説明

記録装置

【課題】増設ユニットから供給される被記録媒体のジャム処理が容易に行える記録装置を提供する。
【解決手段】用紙Pを載置する給紙カセット21と、用紙へ記録を施す記録部20と、給紙カセット21から記録部20へ用紙を搬送する搬送経路とを有する装置本体12と、装置本体へ着脱自在に取り付けられ、用紙を載置する給紙カセット31と、給紙カセット31から装置本体の搬送経路に連通可能な搬送経路とを有する増設ユニット30と、装置本体に対して着脱可能に設けられ、装置本体から取り外されることによって増設ユニットが有する搬送経路の少なくとも一部を露出させる反転ユニット50と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関し、特に装置本体に増設ユニットが取り付けられる記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被記録媒体の一種としての用紙を積層載置して収容する給紙カセットと、この給紙カセットからから送り出され搬送経路に沿って搬送される用紙に対して、例えば液体噴射ヘッドから液体を噴射して文字や図形を含む画像を記録する記録部と、を備えた記録装置が実用化されている。
【0003】
この種の記録装置には、装置本体とは別体で構成された例えば増設容器である増設ユニット(オプションユニット)が、装置本体に対して着脱可能とされる装置もある。そして、このような増設ユニットの一つとして、装置本体の下部における下面側に取り付けられ、記録部に供給される用紙を積層載置して収容する給紙カセットが挿抜可能に備えられたユニットがある。この増設ユニットは、給紙ローラーなどの送り出し機構を備え、給紙カセットに収容された用紙を給紙カセットから一枚ずつ記録装置内の搬送経路に送り出す。
【0004】
ところで、記録装置では、用紙が給紙カセットから記録部へ送り出される途中で搬送経路において詰まった状態(「ジャム状態」とも呼ぶ)になり、用紙を記録部へ供給することができなくなってしまう場合がある。このような場合、作業者は、ジャム状態となった用紙を取り除く処理(「ジャム処理」とも呼ぶ)を行う必要がある。そしてこのようなジャム処理を容易に行えるように工夫した構造が例えば特許文献1,2に開示されている。
【0005】
特許文献1には、装置本体側の給紙カセットを装置本体から引き抜くことによって、増設ユニット(オプションフィーダー)のシート給送手段を上方から視認可能とする構成が提案されている。この構成によれば、増設ユニットの送り出し機構においてジャム状態となった用紙を視認することによって、容易にジャム処理を行うことができる。また、特許文献2には、反転ユニットを装置本体から取り外すことができる構成が提案されている。この構成によれば、反転ユニットを装置本体から取り外すことによって、装置本体側の給紙カセットから送り出され装置本体内においてジャム状態となった用紙を露出させることができるので、容易にジャム処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−26438号公報
【特許文献2】特開2010−253754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された構成の場合は、装置本体から給紙カセットを引き抜いた状態で装置本体に開口が形成されるように記録装置を構成する必要がある。このため、装置本体に備える給紙カセットの周囲が、用紙の搬送経路などが構成された筐体で覆われ、給紙カセットを引き抜いても増設ユニットのシート供給手段が露出しない一般的な構成を有する記録装置への適用は困難である。
【0008】
また、特許文献2に開示された構成の場合は、装置本体に備えられる給紙カセットについてはジャム処理が容易に行えるものの、増設ユニットに備えられる給紙カセットについてはジャム処理が行えないという課題がある。従って、増設ユニットにおいて発生した給紙カセットのジャム状態に対しては、増設ユニットを装置本体から取り外してジャム処理を行うことになる。特に、増設ユニットに備えられた給紙カセットの内部でジャム状態となった用紙を取り除く場合は、このように増設ユニットを装置本体から取り外す必要がある。このため、増設ユニットが装置本体に取り付けられた状態を安定に維持するとともに、ジャム状態が発生したとき作業者が直ちに増設ユニットを装置本体から容易に取り外せる構造も望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、増設ユニットから供給される被記録媒体のジャム処理が容易に行える記録装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、被記録媒体を載置する第1載置部と、被記録媒体へ記録を施す記録部と、前記第1載置部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する第1搬送経路とを有する装置本体と、前記装置本体へ着脱自在に取り付けられ、被記録媒体を載置する第2載置部と、前記第2載置部から前記装置本体の第1搬送経路に連通可能な第2搬送経路とを有する増設ユニットと、前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記装置本体から取り外されることによって前記第2搬送経路の少なくとも一部を露出させる着脱部材と、を備えた。
【0011】
この構成によれば、増設ユニットの被記録媒体の第2載置部から装置本体の第1搬送経路に連通する増設ユニットの第2搬送経路においてジャム状態となっても、着脱部材を装置本体から取り外すことで搬送経路からジャム状態となった被記録媒体を取り除くことができる。従って、増設ユニットから供給される被記録媒体のジャム処理を容易に行うことができる。
【0012】
本発明の記録装置において、前記着脱部材は、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路を結ぶ第3搬送経路を構成し、前記装置本体から取り外されることで、前記第2搬送経路および第3搬送経路の一部を露出させる。
【0013】
この構成によれば、増設ユニットから送り出された被記録媒体は着脱部材に構成された第3搬送経路を通って第1搬送経路に搬送されるので、第2搬送経路または第3搬送経路においてジャム状態となっても、着脱部材を装置本体から取り外すことで搬送経路からジャム状態となった被記録媒体を取り除くことができる。従って、増設ユニットから供給される被記録媒体のジャム処理を容易に行うことができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、被記録媒体を載置する第1載置部と、被記録媒体へ記録を施す記録部と、前記載置部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する第1搬送経路とを有する装置本体と、前記装置本体へ着脱自在に取り付けられ、被記録媒体を載置する第2載置部を有する増設ユニットと、前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記第1搬送経路と前記第2載置部とを結ぶ搬送経路を構成し、前記装置本体から取り外されることによって前記第1搬送経路と前記第2載置部とを結ぶ搬送経路の少なくとも一部を露出させる着脱部材と、を備えた。
【0015】
この構成によれば、増設ユニットに備えられた第2載置部から装置本体の第1搬送経路へ送り出される被記録媒体が、被記録媒体の第2載置部と装置本体の第1搬送経路とを結ぶ搬送経路においてジャム状態となっても、この搬送経路を構成する着脱部材を装置本体から取り外すことで搬送経路からジャム状態となった被記録媒体を取り除くことができる。従って、増設ユニットから供給される被記録媒体のジャム処理を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の記録装置において、前記被記録媒体は表裏両面に被記録面を有し、前記着脱部材は、前記記録部へ搬送される前記被記録媒体の前記被記録面を表裏反転させる反転ユニットである。
【0017】
この構成によれば、着脱部材を反転ユニットと兼用させるので、別途着脱部材を用意しなくて済む。また、反転ユニットは装置本体において被記録媒体を反転させるための領域を有することから、取り外されたときに装置本体内にジャム状態となった被記録媒体を容易に取り除くことができる領域を形成できる。
【0018】
本発明の記録装置において、前記装置本体と前記増設ユニットは複数の凹形状部と前記凹形状部に嵌合する凸形状部とで係合し、前記装置本体に前記増設ユニットが取り付けられた状態において、前記凹形状部と前記凸形状部とは、前記装置本体から前記増設ユニットが取り外される方向への相対移動が許容されるとともに、前記取り外される方向と交差する方向への相対移動が規制された状態である。
【0019】
この構成によれば、増設ユニットは、装置本体へ取り付けられた状態において装置本体から取り外される方向と交差する方向に移動することなく安定してその状態が維持される。一方、取り外される方向、すなわち取り付け方向と反対方向への移動は常に許容されるので、ジャム状態が発生の都度(例えばロックを外すなど特別な作業を伴うことなく)直ちに増設ユニットを装置本体から取り外すことが可能である。
【0020】
本発明の記録装置において、前記増設ユニットには、前記装置本体に取り付けられたとき前記装置本体との間で電気的に導通する接続端子と、前記接続端子の近傍に前記装置本体に対する前記接続端子の位置決め用の案内突起部と、が設けられている。
【0021】
この構成によれば、装置本体に増設ユニットが取り付けられる際に、接続端子の位置が案内突起部によって装置本体に対して適切な位置に案内される。従って、ジャム処理に際して増設カセットを取り外したのち再び取り付ける際に、増設ユニットは確実に装置本体との間で電気的な導通をとることができる。
【0022】
本発明の記録装置において、前記増設ユニットの前記凸形状部は、前記装置本体に取り付けられる方向側である先端側の形状が先細りのテーパー形状を有する円柱形状である。
この構成によれば、嵌合開始時は凸形状部におけるテーパー形状の部位によって凹形状部と嵌合しやすくなるとともに、嵌合終了時には、テーパー形状以外の部位で凹形状部と嵌合するので、取り付け方向と交差する方向への移動が規制される。また、取り付け方向と反対方向への移動が常に許容されるので、取り付け方向と反対方向へ移動させて増設ユニットを装置本体から容易に取り外すことが可能である。
【0023】
本発明の記録装置において、前記増設ユニットは前記装置本体に対して重力方向側に取り付けられ、前記増設ユニットには、前記装置本体に取り付けられる取付部位の反重力方向への投影形状の重心を挟む対向位置に、前記凸形状部が形成されている。
【0024】
この構成によれば、増設ユニットは、重心を挟む対向位置に設けられた凸形状部によって装置本体に対して位置決めされるので、重心の水平方向における移動が抑制された安定した状態で装置本体に取り付けられる。
【0025】
本発明の記録装置において、前記装置本体には、前記増設ユニットが取り付けられる取付部位の重力方向への投影形状の重心を挟む対向位置であって前記投影形状の端部となるそれぞれの位置に、重力方向および重力方向と交差する水平方向の両方向に開口する第1空間領域が凹設され、前記増設ユニットには、前記第1空間領域と重力方向において空間領域が連続するとともに、反重力方向および水平方向の両方向に開口する第2空間領域が凹設されている。
【0026】
この構成によれば、重力方向側に位置する増設ユニットを装置本体から取り外すために作業者が装置本体を反重力方向に持ち上げる際、手を容易に掛けることができる空間領域を有する手掛部を形成することができる。また、反重力方向に持ち上げる際に、重心を挟む対向位置で装置本体を持ち上げるので、鉛直方向に対する傾きが抑制された状態で装置本体を容易に直上方向に持ち上げることができる。従って、装置本体から増設ユニットを離脱させる際の装置本体の持ち上げ量を少なくすることができるので、増設ユニットを装置本体から容易に取り外すことができる。
【0027】
本発明の記録装置において、前記増設ユニットが前記装置本体に取り付けられた状態で、前記凸形状部は前記第1空間領域の水平方向近傍に位置する。
この構成によれば、手掛部の水平方向近傍に凸形状部と凹形状部との嵌合部分が形成されるので、例えば装置本体を持ち上げる際に凸形状部と凹形状部との嵌合が抉られることなく、それらの嵌合状態を円滑に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態である記録装置を前方左斜め上方から見た斜視図。
【図2】実施形態の記録装置を後方右斜め上方から見た斜視図。
【図3】実施形態の記録装置が備える記録部および用紙の搬送経路を示す断面図。
【図4】(a)は増設ユニットの構造を示す斜視図、(b)は凸形状部および装置本体と当接する当接部の構造図、(c)は接続端子の位置決め用の案内突起部の構造図。
【図5】(a)は装置本体の下部を下方から見た状態で示した模式図、(b)は増設ユニットの上部を上方から見た状態で示した模式図。
【図6】反転ユニットが引き抜かれた状態を示す記録装置の右側面図。
【図7】装置本体が反重力方向に持ち上げられ増設ユニットが取り外された状態を示す記録装置の右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を具体化した一実施形態として、画像を読み取る画像読取装置と、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置とが一体化した複合機であって、被記録媒体に液体を噴射して画像を記録する記録装置について、図を参照して説明する。なお、以降の説明を容易にするため、図1に示したように、鉛直方向における重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、これと交差する方向であって、被記録媒体の一種である用紙Pが画像の記録時において搬送される搬送方向を前方向、搬送方向と反対方向を後方向とする。さらに鉛直方向および搬送方向の双方と交差する方向であって液体噴射ヘッド25が往復移動する方向を、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶことにする。
【0030】
図1に示すように、記録装置11は、装置本体12と、記録装置11において装置本体12に対する増設容器である増設ユニット30と、によって構成されている。装置本体12には、液体噴射装置の一例としてのインクジェット式プリンター(単に「プリンター」とも呼ぶ)として機能する記録部20と、装置本体12の上部に配設され画像読取装置として機能する画像読取部13と、が備えられている。そして、装置本体12は、複数の部材で構成された筐体としての装置ケース14によって、記録部20が内装されるとともに画像読取部13と一体化されている。
【0031】
この装置ケース14において、その前面の上部側には、記録部20及び画像読取部13を操作するための操作パネル15が配置されている。操作パネル15はメニュー画面等を表示するための表示部15a(例えば液晶ディスプレイ)と、表示部15aの左右両側に設けられた操作部15bとを備えている。
【0032】
また、装置ケース14において、操作パネル15の下方には前面カバー18が開閉可能に取り付けられている。前面カバーは図示しない前面カバーの下方に設けたヒンジにより手前に開く。なお、前面カバー18には、前面カバー18を開閉するときにユーザーが手をかけるための把持部18aが凹設されている。また、装置ケース14において、前面カバー18の下方には、記録部20から排出される用紙Pを装置本体12外へ排出する排紙口19が開口している。さらに、排紙口19の下方には排紙台59が配設されている。
【0033】
プリンターとして機能する記録部20は、用紙Pに対して液体を噴射して画像を記録する。すなわち、装置ケース14内において左右方向(これを「主走査方向」とも呼ぶ)に沿って延びるガイド軸23が架設されている。また、ガイド軸23には主走査方向に沿って移動可能な状態でキャリッジ24が支持されている。キャリッジ24は、図示しないキャリッジモーターの駆動に伴って、主走査方向に沿って往復移動する。また、キャリッジ24の下面側には、用紙Pに対して液体の一例としてのインクを噴射して記録(印刷)を施す液体噴射ヘッド25が支持されている。そして、キャリッジ24を移動させることで液体噴射ヘッド25を移動させるとともに、移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射させるように駆動する駆動回路が構成された基板ユニット26が、キャリッジ24の主走査方向に沿う移動領域の右側の端部に配設されている。
【0034】
一方、キャリッジ24の主走査方向に沿う移動領域の左側の端部には、インクを液体噴射ヘッド25に供給するインクを収容した複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ27が配設されている。またインクカートリッジ27を着脱可能に装着するためのカートリッジホルダー28と、カートリッジホルダー28側からキャリッジ24側に向けてインクを供給するためのインク供給チューブ29と、を備えている。そして、装置ケース14の前面カバー18を開いた状態でカートリッジホルダー28に対してインクカートリッジ27を着脱することが可能である。
【0035】
さて、記録装置11では、このように構成された記録部20に対して、記録が施される用紙Pが、装置本体12および増設ユニット30の双方から、装置本体12において形成された搬送経路を通って供給される。なお、搬送経路については後ほど図3を参照して説明する。
【0036】
まず、装置本体12では、排紙台59の下側において用紙Pを積層状態で載置する第1載置部としての給紙カセット21が備えられ、収容された積層最上位の用紙Pが一枚ずつ搬送経路に送り出されたのち搬送経路に沿って搬送されて記録部20へ供給される。給紙カセット21は、装置本体12に対して挿抜可能であって、その前面側に給紙カセット21を装置本体12から抜き出す際に作業者が手をかけるための庇状の把持部21aが形成され、装置本体12から前方への給紙カセット21の抜き出しが容易とされている。また、装置本体12には、装置ケース14の後側において用紙Pを載置する載置トレイ17が設けられ、載置トレイ17上に載置された用紙Pが、給紙カセット21から記録部20に至る搬送経路の途中位置から、その搬送経路に沿って搬送されることにより記録部20へ供給される。
【0037】
一方、増設ユニット30は下側ケース32と上側ケース33,34,38とが組み合わされて箱状に形成される。そして増設ユニット30では、左右で対をなす2つの上側ケース33,34の間に位置する中央の上側ケース38の下側において用紙Pを積層状態で載置する第2載置部としての給紙カセット31が備えられ、収容された積層最上位の用紙Pが一枚ずつ搬送経路に送り出されることで記録部20へ給紙される。給紙カセット31は、増設ユニット30に対して前後方向での挿抜が可能であって、その前面側に給紙カセット31を増設ユニット30から抜き出す際に作業者が手をかけるための庇状の把持部31aが形成され、増設ユニット30から前方への給紙カセット31の抜き出しが容易とされている。
【0038】
さらに、記録装置11において、増設ユニット30は装置本体12に対して着脱可能な構成を有している。すなわち、本実施形態では、作業者が装置本体12を増設ユニット30に対して上方から重力方向に移動させる、つまり持ち上げた装置本体12の高さ位置を増設ユニット30の上側から下げることで、装置本体の下側すなわち重力方向側に積層された状態で増設ユニット30が取り付けられる。また、増設ユニット30が取り付けられた状態で装置本体12を上方すなわち反重力方向に持ち上げることによって装置本体12から増設ユニット30が取り外される。
【0039】
この取り付けおよび取り外しの作業において作業者が手を掛けるための手掛部が一対設けられている。すなわち、装置本体12における増設ユニット30が取り付けられる下端部の左右両側と、増設ユニット30において装置本体12に取り付けられる上端部の左右両側と、においてそれぞれ内側に窪んだ空間領域が、手掛部として凹設されている。
【0040】
具体的には、図1に示すように、装置本体12における装置ケース14の下端部の左側には、下方向と左方向との両方向に開口する第1空間領域S1を形成する手掛構成部14aが設けられている。一方、増設ユニット30における左右一対の上側ケース33,34のうちで左側の上側ケース34の上端部左側には、上方向と左方向に開口する第2空間領域S2を形成する手掛構成部34aが設けられている。そして、手掛構成部14aと手掛構成部34aとは、上下方向において第1空間領域S1と第2空間領域S2とが重なるように設けられ、第1空間領域S1と第2空間領域S2とが連続した手掛部を構成する。
【0041】
また、図2に示すように、装置本体12における装置ケース14の下端部の右側には、下方向と右方向との両方向に開口する第1空間領域S1を形成する手掛構成部14bが設けられている。一方、増設ユニット30における右側の上側ケース33の上端部右側には、上方向と右方向に開口する第2空間領域S2を形成する手掛構成部33aが設けられている。そして、手掛構成部14bと手掛構成部33aとは、上下方向において第1空間領域S1と第2空間領域S2とが重なるように設けられ、第1空間領域S1と第2空間領域S2とが連続した手掛部を構成する。こうして記録装置11には、左右一対の手掛部が設けられる。
【0042】
なお、記録装置11では、図1および図2に示すように、さらに増設ユニット30における下側ケース32の下端部の左側および右側にそれぞれ手掛構成部32aおよび手掛構成部32bが設けられている。手掛構成部32aは左方と下方の両方向に開口する一方、手掛構成部32bは右方と下方の両方向に開口している。そして、各手掛構成部32a,32bにより、装置本体12に増設ユニット30が取り付けられた状態のまま記録装置11を持ち上げる際の手掛部となる空間領域がそれぞれ形成される。なお、本実施形態では、手掛構成部32aおよび手掛構成部32bの形状は、手掛構成部14aおよび手掛構成部14bと同じ形状で設けられている。
【0043】
さて、図2および図3に示すように、本実施形態の記録装置11は、その後側において、装置本体12に対して着脱可能に設けられ、後方に引き抜くことで装置本体12から切り離されて取り外される着脱部材としての反転ユニット50が備えられている。反転ユニット50は、記録部20に供給される用紙Pの搬送経路の一部を構成し、記録部20へ供給される用紙Pについて用紙の両面に記録を施すために、搬送経路において用紙Pの表裏を反転つまり被記録面を反転させるユニットである。次に、この反転ユニット50の構成、および記録装置11における用紙Pの搬送経路の構成について、図3を参照して説明する。
【0044】
図3に示すように、反転ユニット50は、その後面が装置ケース14とともに記録装置11の筐体として機能するユニットフレーム51(図中ハッチング線部分)と、反転ローラー52、およびリタードローラー53とを備えている。反転ローラー52は、ユニットフレーム51に不図示の駆動源からの駆動力に基づき左右方向に沿う軸線を中心として回転可能に軸支され、同じくユニットフレーム51に左右方向に沿う軸線を中心として回転自在に軸支されたリタードローラー53との間で用紙Pを挟持して搬送する。なお、リタードローラー53は反転ローラー52によって用紙Pが一枚ずつ搬送されるように機能する。
【0045】
記録装置11には、反転ユニット50が装置本体12に装着された状態において、用紙Pが搬送される搬送路55,56,57,58が構成される。そして装置本体12において、給紙カセット21から供給された用紙Pが、搬送路56,57を経由して記録部20へ搬送され排紙台59へ排出される搬送経路や、載置トレイ17から供給された用紙Pが、搬送路57を経由して記録部20へ搬送され、排紙台59へ排出される用紙Pの搬送経路が構成される。また、両面記録(印刷)において、給紙カセット21および載置トレイ17から供給され表面への記録が終了した用紙Pが、記録部20から搬送路58,56,57を経由して再び記録部20へ搬送され、排紙台59へ排出される用紙Pの搬送経路が構成される。従って、本実施形態では少なくとも搬送路56が第1搬送経路に相当する。
【0046】
搬送路55は、増設ユニット30が有する給紙カセット31から、増設ユニット30の後方に設けられた開口部35と搬送路56とを連通させる搬送経路として構成されている。従って本実施形態では搬送路55は第3の搬送経路に相当し、開口部35は第2搬送経路に相当する。この開口部35を通して増設ユニット30から供給された用紙Pが、搬送路55を経由して第1搬送経路としての搬送路56に送り出す搬送経路が構成される。なお給紙カセット31から供給された用紙Pは、搬送路56以降、給紙カセット21から供給される用紙Pと同様に搬送される。
【0047】
以下、搬送路55,56,57,58について、順次詳しく説明する。
図3に示すように、搬送路55は、装置本体12内の下端部において用紙Pを上方に向けて搬送する経路であって、その経路における一方(前方)の搬送路壁面には搬送される用紙Pの一面側が対向すると共に、その他方(後方)の搬送路壁面には用紙Pの他面側が対向する。搬送路55における一方(前方)の搬送路壁面は、装置ケース14の下端部に形成された下部14dの下面後端から上方に向けて連続形成された壁面部14hと、この壁面部14hの延長面上に位置するようにユニットフレーム51の前側に形成されたフレーム部位51cとによって構成されている。そして、搬送路55における他方(後方)の搬送路壁面は、一方(前方)の搬送路壁面を構成する壁面部14h及びフレーム部位51cと前後方向において対向するようにユニットフレーム51の下方前面側に形成されたフレーム部位51hによって構成されている。
【0048】
この搬送路55に、増設ユニット30の給紙カセット31に収容された用紙Pが給紙カセット31から送り出される。すなわち、増設ユニット30には、後方上側に設けられた固定フレーム37と、この固定フレーム37の下側において揺動自在に軸支された給紙ローラー36を備えている。この給紙ローラー36によって、給紙カセット31に積層載置されて収容された用紙Pが、増設ユニット30の後部上側に開口する開口部35から搬送路55に送り出される。なお、開口部35は増設ユニット30の下側ケース32に形成された分離斜面32cと固定フレーム37との間で形成され、この開口部35を移動する用紙Pが複数枚であった場合、分離斜面32cによって分離され一枚ずつ搬送路55に送り出される。
【0049】
また、図3に示すように、搬送路56は搬送路55に続いて更に上方に向けて形成され、反転ローラー52の外周面形状に対応した湾曲形状となっている。搬送路56における一方(湾曲形状内側)の搬送路壁面は、反転ローラー52とその左右両側に形成された不図示のフレーム部位とによって構成されている。また搬送路56における他方(湾曲形状外側)の搬送路内面は、一方(湾曲形状内側)の搬送路壁面を構成する反転ローラー52の外周面と対向するようにユニットフレーム51の前面側に形成されたフレーム部位51hによって構成されている。
【0050】
この搬送路56には、搬送路55に沿って搬送される増設ユニット30の用紙Pに加え、装置本体12の給紙カセット21に収容された用紙Pが送り出される。すなわち、装置本体12に形成された搬送路構成部材43に揺動自在に軸支された給紙ローラー46によって、給紙カセット21に積層載置されて収容された用紙Pが、装置ケース14の下部14dの後方に形成された分離斜面14cに沿って移動(上昇)する。この分離斜面14cに沿う移動によって最上位の用紙Pが一枚分離され、ユニットフレーム51のフレーム部位51cとフレーム部位51bとの間から搬送路56へ送り出される。
【0051】
また、図3に示すように、搬送路57は、湾曲形状の搬送路56に続いて前方に向かうように形成され、一方(上方)の搬送路壁面が、装置本体12内に形成された搬送路構成部材43における下方に向いた面によって構成されている。また、搬送路57の他方(下方)の搬送路壁面がユニットフレーム51の前面側に形成されたフレーム部位51aの上面によって構成されている。この搬送路57には、搬送路56に沿って搬送される用紙Pに加え、載置トレイ17に載置され給紙ローラー45によって一枚ずつ搬送される用紙Pが送り出される。この搬送路57に送り出された用紙Pは、装置本体12に回転可能に軸支された紙送りローラー対41によって挟持され、記録部20へ搬送される。そして記録部20において記録面への記録が完了した用紙Pは、装置本体12に回転可能に軸支された排紙ローラー対42によって挟持され、記録部20から排紙台59(排紙口19)へ排出される。
【0052】
本実施形態では、紙送りローラー対41ないし排紙ローラー対42は、不図示の駆動源によって正逆両方向に回転される。この回転によって、用紙Pは、記録部20において液体噴射ヘッド25とその下方に配設された用紙Pを支持する支持台40との間を搬送方向(ここでは前方向)に搬送されるとともに、片面(表面)に記録が施された後、後方に戻されて搬送路58に沿って搬送される。
【0053】
搬送路58は、一方(下方)の搬送路壁面が装置本体12に形成された搬送路構成部材43の上面によって構成され、他方(上方)の搬送路壁面がユニットフレーム51の前面側に形成されたフレーム部位51aの下面によって構成されている。この搬送路58において、例えば両面印刷など用紙Pの表裏両面に記録を施す際に用紙Pが前方から後方へ搬送される。すなわち、搬送路58を搬送された用紙Pは、搬送路56に送り出され、反転ローラー52の回転によって湾曲形状となっている搬送路56を移動する。この搬送路56における移動によって用紙Pは移動方向が後方から前方へ反転し、再び搬送路57へ送り出されるときには表裏が反転した状態になっている。
【0054】
以上のように、装置本体12に形成される用紙Pの搬送経路において、反転ユニット50は用紙Pの表裏を反転させる反転経路としての搬送路56〜58を構成するとともに、増設ユニット30の給紙カセット31から送り出される用紙Pの搬送経路の一部となる搬送路55の一方の搬送路壁面を構成している。
【0055】
ところで、記録装置11は前述するように増設ユニット30が装置本体12に対して着脱可能とされる構成を有している。本実施形態では、図3に示すように、増設ユニット30に上側へ突出する凸形状部61,62が設けられ、この凸形状部61,62が装置本体12において増設ユニット30が取り付けられる取付部位となる装置ケース14の下部14dに設けられた凹形状部16a,16b(図4(b)参照)に挿入されて嵌合する。この嵌合によって、装置本体12の下側すなわち重力方向側に積層された状態で増設ユニット30が装置本体12に取り付けられる。なお、本実施形態における嵌合とは、増設ユニット30に対して装置本体12が、記録装置11において用紙Pへの記録処理に支障がない範囲において水平方向に相対移動を許容する隙間を凸形状部61,62と凹形状部16a,16bとの間で有している状態(すきま嵌め)を含む。
【0056】
また、増設ユニット30には後述する案内突起部63が設けられ、増設ユニット30が取り付けられるのと同時に、案内突起部63およびこの案内突起部63の近傍に位置する接続端子64aが装置本体12に挿入されて、増設ユニット30と装置本体12との間で電気的な導通がとられる。この電気的な導通によって、例えば増設ユニット30の給紙ローラー36を装置本体12側からの電気信号によって動作させるなどが実行され、増設ユニット30における給紙カセット31からの搬送路55への用紙Pの送り出し動作が可能になる。
【0057】
次に、装置本体12と増設ユニット30との間の取り付け構造について、図4および図5を参照して説明する。なお、図4および図5において、既に上記で説明した構成要素については同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
【0058】
図4(a)に示すように、増設ユニット30における上部の上面中央には、上方から給紙カセット31の内部を視認可能な開口部30hが設けられている。この開口部30hの右側および左側にそれぞれ配置された上側ケース33および上側ケース34の各上面には、手掛構成部33aの水平方向(ここでは左方向)および手掛構成部34aの水平方向(ここでは右方向)の近傍において上方に突出する凸形状部61および凸形状部62がそれぞれ形成されている。同じく、増設ユニット30には、装置本体12における装置ケース14の下部14dの下面に対して下方から当接する4つの当接部65a,65b,65c,65dが分散配置態様で形成されている。なお、当接部65dは当接面が長円形状を有し、他の当接部65a,65b,65cは当接面が円形状となっている。
【0059】
本実施形態では、凸形状部61と当接部65b,65cとが下側ケース32と一体で形成されるとともに、それらと個別対応するように右側の上側ケース33に形成された図示しない開口孔を通して上側ケース33から上方に飛び出すように形成されている。また、凸形状部62と当接部65a,65dとが下側ケース32と一体で形成されるとともに、それらと個別対応するように左側の上側ケース34に形成された図示しない開口孔を通して上側ケース34から上方に飛び出すように形成されている。そして、凸形状部61,62は当接部65a,65b,65c,65dよりも装置本体12側に多く飛び出し、上下方向において装置本体12と所定量係合する。
【0060】
すなわち、図4(b)に示すように、凸形状部61(62)は、当接部65c(65a,65b,65d)よりも上方に寸法H1高く飛び出すように形成されている。そして、凸形状部61,62は、それらと個別対応するように装置本体12における装置ケース14の下部14dに上下方向に貫通する貫通孔で設けられた凹形状部16a(16b)に挿入され、上下方向においてこの寸法H1の飛び出し部分が係合するように嵌合する。従って、作業者が装置本体12を上方へ寸法H1以上持ち上げることによって、装置本体12から増設ユニット30を離脱させることができる。換言すれば、寸法H1は装置本体12から不用意に増設ユニット30が離脱しない寸法に設定されている。ちなみに本実施形態では、寸法H1は凡そ3〜6センチに設定されている。なお、本実施形態では、凸形状部61,62は凹形状部16a,16bに嵌合した状態において、嵌合を解除する増設ユニット30の取り外し方向への相対移動が常に許容される構成となっている。
【0061】
また、図4(a),(b)に示すように、凸形状部61(62)は、上方側が先細りのテーパー形状部位61b(62b)の下方側に円柱形状部位61a(62a)が連なった形状に形成されている。一方、凹形状部16a(16b)は、下部14dの下方側の貫通孔開口縁に面取りが施された丸孔形状をなして形成されている。従って、凸形状部61(62)は、凹形状部16a(16b)に対してテーパー形状部位61bが開口縁の面取り部分に案内されつつ挿入され、これに続いて円柱形状部位61aが挿入されることにより、前後左右方向への移動が規制される状態で嵌合する。
【0062】
また、図4(a),(c)に示すように、本実施形態では、増設ユニット30において、接続端子64aの右側近傍に、装置本体12に対する接続端子64aの位置決め用の案内突起部63が設けられている。案内突起部63は、上方側が先細りのテーパー形状部位63bの下方側に円柱形状部位63aが連なった形状に形成されている。そして、装置本体12の下部14dにおいて、この案内突起部63に対応する位置に、下方端に面取りが施された上下方向に貫通する丸孔形状を有する凹形状部16cが形成されている。案内突起部63は、凹形状部16cに対してテーパー形状部位63bの挿入に続いて円柱形状部位63aが面取り部に案内されて挿入され、前後左右方向への移動が規制される状態で嵌合する。なお、円柱形状部位63aと凹形状部16cとの嵌合状態は、装置本体12に対する接続端子64aの位置決めに支障がない範囲において水平方向に相対移動を許容する隙間を円柱形状部位63aと凹形状部16cとの間で有している状態を含む。
【0063】
また、図4(c)に示すように、案内突起部63は、当接部65bよりも上方に寸法H2高く飛び出すように形成されている。この結果、案内突起部63は、装置本体12に設けられた凹形状部16cと、上下方向において寸法H2の飛び出し部分が係合するように嵌合する。なお、本実施形態では、寸法H2は寸法H1よりも小さい値に設定され、作業者が装置本体12を上方へ持ち上げることによって、装置本体12から増設ユニット30を取り外すことができる状態となる前に、案内突起部63は凹形状部16cとの上下方向の係合が解除される。また、この係合の解除までに接続端子64aは装置本体12から引き抜かれて装置本体12に設けられた接続端子64b(図7参照)との間での電気的な導通が解除される。
【0064】
次に、装置本体12および増設ユニット30のそれぞれの取り付け部位における凸形状部61,62と凹形状部16a,16bの平面配置つまり水平方向における位置について、図5を参照して説明する。
【0065】
図5(a)に示すように、増設ユニット30が取り付けられる装置本体12において、取付部位となる下部14dは、下方向(重力方向)への投影形状が略矩形の投影形状を有する。そして、この投影形状の重心Gを挟む対向位置であって、下部14dの下面左端および下面右端の位置に、手掛構成部14aおよび手掛構成部14bがそれぞれ凹設されている。手掛構成部14aは前後方向に沿って長さW2の幅で形成され、手掛構成部14bは前後方向に沿って長さW1の幅で形成されている。なお、本実施形態では、長さW1と長さW2は同じ長さとなっている。また、手掛構成部14aの左右方向に沿う長さと手掛構成部14bの左右方向に沿う長さとは同じ寸法で形成されている。
【0066】
従って、図5(b)に示すように、手掛構成部14aと上下方向において空間領域が重なる手掛構成部34aは、同じく前後方向に沿って長さW2の幅で形成されるとともに、左右方向に沿って手掛構成部14aと同じ寸法で形成される。同様に、手掛構成部14bと上下方向において重なる手掛構成部33aは、同じく前後方向に沿って長さW1の幅で形成されるとともに、左右方向に沿って手掛構成部14aと同じ寸法で形成される。
【0067】
さらに、図5(b)に示すように、装置本体12が取り付けられる増設ユニット30において装置本体12への取付部位となる上部は、その上面が上側ケース33,34,38で形成されている。また、この上部の上方向(反重力方向)への投影形状は下部14dの投影形状とほぼ重なる略矩形形状を有する。そして、この上部の投影形状の重心Gを挟む対向位置であって、上側ケース33および上側ケース34の上面の領域内となる位置に、凸形状部61および凸形状部62がそれぞれ形成されている。
【0068】
一方、図5(a)に示すように、装置本体12側には、この凸形状部61,62が嵌合する凹形状部16a,16bが装置ケース14の下部14dに設けられている。そして本実施形態では、凹形状部16aが手掛構成部14bの水平方向近傍に、凹形状部16bが手掛構成部14aの水平方向近傍にそれぞれ設けられている。この結果、装置本体12に対して増設ユニット30が取り付けられた状態において、凹形状部16aに嵌合する凸形状部61が手掛構成部14bの水平方向近傍に、また凹形状部16bに嵌合する凸形状部62が手掛構成部14aの水平方向近傍になる。
【0069】
本実施形態では、例えば凹形状部16aは、右から見て前後方向において手掛構成部14bの略中央位置であって、その孔中心が下部14dの下面右端から左側に寸法L1離れた位置に形成されている。また、凹形状部16bは、左から見て前後方向において手掛構成部14aの略中央位置であって、その孔中心が下部14dの下面左端から右側に寸法L2離れた位置に形成されている。そして、装置本体12に対して増設ユニット30が正しく取り付けられていない場合、つまり凸形状部61が凹形状部16bと嵌合した場合、装置本体12と増設ユニット30が取付部位間において平面的にずれが生じるように、寸法L1は寸法L2よりも大きな寸法値とされている。
【0070】
なお、本実施形態では、図5(a)に示すように、凸形状部61,62と凹形状部16a,16bとの間の位置誤差を吸収するため、凹形状部16bは孔形状が前後方向よりも左右方向が少し長い長円形状となっている。また、増設ユニット30を取り付けない状態で装置本体12を載置する際の脚部となる本体脚部69が、下部14dの下面に複数(ここでは6個)取り付けられている。本体脚部69は、装置本体12を載置する際の衝撃を吸収するとともに、載置台に安定して載置されるように機能する。また、接続端子64aが装置本体12に挿入される際に貫通する開口孔64hが下部14dに設けられている。
【0071】
以上のように構成された記録装置11における作用、すなわち、増設ユニット30から供給される用紙Pが搬送経路においてジャム状態となった場合のジャム処理について図6を参照して説明する。また、増設ユニット内におけるジャム処理について図7を参照して説明する。なお、図6及び図7において、既に説明した要素については同符号を付してそれらの説明を省略する。
【0072】
まず、図6に示すように、搬送経路の一部となる搬送路55においてジャム状態となった用紙Pをジャム処理する場合、作業者は、反転ユニット50を後方に引き出して装置本体12から離脱させる。反転ユニット50は装置本体12との間で形成された不図示のスライド機構によって後方にスライド移動して装置本体12から全て引き抜かれる。この結果、搬送路55の一方の搬送路壁面であるフレーム部位51hが取り外され、この取り外しによって装置本体12において設けられた他方の搬送路壁面である壁面部14hが露出される。また、装置本体12内には、反転ユニット50が占有していた空間領域が形成される。従って、作業者は露出された搬送路55において、あるいは開口部35においてジャム状態になった用紙Pを視認しながら、図中白抜き矢印で示したように、形成された空間領域から手を挿入してジャム処理を行うことができる。もとより、作業者は、ジャム処理後、反転ユニット50を装置本体12に挿入して装着する。
【0073】
あるいは、増設ユニット30(給紙カセット31)の内部においてジャム状態となった用紙Pに対してジャム処理を行う場合もある。この場合、図6に示すように、上下方向において空間領域が連続して形成される第1空間領域S1と第2空間領域S2とによって形成された手掛部に作業者が手を掛け、装置本体12を上方に持ち上げる。
【0074】
すると、図7に示すように、装置本体12は増設ユニット30に対して常に上方への移動が許容されているので、作業者は、ジャム発生後直ちに装置本体12を持ち上げて増設ユニット30を装置本体12から取り外す。この結果、増設ユニット30の上方に設けられた開口部30hが露出されるので、露出された開口部30hから図中白抜き矢印で示すように給紙カセット31内に手を挿入し、給紙カセット31内においてジャム状態となった用紙Pを取り出す。もとより、増設ユニット30において、同時に開口部35の上方から装置本体12が取り除かれるので、開口部35から搬送路55に送り出されずにジャム状態となった用紙Pも取り出せる。
【0075】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)増設ユニット30の用紙Pの給紙カセット31から装置本体12の搬送路56に連通する開口部35において用紙Pがジャム状態となっても、反転ユニット50を装置本体12から取り外すことで開口部35からジャム状態となった用紙Pを取り除くことができる。従って、増設ユニット30から供給される用紙Pのジャム処理を容易に行うことができる。
【0076】
(2)増設ユニット30から送り出された用紙Pは反転ユニット50に構成された搬送路55を通って搬送路56に搬送されるので、開口部35または搬送路55においてジャム状態となっても、反転ユニット50を装置本体12から取り外すことで搬送経路からジャム状態となった用紙Pを取り除くことができる。従って、増設ユニット30から供給される用紙Pのジャム処理を容易に行うことができる。
【0077】
(3)着脱部材を反転ユニット50と兼用させるので、別途着脱部材を用意しなくて済む。また、反転ユニット50は装置本体において用紙を反転させるための領域を有することから、取り外されたときに装置本体12内にジャム状態となった用紙を取り除くことができる領域を容易に形成できる。
【0078】
(4)増設ユニット30は、装置本体12へ取り付けられた状態において装置本体12から取り外される方向と交差する方向に移動することなく安定してその状態が維持される。一方、取り外される方向、すなわち取り付け方向と反対方向への移動は常に許容されるので、ジャム状態が発生の都度(例えばロックを外すなど特別な作業を伴うことなく)直ちに増設ユニット30を装置本体12から取り外すことが可能である。
【0079】
(5)装置本体12に対して増設ユニット30が取り付けられる際に、接続端子64aの位置が案内突起部63によって適切な位置に案内される。従って、ジャム処理に際して増設ユニット30を取り外したのち再び取り付ける際に、増設ユニット30は確実に装置本体12との間で電気的な導通をとることができる。
【0080】
(6)嵌合開始時は凸形状部61,62におけるテーパー形状部位61b,62bによって凹形状部16b,16aと嵌合しやすくなるとともに、嵌合終了時には、テーパー形状部位61b,62b以外の円柱形状部位61a,62aで凹形状部16b,16aと嵌合するので、取り付け方向と交差する方向への移動が規制される。また、取り付け方向と反対方向への移動が常時許容されるので、取り付け方向と反対方向へ移動させて増設ユニット30を装置本体12から容易に取り外すことが可能である。
【0081】
(7)増設ユニット30は、重心Gを挟む対向位置に設けられた凸形状部61,62によって装置本体12に対して位置決めされるので、重心の水平方向における移動が抑制された安定した状態で装置本体12に取り付けられる。
【0082】
(8)重力方向側に位置する増設ユニット30を装置本体12から取り外すために作業者が装置本体12を反重力方向に持ち上げる際、手を容易に掛けることができる空間領域(第1空間領域S1および第2空間領域S2)を有する手掛部を形成することができる。また、反重力方向に持ち上げる際に、重心を挟む対向位置で装置本体12を持ち上げるので、鉛直方向に対する傾きが抑制された状態で装置本体12を容易に直上方向に持ち上げることができる。従って、装置本体12から増設ユニット30を離脱させる際の装置本体12の持ち上げ量を少なくすることができるので、増設ユニット30を装置本体12から容易に取り外すことができる。
【0083】
(9)手掛部の近傍に凸形状部61,62と凹形状部16b,16aとの嵌合部分が形成されるので、例えば装置本体12を持ち上げる際に凸形状部61,62と凹形状部16b,16aとの嵌合が抉られることなく、それらの嵌合状態を円滑に解除することができる。
【0084】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、反転ユニット50は増設ユニット30の給紙カセット31から送り出される用紙Pの搬送路となる開口部35の少なくとも一部を含んで構成され、給紙カセット31と搬送路56とを結ぶ搬送経路を構成してもよい。例えば、図3において搬送路55が開口部35を含んで構成されてもよい。
【0085】
本変形例によれば、上記実施形態の効果(3)〜(9)に加えて、次の効果を奏する。(10)増設ユニット30に備えられた給紙カセット31から装置本体12の搬送路56へ送り出される用紙Pが、給紙カセット31と装置本体12の搬送路56とを結ぶ搬送経路においてジャム状態となっても、この搬送経路を構成する反転ユニット50を装置本体12から取り外すことで搬送経路からジャム状態となった用紙Pを取り除くことができる。従って、増設ユニット30が備える給紙カセット31から供給される用紙Pのジャム処理を容易に行うことができる。
【0086】
・上記実施形態において、凹形状部16a,16bは貫通した孔形状に限らず、上方に壁面が形成された円筒の穴形状であってもよい。
・上記実施形態において、凸形状部61,62は増設ユニット30の上側ケース33,34にそれぞれ一体形成されていてもよい。また、同様に、当接部65b,65cは上側ケース33に、当接部65a,65dは上側ケース34に、それぞれ一体形成されていてもよい。
【0087】
・上記実施形態において、増設ユニット30には、必ずしも接続端子の位置決め用の案内突起部63が設けられなくてもよい。増設ユニット30が装置本体12に取り付けられる際に、凸形状部61,62と凹形状部16a,16bとの嵌合によって装置本体12との間で電気的な導通が行われる構成であれば、案内突起部63(および凹形状部16c)は不要である。
【0088】
・上記実施形態において、増設ユニット30が装置本体12に取り付けられた状態で、凸形状部61,62は第1空間領域S1を形成する手掛構成部14b,14aの水平方向近傍に位置しなくてもよい。例えば装置本体12が鉛直方向から傾くことなく直上方向に持ち上げることが容易な場合は、凸形状部61,62と凹形状部16b,16aとの間において抉りの発生が抑制される。従って、例えば、凹形状部16aは右から見て前後方向において手掛構成部14bと重ならない位置に形成されてもよい。
【0089】
・上記実施形態において、装置本体12に凹設された第1空間領域S1を形成する手掛構成部14b,14aは、必ずしも増設ユニット30が取り付けられる下部14dの重力方向への投影形状の重心Gを挟む対向位置に設けられなくてもよい。例えば、装置本体12の実際の重心が、下部14dの重力方向への投影形状の重心Gと異なる場合は、装置本体12の実際の重心の位置を挟んだ対向位置に手掛構成部14b,14aを形成することが好ましい。
【0090】
・上記実施形態において、手掛構成部14bの前後方向の長さW1と手掛構成部14aの前後方向の長さW2とを異なる長さとしてもよい。こうすれば、手掛構成部14bおよび手掛構成部14aと上下方向においてそれぞれ重なる手掛構成部33aおよび手掛構成部34aにおいても前後方向の長さがことなるので、作業者は、装置本体12を持ち上げた状態で、手掛構成部33aおよび手掛構成部34aの位置を正しく視認することができる。この結果、装置本体12を増設ユニット30に対して正しい位置に降ろすことが容易になる。
【0091】
・上記実施形態において、前記増設ユニット30には、例えば第1空間領域S1のみで手掛部を構成できる場合、第2空間領域S2を必ずしも設けなくてもよい。
・上記実施形態において、凸形状部61,62の形成位置は、必ずしも増設ユニット30の上部の反重力方向への投影形状の重心Gを挟む対向位置でなくてもよい。例えば、増設ユニット30の上部において両方とも上側ケース33,34の上面前端近傍位置に形成されていてもよいし、上面後端近傍位置に形成されていてもよい。
【0092】
・上記実施形態において、装置本体12に対して増設ユニット30が取り付けられる位置は、必ずしも重力方向側に限られない。例えば水平方向側に取り付けられる構成であってもよい。
【0093】
・上記実施形態において、凸形状部61,62は、必ずしも取り付け方向側である先端側の形状が先細りのテーパー形状を有さない全体が円柱形状であってもよい。凸形状部61,62がそれぞれ嵌合する凹形状部16a,16bにおいて、例えば面取り部分によって案内されて嵌合可能な場合は、このような全体が円柱形状の凸形状部61,62を採用できる。
【0094】
・上記実施形態において、増設ユニット30には凸形状部61,62が形成されなくてもよい。例えば、装置本体12を増設ユニット30に積み重ねた際に、装置本体12の下部14dの下面に取り付けられた本体脚部69が増設ユニット30の上側ケース33,34に当接して水平方向つまり前後左右方向への移動が規制される構成であれば、凸形状部61,62は必ずしも必要でない。
【0095】
・上記実施形態において、記録装置11は用紙Pの表裏両面に記録を施す機能を有さなくてもよい。この場合、着脱部材は反転ユニット50以外の部材であってもよい。例えば、用紙Pを反転しない構成を有する記録装置の場合は、反転ユニット50に相当する部分に搬送経路を構成する搬送経路形成部材を設け、この搬送経路形成部材を着脱するようにしてもよい。
【0096】
・上記実施形態において、媒体は用紙Pに限るものでなく、金属板、樹脂板、布などを材料とする板状部材であってもよい。すなわち、搬送可能であって、搬送時に搬送経路において詰まったジャム状態を呈する部材であれば、媒体として採用できる。
【0097】
・上記実施形態において、記録部20は、インクカートリッジ27がキャリッジ24上に搭載されるオンキャリッジタイプであってもよい。あるいは、キャリッジ24が主走査方向に移動するシリアル式のプリンターに限らず、液体噴射ヘッド25を固定したままでも用紙最大幅範囲の印字が可能なラインヘッド式のプリンターであってもよい。
【0098】
・上記実施形態において、記録装置11は画像読取部13を備えない装置であってもよいし、記録部20とともにFAX装置やコピー装置などの機能を備えた複合機であってもよい。
【0099】
・上記実施形態では、記録装置11において、記録部20を液体としてのインクを噴射するインクジェット式のプリンターとして機能する液体噴射装置として具体化したが、記録部20をインク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置として具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置を流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
11…記録装置、12…装置本体、14…装置ケース、16a,16b,16c…凹形状部、20…記録部、21…第1載置部としての給紙カセット、30…増設ユニット、31…第2載置部としての給紙カセット、35…第2搬送経路としての開口部、50…着脱部材としての反転ユニット、55…第3搬送経路としての搬送路、56…第1搬送経路としての搬送路、61,62…凸形状部、61a,62a,63a…円柱形状部位、61b,62b,63b…テーパー形状部位、63…案内突起部、64a,64b…接続端子、G…重心、S1…第1空間領域、S2…第2空間領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を載置する第1載置部と、被記録媒体へ記録を施す記録部と、前記第1載置部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する第1搬送経路とを有する装置本体と、
前記装置本体へ着脱自在に取り付けられ、被記録媒体を載置する第2載置部と、前記第2載置部から前記装置本体の第1搬送経路に連通可能な第2搬送経路とを有する増設ユニットと、
前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記装置本体から取り外されることによって前記第2搬送経路の少なくとも一部を露出させる着脱部材と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記着脱部材は、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路を結ぶ第3搬送経路を構成し、前記装置本体から取り外されることで、前記第2搬送経路および第3搬送経路の一部を露出させることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
被記録媒体を載置する第1載置部と、被記録媒体へ記録を施す記録部と、前記第1載置部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する第1搬送経路とを有する装置本体と、
前記装置本体へ着脱自在に取り付けられ、被記録媒体を載置する第2載置部を有する増設ユニットと、
前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、前記第1搬送経路と前記第2載置部とを結ぶ搬送経路を構成し、前記装置本体から取り外されることによって前記第1搬送経路と前記第2載置部とを結ぶ搬送経路の少なくとも一部を露出させる着脱部材と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記被記録媒体は表裏両面に被記録面を有し、
前記着脱部材は、前記記録部へ搬送される前記被記録媒体の前記被記録面を表裏反転させる反転ユニットであることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記装置本体と前記増設ユニットは複数の凹形状部と前記凹形状部に嵌合する凸形状部とで係合し、
前記装置本体に前記増設ユニットが取り付けられた状態において、前記凹形状部と前記凸形状部とは、前記装置本体から前記増設ユニットが取り外される方向への相対移動が許容されるとともに、前記取り外される方向と交差する方向への相対移動が規制された状態であることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記増設ユニットには、前記装置本体に取り付けられたとき前記装置本体との間で電気的に導通する接続端子と、前記接続端子の近傍に前記装置本体に対する前記接続端子の位置決め用の案内突起部と、が設けられていることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−43775(P2013−43775A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184951(P2011−184951)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】