説明

設定部材および遊技機

【課題】遊技領域における遊技釘の数および位置や、ゲートの位置などが、機種に応じて異なることを考慮して遊技に必要な複数の部位を遊技盤に設ける技術を提供する。
【解決手段】遊技領域が形成される遊技盤における横方向の一方の端部に設けられて遊技領域の範囲を定める設定部材62であって、遊技盤面に垂直に形成されて、遊技領域における横方向の一方の端部側の範囲を定める側壁621と、側壁621から遊技領域側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部622と、を有し、遊技領域における一方の端部側に大入賞口が設けられ、側壁621と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部との間にゲートおよび/または遊技釘が配置される第1の遊技機と、遊技領域における一方の端部側に大入賞口が設けられ、側壁621と画像表示部との間にはゲートおよび遊技釘が配置されない第2の遊技機と、に共通に使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機、および遊技機に用いられる設定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の遊技領域内の右側の領域まで遊技球を飛ばす必要があるパチンコ遊技機が提案されている。例えば、特許文献1に記載されているパチンコ遊技機は、以下のように構成されている。すなわち、第1大入賞口が遊技領域内の下部中央に配置され、第2大入賞口が右側の領域に配置されており、特別遊技状態移行用の第1大当り図柄が図柄変動表示装置で揃って停止したとき、第1大入賞口を開放させ、特別遊技状態移行用の第2大当り図柄が図柄変動表示装置で揃って停止したとき、第2大入賞口を開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−340895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技盤の遊技領域における右側の領域に大入賞口が配置されている場合、この大入賞口の周囲には、遊技領域の中央部に装着された装飾部材の右側を通過した遊技球を大入賞口の方へ案内する案内壁や、遊技領域の範囲を定める側壁や、大入賞口の開閉板が閉じたときにこの開閉板の表面と略同一面となり開閉板の手前側を遊技球が通過できるようにする部材などが必要となる。また、中央部に第2始動口がある場合には、右側の領域から中央部へ遊技球を案内する案内壁が必要となる。低コスト化を図るためには、これら遊技に必要な複数の部位を簡易に遊技盤に設けることが望ましい。
ところで、遊技領域における右側の領域に設けられる遊技釘の数および位置や、ゲートの位置などは、機種のスペック、ゲーム性に応じて決定されるため、機種毎に異なるのが一般的である。それゆえ、かかる事項をも考慮して遊技に必要な複数の部位を遊技盤に設けるようにすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明は、遊技領域111が形成される遊技盤110における横方向の一方の端部に設けられて当該遊技領域111の範囲を定める設定部材62であって、遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域111における横方向の前記一方の端部側の範囲を定める側壁621と、前記側壁621から前記遊技領域111側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部622と、を有し、前記遊技領域111における前記一方の端部側に大入賞口125が設けられ、前記側壁621と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部114との間にゲート124および/または遊技釘127が配置される第1の遊技機100と、当該遊技領域111における当該一方の端部側に大入賞口125が設けられ、当該側壁621と当該画像表示部114との間には当該ゲート124および当該遊技釘127が配置されない第2の遊技機101と、に共通に使用可能な設定部材62である。
【0006】
ここで、前記第1の遊技機100は、前記側壁621と前記画像表示部114との間に他の大入賞口125が設けられており、前記複数の凸部622のうちの1つは、流下してきた遊技球の進行方向を当該他の大入賞口125の方に変えるように設けられているとよい。
また、前記大入賞口125の上流側に設けられて、当該大入賞口125を開閉する開閉板125bが当該大入賞口125を閉じる場合に当該開閉板125bの表面と略同一高さとなり、当該開閉板125bが当該大入賞口125を開ける場合には当該開閉板125bとともに当該大入賞口125に遊技球を導く導入部623bをさらに有しているとよい。
【0007】
また、前記大入賞口125の下方に前記遊技盤面に垂直となるように形成されて遊技球を前記一方の端部側から中央へ案内する中央案内壁625をさらに有しているとよい。
また、前記側壁621から前記遊技領域111側へ突出し、遊技球を、当該側壁621側から前記大入賞口125側へ案内する大入賞口案内壁624をさらに有しているとよい。
また、普通入賞口126における遊技球の導入部位である導入壁626をさらに有しているとよい。
【0008】
また、他の観点から捉えると、本発明は、遊技領域111が形成される遊技盤110と、遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域111における横方向の一方の端部側の範囲を定める側壁621と、当該側壁621から当該遊技領域111側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部622と、を有し、前記遊技盤110における横方向の前記一方の端部に設けられて当該遊技領域111の範囲を定める設定部材62と、を備え、前記遊技盤110の前記遊技領域111には、前記一方の端部側に大入賞口125が設けられ、前記側壁621と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部114との間にゲート124および/または遊技釘127が配置され、前記設定部材62は、前記遊技領域111における前記一方の端部側に大入賞口125が設けられ、前記側壁621と前記画像表示部114との間に前記ゲート124および前記遊技釘127が配置されない他の遊技機101にも共通に使用可能であることを特徴とする遊技機100である。
【0009】
また、他の観点から捉えると、本発明は、遊技領域111が形成される遊技盤110と、遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域111における横方向の一方の端部側の範囲を定める側壁621と、当該側壁621から当該遊技領域111側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部622と、を有し、前記遊技盤110における横方向の前記一方の端部に設けられて当該遊技領域111の範囲を定める設定部材62と、を備え、前記遊技盤110の前記遊技領域111には、前記一方の端部側に大入賞口125が設けられ、前記側壁621と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部114との間に、ゲート124および遊技釘127が配置されておらず、前記設定部材62は、前記遊技領域111における前記一方の端部側に大入賞口125が設けられ、前記側壁621と前記画像表示部114との間に前記ゲート124および前記遊技釘127が配置されている他の遊技機100にも共通に使用可能であることを特徴とする遊技機101である。
【0010】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の異なる機種で共通に使用できるので、部品の種類を少なくすることができ、コスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施の形態に係るパチンコ遊技機を説明する図であり、(a)は、遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機の部分平面図である。
【図3】本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るパチンコ遊技機が備える遊技盤を手前側から見た図である。
【図5】右上案内部材の正面図である。
【図6】設定部材の正面図である。
【図7】(a)は、図6のVIIA−VIIA部の断面図、(b)は、図6のVIIB−VIIB部の断面図であり、ともに設定部材が遊技板に装着された状態の断面図である。
【図8】第2の実施形態に係るパチンコ遊技機が備える遊技盤を手前側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
〔遊技機の基本構成〕
図1は、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0014】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112を備えている。レール部材112は、矩形の板金を用いて形成されており、外側に配置される外側レール112aと、内側に配置される内側レール112bと、から構成されている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0015】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための遊技釘127(図4参照)および風車128(図4参照)等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0016】
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0017】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0018】
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0019】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで不図示の発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、不図示の供給装置が不図示の発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく上皿153(図2参照)と、を備えている。この上皿153には、例えば払い出しユニット560による払出球が払い出される。
また、枠部材150は、上皿153が遊技球でいっぱいになったときに、あふれた遊技球を一時的に溜めておくことが可能な下皿160を備えている。下皿160は上皿153よりも下側に位置する。本実施の形態では、上皿153と下皿160とを分離する構成を採用しており、上下皿一体とする構成を採用していない。このため、賞球としての遊技球をより多く溜めることが可能になる。
なお、不図示の発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0020】
また、枠部材150は、不図示の発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、上皿153に溜まっている遊技球を下皿160に落下させるための上球抜きボタン163と、下皿160に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための下球抜きボタン164と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
枠部材150は、枠ランプ157とは別の枠ランプ171,172,173と、光源を内蔵して駆動力により収納および展開が相互に切り替え可能な枠駆動演出部180と、を備えている。枠ランプ171,172,173は、連続的に配置されている。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。透明板159は、遊技盤110の盤面を覆っている。
【0021】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0022】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0023】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0024】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された押しボタンである4つのキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出ボタン161は、上皿153の近傍に位置し、また、演出キー162は、演出ボタン161と上皿153との間に位置する。遊技者は、4つのキーを操作することにより、例えば画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。
【0025】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0026】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0027】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0028】
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0029】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0030】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0031】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0032】
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。その際、演出ボタン等を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0033】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0034】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
また、ランプ制御部320は、枠ランプ171,172,173および枠駆動演出部180の制御を行う。
【0035】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0036】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される下皿160が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0037】
次に、遊技盤110について詳述する。
図4は、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機100が備える遊技盤110を手前側から見た図である。
遊技盤110は、板状の遊技板60に、上述したレール部材112および盤ランプ116などが装着されて構成される。この遊技板60の前面には遊技領域111が形成されるとともに遊技釘127および風車128等が配設されている。また、この遊技板60には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が形成されている。
【0038】
また、遊技盤110は、遊技領域111の略中央部に中央装飾部129を有している。より具体的には、遊技板60の略中央部に形成された貫通孔に、中央装飾部129が装着されている。この中央装飾部129は、画像表示部114や可動役物115を有している。画像表示部114は、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、特別図柄抽選結果(特別図柄変動結果)を遊技者に装飾図柄により報知するなど、特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する。また、画像表示部114は、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部114としては、例えば液晶表示装置、EL表示装置、LEDドット表示装置または7セグ表示装置等による構成例が考えられる。
【0039】
また、遊技盤110は、遊技領域111に、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126を有している。
第1始動口121は、左右方向(横方向)に関して遊技領域111の略中心に配置されている。また、第1始動口121の左右方向(横方向)の中心が、画像表示部114の左右方向の中心とほぼ同じになるように配置されている。そして、上下方向(縦方向)に関しては、第1始動口121は、中央装飾部129の下側に配置されている。
この第1始動口121の左右方向についての中心を境として、遊技領域111は、第1始動口121の中心の左側の領域である左側領域111aと右側の領域である右側領域111bとにより構成される。
【0040】
第2始動口122は、遊技領域111の中央下部、つまり第1始動口121の下側に設けられている。
ゲート124は、図4に示すように、左側領域111aにおける画像表示部114の左側の領域と、右側領域111bにおける画像表示部114の右側の領域とにそれぞれ1つずつ設けられている。
普通入賞口126は、左側領域111aにおける画像表示部114の下側の領域に3つ、右側領域111bにおける画像表示部114の下側の領域に1つ設けられている。
【0041】
大入賞口125は、右側領域111bにおける画像表示部114の右側の領域と、右側領域111bにおける画像表示部114よりも下側の領域とにそれぞれ1つずつ配置されている。
上側の大入賞口125は、右側のゲート124の下方に配置されている。この上側の大入賞口125は、遊技盤面に直交する回転軸回りに回転する開閉羽根125aを有し、この開閉羽根125aが時計回転方向に回転することで開かれ、開閉羽根125aが反時計回転方向に回転することで閉じられる。開閉羽根125aは、遊技板60に直接的または間接的に固定された周知のソレノイドやモータからの駆動力を受けて回転する。
下側の大入賞口125は、第2始動口122の右斜め上に配置されている。この下側の大入賞口125は、遊技盤面に平行に横方向に延びる回転軸回りに回転する開閉板125bを有し、この開閉板125bが奥から手前側に回転することで開かれ、開閉板125bが手前から奥側に回転することで閉じられる。開閉板125bは、遊技板60に直接的または間接的に固定された周知のソレノイドやモータからの駆動力を受けて回転する。
【0042】
また、遊技盤110は、遊技板60における右上の部位に取り付けられて、遊技領域111における右下の部位に遊技球を案内する右上案内部材61と、遊技板60における右下の部位に取り付けられて、遊技領域111における右下の部位の範囲を定める設定部材62と、を備えている。
【0043】
図5は、右上案内部材61の正面図である。
右上案内部材61は、ねじ止めなどにより遊技板60の表面に取り付けられる部材であり、レール部材112の外側レール112aの上側の端部を保持するレール保持部610を有する。また、右上案内部材61は、レール保持部610にて保持される外側レール112aの外周面に沿うように遊技盤110の盤面(遊技板60の板面)に略垂直に形成された上流側側壁611と、この上流側側壁611の下流に配置されるとともに、遊技盤110の盤面に略垂直に形成された下流側側壁612とを有する。
【0044】
また、右上案内部材61は、上流側側壁611と下流側側壁612との間に配置されて、外側レール112aと中央装飾部129の上端面129aとの間を流下してきた遊技球が持つエネルギーを吸収するゴム613と、下流側側壁612とともに遊技領域111における右下の領域に遊技球を案内する案内路614を形成する案内壁615と、を備えている。
下流側側壁612と案内壁615とには、案内路614を流下して遊技領域111における右下の領域に至る遊技球の勢いを低減させるべく、案内路614側へ突出する凸部が交互に設けられている。
【0045】
図6は、設定部材62の正面図である。図7(a)は、図6のVIIA−VIIA部の断面図、図7(b)は、図6のVIIB−VIIB部の断面図であり、ともに設定部材62が遊技板60に装着された状態の断面図である。
設定部材62は、ねじ止めなどにより遊技板60の表面に取り付けられる部材であり、かつ、透明な樹脂材料を用いて射出成形される部材である。この設定部材62は、遊技盤面に垂直に形成されて、遊技領域111における右側の範囲を定める右下側壁621と、右下側壁621から遊技領域111側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数(本実施の形態においては2つ)の凸部622と、を有する。
【0046】
また、設定部材62は、右下側壁621における奥側の端部から遊技板60の板面に平行に中央側へ延びるように形成された奥側平行部623を有する。この奥側平行部623には、内部に、下側の大入賞口125の開閉板125bを収容可能な貫通孔623aが形成されている。また、この奥側平行部623の表面の遊技板60の表面からの高さは、開閉板125bの表面の遊技板60の表面からの高さと略同一高さとなるように形成されている。そして、奥側平行部623における貫通孔623aの上側の部位623bは、遊技板60の表面に沿って流下した遊技球が奥側平行部623の表面に容易に至るように、その最上端部が傾斜している。ゆえに、この奥側平行部623における貫通孔623aの上側の部位623bは、開閉板125bが下側の大入賞口125を閉じる場合には開閉板125bの表面と略同一高さとなり、開閉板125bが大入賞口125を開ける場合に、開閉板125bとともに大入賞口125に遊技球を導く導入部として機能する。
【0047】
また、設定部材62は、遊技盤面に略垂直となるように形成されるとともに、下側の大入賞口125の右斜め上に設けられて、右下側壁621から遊技領域111側へ、凸部622よりも大きく突出し、遊技球を大入賞口125の方へ案内する下側大入賞口案内壁624を有する。また、設定部材62は、下側の大入賞口125の下方に設けられて、遊技球を遊技領域111における右側から中央の方へ案内する中央案内壁625を有する。中央案内壁625の左側の端部は、中央案内壁625により案内された遊技球を第2始動口122の方へ向かわせるべく、第2始動口122の右斜め上に配置されている。この中央案内壁625が遊技領域111における右側の下部の範囲を定める。
【0048】
また、設定部材62は、下側の大入賞口125の右側であって、下側大入賞口案内壁624の下方には、普通入賞口126における遊技球の導入部位である導入壁626が設けられている。また、設定部材62は、遊技盤面に略垂直となるように形成されるとともに、中央案内壁625における左側の端部から下方へ延び、遊技球を排出口117の方へ案内する排出口案内壁627を有している。内側レール112bにおける下側の端部が、この排出口案内壁627の近くまで延びており、排出口案内壁627は、内側レール112bとともに遊技領域111における中央下部の領域を設定する。
【0049】
また、設定部材62は、中央案内壁625における手前側の端部から下方向へ、および排出口案内壁627における手前側の端部から右方向へ、遊技盤面に平行に延びる手前側平行部628を有している。この手前側平行部628における手前側の面に、装飾的な文字や図柄を付すことで遊技者へのインパクトや高級感が増す。装飾的な文字や図柄を付す態様としては、装飾的な文字や図柄が記載されたシールを貼付すること、手前側平行部628における手前側の面から突出する凸部あるいは凹む凹部にて装飾的な文字や図柄を形付けること、などを例示することができる。
【0050】
なお、設定部材62は、透明な部材であるため、遊技板60の板面に付された装飾的な図柄や、遊技板60の奥側に配置された盤ランプ116により発光された光を遊技者に視認可能とする。また、設定部材62の手前側平行部628の奥側であって遊技板60の表面よりも手前側に、盤ランプ116を配置してもよい。例えば、盤ランプ116を発光素子にて実現する場合には、この発光素子を実装したプリント基板を設定部材62に固定するとよい。これにより、遊技盤110のより手前側に盤ランプ116を配置することが可能となり、遊技者へのインパクトや高級感が増す。
【0051】
以上説明したように、第1の実施形態に係る遊技盤110においては、設定部材62にて、遊技領域111における右側の範囲および右側の下部の範囲が定まる。そして、第1の実施形態に係る遊技盤110においては、この右側領域111bに2つの大入賞口125が配置され、画像表示部114と、設定部材62の右下側壁621との間には、遊技釘127、右側のゲート124、上側の大入賞口125が設けられている。
【0052】
このように構成された第1の実施形態に係る遊技盤110においては、遊技者がレバー152の回転角度を予め定められた角度以上にして発射した遊技球は、外側レール112aと中央装飾部129の上端面129aとの間に導かれ、右上案内部材61のゴム613に衝突する。その後、中央装飾部129の上端面129aに接触した後、右上案内部材61の案内路614を通り、下へ落下する。その際、下流側側壁612と案内壁615とに設けられた凸部により落下速度が低下する。
【0053】
案内路614を通過した後、遊技球は、右側のゲート124の上方に設けられた遊技釘127により進路方向が変えられながら落下し、右側のゲート124を通過するか、右側のゲート124の右横を通過する。右側のゲート124を通過した遊技球は、上下方向に右側のゲート124と上側の大入賞口125との間に配置された遊技釘127により進路方向が変えられながら落下し、開閉羽根125aが開いているときには、上側の大入賞口125に入賞するか、開閉羽根125aの右横を通過し、開閉羽根125aが開いていないときには、開閉羽根125aの右横を通過する。他方、右側のゲート124の右横を通過した遊技球は、設定部材62の凸部622および遊技釘127により進路方向が変えられ、開閉羽根125aが開いているときには、上側の大入賞口125に入賞するか、開閉羽根125aの右横を通過し、開閉羽根125aが開いていないときには、開閉羽根125aの右横を通過する。
【0054】
開閉羽根125aの右横を通過した遊技球は、設定部材62の下側大入賞口案内壁624および遊技釘127により進路方向が変えられ、開閉板125bが開いているときには、下側の大入賞口125に入賞するか、導入壁626に導かれて普通入賞口126に入賞するか、開閉板125bおよび/または導入壁626の横を通過する。開閉板125bが開いていないときには、開閉板125bの手前側を通過することもある。
【0055】
開閉板125bおよび/または導入壁626の横を通過した遊技球および開閉板125bの手前側を通過した遊技球は、設定部材62の中央案内壁625により案内されて遊技領域111の中央側へ向かう。そして、遊技釘127により進路方向が変えられ、主に、電動チューリップ123が開いている場合には第2始動口122に入賞し、電動チューリップ123が開いていない場合には第2始動口122の横を通り排出口117から排出される。
【0056】
以上のように構成され、作用する遊技盤110においては、右下側壁621、凸部622、奥側平行部623、下側大入賞口案内壁624、中央案内壁625、導入壁626、排出口案内壁627および手前側平行部628などが一体的に形成された設定部材62を有する。それゆえ、例えば、これら奥側平行部623、下側大入賞口案内壁624、中央案内壁625、導入壁626、手前側平行部628などを別々の部品として遊技板60に装着するのと比べると、部品点数を少なくすることができる。その結果、組み立て工数を削減することや、部品管理を少なくすることができ、コスト削減を図ることができる。
【0057】
なお、上述した第1の実施形態においては、設定部材62として、右下側壁621、凸部622、奥側平行部623、下側大入賞口案内壁624、中央案内壁625、導入壁626、排出口案内壁627および手前側平行部628などを射出成形にて一体的に形成した物を例示したが、特にかかる態様に限定されない。例えば、右下側壁621、凸部622、奥側平行部623、下側大入賞口案内壁624、中央案内壁625、導入壁626および排出口案内壁627などを射出成形にて一体的に形成した物に、別体で成形した手前側平行部628を、ねじ止めや圧入で取り付けることで設定部材62を一つの物にしてもよい。
【0058】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係るパチンコ遊技機101が備える遊技盤110を手前側から見た図である。
第2の実施形態に係るパチンコ遊技機101においては、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機100に対して、遊技盤110の遊技領域111の右側領域111bの構成が異なる。以下では、異なる点について説明する。
【0059】
大入賞口125は、1つだけ設けられており、右側領域111bにおける画像表示部114よりも下側の領域に配置されている。この大入賞口125は、第1の実施形態に係る遊技盤110における下側の大入賞口125と同一であり、第2始動口122の右斜め上に配置されている。
ゲート124は、図8に示すように、左側領域111aにおける画像表示部114の左側の領域と、右側領域111bにおける画像表示部114の右側の領域とにそれぞれ1つずつ設けられている。右側のゲート124は、大入賞口125の上方に配置されている。
普通入賞口126は、第1の実施形態に係る遊技盤110と同様に、左側領域111aにおける画像表示部114の下側の領域に3つ、右側領域111bにおける画像表示部114の下側の領域に1つ設けられており、右側領域111bに配置された普通入賞口126は、大入賞口125の右横に配置されている。
【0060】
第2の実施形態に係る遊技盤110は、第1の実施形態に係る遊技盤110と同様に、遊技板60における右上の部位に、第1の実施形態に係る遊技盤110が有する右上案内部材61と同じ右上案内部材61が取り付けられており、遊技領域111における右下の部位に、第1の実施形態に係る遊技盤110が有する設定部材62と同じ設定部材62が取り付けられている。これより、第2の実施形態に係る遊技盤110においても、設定部材62にて、遊技領域111における右側の範囲および右側の下部の範囲が定まる。
【0061】
上述したように、第2の実施形態に係る遊技盤110においては、右側領域111bに1つの大入賞口125が配置され、右側のゲート124がこの大入賞口125の上方に配置されている。ゆえに、第1の実施形態に係る遊技盤110とは異なり、画像表示部114と、設定部材62における下側大入賞口案内壁624より上方の右下側壁621との間には、遊技釘127、右側のゲート124および上側の大入賞口125は存在しない。
【0062】
代わりに、中央装飾部129における右側面129bが、遊技球を下方へ案内する案内壁として機能し、この右側面129bが、設定部材62の右下側壁621および凸部622とともに、遊技球を下方へ案内する案内路69を形成する。この案内路69は、右上案内部材61の案内路614と上下方向に連続するように形成されている。中央装飾部129の右側面129bは、設定部材62の右下側壁621および凸部622と対向するように遊技盤面に垂直に形成されているとともに、案内路69を流下して遊技領域111における右下の領域に至る遊技球の勢いを低減させるべく、設定部材62の凸部622と対向する部位はその他の部位よりも左側に位置している。言い換えれば、中央装飾部129の右側面129bと、設定部材62の右下側壁621には、案内路69側へ突出する凸部が交互に設けられている。
【0063】
このように構成された第2の実施形態に係る遊技盤110においては、遊技者がレバー152の回転角度を予め定められた角度以上にして発射した遊技球は、外側レール112aと中央装飾部129の上端面129aとの間に導かれ、右上案内部材61のゴム613に衝突する。その後、中央装飾部129の上端面129aに接触した後、右上案内部材61の案内路614を通り、下へ落下する。その際、下流側側壁612と案内壁615とに設けられた凸部により落下速度が低下する。
【0064】
案内路614を通過した後、遊技球は、設定部材62の右下側壁621および凸部622と、中央装飾部129の右側面129bと、で形成される案内路69を通り、下へ落下する。その際、設定部材62の凸部622と中央装飾部129の右側面129bとに設けられた凸部により落下速度が低下する。その後、案内路69を通過した遊技球は、設定部材62の下側大入賞口案内壁624および遊技釘127により進路方向が変えられ、右側のゲート124の方へ向かうか、普通入賞口126の方へ向かう。
【0065】
ゲート124の方へ向かった遊技球は、ゲート124を通過するか、ゲート124の横を通過した後に、開閉板125bが開いているときには、下側の大入賞口125に入賞するか、開閉板125bの横を通過する。開閉板125bが開いていないときには、開閉板125bの手前側を通過することもある。普通入賞口126の方へ向かった遊技球は、導入壁626に導かれて普通入賞口126に入賞するか、普通入賞口126の横を通過する。
【0066】
開閉板125bおよび/または導入壁626の横を通過した遊技球および開閉板125bの手前側を通過した遊技球は、設定部材62の中央案内壁625により案内されて遊技領域111の中央側へ向かう。そして、遊技釘127により進路方向が変えられ、主に、電動チューリップ123が開いている場合には第2始動口122に入賞し、電動チューリップ123が開いていない場合には第2始動口122の横を通り排出口117から排出される。
【0067】
以上説明した第1の実施形態に係る遊技盤110および第2の実施形態に係る遊技盤110において、設定部材62は、遊技盤110における横方向の一方の端部に設けられて遊技領域111の範囲を定める部材として用いられている。すなわち、設定部材62は、第1の実施形態に係るパチンコ遊技機100と、第2の実施形態に係るパチンコ遊技機101と、に共通に使用可能な部材である。
このように、設定部材62を、遊技領域111の構成が異なる機種で共通に使用可能とすることで、機種毎に専用の形状・構造の設定部材62を用いる場合よりも、コストを削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
60…遊技板、61…右上案内部材、62…設定部材、100…パチンコ遊技機、110…遊技盤、114…画像表示部、121…第1始動口、122…第2始動口、124…ゲート、125…大入賞口、126…普通入賞口、129…中央装飾部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成される遊技盤における横方向の一方の端部に設けられて当該遊技領域の範囲を定める設定部材であって、
遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域における横方向の前記一方の端部側の範囲を定める側壁と、
前記側壁から前記遊技領域側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部と、
を有し、
前記遊技領域における前記一方の端部側に大入賞口が設けられ、前記側壁と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部との間にゲートおよび/または遊技釘が配置される第1の遊技機と、当該遊技領域における当該一方の端部側に大入賞口が設けられ、当該側壁と当該画像表示部との間には当該ゲートおよび当該遊技釘が配置されない第2の遊技機と、に共通に使用可能な設定部材。
【請求項2】
前記第1の遊技機は、前記側壁と前記画像表示部との間に他の大入賞口が設けられており、前記複数の凸部のうちの1つは、流下してきた遊技球の進行方向を当該他の大入賞口の方に変えるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の設定部材。
【請求項3】
前記大入賞口の上流側に設けられて、当該大入賞口を開閉する開閉板が当該大入賞口を閉じる場合に当該開閉板の表面と略同一高さとなり、当該開閉板が当該大入賞口を開ける場合には当該開閉板とともに当該大入賞口に遊技球を導く導入部をさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載の設定部材。
【請求項4】
前記大入賞口の下方に前記遊技盤面に垂直となるように形成されて遊技球を前記一方の端部側から中央へ案内する中央案内壁をさらに有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の設定部材。
【請求項5】
前記側壁から前記遊技領域側へ突出し、遊技球を、当該側壁側から前記大入賞口側へ案内する大入賞口案内壁をさらに有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の設定部材。
【請求項6】
普通入賞口における遊技球の導入部位である導入壁をさらに有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の設定部材。
【請求項7】
遊技領域が形成される遊技盤と、
遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域における横方向の前記一方の端部側の範囲を定める側壁と、当該側壁から当該遊技領域側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部と、を有し、前記遊技盤における横方向の一方の端部に設けられて当該遊技領域の範囲を定める設定部材と、
を備え、
前記遊技盤の前記遊技領域には、前記一方の端部側に大入賞口が設けられ、前記側壁と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部との間にゲートおよび/または遊技釘が配置され、
前記設定部材は、前記遊技領域における前記一方の端部側に大入賞口が設けられ、前記側壁と前記画像表示部との間に前記ゲートおよび前記遊技釘が配置されない他の遊技機にも共通に使用可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項8】
遊技領域が形成される遊技盤と、
遊技盤面に垂直に形成されて、前記遊技領域における横方向の前記一方の端部側の範囲を定める側壁と、当該側壁から当該遊技領域側へ突出し、遊技球の流下方向を変える複数の凸部と、を有し、前記遊技盤における横方向の一方の端部に設けられて当該遊技領域の範囲を定める設定部材と、
を備え、
前記遊技盤の前記遊技領域には、前記一方の端部側に大入賞口が設けられ、前記側壁と特別図柄抽選の結果に応じた画像を表示する画像表示部との間に、ゲートおよび遊技釘が配置されておらず、
前記設定部材は、前記遊技領域における前記一方の端部側に大入賞口が設けられ、前記側壁と前記画像表示部との間に前記ゲートおよび前記遊技釘が配置されている他の遊技機にも共通に使用可能であることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−90729(P2013−90729A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234015(P2011−234015)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】