説明

診断装置および診断方法

【課題】診断対象機器についての各種事象の発生要因を求める診断を、短時間かつ高精度で行うことができる診断装置を提供する。
【解決手段】診断対象の事象が入力されたときに、その事象について予め設定されている設問を表示装置に出力し、設問に対する回答の入力を促す問診手段と、問診手段に回答が入力されたときに、回答と設問を記録した問診カルテを作成する問診カルテ作成手段と、問診カルテの回答に対して予め設定されている得点の合計点に基づいて診断対象の事象発生要因を絞り込んだ診断結果を出力する診断手段と、診断手段により診断された診断結果を表示装置に表示する診断結果表示手段と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンやガスタービン、発電機等診断対象機器の運用中の運転パラメータ変化や開放点検時に確認された異常等種々の事象の要因を診断する診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸気タービン、ガスタービン、発電機等の発電プラント機器の診断には、機器の運用中に発生した運転パラメータの変化(例えば、振動変化や軸受温度変化)に基づく機器の診断および保守点検における開放点検時に発見された異常に基づく診断とがある。いずれの診断においても、診断エキスパートの知識や過去の経験から、調査内容・項目が抽出され、そのエキスパートが提示する調査の結果に基づき要因分析からの消し込み・抽出を行うことにより真因を絞り込み、さらに、可能性として挙げられる異常等の事象発生要因に対する対策をガイダンスしていた。
【0003】
しかし、このような従来の診断技術では、エキスパートの知識・経験により行われることから、この診断技術の伝承が極めて困難であり、診断エキスパートの育成にも時間がかかるという課題があった。さらに、この診断をするエキスパートの知識および経験により、診断結果の精度、診断の掘り下げ度合い、診断結果に到達するまでに要する時間に、大きなばらつきがあった。
【0004】
また、この種の診断装置としては、運転中に発生するタービンロータや発電機等の軸振動の要因を推論する振動診断装置およびその方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、車両、航空機等の不具合現象を入力すると、その不具合現象に対応する過去の診断事例を選出して故障原因を探究し仮説を生成する故障診断装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−315213号公報
【特許文献2】特開平7−271590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の診断装置では、タービンロータや発電機等の軸振動の要因の推論に限定され、他の機器の他の異常事象の要因を広く診断できないという課題がある。
【0007】
また、上記特許文献2記載の故障診断装置では、入力された不具合現象に対応する過去の診断事例を選出して故障原因を探究し仮説を生成する事例ベース推論部の当該仮説と、故障ツリー解析型知識データから故障原因を探究し仮説を生成するルール・ベースの推論部の当該仮説が競合した場合に、これら推論部により再推論させるので、構成が複雑であるうえに、最終的な推論を出力するまで時間がかかるという課題がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、診断対象機器についての各種事象の発生要因を求める診断を、短時間かつ高精度で行うことができる診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、機器診断担当者である診断エキスパートの診断技術を、標準化されたテンプレートに埋め込むことによりソフト化し、従来伝承が困難であった機器診断技術の伝承を容易にするとともに、診断担当者の知識および経験量の大小にかかわらず、機器診断を行うことができるように構成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、診断対象の事象が入力されたときに、その事象について予め設定されている設問を表示装置に出力し、この設問に対する回答の入力を促す問診手段(ステップ)と、この問診手段に前記回答が入力されたときに、この回答と前記設問を記録した問診カルテを作成する問診カルテ作成手段(ステップ)と、前記問診カルテの回答に対して予め設定されている得点の合計点に基づいて前記診断対象の事象発生要因を絞り込んだ診断結果を出力する診断手段(ステップ)と、この診断手段により診断された診断結果を前記表示装置に表示する診断結果表示手段(ステップ)と、を具備していることを特徴とする診断装置および診断方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、診断対象機器に精通していない診断者においても、本発明の診断装置を使用することにより、診断エキスパートが出す診断結果と同様な診断結果を短時間かつ高精度に得ることができると共に、診断者の能力のレベル差による診断結果のばらつきを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。これらの添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0013】
図1は診断装置1の事象診断群格納エリア2の構成を示すブロック図、図2は図1で示す各診断キュービクル3の構成を示すブロック図、図3は問診エリアの一部を示す図、図4は図2で示す要因判別スコアカードの一部を示す図である。
【0014】
図1において、診断装置1はコンピュータシステムで構成され、問診手段100、問診カルテ作成手段200、診断手段300、診断結果表示手段400、対策ガイダンス表示手段500を具備すると共に、記録装置等の事象診断群格納エリア2を具備している。
【0015】
そして、事象診断群格納エリア2は蒸気タービン,発電機,ガスタービン等の診断対象機器の運用時運転パラメータ変化事象と、保守点検時の開放点検で確認ないし検出された各種変化ないし異常事象等の種々の事象の発生要因を特定するために、複数の診断キュービクル3,3,…を事象発生要因毎に具備している。
【0016】
すなわち、これら診断キュービクル3,3,…は、運用時運転パラメータ変化事象診断群4と、保守点検時事象診断群5とに発生事象毎にグループ分けされた格納エリアに、診断キュービクルA〜N,a〜nとしてそれぞれ格納され、診断メニューとして表示される。
【0017】
これら両群の診断キュービクル(A〜N,a〜n)3は個別診断キュービクル作成エリア6において、オリジナルの個別診断装置作成テンプレート7により、同一フォーマットによりそれぞれ作成され、作成後は、事象診断群格納エリア2に追加格納される。
【0018】
図2に示すように各診断キュービクル3は、問診カルテ作成エリア8、事象発生要因群エリア9および要因判別スコアカード群エリア10とを有する。
【0019】
問診カルテ作成エリア8は診断対象機器の所要の事象発生前後での事象情報と事象発生要因の分析に関わる問診を実行し、状況を把握するための問診カルテ8a(図3参照)を作成するためのデータを格納するエリアである。
【0020】
問診カルテ作成エリア8は、発生事象毎に予め複数の設問(問診)Q(Q1,Q2,…,QN)が記録された設問設定エリア11と、これら設問Q1〜QNに対する回答Ansを、例えばプルダウンメニューにより複数の回答選択肢群の複数の選択候補から選択させるために、当該複数の回答選択肢を複数記録した回答選択肢設定エリア12と、を有する。
【0021】
回答選択肢設定エリア12は、設問エリア11の各設問(Q1〜QN)毎に、例えば図3で示すプルダウンメニュー選択ボタン13を押すことにより、複数の回答選択候補14を表示させ、該当する回答選択候補14が選択されると、その選択された選択肢が回答として表示される回答欄15を有する。これら複数の回答選択肢群の選択候補14は設問毎に区分されて回答選択肢データ群エリア16に格納される。
【0022】
このように各設問Q1〜QNに対して回答Ansが選択されると、各設問Q1〜QN毎に回答Ansを記録した表が問診カルテ8aとして自動的に作成される。
【0023】
このように問診カルテ8aに記録された各設問Q1〜QN毎の回答情報は、図2に示すように要因判別スコアカード群10に与えられ、事象発生要因の絞り込みに使用される。
【0024】
要因判別スコアカード群10は、事象発生要因群9に記録された種々の事象発生要因1〜N毎に、要因別スコアカード17,17,…(1A,1B,…,1N、2A,2B,…,2N、NA,NB,…NN)をそれぞれ設けている。
【0025】
図4は図2で示す要因別スコアカード17の構成を示す。スコアカード17は、マトリクスよりなり、その縦軸に設問項目番号18、横軸に回答選択肢番号19aおよび要因指標19bをそれぞれ記入する欄を設けている。この要因別スコアカード17は縦軸の設問項目番号18と横軸の選択肢番号19aの両欄が交差するセルに、事象発生要因に関連性の高い組合せには、高い点数(スコア)を付与し、事象発生要因と関連性の低い組合せには低い点数を配点している。さらに事象発生要因と全く関連性のないものにはマイナスの点数を配点し、その回答選択肢が選択された場合にはスコアカード合計点から得点を差し引き、得点を引き下げることにより、事象発生要因から除外する機能を持たせている。また設問Qに対して回答Ansがない場合(無回答の場合)には得点を与えない集計方式を採用し事象発生要因の絞り込みにメリハリをつけている。
【0026】
そして、診断装置1は、このスコアカード17を使用して診断手段300により絞り込んだ事象発生要因の可能性の高さを定量的に示す要因指標19bとして合致率ε、回答率δ、評価確率ηをそれぞれ算出する指標算出手段を具備している。すなわち、指標算出手段は、設問Qに対して選択された回答選択肢の得点を合計した得点の回答実得点αと、この回答実得点αに対して、回答された設問の中での選択肢内最高得点を合計した回答分最高得点の合計γとの割合を示す合致率εと、回答済または未回答に拘らず設問毎に設定された設問毎最高点の合計βと回答された設問での選択肢内最高得点を合計した回答分最高点の合計γの割合を示す回答率δ、この回答率δと前記合致率εを乗算し、さらに補正係数を掛けた値を示す評価確率ηと、がある。
【0027】
図5は要因別スコアカード17の集計表17Tを示す。この集計表17Tは要因別スコアカード17から出力される回答率δ、合致率ε、評価確率ηをマトリクス表に集計し、要因毎のスコアカード評価確率ηの最大確率をその要因の最終評価確率として要因分析の絞り込みの評価値として採用し要因を判定する。
【0028】
図6はスコアカード集計表にて算出された評価確率ηに基づいて作成される要因分析図20の一例を示す。この要因分析図20は要因判定欄21を具備している。この要因判定を実行する判定手段は、最終評価確率ηに対して高低2種のしきい値(例えば50%と80%)を設定し、低しきい値(例えば50%)以下のもの(η<50%)については可能性無し(×)の判定を、また低しきい値と高しきい値の中間に値するもの(50%<η<80%)に関しては可能性あり(△)、高しきい値以上のもの(η>80%)については可能性大(○)の凡例を要因毎に判定結果として表示装置に出力し、表示させる機能を有する。
【0029】
図7は上記回答率δ、合致率ε、評価確率ηを要因番号毎に例えば棒グラフ等の所要のグラフ化により作成した判別グラフ22の一例を示している。この判別グラフ22は要因分析図20と同様に、表示装置に出力されて表示される。この判別グラフ22によれば、要因毎の真因たる可能性の強さ(高さ)を目視確認できる。
【0030】
そして、この表示装置には要因別対策ガイダンスも表示される。この要因別対策ガイダンスは、評価確率ηや要因判定により絞り込まれた事象発生要因に対応するための対策をガイドする情報を提供するものであり、図2に示すように、要因別対策ガイダンスデータベース23に格納される。要因別対策ガイダンスは複数の短期対策ガイダンス情報を集合させてなる短期対策ガイダンス群23aと、複数の中長期対応ガイダンス情報を集合させてなる中長期対応ガイダンス群23bとを具備している。
【0031】
図8,図9は診断装置1のCPU(中央処理装置)により実行される処理プログラムのフローチャートであり、図中Sに番号を付した符号はフローチャートのステップをそれぞれ示す。
【0032】
CPUは、この処理プログラムを実行することにより、問診手段100、問診カルテ作成手段200、診断手段300、診断結果表示手段400および対策ガイダンス表示手段500としての機能を実現するように構成されている。診断装置1は、これら処理プログラムを記録する図示しないROM等の記録装置、またはCDやDVD等の記録媒体およびこの記録媒体を駆動する駆動装置、これら処理プログラムを実行する際の作業エリアを提供するRAMを具備している。
【0033】
次に、図8,図9に基づいて、このCPUの機能と診断装置1の作用を説明する。
【0034】
まず、CPUは、この診断装置1のプログラムを起動(スタート)させると、問診手段100としてS1で、表示装置に、メニュー画面として、発生事象毎の複数の診断キュービクル3,3,…をそれぞれ表示させ、これらの中から診断対象事象の診断キュービクル3をユーザにより選択することを促す。
【0035】
これにより、次のS2で、ユーザが所要の診断対象事象の診断キュービクル3を選択すると、S3で、その選択された診断対象事象についての問診表が画面に表示される。
【0036】
すなわち、ユーザにより選択された診断対象の事象(例えば「スラストメタル温度高」等)と、これに関連する設問Qとを有する問診表が表示装置に表示される。
【0037】
そこで、次のS4では、ユーザが各設問Qに対する回答を、プルダウンメニューにより表示される複数の回答候補を選択することにより、それぞれ回答(例えば「正スラストのみ」)する。
【0038】
そこで、S5で、CPUの問診カルテ作成手段200は所要の診断対象事象の設問Qとその回答Ansをそれぞれ記録し、これを図3で示す問診カルテ8aとして自動作成し、問診カルテ記録エリアに記録する。
【0039】
さらに、CPUは、この問診カルテ作成に並行して診断手段300により、事象発生要因(図8,図9では単に「要因」と略称)1〜NN毎に、全スコアカード17,17,…の得点を集計して集計表17Tを作成し、さらに、これら得点に基づいて指標算出手段により、回答率δ、合致率ε、評価確率ηを、診断手段により絞り込んだ事象発生要因の可能性の高さを定量的に示す指標としてそれぞれ算出する(S6,S7)。
【0040】
すなわち、指標算出手段は、S6の要因1のスコアカード集計では、要因1のスコアカード1Aから要因1のスコアカード1Nまでについて、要因1に対する回答Ansの得点、同全設問Qの総得点α、同全設問Qの総最高点β、同回答済設問Qの総最高得点γ、回答率δ(δ=γ/β)、合致率ε(ε=α/γ)、評価確率η(η=ε×δ×補正係数)、をそれぞれ算出する。
【0041】
さらに、これら演算を要因2〜NNまで実行し、全要因1〜Nに対する全スコアカード1A〜NNを集計し、S7で、その集計結果を例えば図5で示す集計表17Tに入力し、表示操作に応じてこの集計表17Tを適宜表示する。
【0042】
次のS8では、各要因1〜Nに対する各スコアカード(1A〜NN)内で評価確率ηが最も高い最高評価確率ηを各要因(1〜N)毎の評価確率ηとして選択する。
【0043】
この後、S9で、CPUの診断結果表示手段400は、各要因1〜N毎に回答率δ、合致率ε、評価確率ηを、例えば図7で示す判別グラフ22のようにグラフ化し、表示装置に表示させる。
【0044】
さらに、S10で、CPUの診断結果表示手段400は、その診断結果を、例えば図6で示す要因分析図20として表示装置に表示する。この要因分析図20は診断対象の発生事象、その発生事象の要因の大分類および小分類(考えられる要因)、回答率δ、合致率ε、評価確率η、判定結果の記号(○×△)をそれぞれ表示する。判定結果は、各小分類の要因毎に、その要因の可能性の有無や大小を記号、例えば×,△,○で簡明に表示し、要因判定欄21に表示するものである。すなわち、評価確率ηについて所要の閾値を上下2値、例えば50%と80%に設定し、評価確率ηが50%未満(η<50%)のときに、「×」、すなわち、要因ではないことを表している。
【0045】
また、評価確率ηが50%超かつ80%未満(50%<η<80%)のときに、「△」、すなわち、要因の可能性ありを示す。さらに、評価確率ηが80%超(η>80%)のときに、「○」、すなわち、要因の可能性大が表示される。
【0046】
次のS11では、要因分析図10の所要の要因に対して、対策ガイダンスの表示要求がユーザの操作によりあったと判断したときに、CPUの対策ガイダンス表示手段500は、その要因に対する対策ガイダンスが短期対応ガイダンスまたは中長期対応ガイダンスか否かをユーザに問う表示を行い、その回答と要因に適合した対応ガイダンスを要因別対策ガイダンスデータベース23から抽出し、表示装置に表示する。そのガイダンス例としては、診断対象等機器の運転停止、特定部品の交換、調査事項のガイダンス表示等がある。
【0047】
したがって、この診断装置1によれば、そのユーザが診断対象の発生事象を、複数の診断キュービクル3,3,…の中から選択することにより、診断装置1に入力し、問診に回答すると、その問診カルテ8aが自動的に作成される。また、診断対象の発生事象の要因が1個またはそれ以上の所要数に絞り込まれて診断結果として表示装置に表示される。したがって、ユーザは、診断結果の表示を見ることにより、診断対象の発生事象の要因を知ることができる。また、診断結果は、診断対象の発生事象とその要因とを定型化した診断キュービクル3,3,…に基づいて絞り込みを求めるので、診断結果のばらつきを防止または低減することができる。
【0048】
さらに、この診断装置1によれば、診断手段300により求めた診断対象の発生事象の要因の可能性の有無や大小を要因分析図20や判別グラフ22により確認することができるので、その確認を迅速かつ容易に行うことができる。
【0049】
また、診断装置1は、求めた診断対象の発生事象の要因に対して、要因別の対策ガイダンスを要因別対策ガイダンスデータベース23から抽出し、表示装置に表示するので、ユーザは診断対象の発生事象に対する対策方法を知ることができる。しかも、その対策方法も、短期対応と中長期対応とを共に知ることができる。
【0050】
さらに、診断装置1は、新規の診断キュービクル3を、個別診断キュービクル作成エリア6により作成し、オリジナルの個別診断装置作成テンプレート7により既存の診断キュービクル3と同一のフォーマットで作成し、事象診断群格納エリア2に追加し、診断メニューに追加することができる。すなわち、事象発生要因の診断エキスパートが持つ知識経験からなる診断技術を診断テンプレートに埋め込み作成することにより、容易に診断機能を追加ないし強化することができ、診断エキスパートの診断技術の伝承を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る診断装置の事象判断群格納エリアと個別診断キュービクル作成エリアの構成例をそれぞれ示すエリア構成図。
【図2】図1で示す各事象診断キュービクルと、要因別対策ガイダンスデータベースの構成例を示すエリア構成図。
【図3】図1で示す診断キュービクル内に回答情報を入力する問診エリアの一例の一部を示す図。
【図4】図2で示す要因別スコアカードの構成例を一部省略して示す図。
【図5】図4で示すスコアカードの得点等を集計する集計表の構成例を一部省略して示す図。
【図6】本実施形態に係る診断装置の表示装置に表示される要因分析図の一例を示す図。
【図7】本実施形態に係る診断装置の表示装置に表示される判別グラフの一例を示すグラフ。
【図8】本実施形態に係る診断装置のCPUが実行する処理プログラムの前半部を示すフローチャート。
【図9】本実施形態に係る診断装置のCPUが実行する処理プログラムの後半部を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
1 診断装置
2 事象診断群格納エリア
3 診断キュービクル
4 運用時発生事象診断群
5 保守点検時事象診断群
6 個別診断キュービクルエリア
7 個別診断装置作成テンプレート
8 問診カルテ作成エリア
8a 診断カルテ
9 事象発生要因群
10 要因判別スコアカード群
11 設問設定エリア
12 回答選択肢設定エリア
17 要因別スコアカード
20 要因分析図
22 判別グラフ
23 ガイダンスデータベース(短期・中長期対応別)
100 問診手段
200 問診カルテ作成手段
300 診断手段
400 診断結果表示手段
500 対策ガイダンス表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象の事象が入力されたときに、その事象について予め設定されている設問を表示装置に出力し、この設問に対する回答の入力を促す問診手段と、
この問診手段に前記回答が入力されたときに、この回答と前記設問を記録した問診カルテを作成する問診カルテ作成手段と、
前記問診カルテの回答に対して予め設定されている得点の合計点に基づいて前記診断対象の事象発生要因を絞り込んだ診断結果を出力する診断手段と、
この診断手段により診断された診断結果を前記表示装置に表示する診断結果表示手段と、
を具備していることを特徴とする診断装置。
【請求項2】
前記問診手段は、プルダウンメニューの選択肢の選択により前記回答を入力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の診断装置。
【請求項3】
前記診断手段は、前記診断対象の発生事象毎に、その発生要因を関連付け、その発生要因毎に、前記各回答に対して予め得点を付与してある要因判別スコアカードを有する診断キュービクルを具備し、この診断キュービクルの要因判別スコアカードの得点の合計点を算出し、この合計点に基づいて前記診断対象の事象発生要因を絞り込んだ診断結果を出力するように構成されていることを特徴とする診断装置。
【請求項4】
前記要因判別スコアカードは、予め事象発生要因に合致する可能性の高い順にプラスの高得点を付与し、その可能性が否定される順にマイナスの得点を付与し、前記設問に対する無回答の場合は無得点とするように構成されていることを特徴とする請求項4記載の診断装置。
【請求項5】
前記診断キュービクルは、更新可能または追加可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の診断装置。
【請求項6】
前記診断手段は、これにより絞り込んだ前記診断対象の発生事象の要因の可能性の高さを定量的に示す指標を前記回答の得点の合計点に基づいて算出し、表示装置に表示させる指標算出手段、
を具備していることを特徴とする請求項1記載の診断装置。
【請求項7】
前記指標算出手段は、前記事象発生要因毎の設問に対して選択された回答の得点を合計した合計得点に対して、その回答された設問での選択肢内最高得点を合計した回答設問毎の最高点数合計との割合を示す合致率と、回答または無回答に拘らず全設問の選択肢内最高得点の合計と回答された設問での選択肢内最高得点を合計した回答設問毎最高点数合計との割合を示す回答率と、この回答率に前記合致率と補正係数を乗算した評価確率と、を前記指標として算出するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の診断装置。
【請求項8】
前記診断手段は、前記評価確率に基づいて事象発生要因の可能性の高さについて複数の段階に区分するように判定する判定手段を具備していることを特徴とする請求項7記載の診断装置。
【請求項9】
事象発生要因毎の対策を案内する対策ガイダンスを記録した対策ガイダンスデータベースと、
この対策ガイダンスデータベースに蓄積された対策ガイダンスを、前記診断結果に基づいて事象発生要因毎に前記表示装置に出力する対策ガイダンス表示制御手段と、
を具備していることを特徴とする請求項1記載の診断装置。
【請求項10】
前記対策ガイダンスは、前記診断時での短期間の対策を案内する短期対策ガイダンスと、診断時よりも先の中長期間の対策を案内する中長期的な中長期対策ガイダンスと、
を具備していることを特徴とする請求項9記載の診断装置。
【請求項11】
診断対象の事象が入力されたときに、その事象について予め設定されている設問を表示装置に出力し、この設問に対する回答の入力を促す問診ステップと、
この問診ステップにおいて前記回答が入力されたときに、この回答と前記設問を記録した問診カルテを作成する問診カルテ作成ステップと、
前記問診カルテの回答に対して予め設定されている得点の合計点に基づいて前記診断対象の事象発生要因を絞り込んだ診断結果を出力する診断ステップと、
この診断ステップにより診断された診断結果を前記表示装置に表示する診断結果表示ステップと、
を具備していることを特徴とする診断方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−218658(P2007−218658A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37746(P2006−37746)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】