説明

試料分析方法、および試料分析装置

本発明は、分析用具(2)からの出力に相関した物理量を出力する2重積分回路(11)を利用して試料を分析する技術に関する。本発明では、2重積分回路(11)に対する分析用具(2)の出力の入力開始から2重積分回路(11)からの物理量の出力開始までの時間間隔を、分析用具(2)に試料が供給されたことを確認する前後において異なったものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料(たとえば血液や尿などの生化学的試料)における特定成分(たとえばグルコース、コレステロールあるいは乳酸など)を分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
血液中のグルコース濃度を測定する場合、簡易な手法として、使い捨てとして構成されたグルコースセンサを利用する方法が採用されている(たとえば特許文献1参照)。グルコースセンサとしては、分析装置に装着したときに、血糖値の演算に必要な応答電流値を出力できるように構成されたものがある。この場合、分析装置においては、コンデンサを備えた2重積分回路を利用して応答電流値の大きさが決定されており、決定された応答電流値に基づいて血糖値の演算が行われている。応答電流値の決定は、図11Aおよび図11Bに示したように、コンデンサにおいて応答電流値に相関した電荷を一定時間(T1)だけ充電した後にコンデンサから電荷を放電させたときの放電時間(T2)に基づいて行われている。このような応答電流値の決定は、図12に示したように一定の時間間隔(t)毎に行われている。一方、血糖値の演算を行うための応答電流値(I1)は、グルコースセンサに血液が供給されたことが確認された時点(t0)から特定時間経過した時点(t1)においてサンプリングされている。グルコースセンサに血液が供給されたことの確認は、たとえば測定される応答電流値が予め定められた閾値(I2)を超えたか否かを確認することにより行われている。
【0003】
2重積分回路を利用した応答電流値の決定手法では、応答電流値を精度良く決定するためには、コンデンサでの充電時間(T1)を長く設定するのが好ましい。このため、応答電流値の測定精度の観点からは、応答電流値を測定する時間間隔(t)を比較的に大きなものとして設定せざるを得ない。
【0004】
一方、グルコースセンサに血液が供給された初期段階においては、図12から分かるように、応答電流値が急激に大きくなる。したがって、応答電流値を測定する時間間隔(t)を比較的に大きく設定した場合には、応答電流値が閾値(I2)を大きく超えた段階でグルコースセンサに血液が供給されたことが確認される虞がある。そのため、応答電流値を測定する時間間隔(t)を比較的に大きく設定した場合には、血液が供給された時点を正確に特定できなくなってしまう。このような不正確さは、血液が供給された時点から演算用の応答電流値をサンプリングするまでの時間が測定ごとにばらつく原因となり、これが血糖値の測定精度を低下させる要因ともなりかねない。
【0005】
【特許文献1】特公平8-10208号公報
【発明の開示】
【0006】
本発明は、分析用具に試料が供給された時点を正確に把握する一方で、演算に利用される分析用具からの出力を精度良く把握し、試料分析の精度を向上させることを目的としている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供される試料分析方法は、分析用具からの出力に基づいて、上記分析用具に試料が供給されたことを確認するための第1のステップと、上記分析用具に試料が供給されたことが確認されてから一定時間経過するまでにおいて、上記分析用具からの出力のレベルを、上記一定時間経過時を含めて1回以上把握するための第2のステップと、上記一定時間経過時における上記分析用具からの出力に基づいて、試料の分析に必要な演算を行う第3のステップと、を含む試料分析方法であって、上記第1および第2のステップにおける上記分析用具からの出力の把握は、2重積分回路に上記分析用具か
らの出力を入力させたときの上記2重積分回路からの出力に基づいて行われ、上記第1のステップにおいては、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力終了までの時間である第1の特定時間毎に、上記2重積分回路からの出力のレベルを繰り返し把握し、上記第2のステップにおいては、上記2重積分回路からの出力のレベルの把握時において、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力終了までの時間である第2の特定時間を、上記第1の特定時間に比べて長く設定するものである。
【0008】
第2のステップにおいては、たとえば上記一定時間経過時における分析用具からの出力は、2重積分回路に対する分析用具からの出力の入力および2重積分回路からの出力を、上記第2の特定時間毎に繰り返し行って把握される。
【0009】
第1の特定時間は、10〜30msecの範囲から選択するのが好ましく、第2の特定時間は、30〜300msecの範囲から選択するのが好ましい。
【0010】
2重積分回路としては、たとえば分析用具からの出力を電荷として蓄えた後に蓄えた電荷を放出するコンデンサを備え、かつ分析用具からの出力をコンデンサにおける放電時間に基づいて把握できるように構成されたものが使用される。この場合、第1のステップにおける第1の特定時間でのコンデンサに対する充電時間は、第2のステップにおける第2の特定時間でのコンデンサに対する充電時間に比べて短く設定される。コンデンサにおける充電時間は、第1のステップにおいては5〜15msecの範囲から選択し、上記第2のステップにおいては15〜150msecの範囲から選択するのが好ましい。
【0011】
分析用具としては、たとえば電気的物理量を出力するための電極を備えたものが使用される。好ましくは、分析用具としては、試料中の特定成分と電極との間の電子授受を促進するための1以上の試薬を含んだ試薬部と、試料と1以上の試薬との共存系に対して電圧を印加するときに、上記電極とともに利用される追加の電極と、を備えたものが使用される。この場合、分析用具においては、電極および追加の電極を利用して上記共存系に電圧を印加することによって、電極から電流として電気的物理量が出力される。
【0012】
分析用具としては、たとえば試料として血液を用いるように構成されたものが使用される。もちろん、本発明は、血液以外の試料、たとえば尿や唾液を用いるように構成された分析用具を使用する場合にも適用できる。
【0013】
本発明の第2の側面においては、分析用具を装着して使用し、かつ上記分析用具からの出力に基づいて分析用具に供給された試料の分析を行う分析装置であって、上記分析用具からの出力が入力され、かつ当該入力に相関した物理量を出力する2重積分回路と、上記2重積分回路に上記分析用具からの出力を入力させるタイミングおよび上記2重積分回路から上記物理量を出力させるタイミングを制御する制御手段と、を備えた分析装置において、上記制御手段は、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力開始までの時間間隔を、上記分析用具に試料が供給されたことを確認するまでに比べて、上記分析用具に試料が供給されたことが確認された後のほうが長くなるように制御するように構成されている、試料分析装置が提供される。
【0014】
2重積分回路は、たとえば分析用具からの出力を電荷として蓄えた後に蓄えた電荷を放出するためのコンデンサを備え、かつ分析用具からの出力をコンデンサにおける放電時間に基づいて把握できるように構成される。この場合、制御手段は、コンデンサに対する充電時間を、分析用具に試料が供給されたことを確認するまでに比べて、上記分析用具に試料が供給されたことが確認された後のほうが長くなるように制御するように構成される。
【0015】
分析用具として電気的物理量を出力するための電極を備えているものを使用する場合においては、本発明の試料分析装置は、2重積分回路が直接または間接的にグランド接続される状態と、2重積分回路が上記電極に接続される状態と、を選択するためのスイッチをさらに備えたものとして構成される。この場合、制御手段は、スイッチを切り替え制御することにより、2重積分回路に対する分析用具からの出力を入力させるタイミングと、2重積分回路から上記物理量を出力させるタイミングと、を制御するように構成される。
【0016】
ここで、2重積分回路が間接的にグランド接続される状態とは、2重積分回路とグランドとの間に、たとえば基準電源が介在している状態をさす。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る分析装置に対してバイオセンサを装着した状態を示す概念図である。
【図2】図1に示したバイオセンサの全体斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2に示したバイオセンサの分解斜視図である。
【図5】応答値の経時的変化を示すグラフである。
【図6】A/D変換器からの出力波形を示すものであり、図6Aはバイオセンサに対して血液が供給されたことが確認されるまでの出力波形、図6Bはバイオセンサに対して血液が供給されたことが確認された後の出力波形である。
【図7】図7Aは血液供給確認までの1サイクルの出力波形、図7Bは血液供給確認後の1サイクルの出力波形である。
【図8】分析装置における血糖値測定動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】分析装置における血液供給確認処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】分析装置における応答値測定処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】従来の分析装置における2重積分回路からの出力波形を示すものであり、図11Aは血液供給が確認されるまでの出力波形、図11Bは血液供給が確認された後の出力波形である。
【図12】従来の分析装置における応答電流値の経時的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示したように、分析装置1は、バイオセンサ2を装着して使用するものであり、電流/電圧変換回路10、A/D変換器11、回路用電源12、コンパレータ13、クロックパルス発振器14、カウンタ15、および制御回路16を有している。
【0019】
分析装置1において使用されるバイオセンサ2は、電気化学的手法により試料(たとえば血液)における特定成分を分析するためのものであり、使い捨て可能なように構成されている。図2ないし図4に示したように、バイオセンサ2は、基板20に対して、スリット21aを有するスペーサ21を介してカバー22を積層した形態を有しており、上記各要素20〜22によって流路23が形成されたものである。流路23は、試料導入口23aを介して導入された試料を毛細管現象によりカバー22の穴部22aに向けて移動させるとともに、試料と試薬との反応場を提供するためのものである。
【0020】
基板20には、反応場に対して電圧を印加するための作用極20Aおよび対極20Bが形成されている。作用極20Aおよび対極20Bの端部20Aa,20Baの間は、試薬部24により繋げられている。図1に良く表れているように、作用極20Aおよび対極20Bの端部20Ab,20Bbは、バイオセンサ2を分析装置1に装着したときに、分析装置1の第1および第2端子17a,17bに接触させるための部分である。試薬部24は、たとえば酸化還元酵素および電子伝達
物質を含んだ固体状に形成されており、試料が供給されたときに溶解するように構成されている。酸化還元酵素や電子伝達物質の種類は、測定対象成分(特定成分)の種類などに応じて選択される。たとえばグルコース濃度を測定する場合には、酸化還元酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼやグルコースオキシダーゼが使用され、電子伝達物質としてフェリシアン化カリウムが使用される。
【0021】
図1に示した電流/電圧変換回路10は、バイオセンサ2から電流値として得られる情報を、電圧値に変換してからA/D変換器11に入力するためのものである。
【0022】
A/D変換器11は、入力されたアナログ量をデジタル量に変換して出力するためのものであり、2重積分回路として構成されている。このA/D変換器11は、コンデンサ11Aと、反転入力部11Baおよび非反転入力部11Bbを有するオペアンプ11Bと、を備えている。オペアンプ11Bは、スイッチSを介して端子18A,18Bに接続可能に構成されている。したがって、オペアンプ11Bにおいては、スイッチSを端子18A,18Bのいずれに接続するかを選択することにより、反転入力部11Baが電流/電圧変換回路10に接続される状態と、反転入力部11Baがグランド接続される状態とを選択することができる。一方、非反転入力部11Baは、第1基準電源11Cに接続されている。したがって、コンデンサ11Aは、電流/電圧変換回路10に接続されたときに充電され、第1基準電源11Cに接続されたときに放電される。そして、A/D変換器11の出力部11Bcは、後述するコンパレータ13の非反転入力部13aに接続されており、この非反転入力部13aに対して、コンデンサ11Aからの放電量(コンデンサ11Aでの電位差)ひいてはバイオセンサ2からの出力に相関させた出力を入力させる。
【0023】
回路用電源12は、バイオセンサ2に電圧を印加し、各種の電子部品に電力を供給するためのものである。回路用電源12としては、たとえば乾電池などの直流電源が使用される。
【0024】
コンパレータ13は、A/D変換器11(オペアンプ11B)からの出力ひいてはバイオセンサ2の出力を把握するために利用されるものである。このコンパレータ13は、非反転入力部13aがA/D変換器11(オペアンプ11B)に接続されている一方、反転入力部13bが第2基準電源13Cに接続されている。すなわち、コンパレータ13では、A/D変換器11(オペアンプ11B)からの出力が第2基準電源13Cの電源電圧より大きいか否かが判断されるように構成されており、A/D変換器11(オペアンプ11B)からの出力が第2基準電源13Cの電源電圧よりも大きい場合に「1」という信号が出力される一方で、上記出力が第2基準電源13Cの電源電圧以下の場合に「0」という信号が出力される。
【0025】
クロックパルス発振器14は、一定の周期で、カウンタ15に対してクロックパルス信号を発振するためのものである。
【0026】
カウンタ15は、制御回路16の制御にしたがって、特定の基準時から起算したクロックパルス信号の数を計算するためのものである。
【0027】
制御回路16は、各種の要素の制御を行うためのものであり、たとえばCPU、ROMおよびRAMにより構成される。制御回路16においては、たとえばカウンタ15におけるクロックパルス信号のカウント数の確認やカウント数のリセット、スイッチSの切り替え、あるいは試料中の特定成分の濃度演算が行われる。
【0028】
図5には、バイオセンサ2からの出力(応答電流値)の経時変化の一例を示したが、制御回路16における特定成分の濃度の演算は、バイオセンサ2に試料が供給されたことが確認された時点(t0)から一定時間Tが経過した時点(t1)において、バイオセンサ2から出力される応答電流値に基づいて行われる。制御回路16においては、応答電流値が電圧値として
把握されるが、その電圧値を測定するタイミングなどについては、制御回路16によって制御される。
【0029】
試料が供給されたことの確認は、図5および図6Aに示したように、制御回路16(図1参照)において、一定時間(T1)毎に応答電流値を把握し、応答電流値が閾値を超えたか否かを判断することにより行われる。応答電流値をサンプリングするための時間間隔(T1)は、たとえば10〜30msecに設定される。
【0030】
供給確認用の応答電流値の把握においては、まず図1に実線で示したように、スイッチSを端子18Aに接続してA/D変換器11をバイオセンサ2に接続し、バイオセンサ2からの出力(電荷)を、図7Aに示したように一定時間(充電時間)(T1a)の間、コンデンサ11Aに蓄えさせる。充電時間(T1a)は、たとえば5〜15msecに設定される。次いで、図1に仮想線で示したように、スイッチSを端子18Bに接続してA/D変換器11をグランドに接続し、コンデンサ11Aから電荷を放出させる。そして、制御回路16において、コンパレータ13からの出力に基づいて、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの電源電圧値以下になるまでに要した放電時間(T1b) (図7A参照)を確認する。放電時間(T1b)は、充電時間(T1a)および第2基準電源13Cの電源電圧(Eref)を一定値とすれば、コンデンサ11Aに蓄えられていた電荷の量、すなわち充電時間(T1a)におけるバイオセンサ2からの出力に比例する。したがって、図1に示した制御回路16においては、放電時間(T1b)に相関させて、応答電流値(バイオセンサ2からの出力)を電圧値(E1)として把握することができる。
【0031】
制御回路16では、図5および図7Aから予想されるように、演算用の応答電流値が電圧値(E1)として把握される度に、その電圧値(E1)を閾値(E10)と比較し、把握された電圧値(E1)が閾値(E10)よりも大きくなった時点で、バイオセンサ2に試料が供給されたと判断する。ただし、制御回路16は、一定時間経過してもA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの電源電圧値以下にならない場合には、コンデンサ11Aへの充電量が大きく、バイオセンサ2からの出力が大きいと判断できるため、閾値(E10)との比較を行うことなく、バイオセンサ2に試料が供給されたと判断するようにしてもよい。
【0032】
一方、濃度演算用の応答電流値は、図5および図6Bに示したように、バイオセンサ2への試料の供給が確認された時点(t0)から一定間隔(T2)毎に応答電流値を測定し、試料の供給確認から一定時間(T(=t1-t0))が経過した時点(t1)における応答電流値として把握される。この場合の応答電流値は、図7Aおよび図7Bを比較すれば分かるように、基本的には供給確認用の応答電流値と同様にして把握される。ただし、演算用の応答電流値を把握するための手法は、次に説明する点において、供給確認用の応答電流値を把握するための手法と異なっている。第1に、供給確認用の応答電流値をサンプリングするための時間間隔(T2)は、供給確認用の応答電流値を把握する場合の時間間隔(T1)よりも大きく設定され、たとえば30〜300msecに設定される。第2に、バイオセンサ2からの出力(電荷)を、コンデンサ11Aに蓄えさせるための充電時間(T2a)も供給確認用の応答電流値を把握する場合の充電時間(T1a)に比べて大きく設定されており、たとえば15〜150msecに設定される。第3に、コンデンサ11Aを充電させる前段階としてセトリングタイム(T2c)を設け、コンデンサ11Aにおける充電量を十分に安定させてからコンデンサ11Aを充電するように制御される。
【0033】
濃度演算用の応答電流値においても、放電時間(T2b)は、充電時間(T2a)および第2基準電源13Cの電源電圧(Eref)を一定値とすれば、コンデンサ11Aに蓄えられていた電荷の量、すなわち充電時間(T2a)におけるバイオセンサ2からの出力に比例する。したがって、図1に示した制御回路16においては、放電時間(T2b)から応答電流値(バイオセンサ2からの出力)を電圧値(E2)として把握することができる。
【0034】
制御回路16における試料における特定成分の濃度演算は、たとえば予め作成された検量線に対して、電圧値(E2)を当てはめることにより行われる。検量線は、たとえば電圧値(E2)と特定成分の濃度との関係を示す関数として、あるいは対応表として作成され、制御回路16のメモリに記憶されている。
【0035】
次に、バイオセンサ2および分析装置1を用いた血糖値測定手法について説明する。ただし、以下の血糖値測定手法の説明においては、図1および指定した図面を参照するものとする。また、分析装置1では、バイオセンサ2を装着する前には、スイッチSが端子18Aに接続されて、A/D変換器11には電流/電圧変換回路10が接続されているものとする。
【0036】
分析装置1を用いた血糖値測定においては、まず使用者が分析装置1に対してバイオセンサ2を装着し、バイオセンサ2の試料導入口23aを介して、流路23内に血液を導入する(図3参照)。このとき、流路23においては、毛細管現象により、血液が穴部22aに向けて進行する。
【0037】
一方、図8に示したように、分析装置1では、制御回路16において、バイオセンサ2が装着されたか否かが判断される(S1)。この判断は、たとえば分析装置1におけるバイオセンサ2を装着する部分に感圧センサや光センサなどの検知センサを設け、検知センサからの出力に基づいて行うことができる。もちろん、使用者がボタン操作を行うことによって、分析装置1にバイオセンサ2が装着されたことを認識させるようにしてもよい。
【0038】
分析装置1においては、バイオセンサ2が装着されていないと判断された場合には(S1:NO)、電源がオンされてから一定時間経過したか否かが判断される(S2)。分析装置1において電源オンから一定時間経過していないと判断された場合には(S2:NO)、バイオセンサ2が装着されているか否かを判断する(S1)。これに対して、分析装置1において電源オンから一定時間経過したと判断された場合には(S2:YES)、分析動作を行わない。
【0039】
一方、分析装置1においてバイオセンサ2が装着されていると判断された場合には(S1:YES)、バイオセンサ2の作用極20Aおよび対極20Bの間に電圧を印加した後(S3)、バイオセンサ2に血液が供給されたか否かを確認する(S4)。なお、作用極20Aおよび対極20Bの間に対する電圧の印加は、分析装置1においてバイオセンサ2の装着が確認される前、すなわち分析装置1にバイオセンサ2が装着された時点から行っていてもよい。
【0040】
S4における試料供給確認処理は、図5に示したように、一定の時間間隔(T1)毎に設定された複数の測定ポイントにおいて、作用極20Aと対極20B(図3および図4参照)とが血液により液絡することにより生じる電流を電圧値として把握し、その電圧値が一定値(閾値)(E10)を越えるか否かを判断することにより行われる。すなわち、制御回路16において作用極20Aと対極20Bとの間の液絡を確認することにより、作用極20Aにまで血液が到達したか否かが判断される。
【0041】
電圧値の把握においては、図6Aおよび図9に示したように、まず、対象となる測定ポイントから起算される一定時間(T1a)の間、バイオセンサ2において生じた電流によってA/D変換器11のコンデンサ11Aに電荷が蓄えられる(S11,S12)。測定ポイントから一定時間(T1a)が経過したか否かは、クロックパルス発振器14において発振されたクロックパルスの数をカウンタ15においてカウントし、制御回路16において、カウンタ15でのカウント数が一定時間(T1a)に対応するカウント数に達したか否かを判断することにより行われる。このような判断は、制御回路16において一定時間(T1a)が経過したと判断されるまで(S12:YES)、繰り返し行われる(S12)。
【0042】
制御回路16において測定ポイントから一定時間(T1a)が経過したと判断された場合には(
S12:YES)、制御回路16の制御によってスイッチSを端子18Bに接続する(S13)。これにより、A/D変換器11の反転入力部11Baがグランド接続され、コンデンサ11Aから電荷が放出される(S14)。
【0043】
一方、制御回路16においては、コンパレータ13からの出力が「1」であるか「0」であるかが確認される。より具体的には、制御回路16では、コンパレータ13からの出力が「1」であると認識された場合には、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)よりも大きいと判断する一方で(S15:NO)、コンパレータ13からの出力が「0」であると認識された場合には、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下であると判断する(S15:YES)。
【0044】
制御回路16においてA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)よりも大きいと判断された場合には(S15:NO)、放電開始から一定時間(=T1-T1a)(図7A参照)が経過したか否かが判断される(S16)。制御回路16において放電開始から一定時間(=T1-T1a)(図7A参照)が経過していないと判断された場合には(S16:NO)、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下であると判断され(S15:YES)、あるいは放電開始から一定時間(=T1-T1a)(図7A参照)が経過したと判断されるまで(S16:YES)、S15またはS16の判断を繰り返す。
【0045】
制御回路16においてA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下である判断された場合には(S15:YES)、放電開始から一定時間(=T1-T1a)が経過したか否か、すなわちサンプリングタイム(T1)が終了したか否かが判断される(S17)。S17での判断は、制御回路16においてサンプリングタイム(T1)が終了したと判断されるまで(S17:YES)、繰り返し行われる。
【0046】
制御回路16においてサンプリングタイム(T1)が終了したと判断された場合には(S17:YES)、バイオセンサ2からの応答値が閾値(E10) (図5参照)を超えているか否かが判断される(S18)。この判断は、バイオセンサ2からの応答電流値を電圧値として把握し、この電圧値が閾値(E10) (図5参照)を超えているか否かを判断することにより行われる。応答電流値の把握においては、まず制御回路16において、放電開始からA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下になるまでの放電時間(T1b)を、カウンタ15におけるカウント数に基づいて演算する。上述したように、放電時間(T1b)は、充電時間(T1a)におけるバイオセンサ2からの出力を反映しており、この放電時間(T1b)に基づいて、応答電流値を電圧値として把握することができる。
【0047】
制御回路16は、S18の判断において応答値が閾値(E10) (図5参照)を超えていないと判断された場合には(S18:NO)、S18において応答値が閾値(E10) (図5参照)を超えていると判断されるまで(S18:YES)、S11〜S18のルーチンを繰り返し行う。
【0048】
一方、制御回路16は、S16においてA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下となる前にサンプリングタイム(T1)が終了し(S16:YES)、あるいはS18において応答値が閾値(E10) (図5参照)以上であると判断された場合には(S18:YES)、バイオセンサ2に血液が供給されたと判断し(S19)、血液供給確認処理を終了する。
【0049】
制御回路16においてバイオセンサ2への血液の供給が確認された場合には、その時点においては、少なくともバイオセンサ2の作用極20Aにまで血液が進行していることとなる。このとき、流路23の内部においては、試薬部24(図2〜図4参照)が溶解して液相反応系が構築される。この液相反応系では、グルコースが酸化される一方で、電子伝達物質が還元される。電子伝達物質は、作用極20Aおよび対極20Bを利用して直流電圧を印加することによって、酸化され、そのときに放出した電子の量が作用極20Aに供給されて応答電流
値として測定することができる。
【0050】
血液供給確認処理(S4)が終了した場合には、次いで、図8に示したように応答値測定処理を行う(S5)。この応答値測定処理(S5)は、図10に示した手順にしたがって実行される。まず、制御回路16は、カウンタ15におけるカウント数をリセットした後に、カウンタ15においてクロックパルス信号のカウントを開始させ(S21)、カウント開始から一定時間が経過したか否か、すなわちセトリングタイム(T2c) (図7B参照)が終了したか否かを判断する(S22)。この判断は、制御回路16においてカウンタ15におけるカウント数がセトリングタイム(T2c)に対応するカウント数に到達したか否かにより判断される。
【0051】
次いで、制御回路16は、スイッチSを端子18Aに接続するとともに(S23)、カウンタ15におけるカウント数をリセットした後に、カウンタ15においてクロックパルス信号のカウントを開始させる(S24)。スイッチSを端子18Aに接続した場合には、バイオセンサ2がA/D変換器11に接続され、バイオセンサ2において生じた電流に基づいてA/D変換器11のコンデンサ11Aに電荷が蓄えられる(S25)。
【0052】
一方、制御回路16においては、コンデンサ11Aに対する充電の開始から一定時間が経過したか否か、すなわち充電時間(T2a) (図7B参照)が終了したか否かが判断される(S26)。この判断は、制御回路16において、カウンタ15でのクロックパルス信号のカウント数が充電時間(T2a)に対応するカウント数に達したか否かを判断することにより行われる。このような判断は、制御回路16において一定時間が経過したと判断されるまで、すなわち充電時間(T2a)が終了したと判断されるまで(S26:YES)、繰り返し行われる(S25,S26)。
【0053】
制御回路16において充電時間(T2a)が終了したと判断された場合には(S26:YES)、制御回路16は、スイッチSを端子18Bに接続するとともに(S27)、カウンタ15におけるカウント数をリセットした後に、カウンタ15に対してクロックパルス信号のカウントを開始させる(S28)。これにより、A/D変換器11の反転入力部11Baがグランド接続され、コンデンサ11Aから電荷が放出される(S29)。
【0054】
このとき、制御回路16は、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下であるか否かを判断する(S30)。この判断は、血液供給確認処理(S4)の場合と同様に、制御回路16がコンパレータ13からの出力が「1」であるか「0」であるかを認識することにより行われる。
【0055】
制御回路16は、A/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下でないと判断した場合(S30:NO)には、コンデンサ11Aからの放電を継続し(S29)、S30においてA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下と判断するまで(S30:YES)、S29での放電およびS30での判断を繰り返し行うようにスイッチSなどを制御する。
【0056】
S30においてA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下であると判断された場合には(S30:YES)、応答値、すなわち充電時間(T2a)におけるバイオセンサ2からの出力を演算する(S31)。応答値は、制御回路16において放電開始からA/D変換器11からの出力が第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)以下となるまでの放電時間(T2b)を演算した上で、この放電時間(T2b)に基づいて、電圧値として演算される。
【0057】
次いで、制御回路16においては、コンデンサ11Aからの放電の開始から一定時間(=T2-(T2c+T2a))(図7B参照)が経過したか否か、すなわちサンプリングタイム(T2)が終了したか否かが判断される(S32)。この判断は、制御回路16において、カウンタ15でのクロックパルス信号のカウント数が一定時間(=T2-(T2c+T2a))に対応するカウント数に達したか否
かを判断することにより行われる。S32においてサンプリングタイム(T2)が終了したと判断された場合には(S32:YES)、応答値測定処理を終了する。
【0058】
応答値測定処理(S5)が終了した場合には、図8に示したように、制御回路16において血液供給が確認された時点から一定時間T(図5参照)が経過したか否かが判断される(S6)。すなわち、先の応答値測定処理(S5)が、演算用の応答値として採用するためのサンプリングに該当するか否かが判断される。S6の判断において制御回路16が一定時間(T)を経過していないと判断された場合には(S6:NO)、制御回路16において一定時間(T)が経過したと判断されるまで(S6:YES)、応答値測定処理(S5)を繰り返し行う。
【0059】
一方、制御回路16において一定時間(T)が経過したと判断された場合には(S6:YES)、当該判断の直近に測定された応答値を演算用の応答値として採用し(S7)、この応答値に基づいて血糖値を演算する。血糖値の演算は、上述した通り、応答値を検量線に当てはめることにより行われる。
【0060】
上述のように、図1に示したA/D変換器11(2重積分回路)を用いる場合、応答電流値をより正確に把握するためには、コンパレータ13において、オペアンプ11Bの反転入力部11Baへの入力と非反転入力部11Bbへの入力とをより精度良く比較し、放電時間(T1b),(T2b) (図7Aおよび図7B参照)を精度良く測定する必要がある。そのためには、コンデンサ11Aでの充電時間(T1a),(T2a)を長く設定するのが好ましい。言い換えれば、充電時間(T1a),(T2a)を短く設定すれば、応答電流値の測定精度が低下する。その一方、充電時間(T1a),(T2a)を長く設定すれば、自ずと放電時間(T1b),(T2b)が長くなり、また放電後において、A/D変換器11からの出力を第2基準電源13Cの基準電源値(Eref)に近づけるためには、セトリングタイム(T2C)を長く設定する必要が生じ、サンプリング間隔(T1),(T2)を長く設定せざるをえない。
【0061】
これに対して分析装置1では、図7Aおよび図7Bから分かるように、制御回路16(図1参照)は、バイオセンサ2に血液が供給されたことを確認するための応答電流値の把握においては、サンプリング間隔(T1)およびコンデンサ11Aの充電時間(T1a)が短くなるように制御するように構成されている。その一方で、血糖値を演算するための応答電流値の把握においては、制御回路16(図1参照)は、サンプリング間隔(T2)およびコンデンサ11Aの充電時間(T2a)が長くなるように制御するように構成されている。
【0062】
したがって、分析装置1では、バイオセンサ2に血液が供給されたことを検知される時点と、実際にバイオセンサ2に血液が供給された時点とのずれが小さくなる。しかも、血糖値の演算を行うための応答値を精度良く把握することができる。その結果、血液が供給された時点から演算用の応答電流値のサンプリングまでの時間が測定ごとにばらつくことを抑制し、より精度良く血糖値を測定することができるようになる。
【0063】
本実施の形態においては、試料の供給が確認されてから血糖値を演算するための応答値をサンプリングするまでの間に、複数回の応答値測定を行う一方で、血液の供給が確認されてから一定時間経過後において演算値を測定するための応答値をサンプリングしている。しかしながら、本発明では、応答電流値の測定を上記一定時間経過時において少なくとも一回行えばよい。また、上記一定時間経過時までに複数回の応答値を測定し、複数回の応答値の積算値に基づいて血糖値を演算するようにしてもよい。
【0064】
もちろん、本発明は、血液中のグルコース以外の成分(たとえばコレステロールあるいは乳酸)の分析を行い、あるいは血液以外の試料(たとえば尿あるいは唾液)を用いて試料の分析を行う分析装置に対しても適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析用具からの出力に基づいて、上記分析用具に試料が供給されたことを確認するための第1のステップと、上記分析用具に試料が供給されたことが確認されてから一定時間経過するまでにおいて、上記分析用具からの出力のレベルを、上記一定時間経過時を含めて1回以上把握するための第2のステップと、上記一定時間経過時における上記分析用具からの出力に基づいて、試料の分析に必要な演算を行う第3のステップと、を含む試料分析方法であって、
上記第1および第2のステップにおける上記分析用具からの出力の把握は、2重積分回路に上記分析用具からの出力を入力させたときの上記2重積分回路からの出力に基づいて行われ、
上記第1のステップにおいては、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力終了までの時間である第1の特定時間毎に、上記2重積分回路からの出力のレベルを繰り返し把握し、
上記第2のステップにおいては、上記2重積分回路からの出力のレベルの把握時において、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力終了までの時間である第2の特定時間を、上記第1の特定時間に比べて長く設定する、試料分析方法。
【請求項2】
上記第2のステップにおいては、上記2重積分回路に対する分析用具からの出力の入力および上記2重積分回路からの出力を、上記第2の特定時間毎に繰り返し行い、上記一定時間経過時における上記分析用具からの出力を把握する、請求項1に記載の試料分析方法。
【請求項3】
上記第1の特定時間は10〜30msecの範囲から選択され、上記第2の特定時間は30〜300msecの範囲から選択される、請求項1に記載の試料分析方法。
【請求項4】
上記2重積分回路としては、上記分析用具からの出力を電荷として蓄えた後に蓄えた電荷を放出するコンデンサを備え、かつ上記分析用具からの出力を上記コンデンサにおける放電時間に基づいて把握できるように構成されたものが使用され、
上記第1のステップにおける上記第1の特定時間での上記コンデンサに対する充電時間は、上記第2のステップにおける上記第2の特定時間での上記コンデンサに対する充電時間に比べて短く設定される、請求項1に記載の試料分析方法。
【請求項5】
上記第1のステップにおける上記第1の特定時間での上記コンデンサに対する充電時間は5〜15msecの範囲から選択され、
上記第2のステップにおける上記第2の特定時間での上記コンデンサに対する充電時間は15〜150msecの範囲から選択される、請求項4に記載の試料分析方法。
【請求項6】
上記分析用具として、上記特定成分との間の電子授受量を電気的物理量として出力するための電極を備えたものが使用される、請求項1に記載の試料分析方法。
【請求項7】
上記分析用具として、上記特定成分と上記電極との間の電子授受を促進するための1以上の試薬を含んだ試薬部と、試料と上記1以上の試薬との共存系に対して電圧を印加する
ときに、上記電極とともに利用される追加の電極と、を備えたものが使用され、かつ、
上記電極および上記追加の電極によって上記共存系に電圧を印加することによって、上記分析用具から上記電気的物理量を電流として出力させる、請求項6に記載に試料分析方法。
【請求項8】
上記分析用具として、試料として血液を用いるように構成されたものが使用される、請求項1に記載の試料分析方法。
【請求項9】
分析用具を装着して使用し、かつ上記分析用具からの出力に基づいて分析用具に供給された試料の分析を行う分析装置であって、上記分析用具からの出力が入力され、かつ当該入力に相関した物理量を出力する2重積分回路と、上記2重積分回路に上記分析用具からの出力を入力させるタイミングおよび上記2重積分回路から上記物理量を出力させるタイミングを制御する制御手段と、を備えた分析装置において、
上記制御手段は、上記2重積分回路に対する入力開始から上記2重積分回路からの出力開始までの時間間隔を、上記分析用具に試料が供給されたことを確認するまでに比べて、上記分析用具に試料が供給されたことが確認された後のほうが長くなるように制御するように構成されている、試料分析装置。
【請求項10】
上記2重積分回路は、上記分析用具からの出力を電荷として蓄えた後に蓄えた電荷を放出するためのコンデンサを備え、かつ上記分析用具からの出力を上記コンデンサにおける放電時間に基づいて把握できるように構成されており、
上記制御手段は、上記コンデンサに対する充電時間を、上記分析用具に試料が供給されたことを確認するまでに比べて、上記分析用具に試料が供給されたことが確認された後のほうが長くなるように制御するように構成されている、請求項9に記載の試料分析装置。
【請求項11】
上記分析用具が電気的物理量を出力するための電極を備えている場合において、
上記2重積分回路が直接または間接的にグランド接続される状態と、上記2重積分回路が上記電極に接続される状態と、を選択するためのスイッチをさらに備えており、
上記制御手段は、上記スイッチを切り替え制御することにより、上記2重積分回路に対して上記分析用具からの出力を入力させるタイミングと、上記2重積分回路から上記物理量を出力させるタイミングと、を制御するように構成されている、請求項10に記載の試料分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【国際公開番号】WO2005/040784
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【発行日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514947(P2005−514947)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015415
【国際出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)