説明

記録装置及び再生装置

【課題】映像データ再生中に、再生中の映像データに影響を及ぼすことなく、サムネール一覧表示を行うのが困難であるという課題がある。
【解決手段】記録再生装置1は、映像データ及び映像データに関するサムネールが記録された記録媒体19にアクセスする記録媒体アクセス制御部11と、映像データが入力される入力部17と、入力部17に入力された映像データを記録媒体19に記録するに際して、記録媒体19上のサムネールと、新たに生成するサムネールとのデータ量を算出し、算出したデータ量が所定の値を超える場合に、サムネールを圧縮するサムネール生成部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な記録媒体にコンテンツデータ及びその管理情報を記録する記録装置、及び記録媒体に記録されたコンテンツデータ及びその管理情報を再生する再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フラッシュメモリ等の半導体記憶素子を記録媒体として採用するビデオサーバーが実用化されている。記録媒体に格納されているコンテンツデータは映像データとその代表画像であるサムネール等の管理情報から構成されるのが一般的である。サムネールとは記録された映像データの中の代表的なフレームのことである。ビデオサーバーにおいて、ユーザはサムネール一覧表から再生する映像を選択することで、選択した映像を再生することが可能である。
【0003】
映像データ再生中にサムネールを閲覧する場合、映像データへのアクセスに影響が生じる場合がある。それを回避するために、映像データ再生中にはサムネール等の管理情報にアクセスすることは禁止することが一般的である。また、再生中にサムネールデータにアクセスすることを可能にする場合でも、ある一定枚数のサムネール画像をビデオサーバー内のDRAMなどのメモリに記録媒体からコピーして格納することが一般的である。
【0004】
特許文献1では、ディスクに記録するサムネール画像の枚数をサムネール一覧表示の1ページに表示できる枚数に限定し、使用者がサムネール一覧表示の操作を行うと、デコードを行わずにサムネール一覧表示の1ページ目を出力する記録再生装置が開示されている。また、サムネール一覧表示の2ページ目以降におけるサムネール画像の生成は、1ページ目を出力している間に行うようにして、大量のメモリを消費することなく、かつ直前にデコードを行う場合と比べて、高速に表示できるようにしている。
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、記録媒体内の同時に閲覧できる映像データの数が、あらかじめ一覧表示できる枚数に制限されてしまい、画面の大型化等により一覧表示できる枚数が増加した場合でも、表示できる枚数が制限されてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−17057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、着脱可能な記録媒体に格納されたコンテンツデータ内の映像データ再生中でも、サムネールデータを自由に見ることができるようにする記録装置及び再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の記録装置は、コンテンツデータ及びコンテンツデータに関する管理情報が記録された記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス制御部と、コンテンツデータが入力される入力部と、前記入力部に入力されたコンテンツデータに関する管理情報を生成する管理情報生成部と、前記入力部に入力されたコンテンツデータを前記記録媒体に記録するに際して、前記記録媒体上の前記管理情報と、前記管理情報生成部で生成された前記管理情報とのデータ量を算出し、算出したデータ量が所定の値を超える場合に、前記記録媒体上の前記管理情報と前記管理情報生成部で生成された前記管理情報とを、前記所定の値内となるように圧縮し、前記記録媒体アクセス制御部を介して前記記録媒体に記録する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、記録装置は、格納されているコンテンツ数に応じた圧縮率でサムネールを生成することが可能となる。また、記録媒体に記録された映像データを再生中でも、その再生に影響なくサムネール一覧を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1における記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における記録媒体上のコンテンツデータの構成を示す模式図
【図3】実施の形態1における記録終了手順を示すフローチャート
【図4】実施の形態1におけるサムネール生成手順を示すフローチャート
【図5】実施の形態1におけるサムネールデータ読み込み手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1における記録再生装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、記録と再生の両方を行う記録再生装置について説明するが、これに限定されず、記録のみを行う記録装置及び再生のみを行う再生装置をそれぞれ別個に構成する形態であってもよい。
【0013】
記録再生装置1は、記録媒体アクセス制御部11と、管理情報解釈部12と、再生リスト制御部14と、サムネールアクセス部15と、サムネール格納メモリ16と、入力部17と、操作部18とを含む。記録再生装置1は、記録媒体19が挿入され、記録媒体19への映像データ等の記録や、記録媒体19上の映像データ等の再生を行う。
【0014】
記録媒体アクセス制御部11は、記録媒体19を格納し、記録媒体19と電気的に接続し、記録媒体19からのデータの読み出し、及び記録媒体19へのデータの書き込みを制御する。記録媒体19は、半導体メモリカードや、光ディスク等である。記録媒体アクセス制御部11は、記録媒体19に応じて、それぞれ定められたサイズ単位で、データの読み出しやデータの書き込みを行う。
【0015】
管理情報解釈部12は、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に格納されたコンテンツデータを読み込み、再生リストを作成する。また、管理情報解釈部12は、入力部17より新たに入力された映像データを記録する時に、映像データとサムネール等の管理情報を、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録する。
【0016】
再生リスト制御部14は、管理情報解釈部12が作成した再生リストに従い、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に格納された映像データ等からなる再生データを読み込む。
【0017】
サムネール生成部13は、入力部17より新たに入力された映像データを記録した後に、その映像データのサムネールを決められた圧縮率に従い記録する。サムネールアクセス部15は、サムネールデータにアクセスして一覧リストを生成する。
【0018】
サムネール格納メモリ16は、サムネールアクセス部15により生成されたサムネールデータの一覧リストを格納するメモリである。
【0019】
入力部17は、記録媒体19に新たに記録する映像データ等が入力される。操作部18は、ユーザによる記録の開始、記録の終了等の各種操作を受け付ける。操作部18は、ボタン等で構成される。
【0020】
図2は記録媒体19に記録されたコンテンツデータの格納方式を示す模式図である。記録媒体19に記録されたコンテンツは、クリップ毎に映像データとその代表画像であるサムネールからなる。図2において、クリップNは、クリップN映像データ21とクリップNサムネールデータ22とからなる。ここで、クリップとは、AVデータ(映像データや音声データ)と管理情報との総称を指す。ここでは、管理情報としてサムネールだけを記述しているが、記録時間などの他の管理情報も同様に記録することができる。
【0021】
以上のように構成された記録再生装置1の動作について、フローチャートを用いて説明する。
【0022】
図3は、記録再生装置1の記録時のサムネール作成手順を示すフローチャートである。ユーザが操作部18を操作し、入力部17により映像データが入力されると、管理情報解釈部12は、入力された映像データを新たなクリップとして、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録する(S31)。ユーザが操作部18を操作し、記録終了操作を行うことにより、管理情報解釈部12は、記録媒体19への記録を終了する(S32)。記録が終了すると、サムネール生成部13は、記録した映像データの先頭フレームを用いてサムネールデータを作成し(S33)、作成したサムネールデータを決められた圧縮率で圧縮し、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録する(S34)。
【0023】
図4は、図3におけるサムネールデータの記録処理(S34)を、より詳細にしたものである。
【0024】
サムネール生成部13は、新たにサムネールを生成して記録媒体19に記録する際には、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録済みの全てのサムネールデータを取得し、そのサイズ(S1)を算出する(S41)。サムネール生成部13は、新たに生成するサムネールについて、同じ圧縮率で圧縮したときのサイズ(S2)を計算する(S42)。サムネール生成部13は、その合計(S1+S2)が決められた値(T)を超えるかを判断する(S43)。
【0025】
合計が決められた値を超える(S43でYes)場合には、サムネール生成部13は、既存映像データのサムネールと新規作成する映像データのサムネールとを含む総和が決められたサイズに収まるように圧縮率を再計算する(S44)。サムネール生成部13は、再計算した圧縮率を用いて、既存映像データのサムネールを圧縮し、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録済みの既存映像データのサムネールを消去するとともに、圧縮したサムネールデータを新たに記録媒体19に記録する(S45)。
【0026】
合計が決められた値を超えない(S43でNo)場合、及び既存映像データのサムネールを再圧縮して記録した(S45)後に、サムネール生成部13は、記録媒体19に記録されたサムネールデータの圧縮率と同じ圧縮率で、新規作成する映像データのサムネールを圧縮し、記録媒体アクセス制御部11を介して、記録媒体19に記録する。
【0027】
ここで、サムネール生成部13は、決められた値(T)として、記録媒体アクセス制御部11を介して記録媒体19のデータを読み出す際に、一度のアクセスで読み出すことができるサイズを用いる。記録再生装置1は、記録媒体19上のサムネールを、一度に読み出すことができるサイズ内に圧縮することにより、映像データ再生中に、サムネールの一覧表示が要求された場合でも、記録媒体19に一度アクセスするだけで必要な情報を取得することができるため、映像データの再生に影響を及ぼすことなく、サムネールの一覧表示を行うことができる。
【0028】
次に、このように記録媒体19に記録された映像データ及びサムネールデータを再生する際の他の動作について、説明する。
【0029】
図5は、サムネールアクセス部15が、記録媒体19に記録されたサムネールデータを、サムネール格納メモリ16にコピーする手順を示したフローチャートである。記録再生装置1は、記録媒体19が挿入されたことを検知すると(S51)、記録媒体19に記録されたサムネールを読み込み、サムネール格納メモリ16にコピーする(S52)。
【0030】
これにより、記録再生装置1は、サムネールの一覧表示が要求された場合でも、記録媒体19にアクセスすることなく、サムネール格納メモリ16のみにアクセスすればよいので、再生映像データへのアクセスに影響がなく、サムネールの一覧表示を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本実施の形態にかかる記録装置によれば、格納されているコンテンツ数に応じた圧縮率でサムネールを生成することが可能となり、また、記録媒体に記録された映像データを再生中でも、その再生に影響なくサムネール一覧を表示することが可能となるため、ビデオサーバー等に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0032】
1 記録再生装置
11 記録媒体アクセス制御部
12 管理情報解釈部
13 サムネール生成部
14 再生リスト制御部
15 サムネールアクセス部
16 サムネール格納メモリ
17 入力部
18 操作部
19 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータ及びコンテンツデータに関する管理情報が記録された記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス制御部と、
コンテンツデータが入力される入力部と、
前記入力部に入力されたコンテンツデータに関する管理情報を生成する管理情報生成部と、
前記入力部に入力されたコンテンツデータを前記記録媒体に記録するに際して、前記記録媒体上の前記管理情報と、前記管理情報生成部で生成された前記管理情報とのデータ量を算出し、算出したデータ量が所定の値を超える場合に、前記記録媒体上の前記管理情報と前記管理情報生成部で生成された前記管理情報とを、前記所定の値内となるように圧縮し、前記記録媒体アクセス制御部を介して前記記録媒体に記録する制御部と、
を備える記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記所定の値として、前記記録媒体アクセス制御部を介して、前記記録媒体上の前記コンテンツデータ又は前記管理情報を読み出す際の読み出し単位を用いる
請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録媒体アクセス制御部は、
前記記録媒体に記録された前記管理情報として、前記コンテンツデータのサムネールにアクセスし、
前記管理情報生成部は、
前記管理情報として、前記コンテンツデータのサムネールを生成し、
前記制御部は、
前記入力部に入力されたコンテンツデータを前記記録媒体に記録するに際して、前記記録媒体上の前記コンテンツデータのサムネールと、前記管理情報生成部で生成された前記サムネールとのデータ量を算出し、算出したデータ量が所定の値を超える場合に、前記記録媒体上の前記サムネールと前記管理情報生成部で生成された前記サムネールとを、前記所定の値内となるように圧縮し、前記記録媒体アクセス制御部を介して前記記録媒体に記録する
請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
コンテンツデータ及び所定の値内に圧縮されたコンテンツデータに関する管理情報が記録された記録媒体にアクセスする記録媒体アクセス制御部と、
前記記録媒体アクセス制御部を介して、前記記録媒体上に記録された前記管理情報をまとめて読み出し、一覧出力する管理情報出力部と、
前記コンテンツデータを再生し、出力する再生処理部と、
を備える再生装置。
【請求項5】
前記記録媒体の挿入を検知した際に、前記記録媒体アクセス制御部を介して、前記記録媒体上の前記管理情報を読み出し、記録媒体上に前記管理情報を保持する管理情報保持制御部を、
さらに備える請求項4に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−171890(P2011−171890A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32196(P2010−32196)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】