説明

評価支援装置、評価支援方法及びコンピュータプログラム

【課題】品質の低い要件定義書による見積もり誤りの発生や、再作業及び追作業の発生などのリスクを軽減すること。
【解決手段】評価支援装置であって、入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出部と、要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、目次抽出部によって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付け部と、推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、推奨項目毎に、品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェック部と、チェック部によって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要件定義書の品質評価技術に関する。
【背景技術】
【0002】
要件定義書は、システム開発における重要な成果物である。顧客とベンダは、開発するシステムの仕様を検討し、合意した内容を要件定義書に記述する。システムの仕様とは、例えばシステムを導入する業務、求められる機能や性能、既存システムや連携システムとのインタフェース、保守や運用におけるサービスレベル及び作業内容などである。ベンダは、要件定義書の記述内容に基づいて実現方法を検討し、プロジェクト計画を作成する。そして、ベンダは、要因やコストを見積もって開発体制を整備し、詳細設計など具体的な開発を開始する。
【0003】
要件定義書に記述漏れや曖昧な記述があると、顧客の理解とベンダの理解との間に乖離が生じてしまうおそれがある。このような乖離は、見積もり誤りや、後工程での再作業又は追作業の発生要因となる。例えば、ベンダが、顧客の望む仕様の一部を見落としたまま、若しくは内容を誤解したままで作業を進めてしまうと、当初見込んでいなかった機能を追加するための追作業や、誤って作りこまれた機能やアーキテクチャを修正するための再作業などが必要となってしまう。このような追作業や再作業の発生は、開発スケジュールの進捗の遅延を招き、要員をより長期にわたって確保するためにコストも膨らんでしまう。膨らんでしまったコストは、見積もり誤りの原因となってしまう。
【0004】
このような問題を解決するための技術として、特許文献1には以下のような技術が開示されている。品質尺度読込み手段が、品質尺度とその重要度とを入力し、その入力に基づいて品質尺度テーブルを作成する。レビューポイント読込み手段が、目次項目単位のレビューポイント群を入力し、その入力に基づいて各目次項目に対応するレビューポイントテーブルを作成する。レビューシート作成手段が、品質尺度テーブルとレビューポイントテーブルとをユーザに提示し、ユーザからの指示に基づいてレビューシートを作成する。スコア計算手段が、レビューシートに対してユーザにより入力された各レビューポイントのスコアに基づいて各品質尺度に対するスコアの実績値を計算する。スコア出力手段が、この計算に基づいてグラフ形式の品質状況表を出力する。
【0005】
また、上記の問題を解決するための他の技術として、特許文献2には以下のような技術が開示されている。機能見出しが入力されたとき、予め定義されている機能要件の項目とその要件記述構文を抽出する。また、当該機能見出しに係る予め定義されている品質要件の項目とその要件記述構文を抽出する。さらに、当該機能見出しに係る予め定義されている非正常系要件の項目とその要件記述構文を抽出する。そして、抽出した要件記述構文それぞれに要件を記述可能とする。
また、良い要件定義書の作成について定義した文献として非特許文献1もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−141171号公報
【特許文献2】特開2008−3851号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IEEE-SA Standards Board, “IEEE Recommended Practice for Software Requirements Specifications,” Software Engineering Standards Committee of the IEEE Computer Society, IEEE Std 830-1998, 1998.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された技術及び特許文献2に開示された技術のいずれにも問題点はある。特許文献1に開示された技術では、所定の項目を満たしているか否かという観点での評価が行われる。また、特許文献2に開示された技術は、項目の抜けや漏れが生じないように、予め決められたフォーマットで必要な項目を記載できるようにすることを目的とした技術である。したがって、いずれの特許文献に開示された技術であっても、非特許文献1に定義されたような品質特性を考慮して評価を行うことはできなかった。そのため、たとえ特許文献1に開示された技術で高評価がなされたとしても、またたとえ特許文献2に開示された技術に従って記載をしたとしても、上述したような顧客の理解とベンダの理解との間の乖離を防止できるとはいえず、依然として見積もり誤りの発生や、再作業及び追作業の発生などのリスクを伴っていた。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、見積もり誤りの発生や再作業及び追作業の発生などのリスクの軽減を可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、評価支援装置であって、入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出部と、要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出部によって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付け部と、前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェック部と、前記チェック部によって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様は、上記評価支援装置であって、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に品質特性配点を対応付けて記憶する品質特性配点記憶部と、前記品質特性配点と、前記チェック部により受け付けられた前記評価結果に基づいて評価の点数を算出するスコア算出部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様は、上記評価支援装置であって、前記推奨項目毎に、評価する必要が無い品質特性の選択を受け付け、前記評価する必要が無い品質特性に対応する前記品質特性配点を省いた他の品質特性配点を用いて、所定の基準に応じた合計点をベースラインとして算出するベースライン処理部をさらに備え、前記評価レポート作成部は、前記ベースライン処理によって算出された前記ベースラインを前記評価レポートとしてさらに出力する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様は、上記評価支援装置であって、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、評価する際にチェックすべき事項とチェック事項配点とを対応付けて記憶するチェック事項記憶部、をさらに備え、前記チェック部は、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、前記チェック事項記憶部に記憶されるチェックすべき事項について、該当する事項に対するチェックの入力を受け付け、前記スコア算出部は、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、該当する事項であるとしてチェックが入力された前記チェックすべき事項に対応するチェック事項配点と、当該組み合わせに対応付けて記憶される品質特性配点とに基づいて、前記評価の点数を算出することを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様は、評価支援方法であって、要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、を備える評価支援装置が、入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出ステップと、前記評価支援装置が、前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出ステップによって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付けステップと、前記評価支援装置が、前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェックステップと、前記評価支援装置が、前記チェックステップによって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成ステップと、を備える。
【0015】
本発明の一態様は、コンピュータプログラムであって、要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、を備えるコンピュータに対し、入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出ステップと、前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出ステップによって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付けステップと、前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェックステップと、前記チェックステップによって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成ステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、推奨項目毎に、品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力が行われるため、要件定義書を適正に評価することが可能となる。そのため、品質の低い要件定義書による見積もり誤りの発生や、再作業及び追作業の発生などのリスクを軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】評価支援装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図2】標準目次ファイルの具体例を表す表である。
【図3】ベースラインの概略を表す図である。
【図4】評価支援装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】評価支援装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図6】対象要件定義書の目次項目名の具体例を表す図である。
【図7】紐付ファイルの具体例を表す図である。
【図8】ベースライン設定ファイルの具体例を表す図である。
【図9】配点表ファイルの具体例を表す図である。
【図10】配点表ファイル(詳細)の具体例を表す図である。
【図11】チェック結果入力受付ファイルの記述項目網羅性に関する表示の具体例を表す図である。
【図12】チェック結果入力受付ファイルの合目的性に関する表示の具体例を表す図である。
【図13】チェック結果入力受付ファイルの明確性に関する表示の具体例を表す図である。
【図14】チェック結果入力受付ファイルの追跡可能性に関する表示の具体例を表す図である。
【図15】スコア算出結果ファイルの具体例を表す図である。
【図16】評価レポート作成部が作成するレポートの一部(グラフ及びチャート)の具体例を表す図である。
【図17】評価レポート作成部が作成するレポートの一部(改善・指摘一覧表及び改善・指摘詳細)の具体例を表す図である。
【図18】評価レポート作成部が作成するレポートの他の具体例を表す図である。
【図19】評価支援装置を用いて行われた評価の内容が適切であることを表すグラフである。
【図20】4人の評価者による3案件(案件A〜C)の要件定義書に対するスコアリング結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
評価支援装置1は、評価者が要件定義書を評価する作業を支援する装置である。図1は、評価支援装置1の機能構成を表す概略ブロック図である。評価支援装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、評価支援プログラムを実行することによって入力部101、表示部102、要件定義書記憶部103、記憶部104、目次抽出部105、目次対応付け部106、ベースライン処理部107、チェック部108、スコア算出部109、評価レポート作成部110を備える装置として機能する。なお、評価支援装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0019】
入力部101は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部101は、文字、数値、その他の指示を評価支援装置1に入力する際に評価者によって操作される。入力部101は、評価者によって操作されることによって入力された情報を、目次抽出部105、目次対応付け部106、ベースライン処理部107、チェック部108、スコア算出部109、評価レポート作成部110に通知する。
【0020】
表示部102は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成される。表示部102は、目次抽出部105、目次対応付け部106、ベースライン処理部107、チェック部108、スコア算出部109、評価レポート作成部110からの指示応じて、各画面を表示する。なお、入力部101と表示部102とはタッチパネルを用いて一体に構成されても良い。
【0021】
要件定義書記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。要件定義書記憶部103は、評価支援装置1が評価の対象とする要件定義書(以下、「対象要件定義書」という。)のデータの入力を受け付け、入力されたデータを記憶する。要件定義書記憶部103が記憶する対象要件定義書のデータは、ネットワークや記憶メディア等の既存の技術を用いて評価支援装置1に入力される。
【0022】
記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部104は、評価支援装置1において用いられる各ファイルのデータを記憶する。具体的には、記憶部104は、標準目次ファイル1041、目次項目名ファイル1042、紐付ファイル1043、ベースライン設定ファイル1044、チェック結果入力受付ファイル1045、配点表ファイル1046、配点表ファイル(詳細)1047、スコア算出結果ファイル1048、評価レポートフォーマットファイル1049、評価レポートメッセージファイル10410等を記憶する。
【0023】
標準目次ファイル1041は、推奨項目名を全て記載したものであり、標準的な目次の内容を表すファイルである。目次項目名ファイル1042は、対象要件定義書から抽出された目次項目名が記録されるファイルである。紐付ファイル1043は、標準目次ファイル1041に予め定義された標準目次の各推奨項目名と、対象要件定義書から抽出された各目次項目名との対応関係を表すファイルである。ベースライン設定ファイル1044は、標準目次の各推奨項目名について、その内容を評価対象とするか否か、及び、評価対象とする場合に評価する品質特性を表すファイルである。チェック結果入力受付ファイル1045は、推奨項目毎に評価者からのチェック結果を記録するためのファイルである。配点表ファイル1046は、推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎に、予め配点された最高点(品質特性配点)を表すファイルである。配点表ファイル(詳細)1047は、詳細品質特性に関するチェック項目及び配点を表すファイルである。スコア算出結果ファイル1048は、スコア算出部109によって算出されたスコアを表すファイルである。評価レポートフォーマットファイル1049は、評価レポートのフォーマットファイルである。評価レポートメッセージファイル10410は、評価レポートに記載されるメッセージの内容を表すファイルである。
【0024】
目次抽出部105は、要件定義書記憶部103に記憶される対象要件定義書を読み出し、対象要件定義書に定義されている目次の項目の名(以下、「目次項目名」という。)を全て抽出する。
【0025】
目次対応付け部106は、目次抽出部105によって抽出された各目次項目名と、紐付ファイル1043に予め定義されている各推奨項目名とを対比し、対応付けを行う。推奨項目名とは、要件定義書に使用することが推奨される項目名である。推奨項目名を全て記載したものが標準的な目次(以下、「標準目次」という。)であり、設計者や管理者によって標準目次ファイル1041に予め設定されている。
【0026】
図2は、標準目次ファイル1041の具体例を表す表である。図2の表では、左から順に、章の名称、節の名称、項の名称、章に記載されるべき内容が並んで記載されている。章、節、項は階層構造となっており、最上位に章が位置し、章の下位に節が位置し、節の下位に項が位置する。例えば、図2の例では、「1章 本要件定義書について」という章の下位に、5つの節が位置する。また、「1.0 基本体裁要素」という節の下位に、3つの項が位置する。図2の例では、1.0節及び2.1節の二つの節のみが下位に項を有しており、その他の節は項を有していないように記載されている。しかし、その他の節もそれぞれの項を有するように設定されても良い。また、章、節、項という3階層の構造も必須の条件ではなく、標準目次が他の構造及び他の推奨項目名で構成されても良い。
【0027】
図1に戻って評価支援装置1の構成の説明を続ける。ベースライン処理部107は、ベースラインの設定処理を行う。図3は、ベースラインの概略を表す図である。最高点とは、要件定義書の評価結果の一つであるスコアの取り得る最も高い点であり、理想的な要件定義書に与えられるスコアである。ベースラインとは、対象要件定義書の特性及び事情やプロジェクトの個別の事情などに応じて、個別に設定される基準点である。ベースラインは、最高点と同じ又は最高点より小さい値を有する。実績点とは、評価者が下した評価に基づいてスコア算出部109が算出するスコアである。実績点は、ベースラインと同じ又はベースラインより小さい値を有する。また、対象要件定義書の評価の一つとして、実績点とベースラインとの比率が算出される。例えば、図3のように、最高点が100点、ベースラインが80点、実績点が60点となった場合、評価の一つとして、60/80=75という値が算出される。詳細は後述するが、このような値が算出されることによって、対象要件定義書の特性及び事情やプロジェクトの個別の事情などに応じた評価を行うことが可能となる。
【0028】
図1に戻って評価支援装置1の構成の説明を続ける。チェック部108は、各推奨項目について、所定のチェック事項に関するチェック結果を評価者から受け付け、受け付けたチェック結果をチェック結果入力受付ファイル1045に記録する。チェック事項とは、例えばIEEE830(非特許文献1)にて説明されている品質特性に基づいて予め設定される事項である。以下の説明では、合目的性、記述項目網羅性、明確性、追跡可能性の4つの品質特性についてのチェック事項が定義されている場合について説明する。
【0029】
チェック部108は、合目的性として、推奨項目名『システム化の目的』に相当する目次項目の内容が詳細に記述されていること(以下、「C1−1」ともいう。)、推奨項目名『システム化の目的』に相当する目次項目の内容と『業務概要とシステム化の範囲』に相当する目次項目の内容とが正しく関係づけられていること(以下、「C1−2」ともいう。)についてのチェックを評価者に促す。また、チェック部108は、記述項目網羅性として、推奨項目が充実していること(以下、「C2−1」ともいう。)、についてのチェックを評価者に促す。また、チェック部108は、明確性として、記述項目が充足していること(以下、「C3−1」ともいう。)、明確性を向上させる推奨記法(UML(Unified Modeling Language)など)を利用していること(以下、「C3−2」ともいう。)、用語集が存在していること(以下、「C3−3」ともいう。)、についてのチェックを評価者に促す。また、チェック部108は、追跡可能性として、他から参照される要素がもれなく定義されていること(以下、「C4−1」ともいう。)、要素が他から探しやすい状態で記述されていること(以下、「C4−2」ともいう。)、当該項からの参照先が探しやすいこと(以下、「C4−3」ともいう。)、についてのチェックを評価者に促す。以下の説明では、C1−1〜C4−3をまとめて「詳細品質特性」という。なお、チェック部108の処理の詳細については後述する。
【0030】
スコア算出部109は、推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎に、評価者によるチェックの結果に応じたスコア(実績点)を算出する。
評価レポート作成部110は、各項目についてのスコアや、スコアの合計点や、各項目についてのチェック結果などに応じた評価レポートを作成する。評価レポート作成部110は、作成した評価レポートを表示部102に表示する。また、評価レポート作成部110は、作成した表かレポートを他の装置や記憶メディアに出力しても良い。
【0031】
図4及び図5は、評価支援装置1の処理の流れを表すフローチャートである。以下、図4及び図5を用いて、評価支援装置1の処理の流れについて説明する。まず、評価支援装置1に対象要件定義書のデータが入力される(ステップS101)。具体的には、要件定義書記憶部103が、対象要件定義書のデータの入力を受け、入力された対象要件定義書のデータを記憶する。
【0032】
次に、目次抽出部105が、対象要件定義書のデータを読み込み、目次項目名を抽出する(ステップS102)。具体的には、目次抽出部105は、対象要件定義書の目次のページに記載された各章、各節、各項などの見出しの名称を、目次項目名として抽出する。目次抽出部105は、例えば予め定められた所定のページを目次のページとして認識し、当該ページ内から各見出しの文字列を目次項目名として抽出しても良い。また、目次抽出部105は、予め定められた所定のフォーマットで記載されたページを目次のページとして認識し、当該ページ内から各見出しの文字列を目次項目名として抽出しても良い。また、目次抽出部105は、「目次」という文字が記載された最初のページを目次のページとして認識し、当該ページ内から各見出しの文字列を目次項目名として抽出しても良い。また、目次抽出部105は、対象要件定義書の全ページを参照し、見出しを表すタグ(例えば、“<title>”という文字列)に囲まれた各文字列を目次項目名として抽出しても良い。目次抽出部105が目次項目名を抽出する具体的な処理は、上記とは異なる他の処理によって実現されても良い。
【0033】
図6は、対象要件定義書の目次項目名の具体例を表す図である。図6の場合、対象要件定義書の目次項目名として、“1本要件定義書について”、“1.1要件定義書の目的”、“1.2要件定義書の想定読者”、“2システム開発概要”、“2.1システム化の目的”、“2.1.1プロジェクト・システム名称”、“2.1.2本システム開発の背景”、“2.1.3本システム開発におけるビジネス価値”、“2.1.4本システムの目的”、“2.1.5本システムの目的達成のためのアプローチ”、“2.1.6本システムに関する主なステークホルダ”、“2.2システム化の範囲”等の各文字列が目次抽出部105によって抽出される。図6では、図面の都合により、対象要件定義書の全ての目次項目名を図示できていないが、目次抽出部105は対象要件定義書の全ての目次項目名を抽出する。そして、目次抽出部105は、抽出した全ての目次項目名を目次項目名ファイル1042に記述し、記憶部104に記録する。
【0034】
図4に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。ステップS102の処理の次に、目次対応付け部106が、記憶部104から紐付ファイル1043を読み出す(ステップS103)。そして、目次対応付け部106は、対象要件定義書から抽出された各目次項目名(すなわち、目次項目名ファイルに記録されている目次項目名)と、紐付ファイル1043に定義された各推奨項目名(すなわち、標準目次ファイル1041に予め定義された推奨項目名)とを対比し、目次項目名と推奨項目名との対応付け処理を行う。具体的には、目次対応付け部106は、簡易紐付処理(ステップS104)と、詳細紐付処理(ステップS105)と、紐付検証処理(ステップS106)と、を行う。
【0035】
簡易紐付処理では、目次対応付け部106は、対象要件定義書から抽出された各目次項目名と、紐付ファイル1043に定義された各推奨項目名とを対比し、双方の文字列が完全一致するもの同士を対応付ける。詳細紐付処理では、目次対応付け部106は、対象要件定義書から抽出された各目次項目名と、紐付ファイル1043に定義された各推奨項目名とを対比し、双方の文字列が部分一致するものや意味内容が類似するもの同士を対応付ける。なお、文字列の意味内容の類比を判断する処理は、既存の文字列処理技術を用いて実装される。
【0036】
紐付検証処理では、目次対応付け部106は、簡易紐付処理及び詳細紐付処理によって既に対応付けられた各推奨項目名及び各目次項目名の組み合わせと、未だに対応付けがなされていない各推奨項目名及び各目次項目名と、を表示部102に表示する。そして、目次対応付け部106は、対応付けの修正の指示や、新たな対応付けの指定の指示を、評価者から受け付ける。この処理において、評価者は、表示部102に表示された内容に応じて、入力部101を操作し、対応付けの修正や新たな対応付けの指定を指示する。そして、評価者からの指示が終了すると、目次対応付け部106は、評価者からの指示を反映させた対応付け関係を紐付ファイル1043に書き込み、紐付ファイル1043を更新する(ステップS107)。
【0037】
図7は、紐付ファイル1043の具体例を表す図である。紐付ファイル1043は、標準目次の各推奨項目名と、対象要件定義書から抽出された各目次項目名との対応関係を表すファイルである。具体的には、紐付ファイル1043は、項番、対応する項目、標準目次(標準目次の推奨項目名)、対応する対象文書の目次(対象要件定義書から抽出された目次項目名)、備考、の各欄で構成される。項番の欄に設定される値は、1から順に並ぶ整数であり、標準目次の推奨項目名毎に付与される識別子である。対応する項目の欄に設定される値は、標準目次の推奨項目名毎に設定される値であり、各推奨項目名に対応付けられた目次項目名が存在するか否かを表す。標準目次の欄に設定される値は、標準目次の各推奨項目名である。対応する対象文書の目次の欄に設定される値は、目次対応付け部106の処理によって各推奨項目名に対応付けられた目次項目名である。備考の欄に設定される値は、予め評価支援装置1の設計者や評価者によって設定される値であり、例えば各推奨項目に記載されるべき内容を表す値である。
【0038】
例えば、項番3では、推奨項目名“1.0−1 表紙”に対応付けられた目次項目名“表紙”が存在するため、対応する項目の欄には“対応あり”が設定される。一方、項番8では、推奨項目名“1.3 要件定義書の構成”に対応付けられた目次項目名が存在しないため、対応する項目の欄には“対応なし”が設定される。対応する項目の欄の値、及び、対応する対象文書の目次の欄の値は、それぞれ目次対応付け部106によって設定される。
【0039】
図4に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。ステップS107の処理の次に、ベースライン処理部107が、記憶部104からベースライン設定ファイル1044を読み出す(ステップS108)。そして、ベースライン処理部107が、ベースライン設定ファイル1044に対し、目次対応付け部106の処理によって対応付けられた推奨項目名及び目次項目名の対応関係を反映させる(ステップS109)。次に、ベースライン処理部107は、対応関係が反映された後のベースライン設定ファイル1044の内容を表示部103に表示し、評価者によるベースライン設定ファイル1044の内容の変更指示を受け付ける。そして、ベースライン処理部107は、評価者からの変更指示に基づいて、ベースライン設定ファイル1044の内容を更新する(ステップS110)。
【0040】
図8は、ベースライン設定ファイル1044の具体例を表す図である。ベースライン設定ファイル1044は、標準目次の各推奨項目名について、その内容を評価対象とするか否か、及び、評価対象とする場合に評価する品質特性を表す。具体的には、ベースライン設定ファイル1044は、標準目次、記載有無、ベースライン、今回のチェック対象品質特性、スコアリングチェックを対象外とした理由、の各欄で構成される。
【0041】
標準目次の欄に設定される値は、標準目次の各推奨項目名である。
記載有無の欄に設定される値は、標準目次の推奨項目名毎に設定される値であり、紐付ファイル1043において、各推奨項目名に対応付けられた目次項目名が存在するか否かを表す。記載有無の欄に設定される値は、ステップS109の処理で設定される。例えば、“○”が設定されている場合には、その推奨項目名に対応付けられた目次項目名が存在することを表す。一方、“×”が設定されている場合には、その推奨項目名に対応付けられた目次項目名が存在しないことを表す。例えば、推奨項目“要件定義書の構成”及び“参考文書”については、対応する目次項目名が無いため、記載有無の欄には“×”が設定されている。
【0042】
ベースラインの欄に設定される値は、標準目次の推奨項目名毎に設定される値であり、各推奨項目を評価の対象とするか否かを表す。例えば、黒塗りの四角“■”は、その推奨項目を評価の対象となっていることを表す。一方、白塗りの四角“□”は、その推奨項目が評価の対象となっていない(評価対象外となっている)ことを表す。ベースラインの欄の値は、例えばチェックボックスを用いて構成され、評価者が入力部101を操作することによって任意の値に設定される。例えば、推奨項目“要件定義書の構成”については、評価者が評価の対象としないことを選択したため、チェックボックスが白塗りの四角となっている。
【0043】
今回のチェック対象品質特性の欄に設定される値は、所定の推奨項目名及び品質特性の組み合わせ毎に設定される値であり、各推奨項目を評価する際にその品質特性について評価を行うか否かを表す。品質特性の例として、上述したように合目的性、記述項目網羅性、明確性、追跡可能性の4つがある。評価すべき品質特性は、推奨項目毎に予め決められており、評価すべき品質特性のみがチェックボックスとともに各欄に予め設定されている。評価者は、入力部101を操作することによって、チェックボックスが用意されている項目のみについて、その品質特性について評価を行うか否かを設定する。黒塗りの四角“■”は、その品質特性について評価を行うことを表す。一方、白塗りの四角“□”は、その品質特性について評価を行わないことを表す。例えば、推奨項目“参考文書”の品質特性“記述項目網羅性”については、評価者が評価を行わないことを選択したため、チェックボックスが白塗りの四角となっている。
【0044】
スコアリングチェックを対象外とした理由の欄に設定される値は、所定の推奨項目名毎に設定される値であり、各推奨項目を評価対象外とする際の理由を表す。評価対象外とする理由の例として、既存システム通り(既存)、プロジェクト対象外(対象外)、チームスコープ外(スコープ外)、別資料又は別工程(別資料)、その他(空白の欄)がある。全ての推奨項目名に対し、各理由のチェックボックスが予め設定されている。評価者は、記載有無の欄で値が“×”となっている推奨項目について、入力部101を操作することによって、該当する理由を選択する。黒塗りの四角“■”は、その理由で評価対象外になったことを表す。一方、白塗りの四角“□”は、その理由は評価対象外になった理由ではないことを表す。例えば、推奨項目“要件定義書の構成”については、評価者が評価の対象外とした理由として既存システム通りであることを選択したため、“既存”のチェックボックスが黒塗りの四角となっている。
【0045】
図4に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。ステップS110の処理の次に、ベースライン処理部107が、評価者による変更指示が反映されたベースライン設定ファイル1044の内容に基づいて、ベースラインの値を設定し、設定された各ベースラインの値を配点表ファイル1046に記憶する(ステップS111)。
【0046】
図9は、配点表ファイル1046の具体例を表す図である。配点表ファイル1046は、推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎に、その評価を行うか否か(評価実施有無)と、設定されたベースラインの値とを表す。配点表ファイル1046は、初期状態においては、設定されたベースラインの値として、予め配点された最高点(品質特性配点)を記憶する。配点表ファイル1046の内容は、予め評価支援装置1の設計者や管理者によって設定され、記憶部104に記憶される。図9の例では、“1.0−1 表紙”という推奨項目において評価すべき詳細品質特性“C2−1”に配点された最高点は“0.47”である。
【0047】
図9の場合、推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎に設定される評価実施有無の値は、“○”と“×”とを用いて表される。“○”は評価を行うことを表し、“×”は評価を行わないことを表す。評価実施有無の値は、図8のベースライン設定ファイル1044の『今回のチェック対象品質特性』の欄に設定された値に応じて、ベースライン処理部107が設定する。具体的には、ベースライン処理部107は、評価を行うと設定されている品質特性に含まれる詳細品質特性については、評価実施有無の値として“○”を設定する。一方、ベースライン処理部107は、評価を行わないと設定されている品質特性に含まれる詳細品質特性については、評価実施有無の値として“×”を設定する。
【0048】
配点表ファイル1046において、評価実施有無の値を設定すると、ベースライ処理部107はその設定に応じてベースラインの値を設定する。具体的には、ベースライン処理部107は、“○”が設定された詳細品質特性については、配点表ファイル1046に予め設定されている最高点をそのままベースラインの値として用いる。一方、ベースライン処理部107は、“×”が設定された詳細品質特性については、ベースラインの値を0点に変更する。
【0049】
そして、ベースライン処理部107は、各詳細品質特性のベースラインの値を、所定の基準に従って合計することによって、各基準のベースラインを算出する。例えば、ベースライン処理部107は、詳細品質特性毎にベースラインの合計点を算出する。また、ベースライン処理部107は、例えば推奨項目の章毎、節毎にベースラインの合計点を算出する。各章項スコアの欄には、推奨項目毎のベースラインの合計点や、各章、各節のベースラインの合計点が設定される。また、各詳細品質特性の表示の下には、詳細品質特性毎のベースラインの合計点が設定される。
【0050】
図10は、配点表ファイル(詳細)1047の具体例を表す図である。配点表ファイル(詳細)1047には、詳細品質特性毎に、評価結果と、各評価結果が得られた場合に与えられる配点とが対応付けて記録されている。なお、配点表ファイル(詳細)1047を用いたスコア算出については後述する。
【0051】
図4に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。図4のステップS111の処理が終わると、チェック部108は、推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎にチェック処理を行う。以下、チェック部108によるチェック処理について説明する。
【0052】
まず、チェック部108は、チェック結果入力受付ファイル1045を記憶部104から読み出し、チェック結果入力受付ファイル1045の内容を表示部102に表示する(図5のステップS112)。そして、チェック部108は、評価者によるチェック結果の入力の受付を行う(ステップS113)。このとき、チェック部108は、例えば記述項目網羅性、合目的性、明確性、追跡可能性の順にチェック結果の入力の受付を行っても良い。
【0053】
図11〜図14は、チェック結果入力受付ファイル1045の表示の具体例を表す図である。チェック結果入力受付ファイル1045は、推奨項目及び詳細品質特性チェック項目の組み合わせ毎に、チェック結果を入力するための入力欄を有する。詳細品質特性チェック項目とは、その詳細品質特性を評価するに際して必要となるチェック項目である。各チェック項目に対するチェック結果に基づいて、詳細品質特性に対する評価結果が得られる。例えば、図11における(C2−1−a)や、(C2−1−b)が詳細品質特性チェック項目である。そして、スコア算出部109は、(C2−1−a)及び(C2−1−b)に対して入力されたチェック結果の値に基づいて、(C2−1)に対する評価結果を取得し、配点表ファイル(詳細)1047に基づき配点を得る。
【0054】
チェック部108は、例えばベースライン設定ファイル1044の『今回のチェック対象品質特性』の欄を参照し、評価を行うと設定されている推奨項目及び品質特性に対応する入力欄をハイライト表示し、評価を行わないと設定されている推奨項目及び品質特性に対応する入力欄をグレーで表示する。チェック結果の値は、評価者又はチェック部108の処理によって、ハイライト表示された各入力欄に対して入力される。
【0055】
図11は、チェック結果入力受付ファイル1045の記述項目網羅性に関する表示の具体例を表す図である。目次紐付け処理の結果を反映して、チェック部108によって自動的にC2−1−aに対するチェック結果の値が設定される。また、C2−1−bに対するチェック結果の値は、評価者によって入力される。具体的には、C2−1−bの入力欄を評価者が選択すると、当該入力欄に予め設定された入力値選択肢をチェック部108が表示する。図11の場合、入力値選択肢は、「他文書参照」、「記述不要」、「特別な記載なし」の3つである。評価者は、表示された入力値選択肢の中から該当するものを選択して入力欄に入力する。チェック部108は、入力欄に対する入力が行われると、チェック結果入力受付ファイル1045を更新する。
【0056】
図12は、チェック結果入力受付ファイル1045の合目的性に関する表示の具体例を表す図である。合目的性については、C1−1及びC1−2の2種類のチェック結果の入力を受け付ける。合目的性の入力欄のうち、評価者によるチェック結果の入力が必要な入力欄は、評価者によるチェック結果の入力が可能な形に設定されている。ここでは、C1−1のチェックは、“2.1−3. 業務改革プロジェクトの目的”と、“2.1−4. 施策の内容”の箇所について行う。また、C1−2のチェックは、“2.1−4. 施策の内容”について行えばよい。
【0057】
チェックの観点は、配点表ファイル(詳細)1047にあるような観点である。例えば、評価者に対し、(C1−1−a)各項に含まれる全ての文の数、(C1−1−b)ひとつの文に2つ以上の内容が混合して記述してある文の数を、入力欄に入力させ、チェック部108がチェック結果入力受付ファイル1045を更新する。
【0058】
図13は、チェック結果入力受付ファイル1045の明確性に関する表示の具体例を表す図である。明確性については、チェック部108はC3−1〜C3−3の3種類のチェック結果の入力を受け付ける。明確性の入力欄のうち、評価者によるチェック結果の入力が必要な入力欄は、評価者によるチェック結果の入力が可能な形に設定されている。ここでは、C3−1のチェックは、“2.1−5.主なステークホルダ”の項目について行う。 C3−1のチェックでは、チェック部108は、(C3−1−a)推奨記述項目のうち記述されていない項目の数について評価者からのチェック結果を受け付け、チェック結果入力受付ファイル1045を更新する。
【0059】
図14は、チェック結果入力受付ファイル1045の追跡可能性に関する表示の具体例を表す図である。追跡可能性については、チェック部108は、C4−1〜C4−3の3種類のチェック結果の入力を受け付ける。追跡可能性の入力欄のうち、評価者によるチェック結果の入力が必要な入力欄は、評価者によるチェック結果の入力が可能な形に設定されている。ここでは、C4−1のチェックは、“2.1. システム化の目的”の項目について行う。C−4−1のチェックでは、(C4−1−a)定義すべき要素の数、(C4−1−b)対象の図に含まれていない要素の数、(C4−1−c)対象内に詳細が記載されていない要素の数について、チェック部108は評価者によるチェック結果の入力を受け付け、チェック結果入力受付ファイル1045を更新する。
【0060】
C4−2では、チェック部108は、“1.4. 参考文書”、“2.1−3”〜“2.1.5”の各項目についてチェック結果の入力の受け付けを行う。C−4−2では、チェック部108は、選択肢を評価者に選択させ、選択された選択肢を入力欄の値としてチェック結果入力受付ファイル1045を更新する。
【0061】
図5に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。図5のステップS113の処理が終わると、スコア算出部109は、チェック処理の結果と、配点表ファイル(詳細)1047において詳細品質特性毎に予め定められた配点(チェック事項配点)に基づいてスコアの算出処理を行う。
【0062】
まず、スコア算出部109は、チェック部108によって更新されたチェック結果入力受付ファイル1045を記憶部104から読み出す(ステップS114)。次に、スコア算出部109は、推奨項目名及び詳細品質特性の組み合わせ毎に、入力欄に設定されたチェック結果に基づいて評価結果を取得する。次に、スコア算出部109は、取得された評価結果に対応する配点を、配点表ファイル(詳細)1047から読み出す。次に、スコア算出部109は、読み出された配点に基づいて、推奨項目名及び詳細品質特性の組み合わせ毎にスコア(実績点)を算出する(ステップS115)。そして、スコア算出部109は、算出されたスコアを、品質特性毎や章毎に合計し、スコア算出結果ファイル1048に登録する(ステップS116)。以下、スコアの算出方法及びスコア算出結果ファイル1048の内容について順に説明する。
【0063】
まず、記述項目網羅性について、C2−1を例にとって説明する。スコア算出部109は、C2−1−a及びC2−1−bの各入力欄に入力された値に基づき、評価結果を取得する。そして、スコア算出部109は、配点表ファイル(詳細)1047を読み出し、取得された評価結果に対応する配点に基づいてスコアを算出する。
【0064】
次に、合目的性について、C1−1を例にとって説明する。スコア算出部109は、入力欄に入力された値に基づき、配点表ファイル(詳細)1047のC1−1のどの評価結果(各文において、ひとつの文に1つの目的要素のみが記述されている。全ての文において、2つ以上の目的要素が記述されていない。/一部(記述総量の1/4未満)の文で、2つ以上の目的要素が記述されている。/多くの部分(記述総量の1/2未満)の文で、2つ以上の目的要素が記述されている。/過半数の部分(記述総量の1/2以上)の文で、2つ以上の目的要素が記述されている。あるいは、チェック対象の目次項目自体が記述されていない。)に該当するかを、自動的に判断し、スコアを計算する。
【0065】
次に、明確性について、C3−1を例にとって説明する。スコア算出部109は、入力欄に入力された値に基づき、配点表ファイル(詳細)1047のC3−1のどの評価結果(全ての記述項目が記述されている。/一部の記述項目(全ての推奨記述項目の1/4未満)が記述されていない。/多くの記述項目(全ての推奨記述項目の1/2未満)が記述されていない。/過半数の記述項目(全ての推奨記述項目の1/2以上)が記述されていない。)に該当するかを、自動的に判断し、スコアを計算する。
【0066】
次に、追跡可能性について、C4−1を例にとって説明する。スコア算出部109は、入力欄に入力された値に基づき、配点表ファイル(詳細)1047のC4−1のどの評価結果に該当するかを自動的に判断し、対応する配点に基づきスコアを計算する。なお、C4−2及びC4−3についてのスコア算出処理もC4−1と同様である。
【0067】
次に、配点に基づいてスコア算出部109がスコア(実績点)を算出する処理の具体例について説明する。配点の満点が具体的に何点を表すのか具体的な値(以下の例では5点)が予め設定されている。配点の“減点1”は、満点から1点減点した値を表す。満点が5点である場合には、減点1は4点を表す。配点の“減点2”は、満点から2点減点した値を表す。満点が5点である場合には、減点2は3点を表す。配点の0点は、0点を表す。スコア算出部109は、取得された評価結果に対応する配点を、満点に相当する値(この場合は5点)で除算する。そして、スコア算出部109は、ベースライン表において推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎に設定されているベースラインの中から該当するベースラインの値を読み出し、ベースラインの値に対し上記除算結果の値を乗じる。スコア算出部109は、乗算結果の値を、推奨項目名及び詳細品質特性の組み合わせに対応するスコアとして、スコア算出結果ファイル1048に登録する。例えば、配点が「減点2」であり、ベースラインが“5.00”である場合のスコアは、5.00×(3/5)=3点となる。なお、スコア算出部109が配点に基づいてスコアを算出処理は、他の方法で実装されても良い。
【0068】
図15は、スコア算出結果ファイル1048の具体例を表す図である。スコア算出結果ファイル1048には、合計点を算出する対象となるカテゴリと、カテゴリ毎に算出された最高点の合計点、ベースラインの合計点、実績点の合計点、ベースラインに対する実績(ベースラインに対する実績点の割合)、概要説明及び所見が記録される。ベースラインに対する実績点の割合は、ベースラインの合計点に対し実績点の合計点が占める割合を表す。
【0069】
例えば、記述項目網羅性に関しては、最高点が30点であるのに対し、ベースラインは25点と設定されている。単に実績点のみを見て評価結果を分析しようとすると、実績点は25であるため、最高点よりも5点も低く評価されたと分析されるおそれがある。しかしながら、ベースラインは25点であるため、実際には評価されない詳細品質特性の存在により5点分の実績点はもともと存在しない。このような場合に、評価結果を分析する者は、上記割合を参照することによって、記述項目網羅性については、割合が100%であり現状での最高点として評価されていること、すなわち全く問題が無いと評価されたと容易に分析することができる。
【0070】
図5に戻って評価支援装置1の処理の説明を続ける。図5のステップS116の処理が終わると、評価レポート作成部110は、評価レポート作成処理を行う。具体的には、評価レポート作成部110は、まず、予め設定された評価レポートのフォーマットに対し、評価者によって行われたチェック結果や算出されたスコアやベースラインを反映させる(ステップS117)。予め設定された評価レポートのフォーマットは、評価レポートフォーマットファイル1049として予め記憶部104に記憶されている。次に、評価レポート作成部110は、反映後の評価レポートのフォーマットを表示部102に表示する。そして、評価レポート作成部110は、評価レポートの中で、評価者の所見を入力する欄を表示部102に表示し、評価者による所見の入力を受け付ける(ステップS118)。また、評価レポート作成部110は、推奨項目及び品質特性の組み合わせや推奨項目及び詳細品質特性の組み合わせ毎にコメントを選択し設定する(ステップS119)。そして、評価レポート作成部110は、完成した評価レポートを表示部102に表示する(ステップS120)。
【0071】
図16〜18は、評価レポート作成部110が作成するレポートの具体例を表す図である。図16は、評価レポート作成部110が作成するレポートの一部(グラフ及びチャート)の具体例を表す。評価レポート作成部110は、スコア算出結果ファイル1048に設定されたカテゴリ毎の最高点、ベースライン、実績点それぞれの合計点や、最高点の合計点に対する実績点の合格点の割合や、ベースラインの合計点に対する実績点の合計点の割合等に基づいて、種々のグラフやチャートを作成する。どのような点に基づいてどのようなグラフやチャートを作成するのかは、設計者や管理者によって予め設定される。
【0072】
図16の例では、評価レポート作成部110は、各品質特性について算出されたベースライン及び実績点と、各推奨項目について算出されたベースライン及び実績点と、の積み上げ横棒グラフをそれぞれ作成している。また、評価レポート作成部110は、各品質特性について算出されたベースラインの合計点に対する実績点の合計点の割合と、各推奨項目について算出されたベースラインの合計点に対する実績点の合計点の割合と、のレーダーチャートをそれぞれ作成している。
【0073】
図17は、評価レポート作成部110が作成するレポートの一部(改善・指摘一覧表及び改善・指摘詳細)の具体例を表す。評価レポート作成部110は、改善・指摘一覧表の枠に設けられた、No.、該当文章名、項目、該当項目詳細、種別、品質特性、重要度、コメントの各欄の内容を記述する。以下、各欄に記述される内容を説明する。No.の欄に設定される値は、評価の項目に与えられる識別番号である。該当文章名の欄に設定される値は、評価の対象となっている書類の名称であり、本実施例の場合は要件定義書となる。項目の欄に設定される値は、対象要件定義書の目次項目の番号を表す。該当項目詳細の欄に設定される値は、対象要件定義書の目次項目名を表す。種別の欄に設定される値は、評価の対象となっているか否かを表し、ベースライン設定ファイル1044のベースラインの欄に設定される値に応じて決定される。品質特性の欄に設定される値は、品質特性の名称である。重要度の欄に設定される値は、当該項目の重要度を表し、推奨項目及び品質特性の組み合わせ毎に予め設定されている値である。コメントの欄に設定される値は、概略コメントの文章であり、当該項目について改善するための文章である。
【0074】
また、評価レポート作成部110は、改善・指摘詳細の枠に設けられた、No.、該当文章名、項目、該当項目詳細、種別、品質特性、重要度、コメント、詳細コメント記載欄501の各欄の内容を記述する。No.、該当文章名、項目、該当項目詳細、種別、品質特性、重要度、コメントの各欄に記述される値は、改善・指摘一覧表において同名の欄に設定される値と同じである。詳細コメント記載欄501に設定される値は、詳細コメントの文章や図であり、当該項目についての現時点での問題点、改善策、推奨される記載例などを表す。
【0075】
以下、評価レポートの各欄のうち、特に概略コメント及び詳細コメントに関する処理について説明する。
概略コメントは、推奨項目及び品質特性の組み合わせ毎に各チェック項目に対応付けて、評価レポートメッセージファイル10410に予め設定されている。評価レポート作成部110は、推奨項目及び品質特性の組み合わせ毎に、評価者によって選択されたチェック項目に対応する概略コメントを選択する。そして、評価レポート作成部110は、選択された概略コメントを、改善・指摘一覧表及び改善・指摘詳細それぞれのコメントの欄に記載する。例えば、図17の場合、評価レポート作成部110は、推奨項目“本システム開発の背景”及び品質特性“記述項目網羅性”の組み合わせに対し、「記載がない為、減点としています。記載をお勧めいたします。」という概略コメントを選択し記載する。
【0076】
詳細コメントは、推奨項目及び品質特性の組み合わせ毎に各チェック項目に対応付けて、評価レポートメッセージファイル10410に予め設定されている。評価レポート作成部110は、推奨項目及び品質特性の組み合わせ毎に、評価者によって選択されたチェック項目に対応する詳細コメントを選択する。そして、評価レポート作成部110は、選択された詳細コメントを、改善・指摘詳細の詳細コメント記載欄501に記載する。例えば、図17の場合、評価レポート作成部110は、推奨項目“本システム開発の背景”及び品質特性“記述項目網羅性”の組み合わせに対し、詳細コメント記載欄501内に記載されているような詳細コメントを選択し記載する。なお、評価レポートメッセージファイル10410は、予め記憶部104に記憶されている。
【0077】
図18は、評価レポート作成部110が作成するレポートの他の例を表す。評価レポート作成部110は、図18に示されるように、改善・指摘箇所詳細として、推奨項目毎に、満点ではなかった品質特性をチェックボックス等によって表示するように構成されても良い。このように評価レポートが作成されることにより、評価レポートを参照した者は、対象要件定義書の各項目について、どのような品質特性が欠けていたのかを容易に分析することが可能となる。
【0078】
このように構成された評価支援装置1では、評価を行うための推奨目次と、対象要件定義書の目次項目との対応付けがなされる(ステップS104〜S106の処理)。そして、各目次項目について、対応付けられた推奨目次に予め設定されている評価特性に基づいた評価が行われる(ステップS113の処理)。そのため、対象要件定義書の各目次項目について、同様の評価特性に基づいた評価がなされ、評価者毎の評価のブレを小さく抑えることができる。
【0079】
また、ある程度開発が下流に進んだ場合の設計書と異なり、要件定義書の段階では案件毎に異なる事情が多く、評価すべき対象や内容のばらつきが大きい。そのため、要件定義書の段階では、品質の高い定義書を作成するために決まったフォーマットで記載することや、記載された文書を一定の基準で評価することは難しい。例えば、ある項目において記載すべき事項を規定したとしても、プロジェクトによっては下流で検討すべき事項である場合や、すでに上流段階で議論され別の資料に記載されている場合がある。これに対し、従来の技術では、あらゆるプロジェクトに対して画一的な評価を行うものであって、上記のような実態に即した評価を行うことが難しい。
【0080】
このような問題に対し、評価支援装置1では、配点として最高点とは別にベースラインが設定される。具体的には、評価対象外となった推奨項目や、評価を行わないと設定された品質特性に対して付与されている配点を省いた点として、ベースラインが設定される。そのため、評価者による評価に基づいて算出された実績点とベースラインとを比較することによって、各現場における事情を反映した形でより実態に即した形での評価や評価結果の分析を行うことが可能となる。
【0081】
図19は、評価支援装置1を用いて行われた評価の内容が適切であることを表すグラフである。図19の左側に示されるチャートは、評価支援装置1を用いてAプロジェクトに関する要件定義書を評価した結果を表す。図19の右側に示されるチャートは、評価支援装置1を用いてBプロジェクトに関する要件定義書を評価した結果を表す。図19に示されるように、Aプロジェクトについて算出されたスコアの合計点(総合スコア)は68点であるのに対し、Bプロジェクトについて算出されたスコアの合計点(総合スコア)は54点であった。すなわち、Aプロジェクトの要件定義書に比べて、Bプロジェクトの要件定義書の方が低い評価となった。その後に実際にAプロジェクト及びBプロジェクトが各要件定義書にしたがって進行された結果は以下のとおりである。Aプロジェクトは、計画したQCD(品質:Quality、コスト:Cost、納期:Delivery)が着実に達成され、計画通りに進行した。一方、Bプロジェクトは、計画の大幅な見直しが発生してしまった。このように、各要件定義書について評価支援装置1を用いて行われた評価の結果は、その後のプロジェクトの経過を反映しており、正しい評価がなされたことが明らかである。
【0082】
評価支援装置1によって算出したスコアの信頼性および有効性を検証するため、ある企業におけるシステム開発10案件で作成された要件定義書を用いたケーススタディを実施した。まず、評価支援装置1によって算出したスコアの信頼性を検証するため、プロジェクト外部の第三者が要件定義書を客観的に評価できるかどうかを確認した。4人の評価者が3案件の要件定義書を個別にスコアリングし、4人が各々算出したスコアと作業に要した時間がどの程度ばらつくかを調査した。また、評価支援装置1の有効性を検証するため、10案件各々に対するスコアリング結果を各案件のプロジェクトマネージャに提示し、「要件定義書の記述漏れと曖昧な記述の防止」に役立つかどうか定性的な評価(コメント)を収集した。
【0083】
スコアリングを実施した4人の評価者(以下、それぞれ「評価者1」〜「評価者4」という。)は、皆システム開発の基礎知識を備えていたが、業務知識や経験は大きく異なっていた。評価者1は要件定義についての業務知識と経験が豊富なコンサルタントであった。評価者2〜4は、組込みソフトウェア開発の実務者だった。評価者1及び2は、共に6年以上の開発経験があった。一方、評価者3及び4は、入社2年目未満で開発経験に乏しかった。
【0084】
図20は、4人の評価者による3案件(案件A〜C)の要件定義書に対するスコアリング結果を示す表である。なお、図20において、変動係数は、標準偏差を平均値で除算した値であり、平均値に対する値の相対的なばらつきの大きさを表す。表の1行目〜4行目に各評価者の各案件に対するスコアと作業に要した時間を、5行目以降に平均値や標準偏差などの統計値を示す。例えば、評価者1は案件Cのスコアリング作業に8.91時間を要し、83.87点のスコアを算出した。スコアの値域は[0.00,100.00]であり、値が大きい程要件定義書の品質が高いことを示す。また、作業時間は「要件定義書の内容確認」から「スコアを算出」し終えるまでの時間である。打ち合わせ、日程調整、要件定義書の電子ファイルをやり取りする時間は含まない。
【0085】
変動係数(標準偏差を平均値で除算した値)、並びに、最大値と最小値の差に着目して、評価者が異なる場合のスコアのばらつきを考察する。スコアのばらつきは案件Aで最も大きく、標準偏差は7.09、変動係数は26.00%、最高点と最低点の差は16.03点だった。このことから、ばらつきが最も大きな場合でも、平均値の前後±7.09点程度(平均値±26%程度)の個人差だったことがわかる。評価者の知識や経験が異なるのに対し、スコアはそれほど大きくはばらついていない。このことは、評価支援装置1によって客観的に要件定義書を評価でき、そのばらつきを抑えることができることを示している。
【0086】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1…評価支援装置, 101…入力部, 102…表示部, 103…要件定義書記憶部, 104…記憶部(推奨項目記憶部,品質特性記憶部,品質特性配点記憶部),チェック事項記憶部, 105…目次抽出部, 106…目次対応付け部, 107…ベースライン処理部, 108…チェック部, 109…スコア算出部, 110…評価レポート作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出部と、
要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、
前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出部によって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付け部と、
前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、
前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェック部と、
前記チェック部によって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成部と、
を備える評価支援装置。
【請求項2】
前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に品質特性配点を対応付けて記憶する品質特性配点記憶部と、
前記品質特性配点と、前記チェック部により受け付けられた前記評価結果に基づいて評価の点数を算出するスコア算出部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の評価支援装置。
【請求項3】
前記推奨項目毎に、評価する必要が無い品質特性の選択を受け付け、前記評価する必要が無い品質特性に対応する前記品質特性配点を省いた他の品質特性配点を用いて、所定の基準に応じた合計点をベースラインとして算出するベースライン処理部をさらに備え、
前記評価レポート作成部は、前記ベースライン処理によって算出された前記ベースラインを前記評価レポートとしてさらに出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の評価支援装置。
【請求項4】
前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、評価する際にチェックすべき事項とチェック事項配点とを対応付けて記憶するチェック事項記憶部、
をさらに備え、
前記チェック部は、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、前記チェック事項記憶部に記憶されるチェックすべき事項について、該当する事項に対するチェックの入力を受け付け、
前記スコア算出部は、前記推奨項目及び前記品質特性の組み合わせ毎に、該当する事項であるとしてチェックが入力された前記チェックすべき事項に対応するチェック事項配点と、当該組み合わせに対応付けて記憶される品質特性配点とに基づいて、前記評価の点数を算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の評価支援装置。
【請求項5】
要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、を備える評価支援装置が、入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出ステップと、
前記評価支援装置が、前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出ステップによって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付けステップと、
前記評価支援装置が、前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェックステップと、
前記評価支援装置が、前記チェックステップによって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成ステップと、
を備える評価支援方法。
【請求項6】
要件定義書に使用することが推奨される推奨項目を予め記憶する推奨項目記憶部と、前記推奨項目毎に評価すべき品質特性を予め記憶する品質特性記憶部と、を備えるコンピュータに対し、
入力された要件定義書から目次項目を抽出する目次抽出ステップと、
前記推奨項目記憶部に記憶される各推奨項目と、前記目次抽出ステップによって抽出された目次項目との対応付けを行う目次対応付けステップと、
前記推奨項目毎に、前記品質特性記憶部に記憶されている評価すべき品質特性について評価結果の入力を受け付けるチェックステップと、
前記チェックステップによって受け付けられた評価結果の内容を評価レポートとして出力する評価レポート作成ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−154662(P2011−154662A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17474(P2010−17474)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年9月10日 財団法人 日本科学技術連盟発行の「第28回 ソフトウエア品質シンポジウム2009 発表報文集」に発表
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】