対する前記各レーザビームによる各記録動作を集中させることを特徴とする記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−179052(P2008−179052A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14111(P2007−14111)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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